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面板のフランジ部への固設構造
説明

面板のフランジ部への固設構造

【課題】高い応力の発生する部位に補強部材を追加しないで、発生応力を低減させて、シャシフレームの耐久性を向上を図るとともに、重量増加を抑制した改善を図ることを目的とする。
【解決手段】シャシフレーム1に固着されたガセット8とクロスメンバ7端部のフランジ部73とを固設する固設構造において、フランジ部の基部73に沿って配列され、車幅方向端縁75に最も近い第一リベット91は、車幅方向端縁75に二番目に近い第二リベット92より、フランジ部の基部74からフランジ端縁側に配設されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の車幅方向に間隔を有し、車両前後方向に延在する左右一対のシャシフレーム間に、車幅方向へに延在するクロスメンバと前記左右のシャシフレームとの固設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等において、図1は車両の基本車台であるシャシフレーム1である。シャシフレーム1は車幅方向に間隔を有し、車両前後方向に延在して、開口部が車両中心側に開口した断面コ字状の左右一対の右側サイドレール2と、左側サイドレール3が配設されている。左右一対の右側サイドレール2と、左側サイドレール3の間には、車幅方向へに延在して両端を左右一対の右側サイドレール2及び左側サイドレール3に固設したクロスメンバを車両の前後方向に間隔を有して、梯子状に配置されている。
【0003】
ところで、車両には荷台に重量物を積載したり、悪路を走行したりする場合、シャシフレーム1に大きな負荷(主として、上下曲げ及び捻りを生じさせる力)が作用する。シャシフレーム1はこれらの負荷に耐えられる十分な強度及び、剛性を確保するために、各部材の結合部の固設構造を工夫する場合と、負荷がかかる部分を補強部材によって補強する場合もある。
【0004】
図3の(B)は左側サイドレール3と、クロスメンバ4との結合部の平面図を示している。左側サイドレール3は断面コ字状で、開口部を車幅方向内側に開口している。左側サイドレール3は上面フランジ部33と、下面フランジ部32と、上面フランジ部33と下面フランジ部32とを上下方向に連結したウエブ部31とで構成されている。〔図2の(B)参照〕上面フランジ部33と下面フランジ部32と上面フランジ部33とで囲まれた空間部を形成している。該空間部には開口部を車幅方向内側に開口した断面コ字状を成すガセット5が挿入されている。ガセット5は上面フランジ部53と、下面フランジ(図示省略)と、上面フランジ部53と下面フランジ部とを上下方向に連結するウエブ部51とで構成されている。
尚、ガセット5は平面視において車幅方向内側が短辺の台形状をなしており、ウエブ部51が左側サイドレール3のウエブ部31にリベット(図示省略)により締結されている。
【0005】
また、ガセット5の上面フランジ部53及び、下面フランジ部夫々の内面に当接し、右側の右側サイドレール2と連結するクロスメンバ4が嵌入している。
クロスメンバ4は上面フランジ部43と、下面フランジ部(図示省略)と、上面フランジ部43と下面フランジ部とを上下方向に連結したウエブ部41とで構成されている。
クロスメンバ4の上面フランジ部43とガセット5の上面フランジ部53とはリベット9にて固設されている。
図3の(B)に示すように、固設部材であるリベット9はクロスメンバ4のフランジ部の基部であるウエブ部41と上面フランジ部43との屈曲部に沿って条状にP列とQ列に配置されている。
【0006】
固設部材の配置構造は、前記屈曲部に最も近い1条目のP列にはクロスメンバ4車幅方向端縁44側から第一固設部材(第1リベット)91(端縁75側に最も近い)、次の第二固設部材(第2リベット)92、2条目のQ列にはクロスメンバ4車幅方向端縁75側から第三固設部材(第3リベット)93、第四固設部材(第4リベット)94が配置されている。
さらに、ガセット5の下面フランジ部においても、下面フランジ部とクロスのメンバ4の下面フランジ部との固設が上面フランジ部53と同様なパターンで配置されている。
【0007】
ところが、シャシフレーム1に大きな負荷(主として、上下曲げ及び捻りを生じさせる力)が作用すると、図1の(B)に示すように、車体が悪路または、曲路等ではサスペンション機構(図示省略)に連結したスプリングハンガ6から右側サイドレール2及び左側サイドレール3を介して捻れ作用力が入力される。捻れ作用力はガセット5を介してクロスメンバ4に入力される。右側サイドレール2及び左側サイドレール3は板厚も厚く、上面、及び下面フランジ部も大きいので剛性が高いので、サスペンション機構からの捩れ変形はガセット5とクロスメンバ4の変形によって吸収される。ガセット5とクロスメンバ4の変形は固設部材であるリベット91,92,93及び94によって伝達されるが、第1リベット91に高応力が発生する。発生の原因はクロスメンバ4の端部44で、且つ屈曲部に近いので第1リベット91の周囲が最も剛性が高いために、高応力が発生して耐久性を低下させる不具合がある。
【0008】
また、同様の不具合の解決策として、特公平7−100454号公報(特許文献1)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特公平7−100454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1の図2には、コ字状に形成されたシャシフレーム12開口空間部にクロスメンバ20の端部に固設されたガセット14のフランジ部14vとシャシフレーム12のウエブ12wとの結合部におけるリベットの18uの配置に関する構造が提案されている。
しかし、特許文献1の構造は、シャシフレーム2のウエブ12wとガセット14のフランジ部14v(本願実施形態のガセット部に相当)のとの結合に関するもので、特許文献1の構造と本願とは構造が異なると共に実施する箇所が異なり、入力の違い等があり適用できない。
【0011】
そこで、本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、高い応力の発生する部位に補強部材を追加しないで、発生応力を低減させて、シャシフレームの耐久性を向上を図るとともに、重量増加を抑制した改善を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はかかる目的を達成するもので、シャシフレームに固着された面板を部材端部のフランジ部に固設する固設構造において、フランジ部の基部に沿って配列され、車幅方向端縁に最も近い第一固設部材は、前記車幅方向端縁に二番目に近い第二固設部材より、前記フランジ部の基部からフランジ端縁側に配設されていることを特徴とする。
【0013】
かかる発明によれば、固設部に捩れ及び曲げ等による引張力が作用した場合、剛性の高いフランジ部の基部で、且つ部材の端縁側に近い部位の固設部材に最も高い作用力が作用するので、その位置に配設された第一固設部材を剛性が若干低下するフランジ端縁側に移動させることにより、第一固設部材に作用する(変形を阻止する負担量)曲げ変形の一部を第二固設部材に作用させることにより、第一固設部材に作用する作用力を、第二固設部材に分担させて、第一固設部材での発生応力を低減して、固設部全体の耐久性を向上させることができる。
【0014】
また、本願発明において好ましくは、前記フランジ部の固設構造において、前記フランジ部の基部に沿って複数条配設され、前記フランジ部の基部から1条目の前記車幅方向端縁から1番目の前記第一固設部材、2番目の前記第二固設部材、2条目の前記車幅方向端縁から1番目の第三固設部材、2番目の第四固設部材を有し、前記第二固設部材は第四固設部材に対し前記車幅方向端縁よりに配設するとよい。
【0015】
このような構成により、第二固設部材を第四固設部材に対し車幅方向端縁よりに配設することは剛性の高い方へ移動することで、第二固設部材の面板とフランジとの変形を阻止する負担量を増加させて、第一固設部材の変形固縛負担量を減少させることにより、第一固設部材での発生応力を低減させて、固設部の耐久性を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シャシフレームに固着された面板と部材端部のフランジ部と固設する固設部材を構造において、固設部材をフランジ部の基部に沿って配列し、前記車幅方向端縁に最も近い第一固設部材は、前記車幅方向端縁に二番目に近い第二固設部材より、前記フランジ部の基部からフランジ端縁側に配設することにより、第一固設部材に作用する(変形を阻止する負担量)曲げ変形の一部を第二固設部材に作用させることにして、第一固設部材での発生応力を低減して、固設部全体の耐久性を向上させることができる。
また、補強部材等を追加しない構造なので、コスト、重量の増加を抑制しながら耐久性向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に関し、(A)は車両のシャシフレーム全体の概略斜視図を示し、(B)はシャシフレームに捩れが作用したときのシャシフレームの断面変形模式図を示す。
【図2】本発明の実施形態に関し、(A)は本発明をシャシフレームに実施した部分の平面図を示し、(B)はその側面図を示す。
【図3】本発明に関し、(A)は発明の固設部材配設構造図を示し、(B)は従来の固設部材配設構造図を示す。
【図4】本発明に関し、(A)は発明の実施形態における発生応力分布図を示し、(B)は従来構造における発生応力分布図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図2〜図4に基づいて説明する。
但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
尚、本発明の実施形態で、従来技術で説明した部分は省略する。
また、従来技術と同じ部品については同じ符号を用いて説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図2の(A)は本発明をシャシフレームに実施した部分の平面図を示し、(B)はその側面図を示す。3は車両の前後方向に延在し、車幅方向に間隔を有し、開口部を車幅方向内側に開口したコ字状断面を有したシャシフレーム1の左側サイドレールである。左側サイドレール3の開口部には面板である断面がコ字状のガセット8が配置されている。ガセット8は上面フランジ部83と、下面フランジ82と、上面フランジ部83と下面フランジ部82とを上下方向に連結するウエブ部81とで構成されている。左側サイドレール3のウエブ部31にガセット8のウエブ部81がリベットにより固設されている。ガセット8は上面フランジ部83及び下面フランジ部82は平面視で車幅方向内側が短辺の台形状をしている。
従って、ガセット8のシャシフレーム1による捩れに対し高い剛性を有している。
【0020】
ガセット8の台形状部分の上面フランジ部83及び下面フランジ部82間には部材であるクロスメンバ7が介装されている。クロスメンバ7は上面フランジ部73と、下面フランジ72と、上面フランジ部73と下面フランジ部72とを上下方向に連結するウエブ部71とで構成されている。
ガセット8の上面フランジ部83の空間側にはクロスメンバ7の上面フランジ部73の端部が当接しており、ガセット8の下面フランジ部82の空間側にはクロスメンバ7の下面フランジ72の端部が当接している。
【0021】
ガセット8とクロスメンバ7との固設構造については上面側と下面側とは同じなので、上面側について説明する
図3の(A)に示しているように、ガセット8の上面フランジ部83とクロスメンバ7の上面フランジ部73との固設は固設部材である4本のリベット9にて締結している。リベット9はフランジ部の基部であるクロスメンバ7のウエブ部71と上面フランジ部73との屈曲部74に沿い、且つ屈曲部74から上面フランジ部73の端縁側に向かって第1条目のP列と、第2条目のQ列があり、列に沿って夫々のリベット9が配置されている。
P列でクロスメンバ7の車幅方向端縁75に最も近い第一固設部材である第一リベット91が配置されている。P列で第一リベット91に隣接して、クロスメンバ7の車幅方向端縁75に二番目に近い第二リベット92が配置されている。2条目のQ列においては、クロスメンバ7の車幅方向端縁75から近い順に第三リベット93及び、第四リベット94が配置されている。
【0022】
また、第一リベット91はP列からクロスメンバ7の上面フランジ部73の端縁側にL(R線)だけ移動させてある。さらに、第二リベット92はQ列の第四リベット94よりクロスメンバ7の車幅方向端縁75側に移動量Mだけ移動させてある。
これは、第一リベット91はP列からクロスメンバ7の上面フランジ部73の端縁側に移動することにより、剛性の高いところから低いところに移動させる。第二リベット92はQ列の第四リベット94よりクロスメンバ7の車幅方向端縁75側に移動させることにより、剛性の低いところから高いところに移動させる。
構造物に外力が作用した場合に、発生する応力は剛性の高いところに、応力が集中し易い。
剛性の少ない部分は変形により発生応力はさがる。
従って、シャシフレーム1の捩れによる、曲げモーメントと曲げに伴う引張力を拘束するために発生する第一リベット91に発生する応力は下がり、逆に第二リベット92に発生する応力は上がる。
これは、第一リベット91に発生する応力を第二リベット92に分担させることにより、
第一リベット91の耐久性を向上させることになり、シャシフレーム1の耐久性向上となる。
【0023】
図4の(A)は実施形態における応力分布図を示し、(B)は従来の応力分布図を示す。
従来(B)においては第一リベット91には高い応力が発生しているが、第二リベット92は発生応力が低いことを示している。第一リベット91が頑張った状態で耐久性が低下する。(A)の実施形態においては、第一リベット91及び、第二リベット92には同等の応力が発生しており、且つ、従来の第一リベット91に発生した応力より低くなっている。
第二リベット92が第一リベット91に発生する応力を分担していることがよく理解できる。これにより、シャシフレーム1の耐久性が向上すると共に、補強部材を必要としないので、コスト及び重量の増加を抑制しつつ、耐久性を向上できる効果を有している。
【0024】
(第2実施形態)
第1実施形態と同じ部分は説明を省略し、異なる部分のみを説明する。さらに、符号は同一の符号を使用する。
ガセット8とクロスメンバ7との固設構造について、ガセット8の上面フランジ部83とクロスメンバ7の上面フランジ部73との固設は固設部材である4本のリベット9にて締結している。リベット9はフランジ部の基部74であるクロスメンバ7のウエブ部71と上面フランジ部73との屈曲部74に沿い、且つ屈曲部74から上面フランジ部73の端縁側に向かって第1条目のP列と、第2条目のQ列があり、列に沿って夫々のリベット9が配置されている。
P列でクロスメンバ7の車幅方向端縁75に最も近い第一固設部材である第一リベット91が配置されている。P列で第一リベット91に隣接して、クロスメンバ7の車幅方向端縁75に二番目に近い第二リベット92が配置されている。2条目のQ列においては、クロスメンバ7の車幅方向端縁75から近い順に第三リベット93及び、第四リベット94が配置されている。
【0025】
また、第一リベット91はP列からクロスメンバ7の上面フランジ部73の端縁側にL(R線)だけ移動させる。
第一リベット91だけをクロスメンバ7の上面フランジ部73の端縁側にL(R線)だけ移動させると、第一リベット91は剛性の高いところから低いところに移動するので、シャシフレーム1の捩れによる、曲げモーメントと曲げに伴う引張力を拘束するために発生する第一リベット91に発生する応力は低下するが、第1実施例の第一リベット91に発生する応力ほど低下はしない。これは第二リベット92が剛性の低いところに配置されたままなので、第二リベット92の分担量が低く、第1実施例の第二リベット92の分担量より低い。
【0026】
本実施形態では固設部材としてリベットを用いたが、ボルト又は、円周上の孔の周囲を隅肉溶接するいわゆる栓溶接でも同様の効果を得る。
また、ガセット8をコ字状断面としたが、ウエブ部81を上下に分割し、L字状断面にして、上下2ヶ所で対向した状態で左側サイドレール及び右側サイドレールに固設して、クロスメンバ7を固設するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0027】
剛性の高い部材に面板を介して捩り剛性を吸収する部材を固設して、固設部材に高応力が発生しないようにする車両のシャシフレーム等に用いることに適している。
【符号の説明】
【0028】
1 シャシフレーム
2 右側サイドレール
3 左側サイドレール
7 クロスメンバ
8 ガセット
9 リベット
71 ウエブ部
72 下面フランジ部
73 上面フランジ部
74 屈曲部(フランジ部の基部)
75 車幅方向端縁
76 フランジ端縁
91 第1リベット(第一固設部材)
92 第2リベット(第二固設部材)
93 第3リベット(第三固設部材)
94 第4リベット(第四固設部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャシフレームに固着された面板を部材端部のフランジ部に固設する固設構造において、前記フランジ部の基部に沿って配列され、車幅方向端縁に最も近い第一固設部材は、前記車幅方向端縁に二番目に近い第二固設部材より、前記フランジ部の基部からフランジ端縁側に配設されていることを特徴とする面板のフランジ部への固設構造。
【請求項2】
前記フランジ部の固設構造において、前記フランジ部の基部に沿って複数条配設され、前記フランジ部の基部から1条目の前記車幅方向端縁から1番目の前記第一固設部材、2番目の前記第二固設部材、2条目の前記車幅方向端縁から1番目の第三固設部材、2番目の第四固設部材を有し、前記第二固設部材は第四固設部材に対し前記車幅方向端縁よりに配設されたことを特徴とする請求項1記載の面板のフランジ部への固設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−131750(P2011−131750A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293546(P2009−293546)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(303002158)三菱ふそうトラック・バス株式会社 (1,037)
【Fターム(参考)】