説明

面状光源装置および表示装置

【課題】 光源基板に実装された点状光源が、外部から応力を受けた場合であっても、点状光源が破損または配置位置がずれることを防止し、組み立てのための作業などが発生することがない面状光源装置および表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 光源基板4の点状光源1の実装面4aであって、点状光源1に電源を供給する配線パターン12上には、金属で形成された金属部材5が形成されている。金属部材5は、点状光源1の実装面4aからの高さhよりも金属部材5の高さHが高くなるよう実装されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示素子等を背面より照射する面状光源装置およびこれを用いた表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示素子を背面より照射する面状光源装置には、光を出射する光源を筐体の側面に配置するサイドライト方式、または光源を筐体の底面に配置する直下型方式等がある。一般的なサイドライト方式の面状光源装置は、光源からの光を導光板の入射面から入射して伝播させ、筐体の開口部に配置した出射面から出射させている。光源には、冷陰極管などの線状光源または発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下LEDと称する)などの点状光源が用いられる。点状光源は通常、光源基板上に設けられた配線パターン上に実装され、配線パターンを介して電流を供給している。
【0003】
サイドライト方式の面状光源装置において、光源基板上に配置された点状光源が、他の部材と接触して破損または配置位置からずれてしまうことにより正常に電流が流れないなどの不具合が発生する場合がある。この問題を解決するために、特許文献1に開示された表示装置では、光源基板の背面に支持部材、前面に光源基板カバーを設けた光源装置を形成する表示装置が提案されている。また、特許文献2に開示された回路基板では、保護部品が実装された回路基板において、保護すべき電子部品よりも高さが高い電子部品を設ける構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−186780号公報
【特許文献2】特開2002−43715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された表示装置では、光源基板カバーが樹脂製であるため、外部から応力を受けた場合や光源装置をスライドして挿抜させる際に、他の部材と当接して破損してしまうことがあり、これにより、点状光源の破損または配置位置がずれてしてしまうという問題があった。また、光源基板カバーと光源基板を組み立てるための作業が発生していた。また、点状光源が配置位置からずれた場合等、点状光源に正常な電流が流れているかどうかの確認は目視検査以外ではできないという問題があった。また、特許文献2に記載された回路基板では、保護部材が電子部品で構成されているため、外部からの応力等が加わると、電子部品が破損してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、光源基板に実装された点状光源が、外部から応力を受けた場合や光源装置をスライドして挿抜させる際に、点状光源が破損または配置位置がずれることを防止し、組み立てのための作業などが発生することがない面状光源装置および表示装置を提供することを目的とする。また、点状光源に正常な電流が流れているかどうかを簡単に確認することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置および面状光源装置は、複数の点状光源、点状光源が実装され、点状光源に電源を供給する配線パターンを有する光源基板、光源基板の点状光源の実装面に配置された金属部材、を含む光源装置と、光源装置を側面に配置し、光源装置からの光を側面から入射し、出射面から出射させる導光板と、側部および底部を備え、導光板を収納し、光源装置を側部に沿って配置する第1のフレームと、第1のフレームに係合される第2のフレームと、を備え、第1のフレームおよび第2のフレームの側面にそれぞれ設けられた開口部から、光源装置を挿抜可能な面状光源装置であって、金属部材は、光源基板の配線パターンに接続して形成され、かつ光源基板の実装面からの高さが、点状光源の光源基板の実装面からの高さよりも高く形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の構成によれば、光源基板に実装された点状光源が外部からの応力を受けた場合もしくは点状光源をスライドさせて挿入する場合に、点状光源が導光板等に当接されて、光源基板の実装面から外れることや、点状光源および導光板が破損することを防止することができる。また、点状光源に正常な電流が流れるかどうかを容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の表示装置の分解斜視図である。
【図2】図1の表示装置を組み立てた状態で、A−A方向からみた断面図である。
【図3】本発明に用いられる光源基板の側面図である。
【図4】本発明の面状光源装置の要部拡大図である。
【図5】本発明の面状光源装置の要部拡大図である。
【図6】本発明に用いられる光源基板の配線図である。
【図7】本発明に用いられる金属部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の表示装置の分解斜視図を図1に、図1の表示装置を組み立てた状態で、A−A方向からみた断面図を図2に示す。図1および図2において同一符号を用いたものは実質的に同様の構成を示す。図1、図2において、本発明の表示装置33は、光を出射する点状光源1からの光を面状に伝播させる導光板2を備え、導光板2の一側面である入射面2aに、点状光源1を対向配置させる。入射面2aから入射した点状光源1の光は、導光板2内を伝播して、導光板2の出射面2bから出射される。導光板2の反出射面2c側には反射シート3が設けられ、導光板2から漏れた光を再び反射して導光板2に戻す。点状光源1は、光源基板4の実装面4aに所定の間隔で実装され、実装面4aと反対の面には支持部材6が固定されている。光源基板4の実装面4aであって、光源基板4の長手方向の端部には、後述する金属部材5を配置させている。また、光源基板4と支持部材6間には、両面接着剤(図示せず)などの粘着材を配置して、支持部材6を固定しており、光源装置31を構成している。光源装置31、導光板2および反射シート3は、底部7aおよび側部7bを備える下フレーム7に収納され、上部に開口部8aを備えた上フレーム8と嵌合させて面状光源装置32を形成している。なお、光源装置31を面状光源装置32内に配置する際は、面状光源装置32の上フレーム8および下フレーム7の側部に設けた開口部8b、7dよりスライドして挿入させ、下フレーム7の側部7bに配置する。また、面状光源装置32の上フレーム8の上部には、外部からの信号等を表示する表示素子9を配置して、開口部10aを備えたフロントフレーム10と面状光源装置32とを係合させて表示装置33を形成している。
【0011】
点状光源1は、LED以外にレーザーダイオード(Laser Diode)などを用いることができる。さらに、LEDには、青色等の単色を発光する半導体発光素子や、半導体発光素子から発せられる青色光の一部を吸収し黄色の光を発する蛍光体からなる擬似白色LED等を用いる場合がある。また、LEDには、RED(赤)、GREEN(緑)、BLUE(青)の素子を備えて、3つの単色光に合成光で白色光を発するLEDを用いる場合があるが、本実施の形態では擬似白色LEDを点状光源1として使用した。
【0012】
図3に光源基板4の側面図を示す。図3に示すように、金属部材5は、金属で形成され、光源基板4の実装面4aであって、長手方向の両端部に配置される。また、金属部材5は、点状光源1の実装面4aからの高さhよりも金属部材5の高さHが高くなるよう実装されている。
【0013】
次に、光源装置31を面状光源装置32に配置する方法を説明する。図4、図5は、面状光源装置32の要部拡大図であり、これを用いて、面状光源装置32に光源装置31を配置する方法を説明する。まず、図4に示すように、光源装置31を面状光源装置32に配置する際、下フレーム7および上フレーム8側部にそれぞれ設けられた開口部7d、8bから光源装置31を挿入する。開口部7d、8bから挿入する時、光源基板4上に設けられた金属部材5により、光源基板4と導光板2(図示せず)との間隔が保持される。次に、図5に示すように、光源装置31は、金属部材5により、光源基板4と導光板2との間隔を保持しながら、下フレーム7の側部7bに沿ってCの方向にスライドされ、フレーム7の側部7bに配置される。光源基板4に金属部材5が配置されているため、光源基板4と導光板2との間隔を確保しながら、光源装置31を面状光源装置32にスライドさせて配置することにより、点状光源1が導光板2等の他の部材に接触して、光源基板4の実装面4aから外れることや、点状光源1およびが破損することを防止することができる。また、点状光源1の実装面4aからの高さhよりも金属部材5の高さHが高い金属部材5を光源基板4の長手方向の両端部に形成させることで、光源装置31を面状光源装置32に配置した際、点状光源1と導光板2との距離を一定に保持することができる。
【0014】
次に、光源基板4上に配置した点状光源1に電源を供給する配線について、図を用いて説明する。図6に光源基板4の配線図を示す。光源基板4は、図6(a)、(b)に示すとおり、実装面4aに所定の間隔を保持して複数の点状光源1が配置されている。また、実装面4aには、点状光源1に電力を供給するための配線パターン12が形成されている。配線パターン12は、外部端子131と点状光源1のアノードAとを接続する入力側の配線パターン12a、点状光源1のカソードKと外部端子132とを接続する出力側の配線パターン12bおよび各点状光源1を接続する配線パターン12cからなる。アノードA側に接続されている外部端子131に電力が供給され、カソードK側に接続されている外部端子132をGND接続することで、点状光源1が点灯する。点状光源1の個数が多い場合は、図6(b)に示すように複数系列の配線12を配置する。なお、点状光源1は配線パターン12上に設けた接続パッド部(図示せず)に半田付けで固定され、配線パターン12と電気的に接続されている。
【0015】
また、図6に示すように、光源基板4の配線パターン12上には、金属部材5が形成されており、光源基板4の配線パターン12上に半田付けによって固定されている。金属部材5は、入力側の配線パターン12b上および出力側の配線パターン12c上にそれぞれ少なくとも1箇所ずつ、すなわち、少なくとも一対配置させる。このように、金属部材5は、点状光源1のアノードA側に接続されている配線パターン12aおよびカソードK側に接続されている配線パターン12bに形成されている。
【0016】
次に、点状光源1および配線パターン12の導通検査の方法について説明する。導通検査は、光源基板4の長手方向の両端部に配置した金属部材5に検査器14のプローブ141を接触させ電力を供給し、抵抗値を測定する。測定結果により、点状光源1および配線パターン12の接続が確実であるか、点状光源1の寿命の確認等、点状光源1および配線パターン12に異常がないかの確認を行う。本実施の形態においては、同一の配線パターン12上に金属部材5を一対配置させたが、同一の配線パターン12上であって、点状光源1間に金属部材5をさらに備えることで、金属部材5間に配置される点状光源1の導通検査を行うことが可能となる。金属部材5は、導通検査が必要な箇所に適宜配置することができる。また、金属部材5は、光源基板4の実装面4aに点状光源1を実装する工程と同時に半田付けすることができるため、工程数を増加させることなく実装することができる。なお、金属部材5は、汎用の金属製表面実装用検査用パッド部材を用いることが出来、専用部品を作成する必要がないため、部品費用を抑えることができる。
【0017】
上記説明したとおり、本実施の形態1の構成によれば、光源基板4の実装面4aからの高さHを点状光源1の実装面4aからの高さhより高い金属部材5を光源基板4の実装面4a形成させることにより、光源基板4を面状光源装置32に配置した際、金属部材5により光源基板4と導光板2とを所定距離を保つことができるため、外部応力などによる導光板2の動きを規制して、点状光源1が破損することを防止することができる。また、光源装置31を下フレーム7の側部7bに沿ってスライドさせて面状光源装置32に配置させる際、点状光源1が導光板2などの部材と接触することを防止して、点状光源1が破損することを防止できる。さらに、金属部材5は光源基板4の配線パターン12と接続して形成させているため、配線パターン12の導通検査を行い、点状光源1および配線パターン12の接続が確実であるかを確認することにより、点状光源1に正常な電流が流れるかどうかを容易に確認することができる。金属部材5は金属材料であるため、外部応力からの破損を防止して、安定して光源基板4と導光板2との間隔を保つことができる。
【0018】
なお、金属部材5は光源基板4の長手方向の両端部以外の点状光源1間にさらに備える場合は、金属部材5の表面を鏡面加工し、点状光源1からの光を効率よく導光板2の入射面2aに反射させる。
【0019】
図7に本発明に用いられる金属部材の側面図を示す。金属部材5は、光源基板4の実装面4aからの高さが点状光源1の高さhよりも高くなるように形成されていればよく、形状については上記説明した範囲を逸脱しない範囲で変更可能である。金属部材5は円柱形状としたが、図7に示すように、上部5aを面取り加工することや、半球状とすることも可能である。このような構成の金属部材5を用いることにより、金属部材5の上部5aと導光板2の入射面2aとが接触した場合であっても、導光板2が傷つくことを防止することができる。
【0020】
なお、光源基板4には、メタルコア(Metal Core)基板を用いると、実装される点状光源1から発せられる熱を効率よく周囲に伝えることができる。また、光源基板4に厚さの薄いFPC(Flexible Printing Circuit)を用いると、点状光源1からの熱をさらに効率よく周囲に伝えることが出来る。
【符号の説明】
【0021】
1 点状光源、2 導光板、3 反射シート、4 光源基板、 5 金属部材、
6 支持部材、7 下フレーム、8 上フレーム、9 表示パネル、10 フロントフレーム、12 配線パターン、31 光源装置、32 面状光源装置、33 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する複数の点状光源、
前記点状光源が実装され、前記点状光源に電源を供給する配線パターンを有する光源基板、
前記光源基板の前記点状光源の実装面に配置された金属部材、を含む光源装置と、
前記光源装置を側面に配置し、前記光源装置からの光を前記側面から入射し、出射面から出射させる導光板と、
側部および底部を備え、前記導光板を収納し、前記光源装置を前記側部に沿って配置する第1のフレームと、
前記第1のフレームに係合される第2のフレームと、を備え、
前記第1のフレームおよび前記第2のフレームの側面にそれぞれ設けられた開口部から、前記光源装置を挿抜可能な面状光源装置であって、
前記金属部材は、前記光源基板の配線パターンに接続して形成され、かつ前記光源基板の実装面からの高さが、前記点状光源の前記光源基板の実装面からの高さよりも高く形成されたことを特徴とする面状光源装置。
【請求項2】
前記金属部材は、前記光源基板の長手方向における両端部に、それぞれ1つずつ形成されることを特徴とする請求項1に記載の面状光源装置。
【請求項3】
前記金属部材は、前記複数の点状光源間に形成されることを特徴とする請求項1または2記載の面状光源装置。
【請求項4】
前記金属部材は、前記光源基板上の前記配線パターンの電気的導通を判定することで、
前記点状光源の導通を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面状光源装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面状光源装置と対向する位置に、表示素子を配置する、表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−79657(P2012−79657A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226529(P2010−226529)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】