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非水電解質および非水電解質電池
説明

非水電解質および非水電解質電池

【課題】高温サイクル特性および高温保存後における電池特性を改善できる非水電解質および非水電解質電池を提供する。
【解決手段】セパレータ23には、電解液が含浸されている。電解液は、溶媒と、電解質塩と、シクロヘキシルベンゼン、tert−ブチルベンゼンなどの芳香族化合物と、ポリ酸および/またはポリ酸化合物とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、非水電解質および非水電解質電池に関する。さらに詳しくは、有機溶媒と電解質塩とを含む非水電解質およびこれを用いた非水電解質電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビデオカメラ、携帯電話あるいはノートパソコンなどのポータブル電子機器が広く普及しており、その小型化、軽量化および長寿命化が強く求められている。これに伴い、ポータブル電子機器の電源として、電池、特に軽量で高エネルギー密度を得ることが可能な二次電池の開発が進められている。
【0003】
中でも、充放電反応にリチウムの吸蔵および放出を利用する二次電池(いわゆるリチウムイオン二次電池)は、鉛電池やニッケルカドミウム電池よりも高いエネルギー密度が得られるため、大いに期待されている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は、溶媒とこの溶媒に溶解した電解質塩とを含む電解液を備えている。この溶媒としては、電解質塩と溶媒和しやすい炭酸エチレンや炭酸プロピレンなどの高誘電率溶媒と、イオン伝導性に優れた炭酸ジエチル、炭酸ジメチルあるいは炭酸エチルメチルなどの低粘度溶媒とを混合した混合溶媒が広く用いられている。しかしながら、正負極の電位を高めると、高電位の正極活物質、あるいは負極活物質と非水電解質とが反応して分解したり、正極活物質に含まれるコバルトが溶出したりすることにより、電池特性が低下する問題があった。
【0005】
リチウムイオン二次電池の特性は、用いる非水電解液に大きく左右されるので、電池特性を更に向上させるために、種々の化合物を含有させた非水電解液が提案されている。例えば、特許文献1では、高温での電極と電解液との反応を抑制するために非イオン性の芳香族化合物を含む電解液を用いた技術が提案されている。この非イオン性の芳香族化合物として、アルキル基を有する芳香族化合物やアルコキシ基を有する芳香族化合物が用いられている。この技術では、電解液に添加された非イオン性の芳香族化合物が負極の表面に吸着し、負極の表面との直接の接触を抑制することで、電池特性が改善される。
【0006】
特許文献2では、高温で保存された場合に起こる芳香族化合物の分解反応を防ぐために、2つ以上のハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステル(反応性の環状炭酸エステル)を芳香族化合物と併用する技術が提案されている。このハロゲンを構成元素として有する環状炭酸エステルは、電池の使用初期の充放電時に負極上にSEI(Solid Electrolyte interface;固体電解質膜)と呼称される被膜を形成し、負極上における分解反応を抑制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−275632号公報
【特許文献2】特開2008−153096号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、反応性の環状炭酸エステルは、強固なSEIを形成できる反面、電極表面の抵抗を上昇させてしまうため、特に充放電を繰り返した場合の放電容量において、電池特性が十分ではないという問題があった。また、芳香族化合物は、高い分解電位を持つ化合物であるため、正極における副反応を抑制する点においては優れているが、負極での分解反応を起こしやすく、十分な電池特性を得ることが困難であった。
【0009】
本願発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、高温サイクル特性および高温保存後における電池特性を改善できる非水電解質および非水電解質電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、第1の発明は、溶媒と、電解質塩と、式(1)で表される芳香族化合物と、ポリ酸および/またはポリ酸化合物とを含む非水電解質である。
【化1】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0011】
第2の発明は、正極と、負極と、溶媒および電解質塩を含む非水電解質とを備え、非水電解質は、式(1)で表される芳香族化合物を含み、負極に1種以上のアデンダ元素を有する非晶質のオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体を含むゲル状の被膜が形成された非水電解質電池である。
【化2】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0012】
第3の発明は、正極と、負極と、非水電解質とを備え、非水電解質は、溶媒と、電解質塩と、ポリ酸および/またはポリ酸化合物と、式(1)で表される芳香族化合物とを含む非水電解質電池である。
【化3】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0013】
第1の発明および第3の発明では、充放電により、非水電解質中に含有するポリ酸および/またはポリ酸化合物に由来する被膜が、負極の表面に形成される。これにより、非水電解質中に含有する溶媒、電解質塩および式(1)で表される芳香族化合物の分解を抑制する。また、非水電解質中に含有する式(1)で表される芳香族化合物の分解が抑制されることによって、式(1)で表される芳香族化合物が有する、正極における副反応を抑制する性質を、正極で十分に発現することができる。
【0014】
第2の発明では、負極に1種以上のアデンダ元素を有する非晶質のオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体を含むゲル状の被膜が形成されている。これにより、非水電解質中に含有する溶媒、電解質塩および式(1)で表される芳香族化合物の分解を抑制する。また、非水電解質中に含有する式(1)で表される芳香族化合物の分解が抑制されることによって、式(1)で表される芳香族化合物が有する、正極における副反応を抑制する性質を、正極で十分に発現することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、高温サイクル特性および高温保存後における電池特性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明の実施の形態による非水電解質電池の構成例を示す断面図である。
【図2】図1における巻回電極体の一部を拡大した断面図である。
【図3】この発明の負極表面のSEM写真である。
【図4】ケイタングステン酸を電池系内に添加することにより析出物が析出した負極表面における飛行時間型二次イオン質量分析法(ToF−SIMS)による二次イオンスペクトルの一例である。
【図5】ケイタングステン酸を電池系内に添加することにより析出物が析出した負極表面におけるX線吸収微細構造(XAFS)解析によるスペクトルをフーリエ変換して得られるW−O結合の動径構造関数の一例である。
【図6】この発明の実施の形態による非水電解質電池の構成例を示す分解斜視図である。
【図7】図6における巻回電極体のI−I線に沿った断面図である。
【図8】この発明の実施の形態による非水電解質電池の構成の一例を示す分解斜視図である。
【図9】電池素子の外観の一例を示す斜視図である。
【図10】電池素子の構成の一例を示す断面図である。
【図11】正極の形状の一例を示す平面図である。
【図12】負極の形状の一例を示す平面図である。
【図13】セパレータの形状の一例を示す平面図である。
【図14】この発明の実施の形態による非水電解質電池に用いられる電池素子の構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、説明は、以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(電解液)
2.第2の実施の形態(非水電解質電池の第1の例)
3.第3の実施の形態(非水電解質電池の第2の例)
4.第4の実施の形態(非水電解質電池の第3の例)
5.第5の実施の形態(非水電解質電池の第4の例)
6.第6の実施の形態(非水電解質電池の第5の例)
7.他の実施の形態(変形例)
【0018】
1.第1の実施の形態
(電解液)
この発明の第1の実施の形態による電解液について説明する。この発明の第1の実施の形態による電解液は、例えば電池などの電気化学デバイスに用いるものである。電解液は、溶媒と、電解質塩と、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物と、式(1)で表される芳香族化合物とを含む。
【0019】
【化4】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0020】
(溶媒)
溶媒としては、例えば、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ブチレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノン、N−メチルオキサゾリジノン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、ニトロメタン、ニトロエタン、スルホラン、リン酸トリメチルまたはジメチルスルホキシドなどを用いることができる。この電解液を電池などの電気化学デバイスに用いた場合において、優れた容量、サイクル特性および保存特性が得られるからである。これらは単独で用いてもよいし、複数種を混合して用いてもよい。
【0021】
中でも、溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジメチル、炭酸ジエチルおよび炭酸エチルメチルからなる群のうちの少なくとも1種を含むものを用いることが好ましい。十分な効果が得られるからである。この場合には、特に、高粘度(高誘電率)溶媒(例えば、比誘電率ε≧30)である炭酸エチレンまたは炭酸プロピレンと、低粘度溶媒(例えば、粘度≦1mPa・s)である炭酸ジメチル、炭酸ジエチルまたは炭酸エチルメチルとを混合して含むものを用いることが好ましい。電解質塩の解離性およびイオンの移動度が向上するため、より高い効果が得られるからである。
【0022】
(電解質塩)
電解質塩は、例えば、リチウム塩などの軽金属塩の1種あるいは2種以上を含有している。このリチウム塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF6)、テトラフェニルホウ酸リチウム(LiB(C654)、メタンスルホン酸リチウム(LiCH3SO3)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiAlCl4)、六フッ化ケイ酸二リチウム(Li2SiF6)、塩化リチウム(LiCl)あるいは臭化リチウム(LiBr)などが挙げられる。中でも、六フッ化リン酸リチウム、四フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムおよび六フッ化ヒ酸リチウムからなる群のうちの少なくとも1種が好ましく、六フッ化リン酸リチウムがより好ましい。電解液の抵抗が低下するからである。特に、六フッ化リン酸リチウムと一緒に四フッ化ホウ酸リチウムを用いることが好ましい。
【0023】
この電解液は、不飽和環状炭酸エステルおよびハロゲン化環状炭酸エステルから選ばれる化合物の少なくとも1種を含有していることが好ましい。電解液の化学的安定性がより向上するからである。
【0024】
不飽和環状炭酸エステルとしては、炭酸ビニレン系化合物、炭酸ビニルエチレン系化合物および炭酸メチレンエチレン系化合物などが挙げられる。炭酸ビニレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニレン、炭酸メチルビニレン、炭酸エチルビニレン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソール−2−オン、4,5−ジエチル−1,3−ジオキソール−2−オンなどが、炭酸ビニルエチレン系化合物としては、例えば、炭酸ビニルエチレン、4−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−メチル−4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジビニル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが、炭酸メチレンエチレン系化合物としては、4−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−5−メチレン−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。これらは単独でも良いし、複数種が混合されてもよい。
【0025】
ハロゲン化環状炭酸エステルとしては、例えば、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、テトラフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−クロロ−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−1,3−オキソラン−2−オン、テトラクロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ビストリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジフルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジフルオロ−5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−5−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、5−(1,1−ジフルオロエチル)−4,4−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジクロロ−4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−5−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−4,5,5−トリフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−フルオロ−4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。
【0026】
例えば、炭酸エチレンなどの飽和環状炭酸エステルと、炭酸ジメチルなどの鎖状炭酸エステルと共に、不飽和環状炭酸エステルおよび/または環状炭酸エステルを混合したものを電解液として用いる。このとき、飽和環状炭酸エステルの含有量は、例えば、10質量%以上50質量%以下である。鎖状炭酸エステルの含有量は、例えば、30質量%以上80質量%以下である。不飽和環状炭酸エステルおよび/または環状炭酸エステルの含有量は、例えば、0.01質量%以上30質量%以下である。
【0027】
(ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物)
ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は、2種以上のオキソ酸の縮合物である。このヘテロポリ酸、ヘテロポリ酸化合物は、そのヘテロポリ酸イオンが、ケギン構造、アンダーソン構造、ドーソン構造またはプレイスラー構造等の、電池の溶媒に溶解しやすいものが好ましい。
【0028】
へテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物としては、例えば、元素群(a)から選ばれるアデンダ原子(addenda atom)(ポリ原子)を有するもの、または元素群(a)から選ばれるアデンダ原子を有し、アデンダ原子の一部が元素群(b)から選ばれる少なくとも何れかの元素で置換されたものが挙げられる。
元素群(a):Mo、W、Nb、V
元素群(b):Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Tc、Rh、Cd、In、Sn、Ta、Re、Tl、Pb
【0029】
また、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ塩化合物としては、例えば、元素群(c)から選ばれるヘテロ原子(hetero atom)を有するもの、または元素群(c)から選ばれるヘテロ原子を有し、へテロ原子の一部が元素群(d)から選ばれる少なくとも何れかの元素で置換されたものが挙げられる。
元素群(c):B、Al、Si、P、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、As
元素群(d):H、Be、B、C、Na、Al、Si、P、S、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Zr、Rh、Sn、Sb、Te、I、Re、Pt、Bi、Ce、Th、U、Np
【0030】
例えば、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物としては、下記の一般式((式A)〜(式D))で表されるヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が挙げられる。
【0031】
(式A)
アンダーソン(Anderson)構造:Hxy[BD624]・zH2
(式中、x、yおよびzはそれぞれ0≦x≦8、0≦y≦8、0≦z≦50の範囲内の値である。ただし、xおよびyのうち少なくとも1つは0でない。)
【0032】
(式B)
ケギン(Keggin)構造:Hxy[BD1240]・zH2
(式中、x、yおよびzはそれぞれ0≦x≦4、0≦y≦4、0≦z≦50の範囲内の値である。ただし、xおよびyのうち少なくとも1つは0でない。)
【0033】
(式C)
ドーソン(Dawson)構造:Hxy[B21862]・zH2
(式中、x、yおよびzはそれぞれ0≦x≦8、0≦y≦8、0≦z≦50の範囲内の値である。ただし、xおよびyのうち少なくとも1つは0でない。)
【0034】
(式D)
プレイスラー(Preyssler)構造:Hxy[B530110]・zH2
(式中、x、yおよびzはそれぞれ0≦x≦15、0≦y≦15、0≦z≦50の範囲内の値である。ただし、xおよびyのうち少なくとも1つは0でない。)
【0035】
なお、上述の(式A)〜(式D)中、Aはリチウム(Li),ナトリウム(Na),カリウム(K),ルビジウム(Rb),セシウム(Cs),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),アルミニウム(Al),アンモニウム(NH4),アンモニウム塩,ホスホニウム塩を表す。Bはリン(P),ケイ素(Si),ヒ素(As)、ゲルマニウム(Ge)を表す。Dはチタン(Ti),バナジウム(V),クロム(Cr),マンガン(Mn),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga),ジルコニウム(Zr),ニオブ(Nb),モリブデン(Mo),テクネチウム(Tc),ロジウム(Rh),カドミウム(Cd),インジウム(In),スズ(Sn),タンタル(Ta),タングステン(W),レニウム(Re),タリウム(Tl)から選ばれる1種以上の元素である。
【0036】
ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物としては、より具体的に、例えば式(I)で表される化合物が挙げられる。この式(I)で表される化合物は、そのヘテロポリ酸イオンがケギン構造をとるものであり、電解液に溶解しやすいので好ましい。
式(I)
x[BD1240]・yH2
(AはH、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Al、NH4、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩を表し、BはP、Si、As、Geを表す。DはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Tc、Rh、Cd、In、Sn、Ta、W、Re、Tlから選ばれる1種以上の元素である。xおよびyはそれぞれ0≦x≦7、0≦y≦50の範囲内の値である。)
【0037】
ヘテロポリ酸としては、例えば、リンタングステン酸、ケイタングステン酸などのようなヘテロポリタングステン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸などのようなヘテロポリモリブデン酸が挙げられる。ヘテロポリ酸化合物としては、例えば、ケイタングステン酸ナトリウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンタングステン酸アンモニウムなどのようなヘテロポリタングステン酸化合物が挙げられる。また、ヘテロポリ酸化合物としては、リンモリブデン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウムなどのようなヘテロポリモリブデン酸化合物が挙げられる。
【0038】
また、リンバナドモリブデン酸、リンタングトモリブデン酸、ケイバナドモリブデン酸、ケイタングトモリブデン酸などの複数種のアデンダ元素(addenda atom)(ポリ元素)を含むヘテロポリ酸が挙げられる。
【0039】
ヘテロポリ酸化合物は、例えばLi+、Na+、K+、Rb+およびCs+、ならびにR4+、R4+(なお、式中、RはHあるいは炭素数10以下の炭化水素基である)等の陽イオンを有することが好ましい。また、陽イオンとしては、Li+、テトラ−ノルマル−ブチルアンモニウムあるいはテトラ−ノルマル−ブチルホスホニウムであることがより好ましい。このようなヘテロポリ酸化合物としては、例えば、ケイタングステン酸ナトリウム、リンタングステン酸ナトリウム、リンタングステン酸アンモニウム、ケイタングステン酸テトラ−テトラ−n−ブチルホスホニウム塩などのようなヘテロポリタングステン酸化合物が挙げられる。また、ヘテロポリ酸化合物としては、リンモリブデン酸ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸トリ−テトラ−n−ブチルアンモニウム塩などのようなヘテロポリモリブデン酸化合物が挙げられる。
【0040】
これらのヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は、2種類以上混合して用いてもよい。これらのヘテロポリ酸やヘテロポリ酸化合物は、溶媒に溶解しやすく、また電池中において安定しており、他の材料と反応する等の悪影響を及ぼしにくい。
【0041】
ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物の含有量は、例えば、電解液に対して、0.01質量%以上3質量%である。ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物の含有量は、電解液に対して、0.05質量%以上1質量%以下であることが好ましい。この含有量より少ないと、この含有量である場合に比べて、SEIの形成が不十分となり電極の保護が不十分となる。この含有量より多いと、反応による不可逆容量が大きくなり、電池容量が低下する傾向にある。なお、ヘテロポリ酸の質量はヘテロポリ酸が有する結合水の質量を除いた値とする。ヘテロポリ酸化合物の質量は、ヘテロポリ酸化合物が有する結合水の質量を除いた値とする。
【0042】
ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物の代わりに、またはヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物と共に、電解液に溶解性を示すポリ酸および/またはポリ酸化合物を用いてもよい。このようなポリ酸および/またはポリ酸化合物としては、例えば、タングステン酸(VI)、モリブデン酸(VI)等が挙げられる。また、無水タングステン酸および無水モリブデン酸、ならびにその水和物が挙げられる。水和物の例としては、タングステン酸一水和物(WO3・H2O)であるオルトタングステン酸(H2WO4)、モリブデン酸二水和物(H4MoO5,H2MoO4・H2O、MoO3・2H2O)から、モリブデン酸一水和物(MoO3・H2O)であるオルトモリブデン酸(H2MoO4)を用いることができる。また、上記水和物のイソポリ酸であるメタタングステン酸、パラタングステン酸等より水素含量が少なく究極的に0である無水タングステン酸(WO3)、メタモリブデン酸、パラモリブデン酸等より水素含量が少なく究極的に零である無水モリブデン酸(MoO3)等を用いることもできる。
【0043】
(式(1)で表される芳香族化合物)
電解液は、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物と共に、式(1)で表される芳香族化合物を含む。
【0044】
式(1)で表される芳香族化合物としては、式(2)で表される芳香族化合物、式(3)で表される芳香族化合物が好ましい。
【0045】
【化5】

(R13は、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、またはフェニル基である。
R13の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R14〜R17は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【0046】
式(2)において、R13は、芳香族に直結する炭素が3級または4級である、脂肪族アルキル基または脂環式アルキル基が好ましく、芳香族に直結する炭素が4級である、脂肪族アルキル基がより好ましい。芳香環に直結する炭素が3級または4級である、脂肪族アルキル基または脂環式アルキル基としては、シクロヘキシル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基などが挙げられる。R14〜R17において、ハロゲン基としては、塩素基、フッ素基が好ましい。容易に入手可能であると共に、酸化に対して高い耐性が得られるからである。
【0047】
【化6】

(R19は、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基またはフェニル基である。
R19は、水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R20〜R24は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【0048】
式(3)において、脂肪族アルキル基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基が好ましい。脂環式アルキル基としては、シクロヘキシル基が好ましい。ハロゲン基としては、塩素基、フッ素基が好ましい。容易に入手可能であると共に、酸化に対して高い耐性が得られるからである。
【0049】
式(1)で表される芳香族化合物としては、式(4)で表される芳香族化合物がより好ましい。
【化7】

(R7は、3級アルキル基、4級アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R7の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R8〜R12は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【0050】
式(4)において、酸化還元反応を受けにくいことから、R7は4級アルキル基がより好ましい。
【0051】
式(1)で表される芳香族化合物としては、具体的には、以下の芳香族化合物などが挙げられる。
(a)クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのベンゼン誘導体
(b)ビフェニル、4−フルオロビフェニル、2−フルオロビフェニル、3,3’−ジフルオロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、4−tert−ブチルビフェニルなどのビフェニル誘導体
(c)シクロヘキシルベンゼンなどのシクロアルキルベンゼン誘導体
(d)ジベンゾフランあるいはその誘導体
(e)テルフェニル、3−シクロヘキシルビフェニル、1,3−ジフェニルシクロヘキサン、3−フェニルビシクロヘキシル、1,3−ジシクロヘキシルベンゼンなどのテルフェニルの一部が水素化された化合物
(f)ジフェニルエーテルあるいはその誘導体
(g)2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2−フルオロ−p−キシレンなどのキシレン誘導体
(h)アニソール、4−クロロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、3−フルオロアニソールなどのアニソール誘導体
(i)ジメトキシベンゼン、1,4−ジメトキシ−2−フルオロベンゼン、1,3−ジメトキシ−5−クロロベンゼン、3,5−ジメトキシ−1−フルオロベンゼン、などのアルコキシベンゼン誘導体
(j)ジフェニルメタン、1,2−ジフェニルエタン、2,2−ジフェニルプロパンなどのフェニルアルカン誘導体
(k)tert−ペンチルベンゼン、イソペンチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼンなどのアルキルベンゼン等の芳香族化合物
【0052】
式(1)で表される芳香族化合物の含有量は、電解液に対して、例えば、0.1質量%以上5質量%以下である。式(1)で表される芳香族化合物の含有量は、電解液に対して、0.5質量%以上2質量%以下であることが好ましい。この含有量より少ないと、正負極上の活物質表面積に対して効果が十分でなく、この含有量である場合に比べて、副反応を抑制する効果が十分でない。この含有量より多いと、電解液の導電率を低下させる傾向にある。
【0053】
また、この電解液を電池化学デバイスに用いる場合において、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を電解液以外の他の電池構成要素に添加することによって、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を電解液に添加してもよい。
【0054】
例えば、正極にヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を添加した場合には、正極に電解液が含浸されたときに、正極に添加したヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が電解液に溶出する。これにより、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を電解液に添加することができる。
【0055】
また、例えば、負極にヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を添加した場合には、負極に電解液が含浸されたときに、負極に添加したヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が電解液に溶出する。これにより、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を電解液に添加することができる。
【0056】
また、例えば、セパレータにヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を添加した場合には、セパレータに電解液が含浸されたときに、セパレータに添加したヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が電解液に溶出する。これにより、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を電解液に添加することができる。
【0057】
<効果>
この発明の第1の実施の形態では、電解液中に、式(1)で表される芳香族化合物と共に、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を含有させている。これにより、例えば、電池などの電気化学デバイスに用いた場合において、電気化学デバイスの特性を改善できる。
【0058】
2.第2の実施の形態
(非水電解質電池の構成)
この発明の第2の実施の形態による非水電解質電池について説明する。図1はこの発明の第2の実施の形態による非水電解質電池の断面構成を示す。図2は、図1に示した巻回電極体20の一部を拡大して示す。この非水電解質電池は、例えば、負極の容量が電極反応物質であるリチウムの吸蔵および放出に基づいて表されるリチウムイオン二次電池である。
【0059】
この非水電解質電池は、主に、ほぼ中空円柱状の電池缶11の内部に、セパレータ23を介して正極21と負極22とが積層および巻回された巻回電極体20と、一対の絶縁板12,13とが収納されたものである。この円柱状の電池缶11を用いた電池構造は、円筒型と呼ばれている。
【0060】
電池缶11は、例えばニッケル(Ni)のめっきがされた鉄(Fe)により構成されており、一端部が閉鎖され他端部が開放されている。電池缶11の内部には、巻回電極体20を挟むように巻回周面に対して垂直に一対の絶縁板12、13がそれぞれ配置されている。
【0061】
電池缶11の開放端部には、電池蓋14と、この電池蓋14の内側に設けられた安全弁機構15および熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)16とが、ガスケット17を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶11の内部は密閉されている。
【0062】
電池蓋14は、例えば、電池缶11と同様の材料により構成されている。安全弁機構15は、熱感抵抗素子16を介して電池蓋14と電気的に接続されており、内部短絡あるいは外部からの加熱などにより電池の内圧が一定以上となった場合にディスク板15Aが反転して電池蓋14と巻回電極体20との電気的接続を切断するようになっている。
【0063】
熱感抵抗素子16は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものである。ガスケット17は、例えば絶縁材料により構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
【0064】
巻回電極体20の中心には、例えば、センターピン24が挿入されている。巻回電極体20の正極21にはアルミニウム(Al)などよりなる正極リード25が接続されており、負極22にはニッケル(Ni)などよりなる負極リード26が接続されている。正極リード25は安全弁機構15に溶接されることにより電池蓋14と電気的に接続されており、負極リード26は電池缶11に溶接され電気的に接続されている。
【0065】
(正極)
正極21は、例えば、一対の面を有する正極集電体21Aの両面に正極活物質層21Bが設けられたものである。ただし、正極活物質層21Bは、正極集電体21Aの片面だけに設けられていてもよい。
【0066】
正極集電体21Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
【0067】
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。
【0068】
(正極材料)
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、リチウム含有化合物が好ましい。高いエネルギー密度が得られるからである。このリチウム含有化合物としては、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物などが挙げられる。中でも、遷移金属元素としてコバルト、ニッケル、マンガンおよび鉄からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが好ましい。より高い電圧が得られるからである。
【0069】
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-zCoz2(z<1))、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi(1-v-w)CovMnw2(v+w<1))、またはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)あるいはリチウムマンガンニッケル複合酸化物(LiMn2-tNit4(t<2))などが挙げられる。中でも、コバルトを含む複合酸化物が好ましい。高い容量が得られると共に、優れたサイクル特性も得られるからである。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物としては、例えば、リチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)、リチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(u<1))、LixFe1-yM2yPO4(式中、M2は、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)からなる群のうちの少なくとも1種を表す。xは、0.9≦x≦1.1の範囲内の値である。)などが挙げられる。
【0070】
更にまた、より高い電極充填性とサイクル特性が得られるという観点から、上記リチウム含有化合物のいずれかより成る芯粒子の表面を、他のリチウム含有化合物のいずれかより成る微粒子で被覆した複合粒子としてもよい。
【0071】
この他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムあるいは二酸化マンガンなどの酸化物や、二硫化チタンあるいは硫化モリブデンなどの二硫化物や、セレン化ニオブなどのカルコゲン化物や、硫黄、ポリアニリンあるいはポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。もちろん、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記した一連の正極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
【0072】
(負極)
負極22は、例えば、一対の面を有する負極集電体22Aの両面に負極活物質層22Bが設けられたものである。ただし、負極活物質層22Bは、負極集電体22Aの片面だけに設けられていてもよい。
【0073】
負極集電体22Aは、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。
【0074】
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または2種以上を含んでおり、必要に応じて、結着剤や導電剤などの他の材料を含んでいてもよい。この際、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料における充電可能な容量は、正極の放電容量よりも大きくなっていることが好ましい。なお、結着剤および導電剤に関する詳細は、正極と同様である。
【0075】
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、炭素材料が挙げられる。この炭素材料とは、例えば、易黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.37nm以上の難黒鉛化性炭素や、(002)面の面間隔が0.34nm以下の黒鉛などである。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素繊維、有機高分子化合物焼成体、活性炭またはカーボンブラック類などがある。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスまたは石油コークスなどが含まれる。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂などを適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。炭素材料は、リチウムの吸蔵および放出に伴う結晶構造の変化が非常に少ないため、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られ、さらに導電剤としても機能するので好ましい。なお、炭素材料の形状は、繊維状、球状、粒状または鱗片状のいずれでもよい。
【0076】
上述の炭素材料の他、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能であると共に金属元素および半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として有する材料が挙げられる。高いエネルギー密度が得られるからである。このような負極材料は、金属元素または半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明における「合金」には、2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含まれる。また、「合金」は、非金属元素を含んでいてもよい。この組織には、固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物、またはそれらの2種以上が共存するものがある。
【0077】
上記した金属元素または半金属元素としては、例えば、リチウムと合金を形成することが可能な金属元素または半金属元素が挙げられる。具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)または白金(Pt)などである。中でも、ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種が好ましく、ケイ素がより好ましい。リチウムを吸蔵および放出する能力が大きいため、高いエネルギー密度が得られるからである。
【0078】
ケイ素およびスズのうちの少なくとも1種を有する負極材料としては、例えば、ケイ素の単体、合金または化合物や、スズの単体、合金または化合物や、それらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
【0079】
ケイ素の合金としては、例えば、ケイ素以外の第2の構成元素として、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。スズの合金としては、例えば、スズ(Sn)以外の第2の構成元素として、ケイ素(Si)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)およびクロム(Cr)からなる群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
【0080】
スズの化合物またはケイ素の化合物としては、例えば、酸素(O)または炭素(C)を含むものが挙げられ、スズ(Sn)またはケイ素(Si)に加えて、上記した第2の構成元素を含んでいてもよい。
【0081】
特に、ケイ素(Si)およびスズ(Sn)のうちの少なくとも1種を含む負極材料としては、例えば、スズ(Sn)を第1の構成元素とし、そのスズ(Sn)に加えて第2の構成元素と第3の構成元素とを含むものが好ましい。勿論、この負極材料を上記した負極材料と共に用いてもよい。第2の構成元素は、コバルト(Co)、鉄(Fe)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、銀(Ag)、インジウム(In)、セリウム(Ce)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、ビスマス(Bi)およびケイ素(Si)からなる群のうちの少なくとも1種である。第3の構成元素は、ホウ素(B)、炭素(C)、アルミニウム(Al)およびリン(P)からなる群のうちの少なくとも1種である。第2の元素および第3の元素を含むことにより、サイクル特性が向上するからである。
【0082】
中でも、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を構成元素として含み、炭素(C)の含有量が9.9質量%以上29.7質量%以下の範囲内、スズ(Sn)およびコバルト(Co)の合計に対するコバルト(Co)の割合(Co/(Sn+Co))が30質量%以上70質量%以下の範囲内であるCoSnC含有材料が好ましい。このような組成範囲において、高いエネルギー密度が得られると共に優れたサイクル特性が得られるからである。
【0083】
このSnCoC含有材料は、必要に応じて、さらに他の構成元素を含んでいてもよい。他の構成元素としては、例えば、ケイ素(Si)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、インジウム(In)、ニオブ(Nb)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、リン(P)、ガリウム(Ga)またはビスマス(Bi)などが好ましく、それらの2種以上を含んでいてもよい。容量特性またはサイクル特性がさらに向上するからである。
【0084】
なお、SnCoC含有材料は、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む相を有しており、この相は結晶性の低いまたは非晶質な構造を有していることが好ましい。また、SnCoC含有材料では、構成元素である炭素の少なくとも一部が、他の構成元素である金属元素あるいは半金属元素と結合していることが好ましい。サイクル特性の低下は、スズ(Sn)などが凝集あるいは結晶化することによるものであると考えられるが、炭素が他の元素と結合することにより、そのような凝集または結晶化が抑制されるからである。
【0085】
元素の結合状態を調べる測定方法としては、例えば、X線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)が挙げられる。このXPSでは、金原子の4f軌道(Au4f)のピークが84.0eVに得られるようにエネルギー較正された装置において、グラファイトであれば、炭素の1s軌道(C1s)のピークは284.5eVに現れる。また、表面汚染炭素であれば、284.8eVに現れる。これに対して、炭素元素の電荷密度が高くなる場合、例えば、炭素が金属元素または半金属元素と結合している場合には、C1sのピークは284.5eVよりも低い領域に現れる。すなわち、SnCoC含有材料について得られるC1sの合成波のピークが284.5eVよりも低い領域に現れる場合には、SnCoC含有材料に含まれる炭素(C)の少なくとも一部が他の構成元素である金属元素または半金属元素と結合している。
【0086】
なお、XPSでは、例えば、スペクトルのエネルギー軸の補正に、C1sのピークを用いる。通常、表面には表面汚染炭素が存在しているので、表面汚染炭素のC1sのピークを284.8eVとし、これをエネルギー基準とする。XPSにおいて、C1sのピークの波形は、表面汚染炭素のピークとSnCoC含有材料中の炭素のピークとを含んだ形として得られるので、例えば、市販のソフトウエアを用いて解析することにより、表面汚染炭素のピークと、SnCoC含有材料中の炭素のピークとを分離する。波形の解析では、最低束縛エネルギー側に存在する主ピークの位置をエネルギー基準(284.8eV)とする。
【0087】
また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、リチウムを吸蔵および放出することが可能な金属酸化物または高分子化合物なども挙げられる。金属酸化物とは、例えば、酸化鉄、酸化ルテニウムまたは酸化モリブデンなどであり、高分子化合物とは、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリンまたはポリピロールなどである。
【0088】
なお、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料は、上記以外のものであってもよい。また、上記の負極材料は、任意の組み合わせで2種以上混合されてもよい。
【0089】
負極活物質層22Bは、例えば、気相法、液相法、溶射法、焼成法、または塗布のいずれにより形成してもよく、それらの2以上を組み合わせてもよい。負極活物質層22Bを気相法、液相法、溶射法若しくは焼成法、またはそれらの2種以上の方法を用いて形成する場合には、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとが界面の少なくとも一部において合金化していることが好ましい。具体的には、界面において負極集電体22Aの構成元素が負極活物質層22Bに拡散し、あるいは負極活物質層22Bの構成元素が負極集電体22Aに拡散し、またはそれらの構成元素が互いに拡散し合っていることが好ましい。充放電に伴う負極活物質層22Bの膨張および収縮による破壊を抑制することができると共に、負極活物質層22Bと負極集電体22Aとの間の電子伝導性を向上させることができるからである。
【0090】
なお、気相法としては、例えば、物理堆積法または化学堆積法、具体的には真空蒸着法、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、熱化学気相成長(CVD;Chemical Vapor Deposition)法またはプラズマ化学気相成長法などが挙げられる。液相法としては、電気鍍金または無電解鍍金などの公知の手法を用いることができる。焼成法とは、例えば、粒子状の負極活物質を結着剤などと混合して溶剤に分散させることにより塗布したのち、結着剤などの融点よりも高い温度で熱処理する方法である。焼成法に関しても公知の手法が利用可能であり、例えば、雰囲気焼成法、反応焼成法またはホットプレス焼成法が挙げられる。
【0091】
(セパレータ)
セパレータ23は、正極21と負極22とを隔離し、両極の接触に起因する電流の短絡を防止しながらリチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ23は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンなどの合成樹脂からなる多孔質膜や、セラミックからなる多孔質膜などによって構成されており、これらの2種以上の多孔質膜が積層されたものであってもよい。このセパレータ23には、上述した第1の実施の形態による電解液が含浸されている。
【0092】
(非水電解質電池の製造方法)
上述した非水電解質電池は、以下のようにして製造できる。
【0093】
(正極の製造)
まず、正極21を作製する。例えば、正極材料と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤としたのち、有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって正極集電体21Aの両面に正極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。この場合には、圧縮成型を複数回に渡って繰り返してもよい。
【0094】
(負極の製造)
次に、負極22を作製する。例えば、負極材料と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを混合して負極合剤としたのち、これを有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。続いて、ドクタブレードまたはバーコータなどによって負極集電体22Aの両面に負極合剤スラリーを均一に塗布して乾燥させる。最後に、必要に応じて加熱しながらロールプレス機などによって塗膜を圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
【0095】
次に、正極集電体21Aに正極リード25を溶接などにより取り付けると共に、負極集電体22Aに負極リード26を溶接などにより取り付ける。その後、正極21と負極22とをセパレータ23を介して巻回し、正極リード25の先端部を安全弁機構15に溶接すると共に、負極リード26の先端部を電池缶11に溶接して、巻回した正極21および負極22を一対の絶縁板12、13で挟み、電池缶11の内部に収納する。正極21および負極22を電池缶11の内部に収納したのち、第1の実施の形態による電解液を電池缶11の内部に注入し、セパレータ23に含浸させる。その後、電池缶11の開口端部に電池蓋14、安全弁機構15および熱感抵抗素子16を、ガスケット17を介してかしめることにより固定する。以上により、図1、図2に示した非水電解質電池が作製される。
【0096】
この第2の実施の形態による非水電解質電池では、式(1)で表される芳香族化合物と、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物とを含む電解液を用いている。電解液に含まれる式(1)で表される芳香族化合物は、電極の表面に吸着し、電解液との反応を低下させる。ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は、リチウムイオンを挿入脱離できる化合物であり、比較的安定な構造をとっている。ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が、使用初期の充放電の際に電解し、負極の表面にヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が析出して負極上に安定なSEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質膜)と呼称される被膜を形成する。これにより電解液中の溶媒、電解質塩、および式(1)で表される芳香族化合物の分解を抑制する。この被膜は、例えば図3に示すように、SEM(Scanning Electron Microscope;走査型電子顕微鏡)で確認することができる。なお、図3は、充電後の負極表面のSEM像であり、非水電解液を洗浄し、乾燥して撮影したものである。この被膜は、無機的で強固であると同時に、リチウムイオンを挿入脱離する際の抵抗が小さいため、容量劣化などを起こしにくいと考えられる。この被膜により、式(1)で表される芳香族化合物の負極での分解反応が抑制されることで、式(1)で表される芳香族化合物が有する、正極における副反応を抑制する性質が、正極で十分に発現し、相乗効果により優れた電池特性を得ることができる。
【0097】
また、添加量に応じて、初回充電または予備充電により、電解液中のヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は電解し、これによりヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が正極21の表面に析出して被膜を形成する。
【0098】
また、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が溶解した電解液は、負極活物質層22Bに含浸していることから、充電または予備充電により、負極活物質層22B内で、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が析出していてもよい。これにより、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が負極活物質粒子間に存在していてもよい。
【0099】
また、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物が溶解した電解液は、正極活物質層21Bに含浸していることから、充電または予備充電により、正極活物質層21B内で、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が析出していてもよい。これにより、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物が正極活物質粒子間に在していてもよい。
【0100】
析出するヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物に由来する化合物は、電解前のヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物より、溶解性の乏しい1種以上のアデンダ元素を有するオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体や、1種以上のアデンダ元素を有するオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の還元物の集合体などを含む。
【0101】
具体的には、負極22の表面に析出するオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体は、非晶質である。この非晶質なオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体が、例えば電解液を吸収してゲル状の負極22の被膜として負極表面に存在する。負極22に析出する、オキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体を含む析出物は、予備充電時または充電時において、例えば3次元網目構造状に成長して析出する。また、析出したオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体は、その少なくとも一部が還元されていてもよい。
【0102】
ポリ酸および/またはポリ酸化合物に由来する被膜の有無は、充電あるいは予備充電後の非水電解質電池を分解して、電極を取り出すことで確認できる。例えば、集電体上に析出した析出物の組成を確認し、電解により生成した、オキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体が析出していれば、同様に活物質層上にも、電解により生成した、オキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体が析出していることが容易に推測でき、ポリ酸および/またはポリ酸化合物に由来する被膜が形成されていることが確認できる。
【0103】
例えば、析出するオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体の有無は、負極表面に形成された被膜のX線吸収微細構造(X-ray absorption fine structure;XAFS)解析による構造解析と、飛行時間型二次イオン質量分析法(ToF−SIMS)による分子の化学情報とを基に確認することができる。この場合、電池を解体後に、ジメチルカーボネートで洗浄を行う。これは表面に存在する、揮発性の低い溶媒成分と電解質塩を除去するためである。サンプリングは可能な限り、不活性雰囲気下で行うことが望ましい。
【0104】
例えば、図4に、ケイタングステン酸を電池系内に添加し、充電することにより、この発明の負極被膜が形成された非水電解質電池の負極表面の飛行時間型二次イオン質量分析法(ToF−SIMS)による二次イオンスペクトルの一例を示す。図4より、タングステン(W)と酸素(O)とを構成元素とする分子が存在することが分かる。
【0105】
また、図5に、ケイタングステン酸を電池系内に添加し、充電することにより、この発明の負極被膜が形成された非水電解質電池の負極表面のX線吸収微細構造(XAFS)解析によるスペクトルをフーリエ変換して得られるW−O結合の動径構造関数の一例を示す。また、図5では、負極被膜の解析結果と共に、タングステン酸(WO3、WO2)およびケイタングステン酸(H4(SiW1240)・26H2O)のW−O結合の動径構造関数の一例を示す。
【0106】
図5より、負極表面の析出物のピークL1と、ケイタングステン酸(H4(SiW1240)・26H2O)、二酸化タングステン(WO2)および三酸化タングステン(WO3)のそれぞれのピークL2、L3およびL4とは異なった位置にピークを有し、異なる構造であることが分かる。典型的なタングステン酸化物の三酸化タングステン(WO3)、二酸化タングステン(WO2)、ならびに、この発明の出発物質でケイタングステン酸(H4(SiW1240)・26H2O)においては、前記動径構造関数より、1.0〜2.0Åの範囲内において、主要ピークが存在し、また、2.0〜4.0Åの範囲においてもピークを確認することができる
【0107】
これに対して、この発明における正極、負極に析出したタングステン酸を主体とするオキソ酸の集合体のW−O結合距離の分布は、1.0〜2.0Åの範囲内においてピークが確認されるものの、この範囲外では、ピークL1と同等の明確なピークが見られない。すなわち、3.0Åを超える範囲において、実質的にピークが観測されない。このような状況において、負極表面の析出物が非晶質であることが確認される。
【0108】
<効果>
この発明の第2の実施の形態では、電解液中に、式(1)で表される芳香族化合物と共に、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物を含有させている。これにより、負極表面に、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物由来の被膜を形成することにより、負極において、式(1)で表される芳香族化合物の分解反応を抑制する。これにより、式(1)で表される芳香族化合物本来の性質が正極で十分に発現し、相乗効果により優れた電池特性を得ることができる。
【0109】
3.第3の実施の形態
(非水電解質電池の構成)
この発明の第3の実施の形態による非水電解質電池について説明する。図6は、この発明の第3の実施の形態による非水電解質電池の分解斜視構成を表しており、図7は、図6に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面を拡大して示している。
【0110】
この非水電解質電池は、主に、フィルム状の外装部材40の内部に、正極リード31および負極リード32が取り付けられた巻回電極体30が収納されたものである。このフィルム状の外装部材40を用いた電池構造は、ラミネートフィルム型と呼ばれている。
【0111】
正極リード31および負極リード32は、例えば、外装部材40の内部から外部に向かって同一方向に導出されている。正極リード31は、例えば、アルミニウムなどの金属材料によって構成されており、負極リード32は、例えば、銅、ニッケルまたはステンレスなどの金属材料によって構成されている。これらの金属材料は、例えば、薄板状または網目状になっている。
【0112】
外装部材40は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムがこの順に貼り合わされたアルミラミネートフィルムによって構成されている。この外装部材40は、例えば、ポリエチレンフィルムが巻回電極体30と対向するように、2枚の矩形型のアルミラミネートフィルムの外縁部同士が融着または接着剤によって互いに接着された構造を有している。
【0113】
外装部材40と正極リード31および負極リード32との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム41が挿入されている。この密着フィルム41は、正極リード31および負極リード32に対して密着性を有する材料によって構成されている。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンまたは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂が挙げられる。
【0114】
なお、外装部材40は、上記したアルミラミネートフィルムに代えて、他の積層構造を有するラミネートフィルムによって構成されていてもよいし、ポリプロピレンなどの高分子フィルムまたは金属フィルムによって構成されていてもよい。
【0115】
図7は、図6に示した巻回電極体30のI−I線に沿った断面構成を表している。この巻回電極体30は、セパレータ35および電解質36を介して正極33と負極34とが積層および巻回されたものであり、その最外周部は、保護テープ37によって保護されている。
【0116】
正極33は、例えば、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bが設けられたものである。負極34は、例えば、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bが設けられたものであり、その負極活物質層34Bが正極活物質層33Bと対向するように配置されている。正極集電体33A、正極活物質層33B、負極集電体34A、負極活物質層34Bおよびセパレータ35の構成は、夫々第2の実施の形態の正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23の構成と同様である。
【0117】
電解質36は、上述した第1の実施の形態による電解液と、それを保持する高分子化合物とを含んでおり、いわゆるゲル状の電解質である。ゲル状の電解質は、高いイオン伝導率(例えば、室温で1mS/cm以上)が得られると共に漏液が防止されるので好ましい。
【0118】
高分子化合物としては、電解液を吸収してゲル化するものを用いることができる。例えば、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンとポリヘキサフルオロピレンとの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリフォスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリル−ブタジエンゴム、ポリスチレン、またはポリカーボネートなどが挙げられる。これらは単独でもよいし、複数種が混合されてもよい。中でも、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレンまたはポリエチレンオキサイドが好ましい。電気化学的に安定だからである。
【0119】
(非水電解質電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、以下の3種類の製造方法(第1〜第3の製造方法)によって製造される。
【0120】
(第1の製造方法)
第1の製造方法では、最初に、例えば、上記した第2の実施の形態の正極21および負極22の作製手順と同様の手順により、正極集電体33Aの両面に正極活物質層33Bを形成して正極33を作製する。また、負極集電体34Aの両面に負極活物質層34Bを形成して負極34を作製する。
【0121】
続いて、第1の実施の形態による電解液と、高分子化合物と、溶剤とを含む前駆溶液を調製して正極33および負極34に塗布したのち、溶剤を揮発させてゲル状の電解質36を形成する。続いて、正極集電体33Aに正極リード31を取り付けると共に、負極集電体34Aに負極リード32を取り付ける。
【0122】
続いて、電解質36が形成された正極33と負極34とをセパレータ35を介して積層させてから長手方向に巻回し、その最外周部に保護テープ37を接着させて巻回電極体30を作製する。最後に、例えば、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回電極体30を挟み込んだのち、その外装部材40の外縁部同士を熱融着などで接着させて巻回電極体30を封入する。この際、正極リード31および負極リード32と外装部材40との間に、密着フィルム41を挿入する。これにより、非水電解質電池が完成する。
【0123】
(第2の製造方法)
第2の製造方法では、最初に、正極33に正極リード31を取り付けると共に、負極34に負極リード32を取り付ける。続いて、セパレータ35を介して正極33と負極34とを積層して巻回させたのち、その最外周部に保護テープ37を接着させて、巻回電極体30の前駆体である巻回体を作製する。
【0124】
続いて、2枚のフィルム状の外装部材40の間に巻回体を挟み込んだのち、一辺の外周縁部を除いた残りの外周縁部を熱融着などで接着させて、袋状の外装部材40の内部に巻回体を収納する。続いて、第1の実施の形態による電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、重合開始剤と、必要に応じて重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を調製して袋状の外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、モノマーを熱重合させて高分子化合物とすることにより、ゲル状の電解質36を形成する。これにより、非水電解質電池が完成する。
【0125】
(第3の製造方法)
第3の製造方法では、最初に、高分子化合物が両面に塗布されたセパレータ35を用いることを除き、上記した第2の製造方法と同様に、巻回体を形成して袋状の外装部材40の内部に収納する。
【0126】
このセパレータ35に塗布する高分子化合物としては、例えば、フッ化ビニリデンを成分とする重合体、すなわち単独重合体、共重合体または多元共重合体などが挙げられる。具体的には、ポリフッ化ビニリデンや、フッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを成分とする二元系共重合体や、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびクロロトリフルオロエチレンを成分とする三元系共重合体などである。
【0127】
なお、高分子化合物は、上記したフッ化ビニリデンを成分とする重合体と共に、他の1種または2種以上の高分子化合物を含んでいてもよい。続いて、第1の実施の形態による電解液を調製して外装部材40の内部に注入したのち、その外装部材40の開口部を熱融着などで密封する。最後に、外装部材40に加重をかけながら加熱し、高分子化合物を介してセパレータ35を正極33および負極34に密着させる。これにより、電解液が高分子化合物に含浸し、その高分子化合物がゲル化して電解質36が形成されるため、非水電解質電池が完成する。
【0128】
<効果>
第3の実施の形態は、第2の実施の形態と同様の効果を有する。
【0129】
4.第4の実施の形態
この発明の第4の実施の形態による非水電解質電池について説明する。この発明の第4の実施の形態による非水電解質電池は、第1の実施の形態の電解液を高分子化合物に保持させたもの(電解質36)に代えて、第1の実施の形態の電解液をそのまま用いた点以外は、第3の実施の形態による非水電解質電池と同様である。したがって、以下では、第3の実施の形態と異なる点を中心にその構成を詳細に説明する。
【0130】
(非水電解質電池の構成)
この発明の第4の実施の形態による非水電解質電池では、ゲル状の電解質36の代わりに、電解液を用いている。したがって、巻回電極体30は、電解質36が省略された構成を有し、電解液がセパレータ35に含浸されている。
【0131】
(非水電解質電池の製造方法)
この非水電解質電池は、例えば、以下のように製造する。
【0132】
まず、例えば正極活物質と結着剤と導電剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより正極合剤スラリーを作製する。次に、この正極合剤スラリーを両面に塗布し、乾燥させ圧縮成型して正極活物質層33Bを形成し正極33を作製する。次に、例えば正極集電体33Aに正極リード31を、例えば超音波溶接、スポット溶接などにより接合する。
【0133】
また、例えば負極材料と結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させることにより負極合剤スラリーを作製する。次に、この負極合剤スラリーを負極集電体34Aの両面に塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層34Bを形成し、負極34を作製する。次に、例えば負極集電体34Aに負極リード32を例えば超音波溶接、スポット溶接などにより接合する。
【0134】
続いて、正極33と負極34とをセパレータ35を介して巻回して外装部材40の内部に挟み込んだのち、外装部材40の内部に、第1の実施の形態による電解液を注入し、外装部材40を密閉する。これにより、図6および図7示す非水電解質電池が得られる。
【0135】
<効果>
第4の実施の形態は、第2の実施の形態と同様の効果を有する。
【0136】
5.第5の実施の形態
(非水電解質電池の構成)
図8は、この発明の第5の実施の形態による非水電解質電池の構成の一例を示す分解斜視図である。図8に示すように、この非水電解質電池は、正極リード73および負極リード74が取り付けられた電池素子71をフィルム状の外装部材72の内部に収容したものであり、小型化、軽量化および薄型化が可能となっている。
【0137】
正極リード73および負極リード74は、それぞれ外装部材72の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。
【0138】
図9は、電池素子71の外観の一例を示す斜視図である。図10は、電池素子71の構成の一例を示す断面図である。図9および図10に示すように、この電池素子71は、正極81と負極82とをセパレータ83を介して積層した積層電極体であり、電池素子71には、第1の実施の形態による電解液が含浸されている。
【0139】
正極81は、例えば、一対の面を有する正極集電体81Aの両面に正極活物質層81Bが設けられた構造を有している。正極81は、図11に示すように、矩形状の電極部分と、その電極部分の一辺から延在された集電体露出部分81Cとを有する。この集電体露出部分81Cには正極活物質層81Bが設けられず、正極集電体81Aが露出した状態となっている。集電体露出部81Cは、正極リード73と電気的に接続される。なお、図示はしないが、正極集電体81Aの片面のみに正極活物質層81Bが存在する領域を設けるようにしてもよい。
【0140】
負極82は、例えば、一対の面を有する負極集電体82Aの両面に負極活物質層82Bが設けられた構造を有している。負極82は、図12に示すように、矩形状の電極部分と、その電極部分の一辺から延在された集電体露出部分82Cとを有する。この集電体露出部分82Cには負極活物質層82Bが設けられず、負極集電体82Aが露出した状態となっている。集電体露出部82Cは、負極リード74と電気的に接続される。なお、図示はしないが、負極集電体82Aの片面のみに負極活物質層82Bが存在する領域を設けるようにしてもよい。
【0141】
セパレータ83は、図13に示すように、矩形状などの形状を有する。
【0142】
正極集電体81A、正極活物質層81B、負極集電体82A、負極活物質層82B、セパレータ83を構成する材料は、それぞれ、上述の第2の実施の形態における正極集電体21A、正極活物質層21B、負極集電体22A、負極活物質層22Bおよびセパレータ23と同様である。
【0143】
(非水電解質電池の製造方法)
上述のように構成された非水電解質電池は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0144】
(正極の作製)
正極81は以下のようにして作製する。まず、例えば、正極材料と、結着剤と、導電剤とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチルピロリドンなどの有機溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーを作製する。次に、これを正極集電体81Aの両面に塗布、乾燥後、プレスすることにより正極活物質層81Bを形成する。その後、これを図11に示す形状などに切断し、正極81を得る。
【0145】
(負極の作製)
負極82は以下のようにして作製する。まず、例えば、負極材料と、結着剤と、導電剤とを混合して負極合剤を調製し、この負極合剤をN−メチルピロリドンなどの有機溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーを作製する。次に、これを負極集電体82Aの両面に塗布、乾燥後、プレスすることにより負極活物質層82Bを形成する。その後、これを図12に示す形状などに切断し、負極82を得る。
【0146】
(電池素子の作製)
電池素子71を以下のようにして作製する。まず、ポリプロピレン製微多孔フィルムなどを図13に示す形状に切断し、セパレータ83を作製する。次に、上述のようにして得られた複数枚の負極82、正極81およびセパレータ83を、例えば、図10に示すように、負極82、セパレータ83、正極81、・・・、正極81、セパレータ83、負極82の順で積層して電池素子71を作製する。
【0147】
次に、正極81の集電体露出部82Cを正極リード73に溶接する。同様にして、負極82の集電体露出部81Cを負極リード74に溶接する。次に、電解液を電池素子71に含浸させた後、外装部材72の間に電池素子71を挟み込み、外装部材72の外縁部同士を熱溶着などにより密着させて封入する。その際、正極リード73、負極リード74が熱融着部を介して外装部材72の外部に出るようにし、これらを正負極端子とする。以上により、目的とする非水電解質電池が得られる。
【0148】
<効果>
第5の実施の形態は、第2の実施の形態と同様の効果を有する。
【0149】
6.第6の実施の形態
次に、この発明の第6の実施の形態について説明する。この第6の実施の形態による非水電解質電池は、第5の実施の形態の非水電解質電池において、電解液の代わりに、ゲル状の電解質層を用いるものである。なお、上述の第5の実施の形態と同様の部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0150】
(非水電解質電池の構造)
図14は、第6の実施の形態による非水電解質二次電池に用いられる電池素子の構成の一例を示す断面図である。電池素子85は、正極81と負極82とをセパレータ83および電解質層84を介して積層したものである。
【0151】
電解質層84は、第1の実施の形態による電解液と、この電解液を保持する保持体となる高分子化合物とを含み、いわゆるゲル状となっている。ゲル状の電解質層84は高いイオン伝導率を得ることができると共に、電池の漏液を防止することができるので好ましい。高分子化合物の構成は、第3の実施の形態による非水電解質電池と同様である。
【0152】
(非水電解質電池の製造方法)
上述のように構成された非水電解質電池は、例えば、次のようにして製造することができる。
【0153】
まず、正極81および負極82のそれぞれに、溶媒と、電解質塩と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層84を形成する。その後の工程は、電解質層84が形成された正極81および負極82を用いる以外のことは上述の第5の実施の形態と同様にして、非水電解質電池を得ることができる。
【0154】
<効果>
この発明の第6の実施の形態は、第5の実施の形態と同様の効果を有する。
【実施例】
【0155】
この発明の具体的な実施例について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の説明において、ヘテロポリ酸の質量はヘテロポリ酸が有する結合水の質量を除いた値とする。ヘテロポリ酸化合物の質量は、ヘテロポリ酸化合物が有する結合水の質量を除いた値とする。
【0156】
以下では、説明の便宜上、以下の化合物を化A〜化Kとして説明する。
【化8】

化H:ケイモリブデン酸7水和物
化I:ケイタングステン酸7水和物
化J:リンモリブデン酸7水和物
化K:リンタングステン酸7水和物
【0157】
<実施例1−1>
まず、正極活物質としてコバルト酸リチウム91質量部と、導電剤としてグラファイト6質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して、N−メチルピロリドンを添加し正極合剤スラリーを得た。次に、この正極合剤スラリーを、厚み12μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型し、正極活物質層を形成した。こののち、正極集電体の一端に、アルミニウム製の正極リードを溶接して取り付けた。
【0158】
また、負極活物質として人造黒鉛粉末97質量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3質量部とを混合して、N−メチルピロリドンを添加し負極合剤スラリーを得た。次に、この負極合剤スラリーを、負極集電体となる厚み15μmの銅箔上の両面に均一に塗布し、乾燥させたのち、ロールプレス機で圧縮成型し、負極活物質層を形成した。こののち、負極集電体の一端に、ニッケル製の負極リードを取り付けた。
【0159】
続いて、正極と、微多孔性ポリプロピレンフィルム(25μm厚)からなるセパレータと、負極とをこの順に積層してから渦巻状に多数回巻回させたのち、巻き終わり部分を粘着テープで固定することにより、巻回電極体を形成した。続いて、ニッケルめっきが施された鉄製の電池缶を準備したのち、巻回電極体を一対の絶縁板で挟み、負極リードを電池缶に溶接すると共に正極リードを安全弁機構に溶接して、その巻回電極体を電池缶の内部に収納した。続いて、電池缶の内部に、減圧方式により電解液を注入した。
【0160】
電解液は、以下のように調製したものを用いた。すなわち、まず、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC)=3:7(質量比)の混合溶液に、電解質塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を1.2mol/kgとなるように溶解させたものを調製した。
【0161】
これに対して、芳香族化合物として化Aと、ヘテロポリ酸化合物として化Hとを、化Aの濃度が0.05質量%、化Hの濃度が0.5質量%となるように溶解させ、これにより電解液を調製した。以上により、実施例1−1の円筒型の電池を作製した。
【0162】
<実施例1−2>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を0.1質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0163】
<実施例1−3>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を0.5質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0164】
<実施例1−4>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hの濃度を0.01質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0165】
<実施例1−5>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hの濃度を0.05質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0166】
<実施例1−6>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hの濃度を0.1質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0167】
<実施例1−7>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0168】
<実施例1−8>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hの濃度を1質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0169】
<実施例1−9>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hの濃度を3質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0170】
<実施例1−10>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を3質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0171】
<実施例1−11>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を5質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0172】
<実施例1−12>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を7.5質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0173】
<実施例1−13>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、VC(炭酸ビニレン)を0.5質量%加えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0174】
<比較例1−1>
電解液の調製の際に、化Aおよび化Hを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0175】
<比較例1−2>
電解液の調製の際に、化Aおよび化Hを添加せず、VCを0.5質量%添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0176】
<比較例1−3>
電解液の調製の際に、化Aおよび化Hを添加せず、VCを1質量%添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0177】
<比較例1−4>
電解液の調製の際に、化Aおよび化Hを添加せず、FEC〔フルオロエチレンカーボネート(4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)〕を1質量%添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0178】
<比較例1−5>
電解液の調製の際に、化Aおよび化Hを添加せず、DFEC〔ジフルオロエチレンカーボネート(4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン)〕を1質量%添加した点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0179】
<比較例1−6>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を0.5質量%に変え、化Hを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0180】
<比較例1−7>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、化Hを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0181】
<比較例1−8>
電解液の調製の際に、化Aを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0182】
<比較例1−9>
電解液の調製の際に、化Aを添加せず、化Hの添加量を1質量%に変えた点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0183】
<比較例1−10>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を0.5質量%に変え、DFECを1質量%添加し、化Hを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0184】
<比較例1−11>
電解液の調製の際に、化Aの濃度を1質量%に変え、DFECを1質量%添加し、化Hを添加しなかった点以外は、実施例1−1と同様にして、電池を作製した。
【0185】
実施例1−1〜実施例1−13および比較例1−1〜比較例1−11の電池について、以下の高温サイクル試験および高温保存試験を行った。
【0186】
(高温サイクル試験)
最初に、各電池を23℃雰囲気中において0.2Cの電流で2サイクル充放電させて、2サイクル目の放電容量を測定した。続いて、23℃雰囲気中において300サイクルの充放電を繰り返し、2サイクル目の放電容量に対する300サイクルにおける放電容量維持率を、(300サイクル目の放電容量/2サイクル目の放電容量)×100(%)として求めた。充放電条件としては、0.2Cの電流で上限電圧4.2Vまで定電流充電し、さらに上限電圧での定電圧で電流値が0.05Cに達するまで定電圧充電したのち、0.2Cの電流で終止電圧3.0Vまで定電流放電した。この0.2Cとは理論容量を5時間で放電しきる電流値である。
【0187】
(高温保存試験)
最初に、各電池を23℃の雰囲気中において2サイクル充放電させて、保存前の放電容量を測定した。続いて、0.5Cの電流で、上限電圧を4.2Vとした定電流定電圧充電を4時間行い、充電させた状態で60℃の恒温槽中に10日間保存した。保存後の電池を、23℃の雰囲気中、0.2Cの電流で終止電圧3.0Vまで定電流放電して、保存後の放電容量を測定した。高温保存放電容量維持率(%)=(保存後の放電容量/保存前の放電容量)×100(%)として算出した。初期充放電条件については、高温サイクル試験と同様にした。
【0188】
試験結果を表1に示す。
【0189】
【表1】

【0190】
表1に示すように、実施例1−1〜実施例1−13では、電解液中に、化Aと共に化Hを含有するため、比較例1−1より、高温でのサイクル特性および保存特性が改善された。一方、比較例1−6〜比較例1−7では、電解液中に化Aを含有するが、ヘテロポリ酸化合物を含有していないため、高温サイクル特性が十分に向上しておらず、高温での保存特性も十分に改善されなかった。比較例1−8〜比較例1−9では、電解液中に化Hを含有するが、式(1)で表される芳香族化合物を含有していないため、高温サイクル特性を十分に向上させることができなかった。また、比較例1−10〜比較例1−11のように、電解液中に化Aと、反応性の高い炭酸エステルであるDFECとを含有していても、抵抗上昇により、高温サイクル特性を十分に向上させることができなかった。実施例1−1〜実施例1−13のように、電解液中に、式(1)で表される芳香族化合物と共に、ヘテロポリ酸化合物を含有させた場合、それぞれを単独で電解液中に含有させた場合と比較して、高温サイクル特性および高温保存特性を十分に改善することができる。電池特性劣化が正負極両方での副反応に起因しているためと考えられ、これに対して、電解液中に、式(1)で表される芳香族化合物と共に、ヘテロポリ酸化合物を含有させると、負極を保護するSEIの抵抗が小さくなると同時に、式(1)で表される芳香族化合物の負極での分解反応が抑制され、式(1)で表される芳香族化合物本来の性質が正極で十分に発現されるので、相乗効果により優れた電池特性を得ることができる。
【0191】
<実施例2−1>
実施例1−7と同様にして、電池を作製した。
【0192】
<実施例2−2〜実施例2−4>
電解液の調製の際に、化Hの代わりに、化I、化Jまたは化Kを添加した点以外は、実施例2−1と同様にして、電池を作製した。
【0193】
<実施例2−5〜実施例2−8>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Bを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0194】
<実施例2−9〜実施例2−12>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Cを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0195】
<実施例2−13〜実施例2−16>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Dを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0196】
<実施例2−17〜実施例2−20>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Eを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0197】
<実施例2−21〜実施例2−24>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Fを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0198】
<実施例2−25〜実施例2−28>
電解液の調製の際に、化Aの代わりに、化Gを添加した点以外は、実施例2−1〜実施例2−4のそれぞれと同様にして、電池を作製した。
【0199】
実施例2−1〜実施例2−28の電池について、実施例1−1と同様に、高温サイクル試験および高温保存試験を行った。試験結果を表2に示す。
【0200】
【表2】

【0201】
表2に示すように、実施例2−1〜実施例2−28では、化A、化B、化C、化D、化E、化Fまたは化Gのような式(1)で表される芳香族化合物と共に、化H、化I、化Jまたは化Kのようなヘテロポリ酸化合物を含有するため、比較例1−1より、高温でのサイクル特性および保存特性が十分に改善された。また、実施例2−5〜実施例2−12では、高温でのサイクル特性および保存特性を、より改善することができた。これは、電解液中に、芳香族に直結する炭素が4級のアルキル基を有する芳香族化合物を含有しており、この芳香族化合物は、他の芳香族化合物より、酸化還元反応を受けにくいからである。また、ケイモリブデン酸またはケイタングステン酸を含む電解液を用いた方が、リンモリブデン酸またはリンタングステン酸を含む電解液を用いた場合より、高温でのサイクル特性および保存特性をより改善することができた。これは、リンに対して、ケイ素を含むヘテロポリ酸化合物は、電極に対してより高い保護作用を持つためと考えられる。
【0202】
7.他の実施の形態
この発明は、上述したこの発明の実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【0203】
例えば、上述の実施の形態および実施例では、ラミネートフィルム型、円筒型の電池構造を有する電池、電極を巻回した巻回構造を有する電池、電極を積み重ねた構造を有するスタック型の電池について説明したが、これらに限定されるものではない。例えば、角型、コイン型、またはボタン型などの他の電池構造を有する電池、についても同様に、この発明を適用することができ、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0204】
11・・・電池缶、12,13・・・絶縁板、14・・・電池蓋、15A・・・ディスク板、15・・・安全弁機構、16・・・熱感抵抗素子、17・・・ガスケット、20・・・巻回電極体、21・・・正極、21A・・・正極集電体、21B・・・正極活物質層、22・・・負極、22A・・・負極集電体、22B・・・負極活物質層、23・・・セパレータ、24・・・センターピン、25・・・正極リード、26・・・負極リード、27・・・ガスケット、30・・・巻回電極体、31・・・正極リード、32・・・負極リード、33・・・正極、33A・・・正極集電体、33B・・・正極活物質層、34・・・負極、34A・・・負極集電体、34B・・・負極活物質層、35・・・セパレータ、36・・・電解質、37・・・保護テープ、40・・・外装部材、41・・・密着フィルム、71・・・電池素子、72・・・外装部材、73・・・正極リード、74・・・負極リード、81・・・正極、82・・・負極、83・・・セパレータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶媒と、
電解質塩と、
式(1)で表される芳香族化合物と、
ポリ酸および/またはポリ酸化合物と
を含む非水電解質。
【化1】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【請求項2】
上記ポリ酸および/ポリ酸化合物は、ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物である請求項1記載の非水電解質。
【請求項3】
上記ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は、式(I)で表される化合物である請求項2記載の非水電解質。
式(I)
x[BD1240]・yH2
(AはH、Li、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、Al、NH4、4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩を表し、BはP、Si、As、Geを表す。DはTi、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Tc、Rh、Cd、In、Sn、Ta、W、Re、Tlから選ばれる1種以上の元素である。xおよびyはそれぞれ0≦x≦7、0≦y≦50の範囲内の値である。)
【請求項4】
上記ヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物は、ケイ素を含むヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物である請求項2記載の非水電解質。
【請求項5】
上記ポリ酸および/ポリ酸化合物は、2種以上のポリ元素を有するヘテロポリ酸および/またはヘテロポリ酸化合物である請求項1記載の非水電解質。
【請求項6】
上記式(1)で表わされる芳香族化合物は、式(2)〜(3)で表される芳香族化合物である請求項1記載の非水電解質。
【化2】

(R13は、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、またはフェニル基である。
R13の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R14〜R17は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【化3】

(R19は、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基またはフェニル基である。
R19は、水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R20〜R24は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【請求項7】
上記式(1)で表される芳香族化合物は、式(4)で表される芳香族化合物である請求項1記載の非水電解質。
【化4】

(R7は、3級アルキル基、4級アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R7の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R8〜R12は、それぞれ独立して、水素基またはハロゲン基である。)
【請求項8】
上記ポリ酸および/またポリ酸化合物の含有量は、0.01質量%以上3質量%以下である請求項1記載の非水電解質。
【請求項9】
上記式(1)で表される芳香族化合物の含有量は、0.1質量%以上5質量以下である請求項1記載の非水電解質。
【請求項10】
正極と、
負極と、
溶媒および電解質塩を含む非水電解質と
を備え、
上記非水電解質は、式(1)で表される芳香族化合物を含み、
上記負極に1種以上のアデンダ元素を有する非晶質のオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体を含むゲル状の被膜が形成された非水電解質電池。
【化5】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【請求項11】
上記ゲル状の被膜は、3次元網目構造となるように析出した上記非晶質のオキソ酸および/またはオキソ酸化合物の集合体が電解液を吸収したものである請求項10記載の非水電解質電池。
【請求項12】
上記非水電解質は、高分子化合物が上記溶媒および上記電解質塩を含む電解液を吸収してゲル化したゲル状の電解質である請求項10記載の非水電解質電池。
【請求項13】
正極と、
負極と、
非水電解質と
を備え、
上記非水電解質は、
溶媒と、
電解質塩と、
式(1)で表される芳香族化合物と、
ポリ酸および/またはポリ酸化合物と
を含む非水電解質電池。
【化6】

(R1からR6は、それぞれ独立して、水素基、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の少なくとも何れかは、ハロゲン基、脂肪族アルキル基、脂環式アルキル基、フェニル基、またはアルコキシ基である。
R1〜R6の水素の一部またはすべてがハロゲンで置換されてもよい。
R1〜R6の少なくとも一部は、互いに結合して環を形成していてもよい。)

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−23031(P2012−23031A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135545(P2011−135545)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】