面ファスナー組立品および面ファスナー組立品を有するクッション
【課題】面ファスナー組立品および面ファスナー組立品を有するクッションを提供する。
【解決手段】面ファスナー組立品は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む。第１テープ体は、第１表面と、第２表面とを有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、その縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは、第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくない。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記両テープ体間には磁性物質を含む。
【解決手段】面ファスナー組立品は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む。第１テープ体は、第１表面と、第２表面とを有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、その縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは、第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくない。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記両テープ体間には磁性物質を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、面ファスナー組立品、特に発泡物と共に金型で成型する面ファスナー組立品に関する。
【背景技術】
【０００２】
公知技術の面ファスナー（またはマジックテープ（登録商標））は、スイスの技師、ジョルジュ・デ・メストラルが草の実の刺から発想を得て発明したものである。フック面上に設けた複数の細かいフック体（hook）と、複数のさらに細かい環状貼り合わせ構造が設けられたもう１つのループ面（loop）とを利用して、相互に貼り合わせる。前記フック面をループ面に押し付けると、フック面上のフック体がループ面上の環状貼り合わせ構造に引っかかり、両者を貼り合わせることができる。
【０００３】
面ファスナーは、貼り合わせやすく、剥がしやすいという特性を有し、近年、他の物と組み合わせて使用されることもよくある。面ファスナーを背もたれまたは緩衝クッションなどの発泡物において使用するときに、面ファスナーのフック体を外向きにし、面ファスナーを背もたれと結合すると、対応するループ面を含む他の物に貼り合わせるのに便利である。面ファスナーを背もたれと結合する製造方法は、通常、面ファスナーを金型の中の所定の位置に置いてから、発泡材料を注入し、発泡材料の硬化が完了した後に、面ファスナーと発泡材料とを共同の金型で成型するというものである。
【０００４】
しかし、発泡プロセスにおいて、発泡材料が面ファスナーのフック体を覆うことがよくあり、発泡後の完成品の面ファスナーのフック体を対応する貼り合わせ構造と相互に貼り合わせることができず、不良品を形成し、製造コストの浪費をもたらす。前記欠点を改善するため、特許文献１では、面ファスナー上に弾性を有する密封部を設け、発泡プロセスにおいて発泡材料のフック体への浸入を防止することを開示しているが、この特許で保護する面ファスナーは、特殊な金型を使用する必要がある。金型に面ファスナーを置くキャビティがなく、面ファスナーを置く平面しか提供していない場合、前記密封部はフック体を保護する効果を発揮することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】米国特許５，０６１，５４０号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前記欠点を克服するため、本発明は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む面ファスナー組立品を提供する。第１テープ体は、第１表面および第２表面を有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、その縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは、第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくない。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記両テープ体間には磁性物質を含み、金型の磁石と相互に吸着することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の主な目的は、磁性物質を有するため、発泡金型成型工程において、磁力を利用して簡単に固定することができ、発泡金型成型の完了後に、面ファスナー組立品を金型から取り出しやすい面ファスナー組立品を提供することである。
【０００８】
本発明のもう１つの目的は、第１テープ体の両側に側壁が設けてあるため、発泡金型成型工程において、面ファスナー組立品のフック体が両側の側壁に保護され、発泡材料が浸入してフック体を破壊することを防止し、かつ側壁の材質はスポンジであり、余分な発泡材料を吸収し、フック体を保護する効果を強化することができる面ファスナー組立品を提供することである。
【０００９】
また、本発明では、金型で一体成形された発泡材料座体および少なくとも１つの面ファスナー組立品を含む面ファスナー組立品を有するクッションを提供する。面ファスナー組立品は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む。第１テープ体は、第１表面および第２表面を有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくなく、第１テープ体のフック体の厚さに等しいか、やや大きくすることができ、両側の側壁が発泡金型成型時にフック体を保護することができるようにする。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記第３テープ体と第２テープ体との間には磁性物質を含み、金型の磁石と相互に吸着することができる。
【００１０】
本発明のさらにもう１つの目的は、面ファスナー組立品が磁性物質を有し、発泡金型成型工程において、磁力を利用して簡単に固定することができ、発泡金型成型の完了後に、面ファスナー組立品を金型から取り出しやすい面ファスナー組立品を有するクッションを提供することである。
【００１１】
本発明のさらにもう１つの目的は、第１テープ体の両側に側壁が設けてあるため、発泡金型成型工程において、面ファスナー組立品のフック体が両側の側壁に保護され、発泡材料が浸入してフック体を破壊することを防止し、かつ側壁の材質はスポンジであり、余分な発泡材料を吸収し、フック体を保護する効果を強化することができる面ファスナー組立品を有するクッションを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１Ａ】本発明の第１実施例の概要図である。
【図１Ｂ】本発明の第１実施例の断面概要図である。
【図１Ｃ】本発明の第１実施例のもう１つの断面概要図である。
【図１Ｄ】本発明の第１実施例のもう１つの断面概要図である。
【図１Ｅ】本発明の第１実施例の発泡金型における設置概要図である。
【図２】（ａ）は本発明の第２実施例の概要図であり、（ｂ）は本発明の第２実施例の局所拡大概要図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明は、面ファスナー組立品およびクッションを開示する。利用する物理原理および関連素子の基本的な接続関係は、関連技術分野の通常の知識を有する者はすでに理解することができるため、以下の文中での説明では、完全な描写を行なわない。また、以下の文中で対照する図面は、本発明の特徴に関する概要を表すためのものであり、実際の状況に基づき完全に作成する必要はない。
【００１４】
図１Ａおよび図１Ｂは、それぞれ本発明の第１実施例の面ファスナー組立品の概要図および図１Ａの図中のＡＡ線に沿った断面概要図である。面ファスナー組立品１は、第１テープ体１１と、第２テープ体１２と、第３テープ体１３とを主に含む。第１テープ体１１は、第１表面１１１および第２表面１１２を有し、第１表面１１１には複数のフック体１１３が突出する。第２テープ体１２はスポンジ構造であり、第２テープ体１２の縦方向に沿って中央陥凹部１２２が設けてあり、中央陥凹部１２２の両側に１対の側壁１２１が形成してある。第１テープ体１１は、第２表面１１２が第２テープ体１２に向いた状態で、中央陥凹部１２２に設ける。中央陥凹部１２２の深さａは、第１テープ体１１のフック体１１３を含む厚さｂよりも小さくない。
【００１５】
第３テープ体１３は、第２テープ体１２の底部に粘着し、第２テープ体１２との間には磁性物質１４を含む。第３テープ体１３は、後続の発泡金型成型の発泡材料と相互に嵌め合わせるために用いられ、面ファスナー組立品１の全体的な強度を支持し、補強することができ、工程において操作に起因するテープ体の折れ曲がりまたは変形を起こさない。そのため、第３テープ体１３の材質は、ぴんと張った材料が好ましく、不織布、纖維布とすることができ、プラスチックフィルムなどとすることもできる。
【００１６】
図１Ｃおよび図１Ｄは、それぞれ本発明の第１実施例の面ファスナー組立品のもう１つの概要図およびさらにもう１つの概要図である。第２テープ体１２と第３テープ体１３との間に、磁力で発泡金型上に設けられた磁石を吸着するための磁性物質１４が設けてある。磁力吸着効果を増加するため、面ファスナー組立品１に、さらに第１テープ体１１の第２表面１１２と第２テープ体１２との間に磁性物質１４を設けることができる。磁性物質１４の設置方式については、塗布技術を利用して、磁性物質１４を第１テープ体１１の第２表面１１２にほぼ均一に塗布するか（図１Ｃ参照）、または磁性物質１４を第２テープ体１２の第１テープ体１１に向いた表面にほぼ均一に塗布することができる（図１Ｄ参照）。磁性物質１４は、粉末状態が好ましく、比較的均一な磁力吸着効果を達成することができる。その成分は、主に鉄粉が好ましく、または鉄系合金の粉末でもよく、磁石によって吸着可能であることが重点である。
【００１７】
図１Ｅに示すように、金型３の面ファスナー組立品指定位置に磁石３１が設けてあるため、面ファスナー組立品１を金型３に設置するときに、磁性物質１４が金型３の磁石３１と相互に吸着し、面ファスナー組立品１を金型３の面ファスナー組立品指定位置上に吸着することができる。これによって、フック体１１３が金型３と第２テープ体１２の間で囲まれる。発泡金型成型プロセスにおいて、面ファスナー組立品のフック体が第２テープ体１２の側壁１２１に保護され、発泡材料が浸入してフック体１１３を破壊することを防止することができる。また、金型に設ける磁石３１の数量、形状、位置などを限定する必要はなく、面ファスナー組立品１をしっかりと吸着することができればよい。
【００１８】
本発明は、前記第１実施例の面ファスナー組立品を提供するだけでなく、第２実施例に記載の面ファスナー組立品を有するクッションを提供する。
【００１９】
図２（ａ）は、本発明の第２実施例で提供する面ファスナー組立品を有するクッションの概要図である。クッション２は、発泡材料座体２０と、少なくとも１つの面ファスナー組立品１とを含む。発泡材料座体２０および面ファスナー組立品１の両者は、発泡金型で製造され一体成形されている。図２（ｂ）は、図２（ａ）の面ファスナー組立品１の拡大概要図である。面ファスナー組立品１は、第１実施例における面ファスナー組立品１に記載したように、第１テープ体１１と、第２テープ体１２と、第３テープ体１３と、磁性物質１４とを主に含む。かつ、前記各素子の組成の特徴および相互の接続関係は、第１実施例における記載とほぼ同じであるため、ここでは繰り返し述べない。また、面ファスナー組立品１の第３テープ体１３は、発泡材料座体２０に嵌め合わせるか、または、第２テープ体１２の１対の側壁１２１も同時に発泡材料座体２０に嵌め合わせ、さらにしっかりした嵌合効果を達成する。
【００２０】
また、好ましい実施形態において、発泡材料座体２０は、さらに少なくとも１つの凹溝２０１を有し、面ファスナー組立品１をその中に収容し、クッション２と貼り合わせ構造に対応するその他の物（背もたれカバーまたは背もたれ本体など）との組み合わせを増進する。
【００２１】
以上の内容は、本発明を各実施例およびその関連図面によりはっきりと記載したものであり、当業者がこれにより実施できるものである。しかし、本発明の各実施例は、ここにおいて、例示的なものでしかなく、制限的なものではない。すなわち、本発明の実質的な主旨および範囲を逸脱しない前記各実施例の変化例および修正例は、いずれも本発明に含まれる。そのため、本発明は、後述の特許請求の範囲によって定める。
【符号の説明】
【００２２】
１ 面ファスナー組立品
２ クッション
２０ 発泡材料座体
２０１ 凹溝
１１ 第１テープ体
１２ 第２テープ体
１３ 第３テープ体
１４ 磁性物質
１１１ 第１表面
１１２ 第２表面
１１３ フック体
１２１ 側壁
１２２ 中央陥凹部
３ 金型
３１ 磁石
ａ 中央陥凹部深さ
ｂ 第１テープ体のフック体を含む厚さ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、面ファスナー組立品、特に発泡物と共に金型で成型する面ファスナー組立品に関する。
【背景技術】
【０００２】
公知技術の面ファスナー（またはマジックテープ（登録商標））は、スイスの技師、ジョルジュ・デ・メストラルが草の実の刺から発想を得て発明したものである。フック面上に設けた複数の細かいフック体（hook）と、複数のさらに細かい環状貼り合わせ構造が設けられたもう１つのループ面（loop）とを利用して、相互に貼り合わせる。前記フック面をループ面に押し付けると、フック面上のフック体がループ面上の環状貼り合わせ構造に引っかかり、両者を貼り合わせることができる。
【０００３】
面ファスナーは、貼り合わせやすく、剥がしやすいという特性を有し、近年、他の物と組み合わせて使用されることもよくある。面ファスナーを背もたれまたは緩衝クッションなどの発泡物において使用するときに、面ファスナーのフック体を外向きにし、面ファスナーを背もたれと結合すると、対応するループ面を含む他の物に貼り合わせるのに便利である。面ファスナーを背もたれと結合する製造方法は、通常、面ファスナーを金型の中の所定の位置に置いてから、発泡材料を注入し、発泡材料の硬化が完了した後に、面ファスナーと発泡材料とを共同の金型で成型するというものである。
【０００４】
しかし、発泡プロセスにおいて、発泡材料が面ファスナーのフック体を覆うことがよくあり、発泡後の完成品の面ファスナーのフック体を対応する貼り合わせ構造と相互に貼り合わせることができず、不良品を形成し、製造コストの浪費をもたらす。前記欠点を改善するため、特許文献１では、面ファスナー上に弾性を有する密封部を設け、発泡プロセスにおいて発泡材料のフック体への浸入を防止することを開示しているが、この特許で保護する面ファスナーは、特殊な金型を使用する必要がある。金型に面ファスナーを置くキャビティがなく、面ファスナーを置く平面しか提供していない場合、前記密封部はフック体を保護する効果を発揮することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】米国特許５，０６１，５４０号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
前記欠点を克服するため、本発明は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む面ファスナー組立品を提供する。第１テープ体は、第１表面および第２表面を有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、その縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは、第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくない。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記両テープ体間には磁性物質を含み、金型の磁石と相互に吸着することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明の主な目的は、磁性物質を有するため、発泡金型成型工程において、磁力を利用して簡単に固定することができ、発泡金型成型の完了後に、面ファスナー組立品を金型から取り出しやすい面ファスナー組立品を提供することである。
【０００８】
本発明のもう１つの目的は、第１テープ体の両側に側壁が設けてあるため、発泡金型成型工程において、面ファスナー組立品のフック体が両側の側壁に保護され、発泡材料が浸入してフック体を破壊することを防止し、かつ側壁の材質はスポンジであり、余分な発泡材料を吸収し、フック体を保護する効果を強化することができる面ファスナー組立品を提供することである。
【０００９】
また、本発明では、金型で一体成形された発泡材料座体および少なくとも１つの面ファスナー組立品を含む面ファスナー組立品を有するクッションを提供する。面ファスナー組立品は、第１テープ体と、第２テープ体と、第３テープ体とを主に含む。第１テープ体は、第１表面および第２表面を有し、第１表面には複数のフック体が突出する。第２テープ体は、スポンジ構造であり、第１テープ体を第２表面が第２テープ体に向いた状態でその中に収容できるようにするため、縦方向に中央陥凹部が設けてある。中央陥凹部の両側には、１対の側壁が形成してあり、中央陥凹部の深さは第１テープ体のフック体を含む厚さよりも小さくなく、第１テープ体のフック体の厚さに等しいか、やや大きくすることができ、両側の側壁が発泡金型成型時にフック体を保護することができるようにする。第３テープ体は、第２テープ体の底部に粘着し、前記第３テープ体と第２テープ体との間には磁性物質を含み、金型の磁石と相互に吸着することができる。
【００１０】
本発明のさらにもう１つの目的は、面ファスナー組立品が磁性物質を有し、発泡金型成型工程において、磁力を利用して簡単に固定することができ、発泡金型成型の完了後に、面ファスナー組立品を金型から取り出しやすい面ファスナー組立品を有するクッションを提供することである。
【００１１】
本発明のさらにもう１つの目的は、第１テープ体の両側に側壁が設けてあるため、発泡金型成型工程において、面ファスナー組立品のフック体が両側の側壁に保護され、発泡材料が浸入してフック体を破壊することを防止し、かつ側壁の材質はスポンジであり、余分な発泡材料を吸収し、フック体を保護する効果を強化することができる面ファスナー組立品を有するクッションを提供することである。
【図面の簡単な説明】
【００１２】
【図１Ａ】本発明の第１実施例の概要図である。
【図１Ｂ】本発明の第１実施例の断面概要図である。
【図１Ｃ】本発明の第１実施例のもう１つの断面概要図である。
【図１Ｄ】本発明の第１実施例のもう１つの断面概要図である。
【図１Ｅ】本発明の第１実施例の発泡金型における設置概要図である。
【図２】（ａ）は本発明の第２実施例の概要図であり、（ｂ）は本発明の第２実施例の局所拡大概要図である。
【発明を実施するための形態】
【００１３】
本発明は、面ファスナー組立品およびクッションを開示する。利用する物理原理および関連素子の基本的な接続関係は、関連技術分野の通常の知識を有する者はすでに理解することができるため、以下の文中での説明では、完全な描写を行なわない。また、以下の文中で対照する図面は、本発明の特徴に関する概要を表すためのものであり、実際の状況に基づき完全に作成する必要はない。
【００１４】
図１Ａおよび図１Ｂは、それぞれ本発明の第１実施例の面ファスナー組立品の概要図および図１Ａの図中のＡＡ線に沿った断面概要図である。面ファスナー組立品１は、第１テープ体１１と、第２テープ体１２と、第３テープ体１３とを主に含む。第１テープ体１１は、第１表面１１１および第２表面１１２を有し、第１表面１１１には複数のフック体１１３が突出する。第２テープ体１２はスポンジ構造であり、第２テープ体１２の縦方向に沿って中央陥凹部１２２が設けてあり、中央陥凹部１２２の両側に１対の側壁１２１が形成してある。第１テープ体１１は、第２表面１１２が第２テープ体１２に向いた状態で、中央陥凹部１２２に設ける。中央陥凹部１２２の深さａは、第１テープ体１１のフック体１１３を含む厚さｂよりも小さくない。
【００１５】
第３テープ体１３は、第２テープ体１２の底部に粘着し、第２テープ体１２との間には磁性物質１４を含む。第３テープ体１３は、後続の発泡金型成型の発泡材料と相互に嵌め合わせるために用いられ、面ファスナー組立品１の全体的な強度を支持し、補強することができ、工程において操作に起因するテープ体の折れ曲がりまたは変形を起こさない。そのため、第３テープ体１３の材質は、ぴんと張った材料が好ましく、不織布、纖維布とすることができ、プラスチックフィルムなどとすることもできる。
【００１６】
図１Ｃおよび図１Ｄは、それぞれ本発明の第１実施例の面ファスナー組立品のもう１つの概要図およびさらにもう１つの概要図である。第２テープ体１２と第３テープ体１３との間に、磁力で発泡金型上に設けられた磁石を吸着するための磁性物質１４が設けてある。磁力吸着効果を増加するため、面ファスナー組立品１に、さらに第１テープ体１１の第２表面１１２と第２テープ体１２との間に磁性物質１４を設けることができる。磁性物質１４の設置方式については、塗布技術を利用して、磁性物質１４を第１テープ体１１の第２表面１１２にほぼ均一に塗布するか（図１Ｃ参照）、または磁性物質１４を第２テープ体１２の第１テープ体１１に向いた表面にほぼ均一に塗布することができる（図１Ｄ参照）。磁性物質１４は、粉末状態が好ましく、比較的均一な磁力吸着効果を達成することができる。その成分は、主に鉄粉が好ましく、または鉄系合金の粉末でもよく、磁石によって吸着可能であることが重点である。
【００１７】
図１Ｅに示すように、金型３の面ファスナー組立品指定位置に磁石３１が設けてあるため、面ファスナー組立品１を金型３に設置するときに、磁性物質１４が金型３の磁石３１と相互に吸着し、面ファスナー組立品１を金型３の面ファスナー組立品指定位置上に吸着することができる。これによって、フック体１１３が金型３と第２テープ体１２の間で囲まれる。発泡金型成型プロセスにおいて、面ファスナー組立品のフック体が第２テープ体１２の側壁１２１に保護され、発泡材料が浸入してフック体１１３を破壊することを防止することができる。また、金型に設ける磁石３１の数量、形状、位置などを限定する必要はなく、面ファスナー組立品１をしっかりと吸着することができればよい。
【００１８】
本発明は、前記第１実施例の面ファスナー組立品を提供するだけでなく、第２実施例に記載の面ファスナー組立品を有するクッションを提供する。
【００１９】
図２（ａ）は、本発明の第２実施例で提供する面ファスナー組立品を有するクッションの概要図である。クッション２は、発泡材料座体２０と、少なくとも１つの面ファスナー組立品１とを含む。発泡材料座体２０および面ファスナー組立品１の両者は、発泡金型で製造され一体成形されている。図２（ｂ）は、図２（ａ）の面ファスナー組立品１の拡大概要図である。面ファスナー組立品１は、第１実施例における面ファスナー組立品１に記載したように、第１テープ体１１と、第２テープ体１２と、第３テープ体１３と、磁性物質１４とを主に含む。かつ、前記各素子の組成の特徴および相互の接続関係は、第１実施例における記載とほぼ同じであるため、ここでは繰り返し述べない。また、面ファスナー組立品１の第３テープ体１３は、発泡材料座体２０に嵌め合わせるか、または、第２テープ体１２の１対の側壁１２１も同時に発泡材料座体２０に嵌め合わせ、さらにしっかりした嵌合効果を達成する。
【００２０】
また、好ましい実施形態において、発泡材料座体２０は、さらに少なくとも１つの凹溝２０１を有し、面ファスナー組立品１をその中に収容し、クッション２と貼り合わせ構造に対応するその他の物（背もたれカバーまたは背もたれ本体など）との組み合わせを増進する。
【００２１】
以上の内容は、本発明を各実施例およびその関連図面によりはっきりと記載したものであり、当業者がこれにより実施できるものである。しかし、本発明の各実施例は、ここにおいて、例示的なものでしかなく、制限的なものではない。すなわち、本発明の実質的な主旨および範囲を逸脱しない前記各実施例の変化例および修正例は、いずれも本発明に含まれる。そのため、本発明は、後述の特許請求の範囲によって定める。
【符号の説明】
【００２２】
１ 面ファスナー組立品
２ クッション
２０ 発泡材料座体
２０１ 凹溝
１１ 第１テープ体
１２ 第２テープ体
１３ 第３テープ体
１４ 磁性物質
１１１ 第１表面
１１２ 第２表面
１１３ フック体
１２１ 側壁
１２２ 中央陥凹部
３ 金型
３１ 磁石
ａ 中央陥凹部深さ
ｂ 第１テープ体のフック体を含む厚さ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数のフック体が突出した第１表面と、第２表面とを有する第１テープ体を主に含む面ファスナー組立品において、
スポンジ構造であり、該第２テープ体の縦方向に沿って、前記第１テープ体をその中に収容するための中央陥凹部が設けてあり、該第１テープ体の第２表面は、該第２テープ体に向き、かつ該中央陥凹部の両側に１対の側壁を形成し、該中央陥凹部の深さは、該第１テープ体の複数のフック体を含む厚さよりも小さくない、第２テープ体と、
該第２テープ体の底部に粘着し、該第２テープ体との間に磁性物質を含む、第３テープ体と、
をさらに含むことを特徴とする、面ファスナー組立品。
【請求項２】
金型で一体成形された、発泡材料座体と、少なくとも１つの面ファスナー組立品とを含む面ファスナー組立品を有するクッションにおいて、
前記面ファスナー組立品は、
複数のフック体が突出した第１表面と、第２表面とを有する、第１テープ体と、
スポンジ構造であって、該第２テープ体の縦方向に沿って、該第１テープ体をその中に収容するための中央陥凹部が設けてあり、該第１テープ体の第２表面は、該第２テープ体に向き、かつ該中央陥凹部の両側に１対の側壁を形成し、該中央陥凹部の深さは、該第１テープ体の複数のフック体を含む厚さよりも小さくない、第２テープ体と、
前記第２テープ体の底部に粘着し、該第２テープ体との間に磁性物質を含む、第３テープ体と、
を含むことを特徴とする、面ファスナー組立品を有するクッション。
【請求項１】
複数のフック体が突出した第１表面と、第２表面とを有する第１テープ体を主に含む面ファスナー組立品において、
スポンジ構造であり、該第２テープ体の縦方向に沿って、前記第１テープ体をその中に収容するための中央陥凹部が設けてあり、該第１テープ体の第２表面は、該第２テープ体に向き、かつ該中央陥凹部の両側に１対の側壁を形成し、該中央陥凹部の深さは、該第１テープ体の複数のフック体を含む厚さよりも小さくない、第２テープ体と、
該第２テープ体の底部に粘着し、該第２テープ体との間に磁性物質を含む、第３テープ体と、
をさらに含むことを特徴とする、面ファスナー組立品。
【請求項２】
金型で一体成形された、発泡材料座体と、少なくとも１つの面ファスナー組立品とを含む面ファスナー組立品を有するクッションにおいて、
前記面ファスナー組立品は、
複数のフック体が突出した第１表面と、第２表面とを有する、第１テープ体と、
スポンジ構造であって、該第２テープ体の縦方向に沿って、該第１テープ体をその中に収容するための中央陥凹部が設けてあり、該第１テープ体の第２表面は、該第２テープ体に向き、かつ該中央陥凹部の両側に１対の側壁を形成し、該中央陥凹部の深さは、該第１テープ体の複数のフック体を含む厚さよりも小さくない、第２テープ体と、
前記第２テープ体の底部に粘着し、該第２テープ体との間に磁性物質を含む、第３テープ体と、
を含むことを特徴とする、面ファスナー組立品を有するクッション。
【図１Ａ】
【図１Ｂ】
【図１Ｃ】
【図１Ｄ】
【図１Ｅ】
【図２】
【図１Ｂ】
【図１Ｃ】
【図１Ｄ】
【図１Ｅ】
【図２】
【公開番号】特開２０１０−１５５０４５（Ｐ２０１０−１５５０４５Ａ）
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２５９３３（Ｐ２００９−２５９３３）
【出願日】平成２１年２月６日（２００９．２．６）
【出願人】（５０６３２８６４２）台灣百和工業股▲ふん▼有限公司 (4)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年７月１５日（２０１０．７．１５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年２月６日（２００９．２．６）
【出願人】（５０６３２８６４２）台灣百和工業股▲ふん▼有限公司 (4)
【Ｆターム（参考）】
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