説明

非水溶性イオン性ビニルモノマーの製造方法及びそれからなる帯電防止剤と帯電防止組成物

【課題】樹脂や有機溶媒との相溶性が良好であり、金属イオン及び有機溶媒と水が含有しない、高純度のイオン性ビニルモノマー、及び該モノマーからなる帯電防止剤又は帯電防止性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】一般式(1)(式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、R4は炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNH−を表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基又は炭素数0のフルオロ基を表す。)で示されるイオン性ビニルモノマーを高純度、高収率で合成し、該イオン性ビニルモノマーからなるポリマー等を帯電防止の有効成分として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属イオンフリー且つ有機溶媒及び水を含まない、高品質な非水溶性イオン性ビニルモノマー、及びその製造方法、該モノマーからなる帯電防止剤及び該帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
第4級アンモニウム塩は優れた帯電防止性能を有するため、樹脂用帯電防止剤として従来から知られている(特許文献1、2)。特に近年、樹脂表面にブリードアウトし難く、持続的に帯電防止効果を維持できる高分子型の第4級アンモニウム塩が多く報告されている(特許文献3)。
【0003】
中でも、アクリレート系とアクリルアミド系の4級カチオン性ビニルモノマーを高分子型帯電防止組成物のベースモノマーとして使用することが知られている。しかし、多くの4級カチオン性ビニルモノマーは室温で固体であり、吸湿性が高いため、製造上の関係で通常水溶液の状態で流通している。例えば、不飽和第3級アミンであるN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドに4級化剤としてメチルクロライドを加えて、水とアプロティックな有機溶媒からなる混合溶媒存在下で、4級化反応を行う方法(特許文献4)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートとベンジルクロライドをアセトン中で4級化反応させた後、水を添加して、アセトンを減圧除去する方法(特許文献5)がある。当然ながら、この方法により得られる4級カチオン性ビニルモノマーは通常水溶液タイプであるため、モノマーの状態で基材に塗工し、活性エネルギー線等で硬化させ使用する場合、塗膜時の乾燥性が悪く、また、4級カチオン性ビニルモノマーの極性が高いため、汎用樹脂、多官能アクリルモノマー、オリゴマー、有機溶媒などとの相溶性が乏しく、均一に分散できず、有効な帯電防止性が発現できないという問題点があった。仮に、4級カチオン性ビニルモノマーを高純度に精製し、極性有機溶媒に溶解させたとしても、これらのモノマー自身の親水性が高いために、有機溶媒を除去して使用する際に、樹脂中の他成分に対する溶解性が低く、樹脂中で凝縮するか樹脂から析出し、連続した帯電防止膜を形成できず、目標とする帯電防止性能を達成できない場合があった。
【0004】
そこで、樹脂、有機溶媒との相溶性を改良しようとする種々の試みも行われてきた。例えば、アクリレート系4級カチオン性ビニルモノマーと他の重合可能なビニルモノマーを共重合して使用する方法が報告されている(特許文献6、7)。しかし、これらの方法では、帯電防止組成物中の4級カチオン性ビニルモノマーの含有量が低下するため、目標とする帯電防止性能を得るためには、この共重合体を多量に添加する必要があり、その結果、樹脂の各種特性が低下するとともに、樹脂組成物の価格が高くなってしまうという問題点があった。
【0005】
一方、4級カチオン性ビニルモノマー自身の相溶性向上の目的で、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のアニオンを有するイオン性ビニルモノマーが提案されている(特許文献8、9、10、11)。
【0006】
これらの提案のイオン性ビニルモノマーは、第3級アミンをハロゲン化アルキル又はジアルキルスルホン酸で4級化した後、目的のアニオンを有する塩を用いてアニオン交換反応を行う公知化された製法で合成されており、例えば、特許文献8では、水溶媒中、60℃加熱下でのアニオン交換反応後、得られたイオン性ビニルモノマーを70℃加熱下で減圧脱水させて精製し、目的のイオン性ビニルモノマーを取得している。
【0007】
しかし、イオン性ビニルモノマーは不飽和基を有するため、60〜70℃の高温下での反応、及び長時間蒸留を行うと重合する恐れがあり、得られたモノマーはポリマーを含んだ純度の低いものとなる。該特許文献では得られたモノマーの純度については何ら記載がない。
【0008】
また、特許文献9、10も、特許文献8と同様、水溶媒中でのアニオン交換反応後、水と二層分離したイオン性ビニルモノマー相を分離することにより取得している。
【0009】
しかし、目的のイオン性ビニルモノマーは僅かであるが水に溶解するため(例えば、特許文献8記載のアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの水に対する溶解度は1.3(g/100g水))、未反応原料や副生成物を除去するための水洗を繰り返すことにより、収率の低下を招く。また、得られたイオン性ビニルモノマーは通常、高粘度液体であるため、装置付着による回収ロスが問題である。また、これらの特許文献には、得られたイオン性ビニルモノマーの収率も純度も一切記載されてない。
【0010】
特許文献11では、電子製品や電子部品に応用される材料として金属イオンを含有しないイオン性ビニルモノマーが提案されている。しかし、該提案のイオン性ビニルモノマーも前記の既知の方法、即ち、水溶液中で原料となる4級カチオン性ビニルモノマーとアニオンとなる塩を用いた塩交換反応で合成されている。この方法では、原料及び塩交換後の副生成物である金属塩が残留し、金属イオンの生成物へ混入は回避できない。金属イオンが微量残存しても空気中の二酸化炭素を吸収しやくなり、金属への腐食が促進され、電子材料として使用できない場合があるので、その残存量を極端に低減させなければならない。ところが、該特許文献においては、イオン性ビニルモノマーの具体的精製方法は記載されず、さらに金属イオンの低減方法や目的生成物中の金属及び金属イオン含有量も全く記載されてない。
【0011】
また、水に難溶な汎用イオン液体において、ジクロロメタンなどの水と二層分離する塩素系有機溶媒で抽出、分離する精製方法も報告されている(特許文献12、13、14)。しかし、有機溶媒や水の除去は減圧下で濃縮されただけで、非揮発性のイオン液体中から揮発性成分を完全に揮発、除去させることが理論的に不可能である。特に、ジクロロメタンのような塩素系溶媒の場合、残存塩素による環境負荷の増加、金属への腐食性などが懸念され、特に電子材料として使用される場合、電子製品の機能低下、故障の原因になる可能性がある。
【0012】
【特許文献1】特開2008−231240号公報
【特許文献2】特開2008−13636号公報
【特許文献3】特開2008−231196号公報
【特許文献4】特開昭63−201151号公報
【特許文献5】特開平07−267906号公報
【特許文献6】特開平07−150130号公報
【特許文献7】特開2007−51241号公報
【特許文献8】特開2007−9042号公報
【特許文献9】WO2004-027789号公報
【特許文献10】特開2005−255843号公報
【特許文献11】特開2009−179671号公報
【特許文献12】特開2006−210259号公報
【特許文献13】特開2008−156597号公報
【特許文献14】特開2010−127772号公報
【0013】
以上述べたように、アンモニウムカチオンとビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミドアニオンから構成される、金属イオンフリー且つ有機溶媒及び水を含有せず、高純度のイオン性ビニルモノマーを高純度、高収率、工業的に製造する方法は従来知られていない。また、汎用アクリルモノマー、有機溶剤や樹脂との相溶性に優れ、非水溶性で耐湿性が良好であり、UV硬化に応用でき、しかも硬化後長く帯電防止効果が持続できる、各種電気化学デバイスにも好適に用いられる帯電防止剤用のイオン性ビニルモノマー、該モノマーからなる帯電防止剤、帯電防止組成物は未だに簡便に得られていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の第一目的は、金属イオンフリー且つ有機溶媒及び水を含まない、高品質な非水溶性イオン性ビニルモノマーを得ることにある。
本発明の第二目的は、該イオン性ビニルモノマーの効率的且つ経済的な製造方法を提供することにある。
本発明の第三目的は、該イオン性ビニルモノマーを構成成分とする、汎用アクリルモノマーや他の帯電防止組成物に均一に分散でき、帯電防止効果が優れ且つ長期持続可能な耐湿性、耐加水分解性を有する帯電防止剤および該帯電防止剤を含有する帯電防止組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者はこれらの課題を解決するために鋭意検討を行った結果、溶解度パラメーターが7〜11 (cal/cm3)0.5を有する非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系で行われる4級アンモニウム塩モノマーとビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩のアニオン交換反応後、有機溶媒相を分離して、減圧下の濃縮後、乾燥不活性ガス乃至乾燥空気のバブリングをさらに行い、有機溶媒及び水を除去することにより、また、さらにアニオン交換反応時、水相にイオン吸着剤を添加することにより、下記一般式(1)で示されるイオン性ビニルモノマーを高純度、高収率で得られることを見出し、さらに該イオン性ビニルモノマーを用いることで前記帯電防止剤と帯電防止組成物の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
【化1】

(式中、Rは水素原子またはメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基またはベンジル基を表し、Yは酸素原子またはNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)
【0017】
すなわち本発明は、
1)一般式(1)
【化1】


(式中、Rは水素原子またはメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基またはベンジル基を表し、Yは酸素原子またはNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)
で表される金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)、且つ有機溶媒及び水の含有量は100ppm未満且つ純度99%以上である、イオン性ビニルモノマー
2)イオン性ビニルモノマーが、一般式(2)
【化2】

(式中、Mはカチオンを表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩と、一般式(3)
【化3】


(式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Q-はアニオンを表す。)で表される4級カチオン性ビニルモノマーの、非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系で行われるイオン交換反応により合成されることを特徴とする前記1)記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法
3)前記非水溶性有機溶媒は、溶解度パラメーターが7〜11 (cal/cm3)0.5を有する非塩素系有機溶媒から選ばれる1種又は2種以上である前記2)記載の製造方法
4)前記非水溶性有機溶媒が、酢酸エステル類又はケトン類である前記2)乃至3)記載の製造方法
5)前記イオン交換反応中にさらに水相にイオン吸着剤を添加することを特徴とする前記2)乃至4)記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法
6)前記イオン吸着剤が水溶性金属イオン吸着剤から選ばれる1種又は2種以上である前記2)乃至5)記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法
7)前記水溶性イオン吸着剤が水溶性ポリマーであることを特徴とする前記2)乃至5)記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法
8)前記2)乃至7)の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーをラジカル重合させることにより得られる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)のイオン性ホモオリゴマー又はホモポリマー
9)前記2)乃至7)の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーと他の共重合可能のビニル系単量体との共重合で得られる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)のイオン性コオリゴマー又はコポリマー
10)前記2)乃至7)の方法により製造されたイオン性ビニルモノマー及び/又は請求項8)又は9)のオリゴマー若しくはポリマーからなる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)の帯電防止剤
11)前記10)記載の帯電防止剤又は該帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物であって、前記1)の、又は前記2)乃至前記7)の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーを構成単位として0.1〜90重量%含有するもの
12)前記10)記載の帯電防止剤又は11)記載の帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物であって、さらに多官能(メタ)アクリレート及び/又は多官能(メタ)アクリルアミドを含有する帯電防止組成物
13)基材上に前記10)〜12)いずれか一項に記載の帯電防止剤又は帯電防止組成物を塗装した後、活性エネルギー線又は熱により硬化して形成されることを特徴とする帯電防止膜
14)少なくとも片面に前記13)記載の帯電防止膜を有することを特徴とする帯電防止フィルム、シート
を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の方法によると、金属イオンフリー、且つ有機溶媒及び水を含まない、高純度の非水溶性イオン性ビニルモノマーを高収率且つ簡便に製造することができる。また、該イオン性ビニルモノマーは非水溶性であり、それを構成成分とする帯電防止剤及び帯電防止組成物は、透明で着色せず、汎用アクリルモノマーや有機溶媒への溶解性、親和性に優れるため、他の帯電防止組成物に均一に分散でき、耐湿性や耐加水分解が良好で、帯電防止効果が優れ且つ長期持続できる。帯電防止剤および該帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物、帯電防止層、帯電防止膜又は帯電防止フィルム、シートが提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のイオン性ビニルモノマーは、一般式(1)で表わされるイオン性(メタ)アクリルアミド系モノマー、イオン性(メタ)アクリレート系モノマー、及びそれらのモノマーから構成されるオリゴマー若しくはポリマーのうちいずれか1種以上からなるものである。
【0020】
一般式(1)の式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基又は炭素数0のフルオロ基を表す。
【0021】
上記一般式(1)で表されるイオン性ビニルモノマーのカチオンとして、具体的には、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウム、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウム、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウム、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウム、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウム、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウム、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウム等のアクリルアミド系4級アンモニウムカチオンとメタクリルアミド系4級アンモニウムカチオン、また、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウム、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウム、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウム等のアクリレート系4級アンモニウムカチオンとメタクリレート系4級アンモニウムカチオン等が挙げられる。特に安価な工業的原料を入手しやすい点で、特に好ましいのは、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムである。
【0022】
上記一般式(1)で表されるイオン性ビニルモノマーのアニオンとして、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ビス(フルオロスルホニル)イミド、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、シクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド等が挙げられる。
【0023】
上記一般式(1)で表されるイオン性ビニルモノマーの具体例として、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス
(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノメチルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メ
タクリロイルアミノプロピルメチルジエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノエチルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルジエチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルメチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルエチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド等のイオン性(メタ)アクリルアミド系モノマー、また、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(
ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウム[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミド、アクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホ
ニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、アクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシメチルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジメチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリエチルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルトリプロピルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルジエチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルメチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド、メタクリロイルオキシプロピルエチルジベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド等のイオン性(メタ)アクリレート系モノマーが挙げられる。
【0024】
安価な工業的原料を入手しやすい点で、特に好ましいのは、アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、である。
【0025】
本発明の製造方法は、(a)一般式(2)
【化2】

(式中、Mはカチオンを表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩と、一般式(3)
【化3】


(式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Q-はアニオンを表す。)で表される4級カチオン性ビニルモノマーを、非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系溶媒下でイオン交換反応する工程、(b)さらに水相にイオン吸着剤を添加する工程、(c)イオン交換反応により生成した一般式(1)で表されるイオン性ビニルモノマーを含有する非水溶性有機溶媒相と水相を二相分離させて水相を除去する工程、(d)非水溶性有機溶媒相を減圧下の濃縮後、乾燥不活性ガス乃至乾燥空気のバブリングをさらに行う工程、からなり、金属イオンフリー、且つ有機溶媒及び水の含有量の少ない、一般式(1)で表される高純度の非水溶性イオン性ビニルモノマーを高収率で製造することができる。
【0026】
本発明の(a)の工程の出発物質である一般式(2)で表わされるビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩は、具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(フルオロスルホニル)イミドアンモニウム塩、ビス(ヘキサフルオロエタンスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(ヘキサフルオロエタンスルホニル)イミドカリウム塩、ビス(ヘキサフルオロエタンスルホニル)イミドナトリウム塩、ビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドリチウム塩、ビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミドリチウム塩、[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)]イミドカリウム塩等が挙げられる。
【0027】
本発明のもう一種の出発物質である一般式(3)で表わされる4級カチオン性ビニルモノマーは4級カチオン性(メタ)アクリルアミド系モノマーと4級カチオン性(メタ)アクリレート系モノマーである。
【0028】
一般式(3)の式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Q-はCl-、Br-、I-などハロゲンイオン又はOH-、CHCOO-、NO-、ClO-、PF-、BF-、HSO-、CHSO-、CFSO-、CHSO-、CSO-、等の無機酸アニオン又は有機酸アニオンを表す。
【0029】
4級カチオン性ビニルモノマーは公知の方法を用いて製造することができる。例えば、下記一般式(4)
【化4】


(式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表す)で表されるN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド及び/又はN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートに4級化剤としてのハロゲン化アルキル又はハロゲン化ベンジル、ジアルキル硫酸、炭酸ジアルキルあるいはアルキルトルエンスルフォネート、ベンゼンスルフォネート、p−トルエンスルフォネートを水又は有機溶媒中で4級化反応させ、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド4級塩及び/又はN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩を得ることができる。さらに、必要に応じ4級アンモニウム水酸化物を経由して無機酸や有機酸で中和処理することによりアニオンを変化させ、種々のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド4級塩及び/又はN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート4級塩を得ることができる。
【0030】
上記N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルプロピルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0031】
上記N,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−メチルプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0032】
また、水溶性4級カチオン性ビニルモノマーを原料として直接使用する場合、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライド第4級塩水溶液(株式会社興人製「DMAPAA−Q」)とN,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのメチルクロライド第4級塩水溶液(株式会社興人製「DMAEA−Q」)、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートのベンジルクロライド第4級塩水溶液(株式会社興人製「DMAEA−BQ」)が安価な工業品原料として入手し易い観点から特に好ましい。
【0033】
かかる一般式(3)で表される4級カチオン性ビニルモノマーの使用量は、一般式(2)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩1モルに対し、通常0.5モル以上であり、好ましくは0.8〜1.5モル、より好ましくは0.9〜1.1モルである。使用量が0.5モルよりも少ない、又は1.5モルよりも多いと、一方の原料が過剰に残存するため、反応後の精製が困難となり、目的物の収率を低下させるので好ましくない。また、経済的にも不利である。
【0034】
反応溶媒としては、非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系が用いられる。かかる非水溶性有機溶媒と水との比率(体積比)は特に限定されないが、通常、(10/1)〜(1/10)の範囲であり、(5/1)〜(1/5)の範囲であることが好ましい。
【0035】
非水溶性有機溶媒の使用量は特に制限する必要がないが、本発明のイオン性ビニルモノマーの濃度が1〜90重量%となるような範囲が好ましい。さらに5〜70重量%となるような範囲が特に好ましい。1重量%未満であれば、生成物を効率的に有機相へ回収させることは困難であり、90重量%を越えると反応後の有機相の粘度が高くなり、副生成物の分離、除去は難しくなる。
【0036】
本発明における「非水溶性有機溶媒」とは、水に完全には溶解せず、少なくとも一部が水と分離し、二相系を形成し得る有機溶媒であって、且つ溶解度パラメーター(SP値)の範囲が7〜11(cal/cm3)0.5であり、さらに好ましくはSP値8〜9の非塩素系有機溶媒である。SP値7〜11の範囲であると、本発明のイオン性ビニルモノマーが可溶、副生成物である金属塩が不溶となり、副生成物が水相へ溶解しやすくなり、アニオン交換反応が促進され、目的のイオン性ビニルモノマーを高収率で取得することができる。なお、本発明の溶解度パラメーターは、H.BurrellのPolymer Handbook, 2版(J.Brandrup and E.H.Immergut編)Wiley Interscience, New York, (1975年)のIV−337〜IV−359頁によって示される値である。溶解度パラメーターが7未満であれば、原料の4級カチオン性ビニルモノマー及び生成したイオン性ビニルモノマーが共に不溶となり、効率よくアニオン交換反応を行うことができない。一方、11を越えると原料の4級カチオン性ビニルモノマー、生成したイオン性ビニルモノマー、アニオン交換した金属塩とも溶解する均一系反応液となり、目的のイオン性ビニルモノマーのみを高純度で単離することが困難となる。
【0037】
このような非水溶性有機溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルのような酢酸エステル系有機溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルイソブチルケトン、メチルイソプロピルケトンのようなケトン系有機溶媒等が挙げられる。これらの中では、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンが安価の工業品を入手し易く、安全性が高く、取り扱いやすいため、好ましい。これらの溶媒は、1種あるいは2種以上を用いることができる。
【0038】
反応温度は、通常10℃以上、15〜60℃が好ましく、20〜40℃が特に好ましい。反応温度が10℃未満の場合、反応速度が遅くなり、完結する所要反応時間が長くなる。一方、60℃を超えると原料の4級カチオン性ビニルモノマーと生成物のイオン性ビニルモノマーが重合してしまう可能性がある。
【0039】
本発明の(b)の工程におけるイオン吸着剤としては、非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系で行われる(a)のイオン交換反応時、水相に溶解し、残存原料由来及び/又は副生成物由来のリチウムイオン(Li)、カリウムイオン(K)等のイオンを吸着するもので、水溶性金属イオン吸着剤を使用することができる。
【0040】
水溶性金属イオン吸着剤としては水溶性ポリマーを使用することができる。ここで、水溶性ポリマーとは、25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が1g以上のポリマーをいい、さらに10g以上であることが好ましい。溶解量が1g未満である場合、ポリマー水溶液の濃度が薄すぎで、水溶性金属イオンを十分に吸着できない恐れがある。
【0041】
このような水溶性ポリマーとしては、例えば、アクリル酸の単独重合体及び/又は他のビニルモノマーとの共重合体のような側鎖にカルボキシル基を有するアクリル酸系水溶性ポリマー、N−置換アクリルアミドの単独重合体及び/又は他のビニルモノマーとの共重合体のような側鎖にN−置換アミド基を有するアクリルアミド系水溶性ポリマー等が挙げられる。これらの中では、原料モノマーとしてアクリル酸、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンが安価の工業品を入手し易く、簡便にポリマー化できるため、好ましい。これらの水溶性ポリマーは、1種あるいは2種以上を用いることができる。
【0042】
アクリル酸系水溶性ポリマーは水溶液中で側鎖にあるカルボキシル基が解離し、生成するアニオンが水相で金属イオンを吸着、固定し、その結果、イオン性ビニルモノマーの存在する有機相への移動が抑制され、金属イオンフリーのイオン性ビニルモノマーを取得することができる。一方、アクリロイルモルホリン、N,N−ジメチルアクリルアミド、ビニルピロリドンを構成単位として含む水溶性ポリマーは、特にリチウムイオン等のルイス酸性金属イオンと、コンプレックス構造を形成しやすいため、金属イオン濃度の低減には有効である。
【0043】
水溶性ポリマーの重量平均分子量はポリエチレンオキサイド換算で、特に制限はないが、通常、1,000〜20,000,000、好ましくは10,000〜5,000,000、さらに好ましくは100,000〜2,000,000である。水溶性ポリマーの分子量が1,000以下では、ポリマー自分が有機相に溶け込む可能性があり、好ましくない。一方、分子量が20,000,000を超えると、水相の溶液粘度が著しく向上し、抽出、分離等操作し難くなり、好ましくない。
【0044】
金属イオン吸着剤として水溶性ポリマーの使用量は、イオン性ビニルモノマー1モルに対して通常0.001〜0.05モル、好ましくは0.005〜0.02モルである。水溶性ポリマーの使用量は0.001モル未満の場合、金属イオンを完全に吸着できない可能性があり、また、0.05モルを越えると、高分子量水溶液ポリマーにおいて、水溶液の粘度が高くなり、有機相との二相分離に要する時間が長くなる場合がある。
【0045】
本発明の(c)の工程においては、反応液を静置して非水溶性有機溶媒相と水相に分離させ、次に、水相を系外に除去する。得られた非水溶性有機溶媒相は、さらに水で洗浄する工程を有することが好ましい。具体的には、非水溶性有機溶媒相にさらに水を添加し、撹拌、静置分離することにより、副生成物の塩、水溶性の未反応成分等を水相へ溶解させ、除去する。このとき用いる水には、(b)の工程で用いたイオン吸着剤をさらに添加してもよい。イオン吸着剤の種類は(b)の工程で用いたものと同じであっても、異なっていてもよい。
【0046】
本発明の(d)の工程においては、非水溶性有機溶媒相を、減圧下で濃縮を行い、乾燥不活性ガス又は乾燥空気のバブリングをさらに行い、残存の有機溶媒と水とを除去し、目的とする一般式(1)のイオン性ビニルモノマーの単体を得ることができる。
【0047】
濃縮温度及びバブリング温度は通常10℃以上、15〜60℃が好ましく、20〜50℃が特に好ましい。操作温度が10℃未満の場合、残存溶媒と水の除去に要する時間が長くなる。一方、60℃を超えると本発明のイオン性ビニルモノマーが重合してしまう可能性がある。
【0048】
本発明のイオン性ビニルモノマーは高粘度、しかも蒸気圧がないため、通常の濃縮では、約1〜10%の有機溶媒が残存し、高純度製品の取得はできないという問題があった。また、本発明のイオン性ビニルモノマーは、不飽和基を有するため、有機溶媒を除去するために長時間蒸留を行うと、重合するおそれもある。そこで、本発明者らは、不活性ガス又は空気のバブリングにより揮発性有機溶媒のミストを発生させ、不活性ガス乃至空気の気流に飛沫同伴する特徴に注目し、乾燥不活性ガス乃至乾燥空気のバブリングにより残存有機溶媒及び水を100ppm以下に除去することを提案し、簡便且つ経済的、高収率で純度99%以上のイオン性ビニルモノマー高純度品を取得することに至った。即ち、イオン性ビニルモノマーの融点以上で乾燥不活性ガス乃至乾燥空気をバブリングさせながら、有機溶媒を蒸発させ、除去、回収する方法である。
【0049】
反応終了後の残存溶媒が10%以上である場合、減圧下で濃縮により10%より低い濃度まで除去した後、乾燥不活性ガス乃至乾燥空気のバブリング処理がより効率がよいので、好ましい。
【0050】
乾燥不活性ガスとして、乾燥窒素、乾燥ヘリウム、乾燥ネオン、乾燥アルゴン、乾燥クリプトン、乾燥キセノンと乾燥ラドンなどの乾燥希ガスからなる、本発明のイオン性ビニルモノマーと反応しない乾燥不活性ガス群乃至乾燥空気から選ばれた少なくとも1種を用いることができる。これらの中では、安価な工業的原料を入手しやすい点で、特に乾燥空気と乾燥窒素が好ましい。これらの乾燥不活性ガスは、1種あるいは2種以上を用いることができる。
【0051】
本発明のイオン性ビニルモノマーは非揮発性であるため、乾燥不活性ガス乃至乾燥空気バブリング処理時のガス流量は特に限定する必要がない。残存有機溶媒の種類と量によっても異なるが、1mL/min〜100L/minとなるような範囲が好ましい。さらに10mL/min〜10L/minとなるような範囲が特に好ましい。1mL/min未満であれば、有機溶媒の除去速度が著しく遅くなる。100L/minを越えると不経済的になり、また、残存有機溶媒の多い場合、ミスト発生量が多く、突沸現象によるトラブルなどの問題を生じることがある。
【0052】
本発明のイオン性ビニルモノマーは重合性が高いため、反応終了後の減圧蒸留、それから乾燥不活性ガス乃至乾燥空気バブリングによる有機溶媒の回収、除去は重合禁止剤の存在下で実施することが好ましい。
【0053】
重合禁止剤としては公知のものが使用できる。例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチルパラハイドロキノン、2,5−ジ−tert−ブチルハイドロキノン、2,4−ジメチル−6−tertブチルフェノール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール化合物、N−イソプロピル−N'−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N'−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N−(1−メチルヘプチル)−N'−フェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N'−ジフェニル−パラ−フェニレンジアミン、N,N'−ジ−2−ナフチル−パラ−フェニレンジアミン等のパラフェニレンジアミン類、チオジフェニルアミン等のアミン化合物、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4?ヒドロキシ?2,2,6,6?テトラメチルピペリジン?1?オキシル、アセトアミドテトラメチルピペリジン−1−オキシル等のピペリジン1−オキシルフリーラジカル化合物類などを例示することができる。これら重合禁止剤は、1種又は2種以上を併用しても構わない。
【0054】
重合禁止剤の添加量は、本発明のイオン性ビニルモノマーに対して1〜10000ppm、好ましくは5〜5000ppmである。
【0055】
以上の方法により99%以上の高純度のイオン性ビニルモノマーを得ることができる。さらに、必要に応じて、逆浸透膜処理やイオン交換樹脂処理、キレート樹脂処理などによる残存金属イオンの低減、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段により精製してもよい。
【0056】
本発明のイオン性ビニルモノマーが室温で液体である場合、高純度のままで帯電防止剤として使用することができる。また、室温で液体又は固体である場合、有機溶媒や室温で液体であるビニルモノマーに溶解させ、溶液状態での使用も可能である。有機溶媒で薄めて使用する場合、反応溶媒と同様でもよく、異なってもよく、溶解度パラメーター(SP値)の範囲が7〜15(cal/cm3)0.5であるものがよい。
【0057】
本発明のイオン性ビニルモノマー及び/又は該モノマーを構成成分とするオリゴマー及び/又はポリマーは、プラスチックなどの成形品に塗布した後、乾燥して使用する場合、単独でも帯電防止性、プラスチックへの塗膜性、耐擦傷性、高硬度の効果を十分に示すことができる。また、本発明の本来の帯電防止性、耐湿性や耐加水分解性などの特性を阻害しない範囲で、2個以上のエチレン基を有する多官能(メタ)アクリレート又は多官能(メタ)アクリルアミドを添加し、イオン性ビニルモノマーと多官能(メタ)アクリレート又は多官能(メタ)アクリルアミドとの優れた相溶性を利用し、均一な架橋性被膜を基材表面に形成させることができ、さらなる製膜性や耐擦傷性などの塗膜の性能を向上させることができる。
【0058】
このような多官能(メタ)アクリレートとしては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジテトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等のモノマーとオリゴマーが挙げられる。
【0059】
このような多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、アロニックスM−400、M−450、M−305、M−309、M−310、M−315、M−320、TO−1200、TO−1231、TO−595、TO−756(以上、東亞合成製)、KAYARD D−310、D−330、DPHA、DPHA−2C(以上、日本化薬製)、ニカラックMX−302(三和ケミカル社製)等が挙げられる。
【0060】
また、多官能(メタ)アクリルアミドとしては、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタアクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタアクリルアミド、ジアリルアクリルアミド等のモノマーとウレタンアクリルアミド(特開2002−37849)等のオリゴマーが挙げられる。
【0061】
これらの多官能(メタ)アクリレートと多官能(メタ)アクリルアミドは、1種類でも、複数の多官能モノマー、オリゴマーを組み合わせて使用してもよい。また、このような多官能モノマー、オリゴマーを使用する場合、本発明のイオン性ビニルモノマー構成単位に対して0.001〜25000重量%含有させることが好ましく、また50〜20000重量%含有させることが特に好ましい。含有量が0.1重量%未満ではその添加効果が認められず、25000重量%を越えると、架橋率が高くなるため、塗膜の硬度、耐擦傷性は向上するが、弾力性が失われて割れやすくなる。
【0062】
本発明のイオン性ビニルモノマーはラジカル開始剤存在下、単独重合によりオリゴマー又は/及びポリマーを得ることができる。さらに、帯電防止組成物及び帯電防止層の種々の性能、例えば硬化物性を硬くあるいは、柔らかく調整する際には、他の重合性化合物を混合し、共重合させてもよく、重合性化合物としては、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、不飽和ニトリルモノマー、不飽和カルボン酸、アミド基含有モノマー、メチロール基含有モノマー、アルコキシメチル基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー、多官能性モノマー、ビニルエステル、オレフィンなど分子鎖中に反応性二重結合をもつラジカル重合化合物が挙げられる。
【0063】
アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートなどが挙げられる。
【0064】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0065】
不飽和ニトリルモノマーの例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
【0066】
不飽和カルボン酸の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、モノアルキルイタコネート等がある。
【0067】
このような重合性化合物は、1種類に限らず、複数の種類を組み合わせて使用してもよい。
【0068】
本発明のイオン性ビニルモノマーは重合性化合物と公知の方法によって重合体又は共重合体とすることができる。重合方法としては、例えば、乳化重合、溶液重合、懸濁重合、塊状重合等の方法を用いることができる。
【0069】
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニトリル等のアゾ化合物系触媒や、ベンゾイルパーオキシド、過酸化水素等の過酸化物系触媒、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩系触媒等を用いることができる。重合開始剤の使用量は、重合性単量体100重量%に対して0.05〜10重量%、好ましくは0.2〜3重量%である。
【0070】
本発明のイオン性ビニルモノマーの含有量は、使用する多官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリアミドの粘度、他の重合性化合物の配合量、樹脂組成物に要求される物性によるので、特に限定されるものではないが、帯電防止組成物中の固形分比で0.1〜90重量%、好ましくは1〜60重量%である。このイオン性ビニルモノマーの含有量が0.1重量%以下では帯電防止性能が不十分となり、90重量%を超えると透明性に劣るものとなる。
【0071】
本発明のイオン性ビニルモノマー及び/又は該モノマーを構成成分とするオリゴマーもしくはポリマーを含む帯電防止剤、該帯電防止剤に多官能(メタ)アクリレート又は/及び多官能(メタ)アクリルアミドをさらに含有する帯電防止組成物は基材上に塗布して硬化させることによりコーティングすることから、塗布可能な粘度に調整するため、反応性希釈剤や有機溶媒を含有していることが好ましい。
【0072】
反応性希釈剤は25℃の粘度が500mPa・s以下である低粘度ビニルモノマーであれば、特に限定するものではないが、速硬性、低臭気、高引火点、高塗膜硬度が要求される観点から、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどが好ましい。
【0073】
有機溶媒は本発明のイオン性ビニルモノマー、該モノマーを構成成分とするオリゴマー及びポリマーを溶解できるものが好ましい。特に、該イオン性ビニルモノマー及び単独重合で得られるオリゴマーとポリマーに対して、溶解度パラメーターが7〜15(cal/cm3)0.5の有機溶媒が好ましい。
【0074】
本発明のイオン性ビニルモノマーを構成成分として含む帯電防止組成物は、活性エネルギー線又は熱による硬化が可能であるので、プラスチックなどの成形品に塗布し、乾燥後、硬化することによって、帯電防止性ハードコート樹脂組成物として使用することができる。
【0075】
本発明の活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物(光重合開始剤)を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光、紫外線(UV)、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で、小型である点から、紫外線を使用することが好ましい。
【0076】
本発明のイオン性ビニルモノマーを光硬化させる際は、光開始剤を添加しておく。光開始剤は、活性エネルギー線として電子線を用いる場合には特に必要はないが、紫外線を用いる場合には必要となる。光開始剤はアセトフェノン系、ベンゾイン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系等の通常のものから適宜選択すればよい。光開始剤のうち、市販の光開始剤としてはチバ・スペシャルティーケミカルズ社製、商品名Darocure1116、Darocure1173、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE500、IRGACURE651、IRGACURE754、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE1300、IRGACURE1800、IRGACURE1870、IRGACURE2959、IRGACURE4265、IRGACURE TPO、UCB社製、商品名ユベクリルP36、などを用いることができる。
【0077】
本発明のイオン性ビニルモノマーの帯電防止性や相溶性などの特性を阻害しない範囲で、顔料、染料、界面活性剤、ブロッキング防止剤、バインダー、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の他の任意成分を併用してもよい。
【0078】
本発明の帯電防止組成物を調製する際に、これらの組成成分の添加順序としてはイオン性ビニルモノマー及び/又は該モノマーを構成成分とするオリゴマーもしくはポリマー、反応性希釈剤及び/又は有機溶媒、多官能(メタ)アクリレート又は/及び多官能(メタ)アクリルアミド、光重合開始剤、その他の添加剤の順に行うことが好ましい。
【実施例】
【0079】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0080】
なお、以下の実施例、比較例において、帯電防止組成物の特性評価は、以下の方法により行った。
(1)イオン性ビニルモノマーの定量方法
電位差自動滴定装置(装置名:AT−610 京都電子工業株式会社製)を用いて、濃度0.02mol/Lのテトラフェニルほう酸ナトリウム溶液(関東化学株式会社製)により滴定を行い、滴定量から第4級アンモニウム塩濃度を求める。
(2)水溶液ポリマーの分子量測定方法
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分析した結果を、ポリエチレンオキサイドを標準サンプルとして作成した検量線を用いて換算したものである。ここで、GPCの測定条件は、下記の通りである。
GPC:(株)島津製作所製 LC−10A
カラム:Waters製 Ultrahydrogel Liner(7.8mm×300mm)
検出器:示差屈折計RID−10A
溶離液:0.5mol/L 硝酸ナトリウム水溶液
流速:0.5mL/分
温度:30℃
サンプル濃度:0.1%
サンプル注入量:20μL
(3)帯電防止膜の作製
厚さ100μmのポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムをガラス製板(縦200×横200×厚さ5mm)の上に貼り付け、動かないように水平面に固定した。PETフィルムの先方の端に帯電防止ハードコート剤を帯状に滴下して、バーコーター(RDS60)で全体に均等な力がかかるように両端を押さえ、回転させずに同じ速さ(5cm/sec)で手前まで引いて塗装し、熱風乾燥機で80℃、3分の条件で溶媒を除去し、塗膜を得た。塗膜の付着状態を目視によって観察し、塗膜の形成性とべたつき性を評価した。
塗膜の形成性
◎:ハジキがなく、均一な塗装膜である;
○:ハジキが極めて僅にあるが、ほぼ均一な塗装膜である;
△:ハジキが幾分あるが、全体としてはほぼ均一な塗装膜である;
×:ハジキが多く、不均一な塗装膜である。
べたつき性
◎:ベタツキが全くない;
○:僅かにベタツキがある;
△:若干のベタツキがある;
×:明らかなベタツキがある。
(4)紫外線硬化
塗装面を上向きにして紫外線照射を行って硬化させ、帯電防止ハードコート膜を得た。紫外線硬化条件は、出力300W、単位当たり出力50W/cmの高圧水銀灯1本を設置した紫外線照射装置(オーク製作所 モデルOHD320M)を使用し、1秒当たりに紫外線エネルギーは10mJ/cmであるように試料板とランプの距離を調節した。塗膜の表面がベタつかなくなるまでに必要な照射時間を硬化時間として測定した。硬化後、各PETフィルム上の塗膜の透明性を目視によって観察し、下記方法により表面抵抗率測定、耐擦傷性試験、耐湿性試験、鉛筆硬度試験を行った。
硬化後塗膜の透明性
◎:透明で表面が平滑;
○:透明だが凹凸がある;
△:僅かな曇りや凹凸がある;
×:極度な曇りや凹凸がある
(5)表面抵抗率測定
型板 (縦110×横110mm) を用い、カッターナイフで帯電防止ハードコート膜を裁断し、温度25℃、相対湿度60%に調整した恒温恒室機に入れ、24時間静置し、表面抵抗率測定用試料を得た。JIS K 6911 に基づき、デジタルエレクトロメーター(R8252型:エーディーシー社製)を用いて測定を行った。
(6)耐擦傷性試験
スチールウールを#0000のスチールウールを用いて、200g/cmの荷重をかけながら帯電防止ハードコート膜の上で10往復させ、傷の発生の有無を評価した。
耐擦傷性評価
◎:膜の剥離や傷の発生がほとんど認められない;
○:膜に僅かな細い傷が認められる;
△:膜全面に筋状の傷が認められる;
×:膜の剥離が生じる。
(7)耐湿性試験
帯電防止ハードコート膜を40℃、90%RHの恒温槽内にて3日間保管し、膜の外観の変化を目視で評価した。
◎:外観に変化がない;
○:白化などの外観変化が僅かに認められるが問題のないレベル;
△:白化などの外観変化が僅かに認められる;
×:白化などの外観変化が著しく認められる;
(8)鉛筆硬度試験
帯電防止ハードコート膜について、JIS K 5400 に基づき、鉛筆硬度試験を行った。
【0081】
<水溶性ポリマー水溶液の合成>
ポリマー水溶液製造例1
攪拌機,温度計,還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた1Lの反応容器に脱イオン水250g、アクリロイルモルホリン(ACMO)45gを仕込み、希硫酸にてpHを6.5に調節し、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を25℃とし、開始剤として5重量%過硫酸アンモニウム水溶液2.91gおよび2重量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液3.65gを投入した。窒素ガスを吹き込みながら、25℃で10h攪拌を行った。その後脱イオン水150gを加え、固形分10重量%、重量平均分子量73万のアクリロイルモルホリンホモポリマー水溶液を得た。
【0082】
ポリマー水溶液製造例2
攪拌機,温度計,還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた1Lの反応容器に脱イオン水400g、アクリロイルモルホリン(ACMO)45gを仕込み、窒素ガスを通じて反応系内の酸素を除去した。系内を50℃とし、水溶性アゾ系開始剤VA−044(和光純薬製)の10重量%水溶液2.06gを投入した。窒素ガスを吹き込みながら、50℃で10h攪拌し、固形分10%、重量平均分子量242万のアクリロイルモルホリンホモポリマー水溶液を得た。
【0083】
イオン性ビニルモノマーの製造実施例である合成例、比較合成例を以下に示す。
合成例1
1Lの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド105.7gをイオン交換水200gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液90gを添加し、続いて、酢酸ブチル100gを加え、さらにイオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.2gを水10gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、2時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相(イオン性ビニルモノマーの酢酸ブチル溶液)を分液した。分液した有機相にイオン交換水を100g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相にハイドロキノンモノメチルエーテルを0.3g加え、40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.6%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を透明液体として159.8g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は83ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は99.2%であった。元素分析では、実測値(C:27.55%、H:3.31%、N:6.45%)が理論値(C:27.40%、H:3.68%、N:6.39%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−TFSIQの水に対する溶解度は25℃で1.3g/水100gであった。
【0084】
合成例2
合成例1において、酢酸ブチルに替えてメチルイソブチルケトン100gを用い、合成例1と同様に反応し、目的生成物アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を無色の透明液体として157.8g得た。ガスクロマトグラフにより、メチルイソブチルケトンは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は92ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は98.0%であった。元素分析では、実測値(C:27.30%、H:3.35%、N:6.18%)が理論値(C:27.40%、H:3.68%、N:6.39%)と一致した。また、誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。
【0085】
合成例3
合成例1において、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに替えてカリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド117.6gを用い、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマーに替えて、ポリマー水溶液製造例1で製造されたアクリロイルモルホリンポリマー水溶液3gを用い、合成例1と同様に反応し、目的生成物アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を無色の透明液体として158.1g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は88ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は98.0%であった。元素分析では、実測値(C:27.46%、H:3.71%、N:6.24%)が理論値(C:27.40%、H:3.68%、N:6.39%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。
【0086】
合成例4
500mLの三つ口フラスコにカリウムビス(フルオロスルホニル)イミド67.3gをイオン交換水67gに溶解させ、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液75gを添加し、続いて、酢酸ブチル34gを加え、1時間撹拌した。続いて、イオン吸着剤としてポリマー水溶液製造例2で製造されたアクリロイルモルホリンポリマー水溶液1gを添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を30g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相に2,2,6,6?テトラメチルピペリジン?1?オキシルを0.02g加え、40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.5%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(DMAEA−FSIQ)を透明液体として101.2g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は85ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は97.6%であった。元素分析では実測値(C:28.26%、H:4.38%、N:8.13%)が理論値(C:28.40%、H:4.77%、N:8.28%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)によりカリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−FSIQの水に対する溶解度は25℃で1.9g/水100gであった。
【0087】
合成例5
200mLの三つ口フラスコにリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド15.8gをイオン交換水30gに溶解させ、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液10gを添加し、続いて、酢酸ブチル15gを加え、1時間撹拌した。続いて、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.02gを水1gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を15g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相を40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.7%を確認した。続いて、常圧下、100℃にて4時間、乾燥窒素でバブリング(流量500mL/min)を行い、その後室温に冷却し、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(DMAEA−PFSIQ)を白色結晶として21.4g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は88ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は97.2%であった。元素分析では実測値(C:26.61%、H:3.19%、N:5.32%)が理論値(C:26.77%、H:3.00%、N:5.20%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−PFSIQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0088】
合成例6
合成例5において、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドに替えてナトリウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド20.6gを用い、合成例5と同様に反応し、目的生成物アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミド(DMAEA−HFSIQ)を白色結晶として25.8g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は71ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.7%であった。また、収率は98.8%であった。元素分析では実測値(C:26.82%、H:2.61%、N:4.42%)が理論値(C:26.34%、H:2.53%、N:4.39%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)によりナトリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−HFSIQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0089】
合成例7
1Lの三つ口フラスコにリチウム ビストリフルオロメタンスルホニル)イミド104.5gをイオン交換水200gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAPAA−Q)75%水溶液100gを添加し、続いて、酢酸ブチル100gを加え、1時間撹拌した。続いて、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.2gを水10gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を100g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相を40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル2.2%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAPAA−TFSIQ)を透明液体として162.7g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は76ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は99.2%であった。元素分析では、実測値(C:29.13%、H:4.21%、N:9.53%)が理論値(C:29.27%、H:4.24%、N:9.31%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオン、カルシウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAPAA−TFSIQの水に対する溶解度は25℃で3.0g/水100gであった。
【0090】
合成例8
500mLの三つ口フラスコにカリウムビス(フルオロスルホニル)イミド79.8gをイオン交換水80gに溶解させ、カリウムビス(フルオロスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAPAA−Q)75%水溶液100gを添加し、続いて、メチルイソブチルケトン40gを加え、さらに、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.13gを水10gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を40g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相を40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.8%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(DMAPAA−FSIQ)を透明液体として123.3g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は76ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は96.5%であった。元素分析では実測値(C:30.63%、H:5.31%、N:12.08%)が理論値(C:30.76%、H:5.45%、N:11.96%)と一致した。イオンクロマトグラフにより、塩素イオンを定量し、1ppm以下であった。また、誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオンを定量し、それぞれの含量は0.1ppm以下であった。未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAPAA−FSIQの水に対する溶解度は25℃で7.5g/水100gであった。
【0091】
合成例9
合成例5において、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液に替えてアクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAPAA−Q)75%水溶液10gを用い、合成例5と同様に反応し、目的生成物アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド(DMAPAA−PFSIQ)を透明液体として19.3g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は79ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.7%であった。また、収率は96.2%であった。元素分析では実測値(C:28.10%、H:3.38%、N:7.42%)が理論値(C:28.32%、H:3.47%、N:7.62%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAPAA−PFSIQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0092】
合成例10
合成例9において、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドに替えてカリウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド22.5gを用い、合成例10と同様に反応し、目的生成物アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムビス(ノナフルオロブタンスルホニル)イミド(DMAPAA−NFSIQ)を白色固体として26.1g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は88ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は95.6%であった。元素分析では実測値(C:27.20%、H:2.37%、N:5.61%)が理論値(C:27.17%、H:2.55%、N:5.59%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAPAA−NFSIQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0093】
合成例11
窒素雰囲気下で、1Lオートクレーブガラス容器に、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(和光純薬工業社製:DMAEMA)100g、水132gを加え、内温を30℃以下に調整し、撹拌しながら塩化メチルを注入し、4級化反応を実施した。反応液中の残存遊離アミン(残存DMAEMA)が0.2%以下になったところで反応液中の過剰の塩化メチルを減圧留去し、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(DMAEMA−Q)50%含有水溶液262g(収率99.1%)を得た。
続いて、500mLの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド69.3gをイオン交換水70gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にDMAEMA−Q50%水溶液100gを添加し、続いて、酢酸ブチル60gを加え、1時間撹拌した。続いて、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.11gを水10gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を60g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相にハイドロキノンモノメチルエーテル0.2g及び2,2,6,6?テトラメチルピペリジン?1?オキシル0.02gを加え、40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.7%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEMA−TFSIQ)を透明液体として108.1g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は82ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は99.1%であった。元素分析では実測値(C:30.63%、H:5.31%、N:12.08%)が理論値(C:29.20%、H:4.01%、N:6.19%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEMA−TFSIQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0094】
合成例12
1Lの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド72.0gをイオン交換水270gに溶解させ、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−BQ)75%水溶液90gを添加し、続いて、酢酸ブチル130gを加え、1時間撹拌した。続いて、イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマー(和光純薬製、重量平均分子量250,000)0.13gを水10gに溶解させたポリマー水溶液を添加し、さらに1時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を180g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相にチオジフェニルアミン0.1gを加え、40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.7%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIBQ)を透明液体として126.6g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は79ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は98.3%であった。元素分析では、実測値(C:37.12%、H:3.89%、N:5.25%)が理論値(C:37.35%、H:3.92%、N:5.44%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−TFSIBQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0095】
合成例13
合成例12において、酢酸ブチルに替えてメチルイソブチルケトン130gを用い、合成例12と同様に反応し、アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIBQ)を無色の透明液体として125.8g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は83ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は97.6%であった。元素分析では、実測値(C:37.31%、H:3.99%、N:5.28%)が理論値(C:37.35%、H:3.92%、N:5.44%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。
【0096】
合成例14
合成例12において、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに替えてカリウムビス(フルオロスルホニル)イミド55.0gを用い、合成例12と同様に反応し、目的生成物アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(DMAEA−FSIBQ)を透明液体として101.2g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は80ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は97.4%であった。元素分析では実測値(C:40.31%、H:4.92%、N:6.65%)が理論値(C:40.57%、H:4.86%、N:6.76%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−FSIBQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0097】
合成例15
合成例12において、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドに替えてカリウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド82.3gを用い、合成例12と同様に反応し、目的生成物アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムシクロ−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミド(DMAEA−CFSIBQ)を透明液体として127.7g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は70ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は97.5%であった。元素分析では実測値(C:38.28%、H:3.73%、N:5.34%)が理論値(C:38.78%、H:3.83%、N:5.32%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAEA−CFSIBQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0098】
合成例16
300mLの三つ口フラスコにN,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(興人製:DMAPAA)70g、イオン交換水42.2gを加え、内温を30℃に調整、撹拌しながら塩化ベンジル56.7gを滴下し、反応温度30℃〜35℃で5時間4級化反応を実施し、アクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(DMAPAA−BQ)75%水溶液168.2gを得た(収率99.6%)。
続いて、1Lの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド68.7gをイオン交換水120gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にDMAPAA−BQ75%水溶液90gを添加し、続いて、酢酸ブチル60gを加え、さらにイオン吸着剤としてポリマー水溶液製造例1で製造されたアクリロイルモルホリンポリマー水溶液3gを添加し、2時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相を分液した。分液した有機相にイオン交換水を60g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相を40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチル1.7%を確認した。続いて、常圧下、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルアミノプロピルジメチルベンジルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAPAA−TFSIBQ)を透明液体として123.3g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は69ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.9%であった。また、収率は97.8%であった。元素分析では、実測値(C:38.91%、H:4.27%、N:7.89%)が理論値(C:38.71%、H:4.39%、N:7.97%)と一致した。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、未検出(0.1ppm以下)であった。また、該目的生成物DMAPAA−TFSIBQの水に対する溶解度は25℃で0.1g/水100g以下であった。
【0099】
比較合成例1
500mLの三つ口フラスコにカリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド117.6gをイオン交換水73.5gに溶解させ、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液90gを添加し、2時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相(イオン性ビニルモノマー相)を分液した。分液した有機相にイオン交換水を100g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、70℃、5torrで減圧濃縮した。1時間後、濃縮液の粘度が増加し、重合による曳糸性が確認された。さらに、水分測定により、水分は6000ppmであり、誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンを定量し、18000ppm)であった。
【0100】
比較合成例2
1Lの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド105.7gをイオン交換水450gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液90gを添加し、2時間撹拌した。その後、分離した二層のうち、有機相(イオン性ビニルモノマー相)を分液した。分液した有機相にイオン交換水を100g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、有機相にハイドロキノンモノメチルエーテル0.3gをg加え、40℃、5torrで減圧濃縮し、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を透明液体として108.5g得た。水分測定より、水分は3300ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、98.8%であった。また、収率は67.1%であった。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、リチウムイオンは1050ppmであった。
【0101】
比較合成例3
合成例1において、金属イオン吸着剤としてアクリル酸ポリマーの水溶液を水相に添加せず、合成例1と同様に反応し、イオン性ビニルモノマーDMAEA−TFSIQを透明液体として158.6g得た。ガスクロマトグラフにより、酢酸ブチルは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は72ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、99.8%であった。また、収率は98.4%であった。さらに、誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンを定量し、1100ppm)であった。
【0102】
比較合成例4
1Lの三つ口フラスコにリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド142.7gをイオン交換水360gに溶解させ、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド水溶液を調製した。この水溶液にアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(興人製:DMAEA−Q)79%水溶液90gを添加し、続いて、ジクロロメタン140gを加え、2時間撹拌した。その後、ジクロロメタン220gを加え、ジクロロメタン相と水相とを分離した。分液した有機相(イオン性ビニルモノマー相)にイオン交換水を180g加えて洗浄した。この洗浄操作をさらに2回行った後、得られた有機相を60torr、35℃で減圧濃縮を行い、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を透明液体として127.3得た。ガスクロマトグラフにより、ジクロロメタンは2.8%であった。水分測定より、水分は1900ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、96.1%であった。また、収率は76.0%であった。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、リチウムイオンは140ppmであった。
【0103】
比較合成例5
窒素雰囲気下で、1Lオートクレーブガラス容器にN,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(興人製:DMAEA)200g、メタノール270gを加え、内温を30℃以下に調整し、撹拌しながら塩化メチルを注入し、4級化反応を実施した。
反応液中の残存遊離アミン(残存DMAEA)が0.3%以下になったところで反応液中の過剰の塩化メチルを減圧留去し、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド(DMAEA−Q)50%含有メタノール液532g(収率98.3%)を得た。
続いて、500mLの三つ口フラスコに、カリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド117.4g、メタノール350gを加え、該溶液を攪拌しながら、上記で合成したDMAEA−Q50%含有メタノール液142gを25℃で1時間をかけて滴下し、同時に白色結晶状固形物が析出した。滴下終了後、さらに25℃で2時間攪拌した後、結晶をろ過し、メタノールで洗浄した後、2,2,6,6?テトラメチルピペリジン?1?オキシルを0.03g加え、40℃、5torrで減圧濃縮した。ガスクロマトグラフにより、メタノール4.3%を確認した。続いて、40℃にて4時間、乾燥空気でバブリング(流量500mL/min)を行い、目的生成物であるアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(DMAEA−TFSIQ)を163.2g得た。得られた液体は懸濁していた。ガスクロマトグラフにより、メタノールは未検出(100ppm以下)であった。水分測定より、水分は90ppmであった。電位差滴定で第4級アンモニウム塩濃度(該目的物の純度)を求めたところ、84.2%であった。また、収率は85.5%であった。誘電結合型プラズマ発光分析(ICP)により、カリウムイオンは14000ppmであった。
【0104】
合成例1〜16の結果から分かるように、本発明の合成方法によると、重合などのトラブルが発生せず、目的の、金属イオンフリー且つ反応用有機溶媒及び水を完全に除去した高純度のイオン性ビニルモノマーを高収率で取得することができる。
【0105】
一方、比較合成例1〜5の結果から、水溶媒中でのアニオン交換反応後、二層分離したイオン性ビニルモノマー相を分離し減圧濃縮するという従来の方法にて実施した場合、本発明のイオン性ビニルモノマーは不飽和基を有するため、重合トラブルの問題がある。また、本発明のイオン性ビニルモノマーは通常、高粘度液体又は固体であるため、水溶媒から取り出す際、回収ロスにより収率が著しく低下する。
【0106】
さらに、水溶性有機溶媒中でのアニオン交換反応にて実施した場合、目的のイオン性ビニルモノマーと副生する金属塩が共に水溶性有機溶媒に溶解するため、イオン性ビニルモノマーを単離することが困難であり、さらに水相に金属イオン吸着剤として水溶性ポリマーを使用しない場合、金属イオンの残存量が数十〜数千ppmと高く、問題となる。
【0107】
本発明の製造方法により得られたイオン性ビニルモノマーを組成物とする帯電防止剤とする実施例、比較例を以下に示す。
【0108】
実施例A−1
帯電防止ハードコート剤の作製
合成例1で合成したアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド23重量部をメチルエチルケトン120重量部に溶解してから、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学(株)社製:ライトアクリレートPE−3A)35重量部、光開始剤として、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製、商品名Darocure1173 3重量部を加え、均一に混合し、紫外線硬化可能な帯電防止ハードコート剤を得た。その後、得られたハードコート剤を厚さ100μmのPETフィルムに塗装し、紫外線硬化を行い、帯電防止性ハードコートを作製した。
【0109】
実施例A−2〜12、比較例A−13〜21
表1と表2に記載の組成に変えた以外は実施例A−1とで同様に帯電防止ハードコートを作製、評価した。
【0110】
【表1】

【0111】
【表2】

【0112】
実施例B−1
〈イオン性ビニルモノマーのホモポリマー溶液の合成〉
撹拌翼、還流冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに、合成例1で合成したアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド20重量部とアゾイソブチロニトリル(AIBN)0.2重量部をメタノール(MeOH)120重量部に混合溶解し、窒素気流下60℃で8時間重合し、イオン性ビニルモノマーのホモポリマー溶液(a)を得た。
〈イオン性ビニルモノマーのホモポリマー含有の帯電防止ハードコート剤の作製〉
イオン性ビニルモノマーのホモポリマー溶液(a)10重量部に、ペンタエリスリトールトリアクリレート(共栄社化学社製:ライトアクリレートPE−3A)50重量部とジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学社製:ライトアクリレートDPE−6A)50重量部、及び光開始剤として、チバ・スペシャルティーケミカルズ社製、商品名Darocure1173 3重量部を、IPAとメチルエチルケトン(MEK)の1:1重量比の混合溶媒120重量部に混合溶解して、紫外線硬化可能な4級塩ポリマー含有の帯電防止ハードコート剤を得た。その後、得られたハードコート剤を厚さ100μmのPETフィルムに塗装し、紫外線硬化を行い、帯電防止性ハードコートを作製した。
【0113】
実施例B−2
〈イオン性ビニルモノマーのコポリマー溶液の合成〉
撹拌翼、還流冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに、合成例1で合成したアクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド10重量部、2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)10重量部とAIBN 0.2重量部をIPA120重量部に混合溶解し、窒素気流下70℃で8時間重合し、イオン性ビニルモノマーのコポリマー溶液を得た。
コポリマー溶液の合成におけるモノマーの配合比を表3に示す。
【0114】
【表3】

【0115】
実施例B−2〜6、比較例B−7〜8
表4に記載の組成に変えた以外は実施例B−1と同様に帯電防止性ハードコートを作製、評価した。
【0116】
【表4】

【0117】
実施例と比較例のUV硬化性と塗膜の帯電防止性評価結果から、従来の4級カチオン性ビニルモノマーはアニオンとして塩素イオンを有するため、それから得られた塗膜はべとつき、透明性が悪く、また、それらの原因により均一な塗膜が得られず、耐擦傷性や硬度が低下し、帯電防止効果も低いことが分かった。さらに、イオン性ビニルモノマー中の水分が高い場合、帯電防止組成物との相溶性が悪くなり、均一な塗膜が得られないのはもちろんのこと、金属イオン濃度が高い場合も、吸湿しやすくなるため、得られた帯電防止膜は耐湿性が悪く、塗膜の表面が白化するなどの問題が発生する。
本発明のイオン性ビニルモノマーは、金属イオンフリー、有機溶媒及び水を含有せず、有機溶媒や各種ビニルモノマーとの相溶性が高く、特に非水溶であり、帯電防止組成物中の非極性成分とも相溶するので、均一且つ透明な、着色しない帯電防止性塗膜が得られる。本発明の製造方法は簡便で、目的のイオン性ビニルモノマーを高純度で、且つ高収率で取得できる。さらに、得られた高品質なイオン性ビニルモノマーは、UV硬化に要するエネルギーが少なく、透明性がよく、着色せず、高耐擦傷性、高硬度、高耐加水分解性を併せ持ち、優れた帯電防止効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
以上説明してきたように、本発明のイオン性ビニルモノマーは、常温、常圧でも十分な速度で高純度且つ高収率で製造することができる。また、金属イオンフリー、且つ有機溶媒及び水を含有しないため、環境負荷が少なく、電子材料にも適用されると共に、他の多官能モノマーなどの帯電防止組成物及び有機溶媒との相溶性が良好である。これらのイオン性ビニルモノマーからなる帯電防止組成物を用いて形成される帯電防止膜は、帯電防止性、透明性、耐擦傷性、高硬度、着色し難く、さらに耐湿性、耐加水分解性に優れる。本発明のイオン性ビニルモノマーからなる帯電防止層は、紫外線硬化型樹脂組成物、ハードコート用樹脂組成物、インク受容層組成物、粘着剤組成物等の樹脂にあらかじめ添加して使用する場合などに好適に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、Rは水素原子またはメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基またはベンジル基を表し、Yは酸素原子またはNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)
で表される金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)、且つ有機溶媒及び水の含有量は100ppm未満且つ純度99%以上である、イオン性ビニルモノマー。
【請求項2】
イオン性ビニルモノマーが、一般式(2)
【化2】

(式中、Mはカチオンを表し、X- は直鎖状のスルホンイミドアニオン[(RfSO2)(RfSO2)N]- (但し、Rf及びRfは同じであっても異なっていてもよく、炭素数1〜4のペルフルオロアルキル基または炭素数0のフルオロ基を表す。)、または環状のイミドアニオン[CF2(CF2SO2) 2 N]-を表す。)で表されるビス(ペルフルオロアルカンスルホニル)イミド塩と、一般式(3)
【化3】

(式中、Rは水素原子又はメチル基を、R及びRは各々独立に炭素数1〜3のアルキル基で互いに同一であっても異なっていてもよく、Rは炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルケニル基又はベンジル基を表し、Yは酸素原子又はNHを表し、Zは炭素数1〜3のアルキレン基を表し、Q-はアニオンを表す。)で表される4級カチオン性ビニルモノマーの、非水溶性有機溶媒及び水が共存する二相系で行われるイオン交換反応により合成されることを特徴とする前記1)記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法。
【請求項3】
前記非水溶性有機溶媒は、溶解度パラメーターが7〜11 (cal/cm3)0.5を有する非塩素系有機溶媒から選ばれる1種又は2種以上である請求項2記載の製造方法。
【請求項4】
前記非水溶性有機溶媒が、酢酸エステル類又はケトン類である請求項2又は3記載の製造方法。
【請求項5】
前記イオン交換反応中にさらに水相にイオン吸着剤を添加することを特徴とする請求項2乃至4記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法。
【請求項6】
前記イオン吸着剤が水溶性金属イオン吸着剤から選ばれる1種又は2種以上である請求項2乃至4記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法。
【請求項7】
前記水溶性イオン吸着剤が水溶性ポリマーであることを特徴とする請求項2乃至6記載のイオン性ビニルモノマーの製造方法。
【請求項8】
請求項2乃至7の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーをラジカル重合させることにより得られる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)のイオン性ホモオリゴマー又はホモポリマー。
【請求項9】
請求項2乃至7の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーと他の共重合可能のビニル系単量体との共重合で得られる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)のイオン性コオリゴマー又はコポリマー。
【請求項10】
請求項2乃至7の方法により製造されたイオン性ビニルモノマー及び/又は請求項8又は9のオリゴマー若しくはポリマーからなる金属イオンフリー(金属イオン含量は0.1ppm以下)の帯電防止剤。
【請求項11】
請求項10記載の帯電防止剤又は該帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物であって、請求項1の、又は請求項2乃至7の方法により製造されたイオン性ビニルモノマーを構成単位として0.1〜90重量%含有するもの。
【請求項12】
請求項10記載の帯電防止剤又は11記載の帯電防止剤を含有する帯電防止性樹脂組成物であって、さらに多官能(メタ)アクリレート及び/又は多官能(メタ)アクリルアミドを含有する帯電防止組成物。
【請求項13】
基材上に請求項10〜12いずれか一項に記載の帯電防止剤又は帯電防止組成物を塗装した後、活性エネルギー線又は熱により硬化して形成されることを特徴とする帯電防止膜。
【請求項14】
少なくとも片面に請求項13記載の帯電防止膜を有することを特徴とする帯電防止フィルム、シート。

【公開番号】特開2013−87259(P2013−87259A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231721(P2011−231721)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000142252)興人ホールディングス株式会社 (182)
【Fターム(参考)】