説明

面状発熱体用基材及びその製造方法

【課題】面状発熱体用基材として取り扱いにくく導電性加工に耐えないような、極めて薄くかつ織密度の小さいメッシュ織物のような布帛を安定に得る。
【解決手段】綿糸、麻糸、レーヨン糸又はこれらの混紡糸とポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ビニロン系繊維又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸との混繊糸を用い、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物とし、織成後直ちにテンションを掛けながら熱処理して形態安定化することを特徴とする面状発熱体用基材の製造方法であり、第2中間ロール13と第3中間ロール14との間に平面ヒータ16とカバープレート17を設けて、その間でメッシュ織物2に熱処理を加えてメッシュのずれを防止するとともに織物自体の形態を安定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床暖房システムやハウス栽培用暖房システムその他の保温、暖房機器に好適な面状発熱体基材として有用なメッシュ織物としての形態安定化した面状発熱体用基材及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年になって、家屋の床暖房用面状発熱体その他の暖房発熱体として、約80℃以下の温度領域において自己温度調節特性(PTC特性:電気抵抗の正温度係数の略であり、温度上昇につれて電気抵抗が大きくなり、ある温度で平衡に達する性質)を有するいわゆるPTC面状発熱体が広く利用されている。
【0003】
これまでのPTC面状発熱体は、カーボン粒子をある種の熱可塑性高分子やパラフィン類に分散させた組成物を絶縁性基板上に塗布または印刷により薄い被膜を形成させたものが主流であったが、最近になって絶縁性基板、例えばポリエステル樹脂シートの基板に代えて布帛や不織布が用いられるようになってきた。その理由は、PTC塗料の量を少なくするとともに塗料のロスを無くすることにより、製品歩留まりを高くするためと、更に製品の完成までに要する時間を短くすることが可能なPTC特性を有する面状発熱体を提供することにあり、たとえば特許文献1にその記載がみられる。これは、面布のなかに導電性の糸を格子状あるいはストライプ状に織り込んだものである。
【0004】
また、特許文献2には、布帛や不織布をPTC面状発熱体基材とし、新規なPTC導電性塗料を提供することで、優れた柔軟性及び80℃において極めて高い耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、極めて高いPTC倍率と低い初期電気抵抗とを兼備し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体が得られる、との記載がある。ここで用いられている布帛はたとえば、約1mmの間隔で整経したポリエステル/綿混紡糸(20/2メートル番手)であって、比較的密なメッシュ織物で、かつ20番手の太い糸であるから、織物自体が安定しており、後加工に問題のないものである。
【0005】
具体的には、PTC導電性塗料は、グラファイト或いはいはカーボンブラック、パラフィン、熱可塑性エラストマと結晶性熱可塑性樹脂とを含む樹脂成分、及び溶剤からなる。グラファイト或いはカーボンブラックが導電性付与材であり、パラフィンがPTC付与材であり、そして熱可塑性エラストマと結晶性熱可塑性樹脂とは樹脂成分であって、いわゆる構造材としての機能を果たし、これらが固形成分である。かかる固形成分と溶剤との比を固溶比という。PTC特性を有する発熱部を用いることにより、発熱部の温度が上昇していわゆる温度暴走や局部過熱を起こすことを防止することが可能となり、患者等の安全を確保できるとともに、温度の安定性を確保できるとされている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−52902公報([0022],図1,図2)
【特許文献2】特開2005−150663公報([0007],[0023],図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、布帛を基材にした場合に得られる面状発熱体の優れた柔軟性及び40〜80℃付近においても極めて高い耐熱安定性を有し、使用による経時変化が極めて少なく、優秀なPTC特性と低い初期電気抵抗とを兼備し、かつ形態安定性の良好な面状発熱体を提供しうる新規なPTC面状発熱体用基材の開発にある。
【0008】
その目的のために、種々のメッシュ織物につき検討したが、メッシュ織物を薄くすればするほど、また、目を粗くすればするほど形態安定性が低くなって、基材として取り扱いにくく使用に耐えないものしか得られないことが判明し、自ずと織物の形態、特に厚みや織密度に限界があった。
【0009】
本発明は、このような限界を打破し、極めて薄くかつ織密度の小さいメッシュ織物のような布帛を安定に得ることに検討を加えた結果完成したものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、天然繊維と合成繊維の混紡糸のメッシュ織物で、その両耳部に導電糸を織込んでなる面状発熱体用基材であって、織成後直ちに熱処理して形態安定化してなる面状発熱体用基材である。面状発熱体用基材は巻き取ってロール巻製品とするか、あるいは所定間隔に切断してシート状の製品とする。
【0011】
ここで用いる天然繊維は、綿糸、麻糸、レーヨン糸の単独又はこれらの混紡糸であり、合成繊維は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ビニロン系繊維又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸、又は混繊糸である。混紡糸の太さは25〜100番手、好ましくは30〜80番手のものを用い、織込み密度が約2〜12mm、好ましくは2.5〜10mmの範囲であり、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物出ある。
【0012】
導電糸は、銅線又は合成繊維に銅箔テープを巻き付けたものである。具体的には、従来から用いられている、110dtex/fのポリエステルフィラメント糸の表面に幅約0.3mmの銅箔を巻いたカバーリング糸からなる導電糸を電極として用いる。
【0013】
熱処理は本発明では必須であり、混紡糸中の合成繊維の熱溶融温度近傍の温度で、80〜250℃で、120〜10秒間程度行うことで、ヒートセットできて基材として安定化し、後の導電処理が容易となる面状発熱体用基材が得られる。
【0014】
メッシュ織物の材料は、前述のように綿糸、麻糸、レーヨン糸又はこれらの混紡糸とポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ビニロン系繊維又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸との混繊糸で製造する。織成に際しては、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物とし、織成後直ちにテンションを掛けながら熱処理して形態安定化する面状発熱体用基材の製造方法である。
【0015】
このなかでも特に、天然繊維に綿糸をポリアミド系繊維に低融点ナイロンを用いた混紡糸の太さ25〜100番手、好ましくは30〜80番手のものを用い、これを織込み密度が約2〜12mm、好ましくは2.5〜10mmの範囲であり、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物とし、織成後直ちにテンションを掛けながら120〜250℃、好ましくは140〜190℃で熱処理して形態安定化する面状発熱体用基材の製造方法によって、後処理に良好な結果をもたらす。
【発明の効果】
【0016】
本発明の面状発熱体用基材は、天然繊維を主体とすることによりカーボンをベースとした発熱体の担持性が良好となり、かつ、低融点ナイロン等の合成繊維との混紡で熱処理による形態安定化が促進される。混紡糸に25番手以上の細番手の糸で、メッシュを粗くしたものは、基材の厚みを薄く、発熱体の使用量を少なくする効果がある。その結果、床暖房用として使用した場合、床材の温度を所定値に保持するための電力密度が後の実施例で明らかなように極めて小さくなり、省電力型のヒータとなる。その結果、ヒータの耐久性も約3倍程度に向上することが予想される。また、メッシュ織物の織密度を変えてもPTC特性はほとんど変わらず、遠赤外線効果はむしろ高められることが判明した。しかも、メッシュが粗いため光透過性の良好なシートとなって、温室用の透明な保温シートとしても好適なものが得られる。このような面状発熱体用基材は、後処理工程が困難なためこれまで製造された例が見当たらなく、本発明の製造方法によって初めて達成され、その性能も明らかになったのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面によって本発明の面状発熱体用基材を具体的に説明する。図1は面状発熱体用基材の一部を示す平面図、図2は面状発熱体用基材の製造方法に使用する装置の概略を示す平面図であり、図3は同側面図である。図4及び図5は更にメッシュの粗い面状発熱体用基材の一部を示す平面図である。
【0018】
本発明にかかる面状発熱体用基材1の典型的構造を示すのが図1である。図1において、面状発熱体用基材1はメッシュ織物2であり、織物の両側の耳部3の付近に平行して電極4が織込まれている。通常、織幅(W)100〜300mmの発熱シートの両端部に電極4が設けられている。そして2本の電源線が電極4に接続される。
【0019】
図2、図3に本発明の面状発熱体用基材の製造方法に使用する装置の概略を示しており、織機11で織り上げたメッシュ織物2は、3本の第1〜第3中間ロール12,13,14から製品引取りロール15へ巻き取って面状発熱体用基材のロール巻製品5とする。このロール巻製品5は縦糸の太さが20番手程度であると織物の形態安定性は良好で、後加工に支障はないが、これより細くなって、40番手の糸になると皺がよりやすく、もはや発熱体処理が困難になる。そこで、本発明では図に示すように、第2中間ロール13と第3中間ロール14との間に平面ヒータ16とカバープレート17を設けて、その間でメッシュ織物2に熱処理を加えてメッシュのずれを防止するとともに織物自体の形態を安定させるようにした。
【0020】
以下に、この装置による本発明の導電処理が容易となる面状発熱体用基材とその製造方法について具体的実施例の説明をする。
【0021】
実施例1
織密度約2.5mm(1インチ当り10本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部に良導電性線条物として110dtex/fのポリエステルフィラメント糸の表面に幅約0.3mmの銅箔を巻いたカバーリング糸5本を引き揃えて電極として配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約2.5mm間隔で打ち込んで220mm幅の目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら180℃、20秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Aを得た。
【0022】
実施例2
織密度約3.5mm(1インチ当り7本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約3.5mm間隔で打ち込んで220mm幅の実施例1より更に目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら190℃、20秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Bを得た。
【0023】
実施例3
織密度約4.5mm(1インチ当り5.5本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約4.5mm間隔で打ち込んで220mm幅の実施例1,2より更に目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら170℃、25秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Cを得た。
【0024】
実施例4
織密度約7mm(1インチ当り3.5本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約7mm間隔で打ち込んで220mm幅の実施例1〜3より更に目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら220℃、25秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Dを得た。
【0025】
実施例5
織密度約10mm(1インチ当り2.5本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約10mm間隔で打ち込んで220mm幅の実施例1〜3より更に目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら250℃、25秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Eを得た。
【0026】
実施例6
広幅100cmの織幅となるよう実施例1と同様に織密度約2.5mm(1インチ当り10本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)の両耳部と中間に3箇所に実施例1と同様の電極を250mm間隔に配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約2.5mm間隔で打ち込んで実施例1と同様の織密度の広幅メッシュ織物とした。この広幅メッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら180℃、20秒間で熱処理して広幅であっても形態の安定化した面状発熱体用基材Fを得た。
【0027】
実施例7
織密度約2.5mm(1インチ当り10本)の間隔で整経した低融点ナイロン/綿混紡糸(60/3メートル番手)の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/綿混紡糸(60/3メートル番手)を用いて約2.5mm間隔で打ち込んで220mm幅の目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら180℃、20秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Gを得た。
【0028】
実施例8
織密度約2.5mm(1インチ当り10本)の間隔で整経した低融点ナイロン/麻混紡糸(40/2メートル番))の両耳部に実施例1と同様の電極を配置し、緯糸に低融点ナイロン/麻混紡糸(40/2メートル番手)を用いて約2.5mm間隔で打ち込んで220mm幅の目の粗いメッシュ織物とした。このメッシュ織物を織成した織機に続いて熱処理装置を配置し、織成後直ちにテンションを掛けながら180℃、20秒間で熱処理して形態安定化した面状発熱体用基材Hを得た。
【0029】
比較例1
約1mmの間隔で整経したポリエステル/綿混紡糸(20/2メートル番手)の中に良導電性線条物として110dtex/fのポリエステルフィラメント糸の表面に幅約0.3mmの銅箔を巻いたカバーリング糸5本を引き揃えて約250mm毎に5本の電極を配置し、緯糸にポリエステル/綿混紡糸(20/2メートル番手)を用いて約1mm間隔で打ち込んで幅約500mm、長さ600mmの比較的目の細かいメッシュ織物基材Iを形成した。このものは、比較的密なメッシュ織物で、かつ20番手の太い糸であるから、織物自体が安定しており、本発明の形態安定化処理をしなくとも後加工に問題のないものであった。
【0030】
PTC導電性加工
実施例1〜8及び比較例1で得られた織物に発熱体溶液を含浸して、軽くロールで絞った後、加熱乾燥した。PTC導電性の面状発熱体を得た。発熱体溶液は、カーボンブラックをエチレン/プロピレン/スチレン共重合体エラストマー、融点90℃のパラフィンをMEK/キシレン=20/80の混合溶媒に分散溶解の成分からなる従来公知のものである。
【0031】
発熱体の性能比較
本発明の実施例1〜8、比較例1のメッシュ織物基材に上記の発熱体溶液を用いてPTC導電性加工を施した実施例試料A、B、C及びDと比較例試料Iに加えて市販のPTC面状発熱体(J、K)、同じく市販のPTC特性を有しない試料(L)及び通常のニクロム線ヒータ(M)につき、表面温度を40℃に保持するに必要な電力密度(Wd:W/m)を比較した。測定室温25℃に設定し、発熱体シートに対し変圧器で昇温しながら試料が40℃を保持し続ける電力を測定し、ニクロム線ヒータ(M)の電力密度を1とした場合の比率を示した。結果を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
表1の結果から、本発明の面状発熱体用基材を用いたものは、例えば上記の表面温度を40℃に保持するに必要な電力密度の比率での対比において、ニクロム線ヒータの約10分の1、従来の市販PTCヒータに比べても約3分の1の小さい電力密度で安定した保温効果が得られることが明らかとなり、PTCヒータの応用分野の更なる拡大が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】面状発熱体用基材の一部を示す平面図である。
【図2】面状発熱体用基材の製造方法に使用する装置の概略を示す平面図である。
【図3】面状発熱体用基材の製造方法に使用する装置の概略を示す側面図である。
【図4】目の粗いメッシュ状面状発熱体用基材の一部を示す平面図である。
【図5】更に目の粗いメッシュ状面状発熱体用基材の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 面状発熱体用基材
2 メッシュ織物
3 耳部
4 電極
5 ロール巻製品
11 織機
12 第1中間ロール
13 第2中間ロール
14 第3中間ロール
15 製品引取りロール
16 平面ヒータ
17 カバープレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然繊維と合成繊維の混防止のメッシュ織物で、その両耳部に導電糸を織込んでなる面状発熱体用基材であって、織成後直ちに熱処理して形態安定化してなる面状発熱体用基材。
【請求項2】
天然繊維は、綿糸、麻糸、レーヨン糸の単独又はこれらの混紡糸である請求項1記載の面状発熱体用基材。
【請求項3】
合成繊維は、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ビニロン系繊維又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸、又は混繊糸である請求項1記載の面状発熱体用基材。
【請求項4】
導電糸は、銅線又は合成繊維若しくは天然繊維に銅箔テープを巻き付けたものである請求項1記載の面状発熱体用基材。
【請求項5】
熱処理は、混紡糸中の合成繊維の熱溶融温度近傍の温度である80〜250℃で、120〜10秒間行う請求項1記載の面状発熱体用基材。
【請求項6】
綿糸、麻糸、レーヨン糸又はこれらの混紡糸とポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ビニロン系繊維又はこれらのうち少なくとも1種を含む紡績糸との混繊糸を用い、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物とし、織成後直ちにテンションを掛けながら熱処理して形態安定化することを特徴とする面状発熱体用基材の製造方法。
【請求項7】
天然繊維に綿糸を用い、ポリアミド系繊維に低融点ナイロンを用いた太さ25〜100番手混紡糸を、織込み密度が2〜12mmで、その両耳部に導電糸を織込んだメッシュ織物とし、織成後直ちにテンションを掛けながら120〜250℃で熱処理して形態安定化する請求項1記載の面状発熱体用基材の製造方法。

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図1】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−71714(P2008−71714A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−251609(P2006−251609)
【出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(506314586)西原織物株式会社 (1)
【Fターム(参考)】