説明

非経口薬物送達および診断サンプリング用構造体およびデバイス

哺乳動物の被検者の組織内に埋め込み得る構造体、および構造体の製造方法を開示する。これらの構造体は、治療薬を被検者の組織に送達する、または生体流体を治療目的でサンプリングするなどの応用において用い得る。本発明の一実施形態では、剛性のある構造体には、被検者の組織と接触させる面上に内方成長促進部が、画定されており、組織と接触させることを目的とする面から別の面への流路になり得る通路部が、画定されている。内方成長促進部は周囲の組織の内方成長を促進する寸法および間隔であるので、これらの画定された部分の寸法は、特定の応用に基づいて変化する。通路部は、周りの組織から細胞の構造物の中を通ることを妨げる寸法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許法第119条(e)の下、2003年11月10日付出願の米国仮出願第60/519,060号に対して優先権を主張する。
【0002】
本発明は、埋め込まれたデバイスの内腔と周囲の組織との間に流路を与える構造体に関する。これらの構造体は、哺乳動物の体内において使用する薬物送達システムまたはデバイス、あるいは生体流体サンプリングシステムまたはデバイスの一部分である場合がある。さらに詳細には、本発明の実施形態によって、細胞が構造体を通ってデバイスの内腔へ内方成長することを妨げながら、周囲の組織が構造体の外側の面に内方成長することを促進する構造体を得られる。
【背景技術】
【0003】
医療界には、長期間にわたって、例えば、何日かの間、何週間の間、または何ヶ月の間、いつでも身体の流体を利用可能な埋め込まれたデバイスに対して、未対処の要請がなお存在している。これらのデバイスを、例えば、糖をモニタする目的など非経口薬物投与または生体流体サンプリングにおいて使用する場合がある。埋め込まれたデバイスの使用期間が短くなる一つの原因は、周囲の細胞の免疫反応および/または組織の瘢痕によりデバイスと自然に血管化する組織との間の相互作用が妨げられて、このようなデバイスの封入が起こってしまうことである。このようなデバイスの使用期間を延長する一つの方法は、血管の内方成長も促進しながら、同時に埋め込まれるデバイスの表面の特徴を利用して封入を引き起こす反応を最小限にすることである。
【0004】
しかしながら、有効な流体輸送を行うためには、このような構造体はまた、通路内への組織の内方成長の制限もしなくてはならない。このような内方成長は、流路を塞ぎ、デバイスの内腔空間内へ侵入しかねない。この課題をなし遂げるために、いろいろな孔のサイズに基づくいくつかのアプローチが提案されてきた。一般に、これらの構造体の外側の面には、周囲の組織を内方成長させ得る緩い網状組織または二桁以上のマイクロメートルの構成物が使用されている。内側の面は、一般に、細胞の内方成長を物理的に抑制するような寸法の細かい網または多孔性の網状組織である。現在までのところ、これらのアプローチには、デバイスの内腔空間を保護するために、複数の層または積層構造が必要であるか、またはその下に物理的な支持構造体が必要である。
【0005】
例えば、ゴウダ(Gowda)およびマクニコルス(McNicols)(米国特許第6,459,917号明細書)は、新血管形成を促進するための、微細構造を有する濾過膜の使用法を教示している。細胞が集液部に入ることを妨げるために、孔の大きさが1.0μm未満である限外濾過膜を濾過膜に積層させる。このような多層構造体には、複数の組み立てステップが必要である。さらに、このような可撓性のある膜は、機械的支持をするためにさらに構造体を追加する必要があり、また、離層して作動中に故障する恐れがある。
【0006】
同様の静脈において、ブローカー他(Brauker et al.)は、米国特許第5,741,330号明細書において、またシュルツ他(Shults et al.)は、米国特許第6,001、067号明細書において、細胞を移入させずに組織の内方成長を促進するために、二重層の膜状構造体を使用している。上と同様に、これらの構造体は、本来積層物で、支持手段が必要であり、よって離層する場合がある。
【0007】
ジョセフ(Joseph)およびトージマン(Torjman)(米国特許第6,471、689号明細書)は、カテーテルの内腔から哺乳動物の体内へ薬物を送達するための複数の孔を有する内腔との間に支持構造体を有する薬物送達カーテルシステムを説明している。毛細管界面が、支持構造体の周りに配置され、脈管組織の内方成長を促進する外側の部分と、支持構造体から毛細管界面を通って薬物を流しながらも脈管組織の内方成長を妨げるように適合された内側の部分とを含む。このシステムには、膜の周りの組織からの機械的荷重に複数の孔を耐えさせ得る支持部、すなわち、毛細管界面を提供する構造体とは別の支持構造体が下に必要である。支持部が下に必要であることに加えて、このようなシステムでは、複数の構成要素を製造し組み立てる必要がある。
【0008】
したがって、新血管形成が行われるようにし、また同時に周りの細胞の内方成長は制限しながら、内腔または他の形態の集液部と、その周りの哺乳動物の組織との間において流体を輸送し得る、簡単で、有効な構造体になり得る単一の構造体に対する要請がなおある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態では、被検者の体内に埋め込むためのデバイスであって、このデバイスは、少なくとも第1および第2の面を有しており、少なくとも第1の面が、組織の内方成長を促進するように構成された所定のパターンの内方成長促進部を有する、剛性のある構造体と、剛性のある構造体の第2の面により少なくとも部分的に画定された内腔空間と、内腔空間が被検者の組織と流体連通して配置され得るように、剛性のある構造体の第1の面と第2の面との間を延びる所定のパターンの通路と、を備える。
【0010】
本発明の別の実施形態には、被検者の体内に埋め込むための剛性のある構造体であって、第1の面から外側へ延びる所定のパターンの内方成長促進部を備えており、被検者の体内の組織と接触し組織の内方成長を促進するように構成された第1の面と、第2の面と、第1の面から第2の面へ延びる所定のパターンの複数の通路であって、当該複数の通路を介して、哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい寸法である通路と、を備える剛性のある構造体が存在する。
【0011】
本発明の別の実施形態には、被検者の組織に埋め込み得るデバイス内において使用する、剛性のある構造体を製造する方法であって、哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい少なくとも1つの寸法を有する所定のパターンの通路部を作り出すために、構造体から材料を選択的に除去するステップと、組織の内方成長を促進するように構成された所定のパターンの内方成長促進部を作り出すために、構造体の第1の面から材料を選択的に除去するステップと、を含む方法が存在する。
【0012】
本発明の別の実施形態には、被検者の組織内に埋め込み得るデバイス内において使用するための、剛性のある構造体を製造する方法であって、所定のパターンの通路部および内方成長促進部を含む構造体を作り出すために、材料を選択的に堆積させるステップを含み、通路部は、哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい少なくとも1つの寸法を有し、また、内方成長促進部は、組織の内方成長を促進するように構成されている方法が、存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明のいくつかの特定の実施形態を以下に説明する。しかしながら、本発明は、特許請求の範囲により定められカバーされる複数の異なる方法で実施し得る。本説明では、図面を参照し、当該図面では、全体を通じて同様の部品を同じ符号で示している。
【0014】
本明細書において使用するように、生体流体という用語は、被検者の身体中の細胞外の環境にあって種々の物質を含有する流体、例えば、間湿液、脳脊髄液を指し、その流体には、タンパク質、ホルモン、栄養分、電解質、異化生成物、または導入される異物を含めた種々の流体が含まれるが、それらに限定はしない。
【0015】
剛性のある構造体は、実際、埋め込まれたデバイスの、本来支持されていない側壁または側壁の一部を形成するのに十分な硬さおよび剛性をもって製造される材料を含むものである。
【0016】
本明細書において使用するように、組織の物質輸送は、被検者の組織の内外への物質または材料の輸送のことを指す。組織の物質の輸送は、例えば、生体流体を、被検者の組織から、被検者の組織内に完全にまたは経皮的に埋め込まれたデバイスへ輸送することを指す場合がある。組織の物質の輸送はまた、前記組織内に完全にまたは経皮的に埋め込まれたデバイスから、治療薬などの物質または材料を被検者の組織へ輸送することを指す場合もある。
【0017】
本発明は、概ね、新規な微細構造体と、それらを、埋め込まれた薬物送達および生体流体サンプリングデバイスとともに使用する方法とに関する。本発明のいくつかの好ましい実施形態は、可撓性・多孔性のあるポリマーとは対照的に、組織の内方成長を促進するように定めたミクロンスケール部分と、デバイス内外への流体輸送を可能にするように定めたミクロンスケールからサブミクロンスケールの通路部とを有する剛性のある構造体に関する。
【0018】
一実施形態では、ミクロンスケールの内方成長促進部と、剛性のある構造体を通る流路を提供するサブミクロンスケールの通路部とは、これら2つの部分同士の間を分割せずまたはそれらの間に層として挿入されずに、連続した固形材料から形成し得る。多くの理由から、膜および/またはポリマーからなる他のバイオインターフェース構造体を越える複数の利点を、本発明のいくつかの実施形態から得られる。本発明の実施形態は、膜の領域同士が離層することによるデバイスの故障を避けられることが好ましい。本発明の本実施形態は、好ましくは下に支持構造体を必要とせずに、構造が画定され、剛性を有する。本実施形態では、デバイスの設計および製造の簡素化も行い得ることが好ましい。本発明の実施形態において用いる製造方法および材料によって、望ましい場合、生体適合性材料を追加して表面コーティングするなどの、別の部分を追加し得ることが好ましい。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、一般的な半導体加工技術および材料を使用して製造を行い得る。このような技術によって、表面部分を、大量に、かつ例えばマイクロメートルからセンチメートルまで種々の寸法で、再現性が高いやり方で、精確に定め得る。
【0020】
本発明の一実施形態において、剛性のある構造体は、複数のミクロンスケールの内方成長促進部を有する少なくとも1つの面を具えており、この部分は、哺乳動物のインプラント被検者の組織と接触させることを目的としている。これらのミクロンスケールの内方成長促進部の連続した延長部として、サブミクロンスケールからミクロンスケールの少なくとも1つの寸法の第2の通路のセットがあり、このセットは、構造体の少なくとも1つの他の面への流路になり得る。図1に、このような構造体の全体を表す断面図を示す。このような構造体は、全体を有効な平坦形状にし得るか、あるいは曲線を描く面として、または外側の面に、ミクロンスケールおよびサブミクロンスケールの内方成長促進部と、外側の面から構造体を通って構造体の別の面への流路になり得る、サブミクロンの通路部とを具える他の立体形状として形成し得る。
【0021】
図1に示すように、構造体1は、周囲の組織25と接触する構造体の外側の面にミクロンスケールの内方成長促進部10を有している。構造体はまた、サブミクロンスケールからミクロンスケールの複数の通路部15を有し、これによって、前記構造体を有するデバイスの内腔領域5と、周囲の組織25との間に流路を得られる。構造体の他の実施形態は、容易に考えられ、図1は、本発明の範囲を限定するものではない。
【0022】
本発明の実施形態では、構造体の外側の面のミクロンスケールの内方成長促進部は、新生血管形成を可能にすることを含めて組織の内方成長を促進することを目的とする。これらの内方成長促進部は、一般に、周囲の細胞および組織の寸法を反映する。よって、内方成長促進部は、数ミクロンスケールから複数桁のミクロンスケールの範囲であり得る。軟部組織への応用には、内方成長促進部が取り得る3つの寸法のうち少なくとも1つの寸法を1ミクロンから100ミクロンの範囲にすることが適切だと一般に考えられている。他の組織および/または応用については、骨に適する100μmから400μmなどの、他の寸法がさらに適切な場合がある。さらに、ミクロンスケールの形態の特性全体を改善するために、ナノスケールのさらに小さい部分および/または分子化合物をミクロンスケールの内方成長促進部に追加し得る。
【0023】
本発明の種々の実施形態では、周囲の組織の受け入れを促進するために、ミクロンスケールの内方成長促進部の表面を溝、チャネル、ピットまたは他の形態にし得る。図2、図3、および図4は、用い得るこのような形態を示している。
【0024】
図2に、ミクロンスケールの内方成長促進部が柱状である本発明の実施形態を示す。基底構造体30の外側の面に、複数の柱または支柱状の内方成長促進部35が配列されている。本発明の一実施形態では、このような支柱は、直径が1ミクロンと50ミクロンとの間であり、また、中心から中心までの寸法を、隣接する支柱同士の間の間隔が2ミクロンを超え1000ミクロン未満になるようなものにし得ることが好ましい。このような支柱の高さは、2ミクロンと500ミクロンとの間にしてもよく、また、柱ごとに高さを相違させてもよい。本発明の種々の実施形態では、構造体の面の周りにおけるこのような支柱の大きさおよび配置は、種々の形態および寸法にすることができ、図2に示す構造体および構成には限定しない。
【0025】
図3に、ミクロンスケールの内方成長促進部をトラフ55の形態にして構造体50の面に配列した本発明の代替実施形態を示す。このようなトラフは、長さが2ミクロンから1000ミクロン、幅が2ミクロンから500ミクロンの範囲であることが好ましい。このような構造体の高さは、2ミクロンから500ミクロンの範囲であることが好ましい。図3に示すのは、構造体においてトラフの端部を形成するクロス部材60である。このようなクロス部材の高さを、ここに示すように周囲のトラフの高さと同じにするか、あるいはトラフの壁より高いかまたは低い寸法にし得る。トラフの壁の幅は、2ミクロンから100ミクロンまで変化させ得る。内方成長促進部の好ましい寸法は、応用によって変化する。
【0026】
図4に、トラフ75を画定するミクロンスケールの内方成長促進部70を、繰り返しのないまたは有効なランダムなパターンにした、本発明の一実施形態を示す。望ましい要素とは、内方成長促進部の繰り返しが、あるとすれば、哺乳動物の一つの細胞が横切る寸法より大きい寸法で行われているようなパターンである。したがって、このようなランダム型のミクロンスケールの内方成長促進部を使用する本発明の構造体の一実施形態では、このような内方成長促進部のパターンは、少なくとも50ミクロン延ばしてから繰り返す。本発明の一実施形態では、パターンを有効なランダムパターンとして説明し、また、本発明の別の実施形態では、パターンは繰り返さなくてもよいが、それでも、内方成長促進部のパターンを所定のパターンにし得る。
【0027】
本発明の別の実施形態では、段状になったまたは張り出した内方成長促進部などの層状にした内方成長促進部、あるいは他の複数の内方成長促進部の組み合わせを用い得る。本発明の別の実施形態ではまた、丸い縁、カマーまたは他の直線以外で囲まれた形状を有する内方成長促進部を用い得る。内方成長促進部の形状を複数の他の形状に変更し、複数の形状を組み合わせることが、本発明の範囲内において考えられる。図5に、種々の内方成長促進部の形状を用いる本発明の一実施形態を示す。
【0028】
なお図5を参照すると、本発明の代替実施形態では、面80に、1つまたはそれ以上の細胞が全体または一部分を貫通するのに適する寸法の孔または連結部などの内方成長促進部を設け得る。内方成長促進部の断面形状には、面80からの距離が異なり、内方成長促進部85に見られるように張り出したまたは段状の特徴、または内方成長促進部100に見られるようにテーパーのついた特徴がみられる。本発明の代替実施形態では、内方成長促進部90には、キャビティ部95が含まれ、このキャビティ部95は、周囲の組織を移入させず、内側向きにミクロンスケールまたはサブミクロンスケールの通路部105を有する。同様に、本発明の実施形態の構造体全体に適する非平坦な形状が考えられ、その形状には、卵形、円錐直線回転体または他の形状を採用する、構造体に適する形状が、含まれる。構造体には1つまたはそれ以上のミクロンスケールの内方成長促進部を組み合わせて使用してもよく、それは、本発明の範囲内である。
【0029】
図5に示す種々の内方成長促進部から、生体適合性があり、かつ半導体加工技術における使用に適する材料を使用することにより得られる精度がわかる。内方成長促進部は、高度な精度で画定され、それにより、ここに示す種々の、また多数の代替形状の内方成長促進部を作り出すことができる。さらに、これらの加工技術を利用して、設計において連続した構造体を生成することができ、これにより、デバイスの剛性が強化され、デバイスが離層により故障しにくくなる。
【0030】
本発明の一実施形態では、図5に示すように、複数の通路部105を内方成長促進部同士の間に設ける。これらの通路部は、組織と接触しない構造体の1つまたはそれ以上の面と、組織と接触することを目的とするミクロンスケールの内方成長促進部を有する1つまたはそれ以上の面との間の流路になり得る。本発明の好ましい実施形態では、これらの通路部は、ミクロンスケールの内方成長促進部がある面に実質的に垂直である。一般に、構造体内の流路に沿った、少なくとも1つの場所におけるこれらの通路部の少なくとも1つの断面寸法は、概ね1ミクロンから10ナノメートルの範囲である。
【0031】
本発明の種々の実施形態では、通路部は、デバイスの内側の面から外側の面へ通り抜けるが、種々の形状および寸法にし得る。さらに、図5に示すように、1つまたはそれ以上の通路部を、隣接したどのミクロンスケール部同士の間の空間内に配置してもよい。構造体内の流路に沿った少なくとも1つの場所における、これらの通路部の断面寸法は、概ね1ミクロンから10ナノメートルの範囲である。本発明の別の実施形態では、1つまたはそれ以上の通路部は、さらに大きな通路を形成するように合流させ得る。このような実施形態から、流体送達速度および圧力の調節について利点を得られる。
【0032】
本発明の一実施形態では、これらの通路部の一つの機能は、流路を提供することである。本発明の別の形態では、これらの通路部は、流体をデバイスの内側から周囲の間隙空間に輸送するための通路として使用し得る。別の代替実施形態では、通路部は、流体を、周囲の組織から、本発明の構造体を有するデバイスの内腔に輸送するための通路であり得る。
【0033】
本発明の種々の実施形態では、このような流体は、治療のために薬物、作用薬または他の物質をデバイスから周囲の組織内へ送達することに使用し得る。本発明の代替実施形態は、特定の被検体用の生体流体を採取またはサンプリングすることに用い得る。代替実施形態は、栄養分、タンパク質または他の生物学的物質を、本発明の実施形態を利用したデバイス内に閉じ込められた細胞、細胞小器官、または他の生体実存物に送達することに用い得る。本発明の実施形態によって、小孔(サブミクロンまたはナノメートルスケールの孔)の大きさを比較的大きなミクロンスケールの面の形態と組み合わせ得ることが好ましく、これは、体内に埋め込まれるデバイス用の剛性のある構造体の使用法における新たな前進を表し、薬物送達および診断サンプリングを行うための種々の応用を行い得る。
【0034】
本発明の実施形態の製造に半導体加工技術を利用することによって、実施形態の挙動をさらによく制御し得る。組織の物質輸送デバイスとして機能する本発明の実施形態では、剛性のある構造体を流れる流体量の調節が改善されることによって、デバイス性能の調節が改善され得る。いくつかの実施形態の製造において利用される半導体加工技術によって、高分子膜を用いたデバイスにおいて作り出し得る通路よりも形状および大きさがさらに一貫した通路を作り出すことができる。
【0035】
実施において、断面寸法がミクロンまたはサブミクロンのこのような通路の長さは、現在のエッチングまたは他の穿孔技術の限界により定められる。一般に、このような通路は、アスペクト比が概ね20から1未満であり、長さが1ミクロンと20ミクロンとの間と考えられている。しかしながら、本発明の範囲は、技術の進歩と一致し、このような通路を形成する代替方法を含む、すなわち、材料の選択領域を除去する、例えばエッチング技術や、または寸法が適切な材料を追加する、例えば本発明の構造体の一部分またはすべてを成長させる、例えばゾルゲル技術や、あるいはそれらの2つを組み合わせることを含むが、これらに限定はしない。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態では、通路の直径は、十分狭いアスペクト、例えば250nm未満である場合、デバイスの内側から周囲の組織内へバクテリアが感染するルートになることを妨げる最後の障壁としての機能も果たし得る。本発明の代替実施形態において、第2の構造体、例えばマイクロポーラスフィルタ、フリットまたは膜を、構造体の内側の側面と実質的に接触させて配置することによって、あるいはフィルタをデバイスの流路内の他の場所に配置することによっても、この機能を果たし得る。
【0037】
本発明の種々の実施形態には、ミクロンスケールおよびサブミクロンスケールの部分が含まれるが、このような構成に適する材料を用いる必要がある。さらに、本発明の種々の実施形態には、デバイスを完全にまたは経皮的に埋め込む必要があるので、使用する材料の生体適合性が重要である。これらの実施形態の製造における使用に適した材料には、生体適合性もある、MEMS(微小電子機械システム)による製作に適する材料が含まれるが、これに限定はしない。これらには、ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、チタンおよびフォトレジストポリマーSU−8(ジー.コーザー(G. Cozer)他著、「埋め込み可能なデバイスを構成するMEMS材料の評価(「Evaluation of MEMS Materials of Construction for Implantable Devices」)、バイオマテリアル23(Biomaterials 23)、マサチューセッツ州ニュートン、マイクロ・ケム コーポレーション(MicroChem Corporation)、2002年、p.2737−2750)が含まれるが、これらに限定はしない。さらに、固体高分子、セラミックス、ガラス、他の金属または合金、例えば、プラチナ、インジウムまたはプラチナ−インジウム合金、並びに異種または複合材料などの他の材料を、本発明の構造体の要素の全てまたは一部分を構成するのに使用してもよい。
【0038】
これらの材料を使用した、本発明の種々の実施形態の構成は、マイクロマシニングまたは半導体製造の当業者に周知の器具および工程を用いて行うことができる。これらの器具および工程には、化学エッチング、深掘イオンエッチング、レーザーエッチング、および電気化学堆積が含まれるが、これらに限定はしない。さらに、他の器具または工程が、これらの構造体の構成に適切な場合があり、また本発明の範囲は、特定の一つのどんな工程、材料または製造方法にも限定されない。
【0039】
本発明の実施形態は、例えば、エッチングまたはマイクロマシニングにより材料を選択的に除去することによって、形成し得る。あるいは、一実施形態は、堆積法により材料を選択的に堆積させることにより、構成し得る。代替製造方法には、犠牲層の堆積および除去を含めて、材料の選択的堆積および除去を組み合わせることが含まれ得る。材料の堆積および除去は特定の順番で行う必要はなく、また、本発明の実施形態を製造するために、特定の堆積および除去方法を、条件を満たす複数の組み合わせにして用いてもよいことが、理解されるだろう。
【0040】
半導体加工技術によって、所定のパターンの内方成長促進部および通路部を有する、剛性のある構造体を製造し得る。したがって、本発明の実施形態は、これらの技術を用いて作り出される構造体が正確な形態であることが、製造者に分かるように構成し得る。このような精度は、高分子膜を使用する場合には得られない。特定の組織のどの表面を接触させるかによって異なるデバイスの動作を好ましくは最適化するように、これらの形態を変更し得る。図5に示すように、これらの変更は、内方成長促進部の高さ、幅および長さ、ならびにそれらの間の間隔を最適化するという範囲をかなり超えるものであってよい。半導体加工技術および適切な材料を用いることによって、形状が非常に精確にデザインされた内方成長促進部を生成し得る。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態では、構造体の実質的な部分を占める材料としてチタンを使用する。チタンは、酸化チタンなどの関連の誘導体とともに、生体適合性があることで周知の材料であり、医療用インプラント、カテーテルおよび関連のデバイスにおいて広範囲にわたって使用されてきた。当該材料は、知られている生体適合性に加えて、安価で、壊れにくく、強固である。チタンが、構造体全体を構成する場合があり、すなわち構造体は、全体がチタンから作製された、中実で、均質なアセンブリであり、またはチタンは、その下にある材料へ、例えば、ケイ素へめっきされる場合もあり、あるいはその代わりに構造体の一構成要素として使用してもよい。
【0042】
このようなチタン、またはチタン含有構造体の製造は、電着法、物理気相成長法、真空アーク蒸着法、化学気相成長法、マイクロマシニングまたはエッチングを含めた種々の方法で行い得るが、これらに限定はしない。本発明の一実施形態では、有効な同種の組成、すなわち、主にチタンまたはチタン合金いずれかにすることができ、これらは、(生理学的にモニタリングするための治療薬物送達または生体流体通路などの)生体適合性およびデバイス性能に必要なナノメートルまたはマイクロメートルスケールの適切な寸法、形状または表面にする。代替実施形態では、1つの材料から全体を、あるいは複数の材料から、複数の領域、複数の層、または他の複数の異種の形態に構成し得る。
【0043】
本発明の代替実施形態では、複数の材料からなる追加の複数の層を構造体の外側の面または内側の面に追加してもよい。このような層には、ゲル、繊維状高分子、高分子網、マイクロまたはナノスケールの金属材料、ならびにマイクロポーラスフリットが含まれるが、これらに限定はしない。組織の内方成長の促進、薬物送達コーティング、抗炎症薬物の放出、または静菌作用を含むがこれらに限定はしない、種々の果たし得る機能のために、これらの材料を使用してもよい。
【0044】
本発明の実施形態は、診断および薬物送達の領域において、広範囲に応用される。個々の応用は、埋め込み部位に合うように、例えば腹腔に対する皮下、皮下に対する器官に合わせて調整し、送達またはサンプリングの必要性、例えば、単位時間あたりの所要量に合わせて調整し、並びに快適さ、例えば、複数桁のミリメートルスケールの単一のデバイスとは対照的にサブミリメートルスケールの複数のデバイスを合わせるように調整し得る。さらに、本発明の1つまたはそれ以上の構造体を使用するデバイスを、実際に完全にまたは経皮的に埋め込み得る。
【0045】
図6に、経皮的薬物送達デバイスの一部分を概念的に示す。図6Aにデバイスの平面図を示す。図6Bに概ねデバイスの中心線を通る切断側面図を示す。図6Cに、デバイス130の本体内に配置した剛性のある構造体125の上面の拡大図を示す。デバイス130を、さらに深く埋め込むために、えり付き開口部120を介して、カテーテルなどの別のデバイスと流体連通させて配置し得る。図6Aおよび6Bに示すように、デバイス130の本体に、剛性のある構造体125が装着されている。剛性のある構造体125は、デバイスの内腔空間135からデバイスの外側の面への流路になり得る。複数のサブミクロンの通路部140を、剛性のある構造体125に均等に配列して表した図を示す。このような表示は、図面の拡大比には合っていない。同様に、図6Cに、構造体の上面のミクロンスケールの織地145、例えば、曲線状のトラフを示すが、これも図面の拡大比には合っていない。
【0046】
剛性のある構造体125の剛性によって、図6に示す本発明の一実施形態は、高分子膜を使用する同様のデバイスとは異なり、剛性のある構造体125に支持部を追加する必要なく、構成し得る。材料および加工技術を選択することによって、デバイスの組織内への挿入を、周囲の組織により構造体に圧力がかかることにより剛性のある構造体125を実質的に変形させることなく行い得る。上述のように、膜を支持する必要があることは複雑さを増すことから、剛性が高くなることによって、デバイスの製造が簡略化され、よってデバイスのコストおよび信頼性につながる。
【0047】
本発明の実施形態は、デバイスの設計に使用する剛性のある構造体は、例えば、チタンまたはその誘導体などの生体適合性材料からなる連続した部分からなるように構成し得るが、前述した機能などの機能を追加する際には層を追加し得る。構造体は、剛性があって、挿入後に周囲の組織により圧力がかけられても実質的に変形しないので、構造体と追加のどの層との間の界面にかかる応力も、少ない。したがって、離層によるデバイスの故障が起こりにくくなることが好ましい。
【0048】
選択した本発明の実施形態では、デバイスを、一般に、薬物送達に適する形状および形態の構成にし、また診断サンプリング用の、例えば、1つまたはそれ以上の被検体の検出用の生体流体に到達し得る構成にし得る。タイトルが「治療用化合物の生物学的モニタリングおよび送達用のゲートウェイプラットフォーム(Gateway Platform for Biological Monitoring and Delivery of Therapeutic Compounds」である、米国特許出願第10/032,765号明細書、現在は米国特許出願公開第2004−0004403A1号明細書に、このような経皮的デバイスの一実施形態が記載されており、その全体が参照によりここに組み込まれる。薬物送達用の応用には、センサ要素と比較して、生体流体サンプリング用の要素とあるいは異なる要素、例えば、ポンプおよび貯蔵部が含まれることが、理解される。
【0049】
本発明の代替実施形態では、例えば、経皮的に埋め込まれたピルの形態で、デバイスを、被検者の組織中に完全に収める。あるいは、本発明の実施形態は、流体を送達し生体流体または生体流体の成分をサンプリングし得るカテーテル、プローブまたは他のデバイスを含み得る。これらのデバイスはまた、周囲の組織内において局所的に活性するようにあるいはさらに全身において活性するように設計されたナノ物質またはナノスケールの他の構成物を送達するように機能し得る。
【0050】
本発明のさらに他の実施形態では、デバイスは、被導入システムまたはデバイス、例えば、薬物送達システムまたはセンサ装置を、デバイスの内腔空間内に収容することができ、よって、本発明の実施形態がない状態でこれらの被導入デバイスを導入した場合、おそらくは続いて起こる封入反応から隔離されたまま、これらの被導入システムおよびデバイスが、宿主組織および身体の流体と相互作用可能な流路になり得る。本発明の別の実施形態では、デバイスは、本来経皮的であって、前記被導入システムおよび被導入デバイスは、カテーテルのような管からデバイス中の内腔空間へ挿入し得る。このように挿入することによって、これらの実施形態の範囲内で取り外しおよび交換可能なシステムおよびデバイスを使用し得る。
【0051】
上述のように、本発明のいくつかの実施形態は、全体の形状が薬物送達および被検体の検出に適切なデバイスであり得る。本発明の代替実施形態では、デバイスを、生体流体をサンプリングする目的および診断目的用にのみ構成する。本発明のさらに他の実施形態では、デバイスの内腔内に、1つまたはそれ以上の生きている細胞を存在させる。このような細胞は、生体センサシステムとして機能するように遺伝子操作してもよく、例えば、毒素などの、生体流体中の特定の被検体を検出すると、毒素の存在をシグナル伝達する緑色蛍光タンパク質を表に出して反応するように、その細胞を操作し得る。本発明の他の実施形態では、細胞には、手を加えず、すなわち、細胞を、生体流体中のホルモンまたは栄養素シグナルに反応するように強化および設計し得る。このような反応の一例に、ランゲルハンス島の細胞が、生体流体中のブドウ糖濃度に反応して、それに応じてインスリンを分泌することがあげられよう。このような例は、一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0052】
上の詳細な説明で、種々の実施形態に適用される本発明の主要で新規な特徴を示し、説明し、指摘してきたが、本発明の範囲を逸脱せずに、ここに示した本システムの形態および詳細において、省略、置換、変更を行い得ることが、当業者に理解されよう。前出の説明では、本発明の特定の実施形態を詳述している。しかしながら、いかに詳細に説明しても、本発明の実施を、精神または本質的な特徴から逸脱せずに他の特定の形態で行い得る。ここに説明した実施形態は、全ての態様において、例示に過ぎず、限定をしないものと考えられ、したがって、本発明の範囲は、前出の説明というより、添付の特許請求の範囲により示される。特許請求の範囲の均等な意味および範囲内のすべての変更は、その範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態の側方断面図である。
【図2】柱状の内方成長促進部を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図3】トラフを有する本発明の実施形態を示す図である。
【図4】ここに示す領域における構成が有効に「ランダム」になっている部分を有する本発明の実施形態を示す図である。
【図5】いくつかの異なる形態のミクロンスケールの内方成長促進部を有する、本発明の実施形態の側方断面図である。
【図6】被検者の組織の中に挿入し得るデバイスを含む本発明の実施形態を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の体内に埋め込むデバイスであって、
少なくとも第1の面および第2の面を有し、少なくとも当該第1の面は、組織の内方成長を促進するように構成された所定のパターンの内方成長促進部を有する、剛性のある構造体と、
前記剛性のある構造体の前記第2の面により少なくとも部分的に画定された内腔空間と、
前記内腔空間が前記被検者の組織と流体連通して配置され得るように、前記剛性のある構造体の前記第1の面と前記第2の面との間を延びる所定のパターンの通路と、
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記構造体は、その下に物理的な支持部なしに、周囲の組織により前記構造体にかけられる圧力によるかなりの変形を妨げるのに十分な剛性を有する請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記剛性のある構造体の構成材料として生体適合性材料を使用する請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記生体適合性材料には、チタン、酸化チタン、またはチタン合金が含まれる請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記剛性のある構造体には、生体適合性がある請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記剛性のある構造体の少なくとも第1の面は、生体適合性材料からなる層でコーティングされる請求項3に記載のデバイス。
【請求項7】
前記生体適合性材料には、チタン、酸化チタン、またはチタン合金が含まれる請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記剛性材料からなる面と接触する少なくとも1つの材料層をさらに含む請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記内腔空間は、被導入デバイスを挿入するように構成されている請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記被導入デバイスには、センサ装置が含まれる請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記被導入デバイスには、薬物送達システムが含まれる請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
被検者の体内に埋め込む剛性のある構造体であって、
第1の面から外側へ延びる所定のパターンの内方成長促進部を備えており、被検者の体内の組織と接触し組織の内方成長を促進するように構成された第1の面と、
第2の面と、
前記第1の面から前記第2の面へ延びる所定のパターンの通路であって、当該通路は、複数の通路を介して、哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい寸法である通路と、
を備える構造体。
【請求項13】
前記構造体は、その下に物理的な支持部なしに、周囲の組織により前記構造体にかけられる圧力によるかなりの変形を妨げるのに十分な剛性を有する請求項12に記載の剛性のある構造体。
【請求項14】
前記剛性のある構造体は、少なくとも部分的に生体適合性材料からなる請求項12に記載の剛性のある構造体。
【請求項15】
前記生体適合性材料には、チタン、酸化チタン、またはチタン合金が含まれる請求項14に記載の剛性のある構造体。
【請求項16】
前記剛性のある構造体は、全体が、連続した生体適合性材料からなる請求項14に記載の剛性のある構造体。
【請求項17】
前記剛性のある構造体の少なくとも第1の面は、生体適合性材料からなる層でコーティングされる請求項14に記載の剛性のある構造体。
【請求項18】
前記生体適合性材料には、チタン、酸化チタン、またはチタン合金が含まれる請求項17に記載の剛性のある構造体。
【請求項19】
前記剛性材料からなる面と接触する少なくとも1つの材料層をさらに含む請求項12に記載の剛性のある構造体。
【請求項20】
前記所定のパターンの内方成長促進部は、前記剛性のある構造体が接触することになる特定のタイプの組織上に、部分的に基部を置いて画定される請求項12に記載の剛性のある構造体。
【請求項21】
被検者の組織内に埋め込み可能なデバイス内において使用する剛性のある構造体を製造する方法であって、
哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい少なくとも1つの寸法を有する所定のパターンの通路部を作り出すために、構造体から材料を選択的に除去するステップと、
組織の内方成長を促進するように構成された所定のパターンの内方成長促進部を作り出すために、前記構造体の第1の面から材料を選択的に除去するステップと、
を含む方法。
【請求項22】
前記構造体を少なくとも部分的に生体適合性材料から形成する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記生体適合性材料は、チタンまたはチタン誘導体である請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記構造体全体を生体適合性材料から形成する請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記構造体の少なくとも第1の面に生体適合性材料からなる層を堆積させるステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記生体適合性材料は、チタンまたはチタン誘導体である請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記材料をレーザーエッチングにより選択的に除去する請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記材料を化学エッチングにより選択的に除去する請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記材料を深掘反応性イオンエッチングにより選択的に除去する請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記材料をマイクロマシニングにより選択的に除去する請求項21に記載の方法。
【請求項31】
種々の材料層を堆積させることにより前記構造体を構成する第1のステップをさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項32】
前記種々の材料層を所定のパターンに堆積する請求項31に記載の方法。
【請求項33】
被検者の組織内に埋め込み可能なデバイスを使用するための剛性のある構造体を製造する方法であって、
所定のパターンの通路部および内方成長促進部を含む構造体を作り出すために、材料を選択的に堆積させるステップを含み、
前記通路部は、哺乳動物の細胞を通さない程度十分小さい少なくとも1つの寸法を有し、前記内方成長促進部は、組織の内方成長を促進するように構成される方法。
【請求項34】
選択的に堆積させる前記材料の少なくとも一部分は、犠牲材料である請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記堆積させる材料の一部分を選択的に除去するステップをさらに含む請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記犠牲材料を堆積させるステップをさらに含み、選択的に除去される前記材料の少なくとも一部分は、前記犠牲材料である請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記材料を電着法により選択的に堆積させる請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記材料を物理気相成長法により選択的に堆積させる請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記材料を真空アーク蒸着法により選択的に堆積させる請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記材料を化学気相成長法により選択的に堆積させる請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記選択的に堆積させる材料の前記少なくとも一部分は、チタンまたはチタン誘導体である請求項33に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2007−510515(P2007−510515A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539743(P2006−539743)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/037338
【国際公開番号】WO2005/046446
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(504003673)フィロメトロン,インコーポレイティド (3)
【Fターム(参考)】