説明

非水溶性色素化合物及び該非水溶性色素化合物を用いたインク、感熱転写記録用シート及びカラーフィルター用レジスト組成物

【課題】溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づく非水溶性色素化合物を提供することを目的とする。
【解決手段】一般式(1)で表わされる非水溶性色素化合物を提供することである。


〔一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。R1乃至R3に係るアルキル基、アリール基及びアルコキシ基はいずれも、置換基を有してもよい。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非水溶性色素化合物、および塗料、インクジェットインク、カラーフィルター、樹脂成型品等の製造工程において用いられる、該非水溶性色素化合物を含有するインクに関する。更に、該非水溶性色素化合物を用いてなる感熱転写記録用シート及びカラーフィルター用レジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー液晶ディスプレイを始めとするカラー画像の普及が盛んで高画質化への要求が高まっている。カラーフィルターは液晶ディスプレイのカラー表示化には必要不可欠であり、液晶ディスプレイの性能を左右する重要な部品である。従来のカラーフィルターの製造方法としては、染色法、印刷法、インクジェット法、フォトレジスト法等が知られている。中でも、分光特性の制御や再現性を容易にできること、解像度が高いためより高精細なパターニングが可能であることから、近年フォトレジスト法が製造方法の主流となっている。
【0003】
このフォトレジスト法では、一般に着色剤として顔料が用いられている。しかし顔料は一定の粒径を有するため消偏作用(偏光が崩されること)を伴い、液晶ディスプレイのカラー表示のコントラスト比が低下することが知られている。又、顔料を用いた系ではバックライト光の高い透過性を得ることが困難であり、カラーフィルターの明度を向上させるには限界がある。更に、顔料は有機溶剤やポリマーに不溶であるため、着色レジスト組成物は分散物として得られるが、その分散の安定化は難しい。これに対して、染料は一般に有機溶剤やポリマーに可溶であり、着色レジスト組成物中でも凝集を起こさずに安定している。このため、染料を着色剤として用いたレジスト組成物から得られるカラーフィルターは、染料が分子レベルで分散されているため消偏作用がなく、バックライト光の透過性も優れている。これまで、分光特性が良好で表示コントラストの高い画像表示を可能とするため、モノアゾ系色素であるC.I.Acid Red 6を用いた赤色カラーフィルターが報告されている(特許文献1参照)。ブロードバンド化が進むにつれ、より高精細な画像を表示するために、分光特性や、明度、彩度の伸びが良い高いコントラスト比が実現できるカラーフィルターの開発が求められている。
【0004】
一方、感熱転写記録法は、シート状基材上に熱移行性の色素を含む色材層を有する感熱転写シートと、色素受容層を表面に有する受像シートを重ね合わせ、感熱転写シートを加熱することにより感熱転写シート中の色素を受像シートに転写することにより記録をおこなう記録方法である。そして該感熱転写記録法において、転写シートおよび転写シート用のインク組成物に用いられる色素は、転写記録のスピード、記録物の画質、保存安定性などに大きな影響を与えるために非常に重要である。このような感熱転写記録法に用いられる色素として、アントラキノン系色素を用いた例が報告されている(特許文献2参照)。
【0005】
しかしながら、明度、彩度の伸びが良い鮮明かつ色再現に優れた色素の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−005361号公報
【特許文献2】特開平7−232481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記した課題を解決することを目的とする。
【0008】
溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づく色素化合物及び、該色素化合物を含有するインクを提供することを目的とする。また、該色素化合物を含有する色材層とすることで、良好なMagenta色の色調を有する感熱転写記録用シートを提供することができる。さらに、該色素化合物を含有させることで、良好なMagenta色の色調を有するカラーフィルター用レジスト組成物が提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、以下の発明によって達成される。
【0010】
本発明は、下記一般式(1)で表わされることを特徴とする非水溶性色素化合物に関する。
【0011】
また、本発明は、少なくとも、媒体中に下記式(1)で表される非水溶性色素化合物を含有することを特徴とするインクに関する。さらに、本発明は、該非水溶性色素化合物を含有する感熱転写記録用シート及びカラーフィルター用レジスト組成物に関する。
【0012】
【化1】

〔一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。R1乃至R3に係るアルキル基、アリール基及びアルコキシ基はいずれも、置換基を有してもよい。〕
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づく色素化合物及び、該色素化合物を含有するインクを提供することができる。該色素化合物を含有する色材層とすることで、良好なMagenta色の色調を有する感熱転写記録用シートを提供することができる。また、該色素化合物を含有させることで、良好なMagenta色の色調を有するカラーフィルター用レジスト組成物が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一般式(1)で表される化合物(1)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、実施するための形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。本発明者らは、前記した従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記一般式(1)で表される非水溶性色素化合物が、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、該非水溶性色素化合物を含有するインクとした場合、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくことを見出した。また、該非水溶性色素化合物を含有させることで、明度、彩度の伸びが良い、良好なMagenta色の色調を有する感熱転写記録用シート及びカラーフィルター用レジスト組成物が得られることを見出し本発明に至った。
【0016】
【化2】

〔一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。R1乃至R3に係るアルキル基、アリール基及びアルコキシ基はいずれも、置換基を有してもよい。〕
【0017】
まず、式(1)で表される非水溶性色素化合物について説明する。
【0018】
一般式(1)で表される本発明の非水溶性色素化合物は、有機溶剤に対する高い親和性を有する。なお、本発明における「非水溶性」とは、水への溶解度が質量百分率で1%未満であることを示す。
【0019】
一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表す。
【0020】
一般式(1)中のR1及びR2におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基等の直鎖状、分岐状、または、環状の炭素数1乃至20個の1級乃至3級のアルキル基が挙げられる。
【0021】
1が2級及び3級の嵩が高いアルキル基の場合には、環化の工程が進行しにくく、製造において得られる量が少ないため、メチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等の1級のアルキル基が好ましい。特に、メチル基、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が製造上、好ましい。
【0022】
2がエチル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、2−エチルプロピル、2−エチルヘキシル基、シクロヘキセニルエチル基である場合、化合物の明度、彩度の伸びが良くなるため好ましい。特に、n−ブチル基、2−エチルヘキシル基が好ましい。
【0023】
1及びR2のアルキル基は、更に置換基を有してもよく、化合物の明度、彩度の伸びを著しく阻害するものでなければ、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシロキシ基等のアルコキシ基、メチルアミノ基、プロピルアミノ基等のモノ置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジブチルアミノ基、または、N−エチル−N−フェニル基等のジ置換アミノ基、シアノ基等が挙げられる。特に、ブトキシ基、メチルアミノ基、ジブチルアミノ基、N−エチル−N−フェニル基、シアノ基等が好ましく、中でもブトキシ基が化合物の明度、彩度の伸びが良い。
【0024】
一般式(1)中のR3におけるアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、ノナデシル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、または、エチルヘキシル基等の直鎖状、分岐状、または、環状の炭素数1乃至20個のアルキル基が挙げられる。
【0025】
3におけるアリール基としては、特に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0026】
3におけるアルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0027】
3は更に、置換基を有してもよく、化合物の明度、彩度の伸びを著しく阻害するものでなければ、特に限定されるものではないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基などのアリール基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メチルアミノ基、プロピルアミノ基等のモノ置換アミノ基、ジメチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、N−エチル−N−フェニル基等のジ置換アミノ基、アミノ基、シアノ基等が挙げられる。
【0028】
好ましくは、R3がメチル基、フェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、エトキシ基の場合である。特に、フェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基が化合物の明度、彩度の伸びが良く、好ましい。
【0029】
本発明にかかる一般式(1)で表される化合物は、例えば、特開2005−320480号公報等に記載されている公知の方法等を参考にして合成することが可能である。
【0030】
本発明の前記一般式(1)で表される化合物の製造方法について、一態様を示すが、製造方法はこれに限定されるわけではない。
【0031】
【化3】

【0032】
上記化合物A乃至D、一般式(1)中のR1乃至R3は、前記一般式(1)におけるR1乃至R3の場合と同意義である。
【0033】
まず、化号物Aと化合物Bを環化させて化合物Cを製造する環化工程について説明する。
【0034】
本発明で用いる化合物Aは多種市販されており容易に入手することが出来る。
【0035】
本工程における化合物Bの使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至10倍モル、好ましくは0.5乃至5倍モル、より好ましくは0.8乃至5倍モルである。
【0036】
本工程は、溶媒の存在下で行うことが好ましい。溶媒としては、反応に関与しないものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等の芳香族溶媒、ジイソプロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ブチルアルコール、ジエチレングリコール等のアルコール系溶媒等が挙げられる。好ましくは、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等の芳香族溶媒であり、特に好ましくは1,2−ジクロロベンゼン、メシチレン等である。また、2種以上の溶媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることが出来る。
【0037】
上記反応溶媒の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至1000倍質量の範囲で用いられ、好ましくは0.5乃至500倍質量、より好ましくは1.0乃至150倍質量である。
【0038】
本工程の反応温度は、−80乃至300℃の範囲で行われ、好ましくは−20乃至250℃、より好ましくは0乃至220℃の範囲である。通常反応は48時間以内に完結する。
【0039】
本工程では、必要に応じて酸または塩基の添加を行うと反応が速やかに進行する。用いる酸は反応に関与しないものであれば特に限定されるものではない。例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルフルオロ酢酸等の有機酸;アンバーライト(ローム・アンド・ハース株式会社)、アンバーリスト(ローム・アンド・ハース株式会社)等の強酸性イオン交換樹脂;ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機酸塩等が挙げられる。好ましくは、リン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸等である。
【0040】
上記酸の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至50倍モル、好ましくは1乃至30倍モル、より好ましくは2乃至10倍モルである。
【0041】
本工程で用いる塩基としては、具体的には、カリウム−tert−ブトキシド、ナトリウム−tert−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコキシド;ピペリジン、ピリジン、2−メチルピリジン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルエチルアミン、酢酸カリウム、1,8−ジアザビシクロ[5、4、0]ウンデカ−7−エン(DBU)等の有機塩基、n−ブチルリチウム、マグネシウムクロリド、水素化ホウ素ナトリウム、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基等が用いられる。好ましくは、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等である。
【0042】
上記、塩基の使用量は、化合物Aに対し、0.1乃至15倍モル、好ましくは1乃至8倍モル、より好ましくは1.4乃至5倍モルである。
【0043】
反応終了後、2−プロピルアルコール及びヘキサンで希釈し、析出した固体をろ過する事によって、化合物Cを得ることが出来る。
【0044】
次に、縮合工程について説明する。縮合工程はウルマン縮合反応として分類される公知反応の範疇(Chem.Ber.,36,2382(1902年))に含まれる。即ち、化合物Cと化合物D(アミン化合物)を縮合させて、本発明の一般式(1)を得る。具体的なアミノ化反応としては、例えば、下記に示す方法が挙げられる。
【0045】
本工程における化合物Dの使用量は、化合物Cに対し、0.1乃至10倍モル、好ましくは0.5乃至5倍モル、より好ましくは0.8乃至5倍モルである。
【0046】
本工程で使用される縮合剤としては、特に限定されるものではなく、ウルマン縮合反応で通常使用される縮合剤を使用することが出来る。例えば、銅粉、塩化第一銅、塩化第二銅、臭化第一銅、臭化第二銅、ヨウ化銅、酢酸銅、硫酸銅等の銅化合物等が挙げられる。好ましくは、ヨウ化銅が挙げられる。
【0047】
縮合剤の使用量としては、好ましくは、化合物Cの1モルに対して、0.0005乃至0.1モルが好ましく、より好ましくは0.001乃至0.05モルである。
【0048】
反応を促進させるため、本工程には縮合剤の助触媒を用いることが出来る。縮合剤の助触媒としては、ウルマン縮合反応として分類される公知のものであれば、特に限定はされない。例えば、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン等が安価で利用しやすいため好ましい。
【0049】
縮合工程において用いられる有機溶剤について説明する。
【0050】
縮合工程に用いることができる有機溶剤は、反応に関与しない有機溶剤であれば、特に限定されるものではないが、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、トルエン、キシレン、エチレングリコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンおよびニトロベンゼン等を基質の溶解性に応じて単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0051】
縮合工程は、通常0乃至220℃の温度範囲で行われ、通常24時間以内に完結する。縮合工程における反応温度は、5乃至180℃の範囲である場合が好ましく、10乃至120℃がより好ましい。温度が0℃より低いと反応の進行が著しく遅くなり、また、220℃より高いと、化合物の分解が起きる可能性があるため好ましくない。
【0052】
得られた一般式(1)で表わされる化合物は、通常の有機合成反応の後処理方法に従って処理した後、再結晶、再沈殿、カラムクロマトグラフィー等の精製を行うことで高純度の非水溶性の色素化合物を得ることができる。一般式(1)で表わされる非水溶性色素化合物は、1H核磁気共鳴分光分析、LC/TOF MS、UV/Vis分光光度計等を用いて同定することができる。
【0053】
各化合物の官能基において必要に応じて、公知の保護・脱保護反応、加水分解等の反応を追加することは、当該事業者には適宜選択可能である。
【0054】
また、R1とR2の置換基が同じ場合には、以下に示すように化合物Eと化合物Bを環化させることによって本発明の一般式(1)で表わされる化合物を得ることが出来る。この環化工程は前記化号物Aと化合物Bを環化させて化合物Cを製造する環化工程と同様に製造することが出来る。
【0055】
【化4】

【0056】
本発明で一般式(1)で表される化合物は、使用する用途の目的に応じて、色調等を調整するために、単独、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、公知の顔料や染料を2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0057】
本発明の非水溶性色素化合物の好ましい具体例として、非水溶性色素化合物(1)乃至(21)を以下に示すが、下記の例に限定されるものではない。なお、非水溶性色素化合物(1)乃至(21)は、下記一般式中のR1、R2、R3を表1中の置換基としたものである。「*」は置換基の結合部位を表す。
【0058】
【化5】

【0059】
【表1】

【0060】
<インクについて>
本発明のインクについて説明する。
【0061】
一般式(1)で表される本発明の非水溶性色素化合物は、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくため、インク用の着色剤として好適である。
【0062】
本発明のインクは、少なくとも、媒体と、一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を少なくとも1種以上含有するインクである。
【0063】
本発明のインクにおいて、上記以外の構成成分については、本発明のインクの使用用途に応じて各々決められるものであり、該インクを利用する各種用途における特性を阻害しない範囲において、添加物を添加することができる。
【0064】
本発明のインクは、インクジェット用インクを始めとして、印刷用インク、塗料、筆記具用インク等に好適に用いることができる。中でも、後述するカラーフィルター用レジスト用途や、感熱転写記録用シート用途のインクとして特に好適に用いることができる。
本発明のインクは、例えば、以下のようにして得られる。
【0065】
媒体中に、撹拌しながら、本発明の非水溶性色素化合物、必要に応じて他の着色剤、乳化剤、樹脂等を、媒体中に撹拌しながら徐々に加え、十分に媒体になじませる。さらに、分散機により機械的剪断力を加えることで安定に溶解または微分散させることで、本発明のインクを得ることができる。
【0066】
本発明において、上記「媒体」とは、水または有機溶剤を意味する。
【0067】
本発明のインクの媒体として有機溶剤を用いる場合、該有機溶剤の種類は着色剤の目的用途に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、変性エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、sec−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−ペンタノール、オクタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル類、ヘキサン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、四塩化炭素、トリクロロエチレン、テトラブロムエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジメチルグリコール、トリオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチラール、ジエチルアセタール等のアセタール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類、ニトロベンゼン、ジメチルアミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の硫黄・窒素含有有機化合物類等が挙げられる。
【0068】
また、本発明のインクで用いることができる有機溶剤としては、重合性単量体を用いることもできる。重合性単量体は、付加重合性あるいは縮重合性単量体であり、好ましくは付加重合性単量体である。このような重合性単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のアクリレート系単量体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリロニトリル、メタクリル酸アミド等のメタクリレート系単量体、エチレン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、シクロヘキセン等のオレフィン系単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、ヨウ化ビニル等のハロゲン化ビニル系単量体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル系単量体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル系単量体、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン系単量体等が挙げられる。これらは単独で、または必要に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0069】
本発明のインクを構成する着色剤としては、少なくとも一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を用いるが、該非水溶性色素化合物の媒体への溶解性、または分散性を阻害しない限りは、必要に応じて他の着色剤を併用することできる。
【0070】
併用することができる他の着色剤としては、縮合アゾ化合物、アゾ金属錯体、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キサンテン化合物、キナクリドン化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物、メチン化合物、アリルアミド化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.Pigment Orange 1、5、13、15、16、34、36、38、62、64、67、72、74;C.I.Pigment Red 2、3、4、5、6、7、12、16、17、23、31、32、41、48、48:1、48:2、48:3、48:4、53:1、57:1、81:1、112、122、123、130、144、146、149、150、166、168、169、170、176、177、178、179、181、184、185、187、190、194、202、206、208、209、210、220、221、224、238、242、245、253、254、255、258、266、269、282;C.I.Pigment Violet 13、19、25、32、50、およびこれらの誘導体として分類される種々の着色剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0071】
本発明のインクを構成する上記着色剤の量としては、媒体100.0質量部に対して1.0乃至30.0質量部、好ましくは2.0乃至20.0質量部、より好ましくは3.0乃至15.0質量部である。上記の範囲であれば、十分な着色力が得られつつ、着色剤の分散性も良好となる。
【0072】
本発明のインクの媒体として水を用いる場合、必要であれば、上記着色剤の良好な分散安定性を得るために、乳化剤を添加することが出来る。添加することができる乳化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
【0073】
上記乳化剤におけるカチオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
【0074】
上記乳化剤におけるアニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0075】
上記乳化剤におけるノニオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
【0076】
本発明のインクには、さらに樹脂を添加することもできる。本発明のインクに添加することができる樹脂の種類は、目的用途に応じて決められるものであり、特に限定されないが、例えば、ポリスチレン樹脂、スチレン共重合体、ポリアクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、アクリル酸系共重合体、メタクリル酸系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリビニルメチルエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリペプチド樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独で、もしくは必要に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0077】
本工程で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を好ましく用いることができる。
【0078】
以上のように、本発明のインクは、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づく、本発明の非水溶性色素化合物を含有して構成されるため、鮮やかな赤乃至Magenta色の色調を有する。
【0079】
<感熱転写記録用シート>
次に、本発明の感熱転写記録用シートについて説明する。
【0080】
本発明の非水溶性色素化合物は、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくため、感熱転写記録用シートに好適に用いることができる。
【0081】
本発明の感熱転写記録用シートは、基材と、少なくとも本発明の非水溶性色素化合物を該基材上に膜形成してなる色材層を有することを特徴とする。
【0082】
本発明の感熱転写記録用シートは、例えば、以下のようにして得られる。少なくとも、一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を含む着色剤、結着樹脂、必要に応じて界面活性剤、ワックス等を、媒体中に撹拌しながら徐々に加え、十分に媒体になじませる。さらに、分散機により機械的剪断力を加えることで上記組成を安定に溶解あるいは微粒子状に分散させ、本発明のインクを調製する。次に該インクを、基材であるベースフィルムに塗布、乾燥することにより本発明の感熱転写記録用シートを作製することができる。なお、本発明はこの方法で作製された感熱転写記録用シートに限定されるものではない。
【0083】
本発明の感熱転写記録用シートに用いることができる結着樹脂としては、様々な樹脂が挙げられる。中でも、セルロース樹脂、ポリアクリル酸樹脂、澱粉樹脂およびエポキシ樹脂等の水溶性樹脂、並びにポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカーボオネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エチルセルロース樹脂、アセチルセルロース樹脂、ポリエステル樹脂、AS樹脂およびフェノキシ樹脂等の有機溶剤可溶性の樹脂が好ましい。これらの樹脂は、単独で、もしくは必要に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0084】
上記製造方法に用いることができる媒体としては、上記インクの媒体に使用したものを同様に使用できる。具体的には、水、もしくは有機溶剤が挙げられ、有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールおよびイソブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブおよびエチルセロソルブ等のセロソルブ類、トルエン、キシレンおよびクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチルおよび酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルムおよびトリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフランおよびジオキサン等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が好ましく用いられる。上記有機溶剤は単独で、もしくは必要に応じて2種類以上組み合わせて用いることができる。
【0085】
本発明の感熱転写記録用シートにおいて、着色剤として少なくとも上記一般式(1)で表される非水溶性色素化合物を用いることで、明度、彩度が高く、良好な色調の感熱転写記録用シートを得ることができるが、さらに所望の分光特性を得るため、調色用途として、他の染料を併用することもできる。併用することができる染料としては、本発明の感熱転写記録用シートの明度、彩度、耐光性に大きな影響を与えなければ限定されるものではないが、例えば、C.I.Solvent Red 8、27、35、36、37、38、39、40、49、58、60、65、69、81、83:1、86、89、91、92、97、99、100、109、118、119、122、127、218;C.I.Disperse Red 1、59、60、73、135、146、167;C.I.Disperse Violet 26等が挙げられる。
【0086】
上記結着樹脂と上記着色剤の使用比率(結着樹脂:着色剤)は、質量比で1:2乃至2:1の範囲であることが、転写性の点で好ましい。
【0087】
本発明の感熱転写記録用シートには、サーマルヘッド加熱時(印画時)に十分な滑性をもたせるために、界面活性剤を添加することができる。添加することができる界面活性剤としては、例えば、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が上げられる。
【0088】
上記カチオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルピリジニウムクロライド、ドデシルピリジニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド等が挙げられる。
【0089】
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸ナトリウム、ドデカン酸ナトリウム等の脂肪酸石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0090】
上記ノニオン界面活性剤としては、例えば、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテル、ノニルフェニルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンモノオレアートポリオキシエチレンエーテル、モノデカノイルショ糖等が挙げられる。
【0091】
本発明の感熱転写記録用シートには、サーマルヘッド非加熱時に十分な滑性をもたせるために、ワックスを添加することができる。添加することができるワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、脂肪酸エステルワックス等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本発明の感熱転写記録シートには、上記した添加物以外にも、必要に応じて、紫外線吸収剤、防腐剤、酸化防止剤帯電防止剤、粘度調整剤等を添加しても良い。
【0093】
本発明の感熱転写記録用シートの基材であるベースフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、コンデンサー紙、グラシン紙等の薄葉紙、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、および、ポリアラミド等のプラスチックのフィルムが、耐熱性の良好な点で好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが、機械的強度、耐溶剤性、および、経済性等の点でさらに好ましい。基材の厚さは3乃至50μmであることが、転写性の点から好ましい。
【0094】
本発明の感熱転写記録用シートにおいては、耐熱性やサーマルヘッドの走行性を向上させる目的で、基材の色材層の反対面に潤滑剤、滑性の高い耐熱性微粒子、および結着剤等熱性樹脂の層を設けることが好ましい。該潤滑剤としては、アミノ変性シリコーン化合物、カルボキシ変性シリコーン化合物等が挙げられ、耐熱性微粒子としては、シリカ等の微粒子が、結着剤としては、アクリル系樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
上記分散工程で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を好ましく用いることができる。
【0096】
上記ベースフィルムへ塗布する方法としては、特に限定されるわけではないが、例えば、バーコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、ロッドコーター、エアドクタコーター等を用いた方法が挙げられる。上記インク組成物の塗布量としては、色材層の乾燥後の厚さが0.1乃至5μmの範囲となるように塗布することが、転写性の点で好ましい。
【0097】
本発明の感熱転写記録用シートを加熱する加熱手段としては、特に限定されるわけではないが、例えば、サーマルヘッドを用いた常法のみならず、赤外線またはレーザー光等も利用することができる。また、ベースフィルムそのものに電気を流すことによって発熱する通電発熱フィルムを用いて、通電型染料転写シートとして用いることもできる。
【0098】
以上のように、本発明の感熱転写記録用シートは、鮮やかなMagenta色の色調を有する本発明の非水溶性色素化合物を含有して構成されるので、鮮やかなMagenta色の色調を有する感熱転写記録用シートを提供することができる。
【0099】
<カラーフィルター用レジスト組成物について>
次に、本発明のカラーフィルター用レジスト組成物について説明する。
【0100】
本発明のインクは、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくため、カラーフィルター用レジスト組成物に好適に用いる事ができる。
【0101】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物は、少なくとも、結着樹脂、媒体、および本発明の非水溶性色素化合物を含有することを特徴とする。
【0102】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物は、例えば、以下のようにして得られる。媒体中に、撹拌しながら、本発明の非水溶性色素化合物を含有するインク、結着樹脂、必要に応じて重合性単量体、重合開始剤、光酸発生剤等を媒体中に撹拌しながら徐々に加え、十分に媒体になじませる。さらに、分散機により機械的剪断力を加えることで安定に溶解または微分散させることにより、本発明のカラーフィルター用レジスト組成物を得ることができる。ここでは、インクを用いて、非水溶性色素化合物を導入したが、他の形態であってもよく、非水溶性色素化合物を直接、媒体に分散させても良い。
【0103】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物に用いることができる結着樹脂としては、画素形成時の露光工程における光照射部、あるいは遮光部の一方が有機溶剤、アルカリ水溶液、水、あるいは市販の現像液等によって溶解可能なものであれば良く、特に限定されるものではない。その中でも、作業性、廃棄物処理などの観点からは、水あるいはアルカリ水溶液で現像可能な組成を有するものが好ましい。
【0104】
上記結着樹脂としては、一般にアクリル酸やメタクリル酸、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−ビニルピロリドンやアンモニウム塩を有する重合性単量体などに代表されるような親水性の重合性単量体と、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン、N−ビニルカルバゾールなどに代表されるような親油性の重合性単量体とを、適度な混合比で、既知の手法により共重合化した結着樹脂が知られている。これらの結着樹脂は、エチレン性の不飽和基を有するラジカル重合性単量体やオキシラン環、オキセタン環を有するカチオン重合性単量体、ラジカル発生剤、酸発生剤や塩基発生剤との組み合わせによって、ネガ型、即ち露光によって現像液への溶解性が低下することで、遮光部分のみが現像によって除去されるタイプのレジストとして用いることができる。
【0105】
また、例えば、光により開裂し、カルボン酸基を生成するキノンジアジド基を有する樹脂や、ポリヒドロキシスチレンのtert−ブチル炭酸エステル、テトラヒドロピラニルエーテルなどに代表される、酸により開裂する基を有する結着樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤との組み合わせを用いることもできる。この種の結着樹脂は、ポジ型、即ち露光によって現像液への溶解性が向上することで、露光部分のみが現像によって除去されるタイプのレジストとして用いることができる。
【0106】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物が上記ネガ型のレジスト組成物である場合、露光によって付加重合する重合性単量体として、エチレン性不飽和二重結合を1個以上有する光重合性単量体を含有して構成される。該光重合性単量体としては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物が挙げられる。例えば、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート等の単官能アクリレートや、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリアクリレート、グリセリントリメタクリレートなどの多官能アクリレートおよびメタクリレート、トリメチロールプロパンやグリセリンなどの多官能アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシドを付加した後、アクリレート化またはメタクリレート化したものなどの多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。さらに、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸またはメタクリル酸との反応生成物である多官能のエポキシアクリレート類やエポキシメタクリレート類なども挙げられる。上記の中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等を好ましく用いることができる。
【0107】
上記光重合性単量体は、単独で、あるいは必要に応じて2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0108】
上記光重合性単量体の含有量としては、本発明のレジスト組成物の質量(全固形分)の5乃至50質量%であることが好ましく、10乃至40質量%であることがさらに好ましい。上記含有量が5質量%未満であると、露光に対する感度や画素の強度が低下することがあり、50質量%を超えるとレジスト組成物の粘着性が過剰になることがあり好ましくない。
【0109】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物が上記ネガ型のレジスト組成物である場合、光重合開始剤を含有して構成される。該光重合開始剤としては、ビシナールポリケトアルドニル化合物、α−カルボニル化合物、アシオインエーテル、多岐キノン化合物、トリアリルイミダゾールダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、トリオキサジアゾール化合物などが挙げられ、好ましくは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン(商品名:イルガキュア369、BASF社製)が挙げられる。なお、本発明の着色レジストによる画素の形成に際し、電子線を用いる場合には、上記光重合開始剤は必須ではない。
【0110】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物が上記ポジ型のレジスト組成物である場合、必要に応じて光酸発生剤を添加することもできる。該光酸発生剤としては、スルホニウム、ヨードニウム、セレニウム、アンモニウム及びホスホニウム等のオニウムイオン等と、アニオンとの塩等の従来公知のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
上記スルホニウムイオンとして、例えば、トリフェニルスルホニウム、トリ−p−トリルスルホニウム、トリ−o−トリルスルホニウム、トリス(4−メトキシフェニル)スルホニウム、1−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジフェニルフェナシルスルホニウム、フェニルメチルベンジルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルメチルベンジルスルホニウム、ジメチルフェナシルスルホニウム、フェナシルテトラヒドロチオフェニウム等が挙げられる。
【0112】
上記ヨードニウムイオンとしては、例えば、ヨードニウムイオンとしては、ジフェニルヨードニウム、ジ−p−トリルヨードニウム、ビス(4−ドデシルフェニル)ヨードニウム、ビス(4−メトキシフェニル)ヨードニウム、(4−オクチルオキシフェニル)フェニルヨードニウム等が挙げられる。
【0113】
上記セレニウムイオンとしては、例えば、トリアリールセレニウム(トリフェニルセレニウム、トリ−p−トリルセレニウム、トリ−o−トリルセレニウム、トリス(4−メトキシフェニル)セレニウム、1−ナフチルジフェニルセレニウム、トリス(4−フルオロフェニル)セレニウム、トリ−1−ナフチルセレニウム、トリ−2−ナフチルセレニウム等が挙げられる。
【0114】
上記アンモニウムイオンとしては、例えば、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、トリメチル−n−プロピルアンモニウム、トリメチルイソプロピルアンモニウム、トリメチル−n−ブチルアンモニウム、トリメチルイソブチルアンモニウム等が挙げられる。
【0115】
上記ホスホニウムイオンとしては、例えば、テトラフェニルホスホニウム、テトラ−p−トリルホスホニウム、テトラキス(2−メトキシフェニル)ホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム、トリフェニルフェナシルホスホニウム、トリフェニルメチルホスホニウム、トリエチルベンジルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム等が挙げられる。
【0116】
上記アニオンとしては、例えば、ClO4-、BrO4-等の過ハロゲン酸イオン、FSO3-、ClSO3-等のハロゲン化スルホン酸イオン、CH3SO4-、CF3SO4-、HSO4-等の硫酸イオン、HCO3-、CH3CO3-等の炭酸イオン、AlCl4-、AlF4-等のアルミン酸イオン、ヘキサフルオロビスマス酸イオン、CH3COO-,CF3COO-、C65COO-、CH364COO-、C65COO-、CF364COO-等のカルボン酸イオン、B(C654-、CH3CH2CH2CH2B(C653-等のアリールホウ酸イオン、チオシアン酸イオン、および硝酸イオン等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
本発明のカラーフィルター用のレジスト組成物において、上記インク、結着樹脂、また、必要に応じて添加される光重合性単量体、光重合開始剤、光酸発生剤等を溶解もしくは分散させるための媒体としては、水、もしくは様々な有機溶剤が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチルベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−n−アミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルイソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられる。これらは単独で、もしくは2種類以上組み合わせて用いる事ができる。また、本発明のカラーフィルター用のレジスト組成物の媒体は、上記インク中の着色剤の分散性を阻害しない限りは、上記インクに用いた媒体と同じ媒体であっても異なっていても良い。
【0118】
異なる分光特性を持つ2種類以上の画素が隣接して配列されてなるカラーフィルターにおいて、その複数の画素の色(例えば、赤、緑、青)のうち、少なくとも1色を構成する画素に、本発明のインクからなるレジスト組成物を用いることで、明度、彩度の伸びが良く、良好な色調のフィルターを得ることができるが、さらに所望の分光特性を得るため、調色用途として、他の染料を併用することもできる。併用することができる染料としては、特に限定されるものではないが、例えば、C.I.Solvent Blue 14、24、25、26、34、37、38、39、42、43、44、45、48、52、53、55、59、67、70;C.I.Solvent Red 8、27、35、36、37、38、39、40、49、58、60、65、69、81、83:1、86、89、91、92、97、99、100、109、118、119、122、127、218;C.I.Solvent Yellow 1、2、3、13、14、19、21、22、29、36、37、38、39、40、42、43、44、45、47、62、63、71、76、79、81、82、83:1、85、86、88、151等が挙げられる。
【0119】
本発明のカラーフィルター用レジスト組成物には、上記した添加物以外にも、必要に応じて、紫外線吸収剤や、フィルター作製時にガラス基板との密着性を向上させる目的でシランカップリング剤等を添加しても良い。
【0120】
本工程で用いる分散機としては、特に限定されるものではないが、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等を好ましく用いることができる。
【0121】
以上のように、本発明のカラーフィルター用レジスト組成物は、鮮やかなMagenta色の色調を有する本発明の非水溶性色素化合物を含有して構成されるので、赤色レジスト組成物として用いられることが好適であり、鮮やかなMagenta色の色調を有するカラーフィルターを好適に提供することができる。また、他色の色素化合物を併用することによって、Magenta色以外のカラーフィルター用レジスト組成物とすることもできる。
【実施例】
【0122】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量基準である。
【0123】
得られた反応生成物の同定は、下記に挙げる装置を用いた複数の分析方法によって行った。即ち、使用した分析装置は、1H核磁気共鳴分光分析(ECA−400、日本電子(株)製)、LC/TOF MS(LC/MSD TOF、Agilent Technologies社製)、UV/Vis分光光度計(UV−36000形分光光度計、島津製作所)を用いた。尚、LC/TOF MSにおけるイオン化法はエレクトロスプレーイオン化法(ESI)を適用した。
【0124】
[一般式(1)で表される化合物の製造]
本発明の一般式(1)で表わされる化合物公知の方法によって合成することが可能である。
【0125】
以下に記載する方法で本発明の一般式(1)で表される化合物を製造した。
【0126】
〈製造例1:化合物(1)の製造例〉
4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノン14.3g(40mmol)の1,2−ジクロロベンゼン40mLにアセト酢酸エチル10.4g(80mmol)、炭酸ナトリウム0.7g(6.4mmol)を懸濁させ、175℃で24時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却した後、2−プロピルアルコール50mL及びヘキサン50mLで希釈した。固体をろ過した後、2−プロピルアルコール100mLで洗浄後、前記化合物Cに対応する中間体(1)8gを得た。中間体(1)7g(14.6mmol)のジメチルホルムアミド75mLの溶液に、2−エチルヘキシルアミン3.6mL、ヨウ化銅(I)292mg、炭酸ナトリウム4.7gを加え、100℃で2時間反応させた。反応終了後、冷却して、酢酸エチル200mL希釈してろ過した。カラムクロマトグラフィー精製(トルエン/THF)を行い、5.7g(収率30%)の化合物(1)を得た。化合物(1)のCDCl3中、室温、400MHzにおける1H NMRスペクトルを図1に示した。
【0127】
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0128】
[化合物(1)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.97(tt、9H、J=20.6、7.25Hz)、1.32(td、4H、J=15.0、14.2Hz)、1.62−4.46(m、6H)、1.74−1.83(m、3H)、2.73(s、3H)、3.36(m、2H)、4.40(t、2H、J=7.79Hz)、7.28(d、2H、J=9.62Hz)、7.61−7.70(m、3Hz)、8.03(d、1H、J=7.79Hz)、8.59(dd、1H、J=7.79、1.83Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=473.2898(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=556nm
【0129】
〈製造例2:化合物(4)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、6.8g(収率32%)の化合物(4)を得た。
【0130】
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0131】
[化合物(4)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.96(dt、9H、J=25.0、7.21Hz)、1.36−1.39(m、4H)、1.45−1.61(m、6H)、1.79(t、3H、J=6.18Hz)、3.37−3.41(m、2H)、4.39(s、2H)、7.32−7.47(m、4H)、4.75(tt、2Hz、J=7.56、2.44Hz)、7.72(d、1H、J=10.1Hz)、7.97−8.03(m、3H)、8.55(dd、1H、J=7.79、1.37Hz)、10.9(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=535.3001(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=558nm
【0132】
〈製造例3:化合物(6)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルを4−メトキシベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.4g(収率24%)の化合物(6)を得た。
【0133】
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0134】
[化合物(6)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.90(dt、9H、J=24.9、7.21Hz)、1.31(t、4H、J=3.66Hz)、1.44(dd、4H、J=14.9、7.56Hz)、1.52(dd、2H、J=16.5、7.33Hz)、1.73(t、3H、J=6.18Hz)、3.78(s、1H)、4.33(d、2H、43.1Hz)、6.86(d、2H、J=9.16Hz)、7.24(t、1H、J=11.5Hz)、7.34(t、1H、J=7.79Hz)、7.51(t、1H、J=7.56Hz)、7.65(d、1H、J=9.62Hz)、7.92(d、2H、J=8.70Hz)、8.01(d、1H、J=8.24Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=565.3048(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=557nm
【0135】
〈製造例4:化合物(8)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、3.9g(収率17%)の化合物(8)を得た。
【0136】
また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0137】
[化合物(8)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.88(dq、12H、J=41.1、10.1Hz)、1.19−1.34(m、12H)、1.49(dt、4H、J=22.3、8.24Hz)、1.74(t、1H、J=6.18Hz)、1.91(s、1H)、3.32(t、2H、J=4.12Hz)、4.34(br、2H)、7.24(t、1H、J=10.3Hz)、7.32−7.42(m、3Hz)、7.50−7.54(m、2H)、7.67(d、1H、J=9.62Hz)、7.95(dd、3H、J=15.1、7.79Hz)、8.50(d、1H、J=6.87Hz)10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=591.3567(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=559nm
【0138】
〈製造例5:化合物(9)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをマロン酸ジエチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、4.6g(収率21%)の化合物(9)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0139】
[化合物(9)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.90(tt、12H、J=19.0、7.02Hz)、1.23−1.55(m、19H)、1.74(t、1H、J=6.18Hz)、1.93(d、1H、J=3.66Hz)、3.32(s、2H)、4.38(d、2H、J=23.8z)、4.54(q、2H、J=6.72Hz)、7.23(d、1H、J=9.62Hz)、7.64(dq、3Hz、J=16.3、4.73Hz)、8.19(d、1H、J=7.79Hz)、8.55(t、1H、J=4.58Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=559.3497(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=559nm
【0140】
〈製造例6:化合物(10)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−(2−エチルヘキシル)アミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチル、アセト酢酸エチルをマロン酸ジエチルに、2−エチルヘキシルアミンを3−ブトキシ−プロピルアミンに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.2g(収率22%)の化合物(10)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0141】
[化合物(10)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.84−0.94(m、9H)、1.24−1.42(m、10H)、1.58(td、2H、J=14.3、7.48Hz)、1.93(s、1H)、2.02−2.08(m、2H)、3.45(t、2H、J=6.64Hz)、3.58(q、4H、J=6.72Hz)、4.37(br、2H)、7.32−7.45(m、4H)、7.53−7.57(m、2Hz)、7.70(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=18.3、7.79Hz)、8.51(d、1H、J=6.41Hz)、10.8(s、1H)[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=593.3361(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=555nm
【0142】
〈製造例7:化合物(14)の製造例〉
製造例1において、4−ブロモ−1−ブチルアミノアントラキノンを4−ブロモ−1−メチルアミノアントラキノンに、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、5.0g(収率25%)の化合物(14)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0143】
[化合物(14)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.91(t、3H、J=6.87Hz)、0.97(t、3H、J=7.56Hz)、1.34(t、4H、J=3.66Hz)、1.52(m、4H)、1.77(t、1H、6.18Hz)、3.35(t、2H、J=4.35Hz)、3.84(s、3H)、7.30(d、1H、J=9.62Hz)、7.40(td、3H、J=15.2、7.94Hz)、7.55(t、2H、J=7.10Hz)、7.72(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=10.7、8.70Hz)、8.53(d、1H、J=7.79Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=493.2504(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=560nm
【0144】
〈製造例8:化合物(15)の製造例〉
製造例1において、アセト酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに、2−エチルヘキシルアミンをシクロヘキシルアミンに変更した以外は、製造例1と同様な操作で、6.8g(収率30%)の化合物(15)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0145】
[化合物(15)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.87(t、6H、J=11.0Hz)、1.24−1.66(m、14H)、1.88(s、3H)、2.10(s、2H)、3.68(s、1H)、4.37(s、1H)、7.36(dq、4H、J=32.9、8.93Hz)、7.55(dd、2H、J=10.3、4.81Hz)、7.68(d、1H、J=9.62Hz)、7.95−8.00(m、3H)、8.52(d、1H、J=6.41Hz)、10.9(d、1H、J=7.79Hz)、10.9(d、1H、J=7.79Hz)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=561.3055(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=547nm
【0146】
〈製造例9:化合物(20)の製造例〉
1,4−ジブチルアミノアントラセン−9,10−ジオン14g(40mmol)の1,2−ジクロロベンゼン40mLに、4−メトキシベンゾイル酢酸エチル15.3mL(40mmol)、炭酸ナトリウム0.7g(6.4mmol)を懸濁させ、175℃で24時間撹拌した。反応終了後、室温まで冷却した後、カラムクロマトグラフィー精製(ヘキサン/酢酸エチル)を行い、4.8g(収率24%)の化合物(20)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0147】
[化合物(20)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.96(dt、6H、J=16.6、7.44Hz)、1.48(dq、4H、J=29.7、7.48)、1.73−1.81(m、4H)、3.41(dd、2H、J=11.9、6.87Hz)、3.79(s、3H)、4.34(d、1H、J=44.4Hz)、6.87(d、2H、J=9.16Hz)、7.25(d、1H、J=9.62Hz)、7.35(t、1H、J=6.87Hz)、7.52(t、1H、J=7.56Hz)、7.35(t、1H、J=6.87Hz)、7.52(t、1H、J=7.56Hz)、7.66(d、1H、J=9.62Hz)、7.93(d、2H、J=8.70Hz)、8.01(d、1H、J=8.24Hz)、8.48(d、1H、J=6.41Hz)、10.7(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=509.2389(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=555nm
【0148】
〈製造例10:化合物(21)の製造例〉
製造例9において、4−メトキシベンゾイル酢酸エチルをベンゾイル酢酸エチルに変更した以外は、製造例9と同様な操作で、8.5g(収率45%)の化合物(21)を得た。また、本化合物の室温及び60℃の水への溶解度を確認した所、質量百分率で1%未満であることを確認した。
【0149】
[化合物(21)についての分析結果]
[1]1H NMR(400MHz、CDCl3、室温):δ[ppm]=0.99(dt、6H、J=18.3、7.33Hz)、1.44−1.58(m、4H)、1.80(dd、4H、J=14.7、7.33Hz)、3.45(d、2H、J=5.50Hz)、4.36(br、2H)、7.30(d、1H、J=9.62Hz)、7.37(t、1H、J=7.79Hz)、7.43(t、2H、J=7.79Hz)、7.55(t、2H、J=5.72Hz)、7.70(d、1H、J=9.62Hz)、7.98(dd、3H、J=16.9、7.79Hz)、8.52(d、1H、J=9.62Hz)、10.8(s、1H)
[2]質量分析(ESI−TOF):m/z=479.2304(M+H)+[3]UV/Vis分光分析:λmax=556nm
【0150】
<インクの製造>
以下に記載する方法で、本発明のインクおよび比較用インクを製造した。
【0151】
[インク(1)の製造例]
本発明の非水溶性色素化合物(1)17部とスチレン120部を混合し、アトライター(三井鉱山社製)に投入して1時間稼働させることで本発明のインク(1)を得た。
【0152】
[インク(4)、(6)、(8)乃至(10)、(14)、(15)、(20)、(21)の製造例]
上記インク(1)の製造例において、非水溶性色素化合物(1)を非水溶性色素化合物(4)、(6)、(8)乃至(10)、(14)、(15)、(20)、(21)に変更した以外は、上記インク(1)の製造例と同様な操作で、各々インク(2)乃至(10)を得た。
【0153】
[比較用インク(1)乃至(3)の製造例]
上記インク(1)の製造例において、非水溶性色素化合物(1)を下記の比較化合物(1)乃至(3)に変更した以外は、上記インク(1)の製造例と同様な操作で、各々比較用インク(1)乃至(3)を得た。
【0154】
【化6】

【0155】
<評価>
[化合物の溶剤溶解度評価]
室温下で、非水溶性色素化合物(1)、(4)、(6)、(8)乃至(10)、(14)、(15)、(20)、(21)および比較化合物(1)乃至(3)を、30mgを0.7mLのトルエン、メタノール、酢酸エチル、クロロホルムにそれぞれ溶解させ、目視観察により、溶剤への溶解性評価を行った。
A:完全に溶解する(溶解性が非常に良い)
B:やや懸濁物が残る(溶解性が良い)
C:全く溶解しない(溶解性が悪い)
【0156】
<色域測定>
インク(1)、(4)、(6)、(8)乃至(10)、(14)、(15)、(20)、(21)および比較化合物(1)乃至(3)をバーコート法(Bar No.4,6,8,10,12,14,16,18,20)により、隠ぺい率測定紙に塗布して、一晩風乾することで画像サンプルを作製した。各画像サンプルに関して、反射濃度計SpectroLino(Gretag Macbeth社製)にて、L***表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(C*)は色特性の測定値に基づき、下記式によって算出した。
【0157】
【数1】

【0158】
[色調評価]
色調評価は以下のように行った。
【0159】
ある同一のL*におけるマゼンタ色域方向への色度の伸びが大きい程、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくといえる。L*が50でのa*及びb*の値で評価した。L*が50であるときのa*、b*は、上記各画像サンプルから得られたL*、a*、b*から内挿して求めた。
A:a*が80以上、かつb*が−15以下(Magenta色度により近づく)
B:a*が60以上80未満、かつb*が−15以下(Magenta色度に近づく)
C:a*が60未満、かつb*が−15以下(Magenta色度から遠い)
【0160】
[彩度評価]
彩度評価を以下のように行った。
【0161】
同じ単位面積当たりの着色剤量における彩度C*が大きい程、明度、彩度の伸びが良好であるといえる。上記バーコート法(Bar No.10)による画像サンプル作製時の彩度C*を用いて評価した。尚、C*は、前記式で算出される。
A:C*が80以上(明度、彩度の伸びが非常に良い)
B:C*が70以上80未満(明度、彩度の伸びが良い)
C:C*が70未満(明度、彩度の伸びが悪い)
【0162】
実施例及び比較例の各評価結果を表2にまとめた。
【0163】
【表2】

【0164】
表2より明らかなように、本発明の非水溶性化合物は溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくことが分かる。
【0165】
<Magenta色レジスト組成物の製造>
[カラーフィルター(1)の製造例]
<実施例11>
本発明の非水溶性色素化合物(1)12部にシクロヘキサノン120部を混合し、アトライター(三井鉱山社製)により1時間分散させて本発明のインク(11)を得た。
【0166】
n−ブチルメタクリレート40%、アクリル酸30%、ヒドロキシエチルメタクリレート30%の質量モノマー比率からなるアクリル共重合組成物(重量平均分子量10,000)アクリル共重合組成物6.7部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート1.3部、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン(光重合開始剤)0.4部のシクロヘキサノン96部の溶液に、上記インク(11)22部をゆっくり加え室温で3時間撹拌した。これを1.5μmフィルターで濾過することで、本発明のカラーフィルター用Magenta色レジスト組成物(1)を得た。
【0167】
上記カラーフィルター用Magenta色レジスト組成物(1)をガラス基板上にスピンコートし、その後これを90℃で3分間乾燥させた後に全面露光し、180℃でポストキュアすることでカラーフィルター(1)を作製した。
【0168】
<実施例12乃至16>
実施例11において、非水溶性色素化合物(1)を用いる代わりに、非水溶性色素化合物(4)、(6)、(8)、(10)、(21)を用いた以外は、実施例11と同様な操作を行い、カラーフィルター(2)乃至(6)を作製した。
【0169】
<比較例4及び5>
実施例11において、化合物(1)を比較用化合物(1)、(2)に変更した以外は実施例11と同様な操作で、比較用カラーフィルター(1)、(2)を得た。
【0170】
<感熱転写記録用シート(1)の製造>
<実施例17>
本発明の非水溶性化合物(4)13.5部のメチルエチルケトン45部/トルエン45部の混合溶液に撹拌しながらポリビニルブチラール樹脂(デンカ3000−K;電気化学工業(株)製)5部を少しずつ添加し、本発明のインク(12)を得た。
【0171】
上記インク(12)を厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタラートフィルム(ルミラー;東レ(株)製)上に、乾燥後の厚みが1μmになるように塗布し、乾燥することによって、感熱転写記録用シート(1)を作製した。
【0172】
<実施例18乃至23>
実施例17において、非水溶性色素化合物(4)を用いる代わりに、非水溶性色素化合物(1)、(6)、(8)、(10)、(14)、(20)を用いた以外は、実施例17と同様な操作を行い、本発明の感熱転写記録用シート(2)乃至(7)を作製した。
【0173】
<比較例6及び7>
実施例12において、化合物(4)を比較用化合物(2)、(3)に変更した以外は実施例12と同様な操作で、比較用感熱転写記録用シート(2)、(3)を得た。
【0174】
[カラーフィルターの色域測定]
上記カラーフィルター(1)、比較用カラーフィルター(1)を隠ぺい率測定紙上に配置し、反射濃度計SpectroLino(Gretag Macbeth社製)にて、L***表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(C*)は色特性の測定値に基づき、前記算出式によって算出した。
【0175】
[転写画像の色調測定]
上記の感熱転写記録用シート(1)、比較用感熱転写記録用シート(1)をSELPHY CP710用インクカセット(キヤノン(株)製)のMagenta部に切貼りし、SELPHY CP710(キヤノン(株)製)を用いて専用の印画紙に画像形成した。形成した画像はMagenta単色のベタ画像であり、それぞれを転写画像(1)、比較転写画像(1)とした。各転写画像について反射濃度計SpectroLino(Gretag Machbeth社製)にてL***表色系における色度(L*、a*、b*)を測定した。彩度(C*)は色特性の測定値に基づき、前記式によって算出した。
【0176】
[色調評価]
色調評価は以下のように行った。
【0177】
ある同一のL*におけるマゼンタ色域方向への色度の伸びが大きい程、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくといえる。L*が50でのa*及びb*の値で評価した。L*が50であるサンプルは、SELPHY CP710による画像形成の際の温度を調整することによって作成した。
A:a*が80以上、かつb*が−15以下(Magenta色度により近づく)
B:a*が60以上80未満、かつb*が−15以下(Magenta色度に近づく)
C:a*が60未満、かつb*が−15以下(Magenta色度から遠い)
【0178】
[彩度評価]
同じ単位面積当たりの着色剤量におけるC*が大きい程、彩度が良好であるといえる。上記カラーフィルター、および転写画像25cm2(5cm×5cm)当たりの着色剤量を6.5mgとした時のC*の値で評価を行った。
A:C*が80以上(明度、彩度の伸びが非常に良い)
B:C*が70以上80未満の向上率(明度、彩度の伸びが良い)
C:C*が70未満(明度、彩度の伸びが悪い)
【0179】
【表3】

【0180】
表3より明らかなように、本発明の非水溶性化合物を用いて得られるカラーフィルター用Magenta赤色レジスト組成物、感熱転写記録用シートは対応する比較用化合物からの場合と比較して、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づくことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0181】
本発明によれば、溶剤への溶解性が高く、明度、彩度の伸びが良く、AdobeRGB色域で表記されるMagenta色度により近づく非水溶性色素化合物及び、該非水溶性色素化合物を含有するインクを得ることが出来る。また、該非水溶性色素化合物を基材上に膜形成させ、色材層とすることで、良好なMagenta色の色調を有する感熱転写記録用シートを得ることが出来る。更に、該非水溶性色素化合物を用いることで、良好なMagenta色の色調を有するカラーフィルター用レジスト組成物を得ることが出来る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されることを特徴とする非水溶性色素化合物。
【化1】

〔一般式(1)中、R1及びR2は、アルキル基を表し、R3は、アルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表す。R1乃至R3に係るアルキル基、アリール基及びアルコキシ基はいずれも、置換基を有してもよい。〕
【請求項2】
前記一般式(1)中のR3が、アリール基であることを特徴とする請求項1に記載の非水溶性色素化合物。
【請求項3】
前記一般式(1)中のR3が、フェニル基又は4−メトキシフェニル基である請求項2に記載の非水溶性色素化合物。
【請求項4】
前記一般式(1)中のR1が、メチル基、ブチル基又は2−エチルヘキシル基である請求項1乃至3の何れか1項に記載の非水溶性色素化合物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の非水溶性色素化合物と媒体とを含有することを特徴とするインク。
【請求項6】
基材、及び該基材上に、請求項1乃至4のいずれかに記載の非水溶性色素化合物を含有する組成物を膜形成してなる色材層を有することを特徴とする感熱転写記録用シート。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれかに記載の非水溶性色素化合物を含有することを特徴とするカラーフィルター用レジスト組成物。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2013−91784(P2013−91784A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221290(P2012−221290)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】