面状光源装置、及び面状光源装置を用いた表示装置
【課題】薄型で光の利用効率が高く、表示品位の高い、組み立て性のよい面状光源装置を提供する。
【解決手段】各々対向する第一及び第二の主面を有し、第一及び第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体10と、光入射主面と対向して設置された光源20を実装した基板22と、基板の取り付け部を有する光源ホルダ30を備えており、導光体の光入射主面側には、第一および第二の主面により規定される導光体主部より光入射主面側に厚く導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部14が導光体主部と一体化して設けられている。導光体には基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、基板と光入射主面の最小距離を規定する突起部131、132を設け、基板は長尺状をなし、導光体の突起部は基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられている。
【解決手段】各々対向する第一及び第二の主面を有し、第一及び第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体10と、光入射主面と対向して設置された光源20を実装した基板22と、基板の取り付け部を有する光源ホルダ30を備えており、導光体の光入射主面側には、第一および第二の主面により規定される導光体主部より光入射主面側に厚く導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部14が導光体主部と一体化して設けられている。導光体には基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、基板と光入射主面の最小距離を規定する突起部131、132を設け、基板は長尺状をなし、導光体の突起部は基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は面状光源装置、及び面状光源装置を用いた表示装置に係り、特には光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用い、面状に発光させる手段として導光体を用いたサイドライトタイプの面状光源装置、及び面状光源装置を用いた表示装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や誘導灯、看板等の表示装置では、表示素子の背面側に面状光源装置を設けて表示素子によって表示される文字や図柄の視認性を向上している。
このような表示装置においては、装置の小型化・薄型化が要求されており、この要求に応えるべく、光源を表示素子の外側に配置し、表示素子の背面側に設置した導光体の端面から光源より放射される光を導入して面状に発光させる方式のものが多く採用されている。
【0003】
上記のような導光体の端面から光源の光を導入して面状に発光させる方式において、更に表示装置を薄型化するため、表示素子の外側で導光体の光入射面近傍に光源側に厚く、導光体側に薄くなるようなテーパー状の断面形状を有する透明集光部材(ライトガイド部材)を設置して光源よりの放射光の導光体への入射効率、つまり光の利用効率を向上しつつ、導光体本体を薄型化する技術が知られている(特許文献1参照)。
また導光体とテーパー状の断面形状を有する透明集光部材(ライトガイド部材)とを一体化または接着剤によって一体化する技術も知られている(特許文献2,3参照)。
【0004】
【特許文献1】第2917503号公報
【特許文献2】特開平5−249461号公報
【特許文献3】特開2007−108799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の面状光源装置および表示装置においては、ライトガイド部材または導光体と一体化されたライトガイド部を用いて導光体の光入射主面を光源よりも厚くすることによって薄型の導光体を用いた場合の入光効率を改善する方法が開示されている。
しかしながら、導光体への入光効率は光入射主面と光源の大きさの比のみではなく、光源よりの放射光の発散角、光源と光入射主面の距離(以下、クリアランスと称する)によっても影響され、発散角が小さいほど、クリアランスが小さいほど入射効率は高い。
従来技術ではクリアランスを光源よりの放射光の発散角および光源・光入射主面の厚さを考慮して設定した所望の値に保持する場合には、導光体の背面または周囲にフレーム部材を別途設けて、光源が取り付けられた光源ホルダとフレーム部材、フレーム部材と導光体で各々位置合せをする、つまりフレーム部材を介して位置決めをする手法を採用する必要があった。
【0006】
しかしながら、この方法では部品をスムーズに組み立てるために設定する微少量の空隙と部品の製造公差が2重で掛かるため、クリアランスの精度が十分でなかった。また、特許文献1に開示されるように、透明集光部材とフレームを透明樹脂で一体成形する手法もあるが、この場合、フレーム部分にまで光が導光されるといった問題が生じるため、表示品位を低下させていた。
【0007】
ここで、近年、LEDの発光効率が向上してきたこと、LEDは水銀レス光源であり環境保護の面で優位なことなどを背景として、液晶表示装置や誘導灯、広告・宣伝用の看板等の背面光源として用いられる面状光源装置において、光源にLEDを採用したものが増加しているが、光源の光放射面が導光体の光入射主面と対向して連続的である冷陰極管とは異なり、光放射面が断続的に配列されるLEDについて、特にライトガイド部を設けた薄型導光体については、その特性を生かした位置決め機構がなく、従来用いられてきた線状光源である冷陰極管と同様のクリアランス保持機構を用いるものが多かった。
【0008】
この発明は上記の課題を解決するためになされたのものであり、薄型で光の利用効率が高く、表示品位の高い、組み立て性のよい面状光源装置または面状光源装置を用いた表示装置を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかる面状光源装置は、各々対向する第一および第二の主面を有し、第一および第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体と、光入射主面と対向して設置され、複数の発光素子で構成された光源と、光源を実装した基板と、基板の取り付け部を有する光源ホルダを備えた面状光源装置において、導光体の光入射主面側には、第一および第二の主面により規定される導光体主部より光入射主面側に厚く導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部を導光体主部と一体化して設け、導光体には基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、基板と光入射主面の最小距離を規定する突起部を設け、基板は長尺状をなし、導光体の突起部は基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、導光体に設けられた突起部が基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられているため、突起部の公差によって、基板と導光体の光入射主面との最小距離(以後、クリアランスと称する)が一定に保たれ、表示むらの少ない面状光源装置が得られる。また、突起部は基板の長手方向の両端側の平面部に接するため、突起部が設けられる位置が基板の長手方向において比較的自由となり、設計し易くなる。
【0011】
ここで、光源は光源ホルダに取り付けられ一体化されているため、特別な位置決め部材を設けた場合と異なり、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源と導光体が別部材を介さず直接位置決めできるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係る実施の形態1を説明する上面図である。
【図2】この発明に係る実施の形態1を説明するA−A’断面の分解斜視図である。
【図3】この発明に係る実施の形態1を説明する側面図である。
【図4】この発明に係る実施の形態1を説明する概略側面図である。
【図5】この発明に係る実施の形態1の効果を説明するグラフ図である。
【図6】この発明に係る実施の形態2を説明する側面図である。
【図7】この発明に係る実施の形態3を説明する上面図である。
【図8】この発明に係る実施の形態4を説明する光入射主面の概略斜視図である。
【図9】この発明に係る実施の形態4の効果を説明する図である。
【図10】この発明に係る実施の形態5の表示装置を説明する分解斜視図である。
【図11】この発明に係る実施の形態5の表示装置を説明する部分断面図である。
【図12】この発明に係る実施の形態5の表示装置として誘導灯装置を説明する分解斜視図である。
【図13】この発明に係る実施の形態5の表示装置として誘導灯装置を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における面状光源装置について図を用いて説明する。図1はこの発明に係る面状光源装置を表示面側から見た上面図、図2は図1に示される面状光源装置のA−A’断面の分解斜視図、図3は図1に示される面状光源装置の側面図、図4は図3に示される面状光源装置の側面図における導光体のみを示した概念側面図、図5は実施の形態1における面状光源装置の効果を説明するためのグラフ図である。なお、筐体・配線などは省略している。
【0014】
図1乃至図4において、面状光源装置は、導光体10と光源20、光源ホルダ30を備える。この実施の形態1では、導光体10として、メタクリル樹脂(PMMA)を用いて射出成形法によって作製した略直方体の形状をしたものを用いた。導光体10は面状光源として光を放射する側、つまり導光体出射面側に第一の主面11を、第一の主面11と略対向する面に第二の主面12を、第一の主面11と第二の主面12に略直交し、光源20と対向する側面に光入射主面13を有する。第二の主面12には、第一の主面11から効率良く光を出射するためにブラスト加工で面粗し処理(図示せず)を施している。
【0015】
また、導光体10は、図4に示すように第一の主面11および第二の主面12により規定される導光体主部における第一の主面11と第二の主面12とが形成する角度(以後、テーパー角と呼称する)を0.7°に設定しており、光入射主面13の側から反光入射側に向かって厚さが減少する形状としている。このように導光体主部に小さなテーパー角を設けることにより光入射主面13から入った光が反光入射側まで充分導かれるようにしている。また、導光体10の光入射主面13の側には、導光体10の導光体主部と一体化して形成されたライトガイド部14が設けられ、このライトガイド部14も同様に光入射主面13から反光入射側に向かって厚さが減少する形状とし、テーパー角を5.7°、光入射主面13の厚さtを5mmに設定してある。更に光入射主面13の端部に光源20側に凸となる2つの突起部131および突起部132を設けている。この突起部131、132は第一の主面11側から第2の主面12側まで連続した形状で形成されている。このように突起部131、132を光入射主面13の両端部に設けるのは、後述する光源20のLEDの光放射面と対向する位置を避け、LED実装基板22の長手方向の両端部の位置に接するためである。ここで、突起部131、132は、光源20と光入射主面13の最小距離(クリアランス)を規定するもので、その高さは所望のクリアランスに光源20のLEDの高さを加算した値であり、この実施の形態1では、1.6mmとしている。
【0016】
光源20は、複数の発光素子である表面実装型LED21と、この表面実装型LED21の光放射面211を導光体10の光入射主面13と対向するように設置して、表面実装型LED21を実装したLED実装基板22で構成されている。この実施の形態1では、表面実装型LED21として、日亜化学工業株式会社製の表面実装型白色LED「NFSW036」を用い、光入射主面13の長手方向に沿って8個並べて実装している。したがってLED実装基板22も光入射主面13の長手方向に長尺状となる。また、LED実装基板22には、光源20に表面実装型LED21の駆動電力を供給するための配線(図示せず)を接続するためのコネクタ部23が光入射主面13の外側に配置されている。
【0017】
光源ホルダ30は、アルミニウムの押出成形によって作製した略L字型の形状をしたものを用いた。光源ホルダ30は、L字型の一方の面の内面側、すなわち光入射主面13と対向する面には光源20が配置されており、L字型の他方の面にはライトガイド部14の第一の主面11側に形成されたテーパー角(ライトガイド部14の第一の主面11側が第一の主面11となす角度、この場合5.7°)に略等しい傾斜を有したライトガイド保持部31が設けられている。このライトガイド保持部31はライトガイド部14に設けられた傾斜を利用して光源20と光入射主面13の距離を調整する機構として機能する。
このような構成によれば、光源ホルダ30を導光体10の第一の主面11に垂直な方向(図3に示す矢印A方向)に移動させて、光源20と光入射主面13の位置合せをする際に、導光体10が突起部131および突起部132を有するために光入射主面13と表面実装型LED21の接触を確実に回避でき、組立の際に特別の注意を払う必要が無いため、組立性の向上が図れる。
【0018】
また、光源ホルダ30を固定すべき筐体(図示せず)に所定の位置まで押し込む(ライトガイド保持部31とライトガイド部14が接触した後に更に力を加える)ことにより、光源ホルダ30およびライトガイド部14に設けられた略平行な斜面の作用により、光源20と光入射主面13を近づける方向に力が働く。この作用により、製造バラツキによって導光体10の寸法が大小した場合にもクリアランスが大きくなりすぎることがなく、さらに突起部131、132の作用により、予め決めた突起部131、132の高さから光源20のLEDの高さを差し引いた寸法(この実施の形態1では、LEDの高さが0.8mm、突起部131、132の高さが1.6mmであるため、クリアランスは0.8mmである)よりクリアランスが小さくなることもない。従って、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源20と導光体10が別部材を介さず直接位置決めできるため、特別な位置決め部材を設けた場合に生じる、位置決め部材の製造バラツキに起因する精度悪化を回避することができるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【0019】
従来において、突起部131、132およびライトガイド部14を設けなかった場合のクリアランスのズレが最大で0.5mm、最大限クリアランスが大きくなったときの光の入光効率の低下が7.8%であったのに対し、この実施の形態1の例では、クリアランスのズレが最大で0.2mm、最大限クリアランスが大きくなったときの光の入光効率の低下が3.4%とバラツキの少ない、光の利用効率が高い面状光源装置が得られたことが確認できた。
光入射主面13の厚みtをパラメータとして、クリアランスのズレ量と光の入光効率の低下率の関係を図5に示す。図5より、特に光入射主面13の厚みtを薄く(面状光源装置を薄型に)した時に、例えばt=4mmとした時に、クリアランスのズレ量が小さいということは、入光効率の低下率を少なくすることができ、より大きな効果が得られることが分かる。
【0020】
上記は実施の形態1として示した一例であり、この発明の内容を限定するものではない。例えば、導光体10の材料としては、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン(COP)樹脂などの透明樹脂を用いることができるし、表面実装型LED21としても配向分布・光出力・発光色等が所望の特性を満たすものを選定すれば、これを限定するものではない。また、LED実装基板22については、光源ホルダ30の光源20を設置する面にLEDを接着またはネジ止め等の手段によって直接配置した上で配線する、または光源ホルダ30表面に実装パターン(配線)を印刷した後、LEDチップを光源ホルダ30表面に施された実装パターン上に直接実装し、樹脂封止して光源ホルダ30とLEDを一体化する等の手段で省くこともできる。
【0021】
以上のように実施の形態1の発明によれば、光源ホルダに設けられた光源と光入射主面の距離を調整する機構(ライトガイド保持部と称する)により、光源ホルダを第一の主面に垂直な方向に組み付ける際に導光体に対して光入射主面を光源に近づける力が作用し、且つ突起部の作用により光入射主面は突起部の高さによって予め設定された光源と光入射主面の最小距離(クリアランス)以上に近づかないよう保持される。更に光源は光源ホルダに取り付けられ一体化されているため、特別な位置決め部材を設けた場合と異なり、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源と導光体が別部材を介さず直接位置決めできるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【0022】
さらに、導光体の光入射主面に設けた突起部は、発光素子の光放射面を避けて、つまり実装基板が露出している領域と対向する位置に設けられているため、光利用効率を向上させるためにクリアランスを小さい値としたときでも、面状光源装置を組み立てる際に導光体の光入射主面と発光素子の光放射面が接触することにより生じる発光素子の破損等の不具合を防ぐことができるため、組み立てに精密な作業を必要とせず、組み立て性のよい面状光源装置を提供することができる。
さらに、発光素子を表面実装型のLEDとすることで、基板表面からLEDの上端部までの高さをより高精度に保持することができ、より精度よくクリアランスを保持することができる。
【0023】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2における面状光源装置について図を用いて説明する。図6はこの発明の実施の形態2に係る面状光源装置の側面図である。
光源20と光入射主面13の最小距離(クリアランス)を規定する突起部は、実施の形態1では導光体10の光入射主面13に設けられていたが、この実施の形態2では、図6に示すように突起部131、132はLED実装基板22の位置を避けて光源ホルダ30側に設けたものである。またこの突起部131、132は、L字型光源ホルダ30のLED実装基板22が取り付けられる面側の両端にそれぞれ上下2箇所に設けられている。
【0024】
更にこの実施の形態2では、光源ホルダ30に設けられるライトガイド保持部31の形状も、実施の形態1のようにライトガイド部14と同様の傾斜とするのではなく、稜線がライトガイド部14の傾斜と等しい傾斜を示す、複数のリブを形成してライトガイド保持部31としたものである。この場合、ライトガイド保持部31がライトガイド部14に接触し、擦れることによってライトガイド部14に傷がつくなどして光学性能に悪影響を及ぼさないために、リブのライトガイド部14に接する位置にRを設けるなどして、すべりを良くしておくことが望ましい。
【0025】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3における面状光源装置について図を用いて説明する。図7はこの発明の実施の形態3に係る面状光源装置を第一の主面11側から見た上面図である。
この実施の形態3では図7に示すように、実施の形態1に記載の面状光源装置とほぼ同じであるが、実施の形態1では光入射主面13の外側に配置していたコネクタ部23を光入射主面13の内側に配置し、かつコネクタ部23と対向する光入射主面13の一部に切り欠き部133を設けた点、これに伴って表面実装型LED21の配置位置を少しずらした点、突起部131、132の形状に少し丸みをもたせた点、のみが実施の形態1と異なる。なお、突起部131、132の形状変更は、実施の形態1に記載の効果が得られる別の実施の形態について示したものであり、特にこの実施の形態3に限り、図7の形状を必要とするものではない。
【0026】
この実施の形態3によれば、光入射主面13の外側に設けられていたコネクタ部23を光入射主面13の内側に設けたことで面状光源装置を小型化している。このような小型化の手法を用いた際には、通常は切り欠き部133近傍にLEDの発光光を導光し難く、明暗むらが生じる問題や、明暗むらを解決するためには光の発散角やクリアランス、切り欠き部133と表面実装型LED21の位置関係など、厳密な光学設計を要するにも関わらず、わずかな位置ズレによって切り欠き部133で全反射する光の量が変化するために安定して表示むらの少ない面状光源装置を得ることは難しかった。
しかしながら、この実施の形態3の面状光源装置であれば、突起部131、132およびライトガイド部14、ライトガイド保持部31の作用によってクリアランスを精度良く調整することができるため、従来は10%程度のバラツキがあった切り欠き部133近傍の明るさを、3%以内のバラツキに抑えることができ、小型・薄型で表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0027】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4における面状光源装置について図を用いて説明する。図8はこの発明の実施の形態4に係る面状光源装置における導光体の光入射主面の概略斜視図、図9は実施の形態4の効果を説明するための図である。
この発明の実施の形態4の面状光源装置は、構成は実施の形態1と同様とし、その効果を分かり易くするために表面実装型LED21の数量を8個から3個に減じている。また図8に示すように導光体10の光入射主面13には微小な面粗し加工、すなわち導光体10の第一の主面11と垂直な方向に延びるピッチ50μm、頂角110度の微小プリズム列135が形成されている。
【0028】
ここで、面状光源装置の光源として従来用いられてきた冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が線状光源であるのに対して、LEDは点状光源であるため、図1乃至2のように配列した場合でも、表面実装型LED21と対向する位置とLEDが実装されていない位置で明暗が生じやすく、このため、LEDを密集して配置する、または導光体10の光入射主面13の表面に微小プリズムを形成して表面実装型LED21から放射された光の導光体10内での発散角を拡げる、などの手法によって、LEDが実装されていない位置で不足する光量を補っていた。
【0029】
この実施の形態4による面状光源装置の明暗を示す写真を図9に示す。図9(a)に示すように、プリズムなしとした場合には、LEDが配置されていない領域に明確に暗い部分(暗部と称する)が生じる。これに対して、図9(b)に示すように、実施の形態4の発明のように適切な光学設計に基づくプリズムを設け、所望のクリアランスに設定した場合には、隣り合うLEDから放射される光の重なりが適切に行われるため、明暗のコントラストを小さくすることができ、表示品位を向上することができる。しかしながら、図9(c)に示すように、プリズムを設けてもクリアランスが所望の値より大きくなると、前述の隣り合うLEDから放射される光の重なりが過剰になり、LEDが配置されていない領域に明るい部分(明部と称する)が生じる問題が発生する。逆に、自明ではあるがクリアランスが所望の値より小さくなると、前述の隣り合うLEDから放射される光の重なりが不足するため、プリズムなしとした場合よりは良化するが、暗部が生じる問題が発生する。
【0030】
従って、光入射主面13に微小プリズム列を設けて明暗むらを改善する場合には、クリアランスを所定の値に保持することが重要である。この発明による突起部131、132およびライトガイド部14、ライトガイド保持部31の作用でクリアランスを一定に保つことにより、隣り合うLEDの放射光の重なり具合を精度よく調整しなければ生じてしまう明暗むらの抑制に必要な高精度なクリアランス保持ができるため、プリズム列の効果を有効に利用することができ、表示品位の高い面状光源装置を得ることができる。
【0031】
一般に、光源20からの放射光は光源に固有の発散角によって放射され、光入射主面13より導光体主部に入射した後、発散角と関連して導光体内を伝搬し、導光体10の第一または第二の主面に設けられた光出射面より出射するため、光放射面と対向する位置の近傍では明るく、それ以外の位置では暗くなる現象(以後、明暗むらと称する)が生じて面状光源装置の明るさの均整度を損ない、表示品位を低下させる。
このような場合、従来より導光体の光入射主面13に微小な面粗し加工を施して入射する光を拡散させ、発散角を調整する工夫がなされていたが、クリアランスが所望の値からずれた場合には明暗むらを生じる問題があった。この発明の構成において、光入射主面に微小な面粗し加工を施すことにより、クリアランスが精度よく保持できるために厳密に明暗むらを抑制することができ、表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0032】
以上のように実施の形態4の発明によれば、この構成による微小なプリズム列は光入射主面13から入射した光の発散角を導光体10の第一および第二の主面に平行な方向に拡げる強い作用を有するため、前述の明暗むらに対してより好適な効果が得られる。複数の発光素子を配列した光源を用いる場合に、隣り合う発光素子の放射光の重なり具合を精度よく調整しなければ生じてしまう明暗むらの抑制に必要な高精度なクリアランス保持ができるため、プリズム列の効果を有効に利用することができ、表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0033】
実施の形態5.
次にこの発明の実施の形態1〜4で説明した面状光源装置を用いた表示装置の発明について図10乃至図13を用いて説明する。以下、面状光源装置を用いた表示装置として誘導灯装置の場合を説明する。図10はこの実施の形態5に係る表示装置として誘導灯装置の表示ユニット40を示した分解斜視図、図11は表示ユニット40の一部を示した部分断面拡大図、図12は誘導灯装置60を示す分解斜視図、図13は誘導灯装置60を示す斜視図である。
【0034】
図10および図11において、表示ユニット40は、誘導灯図柄411を透過性インクにて印刷された、透明なPMMA樹脂を射出成形法によって成形して得られた表示素子41と、導光体の第2の主面12に対向する面の光反射率が70%以上になるように調整された樹脂材料で成形された表示ユニット筐体42と、表示素子41の背面に設けられた面状光源装置からなる。
面状光源装置は、平滑面である第一の主面11と、サンドブラストによって表面粗し加工を施された第2の主面12と、ピッチ75μm・頂角107度・頂角部の先端Rを10umとした微小なプリズム列(図示せず)が形成された光入射主面13と、光入射主面13の厚さが5mmで光入射主面側から1mmの位置にわたっては等しく5mmの厚さで、光入射主面13からの距離が1mmから10mmの範囲にわたっては6.3度の傾斜角を有したライトガイド部14が透明なPMMA樹脂で一体成形された導光体10、表面実装型LED21とコネクタ部23が実装されたLED実装基板22とからなる光源20、および光源20のLED実装基板22を取り付けた光源ホルダ30から構成されている。
また導光体10には、第一の主面11側から第2の主面12側まで連続した形状で形成された突起部131、132、およびコネクタ部23と対向する位置と、コネクタ部23と反対側の端部に対向する位置には、それぞれ切り欠き部133が設けられている。
【0035】
表示ユニット筐体42は、光反射率が高く、更に光反射率の波長依存性が小さい材料を用いることが好ましいが、表示ユニット筐体42の表面を反射面とせず、反射シート等を用いることができる。また、表示素子41は、透明な材料を用いてもよいし、拡散性が高く透過率が高い乳白の材料を用いても良い。更に、表示素子41に透明な材料を用いる場合には、表示品位を向上させるために表示素子41と導光体10の間隙にプリズムシートや拡散シートを用いることが好ましい。
【0036】
LED実装基板22は、表面実装型LED21より発される熱を、アルミニウムの押出成形によって製作され、意匠面側に放熱板としての機能を有した光源ホルダ30に効率良く伝えるための熱伝導シート(図示せず)を介して、光源ホルダ30にネジ留めされている。また、光源ホルダ30には意匠面とは反対の側にライトガイド部14と平行になるよう設定された傾斜を有するライトガイド保持部31が一体成形されており、ライトガイド部14と接触する構成となっている。ここで、ライトガイド保持部31およびライトガイド部14は、互いに滑って上下方向に移動し、クリアランスを調整しやすくするために平滑面としている。また、ライトガイド保持部31は、ライトガイド部14から出射する光を有効に再利用するため、アルマイト処理、および塗装による表面処理を施してあり、反射率70%以上としている。ライトガイド保持部31および光源ホルダ30の内面は、導光体10に入射しなかった光、および導光体10から出射してしまう光を再利用するため、反射率が高く、また反射率の波長依存性が小さい処理を施すのが好ましい。
【0037】
また、導光体10の第二の主面12の表面粗し処理は、光入射主面13の直近から施さず、ある程度の距離を平滑面とした後に施すと、光源ホルダ30内に出射する、つまり表示素子41の表示面に到達する前に出射する光を減少することができ、光の利用効率を向上することができるため、好ましい。この実施の形態5では、表面粗し処理は、光入射主面13より10mmの位置から施している。なお、この実施の形態5では導光体10の光入射主面13から表示面に到達するまでの導光距離は、15mmとしている。この場合、表面粗し処理のスタート位置は、光入射主面13から5mm乃至15mmの範囲に設定するのが好ましく、更に好ましくは10mmから13mmの範囲とするとよい。
【0038】
誘導灯装置60は、図12に示すように表示ユニット40と本体ユニット50からなり、表示ユニット40は、本体ユニット50に第一の主面11の方向から勘合させる構造となっている。本体ユニット50は樹脂成形品より成り、光源20に電力を供給する電源ユニット51、商用電源から電源を供給するための電源コネクタ52を内包する構造となっており、停電等の非常時に光源に電力を供給するための電池を内包するための電池設置部53が一体成形されており、電池が機能するか否かを確認するための点検スイッチ54が配されている。また、上部には天井取り付け部55、背面には壁面取り付け部56が一体成形されており、所定の板金部品(図示せず)を用いて店舗や施設の天井または壁面に組み付けることができるようになっている。
【0039】
ここで、光源ホルダ30は、光源20の寿命が尽きた場合の交換作業性を考慮して、表示ユニット40を本体ユニット50に取り付けた後に本体ユニット50に取り付ける構造となっている。取り付けは、誘導灯装置60が天井に取り付けられた場合の作業性を考慮して、取り付け方向を示す矢印Bが示すように、表示面に垂直な方向に取り付ける構造となっている。
【0040】
誘導灯装置60は、建築物等に取り付けられる際に、予め組み立てられた幾つかのユニットを組み立て、組み付けるものが多い。また、耐用年数が長いため、光源20が経年劣化などにより寿命をむかえた際に、光源20または光源ホルダ30を含めたユニット(光源20および光源ホルダ30を含めて光源ユニット部と称する)を交換できる構造としなければならない。また、誘導灯装置60の多くは天井に組み付けて、または壁面に埋め込んで使用されるため、誘導灯装置60の上部には交換作業のためのスペースを確保することができず、誘導灯装置60の上部に設けられる光源ユニット部は、従来は表示面に垂直な方向から組み付ける構造が採用されている。
【0041】
しかしながら、このような場合には専用の製造ラインで組み立てる場合とは異なり、施工業者にて最終組み立て、組み付けが行われるため、光の利用効率を向上するために狭いクリアランスを設定した場合には、導光体と光源が接触しないよう組み立てなければならないため、作業性が悪いといった問題があった。
【0042】
この実施の形態5に示した誘導灯装置60の構成によれば、光源ユニットを組み付ける際にクリアランス以上の高さを有する突起部131、132によって表面実装型LED21と導光体10が接触することにより生じる表面実装型LED21の破損等の問題を確実に回避しつつ、光源ユニットを組み立てた際にライトガイド保持部31とライトガイド部14で発生する導光体を光源方向に移動する力によって所望のクリアランスを得ることができるため、薄型で光の利用効率が高く、表示品位の高い、組み立て性のよい誘導灯装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
10:導光体、 11:第一の主面、
12:第二の主面、 13:光入射主面、
131:突起部、 132:突起部、
14:ライトガイド部、 20:光源、
21:表面実装型LED、 211:光放射面、
22:LED実装基板、 23:コネクタ部、
30:光源ホルダ、 31:ライトガイド保持部、
40:表示ユニット、 41:表示素子、
411:誘導灯図柄、 42:表示ユニット筐体、
50:本体ユニット、 51:電源ユニット、
52:電源コネクタ、 53:電池設置部、
54:点検スイッチ、 55:天井取り付け部、
56:壁面取り付け部、 60:誘導灯装置。
【技術分野】
【0001】
この発明は面状光源装置、及び面状光源装置を用いた表示装置に係り、特には光源として発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用い、面状に発光させる手段として導光体を用いたサイドライトタイプの面状光源装置、及び面状光源装置を用いた表示装置に係るものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や誘導灯、看板等の表示装置では、表示素子の背面側に面状光源装置を設けて表示素子によって表示される文字や図柄の視認性を向上している。
このような表示装置においては、装置の小型化・薄型化が要求されており、この要求に応えるべく、光源を表示素子の外側に配置し、表示素子の背面側に設置した導光体の端面から光源より放射される光を導入して面状に発光させる方式のものが多く採用されている。
【0003】
上記のような導光体の端面から光源の光を導入して面状に発光させる方式において、更に表示装置を薄型化するため、表示素子の外側で導光体の光入射面近傍に光源側に厚く、導光体側に薄くなるようなテーパー状の断面形状を有する透明集光部材(ライトガイド部材)を設置して光源よりの放射光の導光体への入射効率、つまり光の利用効率を向上しつつ、導光体本体を薄型化する技術が知られている(特許文献1参照)。
また導光体とテーパー状の断面形状を有する透明集光部材(ライトガイド部材)とを一体化または接着剤によって一体化する技術も知られている(特許文献2,3参照)。
【0004】
【特許文献1】第2917503号公報
【特許文献2】特開平5−249461号公報
【特許文献3】特開2007−108799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の面状光源装置および表示装置においては、ライトガイド部材または導光体と一体化されたライトガイド部を用いて導光体の光入射主面を光源よりも厚くすることによって薄型の導光体を用いた場合の入光効率を改善する方法が開示されている。
しかしながら、導光体への入光効率は光入射主面と光源の大きさの比のみではなく、光源よりの放射光の発散角、光源と光入射主面の距離(以下、クリアランスと称する)によっても影響され、発散角が小さいほど、クリアランスが小さいほど入射効率は高い。
従来技術ではクリアランスを光源よりの放射光の発散角および光源・光入射主面の厚さを考慮して設定した所望の値に保持する場合には、導光体の背面または周囲にフレーム部材を別途設けて、光源が取り付けられた光源ホルダとフレーム部材、フレーム部材と導光体で各々位置合せをする、つまりフレーム部材を介して位置決めをする手法を採用する必要があった。
【0006】
しかしながら、この方法では部品をスムーズに組み立てるために設定する微少量の空隙と部品の製造公差が2重で掛かるため、クリアランスの精度が十分でなかった。また、特許文献1に開示されるように、透明集光部材とフレームを透明樹脂で一体成形する手法もあるが、この場合、フレーム部分にまで光が導光されるといった問題が生じるため、表示品位を低下させていた。
【0007】
ここで、近年、LEDの発光効率が向上してきたこと、LEDは水銀レス光源であり環境保護の面で優位なことなどを背景として、液晶表示装置や誘導灯、広告・宣伝用の看板等の背面光源として用いられる面状光源装置において、光源にLEDを採用したものが増加しているが、光源の光放射面が導光体の光入射主面と対向して連続的である冷陰極管とは異なり、光放射面が断続的に配列されるLEDについて、特にライトガイド部を設けた薄型導光体については、その特性を生かした位置決め機構がなく、従来用いられてきた線状光源である冷陰極管と同様のクリアランス保持機構を用いるものが多かった。
【0008】
この発明は上記の課題を解決するためになされたのものであり、薄型で光の利用効率が高く、表示品位の高い、組み立て性のよい面状光源装置または面状光源装置を用いた表示装置を低コストで提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明にかかる面状光源装置は、各々対向する第一および第二の主面を有し、第一および第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体と、光入射主面と対向して設置され、複数の発光素子で構成された光源と、光源を実装した基板と、基板の取り付け部を有する光源ホルダを備えた面状光源装置において、導光体の光入射主面側には、第一および第二の主面により規定される導光体主部より光入射主面側に厚く導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部を導光体主部と一体化して設け、導光体には基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、基板と光入射主面の最小距離を規定する突起部を設け、基板は長尺状をなし、導光体の突起部は基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明は、導光体に設けられた突起部が基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられているため、突起部の公差によって、基板と導光体の光入射主面との最小距離(以後、クリアランスと称する)が一定に保たれ、表示むらの少ない面状光源装置が得られる。また、突起部は基板の長手方向の両端側の平面部に接するため、突起部が設けられる位置が基板の長手方向において比較的自由となり、設計し易くなる。
【0011】
ここで、光源は光源ホルダに取り付けられ一体化されているため、特別な位置決め部材を設けた場合と異なり、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源と導光体が別部材を介さず直接位置決めできるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明に係る実施の形態1を説明する上面図である。
【図2】この発明に係る実施の形態1を説明するA−A’断面の分解斜視図である。
【図3】この発明に係る実施の形態1を説明する側面図である。
【図4】この発明に係る実施の形態1を説明する概略側面図である。
【図5】この発明に係る実施の形態1の効果を説明するグラフ図である。
【図6】この発明に係る実施の形態2を説明する側面図である。
【図7】この発明に係る実施の形態3を説明する上面図である。
【図8】この発明に係る実施の形態4を説明する光入射主面の概略斜視図である。
【図9】この発明に係る実施の形態4の効果を説明する図である。
【図10】この発明に係る実施の形態5の表示装置を説明する分解斜視図である。
【図11】この発明に係る実施の形態5の表示装置を説明する部分断面図である。
【図12】この発明に係る実施の形態5の表示装置として誘導灯装置を説明する分解斜視図である。
【図13】この発明に係る実施の形態5の表示装置として誘導灯装置を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における面状光源装置について図を用いて説明する。図1はこの発明に係る面状光源装置を表示面側から見た上面図、図2は図1に示される面状光源装置のA−A’断面の分解斜視図、図3は図1に示される面状光源装置の側面図、図4は図3に示される面状光源装置の側面図における導光体のみを示した概念側面図、図5は実施の形態1における面状光源装置の効果を説明するためのグラフ図である。なお、筐体・配線などは省略している。
【0014】
図1乃至図4において、面状光源装置は、導光体10と光源20、光源ホルダ30を備える。この実施の形態1では、導光体10として、メタクリル樹脂(PMMA)を用いて射出成形法によって作製した略直方体の形状をしたものを用いた。導光体10は面状光源として光を放射する側、つまり導光体出射面側に第一の主面11を、第一の主面11と略対向する面に第二の主面12を、第一の主面11と第二の主面12に略直交し、光源20と対向する側面に光入射主面13を有する。第二の主面12には、第一の主面11から効率良く光を出射するためにブラスト加工で面粗し処理(図示せず)を施している。
【0015】
また、導光体10は、図4に示すように第一の主面11および第二の主面12により規定される導光体主部における第一の主面11と第二の主面12とが形成する角度(以後、テーパー角と呼称する)を0.7°に設定しており、光入射主面13の側から反光入射側に向かって厚さが減少する形状としている。このように導光体主部に小さなテーパー角を設けることにより光入射主面13から入った光が反光入射側まで充分導かれるようにしている。また、導光体10の光入射主面13の側には、導光体10の導光体主部と一体化して形成されたライトガイド部14が設けられ、このライトガイド部14も同様に光入射主面13から反光入射側に向かって厚さが減少する形状とし、テーパー角を5.7°、光入射主面13の厚さtを5mmに設定してある。更に光入射主面13の端部に光源20側に凸となる2つの突起部131および突起部132を設けている。この突起部131、132は第一の主面11側から第2の主面12側まで連続した形状で形成されている。このように突起部131、132を光入射主面13の両端部に設けるのは、後述する光源20のLEDの光放射面と対向する位置を避け、LED実装基板22の長手方向の両端部の位置に接するためである。ここで、突起部131、132は、光源20と光入射主面13の最小距離(クリアランス)を規定するもので、その高さは所望のクリアランスに光源20のLEDの高さを加算した値であり、この実施の形態1では、1.6mmとしている。
【0016】
光源20は、複数の発光素子である表面実装型LED21と、この表面実装型LED21の光放射面211を導光体10の光入射主面13と対向するように設置して、表面実装型LED21を実装したLED実装基板22で構成されている。この実施の形態1では、表面実装型LED21として、日亜化学工業株式会社製の表面実装型白色LED「NFSW036」を用い、光入射主面13の長手方向に沿って8個並べて実装している。したがってLED実装基板22も光入射主面13の長手方向に長尺状となる。また、LED実装基板22には、光源20に表面実装型LED21の駆動電力を供給するための配線(図示せず)を接続するためのコネクタ部23が光入射主面13の外側に配置されている。
【0017】
光源ホルダ30は、アルミニウムの押出成形によって作製した略L字型の形状をしたものを用いた。光源ホルダ30は、L字型の一方の面の内面側、すなわち光入射主面13と対向する面には光源20が配置されており、L字型の他方の面にはライトガイド部14の第一の主面11側に形成されたテーパー角(ライトガイド部14の第一の主面11側が第一の主面11となす角度、この場合5.7°)に略等しい傾斜を有したライトガイド保持部31が設けられている。このライトガイド保持部31はライトガイド部14に設けられた傾斜を利用して光源20と光入射主面13の距離を調整する機構として機能する。
このような構成によれば、光源ホルダ30を導光体10の第一の主面11に垂直な方向(図3に示す矢印A方向)に移動させて、光源20と光入射主面13の位置合せをする際に、導光体10が突起部131および突起部132を有するために光入射主面13と表面実装型LED21の接触を確実に回避でき、組立の際に特別の注意を払う必要が無いため、組立性の向上が図れる。
【0018】
また、光源ホルダ30を固定すべき筐体(図示せず)に所定の位置まで押し込む(ライトガイド保持部31とライトガイド部14が接触した後に更に力を加える)ことにより、光源ホルダ30およびライトガイド部14に設けられた略平行な斜面の作用により、光源20と光入射主面13を近づける方向に力が働く。この作用により、製造バラツキによって導光体10の寸法が大小した場合にもクリアランスが大きくなりすぎることがなく、さらに突起部131、132の作用により、予め決めた突起部131、132の高さから光源20のLEDの高さを差し引いた寸法(この実施の形態1では、LEDの高さが0.8mm、突起部131、132の高さが1.6mmであるため、クリアランスは0.8mmである)よりクリアランスが小さくなることもない。従って、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源20と導光体10が別部材を介さず直接位置決めできるため、特別な位置決め部材を設けた場合に生じる、位置決め部材の製造バラツキに起因する精度悪化を回避することができるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【0019】
従来において、突起部131、132およびライトガイド部14を設けなかった場合のクリアランスのズレが最大で0.5mm、最大限クリアランスが大きくなったときの光の入光効率の低下が7.8%であったのに対し、この実施の形態1の例では、クリアランスのズレが最大で0.2mm、最大限クリアランスが大きくなったときの光の入光効率の低下が3.4%とバラツキの少ない、光の利用効率が高い面状光源装置が得られたことが確認できた。
光入射主面13の厚みtをパラメータとして、クリアランスのズレ量と光の入光効率の低下率の関係を図5に示す。図5より、特に光入射主面13の厚みtを薄く(面状光源装置を薄型に)した時に、例えばt=4mmとした時に、クリアランスのズレ量が小さいということは、入光効率の低下率を少なくすることができ、より大きな効果が得られることが分かる。
【0020】
上記は実施の形態1として示した一例であり、この発明の内容を限定するものではない。例えば、導光体10の材料としては、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィン(COP)樹脂などの透明樹脂を用いることができるし、表面実装型LED21としても配向分布・光出力・発光色等が所望の特性を満たすものを選定すれば、これを限定するものではない。また、LED実装基板22については、光源ホルダ30の光源20を設置する面にLEDを接着またはネジ止め等の手段によって直接配置した上で配線する、または光源ホルダ30表面に実装パターン(配線)を印刷した後、LEDチップを光源ホルダ30表面に施された実装パターン上に直接実装し、樹脂封止して光源ホルダ30とLEDを一体化する等の手段で省くこともできる。
【0021】
以上のように実施の形態1の発明によれば、光源ホルダに設けられた光源と光入射主面の距離を調整する機構(ライトガイド保持部と称する)により、光源ホルダを第一の主面に垂直な方向に組み付ける際に導光体に対して光入射主面を光源に近づける力が作用し、且つ突起部の作用により光入射主面は突起部の高さによって予め設定された光源と光入射主面の最小距離(クリアランス)以上に近づかないよう保持される。更に光源は光源ホルダに取り付けられ一体化されているため、特別な位置決め部材を設けた場合と異なり、クリアランスを所望の範囲に保つべき光源と導光体が別部材を介さず直接位置決めできるため、位置決め精度がより高くなり、光の入射効率を更に高めることができるため、薄型で光の利用効率が高い面状光源装置を安価に提供することができる。
【0022】
さらに、導光体の光入射主面に設けた突起部は、発光素子の光放射面を避けて、つまり実装基板が露出している領域と対向する位置に設けられているため、光利用効率を向上させるためにクリアランスを小さい値としたときでも、面状光源装置を組み立てる際に導光体の光入射主面と発光素子の光放射面が接触することにより生じる発光素子の破損等の不具合を防ぐことができるため、組み立てに精密な作業を必要とせず、組み立て性のよい面状光源装置を提供することができる。
さらに、発光素子を表面実装型のLEDとすることで、基板表面からLEDの上端部までの高さをより高精度に保持することができ、より精度よくクリアランスを保持することができる。
【0023】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2における面状光源装置について図を用いて説明する。図6はこの発明の実施の形態2に係る面状光源装置の側面図である。
光源20と光入射主面13の最小距離(クリアランス)を規定する突起部は、実施の形態1では導光体10の光入射主面13に設けられていたが、この実施の形態2では、図6に示すように突起部131、132はLED実装基板22の位置を避けて光源ホルダ30側に設けたものである。またこの突起部131、132は、L字型光源ホルダ30のLED実装基板22が取り付けられる面側の両端にそれぞれ上下2箇所に設けられている。
【0024】
更にこの実施の形態2では、光源ホルダ30に設けられるライトガイド保持部31の形状も、実施の形態1のようにライトガイド部14と同様の傾斜とするのではなく、稜線がライトガイド部14の傾斜と等しい傾斜を示す、複数のリブを形成してライトガイド保持部31としたものである。この場合、ライトガイド保持部31がライトガイド部14に接触し、擦れることによってライトガイド部14に傷がつくなどして光学性能に悪影響を及ぼさないために、リブのライトガイド部14に接する位置にRを設けるなどして、すべりを良くしておくことが望ましい。
【0025】
実施の形態3.
次にこの発明の実施の形態3における面状光源装置について図を用いて説明する。図7はこの発明の実施の形態3に係る面状光源装置を第一の主面11側から見た上面図である。
この実施の形態3では図7に示すように、実施の形態1に記載の面状光源装置とほぼ同じであるが、実施の形態1では光入射主面13の外側に配置していたコネクタ部23を光入射主面13の内側に配置し、かつコネクタ部23と対向する光入射主面13の一部に切り欠き部133を設けた点、これに伴って表面実装型LED21の配置位置を少しずらした点、突起部131、132の形状に少し丸みをもたせた点、のみが実施の形態1と異なる。なお、突起部131、132の形状変更は、実施の形態1に記載の効果が得られる別の実施の形態について示したものであり、特にこの実施の形態3に限り、図7の形状を必要とするものではない。
【0026】
この実施の形態3によれば、光入射主面13の外側に設けられていたコネクタ部23を光入射主面13の内側に設けたことで面状光源装置を小型化している。このような小型化の手法を用いた際には、通常は切り欠き部133近傍にLEDの発光光を導光し難く、明暗むらが生じる問題や、明暗むらを解決するためには光の発散角やクリアランス、切り欠き部133と表面実装型LED21の位置関係など、厳密な光学設計を要するにも関わらず、わずかな位置ズレによって切り欠き部133で全反射する光の量が変化するために安定して表示むらの少ない面状光源装置を得ることは難しかった。
しかしながら、この実施の形態3の面状光源装置であれば、突起部131、132およびライトガイド部14、ライトガイド保持部31の作用によってクリアランスを精度良く調整することができるため、従来は10%程度のバラツキがあった切り欠き部133近傍の明るさを、3%以内のバラツキに抑えることができ、小型・薄型で表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0027】
実施の形態4.
次にこの発明の実施の形態4における面状光源装置について図を用いて説明する。図8はこの発明の実施の形態4に係る面状光源装置における導光体の光入射主面の概略斜視図、図9は実施の形態4の効果を説明するための図である。
この発明の実施の形態4の面状光源装置は、構成は実施の形態1と同様とし、その効果を分かり易くするために表面実装型LED21の数量を8個から3個に減じている。また図8に示すように導光体10の光入射主面13には微小な面粗し加工、すなわち導光体10の第一の主面11と垂直な方向に延びるピッチ50μm、頂角110度の微小プリズム列135が形成されている。
【0028】
ここで、面状光源装置の光源として従来用いられてきた冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)が線状光源であるのに対して、LEDは点状光源であるため、図1乃至2のように配列した場合でも、表面実装型LED21と対向する位置とLEDが実装されていない位置で明暗が生じやすく、このため、LEDを密集して配置する、または導光体10の光入射主面13の表面に微小プリズムを形成して表面実装型LED21から放射された光の導光体10内での発散角を拡げる、などの手法によって、LEDが実装されていない位置で不足する光量を補っていた。
【0029】
この実施の形態4による面状光源装置の明暗を示す写真を図9に示す。図9(a)に示すように、プリズムなしとした場合には、LEDが配置されていない領域に明確に暗い部分(暗部と称する)が生じる。これに対して、図9(b)に示すように、実施の形態4の発明のように適切な光学設計に基づくプリズムを設け、所望のクリアランスに設定した場合には、隣り合うLEDから放射される光の重なりが適切に行われるため、明暗のコントラストを小さくすることができ、表示品位を向上することができる。しかしながら、図9(c)に示すように、プリズムを設けてもクリアランスが所望の値より大きくなると、前述の隣り合うLEDから放射される光の重なりが過剰になり、LEDが配置されていない領域に明るい部分(明部と称する)が生じる問題が発生する。逆に、自明ではあるがクリアランスが所望の値より小さくなると、前述の隣り合うLEDから放射される光の重なりが不足するため、プリズムなしとした場合よりは良化するが、暗部が生じる問題が発生する。
【0030】
従って、光入射主面13に微小プリズム列を設けて明暗むらを改善する場合には、クリアランスを所定の値に保持することが重要である。この発明による突起部131、132およびライトガイド部14、ライトガイド保持部31の作用でクリアランスを一定に保つことにより、隣り合うLEDの放射光の重なり具合を精度よく調整しなければ生じてしまう明暗むらの抑制に必要な高精度なクリアランス保持ができるため、プリズム列の効果を有効に利用することができ、表示品位の高い面状光源装置を得ることができる。
【0031】
一般に、光源20からの放射光は光源に固有の発散角によって放射され、光入射主面13より導光体主部に入射した後、発散角と関連して導光体内を伝搬し、導光体10の第一または第二の主面に設けられた光出射面より出射するため、光放射面と対向する位置の近傍では明るく、それ以外の位置では暗くなる現象(以後、明暗むらと称する)が生じて面状光源装置の明るさの均整度を損ない、表示品位を低下させる。
このような場合、従来より導光体の光入射主面13に微小な面粗し加工を施して入射する光を拡散させ、発散角を調整する工夫がなされていたが、クリアランスが所望の値からずれた場合には明暗むらを生じる問題があった。この発明の構成において、光入射主面に微小な面粗し加工を施すことにより、クリアランスが精度よく保持できるために厳密に明暗むらを抑制することができ、表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0032】
以上のように実施の形態4の発明によれば、この構成による微小なプリズム列は光入射主面13から入射した光の発散角を導光体10の第一および第二の主面に平行な方向に拡げる強い作用を有するため、前述の明暗むらに対してより好適な効果が得られる。複数の発光素子を配列した光源を用いる場合に、隣り合う発光素子の放射光の重なり具合を精度よく調整しなければ生じてしまう明暗むらの抑制に必要な高精度なクリアランス保持ができるため、プリズム列の効果を有効に利用することができ、表示品位の高い面状光源装置を提供できる。
【0033】
実施の形態5.
次にこの発明の実施の形態1〜4で説明した面状光源装置を用いた表示装置の発明について図10乃至図13を用いて説明する。以下、面状光源装置を用いた表示装置として誘導灯装置の場合を説明する。図10はこの実施の形態5に係る表示装置として誘導灯装置の表示ユニット40を示した分解斜視図、図11は表示ユニット40の一部を示した部分断面拡大図、図12は誘導灯装置60を示す分解斜視図、図13は誘導灯装置60を示す斜視図である。
【0034】
図10および図11において、表示ユニット40は、誘導灯図柄411を透過性インクにて印刷された、透明なPMMA樹脂を射出成形法によって成形して得られた表示素子41と、導光体の第2の主面12に対向する面の光反射率が70%以上になるように調整された樹脂材料で成形された表示ユニット筐体42と、表示素子41の背面に設けられた面状光源装置からなる。
面状光源装置は、平滑面である第一の主面11と、サンドブラストによって表面粗し加工を施された第2の主面12と、ピッチ75μm・頂角107度・頂角部の先端Rを10umとした微小なプリズム列(図示せず)が形成された光入射主面13と、光入射主面13の厚さが5mmで光入射主面側から1mmの位置にわたっては等しく5mmの厚さで、光入射主面13からの距離が1mmから10mmの範囲にわたっては6.3度の傾斜角を有したライトガイド部14が透明なPMMA樹脂で一体成形された導光体10、表面実装型LED21とコネクタ部23が実装されたLED実装基板22とからなる光源20、および光源20のLED実装基板22を取り付けた光源ホルダ30から構成されている。
また導光体10には、第一の主面11側から第2の主面12側まで連続した形状で形成された突起部131、132、およびコネクタ部23と対向する位置と、コネクタ部23と反対側の端部に対向する位置には、それぞれ切り欠き部133が設けられている。
【0035】
表示ユニット筐体42は、光反射率が高く、更に光反射率の波長依存性が小さい材料を用いることが好ましいが、表示ユニット筐体42の表面を反射面とせず、反射シート等を用いることができる。また、表示素子41は、透明な材料を用いてもよいし、拡散性が高く透過率が高い乳白の材料を用いても良い。更に、表示素子41に透明な材料を用いる場合には、表示品位を向上させるために表示素子41と導光体10の間隙にプリズムシートや拡散シートを用いることが好ましい。
【0036】
LED実装基板22は、表面実装型LED21より発される熱を、アルミニウムの押出成形によって製作され、意匠面側に放熱板としての機能を有した光源ホルダ30に効率良く伝えるための熱伝導シート(図示せず)を介して、光源ホルダ30にネジ留めされている。また、光源ホルダ30には意匠面とは反対の側にライトガイド部14と平行になるよう設定された傾斜を有するライトガイド保持部31が一体成形されており、ライトガイド部14と接触する構成となっている。ここで、ライトガイド保持部31およびライトガイド部14は、互いに滑って上下方向に移動し、クリアランスを調整しやすくするために平滑面としている。また、ライトガイド保持部31は、ライトガイド部14から出射する光を有効に再利用するため、アルマイト処理、および塗装による表面処理を施してあり、反射率70%以上としている。ライトガイド保持部31および光源ホルダ30の内面は、導光体10に入射しなかった光、および導光体10から出射してしまう光を再利用するため、反射率が高く、また反射率の波長依存性が小さい処理を施すのが好ましい。
【0037】
また、導光体10の第二の主面12の表面粗し処理は、光入射主面13の直近から施さず、ある程度の距離を平滑面とした後に施すと、光源ホルダ30内に出射する、つまり表示素子41の表示面に到達する前に出射する光を減少することができ、光の利用効率を向上することができるため、好ましい。この実施の形態5では、表面粗し処理は、光入射主面13より10mmの位置から施している。なお、この実施の形態5では導光体10の光入射主面13から表示面に到達するまでの導光距離は、15mmとしている。この場合、表面粗し処理のスタート位置は、光入射主面13から5mm乃至15mmの範囲に設定するのが好ましく、更に好ましくは10mmから13mmの範囲とするとよい。
【0038】
誘導灯装置60は、図12に示すように表示ユニット40と本体ユニット50からなり、表示ユニット40は、本体ユニット50に第一の主面11の方向から勘合させる構造となっている。本体ユニット50は樹脂成形品より成り、光源20に電力を供給する電源ユニット51、商用電源から電源を供給するための電源コネクタ52を内包する構造となっており、停電等の非常時に光源に電力を供給するための電池を内包するための電池設置部53が一体成形されており、電池が機能するか否かを確認するための点検スイッチ54が配されている。また、上部には天井取り付け部55、背面には壁面取り付け部56が一体成形されており、所定の板金部品(図示せず)を用いて店舗や施設の天井または壁面に組み付けることができるようになっている。
【0039】
ここで、光源ホルダ30は、光源20の寿命が尽きた場合の交換作業性を考慮して、表示ユニット40を本体ユニット50に取り付けた後に本体ユニット50に取り付ける構造となっている。取り付けは、誘導灯装置60が天井に取り付けられた場合の作業性を考慮して、取り付け方向を示す矢印Bが示すように、表示面に垂直な方向に取り付ける構造となっている。
【0040】
誘導灯装置60は、建築物等に取り付けられる際に、予め組み立てられた幾つかのユニットを組み立て、組み付けるものが多い。また、耐用年数が長いため、光源20が経年劣化などにより寿命をむかえた際に、光源20または光源ホルダ30を含めたユニット(光源20および光源ホルダ30を含めて光源ユニット部と称する)を交換できる構造としなければならない。また、誘導灯装置60の多くは天井に組み付けて、または壁面に埋め込んで使用されるため、誘導灯装置60の上部には交換作業のためのスペースを確保することができず、誘導灯装置60の上部に設けられる光源ユニット部は、従来は表示面に垂直な方向から組み付ける構造が採用されている。
【0041】
しかしながら、このような場合には専用の製造ラインで組み立てる場合とは異なり、施工業者にて最終組み立て、組み付けが行われるため、光の利用効率を向上するために狭いクリアランスを設定した場合には、導光体と光源が接触しないよう組み立てなければならないため、作業性が悪いといった問題があった。
【0042】
この実施の形態5に示した誘導灯装置60の構成によれば、光源ユニットを組み付ける際にクリアランス以上の高さを有する突起部131、132によって表面実装型LED21と導光体10が接触することにより生じる表面実装型LED21の破損等の問題を確実に回避しつつ、光源ユニットを組み立てた際にライトガイド保持部31とライトガイド部14で発生する導光体を光源方向に移動する力によって所望のクリアランスを得ることができるため、薄型で光の利用効率が高く、表示品位の高い、組み立て性のよい誘導灯装置を得ることができる。
【符号の説明】
【0043】
10:導光体、 11:第一の主面、
12:第二の主面、 13:光入射主面、
131:突起部、 132:突起部、
14:ライトガイド部、 20:光源、
21:表面実装型LED、 211:光放射面、
22:LED実装基板、 23:コネクタ部、
30:光源ホルダ、 31:ライトガイド保持部、
40:表示ユニット、 41:表示素子、
411:誘導灯図柄、 42:表示ユニット筐体、
50:本体ユニット、 51:電源ユニット、
52:電源コネクタ、 53:電池設置部、
54:点検スイッチ、 55:天井取り付け部、
56:壁面取り付け部、 60:誘導灯装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々対向する第一および第二の主面を有し、前記第一および第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体と、前記光入射主面と対向して設置され、複数の発光素子で構成された光源と、前記光源を実装した基板と、前記基板の取り付け部を有する光源ホルダを備えた面状光源装置において、前記導光体の光入射主面側には、前記第一および第二の主面により規定される導光体主部より前記光入射主面側に厚く前記導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部を前記導光体主部と一体化して設け、前記導光体には前記基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、前記基板と前記光入射主面の最小距離を規定する突起部を設け、前記基板は長尺状をなし、前記導光体の突起部は前記基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられたことを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
光源ホルダには、ライトガイド部と対向する少なくとも一部に前記ライトガイド部の傾斜を利用して光源と光入射主面の距離を調整する機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項3】
光源ホルダに設けられた光源と光入射主面の距離を調整する機構は、ライトガイド部の第1のテーパー角と略等しいテーパー角の傾斜を有したライトガイド保持部で構成された請求項2に記載の面状光源装置。
【請求項4】
発光素子は表面実装型の発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項5】
導光体に設けられた突起部は、発光素子の光放射面と対向する位置を避けて設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項6】
光源に駆動電力を供給するための配線を接続するコネクタ部を基板上に設け、前記コネクタ部と対向する導光体の光入射主面の一部には、前記コネクタ部が接触するのを防ぐ切り欠き部を設けてなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項7】
第一および第二の主面により規定される導光体主部は、光入射主面側に厚く、反光入射主面側に薄くなる第2のテーパー角を有し、この第2のテーパー角はライトガイド部に設けられた第1のテーパー角よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項8】
導光体の光入射主面に微小な面粗し加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項9】
導光体の光入射主面に施された面粗し加工は、前記導光体の第一の主面と垂直な軸に平行に形成された微小なプリズム列である請求項8に記載の面状光源装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の面状光源装置を表示素子の背面に設けた表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示装置において、導光体の第一または第二の平面と平行な面を有した誘導灯図柄を表示する表示素子を、前記導光体の出射面側に設けたことを特徴とする表示装置。
【請求項1】
各々対向する第一および第二の主面を有し、前記第一および第二の主面と略直交する側面に光入射主面が形成された導光体と、前記光入射主面と対向して設置され、複数の発光素子で構成された光源と、前記光源を実装した基板と、前記基板の取り付け部を有する光源ホルダを備えた面状光源装置において、前記導光体の光入射主面側には、前記第一および第二の主面により規定される導光体主部より前記光入射主面側に厚く前記導光体主部側に薄くなる第1のテーパー角を有したライトガイド部を前記導光体主部と一体化して設け、前記導光体には前記基板の光源が実装されていない領域と対向する位置に、前記基板と前記光入射主面の最小距離を規定する突起部を設け、前記基板は長尺状をなし、前記導光体の突起部は前記基板の長手方向の両端側の位置に接するように2つ設けられたことを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
光源ホルダには、ライトガイド部と対向する少なくとも一部に前記ライトガイド部の傾斜を利用して光源と光入射主面の距離を調整する機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項3】
光源ホルダに設けられた光源と光入射主面の距離を調整する機構は、ライトガイド部の第1のテーパー角と略等しいテーパー角の傾斜を有したライトガイド保持部で構成された請求項2に記載の面状光源装置。
【請求項4】
発光素子は表面実装型の発光ダイオード(LED)であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項5】
導光体に設けられた突起部は、発光素子の光放射面と対向する位置を避けて設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項6】
光源に駆動電力を供給するための配線を接続するコネクタ部を基板上に設け、前記コネクタ部と対向する導光体の光入射主面の一部には、前記コネクタ部が接触するのを防ぐ切り欠き部を設けてなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項7】
第一および第二の主面により規定される導光体主部は、光入射主面側に厚く、反光入射主面側に薄くなる第2のテーパー角を有し、この第2のテーパー角はライトガイド部に設けられた第1のテーパー角よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項8】
導光体の光入射主面に微小な面粗し加工が施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項9】
導光体の光入射主面に施された面粗し加工は、前記導光体の第一の主面と垂直な軸に平行に形成された微小なプリズム列である請求項8に記載の面状光源装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載の面状光源装置を表示素子の背面に設けた表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示装置において、導光体の第一または第二の平面と平行な面を有した誘導灯図柄を表示する表示素子を、前記導光体の出射面側に設けたことを特徴とする表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−182136(P2012−182136A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−72888(P2012−72888)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2008−40081(P2008−40081)の分割
【原出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【分割の表示】特願2008−40081(P2008−40081)の分割
【原出願日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]