説明

非粒子状の化学発光試薬を利用するイムノアッセイ

方法及び試薬が、アッセイを実施するために開示される。本方法及び試薬の実施態様は、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための化学発光試薬に関する。前記試薬は、非粒子状であり、前記分析物に対する結合相手ならびにオレフィン性化合物及び金属キレートを含む化学発光組成物を含む。アッセイの実施態様において、分析物を含有することが疑われる試料、上記化学発光試薬及び一重項酸素を生成することができる増感剤を含む組み合わせが提供される。該組み合わせは、前記分析物に対する結合相手への、前記分析物の結合のための条件に付される。前記増感剤は活性化され、前記化学発光組成物によって生じた発光の量が検出され、ここで、該発光の量は、前記試料中の分析物の量に相関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
本発明は、試料中の分析物を決定するための方法、組成物及びキットにおける使用のための、シグナルを生じることができる試薬に関する。
【0002】
臨床検査薬の分野は、容易かつ正確に決定されうる、興味ある物質の多様性及び決定のための方法の両方で、近年広く拡大している。大部分の方法は、試料中の一つ以上の分析物の存在及び/又は量に関連するシグナルの生成を伴う。蛍光化合物及び化学発光化合物のような発光化合物については、それらの発光能力ゆえに、アッセイの分野において広範な適用が見出されている。ラテックス粒子、リポソームなどのような粒子は、アッセイに利用されてきた。吸収性の染料及び蛍光又は化学発光特性を与える染料の両方は、粒子に組み込まれてきた。一つの特定の方法では、例えばランタニドキレートのような一つ以上の金属キレートを含む粒子が、シグナルを生成するために用いられる。
【0003】
誘導発光イムノアッセイは、米国特許第5,340,716号及び6,251,581号に記載されており、これらの開示は参照によって本明細書に組み込まれる。一つの方法において、アッセイは、光増感剤を組み込む粒子及び化学発光化合物を組み込む標識粒子を用いる。前記標識粒子は分析物の存在に関連して、分析物と結合することができる結合相手とコンジュゲートして複合体を形成するか、又は他の部分と結合して複合体を形成する。分析物が存在する場合、前記光増感剤及び化学発光化合物は、密近接する。前記光増感剤は、一重項酸素を生成して前記化学発光化合物を活性化し、そのとき二つの標識が密近接する。活性化された化学発光化合物は、光を発生する。生じた光の量は、形成した複合体の量に相関し、これは同様に、存在する分析物の量に相関する。一つの特定の方法において、前記化学発光粒子は、例えばランタニドキレートのような、一つ以上の金属キレートを含む。
【0004】
変化した誘導発光法においては、(a)照射すると一重項酸素を生成することができる光増感剤及び(b)一重項酸素によって活性化することができる化学発光化合物の両方を含む、粒子状の支持体が用いられる。該方法は、遅延発光の生成を可能にし、これは支持体の照射で実現することができる。該方法は、分析物を含有することが疑われる媒体中の分析物の決定へ適用することができる。一つの方法は、分析物を含有することが疑われる媒体を、分析物の存在に関連して結合相手の複合体が形成する条件に付すこと、ならびに化学発光及び光増感剤特性の両方を有する粒子状組成物を標識として用いることで、複合体が形成されたかどうかを決定することを含む。光増感剤特性を活性化すると、一重項酸素が生成し、そして化学発光特性を活性化する。そのような組成物及び方法は米国特許第5,709,994号に記載されており、その関連する開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0005】
要約
本発明の一つの実施態様は、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための化学発光試薬である。該化学発光試薬は、非粒子状であり、前記分析物に対する結合相手ならびにオレフィン性化合物及び金属キレートを含む化学発光組成物を含む。
【0006】
本発明の他の実施態様は、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための方法である。試料、上記化学発光試薬及び一重項酸素を生成することができる増感剤を含む組み合わせが提供される。該組み合わせは、前記分析物に対する結合相手への、前記分析物の結合のための条件に付される。前記増感剤は活性化され、そして化学発光組成物によって生じた発光の量が検出され、ここで、前記発光の量は、前記試料中の分析物の量に関係する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施態様の化学発光試薬を製造するためのスキームの描写である。
【図2】本実施態様の化学発光試薬を利用するTSHに対するアッセイについての較正曲線を示すグラフである。
【図3】本実施態様の化学発光試薬を利用したTSHに対するアッセイの結果の表形式の描写であり、較正器間で得られたシグナルの分離を示す。
【図4】本実施態様の化学発光試薬の安定性試験の結果を示すグラフである。
【図5】本実施態様の化学発光試薬の安定性試験の結果を示すグラフである。
【0008】
特定の実施態様の詳細な説明
一般的な解説
本方法及び試薬の実施態様は、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための化学発光試薬に関する。前記試薬は非粒子状であり、前記分析物に対する結合相手ならびにオレフィン性化合物及び金属キレートを含む化学発光組成物を含む。本実施態様の化学発光試薬は、水性アッセイ媒体のような水性媒体における良好な溶解性を示す。前記非粒子状の化学発光試薬は、分析物の検出のためのアッセイに用いるための強化された安定性を有する;さらに、その試薬は分析物の濃度変化に対して良好なシグナル応答を示す。アッセイに用いられるとき、本実施態様の非粒子状の化学発光試薬は、水性アッセイ媒体に可溶性であり、生成するシグナルの安定性のみならず、確度及び感度を含む、最大化された性能を提供する。
【0009】
医療上の決定の範囲の下端での特定のアッセイ形式の性能は、興味ある分析物の考えられる濃度範囲の較正器について、得られたシグナルの量の違いを観察することによってモニターすることができる。例えば、較正器L1及び較正器L2又は較正器L2及び較正器L3のように較正器間のシグナルの大きな差又は分離が要求される。例えば、任意にL1〜L6と名づけられる6つの較正器を使用することができる。シグナル−ノイズ比は、任意に較正器L1と指定された、分析物を含まない較正器を用いてシグナルの量(バックグラウンド)を、第一のゼロ以上の既知量の分析物を含む、任意に較正器L2と指定された較正器について得られたシグナルの量を決定することによって評価することができる。また、この評価は、較正器L1を用いてシグナルの量を、第二のゼロ以上の既知量の分析物を含む、任意に較正器3と指定された較正器についてのシグナルの量を決定することを含むことができる。そのような評価はまた、較正器L4、L5、L6などを用いてそのような決定をすることも含むことができる。本明細書において述べられる実施態様は、本実施態様でない試薬と比較して、分析物についてのアッセイのより良い性能を提供する。
【0010】
例えば、較正器L1及び較正器L2又は較正器L1及び較正器L6の較正器についてのシグナルの間の大きな差が望まれる。医療上の決定の範囲における良好な感度のためには、較正器L1及び較正器L2の間で検出されるシグナルの差は、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約175%、少なくとも約200%、少なくとも約225%、少なくとも約250%、少なくとも約275%、少なくとも約300%、少なくとも約325%、少なくとも約350%、少なくとも約375%、少なくとも約400%、少なくとも約425%などである。いくつかの実施態様において、較正器L6について検出されるシグナルは、少なくとも約10倍、少なくとも約20倍、少なくとも約30倍、少なくとも約40倍、少なくとも約50倍、少なくとも約60倍、少なくとも約70倍、少なくとも約80倍、少なくとも約90倍、少なくとも約100倍、較正器L1について検出されるシグナルより大きい。アッセイ形式に依存して、シグナルの差は、シグナルの増加又はシグナルの減少でありうる。典型的には、較正器を用いたアッセイの結果は、グラフ形式で提示され、ここで、シグナルの量は、較正器の濃度に対してプロットされる。本発明の実施態様に従った、較正器L1及び較正器L2間の直線の傾きは、一般的に、本実施態様に従わないアッセイ試薬で得られた結果と比較して、急である。さらに、較正器L1から較正器L6の直線の傾きは、通常、本実施態様に従わないアッセイ試薬で得られた結果と比較して、急である。
【0011】
上述のとおり、本化学発光試薬の実施態様は、非粒子状である。そのようなものとして、前記試薬は、粒子状の化学発光試薬を用いる、前述した既知の誘導発光アッセイで用いられるものと区別される。本化学発光試薬は、水性媒体への良好な溶解性を示す。前記化学発光試薬の実施態様において、分析物に対する結合相手は、共有結合的に又は非共有結合的に、オレフィン性化合物及び金属キレートを含む化学発光組成物と結合する。
【0012】
前記分析物に対する結合相手は、結合によって前記化学発光組成物と共有結合することができる。一方で、前記分析物に対する結合相手は、連結基によって前記化学発光組成物に共有結合することができる。いくつかの実施態様で、前記連結基は親水性である。用語「親水性の」又は「親水性」は、極性であり、したがって極性分子を好み、そして極性溶媒を好む部分を表す。親水性分子は、疎水性部分と比べて、他の親水性部分との親和性を有する。親水性の程度は、連結基中のヘテロ原子の数により制御される。
【0013】
いくつかの実施態様で、前記連結基は高分子であり、そしてポリマーでありうる。ポリマー性高分子は、一般的に、約1から約10,000モノマー単位以上の長さ、又は約10から10,000モノマー単位の長さ、又は約100から約10,000モノマー単位の長さ、又は約500から約10,000モノマー単位の長さ、又は約1,000から約10,000モノマー単位の長さ、又は約2,000から約10,000モノマー単位の長さ、又は約3,000から約10,000モノマー単位の長さ、又は約5,000から10,000モノマー単位の長さ、又は約10から約8,000モノマー単位の長さ、又は約100から約8,000モノマー単位の長さ、又は約1,000から約8,000モノマー単位の長さ、又は約100から約7,000モノマー単位の長さなどである。モノマー単位の数は、モノマー単位鎖中の原子数、モノマー単位の組成などに依存する。
【0014】
ポリマー性高分子の分子量は、少なくとも約2,000である。前記分子量は、約2,000から約10,000,000以上、又は約2,000から約8,000,000、又は約2,000から約6,000,000、又は約2,000から約5,000,000又は約2,000から約4,000,000、又は約2,000から約3,000,000又は約2,000から約2,000,000、又は約2,000から約1,000,000、又は約5,000から約10,000,000以上、又は約5,000から約8,000,000、又は約5,000から約6,000,000、又は約5,000から約5,000,000又は約5,000から約4,000,000、又は約5,000から約3,000,000又は約5,000から約2,000,000、又は約5,000から約1,000,000、又は約10,000から約10,000,000以上、又は約10,000から約8,000,000、又は約10,000から約6,000,000、又は約10,000から約5,000,000又は約10,000から約4,000,000、又は約10,000から約3,000,000又は約10,000から約2,000,000、又は約10,000から約1,000,000などであってもよい。
【0015】
前記ポリマー性高分子は、直鎖もしくは分枝状又はそれらの組み合わせであってもよい。直鎖ポリマーは、原子の線状鎖を含み、分枝状ポリマーは、原子の枝分かれした鎖を含む。前記線状鎖の各々の原子は、一つ以上の置換基を水素の代わりに有してもよい。いくつかの実施態様で、前記ポリマーは、一種をこえるモノマー単位を含む共重合体であってもよい。前記ポリマー中の異なるモノマー単位の関係は、交互、ランダム、周期的などであってもよく、繰り返しモノマー単位のブロックがポリマー鎖を形成する、ブロック共重合体の配置であってもよい。
【0016】
いくつかの実施態様で、前記ポリマー性高分子の一つ以上のモノマー単位は、炭素原子及び例えば酸素、硫黄、窒素、リンなどのような一つ以上のヘテロ原子を含む。前記モノマー単位は、水素を数えずに、約2から約50原子以上、又は5から約50原子、又は約10から約50原子、又は約20から約50原子、又は約30から約50原子、又は約2から約40原子以上、又は5から約40原子、又は約10から約40原子、又は約20から約40原子、又は約30から約40原子、又は約2から約30原子以上、又は5から約30原子、又は約10から約30原子、又は約20から約30原子を含むことができ、そして2から約30原子、又は約5から約30原子以上、又は10から約30原子、又は約15から約30原子、又は約20から約30原子、又は約2から約25原子以上、又は5から約25原子、又は約10から約25原子、又は約15から約25原子、又は約20から約25原子、又は約2から約20原子以上、又は5から約20原子、又は約10から約20原子、又は約15から約20原子、又は約2から約15原子、又は約5から約15原子、約10から約15原子(通常炭素、酸素、硫黄、窒素、及びリンからなる群より各々独立して選択される)の鎖を含むことができる。
【0017】
前記ポリマー性高分子のモノマー単位中のヘテロ原子の数は、約0から約20、又は約0から約15、又は約0から約10、又は約0から約5、又は約1から約20、又は約1から約15、又は約1から約10、又は約1から約5、又は約2から約20、又は約2から約15、又は約2から約10、又は約2から約5、又は約5から約20、又は約5から約15、又は約5から約10などの範囲でありうる。いくつかの実施態様で、ヘテロ原子の数は、連結基を親水性にし、そして本実施態様の化学発光試薬の溶解性を強化するのに十分である。この点で、前記ポリマー性高分子のモノマー単位中のヘテロ原子の数は、約1から約20、又は約1から約15、又は約1から約10、又は約1から約5、又は約2から約20、又は約2から約15、又は約2から約10、又は約2から約5、又は約5から約20、又は約5から約15、又は約5から約10などの範囲であってもよい。ヘテロ原子が存在するとき、酸素は通常オキソ又はオキシとして存在し、炭素、硫黄、窒素又はリンと結合し、窒素は通常アゾ、シアノ、イソシアノ、ニトロ、ニトロソ、アミド又はアミノとして存在し、通常は炭素、酸素、硫黄又はリンと結合し;硫黄は酸素と同様であり;一方、リンは炭素、硫黄、酸素又は窒素と結合するが、通常ホスホン酸塩及びホスホン酸モノ−又はジエステルとしてである。
【0018】
連結基及びコンジュゲートする分子の間の共有結合を形成する一般的な官能基は、アルキルアミン、アミジン、チオアミド、エーテル、ウレア、チオウレア、グアニジン、アゾ、チオエーテル及びカルボキシラート、スルホナート及びホスホン酸エステル、アミド及びチオエステルである。ほとんどの場合、連結基が、例えば、窒素及び硫黄類似体を含む非−オキソカルボニル基、ホスファート基、アミノ基、ハロ又はトシルアルキルのようなアルキル化剤、オキシ(ヒドロキシル又は硫黄類似体、メルカプト)オキソカルボニル(例えばアルデヒド又はケトン)、又はビニルスルホンもしくはα−,β−不飽和エステルのような活性オレフィンのような結合性官能基(部分との反応のための官能基)を有するときは、これらの官能基はアミン基、カルボキシル基、活性オレフィン、アルキル化剤、例えばブロモアセチルと結合する。アミン及びカルボン酸、又はその窒素誘導体もしくはリン酸誘導体が結合する場合、アミド、アミジン及びホスホラミドがそれぞれ形成される。メルカプタン及び活性化オレフィンが結合する場合、チオエーテルが形成される。メルカプタン及びアルキル化剤が結合する場合、チオエーテルが形成される。アルデヒド及びアミンが還元条件下で結合する場合、アルキルアミンが形成される。ケトン又はアルデヒド及びヒドロキシルアミン(その誘導体であって、置換基がヒドロキシル基の水素に代わって存在しているものを含む)が結合する場合、オキシム官能基(=N−O−)が形成される。カルボン酸又はホスファート酸及びアルコールが結合する場合、エステルが形成される。
【0019】
いくつかの実施態様で、前記連結基は高分子ではなく、分子量が約2000未満、又は約1500未満、又は約1000未満、又は約500未満などである。そのような連結基は、水素を数えずに、約2から約200原子、又は4から約150原子、又は約5から約100原子を含み得、そして2から約100原子、又は3から約90原子、又は約4から約80原子、又は約5から約70原子(通常炭素、酸素、硫黄、窒素及びリンからなる群より各々独立して選択される)などの鎖を含み得る。そのような連結基内のヘテロ原子の数は、その連結基の大きさに依存し、通常、約0から約50、1から約45又は約2から約40の範囲であろう。前記ヘテロ原子は、高分子連結基に関する上記解説で示された形態で存在することができる。いくつかの実施態様で、ヘテロ原子の数は、前記連結基を親水性にし、得られる本実施態様の組成物の溶解性を増強するのに十分な量である。この点において、前記連結基中のヘテロ原子の数は、その連結基の大きさに依存し、約5から約50、又は約10から約50、又は約15から約50、又は約5から約40、又は約10から約40、又は約15から約40、又は約5から約30、又は約10から約30、又は約15から約30、又は約5から約25、又は約10から約25などの範囲であることができる。
【0020】
連結基としてのポリマー性高分子は、天然に存在する物質であっても、又は合成構築物であってもよい。いくつかの実施態様で、前記ポリマー性高分子連結基は、ポリペプチドである。ポリペプチドの例としては、例示であって非限定的なものとして、例えばアルブミン、ガンマグロブリン、免疫グロブリン、ヘモシアニン、合成ポリペプチドなどのようなタンパク質が挙げられる。他のポリマー性高分子の例としては、例示であって非限定的なものとして、デンドリマー、ポリマー性カルボキシラート(例えば、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリガラクツロン酸、ポリメタクリル酸など)、ポリマー性アミン(例えば、ポリエチレンアミン、ポリリシン、ポリグルタミン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミンなど)、ポリマー性エーテル(ポリエチレングリコール又はポリエチレンオキシドなど)、ポリマー性チオエーテル(例えばポリエチレンチオエーテルなど)、ポリマー性スルフヒドリル(例えばポリシステイン)などが挙げられる。
【0021】
分析物に対する結合相手は、化学発光組成物に多種多様な方法で結合することができ、これらのいくつかは、以下に例示的であって非限定的に述べる。いくつかの実施態様で、連結基はタンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々タンパク質に結合し、前記分析物に対する結合相手もまた、これに結合する。この実施態様を以下に図示する:
【化1】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lはタンパク質連結基であり、MCは金属キレートであり、そしてOCはオレフィン性化合物であり、そしてa、b及びcは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、MC、OC及びAbとの結合のためにタンパク質上に存在し、そして、見られるように、MC、OC及びAbの複数の分子が、前記タンパク質に結合しうる。結合することができる各々の分子の数は、タンパク質の大きさ、MC及びOCの大きさならびに抗体の大きさに依存する。
【0022】
いくつかの実施態様で、前記連結基はタンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々、前記タンパク質の同じ分子に結合する。前記タンパク質は、自身に結合する一つ以上の特異的な結合ペアのメンバー分子を有する。前記分析物に対する結合相手は、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバー分子を有する。前記特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、前記分析物に対する結合相手の非共有結合をもたらす。この実施態様を以下に図示する:
【化2】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lは、タンパク質連結基であり、MCは金属キレートであり、OCはオレフィン性化合物であり、SBPM1及びSBPM2は、特異的な結合ペアの補完的な(complementary)メンバーであり、=は非共有結合であり、そしてa、b、c及びdは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、MC、OC及びSBPM1との結合のためにタンパク質上に存在し、そして、見られるように、MC、OC及びSBPM1の複数の分子が、タンパク質に結合しうる。結合することができる各々の分子の数は、前記タンパク質の大きさ、MC、OC、SBPM1及びSBPM2の大きさならびに抗体の大きさに依存する。
【0023】
いくつかの実施態様で、前記連結基は、タンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々、前記タンパク質の同じ分子に結合する。前記タンパク質は、自身に結合する一つ以上の特異的な結合ペアのメンバーの分子ならびに一つ以上の前記抗体の分子を有する。OC及びMCは、各々独立して、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、OC及びMCの非共有結合をもたらす。この実施態様を以下に図示する:
【化3】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lはタンパク質連結基であり、MCは金属キレートであり、OCはオレフィン性化合物であり、SBPM1及びSBPM2は、特異的な結合ペアの補完的な(complementary)メンバーであり、=は非共有結合であり、そしてa、b、c及びdは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、MC、OC及びSBPM1との結合のために前記タンパク質上に存在し、そして、見られるように、MC、OC及びSBPM1の複数の分子が、前記タンパク質に結合しうる。結合しうる各々の分子の数は、前記タンパク質の大きさ、MC、OC、SBPM1及びSBPM2の大きさならびに前記抗体の大きさに依存する。上記実施態様において、SBPM1及びSBPM2が属する特異的な結合ペアが、OC及びMCの結合のために同じであってもよく、又は二つの異なる特異的な結合ペアが、一つがOCについて、そして一つがMCについて用いられてもよいことに留意すべきである。
【0024】
いくつかの実施態様で、前記連結基はタンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々、前記タンパク質の同じ分子に結合する。該タンパク質は、自身に結合する一つ以上の特異的な結合ペアのメンバーの分子を有する。OC及びMCは、各々独立して、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、OC及びMCの非共有結合をもたらす。分析物に対する結合相手はまた、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、前記分析物に対する結合相手の非共有結合をもたらす。この実施態様を以下に図示する:
【化4】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lはタンパク質連結基であり、MCは金属キレートであり、OCはオレフィン性化合物であり、SBPM1及びSBPM2は、特異的な結合ペアの補完的な(complementary)メンバーであり、=は非共有結合であり、そしてa、b、c及びdは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、SBPM1との結合のために前記タンパク質上に存在し、そして、見られるように、SBPM1の複数の分子が、前記タンパク質に結合しうる。結合することができる各々の分子の数は、前記タンパク質の大きさ、MC、OC、SBPM1及びSBPM2の大きさならびに前記抗体の大きさに依存する。上記実施態様において、SBPM1及びSBPM2が属する特異的な結合ペアが、OC、MC及び前記抗体の結合のために同じであってもよく、又は二つもしくは三つの異なる特異的な結合ペアが、一つがOCについて、一つがMCについて、そして一つが前記抗体について用いられてもよいことに留意すべきである。
【0025】
いくつかの実施態様で、前記連結基はタンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々、前記タンパク質の異なる分子に結合する。該タンパク質は、自身に結合する一つ以上の特異的な結合ペアのメンバーの分子を有する。分析物に対する結合相手は、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記分析物に対する結合相手の、前記タンパク質への非共有結合をもたらす。この実施態様を以下に図示する:
【化5】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lはタンパク質連結基であり、MCは、金属キレートであり、OCは、オレフィン性化合物であり、SBPM1及びSBPM2は、特異的な結合ペアの補完的な(complementary)メンバーであり、=は非共有結合であり、そしてa、b、c及びdは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、MC、OC及びSBPM1との結合のために前記タンパク質上に存在し、そして、見られるように、MC、OC及びSBPM1の複数の分子が、前記タンパク質に結合しうる。結合しうる各々の分子の数は、前記タンパク質の大きさ、MC、OC、SBPM1及びSBPM2の大きさならびに前記抗体の大きさに依存する。上記実施態様において、SBPM1及びSBPM2が属する前記特異的な結合ペアが、OC及びMCの結合のために同じであってもよく、又は二つの異なる特異的な結合ペアが、一つがOCについて、そして一つがMCについて用いられてもよいことに留意すべきである。上記実施態様において、Lが、OC及びMCについて同一又は異なっていてもよいこともまた、留意すべきである。
【0026】
いくつかの実施態様で、前記連結基は、タンパク質であり、前記化学発光組成物の成分、すなわちオレフィン性化合物及び金属キレートは、各々、非共有結合によって前記タンパク質の異なる分子に結合する。該タンパク質は、自身に結合する一つ以上の特異的な結合ペアのメンバーの分子を有する。分析物に対する結合相手は、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、前記分析物に対する結合相手の非共有結合をもたらす。OC及びMCはまた、各々独立して、自身に結合する一つ以上の前記特異的な結合ペアの他方のメンバーの分子を有する。該特異的な結合ペアのメンバーの結合は、前記タンパク質への、OC及びMCの非共有結合をもたらす。この実施態様を以下に図示する:
【化6】


[式中、Abは、分析物に対する結合相手(この例では抗体)であり、Lはタンパク質連結基であり、MCは金属キレートであり、OCはオレフィン性化合物であり、SBPM1及びSBPM2は、特異的な結合ペアの補完的な(complementary)メンバーであり、=は非共有結合であり、そしてa、b、c及びdは、独立して、例えば1から約10、又は1から約9、又は1から約8、又は1から約7、又は1から約6、又は1から約5、又は1から約4、又は1から約3、又は1から約2、又は2から約10、又は2から約9、又は2から約8、又は2から約7、又は2から約6、又は2から約5、又は2から約4、又は2から約3、又は約3から約10、又は約3から約9、又は約3から約8、又は約3から約7、又は約3から約6、又は約3から約5、又は約3から約4の整数である]。アミン、カルボキシルなどのような様々な官能基が、MC、OC及びSBPM1との結合のために前記タンパク質上に存在し、そして、見られるように、MC、OC及びSBPM1の複数の分子が、前記タンパク質に結合しうる。結合しうる各々の分子の数は、前記タンパク質の大きさ、MC、OC、SBPM1及びSBPM2の大きさならびに前記抗体の大きさに依存する。上記実施態様において、SBPM1及びSBPM2が属する前記特異的な結合ペアが、OC、MC及び抗体の結合のために同じであってもよく、又は二つもしくは三つの異なる特異的な結合ペアが、一つがOCについて、一つがMCについて、そして一つが前記抗体について用いられてもよいことに留意すべきである。上記実施態様において、Lが、OC及びMCについて同一又は異なっていてもよいこともまた、留意すべきである。
【0027】
前記オレフィン性化合物は、一重項酸素と反応することができる化合物である。いくつかの実施態様で、オレフィンと一重項酸素との反応は、2+2付加であり、ジオキセタンを形成する。適切なオレフィン性化合物は、通常、非反応性の橋頭炭素を除いてオレフィン性炭素に結合した飽和C−H基を有さず、そして、いくつかの実施態様で、オレフィン性炭素に直接結合しているか又はオレフィンと一体となっている、一つ以上の電子供与性基を有する。ジオキセタンは、自発的に又は熱によって、自然化学発光を伴って解離することができるか、又は形成したカルボニル基は、蛍光性基の一部を形成することができるか又は続いての反応を受けて蛍光性分子となることができる。あるいは、この解離反応は基本的に蛍光性の基からの消光基の分離を導くことができ、その結果その基はその蛍光特性を取り戻す。
【0028】
いくつかの実施態様で、一重項酸素とオレフィンとの反応は、ナフタレン、アントラセン、オキサゾール、フラン、インドールなどのようなジエン、通常は芳香族化合物との4+2付加環化である。そのような反応は、初めにエンドパーオキサイドを導く。いくつかの場合、エンドパーオキサイドは、適切に配置された基と反応することができ、蛍光を発することができるラクトン又はラクタムを与える、活性エステル又はアルデヒドへと転位することができる。あるいは、前記エンドパーオキサイドは、蛍光又は化学発光化合物前駆体を酸化してもよい。エンドパーオキサイドはまた、自発的に又は加熱により、化学発光の放射を伴って解離することができるか、又は蛍光性ロイコ染料を酸化することができる。
【0029】
いくつかの実施態様で、一重項酸素とオレフィンとの反応は、アリルヒドロパーオキサイドを生成する「エン」反応である。適切なオレフィンは、オレフィン性炭素に結合した反応性飽和C−Hを有する。この生成物は、同じ分子内で活性エステルと反応することができ、自発的に又は加熱によって、化学発光の放射を伴って解離することができるジオキセタノンを形成する。
【0030】
一般的に、興味のあるオレフィンは、一重項酸素と反応して化学反応をうけるものであり、準安定性の反応生成物、通常は同時に又は続いての光(通常は250から1200nmの波長範囲内)の放射とともに分解することができる、ジオキセタン又はエンドパーオキサイドを形成する。好ましいものは、通常電子供与性基を含有する電子豊富なオレフィンである。そのような電子豊富なオレフィンの例は、エノールエーテル、エナミン、9−アルキリデン−N−アルキルアクリダン、アリールビニルエーテル、1,4−ジオキセン、1,4−チオキセン、1,4−オキサジン、アリールイミダゾール、9−アルキリデンキサンタン及びルシゲニンである。
【0031】
適切な電子豊富な化学発光オレフィンの例は、米国特許第5,709,994号に説明されており、その関連する開示が参照によって本明細書に組み込まれる。そのようなオレフィンは、一般的に、オレフィンと一体となった電子供与性基を有している。
【0032】
ジオキセタンは、単独で又は蛍光エネルギー受容体と併せて発光性でありうる。エノールエーテルは、そのようなオレフィンの例である。いくつかの実施態様で、エノールエーテル化合物は、少なくとも一つの、オレフィン性炭素と結合するアリール基を有し、ここでアリール環は、一重項酸素へのオレフィンの反応性を増し、かつ/又は得られるジオキセタンの解離生成物に蛍光性を与える位置で、電子供与性基で置換されている。前記電子供与性基は、例えば、ヒドロキシル、アルコキシ、二置換アミノ、アルキルチオ、フリル、ピリルなどであることができる。好ましくは、エノールエーテルは、オレフィン性炭素に直接結合した電子供与性基を有している。
【0033】
エナミンは、そのようなオレフィンの別の例である。一般的に、有用なエナミンは、エノールエーテルについて上記説明された規則により支配される。化学発光剤(chemiluminescers)の別のファミリーは、親生成物の一般名としてのロフィンである、2,4,5−トリフェニルイミダゾールである。化学発光類似体は、パラ−ジメチルアミノ及びパラ−メトキシ置換基を含む。上記要件を満足する他の化学発光オレフィンは、欧州特許出願第0,345,776号に見出すことができる。
【0034】
オレフィン性化合物に加え、化学発光組成物は、金属及び一つ以上のキレート化剤の錯体を含む。前記錯体の一部を形成する金属の例は、例えば、希土類金属、第VIII族金属などである。前記希土類金属は、ランタノイド(ランタニド金属)(ランタンからルテチウム、原子番号57〜71の15元素)を含む。特に興味深い希土類金属は、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム及びサマリウムを含む。特に興味深い第VIII族の金属は、オスミウム及びルテニウムを含む。いくつかの実施態様で、希土類金属は+3価の酸化状態を有し、ルテニウムは+2価の酸化状態を有し、そしてオスミウムは+2価の酸化状態を有する。特定の実施態様で、前記金属は、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、サマリウム、オスミウム及びルテニウムからなる群より選択される。いくつかの実施態様で、前記金属は少なくとも六配位である;しかしながら、前記金属は金属キレート化剤に依存して八配位以上であってもよい。
【0035】
前記金属キレート化剤は、同じ分子の二つ以上の原子が金属に配位することができ、金属キレートを形成する化合物である。前記二つ以上の原子は、例えば、酸素、窒素、硫黄などであってもよい。前記原子は、例えば、ケトン、アルデヒド、ヒドロキシル、アミン、チオケトン、チオアルデヒド、チオールなどのような官能基の一つ以上の形態であってもよい。前記官能基は、ベンジル基又は、例えばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、アクリジンなどに由来する、縮合芳香環の一部であることができる。
【0036】
前述の金属の一つは、一つ以上のキレート化剤と配位しており、これらの粒子(particle)例は、例えば、2−(1’,1’,1’,2’,2’,3’,3’−ヘプタフルオロ−4’,6’−ヘキサンジオン−6’−イル)−ナフタレン(NHA)、4,4’−ビス(2”,3”,3”−ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサン−ジオン−6”−イル)−o−−ターフェニル(BHHT)、4,4’−ビス(1,”1”,1”,2”,2”,3”,3”−ヘプタフルオロ−4”,6”−ヘキサンジオン−6”−イル)−クロロスルホ−o−ターフェニル(BHHCT)、フェナントロリン(phen)及び例えば、フェナントロリンカルボン酸、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(DPP)などのようなフェナントロリン関連化合物(フェナントロリンの誘導体)、3−(2−チエノイル,1,1,1−トリフルオロアセトン(TTA)、チオフェントリフルオロブタンジオン(TTB)、3−ナフチル−1,1,1−トリフルオロアセトン(NPPTA)、ナフチルトリフルオロブタンジオン(NTA)、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリフェニルホスフィンオキシド(TPPO).3−ベンゾイル−1,1,1−トリフルオロアセトン(BFTA)、2,2−ジメチル−4−パーフルオロブチノイル−3−ブタノン(fod)、2,2’−ジピリジル(bpy)、サリチル酸、ビピリジルカルボン酸、アザクラウンエーテル トリオクチルホスフィンオキシド、アザクリプタンドなど、ならびに上記の組み合わせを含む。上記のとおり、いくつかの実施態様で、金属キレート中の金属は、少なくとも六配位である。前記金属キレートは荷電されておらず;したがって、キレート化剤によって提供される酸性基の数は、金属の酸化数と同じになるであろう。典型的な特定の金属キレートは、例示的であり非限定的なものとして挙げれば、Eu(BHHCT)DPP、Eu(TTA)DPP、Eu(NTA)DPP、Eu(NHA)DPP、Eu(BHHT)DPPならびに、参照によって本明細書に組み込まれる関連開示である、米国特許第6,916,667号(例えば5〜9欄)及び米国特許出願第20060270063号(3〜4欄)などにて検討されている金属キレートがある。
【0037】
多くの前記キレート化剤及び金属キレートは、当技術分野において公知であり、多くが市販されている。一般的に、金属キレートは、金属キレート化剤から、金属クロリドと所望のモル比の金属キレート化剤分子とを、水性の緩衝化した溶媒及び反応の間に生じた塩酸を吸収するのに十分な塩基中で合わせることによって調製することができる。例えば、金属キレートは、Shinha, A. P., 「Fluorescences and laser action in rare earth chelate,」Spectroscopy Inorganic Chemistry, Vol 2, (1971), 255-288に記載されているとおりの手順によって調製することができる。
【0038】
化学発光試薬は、親水性又は水可溶性を与える基又は官能基を含んでおり、これは、固体の水との湿潤性及び化学発光試薬が結合する化合物の水性系中での溶解性を増加させる。そのような官能基の一つ以上は、オレフィン性化合物又は金属キレート上、又はその両方に存在しうる。そのような官能基(functional group)又は官能基は、1から50以上の原子を有し、かつスルホナート、サルファート、ホスファート、アミジン、ホスホナート、カルボキシラート、ヒドロキシル(特にポリオール)、アミン、エーテル、アミドなどを含むことができる置換基であることができる。例示的な官能基は、カルボキシアルキル、スルホンオキシアルキル、CONHOCHCOOH、CO−(グルコサミン)、糖、デキストラン、シクロデキストリン、SONHCHCOOH、SOH、CONHCHCHSOH、PO、OPO、ヒドロキシル、カルボキシル、ケトン及びそれらの組み合わせである。そのような基又は官能基は、そのような基又は官能基を化合物に導入するための、当技術分野において周知の方法によって、キレート化剤に導入することができる。
【0039】
化学発光試薬の調製の後、その化学発光試薬は、保存のための適切な媒体中に、アッセイに用いるまで置くことができる。多くの実施態様において、前記媒体は水性媒体、通常は緩衝水性媒体である。前記水性媒体は、完全に水であるか又は0.1から約40体積%の、例えば、アルコール、エーテル、エステル、アミン、アミドなどである有機溶媒のような共溶媒を含んでもよい。前記媒体のpHは、通常は約4から約11の範囲、又は約5から約10の範囲、又は約6.5から約9.5の範囲である。様々な緩衝剤を、所望のpHを達成し、そのpHを維持するために用いることができる。例示的な緩衝剤は、ボラート、ホスファート、カルボナート、トリス、バルビタール、PIPES、HEPES、MES、ACES、MOPS、BICINEなどを含む。用いられる特定の緩衝液は決定的に重要ではないが、特定の化学発光試薬と共に用いる場合は一つ又は別の緩衝液が好ましいかもしれない。いくつかの実施態様で、前記化学発光試薬を貯蔵する媒体は、分析物についてのアッセイのための媒体と実質的に類似であるか又は同じであり、ここで前記化学発光試薬は、用いられるアッセイ試薬の一つである。室温での水性媒体中の前記化学発光試薬の溶解性は、例えば、少なくとも50%、又は少なくとも55%、又は少なくとも60%、又は少なくとも65%、又は少なくとも70%、又は少なくとも75%、又は少なくとも80%、又は少なくとも85%、又は少なくとも90%、又は少なくとも95%(体積に対する質量)である。
【0040】
上記特定の実施態様において、例示的であって非限定的なものとして、前記化学発光試薬は、チオキセン及びEu(BHHCT)DPPを含み、これらの両方は、分析物についての結合相手もまた結合するBSAに共有結合する。
【0041】
非共有結合のために、本実施態様において用いられる、特異的な結合ペアのメンバー(「sbpメンバー」)は、特異的に結合し、そしてしたがって、特定の他の分子の空間的及び極性組織と補完的に定義される、表面上又は空洞中に領域を有する二つの異なる分子の一つである。本実施態様において使用するための特異的な結合ペアは、(i)小分子及び小分子の結合相手、及び(ii)巨大分子及び巨大分子の結合相手からなる群より選択される。いくつかの実施態様で、前記小分子は約2000未満、又は約1500未満、又は約1000未満、又は約500未満、又は約400未満、又は約300未満などの分子量を有する。小分子のペアに対する小分子結合相手の例は、例示的であって非限定的なものとして、ビオチンに対するビオチン結合相手(例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ビオチンに対する抗体など)、ジゴキシンに対するジゴキシン結合相手(例えば、ジゴキシンに対する抗体など)、フルオレセインに対するフルオレセイン結合相手(フルオレセインに対する抗体など)、ローダミンに対するローダミン結合相手(例えば、ローダミンに対する抗体)、ペプチドに対するペプチド結合相手(ペプチドに対する抗体など)、分析物−特異的な結合相手(例えば、B12に対する内因子、葉酸に対する葉酸結合要素)などを含む。
【0042】
本実施態様において用いるための特異的な結合ペアのいくつかの実施態様で、巨大分子の分子量は、約2,000より大きく、又は約5,000より大きく、又は約10,000より大きく、又は約50,000より大きく、又は約100,000より大きく、又は約500,000より大きく、又は約1,000,000より大きく、又は約5,000,000より大きく、又は約10,000,000より大きい、などである。巨大分子のペアに対する巨大分子結合相手の例は、例示的であって非限定的なものとして、抗原−抗体のような免疫的な組、ホルモン−ホルモン受容体、二本鎖核酸、IgG−タンパク質A、DNA−DNA、DNA−RNAのようなポリヌクレオチドの組、他の受容体及びリガンドなどのメンバーを含む。
【0043】
前記分析物に対する結合相手の特性は、主として分析物の特性に依存する。前記分析物に対する結合相手は、抗体、ポリヌクレオチド、抗体以外の分析物特異的結合タンパク質などであってもよい。抗体は、特異的に結合する免疫グロブリンであり、そしてしたがって、特定の、別の分子の空間的及び極性組織と補完的に定義される。前記抗体は、単クローン性又は多クローン性であることができ、そして、宿主の免疫付与及び血清の収集(多クローン性)のような、当技術分野において周知の手法によるか、又は連続的ハイブリッド細胞株の調製及び分泌タンパク質の収集(単クローン性)によるか、又は少なくとも天然抗体の特異的な結合のために必要とされるアミノ酸配列について少なくともコードするヌクレオチド配列又はその突然変異版のクローニング及び発現によって調製することができる。抗体は、完全免疫グロブリン又はその断片を含むことができ、ここで免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgE、IgG1、IgG2a、IgG2b及びIgG3、IgMなどのような、様々なクラス及びアイソタイプを含んでもよい。その断片は、Fab、Fv及びF(ab’)、Fab’などを含んでもよい。加えて、免疫グロブリン又はそれらの断片の凝集体、ポリマー及び複合体は、特定の分子に対する結合親和性が維持される限り、適切な場合に使用することができる。
【0044】
分析物は、一価(単エピトープ(monoepitopic))又は多価(多エピトープ(polyepitopic))であるリガンドであってもよく、通常は抗原性又はハプテン性であり、そして、単一の化合物又は少なくとも一つの共通のエピトープ又は決定基サイトを共有する複数の化合物である。前記分析物は、細菌又はA、B、Dなどのような血液型抗原を有する細胞、又はHLA抗原のような細胞の部分であってもよく、又は前記分析物は、微生物、例えば細菌、真菌、原生動物又はウイルスであってもよい。
【0045】
多価リガンドの分析物は、ポリ(アミノ酸)、すなわち、ポリペプチド及びタンパク質、多糖、核酸及びそれらの組み合わせであってもよい。そのような組み合わせは、バクテリア、ウイルス、染色体、遺伝子、ミトコンドリア、核、細胞膜などの成分を含む。大部分で、多エピトープ性リガンドは、少なくとも約5,000、より通常は少なくとも約10,000の分子量を有する。ポリ(アミノ酸)カテゴリーにおいて、興味あるポリ(アミノ酸)は、約5,000から5,000,000の分子量、より通常は約20,000から1,000,000の分子量であってもよく;興味あるホルモンの中で、分子量は通常約5,000から60,000の分子量の範囲であろう。
【0046】
前記分析物は、例えば、免疫グロブリン、サイトカイン、酵素、ホルモン、癌抗原、栄養マーカー、組織特異的な抗原などのようなタンパク質でありうる。そのようなタンパク質は、例示的であって非限定的なものとして、プロタミン、ヒストン、アルブミン、グロブリン、硬タンパク質、リンタンパク質、ムコタンパク質、色素タンパク質、リポタンパク質、核タンパク質、糖タンパク質、T細胞受容体、プロテオグリカン、HLA、未分類タンパク質、例えばソマトトロピン、プロラクチン、インスリン、ペプシン、ヒト血漿中で見られるタンパク質、血液凝固因子、例えば卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、ルテオトロピン、プロラクチン、繊毛性ゴナドトロピン、組織ホルモン、サイトカインのようなタンパク質ホルモン、例えばPSA、CEA、a−フェトプロテイン、酸ホスファターゼ、CA19.9、CA15.3及びCA125のような癌抗原、例えばアルカリホスファターゼ、ミオグロビン、CK−MB及びカルシトニン、及びペプチドホルモンのような組織特異的な抗原を含む。興味ある他の分析物は、ムコ多糖及び多糖である。
【0047】
単エピトープ性リガンドの分析物は、一般的には約100から2,000の分子量であり、より通常には約125から約1,000の分子量であろう。前記分析物は、薬剤(例えば、乱用薬物、治療的薬物など)、代謝物、農薬、汚染物質などを含む。代表的な乱用薬物(誤用された薬物を含む)は、例示であって非限定的なものとして、(i)モルフィン、コデイン、ヘロイン、デキストロメトルファン、それらの誘導体及び代謝物を含むモルフィンアルカロイド;コカイン及びベンジルエクゴニン、それらの誘導体及び代謝物を含むコカインアルカロイド;リセルギン酸ジエチルアミドを含む麦角アルカロイド;ステロイドアルカロイド;イミダゾイルアルカロイド;キナゾリンアルカロイド;イソキノリンアルカロイド;キニーネ及びキニジンを含むキノリンアルカロイド;ジテルペンアルカロイド、それらの誘導体及び代謝物のようなアルカロイド;(ii)エストロゲン、アンドロゲン、副腎皮質(andreocortical)ステロイド、胆汁酸、ジゴキシン及びジゴキシゲニン、サポニン及びサポゲニンを含む強心配糖体及びアグリコン、それらの誘導体及び代謝物を含むステロイド;ジエチルスチルベストロールのようなステロイド様物質;(iii)バルビツラートを含む、5から6環員(annular member)を有するラクタム、例えば、フェノバルビタール及びセコバルビタール、ジフェニルヒダントイン、プリミドン、エトスクシミド及びそれらの代謝物;(iv)アンフェタミンを含む2から3個の炭素原子のアルキル鎖を有する、アミノアルキルベンゼン;エフェドリン、L−ドーパ、エピネフリンを含むカテコールアミン;ナルセイン;パパベリン;及び上記の代謝物;(v)オキサゼパム、クロルプロマジン、テグレトール、それらの誘導体及び代謝物を含むベンゾへテロ環(複素環はアゼピン、ジアゼピン及びフェノチアジンである);(vi)テオフィリン、カフェイン、それらの代謝物及び誘導体を含むプリン;(vii)カンナビノール及びテトラヒドロカンナビノールを含む、マリファナ由来の薬剤;(viii)チロキシン、コルチゾール、トリヨードチロニン、テストステロン、エストラジオール、エストロン、プロゲステロンのようなホルモン、(ix)イミプラミン、デスメチルイミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、クロミプラミン、ドキセピン及びデスメチルドキセピンを含む三環式抗うつ薬;及び(x)メトトレキサートを含む抗悪性腫瘍剤;などである。
【0048】
本試薬を利用する、分析物のためのアッセイの一般的な説明
本発明の実施態様は、分析物の決定のためのアッセイへの適用を有する。一般的に、そのようなアッセイにおいて、試薬は、とりわけ分析物に対する結合相手を含む。分析物を含有することが疑われる試料は、前記分析物に対する結合相手と、アッセイ媒体中で合わされる。決定は、前記分析物及び分析物に対する結合相手の間での結合の程度で行われる。本実施態様の化学発光試薬は、この結合事象の検出における標識試薬として用いられる。アッセイは、いかなるアッセイ成分又は生成物の分離なし(均一)又は分離を伴って(不均一)のいずれでも実施することができる。不均一なアッセイは、通常、一つ以上の分離工程を含み、かつ競合性又は非競合性であることができる。
【0049】
いくつかの公知のアッセイは、支持体に結合する金属キレートを有し、かつ少なくとも第一及び第二のspsメンバーを有する粒子状の化学発光試薬を用いるシグナル生成システム(sps)を利用する。「第一」及び「第二」のわりあては完全に任意であり、spsメンバー中のいかなる順序又は序列、又は本方法におけるいかなるspsメンバーの添加の順序を指すことも意味しない。前記spsメンバーは、spsのメンバーの一つの活性化が、例えば、spsの別のメンバーの活性化をおこす光のような生成物を生じるという点で関係づけられる。公知のアッセイのいくつかの実施態様で、前記spsメンバーは、増感剤及び化学発光組成物を含み、ここで前記増感剤の活性化は、前記化学発光組成物を活性化する生成物をもたらす。前記第二のspsメンバーは、通常、結合及び/又は非結合spsメンバーの量、すなわち、検出される分析物に結合しているか又は結合していないspsメンバーの量に関連する、又は検出される分析物の量を反映する試薬に関連する検出可能なシグナルを生成する。本発明にしたがって、本実施態様及び上記に従う非粒子状の化学発光試薬は、公知の方法における粒子状化学発光試薬の代わりに使用しうる。
【0050】
本実施態様の方法のいくつかの実施態様で、第一のspsメンバーは、例えば光増感剤のような増感剤であり、第二のspsメンバーは、前記第一のspsメンバーの活性化の結果として活性化される、本実施態様の非粒子状の化学発光試薬である。前記増感剤は、活性化すると、前記化学発光試薬を活性化する(それは次は検出可能なシグナルを生成する)生成物を生じる、任意の部分であることができる。多くの実施態様において、前記増感剤は活性化すると一重項酸素を生成することができる。
【0051】
いくつかの実施態様で、前記増感剤は通常、光によって励起されることにより一重項酸素を生成する光増感剤である。前記光増感剤は、光活性化可能(例えば染料及び芳香族化合物)又は化学活性化可能(例えば酵素及び金属塩)であることができる。光によって励起されるとき、前記光増感剤は通常、共有結合した原子、通常は多重共役した二重又は三重結合を含む化合物である。前記化合物は、約200から約1100nm、又は約300から約1000nm、又は約450から約950nmの範囲の波長の光を、励起波長において約500M−1cm−1、又は少なくとも約5000M−1cm−1、又は少なくとも約50,000M−1cm−1より大きい最大吸収の吸光係数で、吸収すればよい。光によって励起される光増感剤は、相対的に光安定であり、そして一重項酸素と効率的に反応しないであろう。いくつかの構造上の特徴が、大部分の有用な光増感剤に存在する。大部分の光増感剤は、少なくとも一つ、しばしば三つ以上の、硬く、多くの場合芳香族構造のかたちで保持された、共役した二重又は三重結合を有する。前記光増感剤は通常、少なくとも一つの、カルボニル又はイミン基のような項間交差を促進する基又は周期表の3〜6周期より選択される重原子、特にヨウ素又は臭素を含むか、又は拡張した芳香族構造を有してもよい。典型的な光増感剤は、アセトン、ベンゾフェノン、9−チオキサントン、エオシン、9,10−ジブロモアントラセン、メチレンブルー、ヘマトポルフィリン、フタロシアニン、クロロフィルのようなメタロポルフィリン、ローズベンガル、バックミンスターフラーレンなど、及び、そのような化合物をより脂溶性又はより親水性にするための、及び/又は、例えばspsメンバー又はsbpメンバーへの結合のための結合基としての、1から50原子の置換基を有する、それらの化合物の誘導体を含む。
【0052】
上記方法に有用な光増感剤は、外部の光源による活性化を伴うか、又は好ましさで劣るが伴わずに、一重項酸素を生じることができる他の物質及び組成物を含む。したがって、例えば、モリブデン酸塩、ならびにクロロペルオキシダーゼ及びミエロペルオキシダーゼに加えて臭化物又は塩化物イオン(Kanofsky, J. Biol. Chem. (1983) 259 5596)が、過酸化水素の一重項酸素及び水への変換を触媒することが示されている。また光増感剤の範囲内に含まれるものは、真の増感剤ではないが、熱、光又は化学活性化による励起によって一重項酸素の分子を放出するであろう化合物である。この化合物のクラスの最もよく知られたメンバーは、1,4−ビスカルボキシエチル−1,4−ナフタレンエンドペルオキシド、9,10−ジフェニルアントラセン−9,10−エンドペルオキシド及び5,6,11,12−テトラフェニルナフタレン 5,12−エンドペルオキシドのようなエンドペルオキシドを含む。これらの化合物による熱又は光の直接吸収は、一重項酸素を放出する。利用することができる他の光増感剤の例は、米国特許第5,340,716号及び6,251,581号に記載されているものであり、その関連開示が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0053】
特定の実施態様において、本発明は、その開示が参照によって本明細書に組み込まれる、「Assay Method Utilizing Photoactivated Chemiluminescent Label」(「誘導発光アッセイ」)と題された米国特許第5,340,716号(Ullman)にて言及される誘導発光イムノアッセイにおける適用を有する。本実施態様の一つの手法において、前記アッセイは、上記のとおりの光増感剤及び非粒子状化学発光試薬を組み込んでいる粒子を使用する。本化学発光試薬の分析物に対する結合相手は、前記分析物の存在に関して、分析物と結合して複合体を形成するか、又は第二のsbpメンバーと結合して複合体を形成する。前記分析物が存在する場合、前記光増感剤及び化学発光化合物は、分析物への、光増感剤粒子上の分析物に対する結合相手及び本実施態様の非粒子状化学発光試薬の部分である分析物に対する結合相手の結合によって最近接する。二つの標識が最近接しているとき、前記光増感剤は一重項酸素を生じ、非粒子状の化学発光試薬を活性化する。活性化された化学発光試薬は、次いで光を発生する。生じた光の量は、形成した複合体の量に関係づけられ、そして存在する分析物の量に関係づけられる。
【0054】
誘導発光アッセイのいくつかの実施態様で、光増感剤の粒子は、アビジンとコンジュゲートして用いられる。分析物に対するビオチン化された結合相手もまた用いられる。本実施態様の非粒子状の化学発光試薬は、検出システムの一部として用いられる。反応媒体は、前記光増感剤の粒子が、アビジン及びビオチンの間での結合によって、前記分析物に対するビオチン化された結合相手と結合することを可能とするために、ならびにまた、光増感剤試薬の一部である分析物に対する結合相手及び本実施態様の非粒子状の化学発光試薬の一部である分析物に対する結合相手が、分析物に結合することを可能とするために、インキュベートされる。次に、前記媒体は光照射され、励起状態において酸素を一重項状態にすることができる光増感剤を励起する。前記化学発光試薬は今や、前記分析物の存在によって前記光増感剤に最近接しているため、一重項酸素によって活性化され、光を放射する。前記媒体は、次に発光もしくは放射した光の存在及び/又は量について試験され、その存在は前記分析物の存在及び/又は量に関連づけられる。
【0055】
分析される試料は、分析物を含有することが疑われるものである。試料は、好ましくはヒト又は動物からの試料であり、全血、血清、血漿、痰、リンパ液、精液、膣粘液、糞便、尿、髄液、唾液、排泄物、脳髄液、涙液、粘液などのような生物学的流体;毛髪、皮膚、臓器又は他の体部位からの切片又は切除組織などのような生物学組織を含む。多くの例では、前記試料は全血、血漿又は血清である。
【0056】
前記試料は任意の都合のよい媒体中で調製することができる。好都合には、前記試料は、本明細書においてより完全に述べられているアッセイ媒体中で調製することができる。場合によっては、前処理を、例えば溶解した血液細胞などのような試料に適用してもよい。そのような前処理は通常、続いてアッセイを妨げない媒体中で実施される。水性媒体が、前記前処理に好ましい。
【0057】
上記で簡単に述べたように、アッセイは標準的には、一般的に最適なアッセイ検出感度を提供する、中程度のpHでの水性緩衝液媒体中で実施される。前記水性媒体は、完全な水であるか、又は0.1から約40体積%の共溶媒を含むことができる。前記媒体のpHは、通常、約4から約11の範囲、より通常は約5から約10の範囲、好ましくは約6.5から約9.5の範囲である。pHは通常、任意の特異的な結合ペアの結合メンバーの最適な結合、シグナル生成系のメンバーのようなアッセイの他の試薬に対する最適pHなどの間の折衷であろう。様々な緩衝液を、所望のpHに到達させ、測定の間pHを維持するために用いることができる。例示的な緩衝液は、ボラート、ホスファート、カルボナート、トリス、バルビタール、PIPES、HEPES、MES、ACES、MOPS、BICINEなどを含む。特に用いられる緩衝液は決定的に重要ではないが、個別のアッセイにおいて一つ又は別の緩衝液が好ましい。
【0058】
上記方法において、様々な補助的物質を用いることができる。例えば、緩衝液に加えて、媒体は、媒体及び用いられる試薬の安定化剤を含むことができる。いくつかの実施態様で、これらの添加物に加え、アルブミンのようなタンパク質;ホルムアミドのような有機溶媒;第四級アンモニウム塩;硫酸デキストランのようなポリアニオン;結合増強剤、例えばポリアルキレングリコール;デキストラン、トレハロースなどのような多糖が含まれる。前記媒体はまた、血餅の形成を防止する試薬を含むことができる。そのような試薬は当技術分野において周知であり、例えば、EDTA、EGTA、クエン酸、ヘパリンなどを含む。前記媒体はまた、例えば、アジ化ナトリウム、硫酸ネオマイシン、PROCLIN(商標)300、ストレプトマイシンなどのような、当技術分野において公知の一つ以上の保存料を含むことができる。任意の上記物質は、用いられた場合、所望の効果又は機能を達成するのに十分な濃度又は量で存在する。
【0059】
一つ以上のインキュベーション期間を、前述の様々な試薬の添加の間の任意の間隔を含む、一つ以上の間隔をあけて、媒体に適用することができる。前記媒体は通常、試薬の様々な成分の結合がおこるのに十分な温度及び時間でインキュベートされる。適度な温度は、標準的には方法を実施するために用いられ、通常は、測定期間の間で一定の温度、好ましくは室温である。インキュベーション温度は、標準的には約5°から約99℃、通常は約15℃から約70℃、より通常は20℃から約45℃の範囲である。インキュベーションのための期間は、約0.2秒から約24時間、又は約1秒から約6時間、又は約2秒から約1時間、又は約1から約15分間である。前記期間は、媒体の温度及び、会合速度定数、濃度、結合定数及び解離速度定数によって決定される様々な試薬の結合の速度に依存する。測定の間の温度は、一般的には約10から約50℃、又は約15から約40℃の範囲をとる。
【0060】
アッセイされうる分析物の濃度は、一般的には約10−5から約10−17M 、より通常には約10−6から約10−14M で変化する。アッセイが定性的、半定量的又は定量的(試料中に存在する分析物の量に関係する)かどうか、特定の検出技術及び分析物の濃度を考慮することで、標準的には様々な試薬の濃度が決まる。
【0061】
アッセイ媒体中の様々な試薬の濃度は、一般的には、興味ある分析物の濃度幅、アッセイの特質などによって決定されるであろう。しかしながら、それぞれの試薬の最終濃度は、標準的には経験的に決定され、範囲の間のアッセイの感度を最適化する。つまり、有意な分析物の濃度の変動は、正確に計測可能なシグナルの差異を提供すればよい。シグナル生成システムの特質及び分析物の特質のような考察によって、標準的には様々な試薬の濃度が決まる。
【0062】
上述のとおり、試料及び試薬は、媒体に組み合わせて提供される。媒体へ添加する順番は変えてもよいが、本明細書において記載されているアッセイ形式のいくつかの実施態様について、好ましいものが存在する。最も単純な添加の順番は、勿論、全ての物質を同時に加え、そして、均一なアッセイにおけるように、アッセイ媒体がシグナルに対して有する効果を決定することである。あるいは、各々の試薬又は試薬群は、順次合わせることができる。いくつかの実施態様で、インキュベーション工程は、上記述べたとおりのそれぞれの添加に続いて行なってもよい。
【0063】
上述のとおり、先に述べたアッセイの実施態様は、粒子状の光増感剤試薬を用いる。その粒子は、透明又は部分的に透明であってもよい、有機又は無機、固体又は流体の、水不溶性物質を含んでもよい。前記粒子は、一般的には少なくとも約0.02ミクロンから最高で約100ミクロンまでの平均径を有する。いくつかの実施態様で、前記粒子は、約0.05ミクロンから約20ミクロン、又は約0.3ミクロンから約10ミクロンの平均経を有する。前記粒子は、有機又は無機、膨潤性又は非膨潤性、多孔質又は無孔性、好ましくは水に近似した密度、一般的には約0.7g/mLから約1.5g/mLであってもよく、透明、部分的に透明又は不透明であることができる物質で構成されていてもよい。前記粒子は、細胞及び微生物、例えば赤血球、白血球、リンパ球、ハイブリドーマ、連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、ウイルスなどのような生体物質であることができる。前記粒子はまた、有機及び無機ポリマー、リポソーム、ラテックス粒子、磁性又は非磁性粒子、リン脂質小胞、乳状脂粒、リポタンパク質などを含む粒子であることができる。いくつかの実施態様で、前記粒子はクロム粒子又はラテックス粒子である。
【0064】
実験工程
アッセイ方法の次の工程で、媒体を、分析物及び分析物に対する結合相手を含む複合体の存在について試験する。複合体の存在及び/又は量は、試料中の前記分析物の存在及び/又は量を示す。
【0065】
「分析物の量を計測する」という言葉は、分析物の定量的、半定量的及び定性的決定をいう。定量的、半定量的及び定性的である方法ならびに分析物を測定するための他のあらゆる方法が、分析物の量を計測する方法であると考えられる。例えば、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在又は非存在のみを検出する方法は、本発明の範囲に含まれると考えられる。用語「検出」及び「決定」ならびに計測を意味する他の一般的同義語は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0066】
多くの実施態様において、媒体の試験は、媒体からのシグナルの検出を含み、ここで、生成するシグナルは、本実施態様の化学発光組成物を使用することに起因して生成する。シグナルの存在及び/又は量は、試料中の分析物の存在及び/又は量に関係づけられる。具体的な検出モードは、spsの性質に依存する。上述したように、spsの標識が外部手段によって検出可能なシグナルを生成する数多くの方法がある。シグナル生成システムの活性化は、シグナル生成システムのメンバーの特質に依存する。光によって活性化される増感剤であるspsメンバーの場合、spsメンバーは光を照射される。本明細書の開示を考慮すると、他の活性化方法が当業者に示唆されるであろう。
【0067】
光増感剤を用いると、該光増感剤は、上記反応剤を含む媒体が照射されたときに化学発光試薬を活性化することを助ける。前記媒体は、光増感剤を励起状態に変換し、分子状酸素を一重項酸素へと活性化することができるようにするのに十分なエネルギーの波長を有する光で照射される。分析物に対する結合相手と結合するとき、前記光増感剤の濃度は非常に低くてもよく、しばしば約10−6から約10−12M 又はそれ以下である。一般的には、上記光増感剤を使用する実施態様について、媒体は、約300から約1200nm、又は約450から約950、又は約550から約800nmの波長を有する光を照射される。
【0068】
照射の期間は、本化学発光試薬の実施態様の、活性化された化学発光組成物の寿命ならびに光の強度及び所望の放射強度に依存する。短寿命の活性化された化学発光組成物について、前記期間は1秒未満、通常は約1ミリ秒であるが、強力な閃光灯又はレーザーが用いられる場合は、1マイクロ秒もの短さでもよい。長寿命の活性化された化学発光組成物について、照射期間はより長くすることができ、かつ弱い強度の安定した光源を使用することができる。一般的に、照射の期間にわたっての積算された光の強度は、光増感剤分子の少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも30%を励起するのに、そして最も好ましくは全光増感剤分子を少なくとも一度に励起するのに十分である。
【0069】
ヘリウム−ネオンレーザーは、632.6nmでの励起についての安価な光源である。この波長での光を吸収する光増感剤は、ヘリウム−ネオンレーザーの輝線と相性がよく、したがって、光増感剤を用いる本方法に特に有用である。他の光源は、例えば、アルゴン、YAG、He/Cd及びルビーのような他のレーザー;光ダイオード;水銀、ナトリウム及びキセノン蒸気ランプ;タングステン及びタングステン/ハロゲンのような白熱灯;及び閃光灯を含む。
【0070】
測定の間の温度は、一般的には約10°から約70℃、又は約20°から約45℃、又は約20°から約25℃の範囲である。一つのアプローチでは、標準曲線は、検査される既知濃度の分析物を用いて形成される。上記述べたとおり、較正器及び他の制御装置もまた用いてもよい。
【0071】
任意の上記アプローチで生じた発光又は光は、視覚的に、写真的に、光量測定的に(actinometrically)、分光光度法で又はその量を計測する任意の他の便利な手段によって計測することができ、それは媒体中の分析物の量に関連づけられる。シグナルの存在及び/又は量についての試験はまた、一般的にシグナルが読み取られる工程のみであるシグナルの検出を含む。シグナルは、標準的には、シグナルの特性に依存する計器を用いて読み取られる。前記計器は、分光光度計、蛍光光度計、吸光度計、照度計、ケミルミノメーター(chemiluminometer)などであってもよい。検出されたシグナルの存在及び量は、試料中に存在する分析物の存在および量に関連づけられる。
【0072】
ヘリウム−ネオンレーザーは、632.6nmでの励起についての安価な光源である。この波長での光を吸収する光増感剤は、ヘリウム−ネオンレーザーの輝線と相性がよく、したがって、光増感剤を用いる本方法に特に有用である。他の光源は、例えば、アルゴン、YAG、He/Cd及びルビーのような他のレーザー;光ダイオード;水銀、ナトリウム及びキセノン蒸気ランプ;タングステン及びタングステン/ハロゲンのような白熱灯;及び閃光灯を含む。
【0073】
アッセイを行うための試薬を含むキット
特定のアッセイを行うための本化学発光試薬及び他の試薬は、分析物を測定するためのアッセイを好都合に実施するために有用なキット中に存在することができる。いくつかの実施態様で、キットはパッケージ化された組み合わせとして、分析物複合体に対するビオチン結合相手の、ストレプトアビジン増感剤粒子及び本実施態様の非粒子状化学発光試薬を含み、ここで、化学発光試薬の分析物に対する結合相手は、前記分析物複合体に対するビオチン結合相手の一部である分析物に対する結合相手とは異なった、分析物上のエピトープを認識し、そして結合する。前記キットは、アッセイを実施するための他の試薬を含んでもよく、この試薬の特性は、特定のアッセイ形式に依存する。
【0074】
試薬は、各々分離した容器内にあってもよく、又は各種試薬は試薬の交差反応性及び安定性に依存して、一つ以上の容器内で合わせることができる。キットは、さらに追加のsbpメンバー、補助試薬などのような、アッセイを行うための、分離してパッケージされた他の試薬を含むことができる。
【0075】
キット中の各種試薬の相対的な量は、本方法中に起こらなければならない反応を実質的に最適化する試薬の濃度を提供し、さらに、アッセイの感度を実質的に最適化するために、広く変えることができる。適切な状況下、前記キット中の試薬の一つ以上を、賦形剤を含む、通常は凍結乾燥された乾燥粉末として提供することができ、それが溶解すると、本発明の方法又はアッセイを実施するのに適切な濃度を有する試薬溶液を提供する。前記キットはさらに、上記のような本発明の方法の説明書を含むことができる。
【0076】
本明細書で使用する「少なくとも」という言葉は、特定の品目の数が、列挙された数と同じであるか又はそれ以上であることを意味する。本明細書で使用する「約」という言葉は、列挙された数が、プラスマイナス10%異なってもよいことを意味する;例えば、「約5」は、4.5から5.5の範囲を意味する。表示「第一」及び「第二」は、もっぱら二つの品目、例えば、「第一のspsメンバー」及び「第二のspsメンバー」などを区別する目的で使用され、一つの品目の他に対する、いかなる配列、順序又は重要性も意味しない。
【0077】
以下の実施例は、さらに、例示的であって非限定的なものとして本発明の特定の実施態様を記載し、そしてそれは説明のためであって、本発明の範囲を限定するためではない。本明細書において開示されている部及びパーセンテージは、特に断りのない限り、体積である。
【0078】
実施例
材料:
検査は、Siemens Healthcare Diagnostics Inc., Newark DE.から入手可能なDIMENSION(商標)RxL分析器を用いて行った。計器は、誘起発光イムノアッセイ技術を用いて使用し、そして適切な読み取り機を備えた。
【0079】
他に示されない限り、試薬はSigma-Aldrich(Milwaukee, WI)から購入し、他に言及しない限り、受け取った状態で使用した。BHHCTは、Yuan J.及びMatsumoto K.(Anal. Biochem. 1998, 70: 596-601)に記載されたとおりに合成した。単クローン性抗体である抗TSH抗体は、公知の体細胞交雑方法によって調製した;例えば、Koehler及びMilstein, Nature 265:495-497, 1975を参照されたい。
【0080】
試料の純度は、規定の溶媒を用いての、Analtech Uniplate シリカゲルGF(0.25mm)ガラス背面プレート上で実施する、分析薄層クロマトグラフィー(TLC)によって分析した。TLCのスポットは、紫外光(短及び/又は長波長)及び/又はヨウ素蒸気によって可視化した。フラッシュクロマトグラフィーを、Whatman シリカゲル60Å(230〜400メッシュ)上で実施した。H−NMRスペクトルは、Bruker Ultrashiel(登録商標)-400(400MHz)分光計で記録した。ケミカルシフトは、内部標準としてのテトラメチルシラン基準での百万分率(ppm、δ)で記録した。NMRに用いた略語は、s(シングレット)、d(ダブレット)、m(マルチプレット)及びt(トリプレット)である。
【0081】
化合物II(図1)の調製:N−メチルアニリン(I)(25g、233.3mmol)及び5−ブロモ−吉草酸エチル(25g、119.6mmol)を、100ml丸底フラスコに加えた。フラスコの内容物を、撹拌しながら100℃で16時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、そして酢酸エチル(50mL)に注いだ。酢酸エチル溶液を、20%水酸化ナトリウム(3×50mL)で洗浄し;合わせた水酸化ナトリウム溶液を酢酸エチル(25mL)で1度逆抽出し、そして残った水酸化ナトリウム水溶液を廃棄した。合わせた酢酸エチル抽出物を、水(10mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。清澄な酢酸エチル溶液をロータリエバポレーターで濃縮乾固した。そのようにして得られた残留油状物を、高真空下での蒸留により(130〜134℃、0.5mmHg)精製して、無色の液体の化合物II 21gを得た。1H-NMR (CDCl3) δ: 7.18 (m, 2H), 6.68 (m, 3 H), 4.2 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.36 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 2.92 (s, 3H), 2.33 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.64 (m, 4H), 1.24 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0082】
化合物III(図1)の調製:オキシ塩化リン(POCl;5g、33mmol)を、撹拌したN,N−ジメチルホルムアミド(DMF;8.8g、120mmol)に0〜4℃で、滴下漏斗を通して10分間かけて滴下した。0〜4℃で10分間の後、化合物II(3.7g、15.96mmol)を一度に急激に加えた。化合物IIに用いたバイアルを、DMF 1mlですすぎ、そして該DMF溶液を、撹拌した反応混合物に加え、これを撹拌しながら100℃で1時間加熱した。反応混合物を室温に放冷し、そしてゆっくりと氷水の混合物に注いだ。水相を20%水酸化ナトリウムで中和し、そして酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル溶液を水(20mL)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。清澄な有機溶液を減圧下で濃縮乾固した。得られた油状の残留物を、酢酸エチル/ジクロロメタン(9/1;v/v)を用いてフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物III 2.46gを得た。1H-NMR (CDCl3) δ: 9.72 (s, 1H), 7.18 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.68 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.22 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.40 (m, 2H), 3.05 (s, 3H), 2.35 (t, J = 8.0 Hz, 2H ), 1.65 (m, 4H), 1.25 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0083】
化合物IV(図1)の調製:シアン化カリウム(1.0g、15.3mmol)を、60%エタノール15mL中の化合物III(2.46g、9.34mmol)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下で加えた。混合物を15分間加熱還流した。エタノール10mlに溶解したベンズアルデヒド(1.05g)を、還流した反応混合物に45分間かけて加えた。15分後、冷却した反応混合物を酢酸エチル(30mL)に注いだ。水相を分離し、そして酢酸エチル(3×30mL)で逆抽出した。合わせた酢酸エチル溶液をMgSOで乾燥させ、そして清澄な溶液を減圧下で濃縮乾固した。粗反応混合物を乾燥エタノール10mlに溶解し、トリメチルシリルクロリド0.25mlと混合し、16時間室温で撹拌した。反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(120mL)及びジクロロメタン(30mL)の混合物に注いだ。水相を分離し、そしてジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム(60ml)で洗浄し、そしてMgSOで乾燥させた。清澄な有機溶液を減圧下で濃縮乾固した。油状の残留物を、酢酸エチル/ヘキサン(1/5;v/v)を用いてのフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、化合物IV 196mgを得た。1H-NMR (CDCl3) δ: 7.84 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.34 (m, 5H), 6.54 (d, J = 8 Hz, 2H), 5.86 (d, J = 4 Hz, 1H), 4.86 (d, J = 4 Hz, 1H), 4.14 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.38 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 3.00 (s, 3H), 2.34 (t, J = 8.0 Hz, 2H ), 1.64 (m, 4H), 1.25 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0084】
化合物V(図1)の調製:乾燥トルエン8mL中の、化合物IV(176mg、0.476mmol)の撹拌した溶液を、チオエタノール(0.28ml、312mg、4.0mmol)及びトリメチルシリルクロリド(0.51mL、436mg、4.0mmol)と混合した。窒素下、還流下で24時間加熱した後、冷却した反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム(15mL)に注いだ。有機相を分離し、そして飽和重炭酸ナトリウム(10mL)で洗浄した。合わせた水相を、ジクロロメタン(3×30mL)で逆抽出し、そしてジクロロメタン抽出物を水(20mL)で洗浄した。合わせたジクロロメタン溶液をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮乾固した。油状の残留物を、酢酸エチル/ジクロロメタン(5/95;v/v)を用いた分取薄層クロマトグラフィーにより精製して、化合物V 93mgを得た。1H-NMR (CDCl3) δ: 7.20-7.04 (m, 7H), 6.50 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.48 (m, 2H), 4.12 (q, J = 8.0 Hz, 2H), 3.28 (m, 2H), 3.20 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 2.32 (t, J = 8.0 Hz, 2H ), 1.60 (m, 4H), 1.25 (t, J = 8.0 Hz, 3H)。
【0085】
化合物VI(図1)の調製:水酸化ナトリウム(30mg、0.75mmol)を、MeOH(1mL)−THF(2ml)−水(0.5mL)中の化合物V(28mg、0.068mmol)の撹拌した溶液に加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、そのときTLC分析は、いかなる出発生成物も存在しないことを示した。反応混合物を、水1.5mLに混合し、そして1N HClをゆっくり添加することによりpHを3.0に調整した。反応混合物を減圧下で蒸発乾固した。油状の残留物をジクロロメタン(50ml)に溶解し、そして水10mLで洗浄した。清澄な有機溶液をMgSOで乾燥させ、濾過し、そして濃縮乾固して、化合物VI 23.6mgを得た。FAB−MS(陰イオンモード)m/z:382[(M−H),100); 1H-NMR (CD3OD) δ: 7.15-7.09 (m, 7H), 6.81 (d, J = 8.0 Hz, 2 H), 4.47 (m, 2H), 3.35 (m, 2H), 3.22 (m, 2H), 2.97 (s, 3H), 2.31 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 1.58 (m, 4H)。
【0086】
BSA−連結チオキセンカルボキシラートの合成:チオキセンカルボキシラートVI(12.2mg;32mmol)を、DMF 0.5mLに溶解した。混合物をN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)(16mg;140mmol)のDMF 溶液0.1mL及びジシクロヘキシルカルボジイミド(16mg;79mmol)のDMF 溶液0.1mLと混合した。16時間周囲温度で撹拌した後、有機反応混合物を、100mMリン酸ナトリウム−0.2mMユーロピウムクロリド中、pH7.60のウシ血清アルブミン(BSA)(55mg;0.82mmol)の溶液5mLにゆっくりと加えた。4時間後、沈殿した固体を遠心分離によって分離し、廃棄した。清澄な溶液を、100mM重炭酸ナトリウム−0.2mMユーロピウムクロリド、pH8.20で平衡化し、そして溶出したSephadex G25カラム(2.6×30cm)に通した。タンパク質を含有している画分を合わせた。このようにして得られたBSA−チオキセンは、330nmにおける吸光係数1.33×10mole-1cm-1を利用して、タンパク質1モル当たり31チオキセン残基が組み込まれていると計算された。
【0087】
活性化BSA−チオキセンの調製:BSA−チオキセン(2mg/mLタンパク質;0.36mmol)の溶液12mLを、sulfoSMPB(スルホスクシンイミジル[4−[−マレイミドフェニル]ブチラート]);26.2mmol)の10mg/mL溶液1.2mLと混合した。3時間周囲温度の後、タンパク質溶液を、100mMリン酸ナトリウム−200μMユーロピウムクロリド、pH6.0で平衡化し、そして溶出したSephadex G25 カラム(2.6×30cm)を通すことにより過剰な試薬から分離した。
【0088】
IgG−BSA−チオキセンの調製:上記からの活性化BSA−チオキセンと還元抗体とのカップリングを、抗TSH抗体(上記複合体中、「IgG」と表示される)の溶液3.0mLを、100mM リン酸ナトリウム−5.0mM EDTA中の、ジチオスレイトール100mM 溶液0.33mL、pH6.0と混合することによって実施した。37℃で1時間加熱した後、タンパク質溶液を、100mM リン酸ナトリウム−200μM ユーロピウムクロリド、pH6.0で平衡化及び溶出したSephadex G25カラム(1.6×30cm)に通した。還元抗体は、タンパク質のモル当たり、遊離スルフヒドリルを7.2モル含むと計算された。タンパク質19mg(136μモル)を含むこの還元抗体の溶液7.3mLを、タンパク質31mg(463μモル)を含む活性化BSA−チオキセン28mLと混合し、そしてpHを7.0に調整した後、反応混合物を3mLに濃縮した。4℃で16時間後、反応混合物を、N−エチルマレイミドの20mg/mL水溶液50μLでクエンチした。タンパク質溶液を、次に50mM Hepes−300mM NaCl−0.2%ポリエチレングリコール(PEG8000)−0.2mMユーロピウムクロリド、pH8.0で平衡化及び溶出した、AcA−34カラム(1.6×70cm)を通すゲル濾過によって精製した。カラムから溶離した第一のタンパク質のピークに対応する画分をプールし、そして硫酸ネオマイシン0.25mg/mLの存在下で貯蔵した。
【0089】
IgG−BSA−チオキセンとBHHCTの反応:タンパク質約1mg/mLを含む、上記からのIgG−BSA−チオキセン溶液5mLを、BHHCT 4.5mgを含むBHHCTのDMF溶液0.5mLと混合した。反応混合物を、周囲温度で16時間振とうし、そして3000rpmで10分間遠心分離し、そして清澄な溶液を、50mM Hepes−300mM NaCl−0.2%ポリエチレングリコール(PEG8000)−0.2mMユーロピウムクロリド、pH8.0で平衡化および溶出した、Sephadex G50カラム(2.6×30cm)に通した。タンパク質含有画分をプールし、そして硫酸ネオマイシン0.25mg/mLの存在下で貯蔵し、IgG−BSA−(チオキセン)(BHHCT)を得た。
【0090】
IgG−BSA−(チオキセン)(BHHCT)を利用するアッセイ:上記からのIgG−BSA−(チオキセン)−(BHHCT)を、0.2%PEG8000、2mg/mL BSA、50μM EuCl、1μM DPP、0.15% Proclin300(商標)及び0.2mg/mL 硫酸ネオマイシンを含有する50mM HEPES緩衝液に1:100で希釈した。このようにして、上記試薬のBHHCTはインサイツでEu(BHHCT)DPPを形成した。Dimension Vista(商標)TSH Flex(商標)(カタログ番号K6412、ロット番号06229AB)の5〜8ウェルの内容物を除去し、そしてウェルを脱イオン水ですすぎ、上記からの希釈した試薬(IgG−BSA−(チオキセン)−(Eu(BHHCT)DPP)で再び満たした。ビオチン化抗TSH抗体(R1、ウェル1〜4)及びストレプトアビジンセンシビーズ(光増感剤ビーズ)(R3、ウェル9〜12)を含有するウェルをそのままにしておいた。6段階 LOCI(商標)1較正器(カタログ番号KC660、ロット番号6BD036)を、このFlex(商標)及びVista(商標)TSH法パラメータ(Vista(商標)ソフトウェア2.0)を用いるVISTA(商標)で試験した。較正曲線は、図2に示し、ここで、kcountsは、キロカウント(kilocounts)であり、TSHは、甲状腺刺激ホルモンである。LOCI(商標)シグナル内での分離は、レベルB及びA間で2.2倍ならびにレベルF及びA間で101倍である。N=3の同時%CVは、較正器BからFにおいて1.1%から6.3%の範囲をとった。結果は、図3に示す。
【0091】
(IgG−BSA−(チオキセン)−(Eu(BHHCT)DPP)で1:100に希釈した、Flex(商標)を2〜8℃で保存し、そしてLOCI(商標)1較正器を用いて定期的に試験した。16日間かけて、全ての非−ゼロ較正器(BからF)についてのLOCI(商標)のシグナルは、0日の値の10%以内であった。結果を図4及び5に示す。
【0092】
本明細書において引用される全ての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願それぞれが参照によって組み込まれることを特定的かつ個別に指定されるかのごとく、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0093】
前記発明は、理解しやすくするための図解及び例としていくらか詳細に説明したが、当業者には、本発明の教示に鑑みて、添付の特許請求の範囲の真意又は範囲を逸脱することなく、特定の変更及び改変を加えることができることが容易に理解されよう。さらには、前記記載は、説明のために、発明の徹底的な理解を提供するために特定の術語を使用した。しかしながら、当業者には、本発明を実施するために具体的な詳細が求められないということが明らかであろう。したがって、本発明の具体的な実施態様の前記記載は、例示及び説明のために提示されたものであって、網羅的でないこと又は本発明の開示されたとおりの形態に限定することを意図したものではない。上記教示に鑑みれば、多くの改変及び変形が可能である。上記実施態様は、本発明の原理及びその実用的適用を説明し、それにより、当業者が本発明を使用することを可能にするために選択され、記載されたものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬が、非粒子状であり、かつ分析物に対する結合相手ならびにオレフィン性化合物及び金属キレートを含む化学発光組成物を含む、分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための、化学発光試薬。
【請求項2】
前記分析物に対する結合相手が、結合又は連結基によって前記化学発光組成物に共有結合している、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項3】
前記分析物に対する結合相手が、連結基によって前記化学発光組成物に共有結合しており、ここで、該連結基が、親水性高分子を含む、請求項2記載の化学発光試薬。
【請求項4】
前記オレフィン性化合物及び金属キレートが、前記分析物に対する結合相手が共有結合している前記連結基の同じ分子に結合する、請求項3記載の化学発光試薬。
【請求項5】
前記オレフィン性化合物及び金属キレートが、前記分析物に対する結合相手が共有結合している前記連結基の分離した分子に結合し、ここで、前記連結基が同じでも異なっていてもよい、請求項3記載の化学発光試薬。
【請求項6】
前記親水性高分子が、ポリペプチド、デンドリマー、ポリカルボン酸、ポリアミン、ポリスルフヒドリル及びポリエチレングリコールからなる群より選択される、請求項3記載の化学発光試薬。
【請求項7】
前記分析物に対する結合相手が、特異的な結合ペアによって前記化学発光組成物に非共有結合し、ここで、前記特異的な結合ペアの一つのメンバーが前記分析物に対する結合相手に、そして前記特異的な結合ペアの他方のメンバーが前記化学発光組成物に、結合又は連結基によって結合する、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項8】
前記分析物に対する結合相手が、特異的な結合ペアによって前記化学発光組成物に非共有結合し、ここで、前記特異的な結合ペアの一つのメンバーが前記分析物に対する結合相手に、そして前記特異的な結合ペアの他方のメンバーが前記化学発光組成物に、連結基によって結合し、ここで、前記連結基がタンパク質である、請求項7記載の化学発光試薬。
【請求項9】
前記オレフィン性化合物及び金属キレートが、前記分析物に対する結合相手が非共有結合している前記連結基の同じ分子に結合する、請求項8記載の化学発光試薬。
【請求項10】
前記オレフィン性化合物及び金属キレートが、前記分析物に対する結合相手が非共有結合している前記連結基の分離した分子に結合し、ここで、前記連結基が同じでも異なっていてもよい、請求項8記載の化学発光試薬。
【請求項11】
前記親水性高分子が、タンパク質である、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項12】
前記特異的な結合相手が、(i)小分子及び該小分子に対する結合相手、及び(ii)巨大分子及び該巨大分子に対する結合相手からなる群より選択される、請求項7記載の化学発光試薬。
【請求項13】
前記金属キレートの金属が、希土類金属又は第VIII族金属である、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項14】
前記金属が、ユーロピウム、テルビウム、ジスプロシウム、サマリウム、オスミウム及びルテニウムからなる群より選択される、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項15】
前記金属キレートが、NHA、BHHT、BHHCT、DPP、TTA、NPPTA、NTA、TOPO、TPPO、BFTA、2,2−ジメチル−4−パーフルオロブチオイル(butyoyl)−3−ブタノン(fod)、2,2’−ジピリジル(bpy)、ビピリジルカルボン酸、アザクラウンエーテル、アザクリプタンド及びトリオクチルホスフィンオキシドならびにそれらの誘導体からなる群より選択されるキレート化剤を含む、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項16】
前記オレフィン性化合物が、チオキセン、ジオキセン、エノールエーテル、エナミン、9−アルキリデンキサンタン、9−アルキリデン−N−アルキルアクリダン、アリールビニルエーテル、アリールイミダゾール及びルシゲニンならびにそれらの誘導体からなる群より選択される、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項17】
前記金属がユーロピウムであり、前記キレート化剤がBHHCTであり、そして前記オレフィン性化合物がチオキセンのカルボキシル誘導体である、請求項1記載の化学発光試薬。
【請求項18】
分析物を含有することが疑われる試料中の分析物の存在及び/又は量を決定するための方法であって、下記:
(a)媒体中の、下記:
(i)試料、
(ii)試薬が非粒子状であり、かつ金属キレート及びオレフィン性化合物を含む化学発光組成物に結合している前記分析物に対する結合相手を含む化学発光試薬、及び
(iii)一重項酸素を生成することができる増感剤、の組み合わせを提供すること、
(b)該組み合わせを、前記分析物に対する特異的な結合ペアのメンバーへの、前記分析物の結合のための条件に付すこと、及び
(c)増感剤を活性化し、前記化学発光組成物によって生じた発光の量を検出すること(発光の量は前記試料中の分析物の量に相関する)を含む方法。
【請求項19】
前記分析物に対する結合相手が、連結基によって前記化学発光組成物に共有結合し、ここで、前記連結基が、親水性高分子を含む、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記分析物に対する結合相手が、特異的な結合ペアによって前記化学発光組成物に非共有結合し、ここで、前記特異的な結合ペアの一つのメンバーが前記分析物に対する結合相手に、そして前記特異的な結合ペアの他方のメンバーが前記化学発光組成物に、連結基によって結合し、ここで、前記連結基が親水性高分子を含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記分析物に対する結合相手が前記増感剤に結合し、該増感剤が粒子を含む、請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−520378(P2012−520378A)
【公表日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−554072(P2011−554072)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際出願番号】PCT/US2010/025433
【国際公開番号】WO2010/104683
【国際公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(508147326)シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド (23)
【Fターム(参考)】