説明

非金属触媒の存在下での脱水素縮合による架橋に適したシリコーン組成物

本発明は、SiH/SiOH基を含む成分を含むシリコーン組成物であって、非金属触媒例えば非シリル化五置換グアニジンの存在下で、低い活性化温度で、脱水素縮合反応によって、重合/架橋されうる当該シリコーン組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンの重合/架橋を可能にする脱水素縮合反応の触媒の分野に関係する。含まれる反応性本体は、ポリオルガノシロキサン性のモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーである。
【0002】
これらの本体中で関係する反応ユニットは、一方では、≡SiHユニットであり、他方では、≡SiOHユニットである。これらのシリコーン反応性ユニット間の脱水素縮合は、≡Si−O−Si≡結合の形成及び水素ガスの遊離を生じる。
【0003】
この脱水素縮合は、シリコーン分野で公知の重合/架橋経路即ち、≡SiHと≡Si−アルケニル(ビニル)ユニット間の反応による重付加の経路、及び≡SiORと≡SiORユニット(R=アルキル)の間の反応による重縮合の経路に対する別法である。これらすべての重合/架橋経路は、多かれ少なかれ重合された、多かれ少なかれ架橋されたシリコーン生成物を生じ、それらは、接着剤、漏れ止め製品、ポインティングプロダクト、接着仕上げ処理、剥離塗料、発泡体などの多くの応用で用いられうる生成物を構成することができる。
【背景技術】
【0004】
フランス国特許FR−B−1209131によれば、Me=メチル及びPh=フェニルを有するシラノールPh2Si(OH)2と該オルガノシロキサン[(Me2HSi)2O]との間の脱水素縮合による反応は、クロロ白金酸(H2PtCl6・6H2O)により触媒されうるということが知られている。
【0005】
ロジウム錯体(RhCl3[(C817)2S]3)を利用することも、実際、例えば、米国特許US−B−4262107で言及されているように知られており、白金錯体例えばカールシュテット触媒、又は白金ベースの、ロジウムベースの、パラジウムベースの又はイリジウムベースの金属触媒が知られている。イリジウムベースの触媒としては、次のものを挙げることができる:IrCl(CO)(TPP)2、Ir(CO)2(acac)、IrH(Cl)2(TPP)3、[IrCl(シクロオクテン)2]2、IrI(CO)(TPP)2及びIrH(CO)(TPP)3(これらの式TPPは、トリフェニルホスフィン基を意味し、acacは、アセチルアセトネート基を意味する)。
【0006】
他の例は、アミン、コロイドニッケル又はジブチル錫ジラウレートなどの触媒である(Nollによるハンドブック「Chemistry and technology of silicones」、205頁、Academic Press, 1968-第二版参照)。しかしながら、アルキル錫ベースの触媒は、それらが非常に有効で、殆ど無色であり、液体であって、シリコーン油に可溶性であるにもかかわらず、毒性であるという欠点を有している(生殖に対するCMR2毒性)。
【0007】
他の触媒、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)−ボラン型のホウ素誘導体は、フランス国特許出願25FR−A−2806930に記載されている。
【0008】
米国特許US−B−4262107は、シラノール末端を有するポリジメチルジシロキサン、≡SiHユニットを鎖中に有しトリメチルシリル末端を有するポリオルガノシロキサンよりなる架橋剤、及びロジウム錯体(RhCl3[(C817)2]3)よりなる触媒を含むシリコーン組成物を記載している。このシリコーン組成物は、ロジウム錯体の存在下で脱水素縮合により架橋しえて、可撓性支持体例えば紙及びプラスチック又は金属フィルム上での剥離塗料の製造に利用することができる。この架橋は、150℃の温度で行なわれる。
【0009】
欧州特許出願EP−A−1167424は、直鎖状ブロックシリコーンコポリマーの、シラノール末端を有するポリジメチルシロキサンと芳香族基を含み、≡SiH末端を有するポリオルガノシロキサンとの、金属触媒の存在下での脱水素縮合による製造を記載しており、該金属触媒は、白金ベース、ロジウムベース、パラジウムベース又はイリジウムベースであってよく、白金が特に好適である。
【0010】
フランス国特許出願FR−A−2806930は、トリ(ペンタフルオロフェニル)ボラン型のホウ素誘導体の、≡SiHユニットを有するポリオルガノシロキサンと≡SiOH末端ユニットを有するポリオルガノシロキサンとの間の脱水素縮合のための熱活性化可能触媒としての利用を記載している。かかるシリコーン組成物は、ホウ素誘導体型のルイス酸の存在下で脱水素縮合により架橋されえて、可撓性支持体、特に紙上での剥離塗料の製造に利用することができ、又、水素の放出及び架橋ネットワークの質が制御される架橋されたシリコーンフォームの製造にも利用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】フランス国特許FR−B−1209131
【特許文献2】米国特許US−B−4262107
【特許文献3】フランス国特許出願FR−A−2806930
【特許文献4】欧州特許出願EP−A−1167424
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Nollによるハンドブック「Chemistry and technology of silicones」、205頁、Academic Press, 1968-第二版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
この≡SiOHシロキシルユニットを有するポリオルガノシロキサンと≡SiHシロキシルユニットを有するポリオルガノシロキサンの間の脱水素縮合の触媒に関する従来技術の概観から、以下に対する重要な要求があることは明らかである:
1)新規な錫を含まない触媒を見出すこと、
2)触媒の活性化温度を低下させること、及び
3)副反応を制限すること。
【0014】
従って、本発明の本質的目的の一つは、≡SiH/≡SiOH基を有する成分を含み、錫を含まず、低い活性化温度の非毒性触媒の存在下で、脱水素縮合反応によって重合/架橋されうるシリコーン組成物を提供することである。
【0015】
本発明の他の本質的目的は、上記の目的の記載で言及した型の組成物を重合及び/又は架橋させる方法を提供することである;この方法は、得られる最終製品の品質に関して、迅速で、経済的で且つ効果的でなければならない。
【0016】
この発明の他の本質的目的は、支持体(好ましくは、可撓性支持体)上での少なくとも一種の剥離塗料の製造方法であって、架橋/重合方法の利用にある当該製造方法、又は上記の組成物の製造方法を提供することである。
【0017】
この発明の他の本質的目的は、架橋したシリコーンフォームでできた少なくとも一の製品の製造方法であって、前述の架橋/重合方法及び/又は上記の組成物の利用にある当該製造方法を提供することであり、この方法は、放出する水素ガスの体積及び形成されるエラストマーの品質を制御することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
他のうちで、これらの目的は、如何なる金属触媒をも含まないシロキサン組成物Xに先ず関係する本発明により達成され、これは、下記を含む脱水素縮合によって重合され及び/又は架橋されうる:
− 少なくとも一種のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーB(一分子当たり、少なくとも一つの反応性≡SiHユニットを有する);
− 少なくとも一種のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーC(一分子当たり、少なくとも一つの反応性≡SiOHユニットを有する);
− 触媒的に有効な量の、少なくとも一の脱水素縮合触媒A{これは、下記の一般式(I)に相当する非シリル化有機化合物であり:
【化1】

(式中、
− R1、R2、R3、R4又はR5基は、互いに独立に、同じであっても異なってもよく、直鎖又は分枝鎖の一価アルキル基、シクロアルキル基又は(シクロアルキル)アルキル基を表し、環は置換され又はされておらず、少なくとも一つのヘテロ原子又はフルオロアルキル基、芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、又はアルキルアミン又はアルキルグアニジン基を含むことができ、
− R1、R2、R3又はR4基は、3−、4−、5−、6−又は7員の脂肪族環を形成するように対合することができ、該環は、適宜、一つ以上の置換基で置換され、そして
− R1、R2、R3、R4及びR5基は、ケイ素原子を含まないという更なる条件がある) }、
− 適宜、少なくとも一のポリオルガノシロキサン樹脂D;及び
− 適宜、少なくとも一の充填剤E。
【0019】
この発明による、一般式(I)に対応する非シリル化化合物は、五置換されたグアニジンであって、液体であり、無色であり、無臭であり、シリコーンマトリクスに可溶性であるという利点を有している。本発明による非シリル化グアニジンは、非常に低含量で、架橋すべきシリコーンシステムにおいて用いられる。
【0020】
かかる化合物の利用は、たとえ少量でも、この≡SiH及び≡SiOHユニットを含むシロキサン本体間での脱水素縮合反応を、中位の温度条件下で触媒することを可能にする。シリコーンポリマー又はネットワークは、こうして、数分間で、周囲温度で得られる。
【0021】
この発明は、特に、白金触媒に関して有効であり、経済的である。
【0022】
この発明の好適な具体例によれば、脱水素縮合触媒Aは、下記の化合物(A1)〜(A4)よりなる群から選択される非シリル化有機化合物である:
【化2】

【0023】
それらは、低濃度で、脱水素縮合を活性化するために、限られた量のエネルギーしか必要としないことによっても有利である。特に、それらは、実際、周囲温度ですぐに活性化されうる。
【0024】
それらは、特に、穏やかな経済的条件下でのエラストマーシリコーンネットワークの製造に有利である。この場合に標的としている応用は、特に、現行システムを一層安価なシステムに置き換えることが望まれる紙の接着抵抗性に関係し、水素の放出とネットワークの品質を制御することが望まれるシリコーンフォームに関係している。第一の応用のためには、泡の形成を防止するために水素の拡散を制御することが好ましい。第二の応用のためには、最終的なフォームの特性を最適化するために泡の大きさを管理することが必要である。
【0025】
これらの結果は、すべて、シロキサン本体の反応性として一層重要であり、特に、非直鎖状(架橋した)生成物の形成において、脱水素縮合におけるヒドロシラン及びアルコールと比較するならば、非常に高くはない。
【0026】
定量的に、この発明による触媒Aは、有利には、反応すべきオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーの乾物の重量の0.01〜3重量%の量で、好ましくは、0.1〜1重量%の量で存在する。
【0027】
優先的には、反応性の≡SiHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBは、少なくとも一ユニットの式(II)を有し、式(III)のユニットで終端するか又は式(II)のユニットよりなる環状の本体であり、これらの式は、以下のように表される:
【化3】

(式中:
− 記号R1は、同じであるか又は異なって、下記を表し
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、少なくとも一種のハロゲンで、好ましくはフッ素で置換されていてよく、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、ハロゲン、1〜3炭素原子を含むアルキル及び/又はアルコキシで置換されていてよい)、
− 記号Zは、等しくても異なってもよく、下記を表す:
・ 水素基、又は
・ 一分子当たり少なくとも2つの記号Zが水素原子を表すという条件を有する基R1)。
【0028】
一つの好適な具体例によれば、反応性≡SiOHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCは、少なくとも一の式(IV)のユニットを有し、式(V)のユニットで終端するか又は式(IV)のユニットよりなる環状本体であり、該式は、下記に表されている:
【化4】

(式中:
− 記号R2は、同じか又は異なって、下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン、好ましくはフッ素で置換されており、好ましくは、これらのアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、ハロゲン、1〜3炭素原子を含むアルキル及び/又はアルコキシで置換されている)、及び
− 記号Z’は、等しく又は異なって、下記を表す:
・ ヒドロキシル基、又は
・ 一分子当たり、少なくとも2つの記号Zがヒドロキシル基−OHを表すという条件を有する基R2)。
【0029】
B及びC型の本体は又、それらの構造中に、下記のように、「(Q)」又は「(T)」ユニットを含むこともできる:
【化5】

(R3は、R1又はR2に与えられた置換基の一つを表すことが可能である)。
【0030】
この発明の有利な変形によれば、用いられるポリオルガノシロキサンBは、一分子当たり、1〜50の≡SiHシロキシユニットを含む。
【0031】
この発明の有利な変形によれば、用いられるポリオルガノシロキサンCは、一分子当たり、1〜50の≡SiOHシロキシユニットを含む。
【0032】
誘導体Bとして特に好適なのは、反応性≡SiHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBであり、それは、下記の一般式(VI)に対応する:
【化6】

(式中:
− x及びyは、それぞれ、0〜200の整数又は分数を表し、
− R’1及びR”1は、互いに独立に下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン好ましくはフッ素により置換され、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8個の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、置換されている)、及び
− R”1は、x=0の場合に、水素に対応することも可能である)。
【0033】
特に、誘導体Cとして好適なのは、反応性の≡SiOHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCであり、それは、下記の一般式(VII)に対応する:
【化7】

(式中:
− x’及びy’は、各々、0〜1200の整数又は分数を表し、
− R’2及びR”2は、互いに独立に、下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン好ましくはフッ素により置換され、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8個の環状炭素原子を含み、適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む、適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、置換されている)、
− R”2は、x’=0の場合、OHにも対応する)。
【0034】
下記の化合物:
【化8】

(ここに、a、b、c、d及びeは、下記の範囲の数を表す:
−式S1のポリマー中:
0≦a≦150、好ましくは、0≦a≦100、好ましくは、0≦a≦20
であり且つ
1≦b≦55、好ましくは、10≦b≦55、好ましくは、30≦b≦55、
−式S2のポリマー中:
0≦c≦15、
−式S3のポリマー中:
5≦d≦200、好ましくは、20≦d≦50
であり且つ
2≦e≦50、好ましくは、10≦e≦30)
は、シリコーン誘導体Bとして、この発明に非常に特に適している。
【0035】
下記の式S4の化合物:
【化9】

(ここに、1≦f≦1200、好ましくは、50≦f≦400、尚一層好ましくは、150≦f≦250)
は、シリコーン誘導体Cとして、非常に特にこの発明に適している。
【0036】
シロキサン本体B及びCがオリゴマー又はポリマーであるとすれば、それらは、下記のように記載することができる。
【0037】
ポリオルガノシロキサンBは、直鎖(例えば、(VI))、分枝鎖又は環状であってよい。経済的理由により、その粘度は、好ましくは、100mPa.s未満であり;同一の又は異なる有機基は、好ましくは、メチル、エチル及び/又はフェニルである。ポリオルガノシロキサンが直鎖である場合には、≡SiH官能基の水素原子は、鎖端及び/又は鎖中に位置するケイ素原子に直接結合される。
【0038】
直鎖状成分Bの例として、トリメチルシロキシル及び/又はヒドロジメチルシロキシ末端を有するポリメチルヒドロシロキサンを挙げることができる。
【0039】
環状ポリマーのうちで、下記式に対応するものを挙げることができる:
【化10】

【0040】
成分Cは、200000mPa.sに達しうる粘度を示すことができる。経済的理由により、粘度が一般的に約20〜10000mPa.sである成分が選択される。
【0041】
成分C、α,ω−ヒドロキシル化油又はガム中に、一般的に、存在する同一又は異なる有機基は、メチル、エチル、フェニル又はトリフルオロプロピル基である。好ましくは、該有機基の少なくとも80%が、ケイ素原子に直接結合したメチル基である。本発明のコンテキストにおいて、α,ω−ビス(ヒドロキシ)ポリジメチルシロキサンは、一層特に好適である。
【0042】
ポリオルガノシロキサンCは、樹脂であってよい。シラノール官能基を有する樹脂Cは、一分子当たり、少なくとも一つのR’SiO1/2ユニット(Mユニット)及びR’2SiO2/2ユニット(Dユニット)を、少なくとも一つのR’SiO3/2ユニット(Tユニット)及びSiO4/2ユニット(Qユニット)と共に有する。一般に存在するR’基は、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシルである。樹脂の例として、MQ(OH)、MDQ(OH)、TD(OH)及びMDT(OH)樹脂を挙げることができる。
【0043】
ポリオルガノシロキサンB又はCについては、組成物の粘度を調節するように、溶剤を使用することが可能である。シリコーンポリマー用のかかる慣用の溶剤の例としては、芳香族型の溶剤例えばキシレン及びトルエン、飽和脂肪族溶剤例えばヘキサン、ヘプタン、揮発油(商標)、テトラヒドロフラン及びジエチルエーテル、塩素化溶剤例えばメチレンクロリド及びパークロロエチレンを挙げることができる。しかしながら、本発明のコンテキストにおいて、溶剤を用いないのが好ましい。
【0044】
≡SiH/≡SiOHモル比は、有利には、1〜100であり、好ましくは、10〜50であり、尚一層好ましくは、15〜45である。
【0045】
この発明による組成物は又、一種以上のポリオルガノシロキサン樹脂Dをも含むことができる。これらの樹脂は、分枝したポリオルガノシロキサンオリゴマーであり又は周知の市販されているポリマーである。それらは、溶液の形態で、好ましくは、シロキサン溶液の形態で存在する。それらは、構造において、下記のものから選択される少なくとも2つの異なるユニットを有する:
R’3SiO1/2(Mユニット)、R’2SiO2/2(Dユニット)、R’SiO3/2(Tユニット)及びSiO4/2(Qユニット)(これらのユニットの少なくとも一つは、T又はQユニットである)
【0046】
R’基は、同じか又は異なって、直鎖又は分枝鎖のC1−C6アルキル基、C2−C4アルケニル基、フェニル又は3,3,3−トリフルオロプロピルから選択される。
【0047】
例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル及びn−ヘキシル基をアルキル基R’として、ビニル基をアルケニル基Rとしてを挙げることができる。
【0048】
上記の型のポリオルガノシロキサン樹脂Dにおいて、R’基の一部は、アルケニル基であるということは理解されるべきである。
【0049】
分枝したオルガノポリシロキサンオリゴマー又はポリマーDの例として、MQ樹脂、MDQ樹脂、TD樹脂及びMDT樹脂を挙げることができ、アルケニル官能基は、M、D及び/又はTユニットにより生成されうる。特に適している樹脂−E−の例として、0.2〜10重量%のビニル基を含有するビニル化MDQ又はMQ樹脂を挙げることができる(これらのビニル基は、M及び/又はDユニットから生成する)。
【0050】
この樹脂Dは、有利には、組成物の合わせた成分の5〜70重量%の、好ましくは、10〜60重量%の、尚一層好ましくは、20〜60重量%の濃度で存在する。
【0051】
この発明による組成物は又、充填剤E、好ましくは、ケイ質又は非ケイ質材料から選択される無機充填剤をも含むことができる。ケイ質材料を含む場合には、それらは、補強用又は半補強用充填剤として作用しうる。補強用ケイ質充填剤は、コロイドシリカ、ヒュームドシリカ及び沈降シリカ粉末から、又はこれらの混合物から選択される。
【0052】
これらの粉末は、一般に、0.1μmより小さい平均粒径及び50m2/gより大きい、好ましくは100〜300m2/gのBET比表面積を有する。
【0053】
半補強用のケイ質充填剤例えばケイソウ土又は石英粉末を用いることもできる。
【0054】
非ケイ質無機材料に関して、それらは、半補強用又は増量用無機充填剤として含まれうる。これらの単独又は混合物として使用できる非ケイ質充填剤の例は、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、アルミナ箔、膨張バーミキュライト、ジルコニア、未展開バーミキュライト、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、雲母、タルク、酸化鉄、硫酸バリウム及び消石灰である。これらの充填剤は、一般に、0.001〜300μmの粒径、及び100m2/g未満のBET表面積を有する。
【0055】
実施において、用いられる充填剤は、シリカとすることができるが、限定されるものではない。
【0056】
この充填剤は、任意の適当な相溶化剤を用いて、特にヘキサメチルジシラザン中で処理することができる。この点についての更なる詳細は、例えば、特許FR−B−2764894を参照することができる。
【0057】
重量に関しては、調製物の合わせた成分の5〜30重量%、好ましくは、7〜20重量%の量の充填剤を使用するのが好ましい。
【0058】
当然、この組成物は、意図する最終応用によって、あらゆる種類の添加剤を用いて強化することができる。
【0059】
可撓性支持体(紙又はポリマーフィルム)における付着抵抗応用において、この組成物は、公知のシステムから選択される接着調節システムを含むことができる。これは、フランス国特許FR−B−2450642、特許US−B−3772247又は欧州特許出願EP−A−0601938に記載されたものを含むことができる。
【0060】
この組成物の他の機能的添加剤は、殺菌剤、光増感剤、殺真菌剤、腐食防止剤、不凍剤、湿潤剤、消泡剤、合成ゴム、着色剤又は酸性化剤であってよい。
【0061】
慣用の添加剤のうちで、接着促進剤例えば少なくとも一種のアルコキシル化オルガノシラン、少なくとも一種のエポキシ化有機ケイ素化合物及び少なくとも一種の金属キレート及び/又は金属アルコキシド例えば下記を挙げることもできる:
−ビニルトリメトキシシラン又はVTMO、
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン又はGLYMO、及び
−t−ブチルチタネート又はTBOT。
【0062】
この組成物は、溶液又は乳液であってよい。後者の場合、それは、少なくとも一種の界面活性剤及び随意の少なくとも一種のpH調整剤例えばHCO3-/CO32-及び/又はH2PO4-/HPO42-含むことができる。
【0063】
この発明を規定する他の手段は、それを、この発明により、一方で一分子中に少なくとも一つの反応性≡SiHユニットを有する少なくとも一のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBと、他方で一分子中に少なくとも一つの反応性≡SiOHユニットを有する少なくとも一のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCとの間の脱水素縮合用として規定した少なくとも一種の触媒Aの使用の見地から捕らえることにある。
【0064】
他の面によれば、本発明は、この発明によるシロキサン組成物Xを重合させ及び/又は架橋させる方法に関係し、上記のように、脱水素縮合反応が該化合物BとCの間で行なわれること、及び該脱水素縮合がこの発明に依る触媒Aによって開始されることを特徴とする。
【0065】
2つの具体例は、この発明による触媒の添加に関して可能である。
【0066】
該触媒は、化合物B及びCの混合物に、例えばS1、S2又はS3型のポリマーとS4型のポリマーの混合物に加えることができ、又は好ましくは、化合物C例えばS4型のポリマーと予備混合してから、化合物B例えばS1又はS2又はS3ポリマーの存在下に置くことができる。
【0067】
本発明の変形と考えまでもなく、この触媒は、そのまま使用することもできるし、溶剤中の溶液にて使用することもできる。
【0068】
一般に、混合は、周囲温度での攪拌により行なわれる。
【0069】
例えば、触媒の溶液は、脱水素縮合により重合し及び/又は架橋すべきモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーを含む浴を用意するために使用し、それで、存在する触媒の濃度を、該浴の0.01〜5重量%に、好ましくは、0.05〜0.5重量%にすることができる。
【0070】
この発明によるシリコーン組成物は、特に、撥水性の剥離塗料の製造のためのコーティング基剤として使用することができ、当業者に周知の手段を用いて、混合のための方法論によって、製造され、溶剤を含むか若しくは含まない組成物、又は乳液が含まれる。
【0071】
この発明は又、支持体好ましくは可撓性支持体上での少なくとも一の剥離塗料の製造方法にも関係し、それは、本質的に、この支持体に、この発明によるシロキサン組成物Xを施用(適用)し、次いで、シロキサン組成物Xを架橋させることにある(適宜、110℃の温度まで熱活性化する)。
【0072】
この方法によれば、これらの組成物は、紙をコートするための産業用機械で用いられる装置、例えば5ロールコーティングヘッド、又はナイフ若しくは均し棒システムを用いて、可撓性支持体又は材料上に施用(適用)し、次いで、100〜110℃に加熱したトンネルオーブンを通過させることにより硬化させることができる。
【0073】
該組成物を、任意の可撓性材料又は基材例えば様々な種類の紙(スーパー仕上げ紙、コート紙又はグラシン紙)、厚紙、セルロースシート、金属シート又はプラスチックフィルム(ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)上に付着させることができる。
【0074】
付着させる組成物の量は、処理すべき面1平方メートル当たり約0.5〜2gであり、約0.5〜2μmの付着層に相当する。
【0075】
こうして、コートされた支持体又は材料は、その後、任意の感圧性の粘着材料、ゴム、アクリル誘導体などと接触させることができる。この粘着性材料は、次いで、容易に、該支持体又は基材から分離できる。
【0076】
これらの分離可能シリコーンフィルムでコートされた可撓性支持体は、例えば、下記のものであってよい:
− 内面が感圧性接着剤の層でコートされ外面は分離可能なシリコーンコーティングよりなる粘着テープ;
− 又は、粘着性又は感圧性接着成分の粘着面を防護する紙又はポリマーフィルム;
− 又は、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン又はポリエチレンテレフタレート型のポリマーフィルム。
【0077】
この発明の他の主題は、架橋したシリコーンフォームから作られた少なくとも一の製品の製造方法であって、本質的に、上記の組成物を、好ましくは、上記のPOS A及びBを利用して架橋すること、及び形成される水素ガスの少なくとも一部が反応媒質から放出されないことを保証することを特徴とする当該製造方法に関係する。
【0078】
この発明による組成物は、ペイント上の剥離塗料、電気電子部品のカプセル封入、又は織物のコーティングの分野において有用であり、光ファイバーの被覆の分野においても有用である。
【0079】
この発明の主題は又、この発明によるシロキサン組成物Xの架橋及び/又は重合により得られる任意のコーティングでもある。これらのコーティングは、ワニス、粘着性コーティング、分離可能なコーティング及び/又はインク型のものであってよい。
【0080】
この発明は又、以下に向けられてもいる:
− 少なくとも一つの面が前述の熱架橋性及び/又は重合性シロキサン組成物Xでコートされた固体材料よりなる任意の製品;
− 及び、前述のシロキサン組成物Xの架橋により得られる架橋したシリコーンフォーム。
【実施例】
【0081】
実施例:
I)この発明による触媒の製造
(A−2):1−ブチル−2,3−ジシクロヘキシル−1,3−ジメチルグアニジン
18.38gのシクロヘキシルイソシアネート(0.147モル)を、ヘキサン160ml中の19.12gのN−メチル−N−シクロヘキシルアミン(0.169モル)に、滴下して加えてから、その曇った混合物を、2時間、還流し、次いで、蒸発乾固させて35gの粗N,N’−ジシクロヘキシル−N−メチル尿素を与える。12gのPOCl3(78mモル)を、1時間の過程で、17gの該粗N,N’−ジシクロヘキシル−N−メチル尿素(71.33mモル)の乾燥トルエン65ml中の懸濁液に加えてから、20℃で数時間経過後に、15.5gのN−ブチル−N−メチルアミン(0.178mモル)を2時間の過程で加え、次いで、20℃で更に2時間経過後に、50mlの水を加える。次いで、49gの35%水酸化ナトリウムを冷却しながら加えてから、その2相媒質をジイソプロピルエーテルで抽出する。乾燥させて蒸発乾固した後に、得られた油26.5gを、180℃で、1mバールで蒸留して、21.25gの予想されたグアニジンを与える(収率97%)。
【0082】
(A−3):N−ブチル−N’−シクロヘキシル−N−エチルピペリジン−1−カルボキサミジン
23.8gのシクロヘキシルイソシアネート(0.190モル)を、ヘキサン360ml中の18.62gのピペリジンの溶液に、滴下して加えてから、その曇った混合物を、2時間、還流し、次いで、冷却して濾過して、39.3gの純粋なN−シクロヘキシルピペリジン−1−カルボキサミドを与える(収率98.3%)。12gのPOCl3(78mモル)を、乾燥トルエン65ml中の15.05gの該純粋なN−シクロヘキシルピペリジン−1−カルボキサミド(71.6mモル)の懸濁液に、1時間にわたって加え、次いで、20℃で数時間経過後に、18.1gのN−ブチル−N−エチルアミン(0.179mモル)を、2時間にわたって加え、次いで、更に20℃で2時間経過後に、50mlの水を加える。次いで、49gの35%水酸化ナトリウムを、冷却しながら加えてから、その2相媒質を、ジイソプロピルエーテルで抽出する。乾燥させて蒸発乾固した後に、得られた油20gを、185℃で、1mバールで蒸留して、17gの予想されたグアニジンを与える(収率81%)。
【0083】
II)この発明によるグアニジンの反応性の実証
用いたポリオルガノシロキサンポリマーは、下記の通りである:
【化11】

(ここに、0≦a≦20及び30≦b≦55)
【化12】

(150≦f≦250)。
【0084】
予備試験を、式S4の、鎖端≡SiOH官能基を含む直鎖状ポリジメチルシロキサン油(2g、粘度100mPa.s)と、式S1の、≡SiHユニットを含む分枝ポリ(ジメチル)(ヒドロゲノ)(メチル)シロキサン油(0.25g)の化学量論的混合物において行ない、マグネチックバーにより攪拌して、可能性のある触媒の存在下で行なった。混合物の架橋が示された攪拌停止時での経過時間を、1重量%の触媒で比較した。
【0085】
【表1】

【0086】
従って、この発明による1つの五置換されたアルキルグアニジンは、非常に低い含量で、脱水素縮合反応において、有利に、錫ベースの触媒、及び非常に高価な白金ベースの触媒に取って代わることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
如何なる金属触媒も含まず、脱水素縮合によって重合され及び/又は架橋されうるシロキサン組成物Xであって、下記を含む、当該組成物:
− 少なくとも一種のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーB(一分子当たり、少なくとも一つの反応性≡SiHユニットを有する);
− 少なくとも一種のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーC(一分子当たり、少なくとも一つの反応性≡SiOHユニットを有する);
− 触媒的に有効な量の、少なくとも一の脱水素縮合触媒A{これは、下記の一般式(I)に相当する非シリル化有機化合物である:
【化1】

(式中、
− R1、R2、R3、R4又はR5基は、互いに独立に、同じであっても異なってもよく、直鎖又は分枝鎖の一価アルキル基、シクロアルキル基又は(シクロアルキル)アルキル基を表し、環は置換され又はされておらず、少なくとも一つのヘテロ原子又はフルオロアルキル基、芳香族基、アリールアルキル基、フルオロアルキル基、又はアルキルアミン又はアルキルグアニジン基を含むことができ、
− R1、R2、R3又はR4基は、3−、4−、5−、6−又は7員の脂肪族環を形成するように対合することができ、該環は、適宜、一つ以上の置換基で置換され、そして
− R1、R2、R3、R4及びR5基は、ケイ素原子を含まないという更なる条件がある) }、
− 随意の、少なくとも一のポリオルガノシロキサン樹脂D;及び
− 随意の、少なくとも一の充填剤E。
【請求項2】
脱水素縮合触媒Aが、下記の化合物(A1)〜(A4)よりなる群から選択される非シリル化有機化合物である、請求項1に記載の組成物:
【化2】

【請求項3】
反応性の≡SiHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBが、少なくとも一ユニットの式(II)を有し、式(III)のユニットで終端するか又は式(II)のユニットよりなる環状の本体であり、これらの式は、以下のように表される、請求項1又は請求項2に記載の組成物:
【化3】

(式中:
− 記号R1は、同じであるか又は異なって、下記を表し
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、少なくとも一種のハロゲンで、好ましくはフッ素で置換されていてよく、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、ハロゲン、1〜3炭素原子を含むアルキル及び/又はアルコキシで置換されていてよい)、
− 記号Zは、等しくても異なってもよく、下記を表す:
・ 水素基、又は
・ 一分子当たり少なくとも2つの記号Zが水素原子を表すという条件を有する基R1)。
【請求項4】
反応性≡SiOHユニットを有するオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCが、少なくとも一の式(IV)のユニットを有し、式(V)のユニットで終端するか又は式(IV)のユニットよりなる環状本体であり、該式は、下記に表されている、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物:
【化4】

(式中:
− 記号R2は、同じか又は異なって、下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン、好ましくはフッ素で置換されており、好ましくは、これらのアルキル基は、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、ハロゲン、1〜3炭素原子を含むアルキル及び/又はアルコキシで置換されている)、及び
− 記号Z’は、等しく又は異なって、下記を表す:
・ ヒドロキシル基、又は
・ 一分子当たり、少なくとも2つの記号Zがヒドロキシル基−OHを表すという条件を有する基R2)。
【請求項5】
オルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBが、反応性≡SiHユニットを有し、下記の一般式(VI)に対応する、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物:
【化5】

(式中:
− x及びyは、それぞれ、0〜200の整数又は分数を表し、
− R’1及びR”1は、互いに独立に下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン好ましくはフッ素により置換され、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8個の環状炭素原子を含む適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、置換されている)、及び
− R”1は、x=0の場合に、水素に対応することも可能である)。
【請求項6】
オルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCが、反応性の≡SiOHユニットを有し、下記の一般式(VII)に対応する、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物:
【化6】

(式中:
− x’及びy’は、各々、0〜1200の整数又は分数を表し、
− R’2及びR”2は、互いに独立に、下記を表し:
・ 1〜8炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキル基であって、適宜、少なくとも一種のハロゲン好ましくはフッ素により置換され、これらのアルキル基は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、オクチル及び3,3,3−トリフルオロプロピルであり、
・ 5〜8個の環状炭素原子を含み、適宜置換されたシクロアルキル基、
・ 6〜12炭素原子を含む、適宜置換されたアリール基、又は
・ 5〜14炭素原子を含むアルキル部及び6〜12炭素原子を含むアリール部を有するアルアルキル部(アリール部は、適宜、置換されている)、
− R”2は、x’=0の場合、OHにも対応する)。
【請求項7】
請求項1及び2の何れか一つで規定された少なくとも一つの触媒Aの、一方で、一分子中に少なくとも一つの反応性≡SiHユニットを有する少なくとも一のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーBと、他方で、一分子中に少なくとも一つの反応性≡SiOHユニットを有する少なくとも一のオルガノシロキサンモノマー、オリゴマー及び/又はポリマーCとの間の脱水素縮合のための使用。
【請求項8】
請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xを重合及び/又は架橋させる方法であって、前記の化合物B及びCの間で脱水素縮合反応を行ない、該脱水素縮合が、請求項1及び2の何れか一つで規定された触媒Aにより開始される当該方法。
【請求項9】
支持体好ましくは可撓性支持体上での少なくとも一種の剥離塗料の製造方法であって、本質的に、この支持体に、請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xを施用し、次いで、そのシロキサン組成物Xを、適宜50℃の温度まで熱活性化した後、架橋させることにある当該製造方法。
【請求項10】
架橋したシリコーンフォームでできた少なくとも一の製品の製造方法であって、本質的に、請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xを架橋させ、形成される水素ガスの少なくとも一部が反応媒質から放出されないことを保証することにある当該製造方法。
【請求項11】
請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xを架橋させ及び/又は重合させることにより得られるコーティング。
【請求項12】
熱架橋され及び/又は重合された請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xで、少なくとも一つの面がコートされた固体材料よりなる製品。
【請求項13】
請求項1〜6の何れか一つで規定したシロキサン組成物Xの架橋により得られる架橋したシリコーンフォーム。

【公表番号】特表2012−530176(P2012−530176A)
【公表日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−515533(P2012−515533)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【国際出願番号】PCT/FR2010/000439
【国際公開番号】WO2010/149869
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【出願人】(507421304)ブルースター・シリコーンズ・フランス (62)
【Fターム(参考)】