面発光素子および画像読み取り装置
【課題】本発明は、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子およびこれを用いた画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】帯状に設けられた発光層と、発光層を支持し、発光層が放出する光に対して透明な基板と、発光層と基板との間に設けられ、発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、発光層の長手方向に沿って設けられ、第1電極に電気的に接続された接続パッドと、第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、を備えた面発光素子が提供される。
【解決手段】帯状に設けられた発光層と、発光層を支持し、発光層が放出する光に対して透明な基板と、発光層と基板との間に設けられ、発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、発光層の長手方向に沿って設けられ、第1電極に電気的に接続された接続パッドと、第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、を備えた面発光素子が提供される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光素子および画像読み取り装置
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリなどに用いられる画像読み取り装置は、原稿を照明する光源と、原稿の文字や絵を画像として取り込むイメージセンサと、を備えている。画像読み取り装置の光源は、原稿を帯状に照明する線光源であり、例えば、キセノン蛍光ランプやLEDアレーが用いられてきた。
【0003】
キセノン蛍光ランプは、高輝度で安価な光源であり広く用いられているが、発熱が大きいという難点がある。LEDアレーは、複数のLED(Light Emitting Diode)を一次元配置した光源であり、高コストである。そして、個々のLEDの照明深度や照度偏差の調整が難しい。そこで、これらを解決できる新たな光源として、有機EL(Electro-Luminescence)素子が検討されている。
【0004】
有機EL素子は、任意形状の発光面を形成できる面発光素子であり、照明深度および照度偏差の調整を必要としない。さらに、発熱が小さいことから装置の小型化に適している。しかしながら、有機EL素子は、キセノン蛍光ランプやLEDアレーに比べて輝度が低く、さらに、発光面が広くなると輝度分布が不均一になり易いという課題がある。そこで、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−13913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子およびこれを用いた画像読み取り装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、帯状に設けられた発光層と、前記発光層を支持し、前記発光層が放出する光に対して透明な基板と、前記発光層と前記基板との間に設けられ、前記発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極に電気的に接続された接続パッドと、前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、を備えたことを特徴とする面発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子およびこれを用いた画像読み取り装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る面発光素子の製造過程を模式的に示す平面図である。
【図3】図2に続く製造過程を模式的に示す平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る面発光素子の輝度分布の計算結果を示すグラフである。
【図5】第1の実施形態に係る面発光素子の輝度分布を示すグラフである。
【図6】第1の実施形態に係る面発光素子の照度を示すグラフである。
【図7】第1の実施形態の変形例に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像読み取り装置の構造を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像読み取り装置の断面構造を示す模式図である。
【図11】第2の実施形態に係る画像読み取り装置の照度分布を示すグラフである。
【図12】(a)は、第3の実施形態に係る面発光素子を模式的に示す平面図であり、(b)は、第3の実施形態に係る面発光素子の発光状態、(c)は、比較例に係る面発光素子の発光状態を示す写真である。
【図13】第4の実施形態に係る面発光素子を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、図面中の同一部分には同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について適宜説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る面発光素子100の構造を示す模式図である。図1(a)は、面発光素子100の素子面を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すIb−Ib断面の構造を示し、図1(c)は、Ic−Ic断面の構造を示している。
【0012】
面発光素子100は、基板2の第1主面2aの上に設けられた発光層3と、発光層3に電流を供給する第1電極である透明電極4と、第2電極である反射電極5と、を備えている。以下、基板2の第1主面2aを、素子面2aと称する。
【0013】
図1(a)には、反射電極5と、透明電極4に電気的につながった接続パッド6と、が示されている。そして、反射電極5の両端には、接続パッド9が設けられている。接続パッド6および9は、発光層3への電流供給端子であり、外部の電源回路に接続される。
【0014】
図1(b)に示すように、反射電極5は、発光層3を覆って設けられ、発光層3に電気的に接続している。
発光層3は、基板2の上に透明電極4を介して設けられている。発光層3は、例えば、有機EL膜であり、基板2に支持される。基板2には、発光層3が放出する発光光に対して透明な素材を用いる。例えば、白色光を放出する発光層3に対しては、ガラス基板を用いることができる。透明電極4も発光層3が放出する発光光に対して透明であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。
【0015】
なお、本願明細書において「透明」とは、光の透過率が100パーセントのものに限定されず、いわゆる半透明、すなわち透過率が100パーセントよりも低いが入射光の少なくとも一部を透過するものも含むものとする。
【0016】
透明電極4に用いる素材は、金属よりも抵抗率が高い。例えば、ITOの場合、比抵抗は約140μΩcmであり、アルミニウム(Al)の4μΩcmに比べて2桁高い。このため、発光層3の面積が広い場合、透明電極4を介して発光層3に注入される電流が十分に広がらず、均一な発光が得られないことがある。そこで、発光層3の長手方向に延在する補助電極7を透明電極4の上に設けている(図2(b)参照)。
【0017】
透明電極4と反射電極5との間は、絶縁層8により電気的に絶縁されている。絶縁層8には、例えば、ポリイミド膜を用いることができる。
【0018】
図1(c)に示すIc−Ic断面では、反射電極5は、素子面2aに設けられた接続パッド9の上まで延在している。接続パッド9は、絶縁層8により透明電極4と絶縁されている。そして、接続パッド6と接続パッド9とを介して発光層3に電流を流すことにより、発光層3から発光光を放出させることができる。
【0019】
図1(b)および図1(c)に示すように、発光層3から放出された発光光は、透明電極4および基板2を透過して伝播し、基板2の第2主面2bから外部に放出される。以下、基板2の第2主面2bを発光面2bと称する。
【0020】
さらに、発光層3から反射電極5の方向に伝播する発光光は、反射電極5と発光層3との間の界面で反射されて透明電極4の方向に伝播し、透明電極4および基板2を透過して発光面2bから外部へ放出される。
反射電極5には、例えば、白色光に対して高い反射率を有するAlを含む金属膜を用いることができる。
【0021】
次に、図2および図3を参照して面発光素子100の製造方法を説明する。
図2(a)は、基板2の素子面2aに透明電極4が設けられた状態を示す平面図である。透明電極4は、発光層3に接触する透明部4aと、接続パッド6が設けられるパッド部4bと、を有している。
【0022】
透明電極4は、例えば、ITOであり、スパッタ法または真空蒸着法を用いて形成することができる。基板2には、例えば、アルカリガラス(屈折率1.52)を含むガラス基板を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明樹脂を用いても良い。
【0023】
図2(b)は、接続パッド6および9、さらに、補助電極7が設けられた状態を示す。接続パッド6は、透明電極4のパッド部4bの上に設けられ、透明部4aと電気的に接続している。補助電極7は、透明電極4に電気的に接続し、発光層3が設けられる透明部4aの延在方向に設けることができる。
【0024】
接続パッド6、9および補助電極7は、例えば、透明電極4よりも抵抗率の低いAlを用いて形成することができる。さらに、発光層3が設けられる透明部4aの両端と接続パッド6との間の抵抗を小さくするために、接続パッド6と接続パッド9との間隔Wを狭く設けることが望ましい。例えば、発光層3の長さ(長手方向の幅)の1%未満とすることができる。
【0025】
続いて、図2(c)に示すように、補助電極7を覆い、透明部4aを囲んだ絶縁層8を形成する。絶縁層8には、例えば、ポリイミド膜を用いることができる。
【0026】
次に、図3(a)に示すように、透明部4aを覆う帯状の発光層3を形成する。発光層3には、例えば、白色光を発光する有機EL膜を用いる。
続いて、図3(b)に示すように、発光層3および絶縁層8、接続パッド9を覆う反射電極5を形成する。反射電極5には、例えば、発光層3の側からフッ化リチウム(LiF)とAlとを順に積層した積層膜を用いることができる。
【0027】
さらに、例えば、ガラスまたはステンレスからなるキャップを素子面2aに被せ、発光層3を含む積層体を気密封止する。この際、発光層3と外部回路との間の電気的な接続を確保するために、接続パッド6および9の一部を露出させる。これにより、外気中の水分および酸素などの影響による発光層3の劣化を防ぐことができる。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施形態に係る面発光素子100では、透明電極4に電気的に接続された接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿った一方の辺から外側の基板2の表面に延在するように設けられる。そして、接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿った帯状に形成される。
【0029】
次に、図4および図5を参照して、面発光素子100の輝度分布について説明する。
【0030】
図4(a)は、面発光素子100および比較例に係る面発光素子150の輝度分布の計算結果を示すグラフである。横軸に発光位置、縦軸に相対輝度を示している。グラフ中に示す相対輝度は、接続パッド6と発光点との間の抵抗値に基づいて計算されたものである。
図4(b)および図4(c)は、発光面2bの側から見た面発光素子100および150を模式的に示しており、両図中の番号は、それぞれ発光点の位置を示している。
【0031】
図4(a)中のグラフAは、面発光素子100の輝度分布を示している。面発光素子100は、グラフAに示すように均一に発光する。
一方、図4(a)中のグラフBは、面発光素子150の輝度分布を示している。同図中に示すように、面発光素子150では、発光点(1)から発光点(6)へと徐々に輝度が低下する。
【0032】
面発光素子150では、図4(c)に示すように、発光層3の長手方向の一方の端に接続パッド6が設けられており、発光点の輝度は、接続パッド6から離れるほど低下する。
すなわち、接続パッド6と発光点との間隔が広くなるほど、その間の抵抗が高くなり、電流の供給口である接続パッド6と発光点との間の電圧降下が大きくなる。そして、発光層3に印加される電圧が低下し、発光層3に流れる電流が減少して輝度が低下する。結果として、面発光素子150は、接続パッド6からの間隔が広い発光点ほど輝度が低下する。
【0033】
面発光素子150では、反射電極5につながった接続パッド9も発光層の長手方向の端に設けられている。反射電極5は、透明電極4よりも抵抗率が低いAlを含んでいるため、発光点と接続パッド9との間の間隔が変化しても、その間の抵抗値の変化は小さく輝度分布に与える影響は小さい。したがって、上記の通り接続パッド6と発光点との間の距離が輝度分布に影響する。
【0034】
一方、図4(b)に示すように、面発光素子100では、接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿って帯状に設けられている。このため、接続パッド6と、それぞれの発光点(1)〜(6)と、の間の距離が短く、差も小さい。さらに、接続パッド6は、抵抗率の低いAl等の金属を含んでおり、接続パッド6のシート抵抗は、透明電極4のシート抵抗よりも低い。したがって、各発光点(1)〜(6)と接続パッド6との間の抵抗差も小さく輝度分布を均一にすることができる。
【0035】
図5は、面発光素子100および150の輝度分布の測定結果を示すグラフである。同図中のAは、面発光素子100の輝度分布、Bは、面発光素子150の輝度分布を示している。
【0036】
輝度分布A、Bは、共に中央の発光点(4)において輝度が低下する分布を示している。これは、面発光素子100および150の双方の発光層3において、中央部が厚く形成された効果が重畳されているためである。すなわち、有機EL膜が厚く形成された部分の抵抗が高くなり、その部分に流れる電流が減少し輝度が低下しているためである。
【0037】
面発光素子150では、接続パッド6に近い発光点(1)において最も高い輝度を示している。そして、発光点(2)〜(4)の範囲において、接続パッド6から離れるにしたがって輝度が低下している。一方、面発光素子100では、発光点(1)と(6)の相対輝度が同じであり、中央の発光点(3)および(4)において輝度が低下している。これは、発光層3の膜厚分布を反映しているものと考えられ、その輝度の変化は、面発光素子150よりも小さい。
【0038】
結果として、図4に示す計算結果とは異なる輝度分布となっているが、図5に示す輝度分布の測定結果は、面発光素子100の方が均一に発光していることを示している。
【0039】
図6は、面発光素子100および150の照度を印加電圧に対して示したグラフである。同図中に示すAは、面発光素子100の測定結果であり、Bは、面発光素子150の測定結果を示している。
【0040】
図6に示すように、面発光素子100では、印加電圧が9Vを越えたところから、照度の上昇率が高くなり、約40000Luxに達して素子破壊を起こした。一方、面発光素子150では照度の上昇率が小さく、12Vを印加したところで約4000Luxの発光を示し素子破壊を起こした。
【0041】
これは、面発光素子100において、接続パッド6と、各発光点(1)〜(6)と、の間の抵抗差が小さくなり、発光層3に流れる電流が均一化された効果を反映している。すなわち、発光層3の輝度分布の均一性の向上と、破壊耐圧の上昇と、により約10倍の高輝度化が実現している。
【0042】
上記の通り、本実施形態に係る面発光素子100では、接続パッド6を発光層3の長手方向に沿って帯状に設けることにより、輝度分布を均一にし高輝度で発光させることが可能となる。さらに、発光層3に流れる電流を均一化することにより、発光層3の寿命を伸ばし信頼度を向上させることができる。
【0043】
図7は、本実施形態の変形例に係る面発光素子110を模式的に示す平面図である。面発光素子110は、面発光素子100と同じように、基板2の素子面2aの上に積層された透明電極4および発光層3、反射電極5を備えている。
一方、図7に示すように、発光層3の長手方向に沿って3つの接続パッド6a、6bおよび6cが設けられている点で、面発光素子100と相違する。
【0044】
面発光素子110では、接続パッド6a、6bおよび6cのそれぞれが、外部回路の接続され、各接続パッドから同時に電流を供給することにより、発光層3を均一に高輝度で発光させることができる。
【0045】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る面発光素子100を備えた画像読み取り装置200について説明する。
【0046】
図8(a)は、面発光素子100の発光面2bの側から見た画像読み取り装置200を模式的に示す平面図である。
画像読み取り装置200では、2つの面発光素子100が、長手方向に沿った辺を向き合わせて配置されている。2つの面発光素子100の間には間隙が設けられ、その間隙の下方には、複数の受光素子21の受光面21aが配置されている。
【0047】
図8(b)は、図8(a)中のVIII−VIII断面の構造を示す模式図である。
画像読み取り装置200は、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる筐体23と、筐体23の上面に配置された2つの面発光素子100と、筐体23の底面側に配置された受光素子21と、を備えている。
【0048】
受光素子21には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサを用いることができる。受光素子21は、筐体23の底面に貼着された回路基板22に実装され、回路基板22と筐体23とに囲まれた空間24に配置されている。
【0049】
さらに、空間24の上には、面発光素子100と筐体23とに囲まれた空間26が設けられている。空間24と空間26との間には、光学レンズ25が配置されている。光学レンズ25には、例えば、ロッド状のプラスティックレンズを用いることができる。
【0050】
光学レンズ25の両側には、制御基板27が配置されている。そして、制御基板27と面発光素子100とをつなぐ配線28が、空間26の側壁に設けられている。制御基板27は、例えば、マイクロプロセッサを含み、面発光素子100に供給する電流を制御し、受光素子21が検出した光信号を処理する。
【0051】
次に、原稿読み取り装置200の動作について説明する。
図8(b)に示すように、画像読み取り装置200は、面発光素子100に電流を供給し、発光層3を帯状に発光させる。そして、発光層3から放出された発光光L1により、発光面2bからd1の間隔を置いて配置された原稿30の読み取り部分を照明する。
【0052】
原稿30の表面で反射された発光光は、原稿30の画像データを含む反射光L2として、2つの面発光素子100の間の間隙29から空間26に入射する。そして、光学レンズ25により、受光素子21の受光面21aに反射光L2を集光し、原稿30の画像を電気信号に変換する。
【0053】
制御基板27は、図示しない配線により受光素子21に接続されており、受光素子21から出力される光信号を処理し、例えば、外部の画像転写装置に画像信号を出力する。
【0054】
本実施形態に係る面発光素子100は、高輝度で均一に発光する。これにより、画像読み取り装置200では、受光素子21が出力する光信号のSN比(Signal to Noise ratio)を改善することができ、正確な原稿の読み取りが可能となる。
【0055】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る面発光素子120の構造を示す模式図である。図9(a)は正面図、図9(c)は平面図である。
【0056】
図9(a)に示すように、面発光素子120は、面発光素子100と、少なくとも1つの面に凹部31aが設けられた支持治具31と、を備えている。
本実施形態に係る面発光素子100に用いられている基板2には、例えば、1mm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。PETフィルムと透明電極4との間には、防湿性の機能膜として、例えば、SiN膜を設けても良い。
【0057】
PETフィルムは可撓性を有しており、支持治具31の表面に設けられた凹部31aの形状に適合させて貼着することが可能である。これにより、面発光素子100を湾曲させた状態に保持することができる。例えば、図9(a)に示す例では、面発光素子100は、素子面2aを凹部31aに接触させて貼り付けられている。そして、基板2および発光層3は、発光層3の中央から長手方向の両端に渡る部分において、発光光の放射方向に湾曲した状態に保持される。
【0058】
図9(c)は、面発光素子100の湾曲量を例示するグラフである。横軸に、発光層3の長手方向における位置、縦軸に湾曲量を示している。
【0059】
面発光素子100の照度E(Lux)は、発光面の輝度をL(cd)、発光面2bと照射面(原稿30)との間の間隔をd1として、次式で表すことができる(図8(b)参照)。
E=L/d12・・・(1)
【0060】
例えば、湾曲の無い面発光素子100の照度をE1とし、照射面と発光面2bとの間の間隔をd1とする。そして、湾曲した面発光素子100の照度をE2とし、照射面と発光面との間の間隔をd2とする。発光面2bの輝度Lが湾曲に影響されず一定とすれば、面発光素子100を湾曲させたことによる照度の変化率Aは、次式で示される。
A=E2/E1=(d1/d2)2・・・(2)
【0061】
図9(a)に示す湾曲した面発光素子100において、例えば、
d2=d1/√A・・・(3)
となるように凹部31aを形成する。これにより、発光層3の長手方向の端における照度を基準として、照度分布を均一(一定)とすることができる。ここで、Aの値には、湾曲の無い面発光素子100における相対的な照度を用いることができる。
【0062】
計算結果の一例を図9(c)に示す。同図中に示すように、例えば、発光層3の長さを10mmとして、両端を約1.6mm湾曲させることができる。
【0063】
図10は、本実施形態に係る面発光素子120を備えた画像読み取り装置300の断面構造を示す模式図である。
画像読み取り装置300は、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる筐体23と、筐体23の上面に配置された2つの面発光素子120と、筐体23の底面側に配置された受光素子21と、を備える。そして、面発光素子120の支持冶具31が、筐体23の上部に設けられた空間に、光学レンズ25を挟んで配置されている点で、図8(b)に示す画像読み取り装置200と相違する。
【0064】
画像読み取り装置300の動作も、前述した画像読み取り装置200と同じである。面発光素子120の発光面2bから放出された発光光L1は、発光面2bの上にd2の間隔を持って配置された原稿30を照明する。原稿30の表面で反射された反射光L2は、2つの面発光素子120の間の間隙29を通って光学レンズ25に入射し、受光素子21の受光面21aに集光される。そして、受光素子21が検出した光信号は、制御基板27に含まれるマイクロプロセッサで処理され、画像信号として外部に出力される。
【0065】
図11(a)は、本実施形態に係る画像読み取り装置300の照度分布を示すグラフである。横軸に、発光層3の長手方向における位置、縦軸に、発光層3の中心の照度に対する相対的な照度を示している。そして、図11(b)は、例えば、図8(b)に示す湾曲のない画像読み取り装置200の照度分布を示すグラフである。
【0066】
図11(a)および(b)は、発光面2bから4mm離れた位置の照度を示している。例えば、図11(a)は、図10に示す画像読み取り装置300における原稿30の配置位置の照度であり、発光層3の長手方向の端における発光面2bと原稿30との間の間隔d2を4mmとした状態に相当する。
【0067】
図11(a)に示すように、本実施形態に係る面発光素子120では、発光層3の両端の照度が高くなり、例えば、相対照度が1.0を越える有効領域は、発光層3の長手方向の幅にほぼ等しくなっている。
【0068】
これに対し、図11(b)に示す湾曲の無い面発光素子100の場合、例えば、相対輝度を0.8以上としても、有効領域の幅は、発光層3の長手方向の幅よりも狭くなっている。
【0069】
このように、本実施形態に係る面発光素子120では、発光層3を湾曲させることにより、発光層3の全体を有効に利用できる。例えば、面発光素子120のサイズを小さくすることにより、画像読み取り装置300におけるスペースの無駄をなくし、小型化することができる。
【0070】
(第3の実施形態)
図12(a)は、本実施形態に係る面発光素子130を模式的に示す平面図である。
面発光素子130は、基板2の素子面2aに、透明電極4と、発光層3と、反射電極5と、を順に積層した構成を有する点で、図1に示す面発光素子100と共通する。そして、図12(a)に示すように、反射電極5の長手方向に沿った遮光マスク32が設けられている点で、面発光素子100と相違する。
【0071】
図12(b)は、面発光素子130の発光状態を示し、図12(c)は、比較例に係る面発光素子160の発光状態を示す写真である。
図12(c)に示す面発光素子160では、反射電極5の周りの部分が発光していることがわかる。これに対し、図12(b)に示す面発光素子130では、遮光マスク32が設けられた部分、および、接続パッド6の部分が暗くなっており、発光光の漏れが抑えられている。
【0072】
このように、本実施形態に係る面発光素子130では、反射電極5の周りの基板2が露出した部分に遮光マスク32を形成することにより、素子面2aの側への漏れ光を遮断することができる。
【0073】
例えば、素子面2aの側に漏れた発光光が、受光素子21の受光面21aへ入射すると、受光素子21から出力される光信号のSN比を低下させ、画像読み取り装置の読み取り能力を劣化させることになる。そこで、素子面2aからの漏れ光を遮断するための何らかの手段を施す必要があるが、その手段は、画像読み取り装置の構造を複雑にする。
【0074】
すなわち、素子面2aに遮光マスク32を設けることにより、画像読み取り装置の構造を簡略化し、製造コストの低減が可能となる。さらに、遮光マスクとして、Al等の発光光を反射する部材を用いれば、発光面2bの側から放出される発光光の強度を向上させることもできる。
【0075】
(第4の実施形態)
図13は、本実施形態に係る面発光素子140を模式的に示す平面図である。図13には、反射電極5を形成する前の素子面2aが示されている。
【0076】
面発光素子140は、一列に配置された複数の発光領域43を有している。それぞれの発光領域43は、例えば、有機EL膜である。発光領域43と基板2との間には、それぞれの発光領域43に接した複数の透明電極4が設けられている。そして、発光領域43の配列方向に交叉する方向に、個々の透明電極4につながった複数の引き出し電極41が設けられている。
【0077】
面発光素子140では、個々の発光領域43は電気的に分離されている。そして、引き出し電極41と、反射電極5に接続する接続パッド42と、の間に電流を流すことにより、発光領域43を個別に発光させることができる。
【0078】
上記の構成を有する面発光素子140を備える画像読み取り装置では、原稿の読み取り対象となる部分のみを選択的に照明することが可能であり、消費電力の低減を図ることができる。そして、選択的に発光させることにより、発光領域43の発熱を低減し、例えば、発光領域43に用いられる有機EL膜の寿命を伸ばし、信頼度の向上を図ることができる。さらに、発光領域43に流す電流を個別に制御することにより、輝度分布の均一性を向上させることも可能である。
【0079】
以上、本発明に係る第1〜第4の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、出願時の技術水準に基づいて、当業者がなし得る設計変更や、材料の変更等、本発明と技術的思想を同じとする実施態様も本発明の技術的範囲に含有される。
【符号の説明】
【0080】
2・・・基板、 2a・・・素子面(第1主面)、 2b・・・発光面(第2主面)、 3・・・発光層、 4・・・透明電極、 4a・・・透明部、 4b・・・パッド部、 5・・・反射電極、 6、6a〜6c、9、42・・・接続パッド、 7・・・補助電極、 8・・・絶縁層、 32・・・遮光マスク、 21・・・受光素子、 21a・・・受光面、 22・・・回路基板、 23・・・筐体、 25・・・光学レンズ、 24、26・・・空間、 27・・・制御基板、 28・・・配線、 29・・・間隙、 30・・・原稿、 31・・・支持治具、 31a・・・凹部、 41・・・引き出し電極、 43・・・発光領域、 100〜160・・・面発光素子、 200、300・・・画像読み取り装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光素子および画像読み取り装置
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリなどに用いられる画像読み取り装置は、原稿を照明する光源と、原稿の文字や絵を画像として取り込むイメージセンサと、を備えている。画像読み取り装置の光源は、原稿を帯状に照明する線光源であり、例えば、キセノン蛍光ランプやLEDアレーが用いられてきた。
【0003】
キセノン蛍光ランプは、高輝度で安価な光源であり広く用いられているが、発熱が大きいという難点がある。LEDアレーは、複数のLED(Light Emitting Diode)を一次元配置した光源であり、高コストである。そして、個々のLEDの照明深度や照度偏差の調整が難しい。そこで、これらを解決できる新たな光源として、有機EL(Electro-Luminescence)素子が検討されている。
【0004】
有機EL素子は、任意形状の発光面を形成できる面発光素子であり、照明深度および照度偏差の調整を必要としない。さらに、発熱が小さいことから装置の小型化に適している。しかしながら、有機EL素子は、キセノン蛍光ランプやLEDアレーに比べて輝度が低く、さらに、発光面が広くなると輝度分布が不均一になり易いという課題がある。そこで、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−13913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子およびこれを用いた画像読み取り装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、帯状に設けられた発光層と、前記発光層を支持し、前記発光層が放出する光に対して透明な基板と、前記発光層と前記基板との間に設けられ、前記発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極に電気的に接続された接続パッドと、前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、を備えたことを特徴とする面発光素子が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像読み取り装置に適した高輝度で均一に発光する面発光素子およびこれを用いた画像読み取り装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図2】第1の実施形態に係る面発光素子の製造過程を模式的に示す平面図である。
【図3】図2に続く製造過程を模式的に示す平面図である。
【図4】第1の実施形態に係る面発光素子の輝度分布の計算結果を示すグラフである。
【図5】第1の実施形態に係る面発光素子の輝度分布を示すグラフである。
【図6】第1の実施形態に係る面発光素子の照度を示すグラフである。
【図7】第1の実施形態の変形例に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図8】第1の実施形態に係る画像読み取り装置の構造を示す模式図である。
【図9】第2の実施形態に係る面発光素子の構造を示す模式図である。
【図10】第2の実施形態に係る画像読み取り装置の断面構造を示す模式図である。
【図11】第2の実施形態に係る画像読み取り装置の照度分布を示すグラフである。
【図12】(a)は、第3の実施形態に係る面発光素子を模式的に示す平面図であり、(b)は、第3の実施形態に係る面発光素子の発光状態、(c)は、比較例に係る面発光素子の発光状態を示す写真である。
【図13】第4の実施形態に係る面発光素子を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、図面中の同一部分には同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について適宜説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る面発光素子100の構造を示す模式図である。図1(a)は、面発光素子100の素子面を示す平面図である。図1(b)は、図1(a)に示すIb−Ib断面の構造を示し、図1(c)は、Ic−Ic断面の構造を示している。
【0012】
面発光素子100は、基板2の第1主面2aの上に設けられた発光層3と、発光層3に電流を供給する第1電極である透明電極4と、第2電極である反射電極5と、を備えている。以下、基板2の第1主面2aを、素子面2aと称する。
【0013】
図1(a)には、反射電極5と、透明電極4に電気的につながった接続パッド6と、が示されている。そして、反射電極5の両端には、接続パッド9が設けられている。接続パッド6および9は、発光層3への電流供給端子であり、外部の電源回路に接続される。
【0014】
図1(b)に示すように、反射電極5は、発光層3を覆って設けられ、発光層3に電気的に接続している。
発光層3は、基板2の上に透明電極4を介して設けられている。発光層3は、例えば、有機EL膜であり、基板2に支持される。基板2には、発光層3が放出する発光光に対して透明な素材を用いる。例えば、白色光を放出する発光層3に対しては、ガラス基板を用いることができる。透明電極4も発光層3が放出する発光光に対して透明であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。
【0015】
なお、本願明細書において「透明」とは、光の透過率が100パーセントのものに限定されず、いわゆる半透明、すなわち透過率が100パーセントよりも低いが入射光の少なくとも一部を透過するものも含むものとする。
【0016】
透明電極4に用いる素材は、金属よりも抵抗率が高い。例えば、ITOの場合、比抵抗は約140μΩcmであり、アルミニウム(Al)の4μΩcmに比べて2桁高い。このため、発光層3の面積が広い場合、透明電極4を介して発光層3に注入される電流が十分に広がらず、均一な発光が得られないことがある。そこで、発光層3の長手方向に延在する補助電極7を透明電極4の上に設けている(図2(b)参照)。
【0017】
透明電極4と反射電極5との間は、絶縁層8により電気的に絶縁されている。絶縁層8には、例えば、ポリイミド膜を用いることができる。
【0018】
図1(c)に示すIc−Ic断面では、反射電極5は、素子面2aに設けられた接続パッド9の上まで延在している。接続パッド9は、絶縁層8により透明電極4と絶縁されている。そして、接続パッド6と接続パッド9とを介して発光層3に電流を流すことにより、発光層3から発光光を放出させることができる。
【0019】
図1(b)および図1(c)に示すように、発光層3から放出された発光光は、透明電極4および基板2を透過して伝播し、基板2の第2主面2bから外部に放出される。以下、基板2の第2主面2bを発光面2bと称する。
【0020】
さらに、発光層3から反射電極5の方向に伝播する発光光は、反射電極5と発光層3との間の界面で反射されて透明電極4の方向に伝播し、透明電極4および基板2を透過して発光面2bから外部へ放出される。
反射電極5には、例えば、白色光に対して高い反射率を有するAlを含む金属膜を用いることができる。
【0021】
次に、図2および図3を参照して面発光素子100の製造方法を説明する。
図2(a)は、基板2の素子面2aに透明電極4が設けられた状態を示す平面図である。透明電極4は、発光層3に接触する透明部4aと、接続パッド6が設けられるパッド部4bと、を有している。
【0022】
透明電極4は、例えば、ITOであり、スパッタ法または真空蒸着法を用いて形成することができる。基板2には、例えば、アルカリガラス(屈折率1.52)を含むガラス基板を用いることができる。また、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明樹脂を用いても良い。
【0023】
図2(b)は、接続パッド6および9、さらに、補助電極7が設けられた状態を示す。接続パッド6は、透明電極4のパッド部4bの上に設けられ、透明部4aと電気的に接続している。補助電極7は、透明電極4に電気的に接続し、発光層3が設けられる透明部4aの延在方向に設けることができる。
【0024】
接続パッド6、9および補助電極7は、例えば、透明電極4よりも抵抗率の低いAlを用いて形成することができる。さらに、発光層3が設けられる透明部4aの両端と接続パッド6との間の抵抗を小さくするために、接続パッド6と接続パッド9との間隔Wを狭く設けることが望ましい。例えば、発光層3の長さ(長手方向の幅)の1%未満とすることができる。
【0025】
続いて、図2(c)に示すように、補助電極7を覆い、透明部4aを囲んだ絶縁層8を形成する。絶縁層8には、例えば、ポリイミド膜を用いることができる。
【0026】
次に、図3(a)に示すように、透明部4aを覆う帯状の発光層3を形成する。発光層3には、例えば、白色光を発光する有機EL膜を用いる。
続いて、図3(b)に示すように、発光層3および絶縁層8、接続パッド9を覆う反射電極5を形成する。反射電極5には、例えば、発光層3の側からフッ化リチウム(LiF)とAlとを順に積層した積層膜を用いることができる。
【0027】
さらに、例えば、ガラスまたはステンレスからなるキャップを素子面2aに被せ、発光層3を含む積層体を気密封止する。この際、発光層3と外部回路との間の電気的な接続を確保するために、接続パッド6および9の一部を露出させる。これにより、外気中の水分および酸素などの影響による発光層3の劣化を防ぐことができる。
【0028】
図3(a)に示すように、本実施形態に係る面発光素子100では、透明電極4に電気的に接続された接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿った一方の辺から外側の基板2の表面に延在するように設けられる。そして、接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿った帯状に形成される。
【0029】
次に、図4および図5を参照して、面発光素子100の輝度分布について説明する。
【0030】
図4(a)は、面発光素子100および比較例に係る面発光素子150の輝度分布の計算結果を示すグラフである。横軸に発光位置、縦軸に相対輝度を示している。グラフ中に示す相対輝度は、接続パッド6と発光点との間の抵抗値に基づいて計算されたものである。
図4(b)および図4(c)は、発光面2bの側から見た面発光素子100および150を模式的に示しており、両図中の番号は、それぞれ発光点の位置を示している。
【0031】
図4(a)中のグラフAは、面発光素子100の輝度分布を示している。面発光素子100は、グラフAに示すように均一に発光する。
一方、図4(a)中のグラフBは、面発光素子150の輝度分布を示している。同図中に示すように、面発光素子150では、発光点(1)から発光点(6)へと徐々に輝度が低下する。
【0032】
面発光素子150では、図4(c)に示すように、発光層3の長手方向の一方の端に接続パッド6が設けられており、発光点の輝度は、接続パッド6から離れるほど低下する。
すなわち、接続パッド6と発光点との間隔が広くなるほど、その間の抵抗が高くなり、電流の供給口である接続パッド6と発光点との間の電圧降下が大きくなる。そして、発光層3に印加される電圧が低下し、発光層3に流れる電流が減少して輝度が低下する。結果として、面発光素子150は、接続パッド6からの間隔が広い発光点ほど輝度が低下する。
【0033】
面発光素子150では、反射電極5につながった接続パッド9も発光層の長手方向の端に設けられている。反射電極5は、透明電極4よりも抵抗率が低いAlを含んでいるため、発光点と接続パッド9との間の間隔が変化しても、その間の抵抗値の変化は小さく輝度分布に与える影響は小さい。したがって、上記の通り接続パッド6と発光点との間の距離が輝度分布に影響する。
【0034】
一方、図4(b)に示すように、面発光素子100では、接続パッド6は、発光層3の長手方向に沿って帯状に設けられている。このため、接続パッド6と、それぞれの発光点(1)〜(6)と、の間の距離が短く、差も小さい。さらに、接続パッド6は、抵抗率の低いAl等の金属を含んでおり、接続パッド6のシート抵抗は、透明電極4のシート抵抗よりも低い。したがって、各発光点(1)〜(6)と接続パッド6との間の抵抗差も小さく輝度分布を均一にすることができる。
【0035】
図5は、面発光素子100および150の輝度分布の測定結果を示すグラフである。同図中のAは、面発光素子100の輝度分布、Bは、面発光素子150の輝度分布を示している。
【0036】
輝度分布A、Bは、共に中央の発光点(4)において輝度が低下する分布を示している。これは、面発光素子100および150の双方の発光層3において、中央部が厚く形成された効果が重畳されているためである。すなわち、有機EL膜が厚く形成された部分の抵抗が高くなり、その部分に流れる電流が減少し輝度が低下しているためである。
【0037】
面発光素子150では、接続パッド6に近い発光点(1)において最も高い輝度を示している。そして、発光点(2)〜(4)の範囲において、接続パッド6から離れるにしたがって輝度が低下している。一方、面発光素子100では、発光点(1)と(6)の相対輝度が同じであり、中央の発光点(3)および(4)において輝度が低下している。これは、発光層3の膜厚分布を反映しているものと考えられ、その輝度の変化は、面発光素子150よりも小さい。
【0038】
結果として、図4に示す計算結果とは異なる輝度分布となっているが、図5に示す輝度分布の測定結果は、面発光素子100の方が均一に発光していることを示している。
【0039】
図6は、面発光素子100および150の照度を印加電圧に対して示したグラフである。同図中に示すAは、面発光素子100の測定結果であり、Bは、面発光素子150の測定結果を示している。
【0040】
図6に示すように、面発光素子100では、印加電圧が9Vを越えたところから、照度の上昇率が高くなり、約40000Luxに達して素子破壊を起こした。一方、面発光素子150では照度の上昇率が小さく、12Vを印加したところで約4000Luxの発光を示し素子破壊を起こした。
【0041】
これは、面発光素子100において、接続パッド6と、各発光点(1)〜(6)と、の間の抵抗差が小さくなり、発光層3に流れる電流が均一化された効果を反映している。すなわち、発光層3の輝度分布の均一性の向上と、破壊耐圧の上昇と、により約10倍の高輝度化が実現している。
【0042】
上記の通り、本実施形態に係る面発光素子100では、接続パッド6を発光層3の長手方向に沿って帯状に設けることにより、輝度分布を均一にし高輝度で発光させることが可能となる。さらに、発光層3に流れる電流を均一化することにより、発光層3の寿命を伸ばし信頼度を向上させることができる。
【0043】
図7は、本実施形態の変形例に係る面発光素子110を模式的に示す平面図である。面発光素子110は、面発光素子100と同じように、基板2の素子面2aの上に積層された透明電極4および発光層3、反射電極5を備えている。
一方、図7に示すように、発光層3の長手方向に沿って3つの接続パッド6a、6bおよび6cが設けられている点で、面発光素子100と相違する。
【0044】
面発光素子110では、接続パッド6a、6bおよび6cのそれぞれが、外部回路の接続され、各接続パッドから同時に電流を供給することにより、発光層3を均一に高輝度で発光させることができる。
【0045】
次に、図8を参照して、本実施形態に係る面発光素子100を備えた画像読み取り装置200について説明する。
【0046】
図8(a)は、面発光素子100の発光面2bの側から見た画像読み取り装置200を模式的に示す平面図である。
画像読み取り装置200では、2つの面発光素子100が、長手方向に沿った辺を向き合わせて配置されている。2つの面発光素子100の間には間隙が設けられ、その間隙の下方には、複数の受光素子21の受光面21aが配置されている。
【0047】
図8(b)は、図8(a)中のVIII−VIII断面の構造を示す模式図である。
画像読み取り装置200は、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる筐体23と、筐体23の上面に配置された2つの面発光素子100と、筐体23の底面側に配置された受光素子21と、を備えている。
【0048】
受光素子21には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサを用いることができる。受光素子21は、筐体23の底面に貼着された回路基板22に実装され、回路基板22と筐体23とに囲まれた空間24に配置されている。
【0049】
さらに、空間24の上には、面発光素子100と筐体23とに囲まれた空間26が設けられている。空間24と空間26との間には、光学レンズ25が配置されている。光学レンズ25には、例えば、ロッド状のプラスティックレンズを用いることができる。
【0050】
光学レンズ25の両側には、制御基板27が配置されている。そして、制御基板27と面発光素子100とをつなぐ配線28が、空間26の側壁に設けられている。制御基板27は、例えば、マイクロプロセッサを含み、面発光素子100に供給する電流を制御し、受光素子21が検出した光信号を処理する。
【0051】
次に、原稿読み取り装置200の動作について説明する。
図8(b)に示すように、画像読み取り装置200は、面発光素子100に電流を供給し、発光層3を帯状に発光させる。そして、発光層3から放出された発光光L1により、発光面2bからd1の間隔を置いて配置された原稿30の読み取り部分を照明する。
【0052】
原稿30の表面で反射された発光光は、原稿30の画像データを含む反射光L2として、2つの面発光素子100の間の間隙29から空間26に入射する。そして、光学レンズ25により、受光素子21の受光面21aに反射光L2を集光し、原稿30の画像を電気信号に変換する。
【0053】
制御基板27は、図示しない配線により受光素子21に接続されており、受光素子21から出力される光信号を処理し、例えば、外部の画像転写装置に画像信号を出力する。
【0054】
本実施形態に係る面発光素子100は、高輝度で均一に発光する。これにより、画像読み取り装置200では、受光素子21が出力する光信号のSN比(Signal to Noise ratio)を改善することができ、正確な原稿の読み取りが可能となる。
【0055】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る面発光素子120の構造を示す模式図である。図9(a)は正面図、図9(c)は平面図である。
【0056】
図9(a)に示すように、面発光素子120は、面発光素子100と、少なくとも1つの面に凹部31aが設けられた支持治具31と、を備えている。
本実施形態に係る面発光素子100に用いられている基板2には、例えば、1mm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いることができる。PETフィルムと透明電極4との間には、防湿性の機能膜として、例えば、SiN膜を設けても良い。
【0057】
PETフィルムは可撓性を有しており、支持治具31の表面に設けられた凹部31aの形状に適合させて貼着することが可能である。これにより、面発光素子100を湾曲させた状態に保持することができる。例えば、図9(a)に示す例では、面発光素子100は、素子面2aを凹部31aに接触させて貼り付けられている。そして、基板2および発光層3は、発光層3の中央から長手方向の両端に渡る部分において、発光光の放射方向に湾曲した状態に保持される。
【0058】
図9(c)は、面発光素子100の湾曲量を例示するグラフである。横軸に、発光層3の長手方向における位置、縦軸に湾曲量を示している。
【0059】
面発光素子100の照度E(Lux)は、発光面の輝度をL(cd)、発光面2bと照射面(原稿30)との間の間隔をd1として、次式で表すことができる(図8(b)参照)。
E=L/d12・・・(1)
【0060】
例えば、湾曲の無い面発光素子100の照度をE1とし、照射面と発光面2bとの間の間隔をd1とする。そして、湾曲した面発光素子100の照度をE2とし、照射面と発光面との間の間隔をd2とする。発光面2bの輝度Lが湾曲に影響されず一定とすれば、面発光素子100を湾曲させたことによる照度の変化率Aは、次式で示される。
A=E2/E1=(d1/d2)2・・・(2)
【0061】
図9(a)に示す湾曲した面発光素子100において、例えば、
d2=d1/√A・・・(3)
となるように凹部31aを形成する。これにより、発光層3の長手方向の端における照度を基準として、照度分布を均一(一定)とすることができる。ここで、Aの値には、湾曲の無い面発光素子100における相対的な照度を用いることができる。
【0062】
計算結果の一例を図9(c)に示す。同図中に示すように、例えば、発光層3の長さを10mmとして、両端を約1.6mm湾曲させることができる。
【0063】
図10は、本実施形態に係る面発光素子120を備えた画像読み取り装置300の断面構造を示す模式図である。
画像読み取り装置300は、例えば、ガラスエポキシ樹脂からなる筐体23と、筐体23の上面に配置された2つの面発光素子120と、筐体23の底面側に配置された受光素子21と、を備える。そして、面発光素子120の支持冶具31が、筐体23の上部に設けられた空間に、光学レンズ25を挟んで配置されている点で、図8(b)に示す画像読み取り装置200と相違する。
【0064】
画像読み取り装置300の動作も、前述した画像読み取り装置200と同じである。面発光素子120の発光面2bから放出された発光光L1は、発光面2bの上にd2の間隔を持って配置された原稿30を照明する。原稿30の表面で反射された反射光L2は、2つの面発光素子120の間の間隙29を通って光学レンズ25に入射し、受光素子21の受光面21aに集光される。そして、受光素子21が検出した光信号は、制御基板27に含まれるマイクロプロセッサで処理され、画像信号として外部に出力される。
【0065】
図11(a)は、本実施形態に係る画像読み取り装置300の照度分布を示すグラフである。横軸に、発光層3の長手方向における位置、縦軸に、発光層3の中心の照度に対する相対的な照度を示している。そして、図11(b)は、例えば、図8(b)に示す湾曲のない画像読み取り装置200の照度分布を示すグラフである。
【0066】
図11(a)および(b)は、発光面2bから4mm離れた位置の照度を示している。例えば、図11(a)は、図10に示す画像読み取り装置300における原稿30の配置位置の照度であり、発光層3の長手方向の端における発光面2bと原稿30との間の間隔d2を4mmとした状態に相当する。
【0067】
図11(a)に示すように、本実施形態に係る面発光素子120では、発光層3の両端の照度が高くなり、例えば、相対照度が1.0を越える有効領域は、発光層3の長手方向の幅にほぼ等しくなっている。
【0068】
これに対し、図11(b)に示す湾曲の無い面発光素子100の場合、例えば、相対輝度を0.8以上としても、有効領域の幅は、発光層3の長手方向の幅よりも狭くなっている。
【0069】
このように、本実施形態に係る面発光素子120では、発光層3を湾曲させることにより、発光層3の全体を有効に利用できる。例えば、面発光素子120のサイズを小さくすることにより、画像読み取り装置300におけるスペースの無駄をなくし、小型化することができる。
【0070】
(第3の実施形態)
図12(a)は、本実施形態に係る面発光素子130を模式的に示す平面図である。
面発光素子130は、基板2の素子面2aに、透明電極4と、発光層3と、反射電極5と、を順に積層した構成を有する点で、図1に示す面発光素子100と共通する。そして、図12(a)に示すように、反射電極5の長手方向に沿った遮光マスク32が設けられている点で、面発光素子100と相違する。
【0071】
図12(b)は、面発光素子130の発光状態を示し、図12(c)は、比較例に係る面発光素子160の発光状態を示す写真である。
図12(c)に示す面発光素子160では、反射電極5の周りの部分が発光していることがわかる。これに対し、図12(b)に示す面発光素子130では、遮光マスク32が設けられた部分、および、接続パッド6の部分が暗くなっており、発光光の漏れが抑えられている。
【0072】
このように、本実施形態に係る面発光素子130では、反射電極5の周りの基板2が露出した部分に遮光マスク32を形成することにより、素子面2aの側への漏れ光を遮断することができる。
【0073】
例えば、素子面2aの側に漏れた発光光が、受光素子21の受光面21aへ入射すると、受光素子21から出力される光信号のSN比を低下させ、画像読み取り装置の読み取り能力を劣化させることになる。そこで、素子面2aからの漏れ光を遮断するための何らかの手段を施す必要があるが、その手段は、画像読み取り装置の構造を複雑にする。
【0074】
すなわち、素子面2aに遮光マスク32を設けることにより、画像読み取り装置の構造を簡略化し、製造コストの低減が可能となる。さらに、遮光マスクとして、Al等の発光光を反射する部材を用いれば、発光面2bの側から放出される発光光の強度を向上させることもできる。
【0075】
(第4の実施形態)
図13は、本実施形態に係る面発光素子140を模式的に示す平面図である。図13には、反射電極5を形成する前の素子面2aが示されている。
【0076】
面発光素子140は、一列に配置された複数の発光領域43を有している。それぞれの発光領域43は、例えば、有機EL膜である。発光領域43と基板2との間には、それぞれの発光領域43に接した複数の透明電極4が設けられている。そして、発光領域43の配列方向に交叉する方向に、個々の透明電極4につながった複数の引き出し電極41が設けられている。
【0077】
面発光素子140では、個々の発光領域43は電気的に分離されている。そして、引き出し電極41と、反射電極5に接続する接続パッド42と、の間に電流を流すことにより、発光領域43を個別に発光させることができる。
【0078】
上記の構成を有する面発光素子140を備える画像読み取り装置では、原稿の読み取り対象となる部分のみを選択的に照明することが可能であり、消費電力の低減を図ることができる。そして、選択的に発光させることにより、発光領域43の発熱を低減し、例えば、発光領域43に用いられる有機EL膜の寿命を伸ばし、信頼度の向上を図ることができる。さらに、発光領域43に流す電流を個別に制御することにより、輝度分布の均一性を向上させることも可能である。
【0079】
以上、本発明に係る第1〜第4の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、出願時の技術水準に基づいて、当業者がなし得る設計変更や、材料の変更等、本発明と技術的思想を同じとする実施態様も本発明の技術的範囲に含有される。
【符号の説明】
【0080】
2・・・基板、 2a・・・素子面(第1主面)、 2b・・・発光面(第2主面)、 3・・・発光層、 4・・・透明電極、 4a・・・透明部、 4b・・・パッド部、 5・・・反射電極、 6、6a〜6c、9、42・・・接続パッド、 7・・・補助電極、 8・・・絶縁層、 32・・・遮光マスク、 21・・・受光素子、 21a・・・受光面、 22・・・回路基板、 23・・・筐体、 25・・・光学レンズ、 24、26・・・空間、 27・・・制御基板、 28・・・配線、 29・・・間隙、 30・・・原稿、 31・・・支持治具、 31a・・・凹部、 41・・・引き出し電極、 43・・・発光領域、 100〜160・・・面発光素子、 200、300・・・画像読み取り装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に設けられた発光層と、
前記発光層を支持し、前記発光層が放出する光に対して透明な基板と、
前記発光層と前記基板との間に設けられ、前記発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、
前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極に電気的に接続された接続パッドと、
前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、
を備えたことを特徴とする面発光素子。
【請求項2】
前記発光層は、有機EL層を含み、
前記発光層の長手方向に延在し、前記第1電極層に電気的に接続された補助電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の面発光素子。
【請求項3】
原稿の読み取り部分を照明するために帯状に発光光を放射する面発光素子と、前記原稿で反射された前記発光光を検出する複数の受光素子と、を備え、
前記面発光素子は、帯状の発光層と、
前記発光層を支持し、前記発光光に対して透明な基板と、
前記基板と前記発光層との間に設けられ、前記発光光を透過する第1電極と、
前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極と電気的に接続された接続パッドと、
前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、
を有し、
前記受光素子の受光面は、前記発光層の長手方向に沿って配置されたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項4】
前記面発光素子の前記基板は、可撓性を有し、
前記発光層の中央から長手方向の両端に渡る部分において、前記発光層および前記基板が前記発光光の放射方向に湾曲したことを特徴とする請求項3記載の画像読み取り装置。
【請求項1】
帯状に設けられた発光層と、
前記発光層を支持し、前記発光層が放出する光に対して透明な基板と、
前記発光層と前記基板との間に設けられ、前記発光層が放出する光に対して透明な第1電極と、
前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極に電気的に接続された接続パッドと、
前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光層が放出する光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、
を備えたことを特徴とする面発光素子。
【請求項2】
前記発光層は、有機EL層を含み、
前記発光層の長手方向に延在し、前記第1電極層に電気的に接続された補助電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の面発光素子。
【請求項3】
原稿の読み取り部分を照明するために帯状に発光光を放射する面発光素子と、前記原稿で反射された前記発光光を検出する複数の受光素子と、を備え、
前記面発光素子は、帯状の発光層と、
前記発光層を支持し、前記発光光に対して透明な基板と、
前記基板と前記発光層との間に設けられ、前記発光光を透過する第1電極と、
前記発光層の長手方向に沿って設けられ、前記第1電極と電気的に接続された接続パッドと、
前記第1電極との間に前記発光層を挟んで設けられ、前記発光光を前記第1電極の方向に反射する第2電極と、
を有し、
前記受光素子の受光面は、前記発光層の長手方向に沿って配置されたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項4】
前記面発光素子の前記基板は、可撓性を有し、
前記発光層の中央から長手方向の両端に渡る部分において、前記発光層および前記基板が前記発光光の放射方向に湾曲したことを特徴とする請求項3記載の画像読み取り装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図12】
【公開番号】特開2012−78499(P2012−78499A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222629(P2010−222629)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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