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非経口初回抗原刺激後の粘膜追加免疫
説明

非経口初回抗原刺激後の粘膜追加免疫

【課題】種々の抗原(現在、効果的なワクチンおよび/または処置が有るか無しかの病原体または癌を含む)に対する粘膜および全身の免疫を増強する組成物および方法を提供することを、本発明の解決すべき課題とする。
【解決手段】被験体において免疫応答をもたらす方法であって、(a)1つ以上のポリペプチド抗原を含む第1の免疫原性組成物を非経口投与する工程、および;(b)1つ以上の抗原を含む第2の免疫原性組成物を経粘膜投与する工程、を包含し、これらによって被験体における免疫応答を誘導する、方法を提供することによって、上記課題が解決された。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、抗原による非経口初回抗原刺激後の1つ以上の同じまたは別の抗原の粘膜免疫に関する。後の免疫応答を誘導するためのこれらの粘膜追加免疫系の使用はまた、記載される。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
種々の病原体に対する免疫(特に粘膜免疫)を呼び起こすワクチンの開発は、好ましい。多くの疾患の原因病原体(例えば、細菌、ウイルス、寄生生物、および他の微生物)が、粘膜表面を介して感染される。
【0003】
粘膜表面を介して感染されると考えられる1つの例は、捕捉された免疫不全症候群(AIDS)である。AIDSは、現代医学が直面している最大の健康脅威の1つとして認識されており、そして世界中のHIV性感染は、AIDSを引き起こす原因である。今なお、AIDSの治療もワクチンも存在しない。
【0004】
1983年〜1984年において、3つのグループが別々にAIDSの疑わしい病因因子を同定した。例えば、非特許文献1〜5を参照のこと。これらの単離は、様々に、リンパ節症関連ウイルス(LAV)、ヒトT細胞リンパ増殖性ウイルスIII型(HTLV−III)、またはAIDS関連ウイルス(ARV)と呼ばれた。これらの単離体全てが、同じウイルス株であり、そして後に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)と集合的に名付けられた。関連するAIDS原因ウイルスの単離について、当初HIVと呼ばれた株は、現在HIV−1と呼ばれ、そしてその関連ウイルスは、HIV−2と呼ばれる。例えば、Guyaderら(1987)Nature 326:662−669;Brun−Vezinetら(1986)Science 233:343−346;Clavelら(1986)Nature 324:691−695を参照のこと。従って、世界中で、HIV感染の処置および/または予防に適する組成物もしくは方法の必要性が、当該分野において存在する。
【0005】
HIVウイルスについての多くの情報が集められ、そしてHIVによってコードされるenv遺伝子産物、Gag遺伝子産物、pol遺伝子産物、またはtat遺伝子産物を含む、ワクチン開発のためのいくつかの標的が、試験されている。ネイティブHIVおよび合成HIVがコードしているポリヌクレオチドによる免疫は、例として記載されるように、共有に係るPCT/US99/31245および本明細書中に引用される文献において記載されている。さらに、ワクチンを同定するための種々の試みにおいて、HIVをコードするポリヌクレオチドが投与されている。(例えば、Bagarazziら(1999)J.Infect.Dis.180:1351−1355;Wangら(1997)Vaccine 15:821−825を参照のこと)。CTL応答を誘発し得るHIVのマトリクス/キャプシドドメインを保有している、複製能力を有するベネズエラウマ脳脊髄炎(VEE)αウイルスベクターは、動物において皮下に投与されている(Caleyら(1997)J.Virol.71:3031−3038)。さらに、シンドビスウイルス由来のαウイルスベクターもまた、動物においてHIV gag−特異的応答を誘発することが示されている(Gardnerら(2000)J.Virol.74:11849−11857)。同様に、HIVペプチドもまた、動物被験体に投与されている。(Staatsら(1997)AIDS Res Hum Retroviruses 13:945−952;Belyakov(1998)J.Clin.Invest.102:2072)。
【0006】
粘膜表面を介して感染され得る細菌の1つの例は、Neisseria meningitidis(N.meningitidisまたはN.men.)である。Neisseria meningitidisは、細菌性髄膜炎および細菌性敗血症の原因因子である。髄膜炎菌は、被膜抗原および細胞壁抗原免疫学的特性に基づく血清学的群に分類される。現在認識されている血清型としては、A、B、C、W−135、X、Y、Zおよび29Eが挙げられる。血清型特異性の原因であるポリサッカリドは、これらの群のいくつかから精製されており、A、B、C、W−135、およびYが挙げられる。WO 00/66791;WO 99/24578;WO 00/71574;WO 99/36544;WO 01/04316;WO 99/57280;WO 01/31019;WO
00/22430;WO 00/66741;WO 00/71725;WO 01/37863;WO 01/38350;WO 01/52885;WO 01/64922;WO 01/64920;WO 96/29412;およびWO 00/50075をまた参照のこと。
【0007】
N.meningitidis 血清型B(本明細書中で、「MenB」または「NmB」と呼ばれる)は、米国およびヨーロッパに住んでいる乳児および子供における細菌性髄膜炎の多きな割合を占めている。この生物はまた、若い成人において致死的な敗血症を引き起こす。思春期に、外部膜タンパク質(OMP)ビヒクルからなる試験的なMenBワクチンは、幾分か保護性である。しかし、保護は、ワクチン接種を受けた乳児(疾患の最も高い危険性である年齢群)においては観察されなかった。さらに、OMPワクチンは、血清型−表現型−特異的であり、そして優性のMenB株は、このようなワクチンの有用性を制限する、地理的変動および時間的変動の両方に共される。
【0008】
有効な被膜ポリサッカリドベースのワクチンは、血清型A、C、YおよびW135によって引き起こされる髄膜炎菌疾患に対して開発されてきた。さらに、MenB/MenCワクチンの組み合わせが記載されている。WO 99/61053を参照のこと。しかし、MenBポリサッカリドワクチンを開発するための同様の試みは、被膜MenBポリサッカリド(本明細書中で「MenB PS」と呼ばれる)の弱い免疫原性に起因して失敗した。MenB PSは、(N−アセチル(α2−>8))ノイラミン酸のホモ単量体である。Escherichia coli K1は、同一の皮膜ポリサッカリドを有する。MenB PSによって誘発される抗体は、宿主ポリシアル酸(PSA)と交差反応する。PSAは、胎児および新生児の組織において、特に脳組織において発見された神経細胞接着分子(「NCAM」)上に、大量に発現される。PSAはまた、腎臓、心臓、および嗅神経を含む成人組織において、より少ない程度で見出される。従って、ほとんどの抗MenB PS抗体がまた、自己抗体である。従って、このような抗体は、胎児発達に悪影響を与える可能性、または自己免疫疾患を引き起こす可能性を有する。
【0009】
MenB PS誘導体は、MenB PSの弱い免疫原性を回避するための試みにおいて調製されている。例えば、C−C N−アシル−置換MenB PS誘導体が、記載されている。JenningsらへのEP公報第504,202 Bを参照のこと。同様に、Jenningsらへの米国特許第4,727,136号は、本明細書中において「NPr−MenB PS」と称されるN−プロピオニル化MenB PS分子を記載する。NPr−MenB PS 複合糖質により免役されたマウスは、高力価のIgG抗体を誘発することが報告された。Jenningsら、(1986)J.Immunol.137:1708。ウサギにおいて、2つの異なる抗体の集団が、誘導体を用いて産生され、この2つの異なる抗体は、称するところによれば、2つの異なるエピトープに結合し、一つはネイティブのMenB PSによって共有され、そして1つは共有されない。殺菌活性は、MenB PSと交差反応しない抗体集団において見出される。Jenningsら、(1987)J.Exp.Med.165:1207。この結合体によって誘発される保護抗体と反応する細菌表面エピトープの本質は、未知のままである。また、このワクチンによって誘発される抗体のサブセットが、宿主のポリシアル酸との自己反応性を有する(Granoffら、(1998)J.Immunol.160:5028)ので、ヒトにおけるこのワクチンの安全性は、不確かなままである。従って、MenBに対する安全かつ効果的なワクチンの産生が特に望ましいことは、容易に理解される。
【0010】
癌(腫瘍)抗原は、安全かつ効果的なワクチンを有すること望まれる抗原のなお別の多様なクラスを形成する。(例えば、Moingeon(2000)Vaccine 19:1305−1326;Rosenberg(2001)Nature 411:380−384を参照のこと)。種々の腫瘍特異的抗原が同定されており、そして試みは、細胞全体の溶解物または特徴付けられていない腫瘍溶解物に基づくワクチンの開発するために行われている。Moingeon、前出。しかし、現在のところ、種々の癌に対する立証されたワクチンは存在しない。
【0011】
免疫の特定の初回抗原刺激−追加免疫方法が記載されている。特に、ポリヌクレオチドに関する遺伝的免疫は、記載されているとおりである。(例えば、WO 01/81609;WO 00/11140;Cooneyら、(1993)Proc Nat’l Acad Sci USA 90(5):1882−1886(HIV−1エンベロープを発現している組換えワクシニア(vac/env)ウイルスによる筋内初回抗原刺激および組換えバキュロウイルス由来のgpl60糖タンパク質(rgpl60)による筋内追加免疫による免疫応答の誘導を記載している);Bruhlら、(1998)AIDS Res Hum Retroviruses 14:401−407(組換えワクシニアによる、粘膜初回抗原刺激、続いて非経口初回抗原刺激を記載している);およびEoら、(2001)J.Immunol.166:5473−5479(HSVのgBタンパク質を発現している組換えワクシニアウイルスによる、粘膜初回抗原刺激および粘膜追加免疫を記載している)を参照のこと)。Leeら、(1999)Vaccine 17:3072−3082は、組換えHelicobacter pyloriウレアーゼワクチンを用いた、粘膜初回抗原刺激および非経口の追加免疫のレジメンを記載する。
【0012】
しかし、これらまたは他の研究にも関わらず、種々の抗原(現在、効果的なワクチンおよび/または処置が有るか無しかの病原体または癌を含む)に対する粘膜および全身の免疫を増強する組成物および方法の必要性が残っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Barre−Sinoussiら、(1983)Science 220:868−871
【非特許文献2】Montagnierら、Human T−Cell Leukemia Viruses(Gallo,Essex&Gross編、1984)
【非特許文献3】Vilmerら(1984)The Lancet 1:753
【非特許文献4】Popovicら(1984)Science 224:497−500
【非特許文献5】Levyら(1984)Science 225:840−842
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
(発明の要旨)
本発明は、非経口初回抗原刺激によって、続いて粘膜追加免疫によって、哺乳動物における免疫応答を生じるための方法を提供する。
【0015】
1つの局面において、被験体における免疫応答を生成する方法が記載されている。この方法は、以下の工程を包含する:(a)1つ以上のポリペプチド抗原を含む第1の免疫原性組成物を非経口的に投与する工程、および;(b)1つ以上の抗原を含む第2の免疫原性組成物を粘膜に投与する工程であって、これによって、被験体において免疫応答を誘導する、工程。
【0016】
別の局面において、腫瘍抗原に対する免疫応答を生成する方法が記載されており、この方法は、以下の工程を包含する:(a)1つ以上の腫瘍抗原を含む第1の免疫原性組成物を非経口的に投与する工程、および;(b)1つ以上の腫瘍抗原を含む第2の免疫原性組成物を粘膜に投与する工程。
【0017】
この粘膜投与は、例えば、直腸内、鞘膜内または鼻腔内であり得る。さらに、本明細書中に記載されるいずれかの方法において、非経口投与は、例えば、経皮的であり得る。第1および/または第2の免疫原性組成物はさらに、1つ以上のさらなる薬剤(例えば、アジュバンド、および/または送達ビヒクル(例えば、PLGの様な微粒子)を含み得る。
【0018】
特定の実施形態において、少なくとも1つの抗原は、細菌(例えば、Neisseria meningitidisの亜群A、亜群Bおよび/または亜群C(例えば、莢膜オリゴ糖抗原単独またはCRM197に結合した);Haemophilus influenzae、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus agalactiae)由来である。他の実施形態において、少なくとも1つの抗原は、ウイルス(例えば、A型肝炎ウイルス(HAV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)、インフルエンザ、B型肝炎ウイルス(HBV)、単純ヘルペスウイルス(HSV)、C型肝炎ウイルス(HCV)および/またはヒトパピローマウイルス(HPV)由来である。なお他の実施形態において、少なくとも1つの抗原は、腫瘍由来である。
【0019】
本明細書中に記載されるいずれかの方法において、免疫応答は、体液性および/または細胞性であり得、そしてさらに、全身性免疫応答(例えば、IgG産生)、粘膜免疫応答(例えば、IgA産生)あるいは全身性応答および粘膜応答の組み合わせであり得る。本明細書中に記載される方法は、1つ以上の病原体(例えば、細菌、ウイルス、腫瘍など)に対する免疫応答を生じるために使用され得る。
【0020】
本明細書中に記載されるいずれかの方法において、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物は、同じ病原体(例えば、細菌、ウイルスおよび/または腫瘍)由来の抗原を含み得る。特定の実施形態において、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物は、同じものである。他の実施形態において、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物は、例えば、同じ病原体由来の異なる抗原、抗原の異なる形態、異なる病原体由来の抗原および/または異なるアジュバンドを有することによって、異なる。
【0021】
本明細書中に記載されるいずれかの方法において、この免疫原性組成物は、全てまたは一部分の、1つ以上の抗原をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む。特定の実施形態において、第1の免疫原性組成物はさらに、1つ以上の抗原をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む。他の実施形態において、第2の免疫原性の抗原の全てまたはいくつかが、1つ以上の ポリヌクレオチドによってコードされる。
【0022】
さらに、本明細書中に記載されるいずれかの方法において、本明細書中に記載される方法はさらに、工程(a)および/または工程(b)を含む工程を1回以上繰り返すことを包含する。特定の局面において、工程(b)は、2回以上実施される。工程(b)の粘膜投与の間の時間間隔は、時間、日数、月数または年数であり得る。特定の実施形態において、繰り返される工程は、同じ免疫原性組成物か、あるいは異なる免疫原性組成物を用いて実施される。
【0023】
従って、本発明の目的は、非経口の免疫応答の初回抗原刺激に続く粘膜の追加免疫のための代替方法または改善された方法を提供することである。本発明は、哺乳動物における免疫応答を引き起こすための方法(第1の免疫原性組成物の非経口投与、続く第2の免疫原性組成物の粘膜投与を含む方法)を提供する。この粘膜投与はさらに、粘膜のアジュバンド(例えば、CpG含有オリゴ、生物接着性ポリマー、あるいはE.coliの易熱性エンテロトキシン(entertoxin)(「LT」)またはそれらの無毒化された変異体、あるいはコレラ毒素(「CT」)またはその無毒化された変異体、あるいは生分解性または無毒の物質から形成された微粒子)の使用を含む。この非経口投与は、好ましくは、非経口アジュバンド(例えば、ミョウバンなど)の使用をさらに含む。特定の実施形態において、微粒子は、免疫原性組成物の送達のために使用される。
【0024】
第1の免疫原性組成物は、非経口的に投与される。非経口投与の適切な経路としては、筋内経路、皮下経路、静脈内経路、腹腔内経路、真皮内経路、経皮性(transcutaneous)経路、または経皮性(transdermal)経路、ならびに組織の間質性空間への送達が挙げられる。1つの実施形態において、非経口の初回抗原刺激は、筋内経路を介する。この第1の免疫原性組成物は、好ましくは、代表的に、滅菌されかつ発熱物質を含まない、注射可能な形態において、非経口投与に適応される(例えば、WO 99/43350を参照のこと)。特定の実施形態において、この第1の免疫原性組成物は、非経口アジュバンドまたは免疫学的アジュバンドを含む。さらに、この第1の免疫原性組成物は、生分解性または無毒の微粒子上に吸着され得る。第2の免疫原性組成物は、粘膜に投与される。粘膜投与の適切な経路としては、経口経路、経鼻腔経路、胃内経路、肺性経路、腸管経路、直腸経路、眼の経路および腟経路が挙げられる。鼻腔内投与または経口投与が、好ましい。
【0025】
特定の局面において、第2の免疫原性組成物は、好ましくは、粘膜投与に適応し得る。組成物が、経口投与用である場合、錠剤またはカプセル剤の形態であり得、必要に応じて、腸溶性、液状、トランスジェニック植物などであり得る。この組成物が、経鼻投与用である場合、鼻内噴霧、点鼻液(nasal drops)、ゲルまたは散剤の形態であり得る。特定の実施形態において、第2の免疫原性組成物はさらに、粘膜アジュバンドを含む。適切なアジュバンドとしては、以下が挙げられる:CpG含有オリゴ、生物接着性ポリマー(WO 99/62546およびWO 00/50078を参照のこと);E.coliの易熱性エンテロトキシン(「LT」)またはそれらの無毒化された変異体、あるいはコレラ毒素(「CT」)またはその無毒化された変異体、あるいは生分解性または無毒の物質から形成された微粒子。好ましいLT変異体としては、K63、またはR72が挙げられる。例えば、PCT EP92/03016;PCT IB94/00068;PCT IB96/00703およびPCT IB97/00183を参照のこと。
【0026】
他の局面において、第1の免疫原性組成物および/または第2の免疫原性組成物は、微粒子に吸着される。特定の実施形態において、第1の免疫原性組成物および/または第2の免疫原性組成物において使用される微粒子は、直径100nm〜150nmであり、より好ましくは、直径200nm〜30μmであり、そして最も好ましくは、直径500nm〜10μmであり、そして、例えば、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリカプロラクトンなどから作成される。例えば、WO 00/06123およびWO 98/33487を参照のこと。
【0027】
本発明の使用に適切な免疫原性組成物としては、ウイルス、細菌、寄生生物、真菌および/または癌抗原をコードする、タンパク質および/またはポリヌクレオチドが挙げられる。
【0028】
本発明の種々の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照する際に証拠となる。さらに、種々の参照は、より詳細な特定の手順または組成物(例えば、プラスミドなど)において記載され、以下に示される。
【0029】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1) 被験体において免疫応答をもたらす方法であって、
(a)1つ以上のポリペプチド抗原を含む第1の免疫原性組成物を非経口投与する工程、および;
(b)1つ以上の抗原を含む第2の免疫原性組成物を経粘膜投与する工程、
を包含し、これらによって被験体における免疫応答を誘導する、方法。
(項目2) 前記経粘膜投与が鼻腔内投与である、項目1に記載の方法。
(項目3) 前記経粘膜投与が直腸内投与である、項目1に記載の方法。
(項目4) 前記経粘膜投与が膣内投与である、項目1に記載の方法。
(項目5) 前記非経口投与が経皮的である、項目1に記載の方法。
(項目6) 前記第1の免疫原性組成物が、微粒子をさらに含む、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7) 前記第2の免疫原性組成物が、微粒子を用いて送達される、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目8) 前記微粒子がPLGを含む、項目6または7に記載の方法。
(項目9) 前記免疫応答が全身性の免疫応答である、項目1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10) 前記免疫応答が、粘膜の免疫応答である、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11) 前記免疫応答が、1つ以上の病原体に由来する抗原に対してもたらされる、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12) 前記病原体が、細菌である、項目11に記載の方法。
(項目13) 前記細菌が、Neisseria meningitidisである、項目12に記載の方法。
(項目14) 前記細菌が、Neisseria meningitidisのサブグループBである、項目13に記載の方法。
(項目15) 前記細菌が、Neisseria meningitidisのサブグループCである、項目13に記載の方法。
(項目16) 前記抗原がカプセルのオリゴ糖である、項目15に記載の方法。
(項目17) 前記サッカリドがCRM197に結合体化される、項目16に記載の方法。
(項目18) 前記細菌が、Haemophilus influenzae B型(HIB)である、項目12に記載の方法。
(項目19) 前記細菌が、Streptococcus pneumoniaeである、項目12に記載の方法。
(項目20) 前記細菌が、Streptococcus agalactiaeである、項目12に記載の方法。
(項目21) 前記病原体が、ウイルスである、項目11に記載の方法。
(項目22) 前記ウイルスが、A型肝炎ウイルス(HAV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、RSウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)、インフルエンザ、B型肝炎ウイルス(HBV)、単純疱疹ウイルス(HSV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、およびヒトパピローマウイルス(HPV)からなる群から選択される、項目21に記載の方法。
(項目23) 前記ウイルスが、HIV−1である、項目22に記載の方法。
(項目24) 前記ウイルスが、RSVである、項目22に記載の方法。
(項目25) 前記ウイルスが、PIVである、項目22に記載の方法。
(項目26) 前記ウイルスが、HCVである、項目22に記載の方法。
(項目27) 前記抗原の1つ以上が、腫瘍抗原である、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目28) 前記第1および第2の免疫原性組成物が、同じ病原体由来の抗原を含む、項目1〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29) 前記第1および第2の免疫原性組成物が同じである、項目28に記載の方法。
(項目30) 前記第2の免疫原性組成物が、前記第1の免疫原性組成物の抗原とは異なる少なくとも1つの抗原を含む、項目28に記載の方法。
(項目31) 前記第1および第2の免疫原性組成物が、異なる病原体由来の抗原を含む、項目1〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目32) 前記第1の免疫原性組成物が、1つ以上の抗原をコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドをさらに含む、項目1〜31のいずれか1項に記載の方法。
(項目33) 前記第2の免疫原性の抗原の1つ以上が、1つ以上のポリヌクレオチドによってコードされる、項目1〜32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34) 前記第2の免疫原性組成物の抗原が、ポリヌクレオチドを含む、項目1〜33のいずれか1項に記載の方法。
(項目35) 工程(a)が、2回以上実行される、項目1〜34のいずれか1項に記載の方法。
(項目36) 工程(b)が、2回以上実行される、項目1〜35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37) 被験体において腫瘍抗原に対する免疫応答をもたらす方法であって、
1つ以上の腫瘍抗原を含む第1の免疫原性組成物を非経口投与する工程、および;
1つ以上の腫瘍抗原を含む第2の免疫原性組成物を経粘膜投与する工程、
を包含する、方法。
(項目38) 前記第1の免疫原性組成物が、前記腫瘍抗原をコードする1つ以上のポリヌクレオチドを含む、項目37に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、全身性初回抗原刺激および粘膜追加免疫免疫の後のHIVエンベロープペプチドに対する血清抗体および膣の抗体の応答の増強を示すグラフを示す。グレーのバーは、膣洗浄液からの力価を示し、一方で斜線のストライプのバーは、血清抗体を示す。種々の様式の送達およびアジュバントが、この水平軸上のバーの下に示される。
【図2】図2は、元の初回抗原刺激追加免疫の18ヶ月後の1回の筋肉内(IM)記憶追加免疫または鼻腔内(IN)記憶追加免疫によるHIVエンベロープ特異的血清IgG力価(ELISAによって測定される)を示すのグラフである。種々の様式の送達およびアジュバントが、この水平軸上のバーの下に示される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施は、他に示されない限り、当業者の範囲内の従来の化学方法、生化学方法、分子生物学方法、免疫学方法および薬理学方法を利用する。このような技術は、文献中に完全に説明されている。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版(Easton,Pennsylvania:Mack Publishing Company,1990);Methods In Enzymology(S.ColowickおよびN.Kaplan編,Academic
Press,Inc.);ならびにHandbook of Experimental Immunology,第I〜IV巻(D.M.WeirおよびC.C.Blackwell編,1986,Blackwell Scientific Publications);Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual(第2版、1989);Handbook of Surface and Colloidal Chemistry(Birdi,K.S編、CRC Press、1997);Short Protocols in Molecular Biology,第4版(Ausubelら編、1999、John Wiley & Sons);Molecular Biology Techniques:An Intensive Laboratory Course(Reamら編,1998,Academic Press);PCR(Introduction to Biotechniques Series)、第2版(Newton & Graham編,1997,Springer Verlag);PetersおよびDalrymple,Fields Virology(第2版)Fieldsら(編)B.N.Raven Press,New York,NYを参照のこと。
【0032】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その文脈が明らかに他を示さない限り、複数形の参照を含む。従って、例えば、「抗原(単数形)」に対する言及は、2つ以上のこのような因子の混合物を含む。
【0033】
本発明を示す前に、本明細書中以降で使用される特定の用語の定義を最初に示す。
【0034】
「ポリヌクレオチド」とは、生物学的に活性な(例えば、免疫学的または治療的)タンパク質またはポリペプチドをコードする核酸分子である。このポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの特性に依存して、ポリヌクレオチドは、10程度に少ないヌクレオチドを含み得る(例えば、このポリヌクレオチドが抗原をコードする場合)。さらに、「ポリヌクレオチド」は、二本鎖配列および一本鎖配列の両方を含み得、そしてウイルスMRNA、原核生物MRNA、または真核生物MRNA由来のcDNA、ウイルス(例えば、RNAウイルスおよびDNAウイルスならびにレトロウイルス)または原核生物DNA由来のゲノムRNA配列およびゲノムDNA配列、特に、合成DNA配列をいうがこれらに限定されない。この用語はまた、DNAおよびRNAの任意の公知の塩基アナログを含む配列を包含し、そしてその核酸配列が治療タンパク質または抗原性タンパク質をコードする限りので、ネイティブな配列に対する、欠失、付加、および置換(一般的に天然において保存的である)のような改変を含む。これらの改変は、部位特異的変異誘発のように、意図的であり得るか、または抗原を産生する宿主の変異を介してのように偶発的であり得る。ポリヌクレオチドの改変は、任意の数の効果(例えば、宿主細胞におけるポリペプチド産物の発現を促進することが挙げられる)を有し得る。
【0035】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、アミノ酸残基のポリマーをいい、そして最少の長さの産物に限定されない。従って、ペプチド、オリゴペプチド、ダイマー、マルチマーなどは、この定義内に含まれる。全長タンパク質およびそのフラグメントの両方が、この定義によって含まれる。この用語はまた、ポリペプチドの発現後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などを含む。さらに、本発明の目的に関して、「ポリペプチド」は、そのタンパク質が所望の活性を維持する限りは、ネイティブな配列に対する欠失、付加および置換(一般的に、天然において保存的である)などの改変を含むタンパク質をいう。これらの改変は、意図的であり得るか(例えば、部位特異的変異誘発を介して)、または偶発的であり得る(例えば、タンパク質を産生する宿主の変異もしくはPCR増幅に起因するエラーを介して)。さらに、以下の効果:毒性の軽減;細胞プロセシング(例えば、分泌、抗原提示など)の促進;ならびにB細胞および/またはT細胞に対する提示の促進、の1つ以上を有する改変がなされ得る。
【0036】
「融合分子」は、2つ以上のサブユニットの分子が(好ましくは、共有結合で)連結された分子である。このサブユニット分子は、同じ化学的型の分子であり得るか、または異なる化学的型の分子であり得る。これらの融合分子の例としては、融合ポリペプチド(例えば、2つ以上の抗原間の融合物)および融合核酸(例えば、本明細書中に記載される融合ポリペプチドをコードする核酸)が挙げられるが、これらに限定されない。融合分子を作製する方法については、Sambrookら、前出およびAusubelら、前出もまた参照のこと。
【0037】
「抗原」は、体液性抗原特異的応答および/または細胞性抗原特異的応答を生成するように宿主の免疫系を刺激する1つ以上のエピトープ(線状、コンフォメーショナルのいずれか、または両方)を含む分子をいう。この用語は、用語「免疫原」と交換可能に使用される。通常、エピトープは、約3〜15アミノ酸、一般的には約5〜15アミノ酸の間を含む。通常、B細胞エピトープは、少なくとも5アミノ酸を含むが、これは3〜4アミノ酸ほど小さいものでもあり得る。T細胞エピトープ(例えば、CTLエピトープ)は、少なくとも約7〜9アミノ酸を含み、そしてヘルパーT細胞エピトープは、少なくとも12〜20アミノ酸を含む。通常、エピトープは、約7アミノ酸と15アミノ酸との間のアミノ酸(例えば、9、10、12、または15アミノ酸)を含む。用語「抗原」は、サブユニット抗原(すなわち、その抗原が天然で会合する生物全体から、隔離または分離されている抗原)、および殺傷されたか、弱毒化されたかまたは不活性化された、細菌、ウイルス、真菌、寄生生物または他の微生物ならびに細胞表面レセプターの細胞外ドメインおよびT細胞エピトープを含み得る細胞内部分を含む腫瘍抗原の両方を示す。抗体(例えば、抗イディオタイプ抗体)またはそのフラグメント、および合成ペプチドミモトープ(mimotope)(これは、抗原または抗原決定基を模倣し得る)もまた、本明細書中に使用されるような抗原の定義の下に捕えられる。同様に、インビボにおいて(例えば、遺伝子治療およびDNA免疫適用において)抗原または抗原決定基を発現するオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドもまた、本明細書の抗原の定義内に含まれる。
【0038】
所定のタンパク質のエピトープは、当該分野において周知の任意の数のエピトープマッピング技術を用いて同定され得る。例えば、Epitope Mapping Protocols in Methods in Molecular Biology、Vol.66(Glenn E.Morris編、1996)Humana Press、Totowa、New Jerseyを参照のこと。例えば、線状エピトープが、例えば、固体支持体上の多数のポリペプチドを同時に合成し(このペプチドは、このタンパク質分子の部分に対応する)そしてこれらのペプチドがこれらの支持体になお付着したままで、ここれらのペプチドと抗体とを反応させることによって決定され得る。このような技術は、当該分野において公知であり、例えば、米国特許第4,708,871号;Geysenら、(1984)Proc.Nat’l Acad Sci.USA 81:3998−4002;Geysenら、(1986)Molec.Immunol 23:709−715に記載される。
【0039】
同様にして、コンフォメーショナルエピトープは、アミノ酸の空間的なコンフォメーションを決定することによって(例えば、X線結晶学および核磁気共鳴によって)容易に同定され得る。例えば、Epitope Mapping Protocols前出を参照のこと。
【0040】
本発明の目的に関して、抗原は、以下により完全に記載されるように、腫瘍および/または任意のいくつかの既知のウイルス、細菌、寄生生物および真菌から誘導され得る。この用語はまた、種々の腫瘍抗原のいずれかまたは免疫応答が所望される任意の他の抗原を意図する。さらに、本発明の目的に関して、「抗原」は、本明細書中に規定されるように、そのタンパク質が免疫学的応答を誘発する能力を維持する限りは、ネイティブな配列に対する欠失、付加および置換(一般的に、天然において保存的である)のような改変を含むタンパク質をいう。これらの改変は、意図的であり得るか(例えば、部位特異的変異誘発を介して)、または偶発的であり得る(例えば、抗原を産生する宿主の変異を介して)。
【0041】
抗原または組成物に対する「免疫学的応答」は、目的の組成物中に存在する抗原に対する被験体における体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答の発生である。本発明の目的に関して、「体液性免疫応答」は、抗体分子によって媒介される免疫応答をいい(分泌(IgA)分子またはIgG分子を含む)、一方、「細胞性免疫応答」は、Tリンパ球および/もしくは他の白血球によって媒介される免疫応答である。細胞性免疫の1つの重要な局面は、細胞溶解性T細胞(「CTL」)による抗原特異的応答を含む。CTLは、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)によってコードされ、そして細胞の表面上に発現されるタンパク質と共に提示されるペプチド抗原に対して、特異性を有する。CTLは、細胞内微生物の破壊またはこのような微生物で感染された細胞の溶解を、誘導および促進するように補助する。細胞性免疫の別の局面は、ヘルパーT細胞による抗原特異的応答を含む。ヘルパーT細胞は、その表面上にMHC分子と共にペプチド抗原を提示する細胞に対して、非特異的なエフェクター細胞の機能を刺激し、そしてその非特異的なエフェクター細胞の活性に焦点をあわせるように補助するように作用する。「細胞性免疫応答」はまた、サイトカイン、ケモカイン、ならびに活性化T細胞および/または他の白血球によって産生される他のこのような分子の産生をいい、これには、CD4+ T細胞、およびCD8+ T細胞由来の分子が挙げられる。さらに、ケモカイン応答は、投与された抗原に応答して種々の白血球または内皮細胞によって誘導され得る。
【0042】
細胞性免疫応答を惹起する組成物またはワクチンは、その細胞表面でのMHC分子と会合した抗原の提示によって、脊椎動物被験体を感作するために役立ち得る。その細胞媒介性免疫応答は、その表面に抗原を提示する細胞にかまたはその細胞付近に対する。さらに、抗原特異的Tリンパ球が、免疫された宿主の将来的防御を可能にするために生成され得る。
【0043】
特定の抗原が細胞媒介性免疫応答を刺激する能力は、多数のアッセイにより決定され得、そのようなアッセイは、例えば、リンパ増殖(リンパ球活性化)アッセイ、CTL細胞傷害性細胞アッセイ、または感作された被験体におけるその抗原に特異的なTリンパ球についてのアッセイである。そのようなアッセイは、当該分野で周知である。例えば、Ericksonら、J.Immunol.(1993)151:4189−4199;Doeら、Eur.J.Immunol.(1994)24:2369−2376を参照のこと。細胞媒介性免疫応答を測定する最近の方法としては、細胞内サイトカインまたはT細胞集団によるサイトカイン分泌の測定(例えば、ELISPOT技術による)、あるいはエピトープ特異的T細胞の測定(例えば、テトラマー技術による)(McMichael,A.J.およびO’Callaghan,C.A.,J.Exp.Med.187(9):1367−1371,1998;Mcheyzer−Williams,M.G.ら、Immunol.Rev.150:5−21,1996;Lalvani,A.ら、J.Exp.Med.186:859−865,1997により概説される)が、挙げられる。
【0044】
従って、本明細書中で使用される場合、免疫学的応答は、CTLおよび/またはヘルパーT細胞の生成もしくは活性化を刺激する応答であり得る。ケモカインおよび/またはサイトカインの生成もまた、刺激され得る。目的の抗原は、抗体媒介性免疫応答も惹起し得る。従って、免疫学的応答は、以下の効果のうちの1つ以上を包含し得る:B細胞による抗体(例えば、IgAまたはIgG)の生成;ならびに/あるいは目的の組成物またはワクチン中に存在する抗原に特異的に指向されるサプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、もしくはヘルパーT細胞および/またはγδT細胞の活性化。これらの応答は、感染性を中和し、そして/または抗体−補体依存性細胞傷害性または抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を媒介して、免疫された宿主に対して防御を提供するように作用し得る。そのような応答は、当該分野で周知である、標準的免疫アッセイおよび中和アッセイを使用して、決定され得る。
【0045】
「免疫原性組成物」は、被験体へのその組成物の投与が、目的の抗原性分子に対する体液性免疫応答および/または細胞性免疫応答の発生を被験体において生じる、抗原性分子を含む組成物である。この免疫原性組成物は、レシピエント被験体中に直接(例えば、注射によって、吸入によって、経口投与経路によって、鼻内投与経路によって、または他の任意の非経口もしくは粘膜(例えば、直腸内もしくは膣内)投与経路によって)導入され得る。
【0046】
「サブユニットワクチン」によって、目的の病原体(例えば、ウイルス、細菌、寄生生物、または真菌)に由来する抗原に由来するかまたはその抗原と相同である、選択された1つ以上の抗原(しかし、すべての抗原ではない)を含む、ワクチン組成物が意味される。そのような組成物は、インタクトな病原性細胞も病原性粒子も、またはそのような細胞もしくは粒子の溶解物も実質的に含まない。従って、「サブユニットワクチン」は、その病原体から少なくとも部分的に精製された(好ましくは、実質的に精製された)免疫原性ポリペプチド、またはそのアナログから調製され得る。従って、そのサブユニットワクチン中に含まれる抗原を得る方法としては、標準的精製技術、組換え生成、または合成生成が挙げられ得る。
【0047】
「非経口」によって、消化器管外での(例えば、皮下投与、筋内投与、経皮(transcutaneous)投与、皮内(intradermal)投与または静脈内投与による)体内への導入が意味される。これは、粘膜表面(例えば、口腔粘膜表面、鼻腔粘膜表面、膣粘膜表面または直腸粘膜表面)への送達と対照的である。従って、「粘膜」とは、任意の粘膜表面を介した(例えば、経鼻腔的、経口的、経膣的、経直腸的などの)体内への導入を意味する。
【0048】
「同時投与」によって、身体または標的細胞への2つ以上の組成物の導入が意味される。この用語は、任意の順序での投与または同時の投与を含む。
【0049】
本明細書中で使用される場合、用語「微粒子」とは、直径約100nm〜約150μmの粒子、より好ましくは直径約200nm〜約30μm、最も好ましくは直径約500nm〜約10μmの粒子をいう。好ましくは、この微粒子は、針およびキャピラリーをふさぐことなく非経口投与を可能とする直径のものである。微粒子の大きさは、当該分野において周知の技術(例えば、光子衝突分光学、レーザーディフラクトメトリー、および/または走査型電子顕微鏡)によって容易に決定される。
【0050】
本明細書における使用のための微粒子は、滅菌可能であり、非毒性であり、そして生分解性の材料から形成される。そのような材料としては、限定せず、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリオルトエステル、ポリ無水物が挙げられる。好ましくは、本発明での使用のための微粒子は、ポリ(α−ヒドロキシ酸)、特にポリ(ラクチド)(「PLA」)またはD,L−ラクチドおよびグリコリドもしくはグリコール酸のコポリマー(例えば、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)(「PLG」または「PLGA」))、またはD,L−ラクチドおよびカプロラクトンのコポリマーから誘導される。これらの微粒子は、種々の分子量を有し、そしてコポリマー(例えば、PLG)の場合、種々のラクチド:グリコリド比を有する種々の重合出発物質のいずれからも誘導され得、これらの選択は、主として、同時投与される抗原に一部依存する選択である。これらのパラメーターは、以下でより詳細に議論される。
【0051】
「免疫調節因子」とは、免疫応答を調節(特に増強)し得る分子(例えば、タンパク質)をいう。免疫調節因子の非限定的例としては、リンホカイン(サイトカインとしても公知)(例えば、IL−6、TGF−β、IL−1、IL−2、IL−3など);およびケモカイン(例えば、分泌タンパク質(例えば、マクロファージ阻害因子))が、挙げられる。特定のサイトカイン(例えば、TRANCE、flt−3L、および分泌形態のCD40L)は、APCの免疫刺激能力を増強し得る。本発明の実施において単独でかまたは組み合わせて使用され得るサイトカインの非限定的例としては、インターロイキン−2(IL−2)、幹細胞因子(SCF)、インターロイキン3(IL−3)、インターロイキン6(IL−6)、インターロイキン12(IL−12)、G−CSF、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、インターロイキン−1α(IL−1α)、インターロイキン−11(IL−11)、MIP−1γ、白血球阻害因子(LIF)、c−kitリガンド、トロンボポエチン(TPO)、CD40リガンド(CD40L)、腫瘍壊死因子関連活性化誘導性サイトカイン(TRANCE)およびflt3リガンド(flt−3L)が、挙げられる。サイトカインは、いくつかの供給業者(例えば、Genzyme(Framingham,MA)、Amgen(Thousand Oaks,CA)、R&D Systems and Immunex(Seattle,WA))から市販されている。これらの分子の多くの配列はまた、例えば、GenBankデータベースから入手可能である。通に明示的に記載されるわけではないが、野生型サイトカインまたは精製サイトカイン(例えば、組換え生成されたサイトカインまたはその変異体)と類似する生物学的活性を有する分子、およびこれらの分子をコードする核酸が、本発明の趣旨および範囲内で使用されるように意図されることが意図される。免疫調節因子は、本明細書中に記載される組成物の1つ、いくつかまたは全てと共に含まれ得るか、あるいは別個の処方物として使用され得る。
【0052】
「被験体」とは、脊椎動物亜門の任意のメンバーを意味し、脊椎動物亜門としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:チンパンジー、および他のサル、およびサル種のような非ヒト霊長類を含む、ヒトおよび他の霊長類;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマのような家畜;イヌおよびネコのような家庭用哺乳類;マウス、ラット、およびモルモットのようなげっ歯類を含む実験動物;家庭用鳥類、野生の鳥類、およびニワトリ、七面鳥、他のキジ鳥、アヒル、ガチョウのような狩猟鳥類を含む鳥類等を含む。この用語は、特定の年齢を示さない。従って、成体の個体および新生の個体の両方が、網羅されることが意図される。これらの脊椎動物の全ての免疫系は、類似して機能するので、前述の系は、前述の脊椎動物種のいずれかおいて使用することが意図される。
【0053】
「脊椎動物の被験体」とは、脊椎動物亜門の任意のメンバーを意味する。脊椎動物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない:ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ、およびヒトのような哺乳類;イヌおよびネコのような家庭用動物;ならびに家庭用鳥類、野生の鳥類、およびニワトリ、七面鳥および他のキジ鳥を含む雄鳥および雌鳥のような狩猟鳥類を含む鳥類。この用語は、特定の年齢を示さない。従って、成体の動物および新生の動物の両方が、網羅されることが意図される。
【0054】
「薬学的に受容可能」または「薬理学的に受容可能」とは、生物学的ではない物質か、またはさもなければ望ましくない物質を意味する。すなわち、この物質は、望ましくない生物学的影響を起こすことがないか、または含まれる組成物の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することのない処方物または組成物で個体に投与され得る。
【0055】
高分子および/または微粒子の用語「有効な量」、または用語「薬学的に有効な量」とは、本明細書中で提供される場合、非毒性であるが、所望の応答(例えば、免疫学的応答、および対応する治療効果、または治療タンパク質の送達の場合、以下に定義される被験体に対する処置を効果的なものにするのに十分な量)を提供する、高分子および/または微粒子の十分な量をいう。以下に示されるように、必要とされる正確な量は、被験体の種、年齢、および一般条件、処置される状態の重症度、および目的の特定の高分子、投与様式等に依存して、被験体ごとに変えられる。任意の個体の場合における適切な「有効な」量は、慣用的実験を使用して当業者によって決定され得る。
【0056】
「薬学的に受容可能」または「薬理学的に受容可能」とは、生物学的でないか、またはさもなければ望ましくない材料を意味する。すなわち、この材料は、望ましくない生物学的影響を起こすことがないか、または含まれる組成物の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することのない微粒子処方物と共に、個体に投与され得る。
【0057】
「生理学的pH」または「生理学的な範囲内のpH」とは、約7.2〜8.0の範囲内に含まれるpH、より代表的には約7.2〜7.6の範囲内に含まれるpHを意味する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「処置」とは、任意の(i)伝統的ワクチンのように、感染予防または再感染予防、(ii)症状の軽減またはその除去、および(iii)問題となる病原体または障害の実質的除去または完全な除去をいう。処置は予防的に(感染前に)、または治療的に(感染後に)もたらされ得る。
【0059】
(A.抗原)
本明細書に記載される非経口初回抗原刺激粘膜追加免疫(parenteral prime−mucosal boost)法は、1つ以上の抗原(または、これらの抗原をコードするポリヌクレオチド)の非経口投与、および粘膜投与を含み得る。本発明の目的のために、実質的に任意のポリペプチド、またはポリヌクレオチドが使用され得る。抗原は、いくつかの公知のウイルス、細菌、寄生生物および真菌類のいずれか、ならびに種々の腫瘍抗原のいずれか、または免疫応答が所望される任意の他の抗原に由来し得る。さらに、本発明の目的のために、「抗原」とは、タンパク質が、免疫学的応答を惹起する能力を維持する限り、ネイティブの配列に対する欠失、付加、および置換(天然において、一般的に保存的である)のような、改変を含むタンパク質をいう。これらの改変は、あたかも部位特異的変異誘発のように意図的であり得るか、またはあたかも抗原を産生する宿主の突然変異のように偶発的であり得る。本発明の実行において、特に有用である抗原は、感染するか、または粘膜表面を通って伝達される病原体由来のポリペプチド抗原を含む。粘膜表面を通って伝達される病原体、およびそれら由来の抗原の限定されない代表的な例としては、以下が挙げられる:細菌病原体に由来する抗原(例えば、Neisseria
meningitidis、Streptococcus agalactia、Haemophilus influenzae、Streptococcus pneumoniae、クラミジア、淋病、および梅毒)、ウイルス病原体(例えば、ヒト免疫不全症ウイルス(「HIV」)、B型肝炎ウイルス、およびC型肝炎ウイルス(それぞれ、「HBV」および「HCV」)、ヒト乳頭腫(Papiloma)ウイルス(「HPV」)、単純ヘルペスウイルス(「HSV」)等に由来する抗原、ならびに寄生生物抗原、真菌類抗原、および癌抗原。Chlamydia pneumoniaeおよびChlamydia trachomatisの考察については、Kalmenら(1999)Nature Genetics 21:385−389;Readら(2000)Nucleic Acids Research 28:1397−1406;Shiraiら(2000)J.Infect.Dis.181(補遺3):S524−S527;WO 99/27105;WO 00/27994;WO 00/37494;WO 99/28457を参照のこと。
【0060】
本発明の状況において利用される場合、「免疫学的部分」とは、適切な条件下で、免疫応答(例えば、細胞媒介性または体液性)を惹起し得る、各々の抗原の一部分をいう。「部分」は、変わり得る大きさであり得るが、好ましくは、少なくとも9個のアミノ酸の長さであり、そして抗原全体を含み得る。細胞媒介性免疫応答は、主要組織適合遺伝子複合体(「MHC」)クラスIの提示、MHCクラスIIの提示、または両方の提示によって媒介され得る。当業者には明らかであるが、本明細書中で記載されるこれらの抗原の種々の免疫原性の部分は、本明細書中で記載されるように投与される場合、免疫応答を誘導するために合わされ得る。
【0061】
さらに、免疫原性の部分は、少なくとも9個のアミノ酸の長さであり、そして抗原全体を含み得ることが、一般的に好ましいが、これらの免疫原性の部分は、変化し得る長さであり得る。T細胞のエピトープは、潜在的なTヘルパー部位およびCTL部位についてのコードする領域を走査するために、TSITES(MedImmune,Maryland)のようなコンピュータアルゴリズムを利用して予測され得るが、特定の配列の免疫原性は、しばしば予測することが難しい。この分析から、ペプチドが合成され、そしてインビトロでの細胞傷害性アッセイにおける標的として使用される。しかし、他のアッセイもまた、利用され得、例えば、新たに導入されるベクターに対する抗体の存在を検出するELISA、ならびにγ―インターフェロンのアッセイ、IL−2産生のアッセイ、および増殖のアッセイのような、Tヘルパー細胞を試験するアッセイを含む。
【0062】
任意の抗原のうちの免疫原性の部分はまた、他の方法によっても選択され得る。例えば、HLA A2.1トランスジェニックマウスは、ウイルス抗原のヒトT細胞認識についてのモデルとして、有用であることが示されている。簡単にいえば、インフルエンザウイルスの系、およびB型肝炎ウイルスの系では、マウスT細胞レセプターのレパートリーが、ヒトT細胞によって認識される同一の抗原決定基を認識する。両方の系では、HLA A2.1トランスジェニックマウスにおいて発生するCTL反応は、HLA A2.1ハプロタイプのヒトCTLによって認識されるエピトープと実質的に同一のエピトープに対して指向される。(Vitielloら(1991)J.Exp.Med.173:1007−1015;Vitielloら(1992)Abstract of Molecular Biology of Hepatitis B Virus Symposia)。
【0063】
さらなる免疫原性の部分は、例えば、種々の領域(例えば、HIVゲノムか、または1つ以上のMenBエピトープ)に由来する1つ以上のエピトープを含む、種々の部位においてコード配列を短縮化することによって得られ得る。上記のように、このようなドメインは、Gag、Gag−ポリメラーゼ、Gag−プロテアーゼ、逆転写酵素(RT)、インテグラーゼ(IN)およびEnvのような、構造的ドメインを含む。この構造的ドメインは、しばしば、以下のポリペプチドにさらに細分化される:例えば、p55、p24、p6(Gag);p160、p10、p15、p31、p65(pol,prot、RTおよびIN)およびgp160,gp120,およびgp41(Env.)。HIV、および他の性感染病のさらなる、エピトープは、公知であるか、または当業者に公知の方法を使用して、簡単に決定され得る。また、本発明に含まれるものは、例えば、PCT/US99/31245、PCT/US99/31273、およびPCT/US99/31272に記載されているような、ポリペプチドの分子改変体である。
【0064】
抗原は、単独で使用され得るか、または任意の組み合わせで使用され得る。(例えば、細菌抗原の組み合わせの使用を記載しているWO 02/00249を参照のこと)。この組み合わせは、同一の病原体に由来する複数の抗原、異なる病原体に由来する複数の抗原、または同一および異なる病原体に由来する複数の抗原を含み得る。従って、細菌、ウイルス、腫瘍および/または他の抗原が、同一の組成物に含まれ得るか、または別々に同一の被験体に投与され得る。免疫応答を惹起するのに使用される抗原の組み合わせが、組み合わせて使用されることは、一般的に好ましい。複数の病原体、または抗原に対する免疫化は、非経口送達について(投与回数が減少される)両方とも有利であるが、粘膜ワクチン(例えば、鼻腔内ワクチン)および粘膜送達にとってはあまり重要ではない。なぜならば、患者のコンプライアンスが改善され、そして、薬剤の輸送/貯蔵が促進されるからである。さらに、本明細書中で記載される場合、免疫化は、予防的または治療的のいずれかが使用され得る。
【0065】
(1.細菌に由来する抗原)
本明細書中に記載される本発明は、以下を引き起こす生物体に由来するような、多数の細菌抗原を共に使用することもまた見い出す:ジフテリア(例えば、Vaccinesの第3章,1998年、PlotkinおよびMortimer編(ISBN 0−7216−1946−0)を参照のこと)、スタフィロコッカス(例えば、Kurodaら(2001)Lancet 357:1225−1240に記載されているStaphylococcus aureus)、コレラ、結核、破傷風としてもまた公知のC.tetani(例えば、Vaccinesの第4章,1998年、PlotkinおよびMortimer編(ISBN 0−7216−1946−0)を参照のこと、ストレプトコッカスのA群およびB群(Streptococcus pneumoniae、Streptococcus agalactiae、およびStreptococcus pyogenesを含み、例えば、以下に記載されている:Watsonら(2000)Pediatr.Infect.Dis.J.19:331−332;Rubinら(2000)Pediatr Clin.North Am.47:269−284;Jedrzejasら(2001)Microbiol Mol Biol Rev 65:187−207;Schuchat(1999)Lancet 353:51−56;英国特許出願第0026333.5号;同第0028727.6号;同第015640.7号;Daleら(1999)Infect Dis Clin North Am 13:227−1243;Ferrettiら(2001)PNAS USA 98:4658−4663)、百日咳(例えば、Gusttafssonら(1996)N.Engl.J.Med.334:349−355;Rappuoliら(1991)TIBTECH 9:232−238を参照のこと)、髄膜炎、Moraxella catarrhalis(例えば、McMichael(2000)Vaccine 19 補遺1:S101−107を参照のこと)および以下のものを含むが、これらに限定されない他の病原性状態:Neisseria meningitides(A,B,C,Y)、Neisseria gonorrhoeae(例えば,WO 99/24578;WO 99/36544;およびWO 99/57280を参照のこと)、ヘリコバクター ピロリ(例えば、CagA、VacA、NAP、HopX、HopYおよび/またはウレアーゼ(例えば、WO 93/18150;WO 99/53310;WO 98/04702に記載されている))およびインフルエンザ(Haemophilus influenza)。B型インフルエンザ(HIB)(例えば、Costantinoら(1999)Vaccine 17:1251−1263を参照のこと)、Porphyromonas gingivalis(Rossら(2001)Vaccine 19:4135−4132)、およびそれらの組み合わせ。
【0066】
Neisseria Meningitides A、Neisseria Meningitides B、およびNeisseria Meningitides Cに由来する抗原の例は、以下の共同所有する特許出願に開示されている。PCT/US99/09346;PCT IB98/01665;PCT IB99/00103;WO 00/66791;WO 99/24578;WO 00/71574;WO 99/36544;WO 01/04316;WO 99/57280;WO 01/31019;WO 00/22430;WO 00/66741;WO 00/71725;WO 01/37863;WO 01/38350;WO 01/52885;WO 01/64922;WO 01/64920;WO 96/29412;WO 00/50075。
【0067】
MenBのMC58株の完全なゲノム配列は、Tettelinら Science(2000)287:1809に記載されている。血清の殺菌性抗体応答が惹起したいくつかのタンパク質は、全ゲノム配列決定によって同定されている。例えば、免疫原性組成物としては、以下に由来する外膜小胞(OMV)調製物を挙げられ得る:N.meningitidis血清型のB型(例えば、以下に開示されている:Bjuneら(1991)Lancet 338:1093−1096;Fukasawaら(1999)Vaccine 17:2951−2958;Rosenqvistら(1998)Dev.Biol.Stand.92:323−333)、またはサッカリド抗原N.meningitidis血清型のA型、C型、W135型および/またはY型(例えば、Constantinoら(1992)Vaccine 10:691−698;Constantinoら(1992)Vaccine 10:1251−1263を参照のこと)。これらの病原体に由来する多くのタンパク質は、保存された配列を有しており、そしてカプセル化されたMenB株上で表面曝露されるようである。Pizzaら Science(2000)287:1816。これらのタンパク質のうちの1つは、GNA33(ゲノム由来抗原)である。GNA33は、リポタンパク質であり、そしてこの予測されるアミノ酸配列は、E.coliおよびSynechocystis sp.に由来する膜結合溶解性ムレイントランスグリコシラ―ゼ(MltA)との相同性を示す。Lommatzschら J.Bacteriol.(1997)179:5465−5470.GNA33は、Neisseria meningitidis間で高度に保存される。Pizzaら Science(2000)287:1816。組み換えGNA33を用いて、免疫されたマウスは、カプセル化されたMenB株2996に対して測定される高い血清殺菌性の力価を生じた。この抗体応答の強さは、株2996から調製されたOMP小胞を用いて免疫された、コントロール動物の抗体応答の強さに類似した。しかし、防御抗体を惹起するGNA33による機構は、同定されなかったが、異なるMenB株に対する防御応答の大きさでもなかった。
【0068】
特定の実施形態においては、カプセルのサッカリドに由来する1つ以上の抗原は、使用される。このような適切なサッカリド抗原の限定されない例としては、S.pneumoniae、H.influenzae、およびN.meningitidisに由来する抗原が挙げられる。キャリアタンパク質に結合体化されたMenCオリゴ糖抗原は、例えば、以下に記載されている:米国特許第6,252,401号;国際公開WO 00/71725、および同WO 01/37863。これらの病原体に由来するサッカリド抗原、および他の病原体に由来するサッカリド抗原は公知であり、一般的にポリサッカリド結合体の調製物である。この結合体のサッカリド部分は、オリゴ糖(例えば、MW約1kDa〜約5kDa)を形成するために、ポリサッカリド(例えば、全長のポリリボシルリビトールホスフェート(PRP))、または加水分解されたポリサッカリド(例えば、酸加水分解による)であり得る。加水分解が行われる場合、この加水分解産物は、短すぎて、有効な免疫原性がないオリゴ糖を除去するために、大きさによって分類され得る。大きさで分別されたオリゴ糖は、好ましいサッカリド抗原である。CRMのようなキャリアに対するサッカリドの結合体は、例えば、Constantinoら(1992)Vaccine 10:691−698に記載されている。
【0069】
1つより多い病原体に由来する抗原、および/または特定の細菌の1つより多い血清型に由来する抗原が免疫原性組成物の調製に使用され得ることは、理解されるべきである。PrevnarTMは、例えば、S.pneumoniaeの約23の血清型に由来する7つの抗原(4,6B、9V、14、18C、19Fおよび23F)を含む。
【0070】
(2.ウイルスに由来する抗原)
粘膜表面を通って伝達され得るウイルスの限定されない例としては、髄膜炎、ライノウイルス、インフルエンザ、RSウイルス(RSV)、パラインフルエンザウイルス(PIV)等が挙げられる。例えば、本発明は、以下を含むヘルペスウイルスファミリーに由来する、広範な種々のタンパク質に対する免疫応答を刺激するための使用を見い出す:HSV−1糖タンパク質およびHSV−2糖タンパク質 gB、gD、gHのような、単純ヘルペスウイルス(HSV)1型、および(HSV)2型に由来するタンパク質;帯状ヘルペスウイルス(VZV)、EBウイルス(EBV)、CMV gBおよびgHを含むサイトメガロウイルス(CMV)に由来する抗原;ならびにHHV6およびHHV7のような、他のヒトヘルペスウイルスに由来する抗原。(例えば、サイトメガロウイルスのタンパク質コード量の総説については、Cheeら Cytomegaloviruses(J.K.McDougall編 Springer−Verlag 1990)pp.125−169;種々のHSV−1をコードするタンパク質の考察については、McGeochら J.Gen.Virol.(1988)69:1531−1574;HSV−1、およびHSV−2のgBタンパク質およびgDタンパク質、およびこれらをコードする遺伝子の考察については,米国特許第5,171,568号;EBVゲノム配列のタンパク質コード配列の同定については、Baerら Nature(1984)310:207−211;そしてVZVの総説については、DavisonおよびScott J.Gen.Virol.(1986)67:1759−1816を参照のこと)。
【0071】
肝炎ファミリーのウイルスに由来する抗原は、以下のものが挙げられる:A型肝炎ウイルス(HAV)(例えば、Bellら(2000)Pediatr Infect Dis.J.19:1187−1188;Iwarson(1995)APMIS 103:321−326を参照のこと)、B型肝炎ウイルス(HBV)(例えば、Gerlichら(1990)Vaccine 8 補遺:S63−68および79−80を参照のこと)C型肝炎ウイルス(HCV)、デルタ型肝炎ウイルス(HDV)、E型肝炎ウイルス(HEV)、およびG型肝炎ウイルス(HGV)もまた、本明細書中に記載される技術において、簡便に使用され得る。例として、HCVウイルスのゲノム配列は、公知であり、この配列を得る方法も公知である。例えば、国際出願WO 89/04669;同WO 90/11089;および同WO 90/14436を参照のこと。このHCVゲノムは、以下を含むいくつかのウイルスのタンパク質をコードする:E1(Eとしてもまた公知)、およびE2(E2/NSIとしても公知)およびN―末端ヌクレオカプシドタンパク質(「コア」と命名された)(E1およびE2を含む、HCVタンパク質の考察については、Houghtonら Hepatology(1991)14:381−388を参照のこと)。これらのタンパク質の各々、ならびにこれらの抗原フラグメント、および/またはこれらのタンパク質をコードする核酸は、本発明における用途を見い出す。
【0072】
同様に、HDV由来のδ抗原の配列は公知であり(例えば、米国特許第5,378,814号を参照のこと)、そしてこの抗原はまた、本発明において都合よく使用され得る。さらに、HBV由来抗原(例えば、コア抗原、表面抗原、sAg)ならびにプレ表面配列、プレ−S1およびプレ−S2(プレ−Sと以前に呼ばれていた)、ならびに上記の組み合わせ(例えば、sAg/プレ−S1、sAg/プレ−S2、sAg/プレ−SI/プレ−S2およびプレ−SI/プレ−S2)は、本発明における使用が見出されている。例えば、HBV構造の議論については、「HBV Vaccines−from the laboratory to license:a case study」Mackett,M.およびWilliamson,J.D.,Human Vaccines and Vaccination,pp.159−176,;および米国特許第4,722,840号、同第5,098,704号、同第5,324,513号;Beamesら、J.Virol.(1995)69:6833−6838,Birnbaumら、J Virol.(1990)64:3319−3330;ならびにZhouら、J Virol.(1991)65:5457−5464を参照のこと。
【0073】
より詳細には、上記のいずれかのHIV単離物(HIVの種々の遺伝的サブタイプのメンバーを含む)由来のgp120エンベロープタンパク質は、公知であり、報告されている(種々のHIV単離物のエンベロープ配列の比較については、例えば、Myersら、Los Alamos Database,Los Alamos National Laboratory,Los Alamos,New Mexico(1992);Myersら、Human Retrovirusesおよび、4ids,1990,Los Alatiios,New Mexico:Los Alamos National Laboratory;ならびにModrowら、J Virol.(1987)61:570−578を参照のこと)。そして任意のこれらの単離物に由来する抗原は、本発明の方法において使用が見出される。さらに、本発明は、任意の種々のHIV単離物(任意の種々のエンベロープタンパク質(例えば、gp160およびgp41)、gag抗原(例えば、p24gagおよびp55gag)ならびにpol領域由来タンパク質を含む)に由来する他の免疫原性タンパク質に等しく適応可能である。
【0074】
さらに、異なる地理的地域に見出されるHIVのオープンリーディングフレーム大きな免疫学的多様性に起因して、抗原の特定の組み合わせは、特定の地理的地域における投与が好ましくあり得る。手短に言えば、HIVの少なくとも8つの異なるサブタイプが同定され、そしてこの8つのうちのサブタイプBウイルスは、北アメリカ、ラテンアメリカおよびカリブ海、ヨーロッパ、日本およびオートラリアでより流行している。ほとんど全てのサブタイプは、サブサハラアフリカに存在し、サブタイプAおよびDは中央アフリカおよび東アフリカを占め、そしてサブタイプCは、南アフリカを占める。サブタイプCはまた、インドで流行しており、そして近年、南ブラジルで同定された。サブタイプEは、タイで初めに同定され、そしてまた中央アフリカ共和国に存在する。サブタイプFは、ブラジルおよびローマで示された。多くの近年の示されたサブタイプは、Gでありロシアおよびガボンで見出され、そしてサブタイプHは、ザイールおよびカメルーンで見出される。グループOウイルスは、カメルーンまたガボンで同定されている。従って、当業者に明らかなように、一般的に、投与の地理的地域において流行性である特定のHIVサブタイプに適切である投与のためのベクターを構築することが好ましい。特定の地域のサブタイプは、二次元の二重免疫拡散によってか、またはその地域内の個体から単離されたHIVゲノム(またはそのフラグメント)をスクリーニングすることによって決定され得る。
【0075】
上記のように、多様なGag抗原およびEnv抗原はまた、HIVによって提示される。HIV−1 Gagタンパク質は、ウイルスのライフサイクル(アセンブリ、粒子放出後のウイルス粒子成熟およびウイルス複製の初期侵入後段階を含む)の多くの段階に関与する。HIV−1 Gagタンパク質の規定は、多数であり、そして複雑である(Freed,E.O.(1998)Virology 251:1−15)。
【0076】
本発明の配列をコードするEnvとしては、限定されないが以下が挙げられる:以下のHIVコードポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列:gp160、gp140およびgp120(例えば、HIV−1SF2(「SF2」)Envポリペプチドの記述については、米国特許第5,792,459号を参照のこと)。HIV−1のエンベロープタンパク質は、約160kD(gp160)の糖タンパク質である。宿主細胞へのウイルス感染の間、gp160は、宿主細胞のプロテアーゼによって切断されて、gp120および内在性膜タンパク質(gp41)を形成する。gp41部分は、ウイルス粒子の膜二重層に結合(架橋)するが、gp120セグメントは、周囲の環境へと突出する。gp120とgp41との間に共有結合が存在しないので、遊離のgp120は、ウイルス粒子の表面から放出され、細胞に感染する。従って、gp160は、gp120およびgp41のコード配列を含む。ポリペプチドgp41は、オリゴマー化ドメイン(OD)および膜貫通架橋ドメイン(TM)を含む様々なドメインからなる。ネイティブなエンベロープにおいて、オリゴマー化ドメインは、3つのgp41ポリペプチドの非共有結合性の会合に必要とされ、三量体構造を形成する:gp41三量体(およびそれ自体)との非共有結合性相互作用を介して、gp120ポリペプチドはまた、三量体構造に組織化される。切断部位(単数または複数)は、gp120のポリペプチド配列とgp41に対応するポリペプチド配列との間におそらく存在する。この切断部位(単数または複数)は、その部位での切断を防止するように変異され得る。gp41の膜貫通スパニングドメインが欠落する場合、この得られたgp140ポリペプチドは、gp160の短縮型形態に対応する。このgp140ポリペプチドは、gp41部分におけるオリゴマー化ドメインの存在によって、モノマー形態およびオリゴマー形態(すなわち三量体)の両方に存在し得、そしてオリゴマー形態は、「o」で示され得、例えば、「ogp140」はオリゴマーgp140をいう。切断部位が切断を防止するように変異され、そしてgp140の膜貫通部分が欠損する状況において、ポリペプチド産物は、「変異された」gp140を示し得る。これらの分野で明らかなように、切断部位は様々な方法で変異され得る(WO00/39302をまた参照のこと)。
【0077】
インフルエンザウイルスは、本発明が特に有用であるウイルスの別の例である。特に、インフルエンザAのエンベロープ糖タンパク質HAおよびエンベロープ糖タンパク質NAは、免疫応答を生成するために特に意図されるタンパク質である。インフルエンザAの多数のHAサブタイプが同定されている((Kawaokaら、Virology(1990)179:759−767;Websterら、「Antigenic variation among type A influenza viruses」,p.127−168.:P.PaleseおよびD.W.Kingsbury(編),Genetics of influenza viruses.Springer−Verlag,New York)。従って、任意のこれらの単離物由来タンパク質はまた、本明細書中に記載される組成物および方法で使用され得る。
【0078】
他のウイルス由来抗原はまた、限定しないが、本発明における用途(例えば、とりわけ、以下のメンバー由来のタンパク質における用途)が見出される:Picomaviridae科(例えば、ポリオウイルスなど(例えば、Sutterら(2000)Pediatr Clin North Am 47:287−308;Zimmerman &
Spann(1999)Am Fam Physician 59:113−118;125−126)に記載されるような);カルシウイルス科;トガウイルス科(例えば、風疹ウイルス、デング熱ウイルスなど);フラビウイルス科(フラビウイルス属(例えば、黄熱病ウイルス、日本脳炎ウイルス、デング熱ウイルスの血清型、ダニ媒介性脳炎ウイルス、西ナイルウイルス)を含む); ペスチウイルス属(例えば、古典的ブタ熱ウイルス、ウシウイルス性下痢性ウイルス、ボーダー病ウイルス);およびヘパシウイルス(例えば、米国特許第4,702,909号;同第5,011,915号;同第5,698,390号;同第6,027,729号;および同第6,297,048号に記載されるようなA型肝炎、B型肝炎およびC型肝炎);パルボウイルス科(例えば、パルボウイルスB19);コロナウイルス科;レオウイルス科;ビマウイルス科(Bimaviridae);ラボドウイルス科(Rhabodoviridae)(例えば、Dressenら(1997)Vaccine 15 Suppl:s2−6;MMWR Morb Mortal Wkly Rep.1998 Jan 16:47(1):12,19に記載される狂犬病ウイルスなど);フィロウイルス科;パラミクソウイルス科(Vaccines(1998,Plotkin & Mortimer編(ISBN 0−7216−1946−0))の9章〜11章に記載されるような例えば、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、風疹、RSウイルスなど;オルトミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウイルスA、BおよびC(例えば、Vaccines(1998,Plotkin & Mortimer編(ISBN 0−7216−1946−0))の19章に記載されるような);ブンヤウイルス科;アレナウイルス科;レトロウイルス科(例えば、HTLV−1;HTLV−11;HIV−1(HTLV−III、LAV、ARV、HTI、Rなどとしてもまた公知))、(限定されないが、単離物HIVIIIb、HIVSF2、HIVLAV、HIVI−AL、I−IIVMN由来の抗原を含む);HIV−I CM235、HIV−I IJS4;HIV−2;サル免疫欠損ウイルス(SIV)の膜由来タンパク質。さらに、抗原はまた、ヒトパピローマウイルス(HPV)およびダニ媒介性脳炎ウイルスに由来し得る。例えば、これらおよび他のウイルスの詳細については、Virology,第3版(W.K.Joklik編、1988);Fundamental Virology,第2版(B.N.FieldsおおよびD.M.Knipe,編、1991)を参照のこと。
【0079】
特定の実施形態において、1つ以上の抗原は、HIVに由来する。HIVの遺伝子は、プロウイルスDNAの中央領域に位置し、そして3つの主要なクラス:(1)主要構造タンパク質、Gag、PolおよびEnv;(2)調節タンパク質、TatおよびRev、ならびに(3)アクセサリータンパク質、Vpu、Vpr、VifおよびNefに分類される少なくとも9つのタンパク質をコードする。HIVSF2から得られる抗原に関して本明細書中で例証されるが、他のHIV改変体から得られる配列は、本明細書の教示に従って同類の様式で操作され得る。このような他の改変体としては、限定されないが以下が挙げられる:HIVIIIb、HIVSF2、HIV−1SF162、HIV−1SF170、HIVLAV、HIVLAI、HIVMN、HIV−1CM235、HIV−1US4、多様なサブタイプ由来の他のHIV−1株(例えば、サブタイプA〜G、およびO)、多様なサブタイプ由来の他のHIV−2(例えば、HIV−2UC1およびHIV−2UC2)およびサル免疫欠損ウイルス(SIV)の単離物から得られた配列をコードするGagタンパク質。(例えば、これらおよび他の関連ウイルスの詳細については、Virology,第3版(W.K.Joklik編、1988);Fundamental
Virology,第2版(B.N.FieldsおよびD.M.Knipe編、1991);Virology,第3版(Fields,BN,DM Knipe,PM Howley,編者、1996,Lippincott Raven,Philadelphia,PA;を参照のこと)。
【0080】
寄生抗原の例としては、マラリアおよびライム病を生じる生物に由来する抗原が挙げられる。
【0081】
(3.腫瘍抗原)
腫瘍抗原に対する変種は、同定されている。例えば、Moingeon、前出およびRosenberg、前出を参照のこと。腫瘍抗原の非限定的な例としては、以下が挙げられる:CD8+リンパ球によって認識される抗原(例えば、黒色腫−メラノサイト分化抗原(たとえば、MART−1、gp100、チロシナーゼ、チロシナーゼ関連タンパク質−1、チロシナーゼ関連タンパク質−2、メラノサイト刺激ホルモンレセプター);変異抗原(例えば、β−カテニン、MUM−1、CDK−4、カスパーゼ−8、KIA 0205、HLA−A2−R1701);精巣癌抗原(例えば、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−12、BAGE、GAGEおよびNY−ESO−1;および癌において過剰発現した変異していない共通抗原(例えば、αフェトプロテイン、テロメラーゼ触媒タンパク質、G−250、MUC−1、癌胎児性抗原、p53、Her−2−neu))、ならびにCD4+リンパ球に認識される抗原(例えば、gpl00、MAGE−1、MAGE−3、チロシナーゼ、NY−ESO−1、トリオースホスフェートイソメラーゼ、CDC−27およびLDLR−FUT)。例えば、WO91/02062、米国特許第6,015,567号、WO01/08636、WO96/30514、米国特許第5,846,538号、米国特許第5,869,445号もまた参照のこと。
【0082】
特定の実施形態において、腫瘍抗原は、変異された細胞内成分または改変された細胞内成分から誘導される。改変後、細胞内成分は、これらの調節機能をもはや発揮せず、それ故、細胞は、制御されない増殖を経験する。改変される細胞内成分の代表的な例としては、以下が挙げられる:ras、p53、Rb、ウイリアムズ腫瘍遺伝子によってコードされた改変されたタンパク質、ユビキチン、ムチン、DCC、APCおよびMCCによってコードされたタンパク質、ならびにレセプターまたはレセプター様構造(例えば、neu、甲状腺ホルモンレセプター、血小板誘導増殖因子(PDGF)レセプター、インシュリンレセプター、表皮増殖因子(EGF)レセプター、およびコロニー刺激因子(CSF)レセプター。これらならびに他の細胞内成分は、例えば、米国特許第 5,693,522号およびその本文中に引用される参考文献において記載される。
【0083】
(4.ポリペプチドの調製)
免疫原性組成物中の抗原は、代表的にタンパク質の形態である。タンパク質に基づく予防接種の代替として、免疫原性組成物中の抗原は、核酸分子またはポリヌクレオチドの形態である。
【0084】
従って、ポリペプチド抗原は、固相タンパク質合成によって構築され得る。所望の場合、ポリペプチドはまた、アミノ酸リンカーまたはシグナル配列ならびにタンパク質の精製に有用なリガンド(例えば、グルタチオン−S−トランスフェラーゼおよびブドウ球菌プロテインA)のような他のアミノ酸配列を含み得る。あるいは、目的の抗原は、商業的な供給源から購入され得る。
【0085】
ポリペプチドはまた、所望のポリペプチドをコードする核酸から作製され得る。目的のポリペプチドをコードする配列は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成され得る。Mullisら(1987)Methods Enzymol.155:335−350;PCR Protocols,A Guide to Methods and Applications,Innisら(編)Harcourt Brace Jovanovich Publishers,NY(1994))。この技術は、DNAの所望の領域を複製するために、DNAポリメラーゼ(通常、熱安定性のDNAポリメラーゼ)を使用する。複製されるべきDNA領域は、複製反応を開始するための所望のDNAの反対の末端および反対の鎖に相補的な特定の配列のオリゴヌクレオチドによって同定される。繰り返される連続的な複製のサイクルは、使用されるプライマー対によって定められたDNAフラグメントの増幅を生じる。多数のパラメータが、反応の成功に影響する。これらのパラメータの中には、アニーリング温度およびアニーリング時間、伸長時間、Mg2+およびATP濃度、pH、ならびにプライマー、テンプレートおよびデオキシリボヌクレオチドとの相対濃度がある。
【0086】
一旦、所望のタンパク質についてのコード配列が、調製されるかまたは単離されると、そのような配列は、任意の適切なベクターまたはレプリコンの中にクローン化され得る。多数のクローニングベクターが、当業者に既知であり、そして適切なクローニングベクターの選択は、設計事項である。他の配列への連結は、当該分野で公知の標準的な手順を用いて行なわれる。
【0087】
同様に、選択されたコード配列は、発現のための任意の適切な発現ベクターの中にクローン化され得る。この発現産物は、必要に応じて、粘膜投与前に精製され得る。手短に言えば、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、適切な発現系において発現され得る発現ベクターの中に導入され得る。種々の細菌、酵母、哺乳動物、昆虫および植物の発現系が、当該分野で利用可能であり、そして任意のそのような発現系が、使用され得る。必要に応じて、これらのタンパク質をコードするポリヌクレオチドが、無細胞翻訳系において翻訳され得る。このような方法は、当該分野で周知である。
【0088】
(B.送達)
本明細書中に記載される組成物(例えば、ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチド)は、任意の適切な手段(例えば、非経口的初回抗原刺激のために静脈内に、筋肉内に、腹腔内に、皮下に、経皮的に、および粘膜の追加免疫のために経口的に、直腸に、眼内に、または鼻腔内に)または種々の物理的な方法(例えば、リポフェクション(Felgnerら(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417)、直接的なDNA注入(Acsadiら(1991)Nature 352:815−818);微粒子銃(Williamsら(1991)PNAS 88:2726−2730);いくつかの型のリポソーム(例えば、Wangら(1987)PNAS 84:7851−7855を参照のこと);CaPO(Dubenskyら(1984)PNAS 81:7529−7533);DNAリガンド(Wuら(1989)J.of Biol.Chem.264:16985−16987);ポリペプチド単独での投与;核酸単独での投与(WO90/11092);または死滅したアデノウイルスに連結したDNAの投与(Curielら(1992)、Hum.Gene Ther.3:147−154);ポリリジンのようなポリカチオン化合物を介して、レセプター特異的リガンドを利用して;ならびにセンダイウイルスまたはアデノウイルスのようなソラレン不活性化ウイルスを用いて)を使用して送達され得る。経皮投与は、浸透性エンハンサー、バリア崩壊剤またはその組み合わせを含み得る。例えば、WO99/43350を参照のこと。さらに、投与は、直接的に(すなわち、インビボで)投与されてもよく、または取り出された細胞に投与され(エキソビボで)、そして続いて戻されてもよい。
【0089】
好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1つの第1の免疫原性組成物の非経口投与、そしてその後の少なくとも1つの第2の免疫原性組成物の粘膜投与によって、哺乳動物の免疫応答を増加する方法を提供する。言いかえれば、本発明は、非経口初回抗原刺激、それに続く粘膜の追加免疫を提供する。
【0090】
ポリヌクレオチドおよび/またはポリペプチドの非経口投与の方法は、周知であり、例えば、以下が挙げられる:(1)血流への直接的な注入(例えば、静脈内投与);(2)特定の組織または腫瘍への直接的な注入;(3)皮下投与;(4)経皮的上皮投与;(5)皮内投与(6)腹腔内投与;および/または(7)筋内投与。非経口投与の他の方法は、肺投与、坐薬、針のない(needle−less)注射、経皮的適用および経皮性適用が挙げられる。投薬処置は、単一用量スケジュールまたは複数用量スケジュールであり得る。上記のように、核酸の投与はまた、ペプチドまたは他の物質の投与と組み合わせられ得る。
【0091】
同様に、粘膜送達方法は、例えば、Remington(前出)に記載されるように当該分野で公知であり、そして経鼻送達、直腸送達、経口送達および膣送達を含む。直腸および膣を介する組成物の送達は、性的に伝達された病原体の場合、特に好ましく、このような投与方法は、病原体に最初に曝露された細胞へのアクセスを提供する。同様に、鼻腔内投与は、ライノウイルスのように、鼻粘膜を介して感染する疾患において好ましくあり得る。いくつかの例において、鼻腔内投与は、膣粘膜の免疫を誘導し得、そして経口免疫化は、直腸粘膜の免疫を誘導し得る。さらに、種々の粘膜投与経路および/または全身投与経路の組み合わせが、(病原体が侵入する部位と粘膜病原体が広がる全身部位の両方での)適切な免疫および保護を誘導するために使用され得る。さらに、粘膜投与は、注射器または他の投与デバイスを必要としない。投薬処置は、単一回用量スケジュールまたは複数回用量スケジュールであり得る。
【0092】
本明細書中に開示される組成物は、単一で投与され得るかまたは1つ以上のさらなる高分子(例えば、遺伝子送達ビヒクル、免疫調節因子、アジュバント、および/または1つ以上のタンパク質)と共に投与され得る。このような実施形態において、複数の組成物が、例えば、遺伝子送達ビヒクルに続いてタンパク質;複数の遺伝子送達ビヒクルに続いて複数のタンパク質投与;タンパク質投与に続いて単一または複数の遺伝子送達ビヒクル投与;併用投与などの任意の順序で投与され得る。従って、タンパク質および核酸の混合物が、同じであるかまたは異なるビヒクル、および同じであるかまたは異なる投与方法を使用して投与され得る。
【0093】
初回抗原刺激と追加免疫との間隔は、患者の年齢および組成物の性質のような因子に従って変化し、そしてこれらの因子は、医師によって評価され得る。最初の初回抗原刺激用量と追加免疫用量の投与は、一般的には少なくとも2週間、典型的には少なくとも4週間あけられる。本発明の方法は、1回より多い非経口的な初回抗原刺激用量および/または1回より多い追加免疫用量(例えば、2回以上の初回抗原刺激用量に続く2回以上の粘膜追加免疫用量)を含み得る(例えば、最初の初回抗原刺激−追加免疫の18ヶ月後の「記憶(memory)」追加免疫を記載する、以下の実施例4を参照のこと)。用語「記憶」追加免疫は、最初の追加免疫後に与えられる任意の追加免疫用量をいう。「記憶」追加免疫が投与される時間は、最初の追加免疫後、数時間(例えば、1時間〜72時間またはその間の任意の時点)または数日(例えば、1日〜90日またはその間の任意の時点)から数ヶ月(例えば、1ヶ月〜36ヶ月またはその間の任意の時点)あるいは数年にわたってさえ変化し得る。1回より多い記憶追加免疫は、互いに関連して、同じかまたは変化する時間間隔で投与され得る。同一であるかまたは異なる免疫原性組成物が、互いの初回抗原刺激用量のために使用され得る。従って、初回抗原刺激および追加免疫用量は、そのタイミングよりもむしろ投与の経路によって区別され得る。
【0094】
組成物が投与される哺乳類は、典型的にはヒトのような霊長類である。ヒトは、子供であっても成人であってもよい。適切な下等哺乳類としては、マウスが挙げられ得る。
【0095】
特定の実施形態において、直接送達は、一般的には、上記のようにAccell(登録商標)遺伝子送達システム(PowderJect Technologies,Inc.,Oxford,England)のような従来の注射器または遺伝子銃のいずれかを用いる注入によってウイルスベクターを伴ってかまたは伴わずに、達成され得る。
【0096】
(1.微粒子)
特定の実施形態において、1つ以上の選択された抗原が、引き続く送達のために微粒子中に包括されるかまたは微粒子に吸収される。本発明に有用な微粒子を製造するための生分解性ポリマーは、例えば、Boehringer Ingelheim,Germany and Birmingham Polymers,Inc.,Birmingham,ALから簡単に入手可能である。例えば、本明細書中の微粒子を形成するのに有用なポリマーとしては、ポリヒドロキシ酪酸から誘導されたポリマー;ポリカプロラクトン;ポリオルソエステル;ポリ無水物;ならびにポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)(これら両方は、本明細書中で「PLA」として公知である)、ポリ(ヒドロキシ酪酸塩)のようなポリ(α−ヒドロキシ酸)、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)(本明細書中で「PLG」または「PLGA」と表される)のようなD,L−ラクチドとグリコリドのコポリマーまたはD,L−ラクチドとカプロラクトンのコポリマーが挙げられる。本明細書中で使用するのに特に好ましいポリマーは、PLAポリマーおよびPLGポリマーである。これらのポリマーは、様々な分子量で入手可能であり、そして所定の抗原についての適切な分子量は、当業者によって容易に決定される。従って、例えば、PLAについて、適切な分子量は、約2000〜250,000のオーダーである。PLGについて、適切な分子量は、一般的には約10,000〜約200,000、好ましくは、約15,000〜約150,000、そして最も好ましくは約50,000〜約100,000の範囲である。
【0097】
PLGのようなコポリマーが微粒子を形成するのに使用される場合、種々のラクチド:グリコリド比が、本明細書中での使用を見出され、そしてその比は、同時に投与される抗原の一部および所望の分解速度依存して、大部分が選択される。例えば、50%のD,L−ラクチドと50%のグリコリドを含有する50:50PLGポリマーは、早い再吸収コポリマーを提供するが、75:25PLGは、より遅く分解し、そして85:15および90:10は、増加したラクチド成分に起因してさらにより遅い。ラクチド:グリコリドの適切な比が、抗原の性質および問題の障害に基づいて当業者によって容易に決定されることは、容易に明らかである。さらに、ラクチド:グリコリド比を変化させた微粒子の混合物は、所定の抗原についての所望の放出動力学を達成するためおよび1次免疫応答と2次免疫応答の両方を提供するために処方物中での使用が見出される。本発明の微粒子の分解速度はまた、ポリマー分子量およびポリマー結晶化度のような因子によって制御され得る。ラクチド:グリコリド比および分子量を変化させたPLGコポリマーは、Boehringer Ingelheim,Germany and Birmingham Polymers,Inc.,Birmingham,ALを含む多くの販売元から容易に入手可能である。これらのポリマーはまた、Tabataら、J.Biomed.Mater.Res.(1988)22:837−858に記載されるような当該分野において周知の技術を使用して乳酸成分の単純な重縮合によって合成され得る。
【0098】
抗原/微粒子は、当該分野で周知の任意のいくつかの方法を使用して調製される。例えば、米国特許第3,523,907号およびOgawaら、Chem.Pharm.Bull.(1988)36:1095−1103に記載されるような2重エマルジョン/溶媒蒸発技術が、微粒子を形成するために本明細書中で使用され得る。これらの技術は、抗原(抗原が、微粒子中に包括されるべき場合)を含むポリマー溶液の液滴から成る1次エマルジョンの形成を含み、このエマルジョンは続いて、粒子安定剤/界面活性剤を含む連続的な水相と混合される。
【0099】
より詳細には、水中油中水(w/o/w)溶媒蒸発システムは、O’Haganら、Vaccine(1993)11:965−969;Jefferyら、Pharm.Res.(1993)10:362およびPCT/US99/17308(WO00/06133)によって記載されるように、微粒子を形成するのに使用され得る。この技術において、特定のポリマーは、酢酸エチル、ジメチルクロライド(塩化メチレンおよびジクロロメタンとも呼ばれる)、アセトニトリル、アセトン、クロロホルムなどのような有機溶媒と合わせられる。このポリマーは、有機溶媒中、約2〜15%、より好ましくは、約4〜10%および最も好ましくは6%の溶液で提供される。ほとんど等量の抗原溶液(例えば、水溶液)が加えられ、そしてポリマー/抗原溶液は、例えば、ホモジナイザーを使用して乳化される。次いで、このエマルジョンは、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリビニルピロリドンのような乳化安定剤の大量の水溶液と合わせられる。この乳化安定剤は、典型的には、約2〜15%溶液、より典型的には、約4〜10%溶液で提供される。次いで、この混合物は、安定なw/o/w2重エマルジョン(double emulsion)を作製するためにホモジナイズされる。次いで、有機溶媒が、蒸発される。
【0100】
この処方パラメータは、小さい(<5μm)微粒子および大きい(>30μm)微粒子の調製を可能にするために操作され得る。例えば、Jefferyら、Pharm.Res.(1993)10:362−368;McGeeら、J.Microencap.(1996)を参照のこと。例えば、攪拌を減らすと、内相体積が増加するために大きい微粒子を生じる。小さい微粒子は、高濃度のPVAを含む低い水相体積によって生成される。
【0101】
微粒子はまた、例えば、Thomasinら、J.Controlled Release(1996)41:131;米国特許第2,800,457号;Masters,K.(1976)Spray Drying 第2版.Wiley,New Yorkに記載されるような噴霧乾燥およびコアセルベーション;Hallら,(1980)The「Wurster Process」in Controlled Release Technologies:Methods,Theory,and Applications(A.F.Kydonieus,(編)),Vol.2,133−154頁 CRC
Press,Boca Raton,Florida and Deasy,P.B.,Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.(1988)S(2):99−139に記載されるようなパン・コーティングおよびWursterコーティングなどのエア−サスペンションコーティング技術;および例えば、Limら、Science(1980)210:908−910によって記載されるようなイオン性のゲル化を使用して形成され得る。
【0102】
上記の技術はまた、吸収された抗原を含む微粒子の生成に適用可能である。この実施形態において、微粒子は、上記のように形成されるが、抗原は、以下の構成で微粒子と混合される。
【0103】
粒径は、例えば、レーザー光散乱(例えば、ヘリウム−ネオンレーザーを組み込む分光計を使用して)によって決定され得る。一般的には、粒径は、室温で決定され、そして粒子直径の平均値を得るために問題のサンプルの複数回の分析(例えば、5〜10回)を含む。粒径はまた、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して容易に決定される。
【0104】
微粒子の使用の前に、抗原含有量が、一般的に決定され、その結果適切な量の微粒子が適切な免疫応答を刺激するために被験体に送達され得る。
【0105】
微粒子の抗原含有量は、微粒子の分裂および包括された抗原の抽出によるような当該分野で公知の方法に従って決定され得る。例えば、微粒子は、例えば、Cohenら,Pharm.Res.(1991)8:713;Eldridgeら,Infect.Immun.(1991)59:2978;およびEldridgeら,J.Controlled Release(1990)11:205に記載されるように、ジメチルクロライドおよび蒸留水に抽出されたタンパク質に溶解され得る。あるいは、微粒子は、5%(w/v)のSDSを含有する0.1M NaOH中に分散され得る。このサンプルは、攪拌され、遠心分離され、そしてその上清は、適切なアッセイを使用して目的の抗原についてアッセイされる。例えば、O’Haganら,Int.J.Pharm.(1994)103:37−45を参照のこと。
【0106】
調製した微粒子上に高分子を吸収する1つの方法は、以下のとおりである。微粒子を、再水和し、そして再透析可能な陰イオン性界面活性剤または陽イオン性界面活性剤を使用して、基本的に微粒子の単量体懸濁液に分散する。有用な界面活性剤としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:ヘプタノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−7)、オクタノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−8)、ノナノイル−N−メチルグルカミド(MEGA−9)、およびデカノイル−N−メチル−グルカミド(MEGA−10)のような任意の種々のN−メチルグルカミド(MEGAとして公知である);コール酸;塩化ナトリウム;デオキシコール酸;デオキシコール酸ナトリウム;タウロコール酸;タウロコール酸ナトリウム;タウロデオキシコール酸;タウロデオキシコール酸ナトリウム;3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパン−スルホネート(CHAPS);3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−2−ヒドロキシ−1−プロパン−スルホネート(CHAPSO);N−ドデシル−N,N−ジメチル−3−アンモニオ−1−プロパン−スルホネート(ZWITTERGENT 3−12);N,N−ビス−(3−D−グルコネアミドプロピル(gluconeamidopropyl))−デオキシコラミド(DEOXY−BIGCHAP);N−オクチルグルコシド;スクロースモノラウレート;グリココール酸/グリココール酸ナトリウム;ラウロサルコシン(ナトリウム塩);グリコデオキシコール酸/グルコデオキシコール酸ナトリウム;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB);ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド;ヘキサデシルトリメチル−アンモニウムブロミド;テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチルドデシルアンモニウムブロミド;ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニウムクロライド;ベンジルジメチルテトラ−デシルアンモニウムブロミド。上記の界面活性剤は、例えば、Sigma Chemical Co.,St.Louis,MOから市販されている。当該分野で公知の種々の陽イオン性脂質もまた、界面活性剤として使用され得る。Balasubramaniamら,1996,Gene Ther.,3:163−72およびGao,X.,およびL.Huang.1995,Gene Ther.,2:7110−722を参照のこと。
【0107】
次いで、微粒子/界面活性剤混合物を、例えば、セラミック乳鉢および乳棒を使用して、滑らかなスラリーが形成されるまで物理的に挽く。次いで、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)またはTris緩衝生理食塩水のような適切な水性緩衝液を加え、得られた混合物を、微粒子が十分に懸濁されるまで超音波処理またはホモジナイズする。次いで、目的の高分子を微粒子懸濁液に加え、その系を透析して界面活性剤を除去する。このポリマー微粒子と界面活性剤の系は、好ましくは、目的の高分子が、高分子の活性を維持したまま微粒子の表面に吸収されるように選択される。表面に吸収された高分子を含む得られた微粒子を、未結合の高分子がないように洗浄し得、そして適切な緩衝液処方物中で懸濁液として保存し得るかまたは以下にさらに記載するように適切な賦形剤で凍結乾燥し得る。
【0108】
(2.さらなる粒子キャリア)
微粒子に加えて、組成物もまた、粒子キャリアに包括され得るか、吸収され得るか、また結合され得る。このようなキャリアは、免疫に対して選択された抗原の複数コピーを示し、局所的なリンパ節における抗原の移動、トラップおよび保持を促進する。この粒子は、マクロファージおよび樹状細胞のような特殊な(profession)抗原掲示細胞によって取りこまれ得、そして/またはサイトカイン放出の刺激のような他の機構を介して抗原掲示を増強し得る。
【0109】
特定の実施形態において、組成物は、ポリメチルメタクリレートポリマーから誘導される粒子キャリアを使用して送達される。例えば、Jefferyら,Pharm.Res.(1993)10:362−368;McGee JPら,J Microencapsul.14(2):197−210,1997;O’Hagan DTら,Vaccine 11(2):149−54,1993を参照のこと。
【0110】
さらに、他の粒子系およびポリマーが目的の遺伝子のインビボまたはエキソビボ送達のために使用され得る。例えば、ポリリジン、ポリアルギニン、ポリオルニチン、スペルミン、スペルミジンのようなポリマー、ならびにこれらの分子の結合体が、目的の核酸を送達するのに有用である。同様に、DEAEデキストラン−媒介トランスフェクション、リン酸ストロンチウム、ベントナイトおよびカオリンを含有するケイ酸アルミニウム、酸化クロム、ケイ酸マグネシウム、タルクなどのような他の不溶性無機塩を使用するリン酸カルシウム沈殿が、本発明の方法と共に使用される。例えば、遺伝子送達に有用な送達系の総説については、Felgner,P.L.,Advanced Drug Delivery Reviews(1990)5:163−187を参照のこと。ペプトイド(Zuckerman,R.N.,ら,米国特許第5,831,005号,1998年11月3日発行)もまた、本発明の構成物の送達のために使用され得る。
【0111】
さらに、金およびタングステンのような粒子キャリアを使用するビオチン送達システムは、本発明の合成発現カセットの送達に特に有用である。この粒子は、送達されるべき合成発現カセットでコーティングされ、そして「遺伝子銃」から発射される黒色火薬(gun powder)を使用して、一般的に低気圧下で高速度に加速される。このような技術の記載およびそのために有用な装置については、米国特許第4,945,050号;同第5,036,006号;同第5,100,792号;同第5,179,022号;同第5,371,015号;および同第5,478,744号を参照のこと。また、ニードルレス(needle−less)注射システムもまた、使用され得る(Davis,H.L.,ら,Vaccine 12:1503−1509,1994;Bioject,Inc.,Portland,OR)。
【0112】
(3.リポソーム/脂質送達ビヒクル)
目的の抗原(またはこれらの抗原をコードするポリヌクレオチド)はまた、リポソームを使用して送達され得る。例えば、目的の抗原は、被験体または被験体由来の細胞への送達の前にリポソーム中にDNAまたはRNAとしてパッケージングされる。脂質封入は、一般的には、核酸を安定に結合または包括し得、そして保持し得るリポソームを使用して達成される。凝集されたDNA 対 脂質調製物の比は、変化し得るが、一般的には約1:1(mgDNA:マイクロモル脂質)であるか、または脂質がさらに多いかである。核酸の送達のためのキャリアとしてのリポソームの使用の総説については、HugおよびSleight,Biochim.Biophys.Acta.(1991)1097:1−17;Straubingerら,in Methods of Enzymology(1983),Vol.101,512−527頁を参照のこと。
【0113】
陽イオン性リポソームを含む、陽イオン性(正に荷電している)調製物、陰イオン性(負に荷電している)調製物および中性調製物を含む本発明に使用するためのリポソーム調製物が、特に好ましい。陽イオン性リポソームは、機能的形態において、プラスミドDNA(Felgnerら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413−7416);mRNA(Maloneら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86:6077−6081);および精製された転写因子(Debsら,J.Biol.Chem.(1990)265:10189−10192)の細胞内送達を媒介することが示されている。
【0114】
カチオン性リポソームは、容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジオレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTMA)リポソームは、GIBCO BRL,Grand Island,NYからのLipofectin(登録商標)に基づいて入手可能である(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1987)84:7413〜7416もまた参照のこと)。他の市販の脂質としては、(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(Boerhinger)が挙げられる。他のカチオン性リポソームは、当該分野で周知の技術を使用して、容易に入手可能な材料から調製され得る。例えば、Szokaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:4194〜4198;DOTAP(1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載について、PCT出願番号WO90/11092を参照のこと。カチオン性微粒子は、当該分野で周知の技術を使用して、容易に入手可能な材料から調製され得る。例えば、共有に係るWO01/136599を参照のこと。
【0115】
同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avanti Polar Lipids(Birmingham,AL)から容易に入手可能であるか、または、容易に入手可能な材料を使用して、容易に調製され得る。このような物質としては、特に、ホスファチジルコリン、コレステロール、ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホスファチジル(dioleoylphoshatidyl)エタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの材料はまた、適切な比率で、DOTMA出発物質およびDOTAP出発物質と混合され得る。これらの材料を使用してリポソームを作製するための方法は、当該分野で周知である。
【0116】
リポソームは、多重層小胞(MLV)、小単層小胞(SUV)または巨大単層小胞(LUV)を含み得る。様々なリポソーム核酸複合体は、当該分野で公知の方法を使用して調製される。例えば、Straubingerら、METHODS OF IMMUNOLOGY(1983),Vol.101 pp.512−527;Szokaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:4194−4198;Papahadjopoulosら、Biochim.Biophys.Acta(1975)394:483;Wilsonら、Cell(1979)17:77);Deamer and Bangham,Biochim.Biophys.Acta(1976)443:629;Ostroら、Biochem.Biophys.Res.Commun.(1977)76:836;Fraleyら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:3348);Enoch and Strittmatter,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:145);Fraleyら、J.Biol.Chem.(1980)255:10431;Szoka and Papahadjopoulos,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1978)75:145;およびSchaefer−Ridderら、Science(1982)215:166を参照のこと。
【0117】
DNAおよび/またはタンパク質抗原はまた、Papahadjopoulosら、Biochem.Biophys.Acta.(1975)394:483〜491により記載されるものと類似した渦巻形のcochleateの脂質組成物中に送達され得る。米国特許第4,663,161号および同第4,871,488号をまた参照のこと。
【0118】
(4.遺伝子送達ビヒクル)
特定の実施形態において、本明細書中に記載される1つ以上の抗原は、標準的遺伝子送達プロトコルを使用する、核酸免疫化などを介して投与される1つ以上の遺伝子ベクターを使用して送達され得る。遺伝子送達のための方法は、当該分野で公知である。例えば、米国特許第5,399,346号;同第5,580,859号;同第5,589,466号を参照のこと。この構築物は、皮下、表皮的、皮内的、筋内的、静脈内的、粘膜的(例えば、鼻腔的、直腸的、および膣的)、腹腔内的、経口的またはこれらの組合せのいずれかで送達、例えば注入され得る。
【0119】
本発明の実施で使用され得る、例示的な複製欠損遺伝子送達ビヒクルは、αウイルスベクターのいずれかであり、例えば、共有に係る米国特許第6,342,372号;同第6,329,201号および国際公開WO01/92552に記載される。
【0120】
多数のウイルスベースの系が、哺乳動物細胞への遺伝子移送のために開発されている。例えば、レトロウイルスは、遺伝子送達系のための簡便なプラットフォームを提供する。選択された配列は、当該分野で公知の技術を使用して、ベクター中に挿入され得、そして、レトロウイルス粒子中にパッケージされ得る。次いで、組換えウイルスは、単離され得、そして、インビボまたはエキソビボのいずれかで被験体の細胞に送達され得る。多数のレトロウイルス系が記載されている(米国特許第5,219,740号;MillerおよびRosman,BioTechniques(1989)7:980−990;Miller,A.D.,Human Gene Therapy(1990)1:5−14;Scarpaら、Virology(1991)180:849−852;Burnsら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1993)90:8033−8037;ならびにBoris−LawrieおよびTemin,Cur.Opin.Genet.Develop.(1993)3:102〜109)。
【0121】
多数のアデノウイルスベクターもまた記載されている。宿主ゲノムへ組込むレトロウイルスとは異なり、アデノウイルスは、染色体外に存続し、したがって、挿入的突然変異誘発に関連する危険を最小にする(Haj−Ahmad and Graham,J.Virol.(1986)57:267−274;Bettら、J.Virol.(1993)67:5911−5921;Mitterederら、Human Gene Therapy(1994)5:717−729;Sethら、J.Virol.(1994)68:933−940;Barrら、Gene Therapy(1994)1:51−58;Berkner,K.L.BioTechniques(1988)6:616−629;およびRichら、Human Gene Therapy(1993)4:461−476)。
【0122】
さらに、様々なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター系は、遺伝子送達のために開発された。AAVベクターは、当該分野で周知の技術を使用して容易に構築され得る。例えば、米国特許第5,173,414号および同第5,139,941号;国際公開番号WO92/01070(1992年1月23日公開)およびWO93/03769(1993年3月4日公開);Lebkowskiら、Molec.Cell.Biol.(1988)8:3988〜3996;Vincentら、Vaccines 90(1990)(Cold Spring Harbor Laboratory Press);Carter,B.J.Current Opinion in Biotechnology(1992)3:533−539;Muzyczka,N.Current Topics in Microbiol.and Immunol.(1992)158:97−129;Kotin,R.M.Human Gene Therapy(1994)5:793−801;Shelling and Smith,Gene Therapy(1994)1:165−169;ならびにZhouら、J.Exp.Med.(1994)179:1867−1875を参照のこと。
【0123】
ポリヌクレオチドを、粘膜的およびその他で送達するために有用な別のベクター系は、Small,Jr.,P.A.ら、(米国特許第5,676,950号(1997年10月14日))によって記載された、腸投与された組換えポックスウイルスワクチン、ならびに、ワクシニアウイルスおよびトリポックスウイルスである。一例として、遺伝子を発現するワクシニアウイルス組換え体は、第一に、以下のように構築され得る。特定の合成Gag/抗原コード配列をコードするDNAは、ワクシニアプロモーターおよび側方のワクシニアDNA配列(例えば、チミジンキナーゼ(TK)をコードする配列)に隣接するように、適切なベクターに最初に挿入される。次いで、このベクターを使用して、ワクシニアで同時感染された細胞をトランスフェクトする。相同組み換えは、ワクシニアプロモーターおよび目的のコード配列をコードする遺伝子をウイルスゲノム中に挿入するのに役立つ。得られたTK組換え体は、5−ブロモデオキシウリジンの存在下で細胞を培養すること、および、それらに対するウイルスプラーク耐性を選択することで、選択され得る。
【0124】
あるいは、アビポックスウイルス(例えば、鶏痘ウイルスおよびカナリア痘ウイルス)をまた使用して、遺伝子を送達し得る。哺乳動物病原体から免疫源を発現する組換え体アビポックスウイルスは、非トリ種に投与された場合、防御免疫を付与することが知られている。アビポックスベクターの使用は、アビポックス属のメンバーが、感受性のあるトリ種において生産的に複製されるのみであり得、従って、哺乳動物細胞中で感染性でないので、ヒトおよび他の哺乳動物種において特に所望される。組換えアビポックスウイルスを生成する方法は、当該分野で公知であり、そして、ワクシニアウイルスの生成に関して上記のような遺伝的組み換えを使用する。例えば、WO91/12882;WO89/03429;およびWO92/03545を参照のこと。ピコナウイルス由来のベクターもまた、使用され得る(例えば、米国特許第5,614,413号および同第6,063,384号を参照のこと)。
【0125】
分子結合体化ベクター(例えば、MichaelらJ.Biol.Chem.(1993)268:6866〜6869およびWagnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1992)89:6099〜6103に記載されたアデノウイルスキメラベクター)もまた、遺伝子送達に使用され得る。
【0126】
ワクシニアに基づく感染/トランスフェクション系は、宿主細胞で目的のコード配列(例えば、合成Gag/HCVコア発現カセット)の誘導性の一過的発現を提供するために、簡便に使用され得る。この系において、細胞は、第一に、バクテリオファージT7 RNAポリメラーゼをコードするワクシニアウイルス組換体を用いて、インビトロで感染される。このポリメラーゼは、これが、T7プロモーターを有する鋳型を転写するのみという点で、感受性の強い特異性を示す。感染後、細胞は、T7プロモーターによって促進された目的のポリヌクレオチドを用いてトランスフェクトされる。ワクシニアウイルス組換え体から細胞質中で発現されたポリメラーゼは、感染されたDNAを、宿主の翻訳機構によって次いでタンパク質に翻訳されるRNAに転写する。この方法は、高レベルで一過性の、大量のRNAおよびその翻訳産物の細胞質性生成物を提供する。例えば、Elroy−SteinおよびMoss,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1990)87:6743〜6747;Fuerstら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1986)83:8122〜8126を参照のこと。
【0127】
ワクシニアウイルス組換え体もしくはアビポックスウイルス組換え体での感染、または、他のウイスルベクターを使用した遺伝子の送達に対する代替のアプローチとして、宿主細胞への導入後に高レベルの発現を導く増幅系が使用され得る。詳細には、T7 RNAポリメラーゼについてのコード領域に先立つT7 RNAポリメラーゼプロモーターが、操作され得る。この鋳型由来のRNAの翻訳は、次にはそれ以上の鋳型を転写するT7 RNAポリメラーゼを生成する。同時に、発現がT7プロモーターの制御下にあるcDNAが存在する。従って、増幅した鋳型RNAの翻訳から生成したT7 RNAポリメラーゼのいくつかは、所望の遺伝子の転写を導く。いくつかのT7 RNAポリメラーゼは、増幅を開始するために必要とされるので、T7 RNAポリメラーゼは、転写反応を初回抗原刺激するために、鋳型とともに細胞に導入され得る。このポリメラーゼは、タンパク質としてか、または、RNAポリメラーゼをコードするプラスミド上で導入され得る。T7系のさらなる討論および形質転換細胞についてのそれらの使用について、例えば、国際公開番号WO 94/26911;StudierおよびMoffatt,J.Mol.Biol.(1986)189:113〜130;DengおよびWolff,Gene(1994)143:245〜249;Gaoら、Biochem.Biophys.Res.Commun.(1994)200:1201〜1206;GaoおよびHuang,Nuc.Acids Res.(1993)21:2867〜2872;Chenら、Nuc.Acid.Res.(1994)22:2114〜2120;ならびに米国特許第5,135,855号を参照のこと。
【0128】
(D.薬学的組成物)
本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤またはレシピエントと組合せたポリペプチド抗原またはポリヌクレオチド抗原を含む薬学的組成物を含む。さらに、他の成分(例えば、アジュバント)もまた、存在し得る。米国特許第6,015,694号により完全に記載されるように、保存安定でかつ容易に投与可能な免疫原性組成物は、冷蔵および/または従来の投与手段(シリンジなど)が容易に利用可能でない第三世界の国々で特に必要とされる。
【0129】
特定の実施形態において、この組成物は、1つ以上のポリペプチドを含む。活性成分として免疫原性ポリペプチドを含む免疫原性組成物の調製は、当業者に公知である。代表的には、このような免疫原性化合物は、液体かまたは懸濁液のいずれかとして注入可能に調製され;注入の前の液体中の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた調製され得る。この調製物はまた、乳化されても、リポソーム中にカプセル化されたタンパク質でもよい。
【0130】
本発明の組成物は、好ましくは、薬学的に受容可能なキャリアを含む。このキャリアは、宿主に対して有害な抗体の生成を、それ自身が誘導すべきでない。薬学的に受容可能なキャリアは、当業者に周知である。適切なキャリアは、代表的には、巨大で、ゆっくり代謝される高分子であり、例えば、以下のようなものである:タンパク質、多糖、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸、アミノ酸コポリマー、脂質凝集体(例えば、油滴またはリポソーム)および不活性ウイルス粒子。粒子状キャリアの例としては、ポリメチルメタクリレートポリマーから誘導されるキャリア、ならびに、ポリ(ラクチド)およびポリ(ラクチド−co−グリコリド)(PLGとして知られる)から誘導される微粒子が挙げられる。例えば、Jefferyら、Pharm.Res.(1993)10:362〜368;McGeeら(1997)J Microencapsul.14(2):197〜210;O’Haganら(1993)Vaccine 11(2):149〜54を参照のこと。このようなキャリアは、当業者に周知である。さらに、これらのキャリアは、免疫賦活剤(「アジュバント」)として機能し得る。さらに、抗原は、細菌性トキソイド(例えば、ジフテリア由来のトキソイド、破傷風由来のトキソイド、コレラ由来のトキソイドなど、ならびにE.coli由来の毒素)に結合体化され得る。
【0131】
薬学的に受容可能な塩はまた、本発明の組成物中で使用され得、例えば、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ホスフェートまたはサルフェートのような無機塩類、ならびに、アセテート、プロピオネート、マロネートまたはベンゾエートのような有機酸の塩である。特に有用なタンパク質基質は、血清アルブミン、キーホールリンペットヘモシニアン、免疫グロブリン分子、サイログロブリン、オボアルブミン、破傷風トキソイド、および、当業者に周知の他のタンパク質である。本発明の組成物はまた、液体または賦形剤(例えば、水、生理食塩水、グリセロール、デキストロース、エタノールなど、単一でかまたは組合せて)、ならびに、物質(例えば、湿潤剤、乳化剤またはpH緩衝剤)を含み得る。リポソームはまた、本発明の組成物のためのキャリアとして使用され得、このようなリポソームは、上記されている。
【0132】
さらに、本明細書中で記載される組成物は、種々の賦形剤、アジュバンド、キャリア、補助物質、調節剤などを含み得る。好ましくは、この組成物は、免疫応答をマウントするのに十分な量の抗原を含む。適切な有効量は、当業者によって決定され得る。このような量は、日常的な試験を介して決定され得る比較的広い範囲であり、一般に、粒子/抗原の約0.1μgから約1000μg、より好ましくは約1μg〜約300μg程度の量であり得る。
【0133】
このようなアジュバントとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:(1)アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなど);(2)(他の特定の免疫腑活剤(例えば、ムラミルペプチド(以下を参照のこと)または細菌細胞壁成分)を含むか、または含まない)例えば、以下のような水中油乳濁処方物:(a)MF59(国際公開番号WO90/14837)、これは、Model 110Yミクロフリューダイザー(Microfluidics,Newton,MA)のようなミクロフリューダイザーを使用してサブミクロン粒子に処方された、5%のSqualane、0.5%のTween 80および5%のSpan 85(必要に応じて、必要とはされないが、種々の量のMTP−PE(以下を参照のこと)を含む)を含む(b)SAF、これは、より巨大な粒子サイズ乳化剤を生成するためにサブミクロン乳化剤にミクロフリューダイズかまたはボルテックスのいずれかなをされた、10%のSqualene、0.4%のTween 80、0.5%のプルロニックブロック化ポリマーL 121およびthr−MDP(以下を参照のこと)を含む、ならびに(c)RibiTMアジュバントシステム(RAS)、(Ribi Immunochem,Hamilton,MT)これは、2%のSqualene、0.2%のTween
80、ならびに、モノホスホリピドA(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)および細胞壁骨格(CWS)(好ましくは、MPL+CWS(DetoxTM))からなる群由来の1つ以上の細菌細胞壁成分を含む;(3)使用され得るサポニンアジュバント(例えば、StimulonTM(Cambridge Bioscience,Worcester,MA))、またはISCOM(免疫腑活複合体)のような、それから生成される粒子(例えば、国際公開番号WO00/00249を参照のこと);(4)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA);(5)サイトカイン(例えば、インターロイキン(IL−1、IL−2など))、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)、βケモカイン(MIP、1−αランテス、1−βランテスなど);(6)細菌ADP−リボシル化毒素(例えば、コレラ毒素(CT)、百日咳毒素(PT)、またはE.coli熱不安定毒素(LT))の解毒変異体(特に、LT−K63(リジンが、野生型アミノ酸の63位で置換される)、LT−R72(アルギニンが野生型アミノ酸の72位で置換されている)、CT−S109(セリンが、野生型アミノ酸の109位で置換されている)、PT−K9/G129(リジンが、野生型アミノ酸の9位で置換され、そして、グリシンが129位で置換される))(例えば、国際公開番号WO93/13202;WO92/19265;WO95/17211;WO98/18928;およびWO01/22993を参照のこと);(7)オリゴで生物接着性のポリマーを含むCpG(WO99/62546およびWO00/50078を参照のこと);ならびに(8)この組成物の有効性を増強するために免疫腑活剤として作用する他の物質。
【0134】
ムラミルペプチドとしては、N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(ノル−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ(huydroxyphosphoryloxy)−エチルアミン(MTP−PE)など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0135】
ムラミルペプチドとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:N−アセチル−ムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン(thr−MDP)、N−アセチル−ノルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン(nor−MDP)、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L−アラニン−2−(1’−2’−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ヒドロキシホスホリルオキシ)−エチルアミン(MTP−PE)など。
【0136】
サッカリド抗原または糖質抗原が使用される場合、その抗原は、キャリヤタンパク質に結合体化され得る。(例えば、米国特許第5,306,492号、EP 0 477 508;WO98/42721;Ramsayら、(2001)Lancet 357:195〜196;「Conjugate Vaccines」Cruseら編、ISBN3805549326を参照のこと)。好ましいキャリヤタンパク質としては、細菌毒素または細菌トキソイド(例えば、ジフテリア(例えば、CRM197)トキソイドまたは破傷風トキソイド)が挙げられる。他の適切なキャリヤタンパク質としては、以下が挙げられる:N.meningitidis外膜タンパク質(EP0372501);合成ペプチド(EP0378881およびEP0427347);熱ショックタンパク質(WO93/17712);サイトカイン、リンホカイン、ホルモン、増殖因子、百日咳タンパク質(WO98/58668;EP0471177);H.influenza由来のプロテインD(WO00/56360);C.difficile由来の毒素Aまたは毒素B(WO00/61761)など。キャリヤタンパク質の混合物を使用することは、可能である。混合物が、血清型Aおよび血清型Cの両方に由来する莢膜サッカリドを含む場合、MenAサッカリド:MenCサッカリドの比率(w/w)は、1より大きい(例えば、2:1、3:1、4:1、5:1、10:1以上)ことが好ましい。異なる血清型(例えば、N.meningitidisの異なる血清型)または異なる病原体由来のサッカリドは、同一のキャリヤタンパク質または異なるキャリヤタンパク質に結合体化され得る。
【0137】
薬学的組成物はまた、凍結乾燥され得るか、または他の方法で貯蔵安定性にされ得る。
【0138】
本明細書中に記載される薬学的組成物の投与は、任意の適切な経路(例えば、上記を参照のこと)によってなされ得る。非経口初回抗原刺激(または複数の初回抗原刺激)およびそれに続く粘膜追加免疫(または複数の粘膜追加免疫)が、特に好ましい。さらに、この投与は、複数回初回抗原刺激追加免疫投与の形態を取り得る。従って、投薬処置は、単回初回抗原刺激/追加免疫投与スケジュールまたは複数回初回抗原刺激/追加免疫投与スケジュールであり得る。複数の投与スケジュールは、ワクチン接種の主な治療単位が、1〜10の別々の投与であり得、その後、免疫応答を維持および/または強化するために選択された引き続く時間間隔で与えられる他の用量(例えば、第2の投与について1〜4ヶ月、および必要に応じて、数ヵ月後の引き続く用量)であり得るスケジュールである。投薬レジメンはまた、少なくとも部分的には、様式の効力、使用するワクチン送達、被験体の必要性により決定され、そして実施者の判断に依存する。
【0139】
複数投与(例えば、初回抗原刺激追加免疫型投与)は、有利に使用される。例えば、目的の抗原を発現する組換えアルファウイルス粒子が、投与される(例えば、IVAGまたはIR)。続いて、抗原は、例えば、ポリペプチド抗原および適切なアジュバントを含む組成物で投与される。あるいは、抗原は、遺伝子送達ビヒクルより先に投与される。複数のポリペプチド投与および複数の遺伝子送達ビヒクルの投与(任意の順序)もまた、使用され得る。
【0140】
この組成物は、好ましくは、「治療的有効量」の目的の高分子を含有し得る。すなわち、症状を予防、減少、除去または診断するために、十分な応答を被験体に生成させる量の高分子/微粒子が組成物中に含まれる。正確な必要量は、他にも因子はあるが、処置される被験体;処置される被験体の年齢および全身状態;処置される状態の重症度;免疫学的応答の場合、被験体の免疫系が抗体を合成する能力;所望される保護の程度および選択される特定の抗原、ならびにその投与の様式に依存して変動する。適切な有効量は、当業者によって容易に決定され得る。従って、「治療的有効量」は、慣用的な試行を通じて決定され得る比較的広範囲に落ち着く。例えば、本発明の目的について、高分子がポリヌクレオチドである場合、有効用量は、代表的には、1用量あたり約1ng〜約1mg、より好ましくは、約10ng〜約1μg、そして最も好ましくは、約50ng〜約500ngの送達される高分子範囲であり;高分子が抗原である場合、有効用量は、代表的には、1用量あたり約1μg〜約100mg、より好ましくは、約10μg〜約1mg、そして最も好ましくは、約50μg〜約500μgの送達される高分子範囲である。
【0141】
以下の実施例は、例証の目的で提供され、そして限定の目的では提供されない。
【実施例】
【0142】
(実施例1)
(HIV抗原を用いる非経口初回抗原刺激粘膜追加免疫後の血清IgG力価および膣洗浄物IgA力価)
マウスを、アニオン性PLG DSS微粒子上に吸着させたgp120タンパク質を用いて、筋肉内に2回初回抗原刺激した。10μgのgp120/PLGを、0日目および14日目に与えた。この動物を、10日間隔で3回、粘膜追加免疫した。この粘膜追加免疫は、ACP、生体接着ポリマー(Fidia)、LTR72(Chiron S.p.A)またはオリゴ含有CpGといった粘膜アジュバントを用いて、膣内、直腸内または鼻腔内で行った(1826 H.C.Davisら、J.Immunology (1998)160:870〜876)。
【0143】
非経口初回抗原刺激後の粘膜追加免疫の効果を研究した。そして結果を表1に示す。
【0144】
【表1】

IMx2 − 2回の筋肉内投与
IVagx3 − 3回の膣内投与
IRx3 − 3回の直腸内投与
INx3 − 3回の鼻腔内投与。
【0145】
表1および図1に示されるように、膣洗浄物によって決定されるような粘膜IgA力価および血清IgG力価は、粘膜追加免疫していない動物と比較して、粘膜追加免疫された動物において増加した。
【0146】
(実施例2)
(HIV抗原を用いる非経口初回抗原刺激および粘膜追加免疫後の血清力価)
以下の実施例は、IM初回抗原刺激後の粘膜追加免疫後の増加した血清IgG力価を示す。
【0147】
マウスを、実施例1に記載されるように、10μgのgp120/PLGを用いて筋肉内で免疫した。3回の粘膜(鼻腔内または直腸内)追加免疫を、上記されるように、粘膜アジュバントLTR72、ACPまたはCpG(1826)を用いて与えた。
【0148】
【表2】

IMx2 − 2回の筋肉内投与;IVagx3 − 3回の膣内投与;IRx3 − 3回の直腸内投与;INx3 − 3回の鼻腔内投与。
【0149】
表2は、平均血清IgG力価が、粘膜追加免疫を受けた動物について増加されることを示す。
【0150】
(実施例3)
(非経口初回抗原刺激および粘膜追加免疫後の膣洗浄物IgA力価)
以下の実施例は、IM初回抗原刺激後の粘膜追加免疫後の増加した粘膜(膣洗浄物)IgA力価を示す。マウスを、実施例1および実施例2に記載されるように免疫した。結果を、表3に示す。
【0151】
【表3】

表3に示される結果は、膣洗浄物IgA力価によって測定されるような粘膜力価が、非経口ポリペプチド投与および粘膜追加免疫後に増加されることを示す。
【0152】
(実施例4)
(記憶追加免疫後の血清力価)
以下の実施例は、非経口(筋肉内)初回抗原刺激後の記憶(memory)粘膜(鼻腔内)追加免疫後の増加した血清IgG力価を示す。記憶追加免疫を、最初の初回抗原刺激の18ヶ月後に行ったことを除いて、マウスを、基本的に上記されるように免疫した。結果を、表4および図2に示す。
【0153】
【表4】

IMx2 − 2回の筋肉内投与
IM − 1回の筋肉内投与
IN − 1回の鼻腔内投与
INx3 − 3回の鼻腔内投与。
【0154】
これらの結果は、ELISAによって測定されるような血清力価が、18ヵ月目での粘膜記憶追加免疫後に増加されることを示す。力価はまた、非経口初回抗原刺激がDNAを用いる場合、タンパク質と比較して増加される。
【0155】
(実施例5)
(Neisseria Meningitidis B(MemB)−PLGを用いる非経口初回抗原刺激粘膜追加免疫後の力価)
マウスを、上記されるように、MenB287抗原(WO/00/66791を参照のこと)を用いて、初回抗原刺激および追加免疫する。このMenB287抗原は、PLG微粒子および/またはCpGとともに処方される。結果を、以下の表5に示す。「IM」とは、筋肉内投与をいい、「IN」とは、鼻腔内投与をいう。「Imm数(#)」とは、免疫の数をいう。免疫1を、0日目に与え;免疫2を、28日目に与え;免疫3を、84日目に与え;そして免疫4を、98日目に与えた。「2wp2」とは、免疫数2の2週間後(42日目)に採取した血から得られた力価をいい;「2wp3」とは、免疫数3の2週間後(98日目)に採取した血から得られた力価をいい;そして「2wp4」とは、免疫数4の2週間後(112日目)に採取した血から得られた力価をいう。
【0156】
【表5】

表5に示されるように、力価は、3度目の免疫が鼻腔内である場合、筋肉内と比較して有意に増加する。力価はまた、2度目の粘膜追加免疫(免疫数4)後に、上昇したままである(かまたは増加される)。
【0157】
(実施例6)
(Neisseria meningitidis抗原またはHemophilus influenza(HIB)抗原を用いる非経口初回抗原刺激粘膜追加免疫後の血清IgG力価および膣洗浄物IgA力価)
マウスを、以下のスケジュール:
【0158】
【表6】

に従って、MenC抗原またはHIB抗原を用いて、初回抗原刺激および追加免疫する。
【0159】
IN − 鼻腔内投与
SC − 皮下投与
全ての群について、ELISAを、最初の投与の前(すなわち、0日目の前)および各々の免疫後に、標準的な手順に従って実施する。MenCについて、殺菌性抗体力価アッセイもまた、免疫応答を評価するために使用し得る。群2は、他の群と比較して大きな全身性免疫応答および/または粘膜免疫応答を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−53162(P2013−53162A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−274421(P2012−274421)
【出願日】平成24年12月17日(2012.12.17)
【分割の表示】特願2009−57158(P2009−57158)の分割
【原出願日】平成14年4月5日(2002.4.5)
【出願人】(591076811)ノバルティス バクシンズ アンド ダイアグノスティックス,インコーポレーテッド (265)
【Fターム(参考)】