説明

面光源装置

【課題】複数の点光源を使用した面光源装置において、点光源間の間隔を広げた場合であっても、出光面に輝度ムラが発生しにくい面光源装置を提供する。
【解決手段】出光面、前記出光面と対向する対向面、及び前記出光面と前記対向面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有し、該少なくとも1つの入光面が、少なくとも一部分に複数の凹部又は凸部を有する導光板、
前記出光面に対向して配置され、面光源装置が外部に発光する発光エリアを画定するフレーム、及び
前記少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源
を有する面光源装置であって、
前記出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域の少なくとも一部と対向するように配置された光吸収シート/光吸収凸部をさらに有し、該光吸収シート/光吸収凸部と前記導光板との間の少なくとも一部には空気層のみが介在する、面光源装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるエッジライト方式の面光源装置に関し、例えば、液晶表示装置に用いるのに適した面光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置においては、液晶表示パネル自身は発光しないため、液晶表示パネルに光を供給するための面光源装置が必要となる。面光源装置としては、光源を液晶表示パネルの背面に設置する直下型面光源装置と、光源を液晶表示パネルの側面に設置するエッジライト型面光源装置の2種類が使用されているが、薄型化に適したエッジライト方式の面光源装置が多く用いられている。
このようなエッジライト方式の面光源装置は、一般的には、光源からの光を液晶表示パネル側に出射させる導光板と、その側部に配置されたLED(発光ダイオード)やCCFL(冷陰極管)等の光源と、導光板から出射した光を液晶表示パネル側の方向に向けるプリズムシート(入光面に対して平行な稜線を有する溝構造を表面に有する)等の光学シートから構成される。
上記導光板は一般に略長方形の板状の部材であり、主面である出光面、及び該出光面と対向する対向面、並びに該出光面と該対向面とに挟まれた側面に少なくとも1つの入光面を有し、その入光面から入射した光を前記出光面と前期対向面との間で繰り返し全反射させて導光する。導光された光のうち、対向面に設けられた光散乱加工箇所にあたり進行方向が変化して臨界角を超えた光が、出光面から液晶表示パネル側に出射される。
【0003】
ところで、このような導光板を複数の点光源と組み合わせて用いた場合、出光面の中心部(光源からある程度離れた場所)では均一な輝度が得られるものの、出光面の入光面近傍においては、点光源と点光源の間に正対する部分は暗い一方、点光源に正対する部分は明るくなる現象(「ホットスポット」という。)が発生し、出光面に輝度ムラが生じてしまうという欠点がある。
そのため、光源として複数の点光源を用いた面光源装置においては、導光板の出光面の入光面近傍は利用できないという問題があった。そこで、ホットスポット等の輝度ムラを抑制して導光板の出光面における利用可能な領域を拡大することの可能な導光板が提案されてきた。
【0004】
たとえば、特許文献1には、出光面と対向する対向面に、入射した光の光線の進行方向に対して斜め方向で相互に交差する複数の溝を設けた導光板が開示されている。また、特許文献2には、入光面に、対称性を有した三角形形状を貫欠した台形状の凹凸構造を設けた導光板が、特許文献3には、入光面に、開口部が略四角形で底部に円弧状の角部を有する窪みを設けた導光板がそれぞれ開示されている。さらに、特許文献4には、対向面にローレットカットを施すと共に、入光面にレンチキュラー形状等の周期的な微細なカットを施した導光板が開示され、特許文献5には、入光面に、粘着剤と針状フィラーとからなる異方性光拡散粘着層を設けた導光板が開示されている。
【0005】
上述のホットスポット以外に、面状光源装置の出光面に発生する輝度ムラの原因としては、光源から出射された光であって導光板の入光面に直接入射しなかった光が他の部材等による反射後に導光板に入射する迷光があげられる。迷光を抑制した面状光源装置としては、特許文献6には、出光面の入光面に沿う小幅の帯域に黒色艶消し板等の光吸収板を配在せしめた導光板が開示されており、特許文献7には、出光面の外周に遮光性テープを貼付した導光板を使用した面上光源装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−107247号公報
【特許文献2】特開2002−169034号公報
【特許文献3】特開2003−215346号公報
【特許文献4】特開2006−49286号公報
【特許文献5】特開2008−34234号公報
【特許文献6】実開昭62−154422号公報
【特許文献7】特開2004−71167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年では、省エネルギーの観点から、点光源としてLEDを使用したエッジライト方式の面光源装置を使用した液晶表示装置が広く採用されている。さらに、省エネルギー化及び低コスト化を推進するためには、点光源であるLEDの間隔を広くすることが望まれている。
そこで、本発明は、複数の点光源を使用した面光源装置において、点光源間の間隔を広げた場合であっても、出光面に輝度ムラが発生しにくい面光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために検討した結果、導光板の入光面の少なくとも一部分に複数の凹部又は凸部を形成するとともに、導光板の出光面の入光面近傍部に、光吸収シートや光吸収凸部を空気層を介在させて対向させると、輝度ムラを効果的に抑制できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の面光源装置である。
出光面、前記出光面と対向する対向面、及び前記出光面と前記対向面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有し、該少なくとも1つの入光面が、少なくとも一部分に複数の凹部又は凸部を有する導光板、
前記出光面に対向して配置され、面光源装置が外部に発光する発光エリアを画定するフレーム、及び
前記少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源
を有する面光源装置であって、
前記出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域の少なくとも一部と対向するように配置された光吸収シート及び/又は光吸収凸部をさらに有し、該光吸収シート及び/又は光吸収凸部と前記導光板との間の少なくとも一部には空気層のみが介在している、面光源装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の面光源装置は、点光源間の間隔を広げた場合であっても、出光面に輝度ムラが発生しにくい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】従来技術の面光源装置の一例の要部の断面模式図である。
【図2】本発明の面光源装置の第一の態様の一例の要部の断面模式図である。
【図3】本発明の面光源装置の第一の態様の別の一例の要部の断面模式図である。
【図4】本発明の面光源装置の第二の態様の一例の要部の断面模式図である。
【図5】比較例の面光源装置の要部の断面模式図である。
【図6】比較例の面光源装置の要部の断面模式図である。
【図7】導光板の斜視模式図である。
【図8】導光板の入光面における略楕円形状の複数の凹部及び凸部を示す平面模式図である。
【図9】導光板と点光源との配置を示す平面模式図である。
【図10】LEDの斜視模式図である。
【図11】液晶表示装置の模式平面図である。
【図12】本発明の面光源装置を用いたテレビ受信装置の構成を示す図である。
【図13A】導光板の入光面における複数の凹部又は凸部の具体例を示す表面プロファイル図である。
【図13B】導光板の入光面における複数の凹部又は凸部の具体例を示す表面プロファイル図である。
【図14a】A〜Fは、導光板の入光面における複数の凹部又は凸部の具体例を示す顕微鏡写真である。
【図14b】G〜Jは、導光板の入光面における複数の凹部又は凸部の具体例を示す顕微鏡写真である。
【図15】モスアイ構造の具体例の顕微鏡写真である。
【図16】モスアイ構造を表面に有する凹部(溝)の具体例の顕微鏡写真である。
【図17】導光板の入光面に複数の凹部又は凸部を設ける方法の一例を示す図である。
【図18】シール型の断面模式図である。
【図19】シール型の平面模式図である。
【図20】テープ型の作製においてロール状にスリットする方法を示す図である。
【図21】FWMHの定義を示す図である。
【図22】導光板の対向面における光散乱加工の一例を示す平面模式図である。
【図23】ドット密度の説明図である。
【図24】導光板の対向面における光散乱加工の一例を示す図である。
【図25】導光板の対向面における光散乱加工の一例を示す図である。
【図26】本発明の面光源装置を用いた表示装置の要部の断面模式図である。
【図27】実施例・比較例において輝度ムラを観察する方向の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<1.導光板>
まず、本発明の面光源装置に含まれる導光板の実施形態について、その一例の概略図を示す図7を用いて以下に具体的に説明する。
本発明の面光源装置に含まれる導光板1は、出光面11と、出光面と対向する対向面と、出光面と対向面の間に挟まれた少なくとも1つの入光面12を有する。一実施態様においては、導光板は略長方形の板状部材であって、その2主面が出光面11と対向面であり、その1側面または対向する2側面が入光面となる。
導光板の形状に限定はなく、表示装置の画面形状にあわせた発光エリア(通常長方形)を含み、周縁部には他の部材に固定するためのネジを通すための切欠きやその他の凹凸部分を有していてもよい。
本発明の面光源装置に含まれる導光板においては、入光面近傍に配置された光源の光を入光面12から導光板内に入射させ、板内部で繰り返し反射させて導光し、導光した光を出光面11と対向する対向面(図示せず)によって出光面11に向け、出光面11から外部に出射させる。
【0012】
<1.1導光板の入光面における凹凸加工>
本発明の面光源装置に含まれる導光板は、入光面12の少なくとも一部の領域に、複数の凹部及び/又は凸部を有することで光を拡散させることによって、ホットスポットによる輝度ムラを低減する。
前記少なくとも一部の領域としては、入光面12のうち少なくとも点光源に正対する部分領域を含むことが好ましく、入光面全体であることが、位置合わせを不要とするためより好ましい。
【0013】
前記複数の凹部及び/又は凸部としては、開口部又は底面が出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有する複数の凹部又は凸部であることが、点光源の配列方向(図7の15の方向)に光を拡散させる効果に優れるためより好ましい。
図7の導光板1においては、開口部又は底面が出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有する複数の凹部又は凸部は、出光面11に略垂直な溝である。
【0014】
凹部(凸部)の開口部(底面)の長径が出光面と垂直な方向となす角が40度以下である場合には(0度でなくても)、その凹部(凸部)の開口部(底面)は“出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有している”ものとするが、凹部(凸部)の開口部(底面)の長径と出光面と垂直な方向のなす角は10度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましく、6度以下であることがより好ましく、4度以下であることがより好ましく、最も好ましくは0度である。ここで、開口部(底面)の長径とは、開口部(底面)に外接する面積が最小となる外接長方形の長辺をいう。
【0015】
入光面に、開口部(底面)の形状が、出光面と垂直な方向に長い異方性形状以外の形状である凹部(凸部)(例えば、開口部(底面)が円等の等方形状であるものや、開口部(底面)は異方性形状であるが、その長径が出光面と垂直な方向と平行でないもの)が存在していても構わない。ただし、開口部(底面)が出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有する凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計が、それ以外の凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計を上回っていることが好ましい。
【0016】
前記異方性形状の長径と短径の比(長径/短径)に限定はないが、好ましくは2以上であり、より好ましくは10以上である。ここで、短径、長径とは、それぞれ、外接する面積が最小となる外接長方形の短辺、長辺をいう。
前記異方性形状に限定はなく、その具体例としては、例えば、図7に示すような直線(溝)や、図8に示すような略楕円形状が挙げられる。
凹部(凸部)の開口面(底面)の形状は、入光面の任意の箇所を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察することによって決定することができる。
【0017】
凹部(凸部)の出光面に平行な方向のピッチに限定はないが、その平均ピッチは20μm以下であることが好ましく、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、平均ピッチは580nm(可視光の中心波長)以上であることが好ましく、より好ましくは780nm(可視光全域)以上である。
一般に使用される点光源である、図10に示したLEDの発光面サイズ(幅102)は数mm程度であるので、凹部(凸部)の出光面に平行な方向の平均ピッチをこのような値に設定すれば、十分な数の凹部又は凸部を点光源の発光面に割り当てることができ、点光源と導光板の入光面との位置あわせの精度を厳格に求める必要がなくなる。また、前記平均ピッチをこのような値に設定すれば、取り扱い時に凹部又は凸部に爪などが引掛かることも少なく、ハンドリング性が向上する。さらに、本発明の面光源装置に含まれる導光板によって拡散する光は可視光線(380nm〜780nmの電磁波)であるので、凹部又は凸部による拡散効果を十分に発揮するためには前記平均ピッチは上記のような値であることが好ましい。
【0018】
ここで、凹部(凸部)の出光面に平行な方向のピッチとは、入光面の出光面に平行な任意の断面における隣合う谷底(凹部の場合)又は山頂(凸部の場合)の間の水平距離(入光面に平行な方向の距離)をいう(図8参照)。なお、谷底(山頂)が平坦である場合には、その中心を谷底(山頂)としてピッチを決定する。
また、凹部(凸部)の出光面に平行な方向の平均ピッチとは、入光面の出光面と平行な任意の垂直断面から任意に抽出した100μmに存在する凹部(凸部)のピッチの平均値とする。
凹部(凸部)の出光面に平行な方向の(平均)ピッチは、入光面の出光面に平行な任意の断面を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察・測定することによって決定することができる。
【0019】
各凹部(凸部)の大きさ(深さ・高さ)にも限定はない。
例えば、その開口部(底面)の短径は580nm〜100μmであってもよく、780nm〜60μmであってもよく、1〜20μmであってもよい。また、その開口部(底面)の長径は、例えば5μm以上2cm以下であってもよい。
また、深さ(高さ)は、例えば、500nm〜50μmであってもよく、700nm〜30μmであってもよく、5〜10μmであってもよい。凹部又は凸部の平均深さ(高さ)も、500nm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは700nm〜30μm、更に好ましくは5〜10μmである。
ここで、凹部(凸部)の深さ(高さ)は、入光面の任意の断面における各凹部を構成する両側の山のうち高い方の山の山頂と凹部の谷底の間の(各凸部を構成する両側の谷のうち低い方の谷の谷底と凸部の山頂の間の)垂直距離(入光面に垂直な方向の距離)(山頂と谷底の標高差)をいう。(図8参照)また、凹部又は凸部の平均深さ(高さ)は、入光面の任意の垂直断面から任意に抽出した100μmに存在する凹部(凸部)の深さ(高さ)の平均値とする。
凹部(凸部)の大きさは、入光面の任意の箇所を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察・測定することによって決定することができる。
ただし、凹部(凸部)の形状が溝(畝)である場合、その長さは、点光源の発光面の導光板の厚み方向の長さよりも大きいことが好ましい。つまり、溝(畝)の長さは点光源の発光面の大きさ以上で、かつ、導光板の厚さ以下であることが好ましい。なお、図7においては、溝は入光面を導光板の厚さ方向に横断(出光面から対向面まで)する長さを有しているが、溝(畝)の長さは必ずしも入光面を横断するものでなくてもよい。
【0020】
複数の凹部(凸部)の形状、大きさ(深さ、高さ)、及び出光面に平行な方向(図7の15の方向)のピッチのうち少なくとも1つがランダム(不規則)に異なっていると、輝度ムラ低減効果が向上するため好ましい。
ここで、ランダムに異なっているとは、複数の測定値から算出された標準偏差を3倍した値(3シグマ)が平均値の10%を超えることをいう。
【0021】
入光面上の凹部又は凸部が配置される領域については特に限定はなく、導光板と組み合せて使用する光源の出光分布や配置等にあわせて適宜決定することができる。すなわち、本発明の面光源装置に含まれる導光板においては、入光面に凹部又は凸部が無い部分(領域)を有しても良い。もっとも、凹部又は凸部は、少なくとも、入光面の各点光源の発光面と対向する領域には配置されていることが好ましい。
また、凹部又は凸部の密度には限定はないが、導光板の入光面のうち、光源の発光面に対向する領域については、凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計がその領域の25%以上(より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上)を占めることが好ましい。
【0022】
複数の凹部又は凸部の具体例を図13A〜B、及び図14A〜Jに示す。図13Aの複数本の溝(溝構造)は、溝と垂直な方向への拡散角度(後述するFWHMで定義)が60度、溝と平行な方向への拡散角度が1度の異方性の拡散特性を有する。図13Bの溝構造は、溝と垂直な方向への拡散角度が30度、溝と平行な方向への拡散角度が1度の異方性の拡散特性を有する。
図14A〜Jの拡散角度、平均ピッチ(凹部の開口部の長径の方向(溝)に垂直な方向の平均ピッチ)、平均深さについては以下の表に示す。なお、以下の表において、「横」とは、凹部の開口部の長径の方向に垂直な(溝に垂直な)方向をいい、「縦」とは凹部の開口部の長径の方向に平行な(溝に平行な)方向をいう。
【0023】
【表1】

【0024】
複数の凹部又は凸部の表面には、さらに、入光面での反射を低減し、入射光を効率よく利用することを目的として、モスアイ構造を設けてもよい。ここで、「モスアイ構造」とは、高さが1μm以下の略同一形状の凸部が略周期的(例えば、正方格子状、長方格子状、平方四辺形格子状、三角格子状(ハニカム)又は六角格子状に、50〜500nm程度のピッチで)に設けられた微細凹凸構造をいう。その高さは50〜500nmとしてもよいし、100〜300nmとしてもよい。
モスアイ構造及びモスアイ構造を表面に有する凹部(溝)の具体例を、それぞれ、図15、図16に示す。
【0025】
本発明の面光源装置/表示装置に含まれる導光板の入光面に、その開口部又は底面が出光面に垂直な方向に長い異方性形状を有する複数の凹部又は凸部(以下、「凹凸構造」ということがある。)を形成する方法に限定はない。例えば、(1)凹凸構造に対応する凹凸パターンを有する金型を用いて導光板を射出成型する方法、(2)凹凸構造に対応する凹凸パターンを有する転写型を用いて導光板の入光面上に凹凸構造を転写する方法、及び、(3)凹凸構造を有するフィルムを透光性の粘着剤等を用いて導光板に貼り合せる方法等を用いることができる。
【0026】
(1)の方法として、例えば、導光板を成形する金型の入光面に相当する位置に凹凸構造に対応する凹凸パターンを有するスタンパーを配置し、当初から凹凸構造を有する導光板を射出成形することができる。この方法は、比較的小型(32型以下程度)の画像表示装置に用いる面光源装置用の導光板を製造するのに適している。
【0027】
(2)の方法として、例えば、凹凸構造を有していない導光板(導光板製造用原反シート)を押出成形やキャスト成形等により成形した後、入光面(入光面となる面)に凹凸構造に対応する凹凸パターンを有する転写型を用いて凹凸構造を転写することができる。
図17にこの方法の具体例を示す。図17の方法においては、所定のサイズにカットした透明基板41を複数枚重ね、表面に凹凸構造(ここでは溝構造)に対応する凹凸パターンを有する転写ローラー42を加熱しながら透明基板の入光面となる面に押し付けて凹凸構造を転写する。この方法によれば、複数枚の導光板にまとめて転写ができるので、大量生産が可能であり、品質も向上する。
【0028】
(3)の方法の具体例として、以下に説明するa.シール型、及び、b.テープ型の2種類の方法が挙げられる。
a.シール型
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等からなる透明なベースフィルム上に、例えば、紫外線硬化樹脂層を塗布し、後述するスペックルパターンを用いた方法により紫外線硬化樹脂層に凹凸構造を形成するなどして、凹凸構造を有する層を形成する。ベースフィルムの厚さに限定はないが、例えば、20〜250μm、好ましくは50〜125μmとすることができる。
次いで、上記ベースフィルムの凹凸構造を形成した面とは反対側の面に、粘着剤を塗布すると共にその上にポリエチレンテレフタレート等からなる剥離フィルムを貼り合わせるか、又は、剥離フィルム付きの粘着フィルムの粘着層を貼り合わせる等して、粘着剤側が剥離フィルムでカバーされた多層フィルムを製造する。このような多層フィルムの層構成の具体例を図18に示す。図18の5a、5bは、共に、剥離フィルムを片側に設けた多層フィルムである。多層フィルム5aにおいては、下から順に、剥離フィルム51、粘着層52、ベースフィルム53及び凹凸構造(ここでは溝構造)が形成された層54が積層されている。また、多層フィルム5bにおいては、凹凸構造が形成された層54の上にさらに、粘着層及び台紙フィルム層が設けられ、下から順に、剥離フィルム51、粘着層52、ベースフィルム53、凹凸構造が形成された層54、粘着層55及び台紙フィルム56が積層されている。なお、剥離フィルム51及び台紙フィルム56は、導光板の製造中、シール台紙又は保護フィルムの役割を果たすものであり、その厚みに限定はなく、例えば(その材質にもよるが)、20〜100μmとすることができる。ただし、ハーフカット処理の加工をより容易に行うためには、台紙フィルムは50μm以上が好ましく、75μm以上がさらに好ましい。また、粘着層の厚さは、例えば10〜100μmとすることができる。性能とコストのバランスを考慮した場合は、15〜50μm程度が好ましく、20〜25μm程度がさらに好ましい。
【0029】
次に、この多層フィルムを導光板の入光面の長さ(幅)に合わせて切断し、次いで、多層フィルム5aの場合は剥離フィルム51のみを残して、多層フィルム5bの場合は台紙フィルム56と粘着層55を残して、残りの層を入光面の厚みと同じ幅に切断する(ハーフカットする)ことによって、導光板の入光面と同じサイズを有する凹凸構造が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を剥離フィルム51(多層フィルム5aの場合)又は台紙フィルム56(多層フィルム5bの場合)上に複数枚形成したシールシートを製造する。なお、以上のように、多層フィルム5aの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が凹凸構造が形成された層の側から入るので、凹凸構造が壊れる危険が少ないという利点があり、一方、多層フィルム5bの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が粘着層52の側から入るので、粘着層を確実に切断でき、粘着剤どうしが再度くっついてしまう所謂「糸引き」という不具合が発生しにくいという利点がある。ハーフカットの方法としては、例えば、トムソン刃を切断方向に入れる方法、ロール刃を切断方向に転がす方法、及び、レーザーを用いて所望の深さまで焼き切る方法等が挙げられるがこれらに限定されない。なお、レーザーを用いると切断屑が発生しないという利点がある。このようにして作製されたシールシートの正面概略図を図19に示す。図19において、各縦線は溝61を示す。
そして、導光板の製造工程や導光板を有する面光源装置の組立工程において、多層フィルム5aの場合は上記凹凸構造が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を剥離フィルム51から1枚ずつ剥がして粘着層52を介して導光板の入光面に貼り合せる。多層フィルム5bの場合は、上記凹凸構造が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を粘着層55から1枚ずつ剥がし、次いで剥離フィルム51を剥がして粘着層52を介して入光面に貼り合わせる。最後に、必要に応じてフィルムと入光面との間の空気をローラー等により抜くことにより密着させてもよい。
【0030】
なお、貼り合わせに先立ち、粘着層52及び/又は入光面にエキシマUV処理やコロナ処理等の表面処理を施すことによって表面の分子結合を切断した後、直ちに粘着層と入光面とを密着させることによって、貼り合わせ強度を向上させることもできる。さらに、このような表面処理を利用すれば、粘着剤を使用せずに凹凸構造を有するフィルムのベースフィルムと導光板とを貼り合せることも可能であり、低コスト化、信頼性向上を図ることができる。
このシール型の方法によれば、入光面への貼り合わせ作業が容易になり、使用した(貼り合わせた)シールの枚数の管理も容易になるので、導光板の製造が容易になる。さらに導光板製造用材料の輸送も容易になる。
なお、シールシートを製造する際、多層フィルム(5a、5b)を導光板の入光面の長さ(幅)より短く切断し、面光源装置の組立の際、2枚以上の多層フィルム(シール)を入光面に貼り合わせてもよい。このとき、入光面の光源の発光面に対向する領域より(上下左右)2mm以上外側までが各多層フィルム(シール)によって覆われるよう(フィルムどうしの隙間や継ぎ目が発光面に対向する領域にかからないよう)、位置決めして貼り合わせることが好ましい。
【0031】
b.テープ型
b.テープ型の方法について、図20を用いて説明する。
a.シール型の場合と同様にして、凹凸構造が形成された層を有する多層フィルム71を製造する。次いで、これを入光面の厚みと同じ幅に切断することによって複数本のテープ状にし、それぞれリール(図示せず)に捲回してロール72に加工する。このとき、巻き取ったテープが軸ズレを起こさないように、二枚の円盤に挟まれるような構造のリールで巻き取ることが好ましい。また巻き取られたテープの径は円盤の外径より小さいことが好ましい。
そして、導光板の製造工程や導光板を有する面光源装置や照明装置の組立工程において、ロール72から、凹凸構造が形成された層を有するテープ(テープ状フィルム)を繰り出して、導光板の入光面の長さに切断した後入光面に貼り合せるか、入光面に貼り合わせた後入光面の長さに切断する。貼り合わせには、a.シール型の方法において述べたのと同様の方法が採用できる。
この方法によれば、テープを切断する長さは導光板に貼り合わせる際に決定すればよいので、1種類のロール(凹凸構造が形成された層を有するテープ状フィルムのロール)を様々な大きさを有する導光板の製造に兼用することができ、ロールの汎用性が高い。また多層フィルム71を導光板に貼り合せる工程の自動化・高速化が容易となる。
【0032】
(3)の方法で使用する粘着剤としては、光学用途に対応した粘着剤を用いることが好ましい。具体的には、粘着層の全光線透過率が90%以上であり、ヘーズが1.0以下となるように粘着剤の種類と厚さを選定することが好ましい。
市販の粘着剤では、CS9621、HJ9150W(日東電工製)、DH425A(サンエー化研製)、ZACROS TR−1801A(藤森工業製)、PD−S1(パナック製)、MO−3006C,MO−3012C(リンテック製)等を用いることができる。
また、凹凸構造が形成された多層フィルムは、導光板に貼り付けられ面光源装置に組み込まれた際には、光源近傍に配置されることになるので、光源による熱の影響に耐えうる粘着剤を使用して貼り付けることが好ましい。このような条件を満たす粘着剤は、ベースフィルムの材質によって異なる。例えば、フィルム基材がポリエチレンテレフタレート、導光板の材料がポリメタクリル酸メチル樹脂で、85℃の環境下で使用する場合には、上述した粘着剤のうち、ZACROS TR−1801A、PD−S1、MO−3006Cが好ましい。また、100℃の高温環境下でも耐える粘着剤は、PD−S1、ZACROS TR−1801Aである。
【0033】
尚、凹凸構造が形成された多層フィルムは、粘着剤等で入光面に貼り付けられ導光板と一体化していなければ、本発明の効果は発揮されない。すなわち、導光板の入光面と光源との間に上記凹凸構造が形成されたフィルムを単に配置しただけでは、導光板内部での入射光を広角に拡散させること(さらには、ホットスポットやその他の点光源に由来する輝度ムラを解消すること)はできない。
また、(3)の方法における紫外線硬化樹脂層には、光学性能を上げるため、例えば平均粒径2μm程度のシリコン微粒子を混入し、内部拡散性能を付与することも有用である。尚、実施例においては、このような内部拡散性能を有していない紫外線硬化樹脂を用いている。
【0034】
上述の(1)、(2)の方法で使用する金型(スタンパー)、転写型(転写ローラー)や(3)の方法で使用するフィルム等に、凹凸構造に対応する凹凸パターンや凹凸構造を形成する方法に限定はなく、例えば、切削、サンドブラスト等の機械加工によって形成してもよいし、レーザーのスペックルパターン露光により形成することもできる。スペックルパターン露光を利用する方法は、機械加工では困難な10μm程度以下の微細な3次元構造の形成に適しており、また適度な不規則性を得ることも容易である。
【0035】
スペックルパターン露光を利用する場合には、具体的には次のようにしてランダムな凹凸構造を形成することができる。
例えば、レーザー光を用いた干渉露光によりランダムな斑点模様や縞模様のスペックルパターンを発生させ、これをフォトレジスト等の感光性材料に照射する。次いで、露光した感光性材料を公知の方法によって現像すると、感光性材料に上記スペックルパターンに対応したランダムな凹凸構造が形成される。
なお、ランダムな斑点模様や縞模様のスペックルパターンは、例えば、レーザー光を異方性の強い拡散層等で拡散させることによって発生させることができる。通常、レーザー光を拡散層で拡散させて露光面に照射すると、スペックルは円形ムラとして発生するが、拡散層を異方性の強いものとすると、スペックルを斑点模様や縞模様状にすることができる。さらに、レーザー光の波長やレーザー光を拡散させる条件等を適宜変更することにより、所望のランダム斑点/縞模様を得ることが可能となる。具体的には、特表2004−508585号公報の段落0047〜0057に開示される方法等によって発生させることができる。
【0036】
凹凸構造に対応する凹凸パターンを有する金型や転写型は、さらに、上記のようにして作製した凹凸構造をサブマスタ型とし、このサブマスタ型に電鋳等の方法で金属を被着してこの金属に上記凹凸構造に対応する凹凸パターンを転写すること等によって作製することができる。
なお、干渉露光によるスペックルパターンを用いた微細な凹凸パターンの作製方法は周知であり、例えば、特許第3413519号、特表2003−525472号公報及び特表2004−508585号公報等に開示されている。
【0037】
本発明の面光源装置/表示装置に含まれる導光板において、入光面は少なくとも1つあればよく、2つまたはそれ以上あってもよい。入光面を2つ有する場合、導光板の形状は出光面と対向面を主面とする平板状の直方体であることが好ましく、さらに図9に記載のように、2つの入光面が対向していることが好ましい。この場合、対向する二つの入光面は長さが同じであるため、点光源の数や種類を同一にし、部品の共通化を図ることができるというメリットがある。
導光板の厚さ(出光面とこれに対向する対向面との間の距離)に限定はないが、例えば、2.0〜5.0mm程度とすることができる。
【0038】
本発明の面光源装置に含まれる導光板の材質は、透光性のものであれば特に限定はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合体等の光学部品の材料として一般に使用されている透明性の高い高分子材料やガラス等の無機材料を用いることができる。
また、本発明の面光源装置に含まれる導光板は、必要に応じて有機や無機の染料や顔料、艶消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、不純物の捕捉剤、増粘剤、表面調整剤及び離型剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0039】
本発明の面光源装置に含まれる導光板における凹凸構造(複数の凹部又は凸部)は、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)が特定の一方向に長い異方性形状を有するものが好ましく、その表面形状により、前記特定の一方向(すなわち凹部(凸部)の開口部(底面)の長径の方向)に垂直な方向への拡散角度が最大で、前記特定の一方向に平行な方向への拡散角度が最小である異方性の拡散特性を示す。
拡散角度(入光面に垂直に光線を入射させたときの出射光の拡散角度(FWHM))の具体的な値に限定はないが、出光面に平行な方向への拡散角度が30°〜120°であることが好ましく、より好ましくは40°〜100°、さらに好ましくは50〜90°である。一方、出光面に垂直な方向への拡散角度は、10°未満であることが推奨され、5°未満であることが好ましく、1°未満であることがさらに好ましく、0.5°未満が最も好ましい。
前記出光面に垂直な方向、平行な方向への拡散角度は、共に、各凹部(凸部)の形状や深さ(高さ)及びピッチ等を適宜変更することによって調整することができ、スペックルパターンを利用して溝構造を形成する場合、これらはレーザー光を拡散させる条件等を適宜変更することによって調整できる。
また、拡散特性は入光面の凹凸構造が形成された全領域において略一定であることが好ましい。
【0040】
ここで、「拡散角度」とは、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう(図21参照)。この拡散角度は、例えば、Photon Inc.製のPhoton或いは、ビームプロファイラNanoScan、または日本電色工業株式会社製のGC5000L等の変角色差計を用いて、凹凸構造が形成された面の法線方向から、凹凸構造に入射した光の透過光強度の角度分布(透過光の強度の出射角度に対する分布)を測定することによって求めることができる。特に、FWHMが1°以下の特性に関してはNanoScanが測定に最適である。ここで、凹凸構造が形成された面の法線方向とは、図7の16に示す方向を指す。
【0041】
尚、拡散角度は理論(スネルの法則)上、基材が内部拡散性能を持たない場合であれば、基材の屈折率の影響は受けず、凹凸構造が形成された面を形成する材料の屈折率に依存する。このため、導光板の入光面に凹凸構造を形成する方法として上記(3)の製法を採用する場合であれば、凹凸構造を有するフィルム単独で拡散角度を測定しても、これを導光板に貼り合わせた最終形態の状態で拡散角度を測定しても、測定結果は変わらない。また、上記(1)(2)の製法を採用する場合であれば、入光面と平行な面で切断した薄片を作製して、その拡散角度を測定してもよい。
なお、測定対象である面と対向する面が平滑でない場合には、その面を切断する等して平滑面とするか、測定対象である面の表面形状をその面を形成する材料と同じ屈折率を有する材料に転写しこれを用いることにより測定することができる(凹凸が反転しても、透過光強度の角度分布は変化しないので、拡散角度も変化しない)。
【0042】
また、凹凸構造が形成された入光面に、その法線方向から、光線を入射したときに、出射角度=0°において、光の透過光強度がピーク強度の90%以上となることが好ましい。
このように、凹凸構造が形成された入光面の表面形状は、その法線方向から光線を入射したときの光の透過光強度の角度分布が、複数のピークを持たず、なだらかに変化するようなものであることが好ましい。
【0043】
本発明の面光源装置で使用する導光板においては、上述のような複数の凹部又は凸部の表面形状に由来する拡散特性により、ホットスポット等の輝度ムラが低減できると推測される。
このように、本発明の面光源装置で使用する導光板においては、凹凸構造の表面形状により拡散特性を実現するので、その表面形状を制御することによって、精度の高い拡散特性を安定的に得ることができる。更に、表面形状により拡散特性を実現する本発明においては、拡散をもたらす屈折は、空気(屈折率ほぼ1)と凹凸構造を構成する材料(樹脂又は樹脂組成物)(屈折率約1.3〜1.6)との間で起きるので、粘着剤とフィラーとの間の屈折を利用する特許文献5に開示の技術と比較して、凹部(凸部)の開口部(底面)の長径の方向に垂直な方向への拡散角度を大きな値とすることができる。
【0044】
<1.2導光板の対向面における光散乱加工>
本発明の面光源装置に含まれる導光板においては、出光面においてフレームに遮蔽されている遮光領域に対向する、対向面の入光面近傍の一部の領域(以下「領域B」ともいう。)において、点光源に正対する部分領域の光散乱度が、点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度よりも低くなるように構成された光散乱加工(図22参照)を有していることが好ましい。
領域Bにおいて、点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工を設けることにより、入光面に設けた凹凸構造と相俟って(このような出光面及び/又はその対向面の入光面近傍に設けた光散乱加工と入光面に設けた凹凸構造とが、相互に輝度ムラ低減効果の足りない部分を補完しあって)、出光面の輝度の均一性が飛躍的に向上し、後述のP/Lを大きくすることができる。
【0045】
なお、「点光源(又は、点光源と点光源の間の部分)に正対する部分領域」とは、出光面の入光面に平行な方向をX軸、入光面に垂直な方向をY軸としたときに、点光源(又は点光源と点光源の間の部分)と略同じX座標を有する部分領域をいい、「点光源に正対する部分領域の光散乱度が、点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度よりも低い(又は略等しい)」とは、同じY座標を有する部分領域同士を比較したときに、点光源に正対する領部分域(点光源と略同じX座標を有する部分領域)の光散乱度が、点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域(点光源と点光源の間の部分と略同じX座標を有する部分領域)の光散乱度よりも低い(又は略等しい)ことをいう。
【0046】
点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工が施される、対向面の領域Bは、出光面の遮光領域に対向する領域のうち入光面に平行な帯状の部分領域であることが好ましいが、必ずしも入光面側端部(Y=0)から開始している必要はない。
【0047】
「点光源に正対する部分領域の光散乱度が、点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度よりも低」くなる構成の具体的な態様としては、例えば、a.点光源と正対する部分領域以外に光散乱加工を施す(点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域に光散乱加工を施す)、b.領域Bの略全領域に光散乱加工を施し、点光源と正対する部分領域については他の部分領域より光散乱度が低くなるようにする(点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域については他の部分領域より光散乱度が高くなるようにする)、等が挙げられる。
光散乱加工に限定はなく、導光板の技術分野で一般に採用されているものが使用できる。例えば、反射性あるいは拡散性の材料からなる複数の拡散性ドットのパターンを積層や印刷により設けることや、凹凸形状等の複数の3次元ドットのパターンを形成することが挙げられる。ドットの形状に限定はなく、例えば円形、四角形などが挙げられ、その大きさは例えば、0.1〜2.0mm程度とすることができる。
【0048】
光散乱度は、例えば、反射(拡散)性材料からなる拡散性ドット中の反射(拡散)性物質の濃度(濃度を高くする程光散乱度は高くなる)、凹凸形状の3次元ドットの形状(例えば、高さを高くするほど光散乱度は高くなる)、ドットが形成されている部分の面積の割合(以下、「ドット密度」といい、ρで表す。なお、領域内でドット密度が段階的に変化している場合には、領域のドット密度は、図23記載のように、ドット26の中心と隣接するドットA〜Fの中心とを結ぶ線分の垂直2等分線26a〜26fによって囲まれる多角形262の面積に対するドット26の面積の割合(%)をいい、ドット密度を高くするほど光散乱度は高くなる)等を調整することによって制御することができる。ドット密度は、例えば、単位面積あたりのドットの個数を一定にして各ドットの面積を変化させるか、逆に各ドットの面積を一定にして単位面積あたりのドットの個数を変化(ドットのピッチ)させるか、或は、その両方を変化させる等して調整することができる。
【0049】
出光面においてフレームに遮蔽されていない発光エリアに対向する、対向面の領域(以下「領域A」ともいい、少なくとも発光エリアに対向する領域を含み、隣接する遮光領域に対向する領域(境界エリア)を一部含んでもよい)にも、光散乱加工を施すことができる。このとき、領域Aの範囲は、領域Aと領域Bとの間に、後述する領域Cが存在するように設定することが好ましい。
なお、領域Aのうち、少なくとも発光エリアに対向する領域においては、点光源に正対する部分領域の光散乱度と、点光源と点光源との間の部分に正対する部分領域の光散乱度とが略等しいことが好ましい。
【0050】
対向面において、領域Aと領域Bに挟まれた領域Cは、入光面に平行な帯状の領域であることが好ましく、その場合、領域Cの幅は0.2mm以上が好ましく、さらに好ましくは0.5mm以上であり、最も好ましくは1mm以上である。また、領域Cの幅の上限としては3.0mm以下が好ましく、2.0mm以下がさらに好ましく、1.5mm以下が最も好ましい。
領域Cにおいては、少なくとも点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域には光散乱加工が設けられていないことが好ましく、領域C全体に光散乱加工が全く設けられていなくてもよい。
【0051】
図24に、導光板の対向面の光散乱加工の具体例を示す。
図24の例においては、出光面の遮光領域に対向する、対向面の入光面近傍の一部の領域B(入光面と平行な帯状のエリア)に、点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間に部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工が施されており、この点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間に部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工においては、入光面近傍の点光源と正対する部分領域の各ドットの面積を小さく、また、入光面近傍の点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の各ドットの面積を大きくすることによって、入光面近傍において光源と正対する部分領域の光散乱度が光源と光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度よりも低くなるようにしている。
出光面の発光エリア及びその周辺の領域に対向する、対向面の領域Aにおいては、点光源と正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度と略等しくなるように光散乱加工が施されている。具体的には、ドット密度により光散乱度を制御する場合、入光面からの距離が同じ領域(同じY座標を有する領域)のうち最もドット密度の低い領域のドット密度ρ1と最もドット密度の高い領域のドット密度ρ2の比(ρ2/ρ1)が、ρ2/ρ1≦1.2であることが好ましく、ρ2/ρ1≦1.1であることがさらに好ましく、ρ2/ρ1=1とするのが最も好ましい。
点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工と、遮光部分/非遮光部分との位置関係を、上記のようにする(すなわち、点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度より低くなるように構成された光散乱加工を、出光面の遮光領域に対向する領域内に収める)ことで、出光面の輝度ムラを正面からだけでなく、斜めからも視認されないようにすることができる。
【0052】
図25に、導光板の対向面の光散乱加工の別の具体例を示す。
図25の例では、出光面の遮光領域に対向する、対向面の入光面近傍の一部の領域B(入光面と平行な帯状のエリア)において、点光源に正対する部分領域にはドットを形成せず、点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域にのみ、発光エリアに対向する領域におけるドット密度より2倍〜20倍高い密度でドットを形成している。
このように、領域Bにおいて点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域にのみ光散乱加工を施すことにより、点光源と点光源の間に擬似的な光源を発生させ、これが実際の両側の点光源の像と重なることで、点光源に由来するムラを低減することができる。
さらに、図25の例においては、発光エリアとその周辺の領域(遮光領域のうち、発光エリアとの境界に位置するの境界エリア)に対向する領域に、点光源に正対する部分領域の光散乱度と点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度が略等しくなるような光散乱加工が施され、あわせて領域Aを形成している。そして、領域Aと領域Bの間には、光散乱加工の設けられていない領域C(入光面に平行な帯状の領域)が存在している。
なお、前記領域Bは、出光面の遮光領域と発光エリアとの境界線に対向する対向面上のラインから1mm以上外側から開始することが好ましい。こうすることで、前述した擬似的な光源が、面光源装置の使用時に利用者に視認されることを防ぐことができる。
また、領域Bにおける点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域に施された光散乱加工(擬似的な光源となる光散乱加工)は、その中央(点光源と点光源の中間)に向かって光散乱度が上がるグラデーションをかけることが好ましい。こうすることで、点光源と点光源の間の部分に左右の点光源から届く光を中央部に向うに従って強く散乱させ、擬似的光源散乱加工部の中央に暗部を発生させず、自然な擬似光源部を設けることができる。
【0053】
ここで、ある領域のドット密度ρ(%)とは、その領域に含まれる特定のドット(26)の中心点と該特定のドットに隣接するドット(A〜F)の中心点とを結ぶ線分の垂直二等分線(26a〜f)で形成される、該特定のドットを囲むように出来る多角形(263)の面積を分母として、該特定のドット(26)の面積を分子とした面積比率を%で表した値のことを言うものとする(図23参照)。
【0054】
出光面における出光分布のさらなる均一性を達成するために、入光面近傍の光散乱加工及びそれ以外の光散乱加工には、さらに、入光面から遠ざかる方向に向かって光散乱度が高まるようなグラデーション(例えば、入光面から離れるに従ってドット面積が広くなるようなグラデーション、同一大のドットを光源から離れるに従ってピッチが狭くなるように配置したグラデーション)も付与することができる。
また、表示装置用の面光源装置の場合、出光分布の均一性を高めつつも、画面中央の輝度が最も高い一様な山型の出光分布とすることが視認しやすく好ましいとされているので、出光面及び/又は対向面に設ける光散乱加工は、さらに、中央部分の光散乱度が高くなるよう構成してもよい。
【0055】
上述の光散乱加工は、対向面だけでなく、出光面にも設けることも可能であるが、光散乱加工が視認されやすいものである場合等には、対向面にのみ設けるようにすることが好ましい。
また、出光面に光散乱加工を施さない場合には、入光面に垂直な複数本の溝からなる溝構造を設けても良い。出光面及び/又は対向面にこのような溝構造を設けると、出光面から出る光の広がりを押さえることができるので、導光板をローカルディミングに適したものとすることができる。
【0056】
<2.面光源装置>
次に、本発明の面光源装置について説明する。
図9に本発明の面光源装置の一例の平面概略図を示す。
本発明の第一の態様の面光源装置9は、導光板91と、導光板の入光面93の近傍に配置された複数の点光源92と、出光面と対向するように配置されたフレーム(非図示)とを有し、さらに、出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域(以下、「入光面近傍」ということもある。)の少なくとも一部を覆うように(少なくとも一部と対向するように)配置された光吸収シート(非図示)を有する。図2に本態様の面光源装置の一例の要部の断面模式図を示す。
また、本発明の第二の態様の面光源装置9は、導光板91と、導光板の入光面93の近傍に配置された複数の点光源92と、出光面と対向するように配置されたフレーム(非図示)とを有し、さらに、出光面の入光面近傍の少なくとも一部と対向する凸部(ただし、該凸部の少なくとも出光面と対向する部分は光吸収部材からなる)(非図示)を有する。図4に本態様の面光源装置の一例の要部の断面模式図を示す。
【0057】
<2−1.点光源>
点光源に限定はないが、LED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。LEDは低消費電力で高輝度の光が得られ、温度が低い場合でも明るく発光するので、点灯直後から十分な照度を有する面光源装置、照明装置を提供することができる。LEDの種類に限定はなく、例えば、青色LEDにより緑色、赤色蛍光体を励起するワンチップタイプの擬似白色LED、赤色/緑色/青色LEDを組み合わせて白色光を作るマルチチップタイプ、更には近紫外LEDと赤色/緑色/青色蛍光体を組み合わせたワンチップタイプの擬似白色LED等が挙げられる。
図10に本発明で使用できる箱型のLED10の一例の概略図を示す。なお、LEDの外形や発光面のサイズに限定はないが、外形が5.6mm(幅)×3.0mm(高さ)×1.0mm(厚み)程度で、発光面101の横幅102が5mm以下のものが一般的に使用されている。
【0058】
点光源の発光面と導光板の入光面の距離(クリアランス)は、0.1mm以上2.5mm以下であることが好ましい。点光源を導光板の一側面に配置する場合は、一般的には、クリアランスは0.2mm以上1.0mm以下である。また、光源を導光板の対向する2側面に配置する場合には、一側面のみの場合に比較して広めにされることが多く、一般的には、クリアランスは0.5mm以上2.5mm以下である。前記入光面と前記発光面との距離を離すと、導光板に入射する光の量は、逆2乗の法則により減少し、結果的に出光面からでる光の総量も減少してしまう。従って、点光源の発光面と導光板の入光面の距離は近いことが好ましい。一方、点光源の周辺では熱が発生し、その熱、または吸湿により導光板が膨張するため、膨張に耐えうる隙間を残しておく必要がある。また、点光源の発光面と導光板の入光面の距離が近すぎると、出光面に輝度ムラが発生しやすくなる。もっとも、本発明の面光源装置においては、出光面における輝度ムラが発生しにくいので、クリアランスを一般的な値より小さく、例えば0.1mm〜0.3mm程度、にしても、輝度ムラはほとんど発生しない。
【0059】
点光源の配置方法に限定はないが、導光板の入光面に沿って(出光面に平行に)一直線上に略等間隔(「略等間隔」には±10%の誤差を含むものとする)に配置することが好ましい。この場合、点光源の配列ピッチPは、例えば、点光源の幅(外形)〜200mm程度にするのが一般的である。輝度ムラ防止の観点からは、点光源はなるべく密に配置されている方がよく、基板上への実装制約の観点ではある程度距離が開いている方が良い。点光源の配列ピッチPは、好ましくは5mm〜200mm、より好ましくは10mm〜100mm、さらに好ましくは13mm〜50mmである。
なお、1つのパッケージ内に複数のLEDチップを収納して1つの発光面を形成している光源(いわゆるマルチチップLED)の配列ピッチについては、複数のLEDチップを搭載したパッケージを1つの点光源とみなして決定する。
【0060】
もっとも、本発明の面光源装置においては、導光板として、出光面における入光面近傍の輝度ムラが低減された導光板を使用するので、点光源の配列ピッチが多少大きくても、ホットスポットのない出光面を実現することができる。具体的には、例えば、20mm〜50mm、30mm〜50mm、又は40mm〜50mm程度であれば輝度ムラを許容できる範囲内に抑えることができる。
【0061】
<2−2.フレーム>
本発明の面光源装置は、さらに、出光面(詳細には、その外縁部)に対向するように配置された、面光源装置の発光エリアを画定するフレームを有する。フレームの平面形状は、通常は、枠状である。フレームは、点光源の光を透過しない材料で構成され、発光エリアは、例えば、当該フレームの開口部で画定される。
フレームはシャーシと組合せて、導光板や点光源をその中に収納することができるような覆い部をさらに有するものとしてもよい。この場合、点光源、及び電源装置等をその中に隠して、面光源装置をすっきりとした外観にすることができる(図1参照)。
【0062】
フレームは、発光エリアが、入光面よりも内側から始まるように構成されている。
また、導光板の対向面に光散乱加工が施される場合には、フレームは、発光エリアが、少なくとも1つの入光面側において、該光散乱加工が施されている範囲より内側、好ましくは0〜10mm(ただし、0mmは含まず)、より好ましくは1〜6mm、更に好ましくは1〜4mm、特に好ましくは2mm内側、から始まるように構成することが好ましい。このようにするようにすると、光散乱加工のスタートラインが画面側から視認できてしまうおそれがなくなると共に、高い面内(発光エリア内)平均輝度を確保することができる。
【0063】
図9において、点光源92の発光面と発光エリア94との間の水平距離L(導光板91上に発光エリアに相当する領域94を投影したときのその領域94と入光面93との距離L(図9参照))を一定以上確保するように設計されることが好ましい。
もっとも、本発明の面光源装置は、入光面近傍の輝度ムラが低減されているので、従来の導光板を用いた場合ほど発光エリアを内側に形成する必要はない(Lを大きくする必要はない)。
【0064】
具体的には、本発明の表示装置においては、導光板の入光面と発光エリアとの間の水平距離Lを、点光源の配列ピッチPに対して、L<P/1.5(P/L>1.5)としても輝度ムラを抑制することができる。さらに、L<P/2.5(P/L>2.5)としてもよく、L<P/3.0(P/L>3.0)、L<P/4.0(P/L>4.0)とすることもできる。
PとLの関係を上記のように設計することができると、額縁と呼ばれる表示パネルに形成される表示エリアの外枠部が薄い、スタイリッシュな表示装置に使用することができ、また、使用する点光源の数を減らすこともできるので省電力化も図れる。なお、従来の表示装置に使用される面光源装置におけるPとLの関係は、せいぜいP/L≦1.4程度である。なお、Lの大きさは、上述のとおりPとの兼ね合いで決まるが、例えば、0.1〜30mm、0.1〜20mm又は0.1〜10mmとすることができる。
なお、点光源の配列ピッチPを変化させても、点光源の発光面と導光板の発光エリアとの間の水平距離Lを変化させても、P/Lが同じ値ならば、同じ輝度ムラ低減性能を示す。
【0065】
本発明の面光源装置に含まれる導光板が入光面を2つ有する場合、第一の入光面の近傍に配置された第一の点光源の配列ピッチをP1、第二の入光面の近傍に配置された第二の点光源の配列ピッチをP2、前記第一の点光源の発光面と前記発光エリアとの間の水平距離をL1、前記第二の点光源の発光面と前記発光エリアとの間の水平距離をL2としたときに、P1/L1:P2/L2=100:90〜100:110の範囲内であることが好ましく、P1/L1:P2/L2=100:95〜100:105の範囲内であることがより好ましい。
また、L1とL2は必ずしも同一にする必要はない。例えば、表示装置の下辺部にはスピーカー等を設ける場合もあるので、スペース確保のために下辺部の方のみLを小さくするなどということも可能である。
【0066】
<2−3.光吸収シートまたはフレームの光吸収凸部>
本発明の面光源装置の第一の態様においては、導光板の出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域(発光エリアの外側)(以下、「入光面近傍部」ということがある。)の少なくとも一部を覆うように、光吸収シートが配置される。
なお、出光面が矩形である場合、「出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域」とは、入光面に平行な方向をX軸、入光面に垂直な方向をY軸(入光面から離れるに従いY座標が大きくなる)としたときに、Y座標が発光エリアのそれよりも小さい領域ということもできる。
ここで、光吸収シートとは、少なくとも、出光面に対向する面が光吸収部材からなるシートをいい、光吸収部材とは、分光器による測定で、波長555nmの光の角度5°入射での反射率と、波長555nmの光の角度0°入射での透過率の和が10%未満の材料をいう。好ましくは7%未満さらに好ましくは6%未満である。
光吸収シートとしては黒色シートが好ましく、材料としてはカーボンブラック等により黒色に着色させたゴムやポリウレタンなど弾性材料や樹脂性のシートが好ましい。光吸収シートの厚みは30μm〜150μmが好ましい。好ましくは50μm〜140μm、さらに好ましくは60μm〜130μmである。
【0067】
光吸収シートは、導光板の出光面の入光面近傍部の少なくとも一部を覆うように配置されれば効果を奏する。また、光吸収シートは、発光エリアを覆わないことが好ましい。
光吸収シートは、出光面の発光エリア以外の領域をすべて覆うものであってもよいが、発光エリアの輝度の観点からは、発光エリア以外の領域の少なくとも一部は光吸収シートで覆われていない方が好ましい。
また、光吸収シートは、輝度ムラ低減の観点からは、出光面の入光面側端部まで覆っている必要はないが、光吸収シートが出光面の入光面側端部を越えて導光板の外側まで延びていると、とりわけ、点光源を覆う程度にまで延びていると、発光エリアの外側から光が漏れることを防ぐことができるというメリットがある(図2参照)。したがって、光吸収シートで覆うエリアは、輝度ムラ低減、輝度確保及び光の漏れ等を考慮して適宜決定すればよいが、輝度ムラ低減と輝度確保のバランスからは、出光面の発光エリア以外の領域の半分程度又はそれ以下が光吸収シートに覆われるように構成することが好ましい。
【0068】
光吸収シートと導光板の間には、空気層のみが介在する。
ここで、後述する実施例・比較例にて示すように、上記光吸収シートと導光板との間に空気層以外のもの(例えば、接着剤層)が介在する場合には効果を奏さない。
したがって、光吸収シートは、光吸収シートと導光板との間に空気層のみが介在するように配置する(光吸収シートと導光板との間の少なくとも一部には空気層のみが介在するように配置する)。具体的には、光吸収シートは、出光面上に接着剤や粘着剤を使用せずに積層するか、空気層を介して出光面と対向するように配置することが好ましい。
【0069】
本発明の面光源装置の第二の態様においては、出光面の入光面近傍部の少なくとも一部と対向して配置された、光吸収凸部(少なくとも出光面と対向する部分が光吸収性部材からなる凸部)が設けられており、該光吸収凸部と前記導光板との間には空気層のみが介在する。
光吸収凸部は、前述のフレームに設けられていてもよく、この場合、フレームと一体に形成されていることが、部品点数の削減の観点から好ましい。
光吸収凸部を構成する材料は、少なくとも出光面と対向する部分については、カーボンブラック等により黒色に着色させた硬質プラスチック(たとえばポリカーボネート等)や艶消し黒色塗装したアルミニウム、ステンレス、亜鉛メッキ鋼板等の金属が好ましい。この第二の態様の光吸収凸部は、第一の態様における空気層を介した光吸収シートと同一の技術思想を別の実施態様により実現したものである。また、本フレームは、フレーム全体を同一材料で成型することにより、コストダウン及び生産性の向上が達成されるために好ましい。また、導光板に接触する位置に設置された光学シートの入光面近傍部に黒色印刷を施すことによっても同様の効果を奏する。
【0070】
なお、本発明の面光源装置において、光吸収シートまたは光吸収凸部にかえて光反射シートまたは光反射凸部を設けた場合には、光の利用効率が向上すると考えられるにもかかわらず、後述の比較例で示すように、本発明の輝度ムラ低減効果を奏さない。
【0071】
<2−4.光学シート>
本発明の面光源装置においては、上述した導光板、点光源、及びフレームに加え、拡散シートやプリズムシート等の、エッジライト方式の面光源装置において一般に採用される単数または複数の光学シートを導光板の出光面に対向するように配置して用いることができる。
光学シートは、例えば、上述の光吸収シートの上から出光面全面を覆うように配置してもよいが、少なくとも、出光面の発光エリアを覆うように配置することが好ましい。また、光学シートは、出光面の光吸収シートで覆われていない領域のみに対向するように配置することが好ましい。すなわち、光学シートと光吸収シートは重ならないように配置されることが好ましい。
【0072】
このような光学シートの具体例としては、例えば、拡散シートが挙げられる。さらに、導光板の出光面上には、拡散シート以外にも、プリズムシートや、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシートなどの集光シートや、液晶パネルの偏光板での光学損失を回避するための偏光反射シートを積層することもできる。
特に、導光板の出光面に、LEDの配置された入光面に対して略垂直な稜線を有する溝構造を表面に有するレンズシートを積層すると、本発明の輝度ムラ低減効果が非常に強く得られるため好ましく、レンズシートは、溝構造が略三角柱で構成されているプリズムシートであることが好ましい。さらに、加えて、LEDの配置された入光面に対して略平行な稜線を有する溝構造を表面に有するレンズシートを組み合わせると、斜め方向からみたときの輝度ムラが改善されるため好ましい。また、その際、プリズムシートと導光板との間に拡散シートを介在させると、導光板の光散乱加工が視認されにくくなると共に、細かいムラも改善されるため好ましい。さらに、組み合わせて使用する表示パネルとの干渉による光学シートの傷付等を防止するために、一番外側には拡散シート(その拡散性は、前述の拡散シートの拡散性よりも低いものであることが好ましい)を配置することが好ましい。
【0073】
本発明の面光源装置においては、とりわけ、導光版の出光面に、少なくとも、拡散シート、LEDが配置された入光面に対して略垂直な稜線を有する溝構造を表面に有するプリズムシート、LEDが配置された入光面に対して略平行な稜線を有する溝構造を表面に有するプリズムシート及び拡散シート、の4枚の光学シートをこの順で積層すると、輝度ムラがほとんどなく、しかも、導光板に設けた光散乱加工等が視認されることもない、非常に高品位の面光源装置が得られる。
【0074】
プリズムシート、拡散シートとしては、面光源装置等において一般に使用されているものが使用できる。
例えば、導光板の出光面と接する拡散シート(以下、「下拡散シート」という。)としては、総厚215μmで、その内訳が、厚さ188μmPET基材上の表示面側に、数μm〜数十μmオーダーのシリカビーズ等の透明粒子を分散し、前記ビーズがUVないしは熱硬化性樹脂を厚さ10μm前後バインダーとしてコーティングされ(ここで、ビーズの多くはバインダーから頭を出すようにコーティングされており、これにより適切な拡散性と集光性を得ている)、表示面側からみて反対側に、帯電や密着を防ぐためのコート層が厚さ10μm前後で設けられた(コート層により、導光板との密着による不具合などを防いでいる。このコート層には、少量のビーズや、表面抵抗を下げるための脂肪酸塩が添加される。)ものを使用することができる。
【0075】
表示面側に配置された拡散シート(以下、「上拡散シート」という。)としては、総厚220μmで、その内訳が、厚さ188μmPET基材上の表示面側に、数μm〜数十μmオーダーのシリカビーズ等の透明粒子が下拡散シートより少なく分散し、前記ビーズがUVないしは熱硬化性樹脂を厚さ10μm前後バインダーとしてコーティングされ(ここで、ビーズの多くがバインダーの中に埋まるようコーティングされており、これにより適切な拡散性を抑えつつ、パネル等との干渉による傷付を防いでいる。)、表示面側からみて反対側に、下拡散シートと同様に帯電や密着を防ぐためのコート層が厚さ10μm前後で設けられた(コート層により、プリズムシートとの密着による不具合などを防いでいる。このコート層には、少量のビーズや、表面抵抗を下げるための脂肪酸塩が添加される。上拡散シートの場合、パネルとの密着を防ぐ観点から、表示面側も同様な設計をとることも多い。)ものを使用することができる。
【0076】
プリズムシートとしては、例えば、厚み250μmのPET基材の表示面側に、UV硬化性樹脂を厚み15μm〜20μmで頂角が略90°のプリズムが略50μmのピッチで賦形された光学シートを使用することができる。表示面側からみて反対側には、前記拡散シートと同様に帯電や密着を防ぐためのコート層が厚さ15μm〜20μmで設けられており、積層された他の光学シートとの密着や、摩擦係数増加による傷つきなどの不具合を防いでいる。このコート層には、少量のビーズや、表面抵抗を下げるための脂肪酸塩が添加される。
【0077】
<2−5.面光源装置のその他の構成要素>
上述した構成要素以外に、本発明の面光源装置は、光の利用効率を向上させるために反射シートを導光板の対向面下方に配置することができる。
また、図2記載のように、フレームと組み合わせて導光板や他の部材を収納するシャーシと、導光板をシャーシ取り付けるためのネジや支持体を含んでもよい。
また、上記の点光源に電力を供給する電源を有し、電流量やオンオフをコントロールする制御回路を有していてもよい。
【0078】
<3.表示装置>
次に、図26に記載された本発明の面光源装置を用いた表示装置について説明する。
表示装置は、例えば、面光源装置の光の透過を調整することによって表示をする表示エリア及び該表示エリア(以下「アクティブエリア」ともいう。)を画定する遮光枠(以下「ブラックマトリックス」ともいう。)を有する表示パネルと、表示パネルの背面に配置された面光源装置とを有する。
導光板の入光面近傍では輝度ムラが発生し十分な表示品質を保証できないので、表示パネルのアクティブエリアは、面光源装置の発光エリアよりも内側から始まるように設計されることが好ましい。
【0079】
表示パネルは、液晶表示パネルであることが好ましい。液晶表示パネルとしては従来使用されているものを使用することができるが、その構成の一例の概略を図11に示すと共に、以下に説明する。
図11は液晶表示パネル11の一例の正面概略図である。点線111の外側が遮光枠(ブラックマトリックス)113であり、内側が表示エリア112である。遮光枠(ブラックマトリックス)113の裏側にパネル配線(図示せず)等が存在する。図11において、114、115は、それぞれ、ソースライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるソースチップ、ゲートライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるゲートチップである。
透過型の液晶表示パネルでは、一般に、透明基板上にマトリクス状に配置された多数の画素電極が、透明基板上に配置されたアクティブマトリクス素子によって駆動される。透明基板上にアクティブマトリクス素子および画素電極が設けられたアクティブマトリクス基板には、液晶層が積層状態で設けられており、この液晶層を挟んでアクティブマトリクス基板と対向するように対向基板が配置されている。対向基板は、対向電極が設けられた透明基板であり、この対向電極が液晶層におけるアクティブエリアに対向している。
アクティブマトリクス基板に設けられたアクティブマトリクス素子には、各画素電極にそれぞれ接続されたアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。また、アクティブマトリクス素子には、行方向に沿って相互に平行に配置された複数のゲートラインと、各ゲートラインと直交する列方向に沿って相互に平行に配置された複数のソースラインとが設けられており、各ゲートラインと各ソースラインとの交差部近傍に各TFTがそれぞれが配置されている。そして、各TFTは、近接する交差部をそれぞれ形成するゲートラインおよびソースラインのそれぞれに接続されている。
各TFTは、それぞれが接続されたゲートラインから供給されるゲート信号によってオンして、それぞれが接続されたソースラインから供給されるソース信号を、それぞれに接続された画素電極に供給するように構成されている。
このような液晶表示パネルにおいては、通常、1フレーム毎に、アクティブマトリクス基板において行方向に沿って配置された各ゲートラインに対して、列方向に沿った順番に線順次にゲート信号(水平同期信号)が供給されるようになっており、列方向に隣接するゲートラインに対して連続してゲート信号が供給される。
【0080】
表示装置の表示パネルは、表示装置の表示エリアを画定する遮光枠を有する。
遮光枠は、点光源の光を透過しない材料で構成され、表示エリアに対応する領域は開口部となっているか、点光源の光を透過する材料で構成される。このような遮光枠の具体例としては、表示エリア以外の領域(枠部分)にのみカーボンブラック等の遮光剤が混入されたカラーフィルターが施されたガラス基板等が挙げられる。
【0081】
遮光枠は、表示装置の表示エリアが導光板の入光面よりも内側から始まるように構成される。
また、導光板の対向面の入光面近傍に、点光源に正対する部分領域の光散乱度が点光源と点光源の間の部分に正対する部分領域の光散乱度よりも低くなるように構成された光散乱加工を有する領域(前述の領域B)がある場合には、この領域よりも内側(導光板の入光面からより遠い側)から表示エリアが始まるように構成されていることが好ましい。
換言すると、導光板の対向面の上記光散乱加工が施されている領域が、少なくとも1つの入光面側において、遮光枠の内枠に正対するラインより外側、好ましくは0〜10mm(ただし、0mmは含まず)、より好ましくは1〜6mm、更に好ましくは1〜4mm、特に好ましくは2mm外側、から始まるように設定することが好ましい。このようにすると、光散乱加工のスタートラインが画面側から視認できてしまうおそれがなくなると共に、高い面内(表示エリア内)平均輝度を確保することができる。
【0082】
本発明の面光源装置を用いた表示装置は、携帯情報端末やパソコンのモニタ等の各種用途に使用することができ、例えば、本発明の表示装置121を、スピーカー1221の設けられた前キャビネット122;テレビチューナー回路基板123、電源回路基板124、制御回路基板125等の各種回路基板;裏キャビネット126及びスタンド127等と組み合せることにより、テレビ受信装置を製造することができる。図12にこのようなテレビ受信装置12の構成の一例を示す。
【実施例】
【0083】
以下において、透過率及び反射率は、SHIMADZU製紫外可視分光光度計(MPC-2200)を用いて測定した。
【0084】
[比較例1]
比較例として、図1に示す従来の面光源装置と同様の構造で、LEDピッチを拡大した面光源装置を用意した。
略長方形の板状部材からなる導光板(材質:ポリメチルメタクリレート、厚み:3.0mm、短辺の長さ:409mm、長辺の長さ:721mm)を用いた。導光板の入光面(長辺(片側)の側の側面)には、図13Aに示した表面プロファイル(平均ピッチ:約6μm、平均深さ:約4μm)を有する溝構造を形成した平均厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを透明両面接着シートを用いて貼り付けた。導光板の対向面には、拡散ビーズとバインダーからなる直径0.8mm〜1.3mmの円形の拡散性ドットを、千鳥配置で(三角格子状に)設ける光散乱加工を施した。
点光源として、LED(発光面サイズ5.0mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LED数36個)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが19.2mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が700μmになるように設置した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=2.7である。
導光板の出光面の入光面から4mm以遠の領域(発光エリアを覆う領域)上に、第一のプリズムシート(条列の方向がLEDが並ぶ方向と垂直)、第二のプリズムシート(条列の方向がLEDが並ぶ方向と平行)及び、拡散シートをこの順に積層した。
さらにその上に、外形が導光板及びLEDを十分に覆うサイズで395mm×700mmの開口部を有するフレームを導光板の出光面側に対向するように配置し、面光源装置を作製した。ここで、フレームの裏側(導光板の出光面に対向する面)の、出光面の入光面近傍部の一部(入光面から0〜4mmの領域)と対向する部分には、表面に反射部材(RS)が貼り付けられた凸部が設けられており、当該凸部により、フレームと導光板の入光面近傍部との間の間隔は、フレームとその他の領域との間の間隔よりも狭くなっている(図1参照)。なお、フレームは黒色に着色したプラスチックからなり、波長555nmの光の角度5°入射での反射率と、波長555nmの光の角度0°入射での透過率の和は5.756%である。一方、反射部材(RS)の波長555nmの光の角度5°入射での反射率と、波長555nmの光の角度0°入射での透過率の和は86.823%である。
面光源装置を発光させた状態で(点光源を点灯させて)目視により、出光面の正面方向N(V=0°、H=0°)、斜め方向V(Vertical)=60°及びH(Horizonal)=45°)からムラが視認されるかどうかを評価した(以下「評価三方向」ともいう。)。ここで、上記HとはLEDが並ぶ面上の傾斜角、上記VとはLEDが並ぶ面と垂直な面上の傾斜角を示し、正の値が発光エリアないしは表示エリアの中心に倒れこむ方位をいう(図27参照)。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認された。なお、LEDの配列ピッチPが9.6mmである以外は本比較例と同一の参考例(P/L=1.4)においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認されなかった。
【0085】
[実施例1]
図2に示すような、本実施形態にあたる面光源装置を用意した。
比較例1と同様にして面光源装置を作製し、さらに、導光板の出光面の入光面近傍部の一部(入光面から0〜4mmの領域)に黒色ラバー(ロジャースイノテック社製ウレタンフォームPORON(登録商標)、721mm×5mm×1.2mm(厚さ)を積層した(図2参照)。黒色ラバーは、導光板の外側まで(具体的には、LEDの発光面まで)延びる大きさを有している。また、黒色ラバーと導光板とは、接着されておらず、少なくとも部分的に空気層を介して積層されている。なお、前記黒色ラバーは、波長555nmの光の角度5°入射での反射率と、波長555nmの光の角度0°入射での透過率の和が3.816%である光吸収シートである。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
【0086】
[実施例2]
図3に示すような、本実施形態にあたる面光源装置を用意した。
比較例1と同様にして面光源装置を作製し、さらに、導光板の出光面の入光面近傍部の一部(入光面から0〜4mmの領域の一部)に黒色ラバー(ロジャースイノテック社製ウレタンフォームPORON(721mm×3mm×1.2mm(厚さ))を積層した(図3参照)。黒色ラバーと導光板とは、接着されておらず、少なくとも部分的に空気層を介して積層されている。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
【0087】
[比較例2]
図6に示すような、本実施形態には該当しない面光源装置を用意した。
比較例1と同様にして面光源装置を作製し、さらに、導光板の出光面の入光面近傍部の一部(入光面から0〜4mmの領域)に黒色ラバー(ロジャースイノテック社製ウレタンフォームPORON、721mm×5mm×1.2mm(厚さ))の片面(出光面と接する側)に反射部材(RS)を貼り付けたシートを積層した(図6参照)。黒色ラバーは、導光板の外側まで(具体的には、LEDの発光面まで)延びる大きさを有している。また、黒色ラバーと導光板とは、接着されておらず、少なくとも部分的に空気層を介して積層されている。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認された。
【0088】
[比較例3]
図5に示すような、本実施形態には該当しない面光源装置を用意した。
比較例1と同様にして面光源装置を作製し、さらに、導光板の出光面の入光面近傍部の一部(入光面から0〜4mmの領域の一部)に黒色ラバー(ロジャースイノテック社製ウレタンフォームPORON(721mm×3mm×1.2mm(厚さ))を光学用接着剤で貼り付けた(図5参照)。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認された。
【0089】
[実施例3]
図4に示すような、本実施形態にあたる面光源装置を用意した。
フレームの裏側に設けた凸部の表面に反射部材が貼り付けられていない点を除いて、比較例1と同様にして、面光源装置を作製した(図4参照)。なお、フレームは比較例1と同様、黒色に着色したプラスチック部材でできている。
この場合においては、正面、H方向において輝度ムラが視認できず、V方向においては、軽微な輝度ムラが視認された。
[実施例4]
点光源として、LED(発光面サイズ6.6mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LEDチップ2つが一つのLEDパッケージに収納されているタイプ)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが19.4mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が1000μmになるように設置した以外は、実施例1と同様にして、本実施形態の面光源装置を用意した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=2.8である。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
[実施例5]
点光源として、LED(発光面サイズ6.6mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LEDチップ2つが一つのLEDパッケージに収納されているタイプ)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが19.4mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が1250μmになるように設置した以外は、実施例1と同様にして、本実施形態の面光源装置を用意した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=2.8である。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
[実施例6]
点光源として、LED(発光面サイズ6.6mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LEDチップ2つが一つのLEDパッケージに収納されているタイプ)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが19.4mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が1000μmになるように設置した以外は、実施例3と同様にして、本実施形態の面光源装置を用意した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=2.8である。
この場合においては、正面において輝度ムラが視認できず、HおよびV方向においては、軽微な輝度ムラが視認された。
[実施例7]
点光源として、LED(発光面サイズ6.6mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LEDチップ2つが一つのLEDパッケージに収納されているタイプ)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが9.7mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が250μmになるように設置し、出光面に積層した光学シートを拡散シートのみとした以外は、実施例3と同様にして、本実施形態の面光源装置を用意した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=1.4である。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
[実施例8]
点光源として、LED(発光面サイズ6.6mm(幅方向)×3.0mm(厚み方向)、LEDチップ2つが一つのLEDパッケージに収納されているタイプ)を導光板の入光面に沿って、配列ピッチPが9.7mm、導光板とLEDの発光面との間の距離(クリアランス:C)が250μmになるように設置し、出光面に積層した光学シートを拡散シートのみとした以外は、実施例1と同様にして、本実施形態の面光源装置を用意した。LEDの発光面と発光エリアとの水平距離Lは7.0mmであるので、P/L=1.4である。
この場合においては、評価三方向のすべてにおいて輝度ムラが視認できなかった。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明の面光源装置は、ノートPC、携帯情報端末、デスクトップPCモニタ、デジタルカメラ等の各種表示装置に使用することができる。
とりわけ、本発明の面光源装置は、光源として複数の点光源を用いながら、入光面近傍の輝度ムラ(ホットスポット)が少なく出光面全体に亘って均一な輝度が得られるので、大型かつ薄型の液晶表示装置を低コスト且つ/或いは狭額縁に提供することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 導光板
11 出光面
12 入光面
13 溝
14 導光板の厚さ方向
15 出光面に平行な方向
16 入光面の法線方向
41 透明基板
42 転写ローラー
5a 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
5b 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
51 剥離フィルム
52 粘着層
53 ベースフィルム
54 溝構造が形成された層
55 粘着層
56 台紙フィルム
61 溝
71 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
72 ロール
9 面光源装置
91 導光板
92 点光源
93 入光面
94 発光エリアに相当する領域
10 LED
101 発光面
102 発光面の横幅
11 液晶表示パネル
112 アクティブエリア
113 ブラックマトリックス
114 ソースチップ
115 ゲートチップ
12 テレビ受信装置
121 表示装置
122 前キャビネット
1221スピーカー
123 テレビチューナー回路基板
124 電源回路基板
125 制御回路基板
126 裏キャビネット
127 スタンド
26 特定のドット
26a〜f特定のドットの中心点と隣接するドットの中心点とを結ぶ線分の垂直二等分線262 特定のドットを囲む多角形
A〜F 隣接するドット
L 点光源の発光面と面光源装置の発光エリアとの間の水平距離
P 点光源の配列ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出光面、前記出光面と対向する対向面、及び前記出光面と前記対向面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有し、該少なくとも1つの入光面が、少なくとも一部分に複数の凹部又は凸部を有する導光板、
前記出光面に対向して配置され、面光源装置が外部に発光する発光エリアを画定するフレーム、及び
前記少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源
を有する面光源装置であって、
前記出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域の少なくとも一部を覆うように配置された光吸収シートをさらに有し、該光吸収シートと前記導光板との間の少なくとも一部には空気層のみが介在している、面光源装置。
【請求項2】
前記光吸収シートが黒色に着色されたシートである請求項1記載の面光源装置。
【請求項3】
出光面、前記出光面と対向する対向面、及び前記出光面と前記対向面との間に挟まれた少なくとも1つの入光面を有し、該少なくとも1つの入光面が、少なくとも一部分に複数の凹部又は凸部を有する導光板、
前記出光面に対向して配置され、面光源装置が外部に発光する発光エリアを画定するフレーム、及び
前記少なくとも1つの入光面の近傍に配置された複数の点光源
を有する面光源装置であって、 前記出光面の発光エリアよりも入光面に近い領域の少なくとも一部と対向するように配置された光吸収凸部をさらに有し、該光吸収凸部と前記導光板との間の少なくとも一部には空気層のみが介在している、面光源装置。
【請求項4】
前記光吸収凸部が黒色に着色された凸部である請求項3記載の面光源装置。
【請求項5】
さらに、前記出光面に対向するように配置された光学シートを有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記複数の凹部又は凸部が、開口部又は底面が出光面と垂直な方向に長い異方性形状を有する複数の凹部又は凸部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の面光源装置。
【請求項7】
前記複数の点光源が略等間隔に配置され、その配列ピッチPと、前記点光源の発光面と前記発光エリアとの間の水平距離Lが以下の関係を満たす、請求項1〜6のいずれか1項に記載の面光源装置。
P/L>1.5

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14a】
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【図14b】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−77532(P2013−77532A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245820(P2011−245820)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】