面光源装置
【課題】面光源装置において薄型化と狭額縁化とを実現する。
【解決手段】導光板10の裏面に中心部を横切る直線の溝18を形成する。溝18内に直線状にサイドエミッタ型のLED12を配置し、溝18の両側の側面から光を導光板10へ入射する。導光板10の端面に鏡面反射シート14を貼り付け、当該端面に達した光を鏡面反射して導光板10内部へ戻し、出射光の面内一様性を向上させる。また、溝18の両側の導光板10a,10bから溝18の上に設けた薄い導光板10cに光を入射させ、LED12の直上の導光板10前面からも光を出射させる。
【解決手段】導光板10の裏面に中心部を横切る直線の溝18を形成する。溝18内に直線状にサイドエミッタ型のLED12を配置し、溝18の両側の側面から光を導光板10へ入射する。導光板10の端面に鏡面反射シート14を貼り付け、当該端面に達した光を鏡面反射して導光板10内部へ戻し、出射光の面内一様性を向上させる。また、溝18の両側の導光板10a,10bから溝18の上に設けた薄い導光板10cに光を入射させ、LED12の直上の導光板10前面からも光を出射させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置に関し、特に例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の非面光源から面状の発光を得る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン等のディスプレイや液晶テレビに用いられる液晶表示装置において、画像を形成する液晶パネルの各画素は自ら発光しない。そのため、液晶表示装置は液晶パネルに光を照射する光源を備え、液晶パネルからの透過光や反射光によって、液晶パネルが形成する画像を目に見える表示とする。例えば、当該光源として液晶パネルの背後に配置されたバックライト装置と呼ばれる面光源装置が用いられ、この場合、液晶パネルからの透過光により画像が表示される。
【0003】
バックライト装置にはエッジライト型又はサイドライト型と呼ばれる方式と、直下型と呼ばれる方式とがある。エッジライト型バックライトは、導光板の側部の端面(エッジ)に点光源や線光源(これらを合わせて非面光源と称する)を配置し、当該非面光源から出射される光を導光板内にて伝搬させて面状に広げ、導光板の液晶パネルに対向する面から出射させる。直下型バックライトは、複数の非面光源を面状に配列し、それらの出射光をその前方に配置した拡散板等で一様な光にする。非面光源としては、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)や、LEDがあり、近年ではLEDが主流となってきている。エッジライト型バックライトは直下型バックライトと比べて薄型化を図れる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−310611号公報
【特許文献2】特開2006−351522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、エッジライト型バックライトは導光板のエッジに光源を取り付けるので、その分、装置の平面形状が大きくなり狹額縁化を図りにくいという問題があった。
【0006】
なお、特許文献1の図1や特許文献2の図6には、導光板の両側エッジに下側導光板から上側導光板へ光を導く凹面の反射板を配置し、下側導光板の中央部に光源を配置する構成が開示されている。この方式においてはエッジライト型における光源の代わりに外向きに凸となる反射板が配置され、やはり狭額縁化を図ることが難しいという問題を有する。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、薄型化と共に狭額縁化を図れる面光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る面光源装置は、線状の光源と、当該光源から入射される光を面状に広げて一方の主面から出射する導光板と、前記導光板の端面に配置され、当該端面に達した当該導光板内の光を鏡面反射して当該導光板内部へ戻す端面反射部材と、を備え、前記導光板は他方の主面に溝を形成され、前記光源は、前記導光板の前記溝内に配置され、当該溝の両側の側面から前記導光板に光を入射させる。
【0009】
本発明の好適な態様は、前記光源が、光の出射面を前記溝の一方側面に向け前記溝に沿って等間隔に配列された複数の発光ダイオードと前記出射面を他方側面に向け前記溝に沿って等間隔で配列された複数の発光ダイオードとからなる面光源装置である。
【0010】
他の本発明に係る面光源装置はさらに、前記導光板の前記溝の底面に配置され、前記光源からの光を反射する溝部反射部材を有する。
【0011】
別の本発明に係る面光源装置においては、前記導光板は、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前記一方の主面又は、前記他方の主面及び前記溝の底面に施されている。
【0012】
さらに別の本発明に係る面光源装置は、前記光源が固定される基板と、前記溝に交差する方向への前記導光板のずれを防止する位置決め手段と、を備え、前記溝は前記導光板の中心部を横切る直線に沿って形成され、前記位置決め手段は、前記溝に直交する方向における前記導光板の中央部にて当該導光板を前記基板に対して固定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、薄型でかつ狭額縁の面光源装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態であるバックライト装置の概略の構成を表す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態であるバックライト装置の模式的な平面図である。
【図3】本発明の実施形態であるバックライト装置の模式的な垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態であるバックライト装置2の概略の構成を表す模式的な斜視図である。図1に示すように、バックライト装置2は、導光板を用いて非面光源から面状光を生成する光源部4と、拡散板6及び光学シート類8とを備える。これら光源部4、拡散板6及び光学シート類8は図示していない筐体に収納される。例えば、当該筐体は光源部4の背面を支持する背面板と、その周囲から前面側へ立設された側板とを有する箱形の形状とされ、その内側に光源部4等が収納される。
【0016】
光源部4は導光板10及びLED12を含み、非面光源であるLED12の出射光を導光板10で広げて一方主面(前面)から面状光を出射する。導光板10の端面には鏡面反射シート14(端面反射部材)が貼り付けられる。また、導光板10の他方主面(裏面)に図には現れない反射シートが配置される。LED12は基板16に搭載される。基板16は導光板10の他方主面(裏面)に対向して配置され、LED12は導光板10の裏面に設けられる溝18内に挿入される。基板16は例えば、その背面に位置する筐体の背面板に固定される。固定金具20は導光板10がずれてLED12に衝突することを防止するために設けられる。例えば、固定金具20は基板16又は筐体に固定されたピン状の突起である。導光板10の縁には切り欠きや穴が形成され、これに固定金具20が挿入され導光板10のずれを防止する。
【0017】
拡散板6は光源部4から出射した光を拡散して光強度の面内一様性を向上させる。光学シート類8は例えば、拡散シート22、プリズムシート24、反射型偏光フィルム26等を含み得る。拡散シート22は拡散板6を透過した光をさらに拡散して一様性を一層向上させる。プリズムシート24は拡散シート22から前面の様々な方向へ出射される光を面に垂直な方向を中心として集光させ、発光面正面における輝度を向上させる。反射型偏光フィルムであるDBEF(Dual Brightness Enhancement Film)26は、入射光のうち液晶パネルの下側偏光板を通過できない偏光成分をその手前で反射して再利用を可能とすることにより輝度を向上させる。
【0018】
図2はバックライト装置2の模式的な平面図である。図2では拡散板6及び光学シート類8は省略している。図3は図2に示す直線III−IIIに沿ったバックライト装置2の模式的な垂直断面図である。図2及び図3を用いてバックライト装置2の構造についてさらに詳しく説明する。
【0019】
導光板10の平面形状は、バックライト装置2を用いるテレビ用液晶パネルに対応して横方向(水平走査方向)に長い矩形である。溝18は導光板10の縦方向(垂直走査方向)の中心を通り、横方向に沿って直線状に形成される。溝18の幅及び深さはLED12を挿入できるように設定される。その際、導光板10の熱膨張やずれを考慮して、導光板10とLED12とが衝突しないように溝18の幅又は深さに余裕を設けることが好適である。
【0020】
本実施形態では導光板10は、溝18の両側に位置する導光板10a,10bと、溝18の底部に位置する小型の導光板10cとを例えば透明接着剤等で接合して形成される。小型導光板10cの厚さは両側の導光板10a,10bより薄くし、それら導光板10a,10b,10cの前面が単一平面となるようにそれらを接合することで、導光板10cの裏側に溝18が形成される。なお、溝18は、一様な厚さの導光板の裏面を切削して形成することもできる。また、樹脂成形の導光板において金型を用いて溝18を備えた導光板10を一体成形することもできる。
【0021】
LED12は基板16に直線状に配列され線状の光源を構成する。基板16は例えば、低熱膨張の素材からなるリジッド基板を用いて形成されたプリント基板であり、一例として、ガラスエポキシ基板を用いることができる。基板16にはLED12に駆動電源を供給する導体パターンが形成される。基板16はその基板面を導光板10の裏面に向けて配置され、当該基板面に搭載されたLED12が溝18に挿入される。
【0022】
LED12はサイドエミッタ型のものを用い、LED12の光出射面を溝18の側面に向けて基板16に配置される。基板16には、光出射面を溝18の一方側面に向け溝18に沿って等間隔に配列された複数のLED12と光出射面を溝18の他方側面に向け溝18に沿って等間隔に配列された複数のLED12とが配置される。本実施形態では、導光板10aへ向けて光を出射するLED12aと、導光板10bへ向けて光を出射するLED12bとが溝18に沿って導光板10の横方向に交互に配列される。
【0023】
LED12の出射面とこれに対向する溝18の側面との距離を大きくすると、溝18の側面から入射したLED12の出射光が直接届く導光板10内の照射領域28が拡大し、照射領域28が溝18に沿って周期的に配置されることによる輝度むらを低減することが可能となる。その一方で、当該距離を大きくすると導光板10の法線方向に関するLED12の出射光30の配光分布により、当該出射光30のうち側面に入射しない成分(光線32a)が増え得る。LED12と側面との距離はこのような影響を考慮に入れて設定される。当該距離は基本的にLED12aとLED12bとで同じに設定され、その結果、溝18の幅方向に関するLED12aの位置とLED12bの位置とに差が生じて図2に示すようにLED12は千鳥配列となり得る。一方、LED12a,12bを一直線の配列とすることもできる。なお、溝18内にLED12を2列に配置し、一方の列をLED12aとし他方の列をLED12bとしてもよい。
【0024】
溝18の側面から入射される光は導光板10内にて前面と裏面とで全反射を繰り返し、導光板10の外周へ向けて伝搬する。導光板10の外周端面に貼り付けられた鏡面反射シート14は、導光板10内を伝搬して当該端面に達した光を鏡面反射し、導光板10内へ戻す。端面にて反射された光は再び導光板10の前面と裏面とで全反射を繰り返して、溝18が存在する方向へ伝搬する。
【0025】
導光板10は、前面から一様な強度で光が出射するように、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前面又は、裏面及び溝18の底面に施されている。本実施形態では、裏面及び溝18の底面に当該加工を施している。具体的には当該加工として白色反射膜34を導光板10a,10bの裏面及び、溝18の底面を形成する導光板10cの裏面に印刷により形成する。白色反射膜34は入射光を高い反射率で拡散反射して導光板10に戻す。導光板10a,10bそれぞれの裏面の白色反射膜34a,34b、及び導光板10cの裏面の白色反射膜34cは、導光板10の前面からの発光強度が一様になるパターンに形成され、例えばドットパターンとすることができる。
【0026】
導光板10a,10bの裏面に設けられる反射シート36は導光板10の裏面から漏れ出る光を反射して導光板10へ戻し、バックライト装置2の発光効率を向上させる。
【0027】
なお、導光板10の前面に白色反射膜34を形成した場合には、前面で拡散反射された光のうち全反射されない角度で裏面に入射した成分が裏面の反射シート36で反射されて前面の白色反射膜34のパターンの隙間から出射される。白色反射膜34を前面に形成する構成では導光板10a,10b,10cの白色反射膜34を同一平面上に形成することができる。これにより、裏面における導光板10a,10bと導光板10cとの境界の段差に起因する輝度むらの影響を低減する白色反射膜34のパターンの設計が比較的簡単になる。
【0028】
導光板10cの裏面、つまり溝18の底面には反射シート38(溝部反射部材)が設けられる。反射シート38は、LED12から直接入射する光線32aや、側面で反射され導光板10a,10bに入射しないフレネル損失成分の光線32bを反射する。これにより、十分に拡散されていないLED12の出射光が前面へ透過することが阻止され、導光板前面の溝18に対応する位置に輝線が生じることが防止される。また、反射シート38は導光板10c側の面も光を反射することができ、反射シート36と同様の機能を果たす。
【0029】
溝18の側面近傍では、LED12の配置周期に応じて輝度むらが発生する。また、導光板10a,10bと導光板10cとの境界の段差などによっても輝度むらが発生し得る。さらにLED12から溝18の側面に向けて、つまり導光板10の面に沿った方向に光を出射させることや、反射シート38を配置したことにより、LED12近傍の前面の輝度はLED12から離れた位置の輝度より低くなり得る。上述の導光板10等の構成はこのような輝度むらを軽減し、導光板10の前面からの出射光の一様性を向上させることができる。具体的には、鏡面反射シート14により光を溝18側に戻すことにより、溝18の近傍での上述の輝度むらが目立たなくなる。また、LED12の上に導光板10cを配置し、鏡面反射シート14で反射された光を当該導光板10cに入射させ、その前面から出射させることで、LED12直上での輝度低下を補償することができる。
【0030】
固定金具20は溝18に交差する方向への導光板10のずれを防止する位置決め手段であり、これにより導光板10がずれてLED12に衝突したり光学性能が低下したりすることが防止される。
【0031】
ここで、導光板10のずれの原因の一つとして導光板10の熱膨張がある。導光板10上の或る点を基準とした他の点での熱膨張による位置ずれは、それら2点間の距離に応じて累積して大きくなる。よって、導光板10を中央で固定したときの当該導光板10の両端での位置ずれ量は、導光板10の一方端を固定したときの他方端での熱膨張による位置ずれ量の半分である。そこで、固定金具20の溝18に直交する方向における位置は導光板10の中央部とする。これにより、導光板10の面内での位置ずれ量の最大値を小さくすることができる。さらに固定位置の近傍である中央部での熱膨張による位置ずれ量は小さくなるので、中央部に配置するLED12と溝18の側面との距離の変動が低減され、光学特性の変動が抑制されると共にLED12の破損等が防止される。
【0032】
具体的には固定金具20は導光板10の横方向の右端と左端とに配置される。固定金具20は左右各端にて溝18の両脇に1つずつ設けられ、導光板10a,10bに形成され切り欠き部40に挿入される。
【0033】
なお、厚さが導光板10a,10bより薄い導光板10cの強度が十分であれば、固定金具20はより中央に近い導光板10cの位置に配置することもできる。また、小型のバックライト装置2では導光板10等の重量も軽くなるので、例えば、接着剤や粘着テープなどを位置決め手段として用い、導光板10の溝18に直交する方向の中央部を固定することもできる。
【0034】
また、上記実施形態では、光源であるLED12を導光板10の縦方向の中央を横切って横方向に並べたが、導光板10の横方向の中央を横切って縦方向に並べてもよいし、導光板10に十字型の溝を形成し、横方向及び縦方向にLED12を配列してもよい。
【0035】
以上、実施形態により説明した本発明の面光源装置は、エッジライト型と同様の薄型化を図れると共に、光源を導光板の面内に配置することにより従来のエッジライト型の装置より狭額縁化が可能となる。また、出射光の面内強度の一様化を図る構成を備えており、光源を導光板の面内に配置することに起因する輝度むらを抑制することを可能としている。この本願発明は上述した液晶表示装置のバックライト以外の用途の面光源装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
2 バックライト装置、4 光源部、6 拡散板、8 光学シート類、10 導光板、12 LED、14 鏡面反射シート、16 基板、18 溝、20 固定金具、22 拡散シート、24 プリズムシート、26 DBEF、28 照射領域、34 白色反射膜、36,38 反射シート、40 切り欠き部。
【技術分野】
【0001】
本発明は面光源装置に関し、特に例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)等の非面光源から面状の発光を得る技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パソコン等のディスプレイや液晶テレビに用いられる液晶表示装置において、画像を形成する液晶パネルの各画素は自ら発光しない。そのため、液晶表示装置は液晶パネルに光を照射する光源を備え、液晶パネルからの透過光や反射光によって、液晶パネルが形成する画像を目に見える表示とする。例えば、当該光源として液晶パネルの背後に配置されたバックライト装置と呼ばれる面光源装置が用いられ、この場合、液晶パネルからの透過光により画像が表示される。
【0003】
バックライト装置にはエッジライト型又はサイドライト型と呼ばれる方式と、直下型と呼ばれる方式とがある。エッジライト型バックライトは、導光板の側部の端面(エッジ)に点光源や線光源(これらを合わせて非面光源と称する)を配置し、当該非面光源から出射される光を導光板内にて伝搬させて面状に広げ、導光板の液晶パネルに対向する面から出射させる。直下型バックライトは、複数の非面光源を面状に配列し、それらの出射光をその前方に配置した拡散板等で一様な光にする。非面光源としては、冷陰極蛍光管(Cold Cathode Fluorescent Lamp:CCFL)や、LEDがあり、近年ではLEDが主流となってきている。エッジライト型バックライトは直下型バックライトと比べて薄型化を図れる利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−310611号公報
【特許文献2】特開2006−351522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、エッジライト型バックライトは導光板のエッジに光源を取り付けるので、その分、装置の平面形状が大きくなり狹額縁化を図りにくいという問題があった。
【0006】
なお、特許文献1の図1や特許文献2の図6には、導光板の両側エッジに下側導光板から上側導光板へ光を導く凹面の反射板を配置し、下側導光板の中央部に光源を配置する構成が開示されている。この方式においてはエッジライト型における光源の代わりに外向きに凸となる反射板が配置され、やはり狭額縁化を図ることが難しいという問題を有する。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、薄型化と共に狭額縁化を図れる面光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る面光源装置は、線状の光源と、当該光源から入射される光を面状に広げて一方の主面から出射する導光板と、前記導光板の端面に配置され、当該端面に達した当該導光板内の光を鏡面反射して当該導光板内部へ戻す端面反射部材と、を備え、前記導光板は他方の主面に溝を形成され、前記光源は、前記導光板の前記溝内に配置され、当該溝の両側の側面から前記導光板に光を入射させる。
【0009】
本発明の好適な態様は、前記光源が、光の出射面を前記溝の一方側面に向け前記溝に沿って等間隔に配列された複数の発光ダイオードと前記出射面を他方側面に向け前記溝に沿って等間隔で配列された複数の発光ダイオードとからなる面光源装置である。
【0010】
他の本発明に係る面光源装置はさらに、前記導光板の前記溝の底面に配置され、前記光源からの光を反射する溝部反射部材を有する。
【0011】
別の本発明に係る面光源装置においては、前記導光板は、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前記一方の主面又は、前記他方の主面及び前記溝の底面に施されている。
【0012】
さらに別の本発明に係る面光源装置は、前記光源が固定される基板と、前記溝に交差する方向への前記導光板のずれを防止する位置決め手段と、を備え、前記溝は前記導光板の中心部を横切る直線に沿って形成され、前記位置決め手段は、前記溝に直交する方向における前記導光板の中央部にて当該導光板を前記基板に対して固定する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、薄型でかつ狭額縁の面光源装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態であるバックライト装置の概略の構成を表す模式的な斜視図である。
【図2】本発明の実施形態であるバックライト装置の模式的な平面図である。
【図3】本発明の実施形態であるバックライト装置の模式的な垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態であるバックライト装置2の概略の構成を表す模式的な斜視図である。図1に示すように、バックライト装置2は、導光板を用いて非面光源から面状光を生成する光源部4と、拡散板6及び光学シート類8とを備える。これら光源部4、拡散板6及び光学シート類8は図示していない筐体に収納される。例えば、当該筐体は光源部4の背面を支持する背面板と、その周囲から前面側へ立設された側板とを有する箱形の形状とされ、その内側に光源部4等が収納される。
【0016】
光源部4は導光板10及びLED12を含み、非面光源であるLED12の出射光を導光板10で広げて一方主面(前面)から面状光を出射する。導光板10の端面には鏡面反射シート14(端面反射部材)が貼り付けられる。また、導光板10の他方主面(裏面)に図には現れない反射シートが配置される。LED12は基板16に搭載される。基板16は導光板10の他方主面(裏面)に対向して配置され、LED12は導光板10の裏面に設けられる溝18内に挿入される。基板16は例えば、その背面に位置する筐体の背面板に固定される。固定金具20は導光板10がずれてLED12に衝突することを防止するために設けられる。例えば、固定金具20は基板16又は筐体に固定されたピン状の突起である。導光板10の縁には切り欠きや穴が形成され、これに固定金具20が挿入され導光板10のずれを防止する。
【0017】
拡散板6は光源部4から出射した光を拡散して光強度の面内一様性を向上させる。光学シート類8は例えば、拡散シート22、プリズムシート24、反射型偏光フィルム26等を含み得る。拡散シート22は拡散板6を透過した光をさらに拡散して一様性を一層向上させる。プリズムシート24は拡散シート22から前面の様々な方向へ出射される光を面に垂直な方向を中心として集光させ、発光面正面における輝度を向上させる。反射型偏光フィルムであるDBEF(Dual Brightness Enhancement Film)26は、入射光のうち液晶パネルの下側偏光板を通過できない偏光成分をその手前で反射して再利用を可能とすることにより輝度を向上させる。
【0018】
図2はバックライト装置2の模式的な平面図である。図2では拡散板6及び光学シート類8は省略している。図3は図2に示す直線III−IIIに沿ったバックライト装置2の模式的な垂直断面図である。図2及び図3を用いてバックライト装置2の構造についてさらに詳しく説明する。
【0019】
導光板10の平面形状は、バックライト装置2を用いるテレビ用液晶パネルに対応して横方向(水平走査方向)に長い矩形である。溝18は導光板10の縦方向(垂直走査方向)の中心を通り、横方向に沿って直線状に形成される。溝18の幅及び深さはLED12を挿入できるように設定される。その際、導光板10の熱膨張やずれを考慮して、導光板10とLED12とが衝突しないように溝18の幅又は深さに余裕を設けることが好適である。
【0020】
本実施形態では導光板10は、溝18の両側に位置する導光板10a,10bと、溝18の底部に位置する小型の導光板10cとを例えば透明接着剤等で接合して形成される。小型導光板10cの厚さは両側の導光板10a,10bより薄くし、それら導光板10a,10b,10cの前面が単一平面となるようにそれらを接合することで、導光板10cの裏側に溝18が形成される。なお、溝18は、一様な厚さの導光板の裏面を切削して形成することもできる。また、樹脂成形の導光板において金型を用いて溝18を備えた導光板10を一体成形することもできる。
【0021】
LED12は基板16に直線状に配列され線状の光源を構成する。基板16は例えば、低熱膨張の素材からなるリジッド基板を用いて形成されたプリント基板であり、一例として、ガラスエポキシ基板を用いることができる。基板16にはLED12に駆動電源を供給する導体パターンが形成される。基板16はその基板面を導光板10の裏面に向けて配置され、当該基板面に搭載されたLED12が溝18に挿入される。
【0022】
LED12はサイドエミッタ型のものを用い、LED12の光出射面を溝18の側面に向けて基板16に配置される。基板16には、光出射面を溝18の一方側面に向け溝18に沿って等間隔に配列された複数のLED12と光出射面を溝18の他方側面に向け溝18に沿って等間隔に配列された複数のLED12とが配置される。本実施形態では、導光板10aへ向けて光を出射するLED12aと、導光板10bへ向けて光を出射するLED12bとが溝18に沿って導光板10の横方向に交互に配列される。
【0023】
LED12の出射面とこれに対向する溝18の側面との距離を大きくすると、溝18の側面から入射したLED12の出射光が直接届く導光板10内の照射領域28が拡大し、照射領域28が溝18に沿って周期的に配置されることによる輝度むらを低減することが可能となる。その一方で、当該距離を大きくすると導光板10の法線方向に関するLED12の出射光30の配光分布により、当該出射光30のうち側面に入射しない成分(光線32a)が増え得る。LED12と側面との距離はこのような影響を考慮に入れて設定される。当該距離は基本的にLED12aとLED12bとで同じに設定され、その結果、溝18の幅方向に関するLED12aの位置とLED12bの位置とに差が生じて図2に示すようにLED12は千鳥配列となり得る。一方、LED12a,12bを一直線の配列とすることもできる。なお、溝18内にLED12を2列に配置し、一方の列をLED12aとし他方の列をLED12bとしてもよい。
【0024】
溝18の側面から入射される光は導光板10内にて前面と裏面とで全反射を繰り返し、導光板10の外周へ向けて伝搬する。導光板10の外周端面に貼り付けられた鏡面反射シート14は、導光板10内を伝搬して当該端面に達した光を鏡面反射し、導光板10内へ戻す。端面にて反射された光は再び導光板10の前面と裏面とで全反射を繰り返して、溝18が存在する方向へ伝搬する。
【0025】
導光板10は、前面から一様な強度で光が出射するように、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前面又は、裏面及び溝18の底面に施されている。本実施形態では、裏面及び溝18の底面に当該加工を施している。具体的には当該加工として白色反射膜34を導光板10a,10bの裏面及び、溝18の底面を形成する導光板10cの裏面に印刷により形成する。白色反射膜34は入射光を高い反射率で拡散反射して導光板10に戻す。導光板10a,10bそれぞれの裏面の白色反射膜34a,34b、及び導光板10cの裏面の白色反射膜34cは、導光板10の前面からの発光強度が一様になるパターンに形成され、例えばドットパターンとすることができる。
【0026】
導光板10a,10bの裏面に設けられる反射シート36は導光板10の裏面から漏れ出る光を反射して導光板10へ戻し、バックライト装置2の発光効率を向上させる。
【0027】
なお、導光板10の前面に白色反射膜34を形成した場合には、前面で拡散反射された光のうち全反射されない角度で裏面に入射した成分が裏面の反射シート36で反射されて前面の白色反射膜34のパターンの隙間から出射される。白色反射膜34を前面に形成する構成では導光板10a,10b,10cの白色反射膜34を同一平面上に形成することができる。これにより、裏面における導光板10a,10bと導光板10cとの境界の段差に起因する輝度むらの影響を低減する白色反射膜34のパターンの設計が比較的簡単になる。
【0028】
導光板10cの裏面、つまり溝18の底面には反射シート38(溝部反射部材)が設けられる。反射シート38は、LED12から直接入射する光線32aや、側面で反射され導光板10a,10bに入射しないフレネル損失成分の光線32bを反射する。これにより、十分に拡散されていないLED12の出射光が前面へ透過することが阻止され、導光板前面の溝18に対応する位置に輝線が生じることが防止される。また、反射シート38は導光板10c側の面も光を反射することができ、反射シート36と同様の機能を果たす。
【0029】
溝18の側面近傍では、LED12の配置周期に応じて輝度むらが発生する。また、導光板10a,10bと導光板10cとの境界の段差などによっても輝度むらが発生し得る。さらにLED12から溝18の側面に向けて、つまり導光板10の面に沿った方向に光を出射させることや、反射シート38を配置したことにより、LED12近傍の前面の輝度はLED12から離れた位置の輝度より低くなり得る。上述の導光板10等の構成はこのような輝度むらを軽減し、導光板10の前面からの出射光の一様性を向上させることができる。具体的には、鏡面反射シート14により光を溝18側に戻すことにより、溝18の近傍での上述の輝度むらが目立たなくなる。また、LED12の上に導光板10cを配置し、鏡面反射シート14で反射された光を当該導光板10cに入射させ、その前面から出射させることで、LED12直上での輝度低下を補償することができる。
【0030】
固定金具20は溝18に交差する方向への導光板10のずれを防止する位置決め手段であり、これにより導光板10がずれてLED12に衝突したり光学性能が低下したりすることが防止される。
【0031】
ここで、導光板10のずれの原因の一つとして導光板10の熱膨張がある。導光板10上の或る点を基準とした他の点での熱膨張による位置ずれは、それら2点間の距離に応じて累積して大きくなる。よって、導光板10を中央で固定したときの当該導光板10の両端での位置ずれ量は、導光板10の一方端を固定したときの他方端での熱膨張による位置ずれ量の半分である。そこで、固定金具20の溝18に直交する方向における位置は導光板10の中央部とする。これにより、導光板10の面内での位置ずれ量の最大値を小さくすることができる。さらに固定位置の近傍である中央部での熱膨張による位置ずれ量は小さくなるので、中央部に配置するLED12と溝18の側面との距離の変動が低減され、光学特性の変動が抑制されると共にLED12の破損等が防止される。
【0032】
具体的には固定金具20は導光板10の横方向の右端と左端とに配置される。固定金具20は左右各端にて溝18の両脇に1つずつ設けられ、導光板10a,10bに形成され切り欠き部40に挿入される。
【0033】
なお、厚さが導光板10a,10bより薄い導光板10cの強度が十分であれば、固定金具20はより中央に近い導光板10cの位置に配置することもできる。また、小型のバックライト装置2では導光板10等の重量も軽くなるので、例えば、接着剤や粘着テープなどを位置決め手段として用い、導光板10の溝18に直交する方向の中央部を固定することもできる。
【0034】
また、上記実施形態では、光源であるLED12を導光板10の縦方向の中央を横切って横方向に並べたが、導光板10の横方向の中央を横切って縦方向に並べてもよいし、導光板10に十字型の溝を形成し、横方向及び縦方向にLED12を配列してもよい。
【0035】
以上、実施形態により説明した本発明の面光源装置は、エッジライト型と同様の薄型化を図れると共に、光源を導光板の面内に配置することにより従来のエッジライト型の装置より狭額縁化が可能となる。また、出射光の面内強度の一様化を図る構成を備えており、光源を導光板の面内に配置することに起因する輝度むらを抑制することを可能としている。この本願発明は上述した液晶表示装置のバックライト以外の用途の面光源装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0036】
2 バックライト装置、4 光源部、6 拡散板、8 光学シート類、10 導光板、12 LED、14 鏡面反射シート、16 基板、18 溝、20 固定金具、22 拡散シート、24 プリズムシート、26 DBEF、28 照射領域、34 白色反射膜、36,38 反射シート、40 切り欠き部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
線状の光源と、
当該光源から入射される光を面状に広げて一方の主面から出射する導光板と、
前記導光板の端面に配置され、当該端面に達した当該導光板内の光を鏡面反射して当該導光板内部へ戻す端面反射部材と、
を備え、
前記導光板は他方の主面に溝を形成され、
前記光源は、前記導光板の前記溝内に配置され、当該溝の両側の側面から前記導光板に光を入射させること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の面光源装置において、
前記光源は、光の出射面を前記溝の一方側面に向け前記溝に沿って等間隔に配列された複数の発光ダイオードと前記出射面を他方側面に向け前記溝に沿って等間隔で配列された複数の発光ダイオードとからなること、を特徴とする面光源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記導光板の前記溝の底面に配置され、前記光源からの光を反射する溝部反射部材を有すること、を特徴とする面光源装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記導光板は、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前記一方の主面又は、前記他方の主面及び前記溝の底面に施されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記光源が固定される基板と、
前記溝に交差する方向への前記導光板のずれを防止する位置決め手段と、
を備え、
前記溝は前記導光板の中心部を横切る直線に沿って形成され、
前記位置決め手段は、前記溝に直交する方向における前記導光板の中央部にて当該導光板を前記基板に対して固定すること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項1】
線状の光源と、
当該光源から入射される光を面状に広げて一方の主面から出射する導光板と、
前記導光板の端面に配置され、当該端面に達した当該導光板内の光を鏡面反射して当該導光板内部へ戻す端面反射部材と、
を備え、
前記導光板は他方の主面に溝を形成され、
前記光源は、前記導光板の前記溝内に配置され、当該溝の両側の側面から前記導光板に光を入射させること、
を特徴とする面光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の面光源装置において、
前記光源は、光の出射面を前記溝の一方側面に向け前記溝に沿って等間隔に配列された複数の発光ダイオードと前記出射面を他方側面に向け前記溝に沿って等間隔で配列された複数の発光ダイオードとからなること、を特徴とする面光源装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の面光源装置において、
前記導光板の前記溝の底面に配置され、前記光源からの光を反射する溝部反射部材を有すること、を特徴とする面光源装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記導光板は、当該導光板内を伝搬する光を拡散反射する加工を、前記一方の主面又は、前記他方の主面及び前記溝の底面に施されていること、を特徴とする面光源装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の面光源装置において、
前記光源が固定される基板と、
前記溝に交差する方向への前記導光板のずれを防止する位置決め手段と、
を備え、
前記溝は前記導光板の中心部を横切る直線に沿って形成され、
前記位置決め手段は、前記溝に直交する方向における前記導光板の中央部にて当該導光板を前記基板に対して固定すること、
を特徴とする面光源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2013−114947(P2013−114947A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261219(P2011−261219)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(506087819)パナソニック液晶ディスプレイ株式会社 (443)
【Fターム(参考)】
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