靭帯を再構築する方法及び装置
【課題】少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する固定装置を提供する。
【解決手段】骨管内に配置されるリテーナと、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える。リテーナは脛骨管に配設され、移植片靭帯ストランドはリテーナに沿って伸びており、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピンを使用してリテーナを受容骨にピン止めする。係止キャップは、移植片靭帯ストランドをリテーナに、次に従って、更に、受容骨に捕捉する過程にてリテーナに固定することができる。
【解決手段】骨管内に配置されるリテーナと、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える。リテーナは脛骨管に配設され、移植片靭帯ストランドはリテーナに沿って伸びており、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピンを使用してリテーナを受容骨にピン止めする。係止キャップは、移植片靭帯ストランドをリテーナに、次に従って、更に、受容骨に捕捉する過程にてリテーナに固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【係属中の先行特許出願の参照】
【0001】
本特許出願は、次の特許出願の利益を主張するものである:
(1)「靭帯を再構築する方法及び装置(METHOD AND APPARATUS
FOR RECONSTRUCTING A LIGAMENT)」に関してポール(Paul)が2004年8月18日付けで出願した係属中の先行米国仮特許出願明細書60/602,589号(代理人事件番号RE−2 PROV);
(2)「靭帯を再構築する方法及び装置」に関してポールが2005年8月6日付けで出願した係属中の先行米国仮特許出願明細書60/688,588号(代理人事件番号SCAN−18 PROV)。
【0002】
上記の2つの特許出願は、その内容を参考として引用し本明細書に含めてある。
【技術分野】
【0003】
本発明は、全体として外科的方法及び装置、より具体的には靭帯を再構築する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0004】
靭帯は、1つ骨を別の骨と接続する線維状組織片である。
【0005】
靭帯は、負傷及び(又は)事故の結果、頻繁に損傷する(例えば、分離し又は引裂き又は破断する等)。損傷した靭帯は、関節の適正な動作を妨害し且つ痛みを生じる可能性がある。
【0006】
損傷した靭帯を修復し又は交換するための色々な方法が開発されている。使用される特定の方法は、修復すべき特定の靭帯及び損傷の性質及び程度に依存する。
【0007】
負傷及び(又は)事故の結果、頻繁に損傷する1つの靭帯は、膝の前方十字形靭帯(ACL)である。先ず、図1を参照すると、ACL5は、脛骨10の頂部と大腿骨15の底部との間にて膝関節の内部を亙って伸びる状態で示されている。損傷したACL5は、膝関節を不安定にし、その他の構造体への更なる損傷を与え、また、顕著な痛み及び関節炎を生じる可能性がある。
【0008】
著しく損傷したACLを移植片靭帯の置換を通じて修復する多数の方法が開発されている。全体として、これらのACL置換方法は、脛骨10を通って大腿骨15内まで骨管20(図2)を穿孔するステップを含む。次に、採取し又は人工の靭帯又は腱から成る移植片靭帯25を関節の内部を亙って骨管20(すなわち脛骨管30)の脛骨部分を通して骨管20の大腿骨部分(すなわち大腿骨管35)まで進める。移植片靭帯25の末端部分が大腿骨管35内にて固定され、移植片靭帯25の基端部分を脛骨管30内に固定される。
【0009】
現在、移植片靭帯25を骨管内に固定する多岐に亙る方法がある。
【0010】
1つの方法は、アースレックス(Arthrex)締まり嵌めねじ(フロリダ州、ネイプルスのアースレックス(Arthrex)インク)のような締まり嵌めねじ40(図3)を使用して移植片靭帯25を骨管の側壁に対して「直接」押し込むことである。
【0011】
別の方法は、マイテックイントラフィックスシステム(Mitek Intrafix
system)(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテック(Depu
y Mitek)インク)のような軸受構造体及び膨張ねじ45(図4)を使用して移植片靭帯25を骨管の側壁に対して「間接的に」押し込むことである。
【0012】
更に別の方法は、イノバシブ/マイテックリンクスシステム(Innovasive/Mitek Lynx system)(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテックインク)のような締結具装置50(図5)を使用して移植片靭帯25を骨管内に固定することである。
【0013】
更に別の方法は、マイテック靭帯アンカー(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテックインク)のようなアンカー55(図6)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0014】
別の方法は、アキュフレックス/スミスアンドネヒューエンドボタンシステム(Acufex/Smith & Nephew Endobutton system)(マサチューセッツ州、アンドーバーのスミスアンドネヒュー(Smith & Nephew)インク)のような縫合糸懸架装置60(図7)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0015】
更に別の方法は、アースレックスクロスピン止め装置(フロリダ州、ネイプルスのアースレックスインク)のようなクロスピン止め装置65(図8)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0016】
更に別の方法は、移植片靭帯25を骨管20に完全に通し且つ移植片靭帯をねじ及び座金装置70(図3、図7、図9)にて又はステープル(図示せず)にて骨の外側に固定することである。
【0017】
上述したように、ACLの再構築法は、全体として移植片靭帯25の末端部分を大腿骨管35内にて固定するステップと、移植片靭帯25の基端部分を脛骨管30内にて固定するステップとを含む。上述した靭帯の再構築装置の一部は例えば、アースレックス締まり嵌めねじのような大腿骨及び脛骨を固定する場合の双方のとき効果的に且つ便宜に使用することができる。上述した再構築装置のその他のものは、全体として一方又は他方の固定の場合に使用するのにより適しており、例えば、インノバシブ/マイテックリンクスシステムは、大腿骨を固定するため全体としてより適用可能であり、ねじ及び座金装置は、脛骨を固定するため全体としてより適用可能である。
【0018】
上記に加えて、上述した再構築装置の一部は、例えば、膝蓋の一部分を含む膝蓋腱のような骨ブロックの一部分を含むように採取された移植片靭帯を利用する。上述した再構築装置のその他のものは、例えば、採取した膝腱のような柔軟な組織のみから成るように採取された移植片靭帯を利用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
実際には、例えば、膝腱のような、柔軟な組織から全体が成る移植片靭帯を採取することが好ましく、それは、これは患者の痛みが少なく、また、ドナーへの外傷が少なくて済むからである。しかし、柔軟な組織のみから成る移植片靭帯は、全体として骨ブロックから成る移植片靭帯よりも受容骨に固定することが一般により困難であり、それは、柔軟な組織は、物理的に低剛性で、またより柔軟であり(例えば、柔軟で且つ相対的に滑り易い)、更に柔軟な組織は生物学的により脆弱となり易いからである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、移植片靭帯を受容骨に固定する新規且つ改良された方法及び装置を提供する。重要なことは、大腿骨及び脛骨の固定の双方のため装置を使用することができ、また、装置は、移植片靭帯が柔軟な組織のみにて形成される場合に使用することができる(例えば、移植片靭帯が採取した膝腱を備えるような場合)。
【0021】
より具体的には、本発明は、骨管内の所望の固定位置まで摺動可能に前進させ、また、移植片靭帯に対し側方力を加えて移植片靭帯を骨管の側壁に対して圧縮状態に保持し得るようにしつつ、骨管内の位置に固定し(好ましくは、押し込み及び(又は)ピン止めによって)、また、その後、選択的に、移植片靭帯にはキャップを固定し、これにより移植片靭帯をリテーナに且つ従って、更に、受容骨に固定するようにする、新規なリテーナを提供し且つ該リテーナを使用する方法を備えている。
【0022】
本発明は、骨管内の所望の固定位置まで摺動可能に前進させ、移植片靭帯に対して側方力を加え移植片靭帯を骨管の側壁に対して圧縮状態に保持し得るようにし、また、次に、移植片靭帯がリテーナに固定されると同時に、受容骨に係止され、これにより移植片靭帯をリテーナに、従って、更に、受容骨に固定する新規なリテーナを提供し且つ該リテーナを使用するステップも備えている。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施の形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置であって、
骨管内に配設されるリテーナを備え、該リテーナは、リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を備え、溝は、その内部に移植片靭帯ストランドを着座させる形態とされ、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は床を有し、該床が末端方向から基端方向に伸びるに伴い半径方向外方に傾斜が付けられ、リテーナを骨管内に非回転状態にて前進させると、圧縮力が加わり移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して保持し、また、リテーナは貫通して伸びる横断方向ボアを有し、
横断方向ボアを通って骨管の側壁内に達し、リテーナを骨管内のその位置に固定し得る寸法とされた係止ピンを備える上記装置が提供される。
【0024】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する方法であって、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に配置するステップと、
リテーナを骨管内に提供するステップとを備え、該リテーナは、リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を備え、該溝は、移植片靭帯ストランドをその内部に着座させる形態とされ、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は床を有し、該床は、床が末端方向から基端方向に伸びるに伴い半径方向外方に傾斜が付けられ、リテーナを骨管内に非回転状態に前進させると、圧縮力が加わり移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して保持し、リテーナは貫通して伸びる横断方向ボアを備え、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドが長手方向に伸びる溝内に位置し、リテーナがその位置に押し込まれるようにリテーナを骨管内に配置するステップと、
係止ピンを横断方向ボアを通して且つ骨管の側壁内に通してリテーナを受容骨にピン止めするステップとを備える上記方法が提供される。
【0025】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置において、
骨管内に配置されるリテーナと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える上記装置が提供される。
【0026】
本発明の別の好ましい形態において、リテーナを骨管内に挿入するインサータであって、
軸と、
軸の末端に設けられ、リテーナの相手方部品である要素と係合し、これによりリテーナを軸に対し解放可能に保持する要素と、
軸に形成された開口部であって、軸の長手方向軸線に対し横方向に伸び、リテーナが軸に対し解放可能に保持されたとき、リテーナに形成された横断方向開口部と整合される上記開口部とを備える上記インサータが提供される。
【0027】
本発明の別の好ましい形態において、(i)骨管を貫通して伸びる移植片靭帯を拡張させるステップと、(ii)骨管の側壁を拡張させるステップとを同時に行う拡張器であって、
拡張器が骨管内に挿入されたとき、骨管の側壁を拡張させる寸法とされた軸と、
拡張器の側壁に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝であって、その内部に移植片靭帯ストランドを着座させる形態とされた前記少なくとも1つの長手方向に伸びる溝とを備え、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は、移植片靭帯ストランドが少なくとも1つの長手方向に伸びる溝内に着座し、拡張器が骨管内に挿入されたとき、移植片靭帯ストランドを拡張させる寸法とされた上記拡張器が提供される。
【0028】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する方法であって、
リテーナを骨管内に配置するステップと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉し得るようキャップをリテーナに取り付けるステップとを備える上記方法が提供される。
【0029】
本発明の上記及びその他の目的並びに特徴は、同様の部品を同様の参照番号にて表示する添付図面と共に参照すべきである、本発明の好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明からより完全に開示され又は明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、移植片靭帯を再構築する新規な方法及び装置を提供する。便宜上、本発明はねACL脛骨の固定のため使用される場合に関して以下に説明する。しかし、本発明は、大腿骨の固定又はその他の移植片靭帯をその他の骨に固定するためにも使用可能であることも理解すべきである。
【0031】
まず、図10ないし図15を参照すると、靭帯の固定装置105が示されている。靭帯の固定装置105は、全体としてリテーナ110と、係止ピン115と、選択的に係止キャップ120とを備えている。
【0032】
以下に更に詳細に説明する本発明のこの形態において、リテーナ110は脛骨管30内に配設され、移植片靭帯ストランド25はリテーナ110に沿って伸びており、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管30の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピン115を使用してリテーナ110を受容骨にピン止めする。係止キャップ120は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に、次に従って、更に、受容骨に捕捉する過程にてリテーナ110に固定することができる。
【0033】
リテーナ110、係止ピン115及び係止キャップ120は、全て1つ又はより多くの生体適合性材料にて形成されている。これらの生体適合性材料は、非吸収性(例えば、ステンレス鋼又はプラスチック)又はセラミック、同種移植片又はサンゴ(coral)の
ようは吸収性、骨伝導性又は誘導性であるものとすることができる。構成要素の全てを同一の材料にて形成することが必ずしも必要な訳ではないことを理解すべきである。実際上、構成要素の各々は、その特定の構成要素に最も望ましい1つ又は複数の材料にて形成されることが好ましい。このように、異なる構成要素を異なる材料にて形成し、単一の構成要素の異なる部分を異なる材料等にて形成することができる。
【0034】
リテーナ110は剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、本発明のその所期の機能に適合する形状を最終的に維持することができる限り、多少の程度圧縮性又は折り畳み可能であることが好ましい。このように、リテーナ110は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナ110は、本発明に適合する任意の程度の剛性を有するものとすることができる。
【0035】
本発明の1つの好ましい形態において、リテーナ110は、アセチルポリマー(例えばデルリン(Delrin))又はPLA(ポリ乳酸)にて形成されることが好ましい。
【0036】
1つの好ましい構造において、リテーナ110(図10、図11、図14、図15)は、リテーナ110に対して全体として楔形の形態を与える狭小となる前端125を特徴とすることが好ましい全体として細長い形態を有する。この好ましい楔形状の形態は、リテーナ110を骨管内に導入し且つ該リテーナをその内部にて前進させるのを助け、また、本発明の1つの好ましい形態において、楔形状の形態は、リテーナ110を以下に更に詳細に説明するようにその位置に押し込むことにより骨管内にて係止するのを助ける。
【0037】
楔形状の形態に加え、リテーナ110は、リテーナ110に沿って伸びる複数の長手方向に伸びる溝130も有している。溝130の床133は、全体としてリテーナ110のテーパーに従うことが好ましい、すなわち、溝の床133は末端方向から基端方向に伸びるとき、外方に傾斜し、溝の床は溝の末端側におけるよりも溝の基端にてリテーナの中心軸線から更に離れるようにする。溝130は、以下に説明するように、移植片靭帯25のストランドを受け入れる寸法及び形状とされている。好ましくは、各溝内に1つずつ4つの靭帯ストランドを受容し得るよう4つの溝130が設けるものとする。溝130は、拡がったフィン(又はリブ又は肉厚の厚い壁)135により互いに分離されることが好ましい。
【0038】
1つの好ましい構造において、拡がったフィン135は、実質的にその全長に沿ってリテーナ110の外周を画成する。この構造において、拡がったフィン135の外端縁は、リテーナ110のテーパー付きの形態を画成する。
【0039】
移植片靭帯ストランドがリテーナの溝内に配置されたとき、移植片靭帯ストランド25がリテーナ110に対して長手方向に動くのを阻止し得るよう溝130の床133及び(又は)拡がったフィン135にリブ及び(又は)その他の突出物を形成することができる。
【0040】
リテーナ110は、リテーナと共に選択随意の係止キャップ120を使用することを容易にし得るようねじ付き凹所140を備えることも好ましい。ねじ付き凹所140は、リテーナ110の基端面142から末端方向に伸びている。ねじ付き凹所140は、以下に更に説明するように(図14、図15、図22、図23参照)、選択随意の係止キャップ120をリテーナ110に解放可能に固定することを許容する。これと代替的に、凹所140は、選択随意の係止キャップ120をリテーナ110に固定するリブ付き又は棘付き係止機構を受け入れ得る形態としてもよい。
【0041】
1つの好ましい構造において、リテーナ110は、リテーナ110の基端を貫通して伸
びる1つ又はより多くの横断方向ボア又は傾斜ボア145(図11、図14、図15及び図18)も備えており、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は溝130の床133にて開放する(図18)。別の好ましい構造において、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は拡がったフィン135にて開放する。更に別の好ましい構造において、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は、溝130の床133及び(又は)拡がったフィン135にて開放する。
【0042】
靭帯固定装置105の係止ピン115(図12及び図13)は尖った末端の先端155にて終わる軸150を備えている。所望であるならば、軸150の基端に拡張ヘッド156を設けることができる。以下に説明するようにリテーナ110を受容骨に固定するため係止ピン115が使用される。更に、係止ピン115が移植片靭帯25を通過する程度にて、係止ピン115は、移植片靭帯を骨に直接固定する作用も果たす。
【0043】
上述したように、靭帯固定装置105は、選択的に、係止キャップ120を備えることもできる。本発明の1つの好ましい形態において、係止キャップ120(図14及び図15)は、ねじ付き茎部160(ねじの形態をしていることが好ましい)と、拡張キャップ165とを備えている。ねじ付き茎部160は、リテーナ110のねじ付き凹所140内に螺着可能に受け入れられ、これにより係止キャップ120をリテーナ110に解放可能に固定し得る寸法とされている。これと代替的に、ねじ付き茎部160は、リブ付き又は棘付きとし代替的な係止機構を形成するようにしてもよく、この場合、リテーナの凹所140はこれに相応した形態とされる。拡張キャップ165は、リテーナ110の基端面142と実質的に同一の直径を有するような寸法とされ、また、以下に更に説明するように、移植片靭帯25のストランドをリテーナ110に固定することが好ましい。所望であるならば、係止キャップ165は、複数の末端方向に突き出す指状体170を備えることもできる。指状体170は、拡張キャップ165の末端面の全体を亙り又は末端面の周縁のみ(例えば、図14及び図15に示すように)分配することができる。指状体170は、色々な寸法(図14及び図15参照)とし、また、所望であるならば、これらの指状体はリテーナ110の溝130と整合させ(図15)相補的な継手を形成するようにすることができる。
【0044】
靭帯固定装置105は、以下のように使用されることが好ましい。
【0045】
第一に、脛骨管30及び大腿骨管35を形成する(図16)。本発明の1つの好ましい形態において、脛骨管30は、段付きの構造(例えば、図16Aに示したようなボア30A又は端ぐりボア30Bのような)にて形成し又は脛骨管30はテーパー付きの構造(例えば、図16Bに示したボア30Cのような)にて形成し、楔形状のリテーナ110は、それ自体を骨管内の係止位置に押し込む前に骨管
30内の途中までのみ前進するようにする。かかる段付き又は狭小な骨管を形成する技術及び装置は、当該技術にて周知である。単に非限定的な一例として、段付き骨管は骨にボア/端ぐりボアの形態を穿孔することにより形成することができ、また、狭小な骨管は骨により小さい管を穿孔し、次に、その管をテーパー付きの骨拡張器具にて選択的に拡げることにより形成することができる。
【0046】
次に、移植片靭帯ストランド25を当該技術にて周知の方法にて大腿骨15に固定し、移植片靭帯ストランド25が脛骨10を通って後方に伸びるようにする(図17)。
【0047】
次に、脛骨管30の基端から伸びるストランドの自由端を引っ張ることにより移植片靭帯ストランド25を緊張させて、リテーナ110を脛骨管30内に前進させ、移植片靭帯ストランド25は、リテーナの溝130内に受け入れられる(図18及び図19)。リテ
ーナ110は、例えば押し込み又は引っ張るといったような多岐に亙る技術を使用して脛骨管30内に前進させることができる。非限定的な一例として、リテーナ110は、リテーナ110の基端に形成された相応する対の穴173と係合する一対の指状体172を有するインサータ171(図18)を使用して脛骨管30まで押し込むことができる。リテーナ110は脛骨管30内に前進させると、溝130の傾斜した床133は靭帯ストランドを漸進的に押して骨管の側壁と強固であるが、非外傷的に接触する状態にする(図19ないし図21参照)。
【0048】
リテーナ110を更に前進させ且つ最終的に脛骨管30内に前進させると、該リテーナは、最終的にリテーナの幾何学的形態(すなわち溝130の傾斜した床及び拡がったフィン135のテーパー付きの形状)のため、脛骨管30の段付き又はテーパー付きの幾何学的形態、リテーナ110と骨管の側壁との間の移植片靭帯ストランド25の存在のためその位置にて押し込まれる。この点に関して、この漸進的な押し込み動作、また、全体として移植片靭帯ストランド25の弾性的な性質及び脛骨管30の中間部分の側壁を形成する典型的により柔軟な海綿状骨(この骨は押し込み動作が生じるとき多少の圧縮も許容する)により影響を受けることも理解されよう。この押し込み動作は、植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して効果的に係止し、これにより移植片靭帯ストランドを受容骨に固定することになる。
【0049】
リテーナ110が脛骨管30内にて十分な距離前進し(且つ段付き又はテーパー付きの骨管30の側壁と拡がったフィン135との係合を含むがこれにのみ限定されないそのテーパー付きの形状のためその位置にて押し込まれることが好ましい)、係止ピン115を横断方向ボア又は傾斜ボア145(図19ないし図21)を通し且つ骨管の側壁内に挿入しこれにより、リテーナ110を受容骨に係止することができる。横断方向ボアがリテーナ110の基端面142にて開放し、また、リテーナ110の長手方向軸線に対して斜角度にて伸びるように横断方向ボア145を形成することにより、係止ピン115を脛骨管30の入口から横断方向ボア145内に導入し且つ実質的にリテーナ110を受容骨に「トウイン」状態にて締結することができる。更に、係止ピン115が移植片靭帯25を通って進む程度にて、係止ピンはまた移植片靭帯を該骨に直接固定する作用も果たす。
【0050】
これと代替的に且つ(又は)追加的に、リテーナ110を脛骨10にクロスピン止め又は横断ねじにて固定するため、中央穴174(図10及び図11)を使用してもよい。しかし、かかる配置は、全体として多少便宜ではなく、それは、中央穴174は脛骨10の内部に隠れて、このため、隠れた中央穴174を通して正確に「めくら」横断ピン止め又は横断ねじ止めを確実にする装置を提供しなければならないからである。
【0051】
このように、本発明の好ましい形態において、リテーナ110は、(1)脛骨管30の狭小な壁とのその押し込み係合、及び(2)係止ピン115のため、その配備位置を超えて前進することが防止される。上述したように、骨管30の狭小部分は、段付きの形態又は狭小となる形態にて形成することができる。一部の場合、段付きの形態であることが好ましく、それは、段付きの管の形態は、移植片が移動するより蛇行した経路を形成し、これにより移植片/管/装置の境界面の摩擦及び係止作用を増すからである。全体として、段付きの管の設計は、継手の内部に接近するに伴いより小さい直径となり、このためリテーナ110が継手の内部に向けて前進するのを制限することになる。
【0052】
この時点にて、リテーナ110は、移植片靭帯ストランドを脛骨管30の側壁に対し、従って受容骨に対し圧縮状態に固定するため、移植片靭帯の固定は完了していると見なすことができる。更に、係止ピン115が移植片靭帯を通る程度にて係止ピンは、移植片靭帯を骨に直接固定する作用も果たす。
【0053】
選択的に、しかし、より好ましくは、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に固定するため係止キャップ120を使用することができる。
【0054】
より具体的には、リテーナ110が脛骨管30内に配置された後、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110の基端面142の上に折り重ねる(図22及び図23)。次に、例えば、ドライバの凹所121に係合する(図22ないし図24)、六角ドライバ(図示せず)により係止キャップ120をリテーナ110に固定する(図22ないし図24)、また、係止キャップ120は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に固定し、これにより移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に、従って受容骨に対して係止する。
【0055】
このように、選択随意の係止キャップ120を使用することにより、移植片靭帯ストランド25は、(i)リテーナが移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して外方に押し込むとき、リテーナ110の長さに沿って形成された側方圧縮力、(ii)係止キャップ120の下側部とリテーナ110(これは脛骨管30内のその位置に押し込まれ且つ係止ピン115によりその位置にピン止めされる)の基端面142との間に形成された軸方向圧縮力によって受容骨に対して捕捉される。更に、係止ピン115は、移植片靭帯25を通過する程度にて、係止ピンは骨に向う移植片靭帯を固定する作用も果たす。
【0056】
移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的である限り、また、移植片靭帯ストランド25が張力の下、固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25はリテーナ110を骨管内に更に押し込み、これにより骨への押し込み係止状態を向上させる傾向となる。
【0057】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は一体化して生物学的結合体を提供する。
【0058】
これと代替的に、脛骨管の入口は、短い距離だけより大径となるように皿穴を形成することができる(脛骨皮質にて)。この配置により、より大径の係止キャップを使用して移植片靭帯25をリテーナに及び皿穴の穴の基部に形成された環状縁部に固定することができる。このことは、移植片ストランドが従う蛇行路を更に増し且つ装置の保持強度を増すことになる。
【0059】
リテーナ110は色々な幾何学的形態にて形成することができる。例えば、図25及び図26には、2つの靭帯ストランドのみが骨管内にて固定される場合に使用可能である1つの代替的なリテーナ110Aが示されている。この配置において、2つの溝130Aのみが提供され、リテーナ110Aの残りが円弧状の周面を有する。図27ないし図31には、移植片靭帯ストランドを骨管内にて固定するためリテーナ110Aを使用する選ばれたステップが示されている。図27ないし図31に図示しないが、係止キャップ120は、選択的に、リテーナ110Aと共に使用可能であることも理解されよう。
【0060】
図32及び図33には、別のリテーナ110Bが示されている。この場合、3つの靭帯ストランドまでを受容し得るよう3つの溝130Bが設けられている。この場合にも、図32及び図33に図示しないが、リテーナ110Bは、係止ピン115、また選択的に係止キャップ120と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0061】
図34及び図35には、別のリテーナ110Cが示されている。この形態において、4つの溝130Cが設けられているが、これらの溝は、ボア145Cが相対的に大きい円弧状面にて開放するようにリテーナ110C内に配置されている。この場合にも、図34及び図35に図示しないが、リテーナ110Cは係止ピン115、選択的に係止キャップ1
20と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0062】
図36ないし図38には、テーパー付きの基端と、テーパー付きの末端とを有する別のリテーナ110Dが示されている。テーパー付きの基端は、係止キャップがリテーナに対して一層良く着座することを許容することができる。図36及び図37には、拡がったフィン135D(溝130Dの間を伸びる)の高さを所望に応じて変更することが可能な方法も示されている。この場合にも、図36ないし図38には図示しないが、リテーナ110Dは、選択的に係止キャップ120と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0063】
図39及び図40には、開口部175Eが係止キャップに形成される、代替的な係止キャップ120Eが示されている。開口部175Eは、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110の基端面142の上に折り重ね、次に、開口部175Eを通しこれにより靭帯ストランドに対しより蛇行した経路を提供し移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に対して保持するのを助けることができる。開口部175Eは、指状体170Eの間に配置し(図39)、又は指状体170Eと整合状態に配置し(図40)及び(又は)その双方の状態にてに配置することができる。
【0064】
第二の靭帯固定装置
次に、図41を参照すると、靭帯固定装置200が示されている。靭帯固定装置200は、全体として、リテーナ205と、係止ピン210と、係止キャップ215とを備えている。
【0065】
本発明のこの形態において、また以下に更に詳細に説明するように、リテーナ205は脛骨管30内に配設され、移植片靭帯ストランド25はリテーナ205に沿って伸び、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管30の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピン210は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に、従って受容骨に追加的に捕捉する過程にてリテーナ205の受容骨へのピン止め及び係止キャップ215のリテーナ205への固定を同時に行う。
【0066】
リテーナ205、係止ピン210及び係止キャップ215は、全て1つ又はより多くの生体適合性材料にて形成されている。これらの生体適合性材料は、非吸収着性(例えば、ステンレス鋼又はプラスチック)又はセラミック、同種移植片又はサンゴ(coral)のような吸収性、骨伝導性又は誘導性とすることができる。構成要素の全てを必ずしも同一の材料にて形成する必要はないことを理解すべきである。実際上、構成要素の各々は、その特定の構成要素に最も有益な1つ又は複数の材料にて形成されることが好ましい。このように、異なる構成要素を異なる材料にて形成し、また、単一の構成要素の異なる部分を異なる材料にて形成する等が可能である。
【0067】
リテーナ205は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナは、本発明のその所期の機能と一致する形状を最終的に維持することができる限り、多少の程度圧縮性又は折り畳み可能であるようにすることができる。このように、リテーナ205は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナ205は、本発明と適合する任意の程度の剛性を備えることができる。
【0068】
本発明の1つの好ましい形態において、リテーナ205は、アセチルポリマー(例えばデルリン又はPLA(ポリ乳酸)にて形成されることが好ましい。
【0069】
以下に更に詳細に説明するように、また、次に図68及び図41Aないし図44を参照すると、靭帯固定装置200は、定寸ワイヤー218(図41A)と、拡張器220(図
42及び図43)と、インサータ225(図44)とを備えることも好ましい。定寸ワイヤー218は、患者の解剖学的形態を測定し且つ以下に更に詳細に説明するように、靭帯の再構築過程にて使用すべきリテーナ205の適正な寸法(すなわち長さ)を決定するため使用されることが好ましい。拡張器220は、以下に同様に説明するように、リテーナ205を骨管内にて配備する前に、骨管30及び移植片靭帯ストランド25を準備すべく使用されることが好ましい。インサータ225は、同様に、以下に説明するように、リテーナ205を骨管30内にて配備するため使用されることが好ましい。
【0070】
靭帯の固定装置200のリテーナ205が図45ないし図52及び図52Aないし図52Eに更に詳細に示されている。リテーナ205は、移植片靭帯ストランド25を受け入れる4つの長手方向に伸びる溝227(図45及び図52)と、以下に説明するようにインサータ225の一部分を受け入れる中央管腔230(図49)と、係止ピン210を受け入れるクロス穴235と、移植片靭帯ストランド25及び係止キャップ215を着座させる取り付け肩部240とを備えている。
【0071】
上記に加えて、リテーナ205は、2つの主リブ又は脊柱245(図45、図50、図52)と、2つの側方ピン250(図45、図47、図51、図52)と、溝227の床に対するロフト付きプロファイル255(図48及び図51)と、長手方向に伸びる溝227の床に形成された複数のリブ257(図45、図46及び図48)と、取り付け肩部240の面に形成された係止プロファイル260(図45、図47及び図50)と、側部リブ265(図45及び図47)と、クロス穴235の内部に形成された内ねじ部270(図48及び図49)と、インサータ225が係合するようリテーナ205の後端に形成された凹所275(図47、図48及び図50)と、段付きの鋭利な先端280(図45及び図47)とを備えることが好ましく、これらの各々については以下により詳細に説明する。
【0072】
主リブ又は脊柱245(図45、図50及び図52)は、リテーナ205の長さを亙って下方に伸びており、また、リテーナ205が複数の移植片靭帯ストランドと共に骨管内に配備されたとき、脊柱245は、(i)骨管の側壁に確実に着座し且つ(ii)靭帯ストランドをリテーナ205の長手方向軸線と整合された状態に保つのを助ける。
【0073】
側方フィン250(図45、図47、図51及び図52)は、リテーナ205が骨管内に導入されたとき、脊柱245と共に、これらの移植片靭帯ストランドを別個に制御可能な長さに分離し且つ4つの長手方向に伸びる溝227内に配置する。移植片靭帯が4つのストランド(例えば、脛骨筋腱移植片)ではなくて2つのストランドのみを備える程度にて、2つの側方向フィンは、2つの移植片靭帯ストランドに対向して位置し且つ追加的な側方圧縮力を加える。この点に関して、2つの靭帯ストランドと共に装置200が使用されるとき、拡張器220は、側方フィンを受け入れ得るようにストランドにインプレッションを形成することにより、これらの2つのストランドを準備することを理解すべきである。
【0074】
ロフト付きプロファイル255(図48及び図51)は、リテーナ205の長さに沿って伸びる移植片靭帯ストランド25に対する圧力勾配を提供する。より特定的には、ロフト付きプロファイル255は、骨管の側壁に対して移植片靭帯ストランド25を漸進的により一層圧縮し(末端方向から基端方向に)一方、該骨管は、リテーナ205の末端付近にて靭帯と骨とのより穏やかな接触状態を発生させ、また、リテーナ205の基端付近にて靭帯と骨とのより急激な接触状態を発生させる。増大した圧縮(末端から基端への)は、骨管30の周縁の周りにて靭帯に対するより優れた周方向カバー状態を提供し且つ、優れた固定強度を発生させる。リテーナ205に対し全体としてテーパー付きの形態を提供するロフト付きのプロファイル255は、リテーナ205の骨管30内への挿入を容易に
する。
【0075】
リブ257(図45、図46及び図48)は、長手方向に伸びる溝227の床に形成され且つ以下に説明するように、移植片靭帯ストランドが長手方向に伸びる溝内に着座したとき、リテーナ205に対する移植片靭帯ストランド25の長手方向への動きを阻止する作用を果たす。
【0076】
プロファイル260(図45、図47及び図50)は、以下に説明するように、取り付け肩部240(図45)と係止キャップ215の下側部との間にて移植片靭帯ストランド25を把持し易くするため、係止キャップ215(以下に説明)に形成された相補的なプロファイルと相互作用する。
【0077】
側部リブ265(図45及び図47)は、移植片靭帯ストランドをリテーナ205の基端(すなわち非接続端部)にて更に把持することを可能にする。
【0078】
内ねじ部270(図48及び図49)は、係止ピン210に形成された相手方部品である、ねじ295(図53)と合わさり、これにより、以下に説明するように、係止ピン210が制御された状態でクロス穴235を通って前進するのを容易にする。
【0079】
凹所275(図47、図48及び図50)は、以下に説明するようにインサータ225の相手方部品である、要素と合わさり、これによりリテーナ205をインサータに対して保持するのを助ける。
【0080】
段付きの鋭利な先端280(図45及び図47)は、移植片靭帯ストランドがリテーナ205の脇を通るとき、移植片靭帯ストランド25を骨経路内に固定するのを助け得るように移植片靭帯ストランド25に対する蛇行路を提供する。段付きの鋭利な先端280のプロファイルは、リテーナ205がその所期の深さを超えて動こうとするとき、リテーナ205とテーパー付きの骨管の側壁との間(すなわち脊柱245に沿って)追加的な押し込み作用を生じさせる。
【0081】
リテーナ205の寸法は、リテーナ205が骨管30内に配設されたとき(すなわち骨管30及び移植片靭帯ストランド25が拡張器220により処理された後)、リテーナ205が移植片靭帯ストランド25及び骨管30の側壁の双方に対して骨管30内のその位置に強固に押し込まれるように選ばれることを理解すべきである。
【0082】
係止ピン210は、図53ないし図56により詳細に示されている。係止ピン210は、全体として、係止キャップ215、リテーナ205を通して受容骨内に挿入される軸285と、係止キャップ215をリテーナ205に対して固定し移植片靭帯ストランド25をリテーナに対して捕捉するヘッド290と、リテーナ205の相手方部品である内ねじ部270と係合し、以下に説明するように、リテーナ205に対する係止ピン210の前進を制御するねじ部295とを備えている。ヘッド290は、ドライバ(図示せず)と選択的に合わさりこれにより係止ピン210の回転を容易にする非円形(例えば、六角形、トーレックス、フィリップス、スター等)の凹所296を備えることも好ましい。
【0083】
係止ピン210は、テーパー付きの末端の先端300と、1つ又はより多くの軸拡張部310と、ヘッド290と1つ又はより多くの軸拡張部310との間に配置された係止キャップ座部305(図55)とを備えることが好ましく、これらの各々については、以下に更に詳細に説明する。
【0084】
ねじ部295は、軸285に配置され且つ、リテーナ205における相手方部品である
ねじ部270と合わさりリテーナ205のクロス穴235を通る係止ピン210の前進を制御する。1つの好ましい実施の形態において、係止ピン210におけるねじ部295及びリテーナ205における相手方部品である、ねじ部270は、ユーザが係止ピン210をリテーナ205に対して過締めしないよう保護し得る寸法とされている。
【0085】
軸285の末端における先端300は、係止ピン210がリテーナ205のクロス穴235を通って受容骨内に進むのを容易にし得るように鋭利で且つ滑らかであることが好ましい。
【0086】
係止キャップ座部305(図55)は、ヘッド290と1つ又はより多くの軸拡張部310との間に配置され、これにより係止キャップ215(図41)が1つ又はより多くの軸拡張部310の上を基端方向に滑動し、次に、係止ピン210をリテーナ205に相対して強固に締め付ける前に、軸285に対してルーズに保持されるのを許容し、これにより係止ピン215をリテーナの取り付け肩部240に対して固定する。
【0087】
本発明の1つの好ましい形態において、係止ピン210は、以下に更に詳細に説明するように、係止キャップ215の相応する要素と係合し、これにより、抜け出し防止作用を提供する複数の突起312(図53、図55及び図56)も有している。
【0088】
係止キャップ215は、図57ないし図61に更に詳細に示されている。係止キャップ215は、全体として、ピン210を係止する軸285を受け入れる中央管腔315と、リテーナ205における相補的な係止プロファイル260(図45)と相互作用し、これにより移植片靭帯ストランド25を係止キャップ215とリテーナの取り付け肩部240との間にて把持し易くする係止プロファイル320と、係止ピン210のヘッド290を着座させる基端側凹所325(図60)とを備えている。好ましくは、1つ又はより多くの半径方向溝328(図60及び図61)が凹所325内に設けられるものとする。半径方向溝328は、相対的に緩やかな勾配328A(図61にて時計回り方向に動くときに遭遇する)と、相対的に急峻な勾配328B(図61にて反時計回り方向に動くときに遭遇する)とを備えている。半径方向溝328は、係止ピン210に形成された突起312と相互作用し係止ピン210が抜け出るのを防止する。更に、突起312が半径方向溝328と相互作用する結果、移植片靭帯ストランド25にて適正な圧縮状態が実現されたとき、触覚的且つ聴覚的フィードバックを提供する。図59ないし図61に示すように、半径方向溝328のプロファイルは、圧縮状態にて締め付ける間、確実な回転(すなわち図61にて時計回り方向への回転)を許容するが、ピン210の抜け出る回転(すなわち、図61の反時計回り方向への回転)を防止する。
【0089】
上述したように、係止キャップ215の中央管腔315の直径は、係止ピン210に形成された係止キャップの座部305(図55)と調和するようにされ、このため、係止キャップ215をリテーナの取り付け肩部240に対して係止する前に、係止キャップ215は、係止キャップ215が軸285に沿って下方に滑動するのを防止ししつつ、軸285にて自由に回転することができる。その結果、係止キャップ215は、係止ピン210にルーズに取り付け、係止ピン210をリテーナのクロス穴235内に導入する前に、2つの部材を単一体として容易に操作することができる。
【0090】
リテーナ205を骨管内にて配備する前に、脛骨管30及び移植片靭帯ストランド25を準備するため、拡張器220(図42及び図43)が使用されることが好ましい。拡張器220は、実質的に、(i)骨管の側壁を圧迫して移植片靭帯が係合するためのより一体的な面を提供し、(ii)相対的に弾性的な移植片靭帯ストランドを圧縮してその大きさを一時的に減少させる。更に、移植片靭帯ストランドがその位置にある状態にて骨管を拡張させることにより、拡張器220は、移植片靭帯ストランドが骨管の側壁と機械的に
一体化するのを助けることができる。拡張器220は、末端335を有する軸330を全体として備えている。末端335は、非外傷性先端340と、以下に説明するように、移植片靭帯ストランド25を受け入れる複数の長手方向に伸びる溝345(数はリテーナ205の長手方向溝227と適合する)とを備えている。ハンドル350は軸330の基端に形成されている。
【0091】
インサータ225(図44及び図62ないし図65)を使用してリテーナ205を脛骨管30内にて配備することが好ましい。インサータ225は、全体として、軸355の末端に形成され且つリテーナ205の基端と係合する形態とされた末端側先端360(図44、図62及び図63)を有する軸355(図44及び図62)と、軸355の基端に取り付けられたハンドル365(図44)と、軸355及び先端360を通し、また、リテーナ205はインサータの端部に取り付けられたとき、リテーナ205を通して選択的に挿入されるスタイラス370(図44及び図64)とを備えている。スタイラス370は、以下に説明するように、リテーナ205は、インサータ225と共に受容骨内に配備されたとき、リテーナ205に対して追加的な安定性を提供する。
【0092】
インサータ225はまた、先端360に選択的に取り付けられるドリルブッシュ375(図65)と、ハンドル365、軸355及び先端360(図44、図62及び図63)を通って伸びる管腔380(図62)と、ドリルブッシュ座部390(図63)と、指状体395(図63)とを備えることも好ましく、これらの各々については以下により詳細に説明する。
【0093】
ドリルブッシュ375(図65)は、中央管腔396と、前端突出部397Aを有する段付きの外側プロファイルと、従動軸397Bと、後側把持部397Cとを備えている。先端突出部397Aと従動軸397Bとの交点に環状肩部397Dが形成されている。好ましくは、先端突出部397Aは、平滑な部分397Eと、それに続くねじ付き部分397Fとを備えている。ドリルブッシュ375は、以下に更に詳細に説明するように、ドリルブッシュ座部390により先端360に選択的に取り付けられ(以下参照)、また、受容骨にクロス穴を正確に穿孔するために使用される。
【0094】
ハンドル365、軸355及び先端360を貫通して伸びる管腔380は、取り外し可能なスタイラス370を受容する。
【0095】
ドリルブッシュ座部390(図63)は、ねじ付きボア398Aと、部分的端ぐりボア398Bとを備えており、ボア398Aと端ぐりボア398Bとの交点には環状肩部398Cが形成されている。ドリルブッシュ座部390は、ドリルブッシュ375を選択的に受容して、ブッシュのねじ付き部分397Fが座部のボア398Aによって受け入れられ、ブッシュの後続の軸397Bが座部の部分的端ぐりボア398B内に受け入れられ、これにより、以下により詳細に説明するように、ドリルブッシュ375を先端360に取り付け、ドリルブッシュ375の平滑な部分397Eがインサータ225に取り付けられたリテーナ205のクロス穴235内に配設され且つ該クロス穴235をライニングすることができる。
【0096】
指状体395(図63)は、リテーナ205の相手方部品である凹所275(図48)と合わさり、これによりリテーナ205をインサータ225の末端に選択的に保持する。
【0097】
所望であるならば、軸355及び先端360は、単一部材として又は製造中に一体化された一対の部材として形成することができる。
【0098】
所望であるならば、スタイラス370に代えてスタイラス370A(図66及び図67
)を使用することができる。スタイラス370Aは、ワイヤー399Cを調節可能に把持し得るよう本体399B内に受け入れられたコレット399Aを備えている。
【0099】
靭帯固定装置200は、次のようにして使用されることが好ましい。
【0100】
最初に、当該技術にて周知の方法にて脛骨管30及び大腿骨管35を形成する。移植片靭帯ストランド25を膝関節を亙って脛骨管30を通って前進させ、当該技術にて周知の方法にて大腿骨管35に入るようにする。移植片靭帯ストランド25は、大腿骨管35内にしっかりと固定され、移植片靭帯ストランド25が膝関節を亙って後方に脛骨管30を通って伸び、また、脛骨10の正面から出るようにする。これは全て当該技術にて周知の方法にて行われる。
【0101】
次に、図68及び図69を参照すると、定寸ワイヤー218(又はその他のツール)を脛骨管30内に前進させ、脛骨管30の深さを決定する。このことは、定寸ワイヤー218に形成された目盛り標識を使用して行われる。脛骨管30の深さは、靭帯を再構築するときに使用されるリテーナ205の長さを決定する。
【0102】
次に、定寸ワイヤー218を脛骨管30(図70)から除去し、移植片靭帯ストランド25の自由端が張力状態にて保持される間、拡張器220を脛骨管30(図71)内に前進させ、移植片靭帯ストランド25が拡張器の長手方向に伸びる溝345内に受け入れられるようにする。拡張器220が脛骨管30内に前進すると、拡張器は、移植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して押し付け、移植片靭帯ストランド25を圧縮し流体を移植片靭帯ストランド25から一時的に除去して、受容骨を圧縮しより一体的な骨壁を形成すると共に、移植片靭帯を受容骨内に機械的に一体化し且つ曲線状の形態となるようにする。拡張器220は、拡張器220の表面に形成された目盛り標識を使用して適宜な深さまで前進させる(図72)。次に、拡張器220を脛骨管30(図73)から除去する。
【0103】
次に、リテーナ205をインサータ225に装填し、インサータの指状体395がリテーナ205の凹所275と係合してスタイラス370はインサータの軸355、インサータの先端360及びリテーナ205(図74)を通るようにする。次に、インサータ225を使用してリテーナ205を骨管30内のその適正な位置に前進させる(図75及び図76)。リテーナ205が骨管30内に挿入されると、移植片靭帯ストランド25(その自由端を引っ張ることにより張力状態に保持されている)は、リテーナの長手方向に伸びる溝227内に受け入れられ、リテーナのロフト付きプロファイル255は、移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して穏やかに、但し確実に圧縮する。リテーナ205は、該リテーナがその位置に適正に押し込まれる迄、前進させる。リテーナ205の適正な配置状態が実現されたならば、スタイラス370を除去する(図77)。この時点にて、リテーナ205は、骨管内のその位置に押し込まれることによって移植片靭帯ストランド25を骨に対して圧縮状態に保持する。
【0104】
次に、ドリルブッシュ375をドリルブッシュ座部390(図78及び図78A)上に配置し、また、ドリル400を使用して受容骨にクロス穴405を形成する(図79及び図80)。クロス穴405が形成されたならば、ドリルブッシュ375を除去し且つ、インサータ225を除去する(図80)。
【0105】
次に、係止ピン210(係止キャップ215が係止キャップ座部305に保持されている)を受容骨に穿孔したリテーナのクロス穴235、クロス穴405内に取り付け、係止キャップ215は、移植片靭帯ストランド25をリテーナの取り付け肩部240に対して把持し、リテーナ205を受容骨に且つ、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に
同時に拘束する(図81)。
【0106】
このように、靭帯固定装置200によって、移植片靭帯ストランド25はリテーナ205により提供される圧縮力によって脛骨10に対して保持される。更に、移植片靭帯ストランド25は、係止キャップ215によりリテーナ205に対して固定され、完全な組立体は係止ピン210を介して受容骨にピン止めされる。
【0107】
また、移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的となり、また、移植片靭帯ストランド25が張力の下、固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205を骨管内に更に押し込み、これにより骨に対する押し込み係止状態を向上させることも理解すべきである。
【0108】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は、生物学的結合体を提供し得るように一体化する。
【0109】
所望であるならば、係止ピン210は、そのねじ部295に代えてリブ付き又は棘付き構造を使用することができ、また、リテーナ205は、そのねじ部270に代えて1方向ラチェット機構を形成し得るよう合わさる幾何学的形態を使用することができる。
【0110】
更に、所望であるならば、係止ピン210及び係止キャップ215は、単一の構造すなわち一体化した構造にて形成することができる。
【0111】
図81A及び図81Bには、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態が示されている。
【0112】
本発明の1つの好ましい形態において、装置は、インサータ225が引き出された後、クロス穴405が脛骨に形成されるように改変される。
【0113】
より具体的には、本発明のこの形態において、図82及び図83を参照すると、改変したインサータ225Aが提供される。インサータ225Aは、全体としてドリルブッシュ座部390を廃止する点を除いて、上述した先端360と同様である改変した末端の先端360Aを有している。更に、図84A、図84B及び図85を参照すると、改変したドリルブッシュ375Aが提供される。ドリルブッシュ375Aは、その末端にてより小さい平滑な軸411Aにて終わり、その基端にてコネクタ415Aにて終わり、また、中央穴420Aを有する平滑な軸410Aを備えている。コネクタ415Aは、ハンドル430Aが係合する1つ又はより多くの開口部425Aを有している。本発明のこの形態において、ドリルブッシュ375Aは、骨クロス穴405を形成するとき、リテーナ205に直接取り付けられる、すなわちより小さい平滑な軸411Aはリテーナのクロス穴235内に着座する。
【0114】
より特定的には、本発明のこの形態において、靭帯の再構築は、次のようにして実行される。
【0115】
最初に、脛骨管30及び大腿骨管35は、当該技術にて周知の方法にて形成される。移植片靭帯ストランド25を当該技術にて周知の方法にて脛骨管30を通って、膝関節を横断し大腿骨管35内に前進させる。移植片靭帯ストランド25は、大腿骨管35内にてしっかりと固定され、移植片靭帯ストランド25は膝関節を横断して後方に戻り、脛骨管30を通り且つ脛骨10の正面から出るようにする。これらは全て当該技術にて周知の方法にて行われる。
【0116】
次に、定寸ワイヤー218(又はその他のツール)を脛骨管30内に前進させて脛骨管30の深さを決定する。これは、定寸ワイヤー218に形成された目盛り標識を使用して実行される。脛骨管30の深さは、靭帯を再構築するときに使用されるリテーナ205の長さを決定する。
【0117】
次に、定寸ワイヤー218を脛骨管30から除去し、また、移植片靭帯ストランド25の自由端が張力状態にて保持される間、拡張器220を脛骨管30内に前進させ、移植片靭帯ストランド25が拡張器の長手方向に伸びる溝345内に受け入れられるようにする。拡張器220を脛骨管30内に前進させると、拡張器は、移植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して押し付けて移植片靭帯ストランド25を圧縮し流体を移植片靭帯ストランド25から一時的に除去し、受容骨を圧縮してより一体的な骨壁を形成し、移植片靭帯ストランドを受容骨内に機械的に一体化し且つ曲線状の形態となるようにする。拡張器220は、拡張器220の表面に形成された目盛り標識を使用して適宜な深さまで前進させる。次に、拡張器220を脛骨管30から除去する。
【0118】
次に、リテーナ205をインサータ225Aに装填してインサータの指状体395Aがリテーナ205の凹所275内に係合し、スタイラス370Aがインサータ軸355A、インサータ先端360A及びリテーナ205(図86)を通るようにする。次に、インサータ225Aを使用してリテーナ205を骨管30内のその適正な位置まで前進させる(図87及び図88)。リテーナ205が骨管30内に挿入されると、移植片靭帯ストランド25(その自由端を引っ張ることにより張力状態に保持されている)は、リテーナの長手方向に伸びる溝227内に受け入れられ、リテーナのロフト付きプロファイル255は、移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して穏やかに、但し確実に圧縮する。リテーナ205は、該リテーナがその位置に適正に押し込まれる迄、前進させる。リテーナ205の適正な配置が実現されたならば、スタイレット370Aを含んでインサータ225Aを除去する(図89及び図89A)。この点に関して、インサータ225A(スタイラス370Aを含む)は、リテーナ205がその位置に確実に押し込まれる限り、リテーナ205及び(又は)靭帯ストランド25の位置に影響を与えることなく除去することができることを理解すべきである。この時点にて、リテーナ205は、骨管内のその位置に押し込まれることによって、移植片靭帯ストランド25を骨に対して圧縮状態に保持する。
【0119】
次に、ドリルブッシュ375Aをリテーナのクロス穴235(図90)内に配置し、ドリル400を使用して受容骨にクロス穴405を形成する(図90及び図91)。クロス穴405が形成されたならば、ドリルブッシュ375Aを除去する(図91)。
【0120】
次に、係止ピン210(係止キャップ215が係止キャップ座部305内に保持されている)をリテーナのクロス穴235及び受容骨に穿孔したクロス穴405内に取り付け、係止キャップ215は、移植片靭帯ストランド25をリテーナの取り付け肩部240に対して捕捉して、リテーナ205を受容骨に拘束すると同時に、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に固定する(図92)。この場合にも、改変したインサータ225Aを使用する装置により、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205により提供される圧縮のため脛骨10に対して保持される。更に、移植片靭帯ストランド25は、係止キャップ215によりリテーナ205に対して固定され、完全な組立体は係止ピン210を介して受容骨にピン止めされる。
【0121】
移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的となりがちであり、また、移植片靭帯ストランド25が張力状態にて固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205を骨管内に更に押し込み、これにより骨に対する押し込み係止状態を向上させることも理解すべきである。
【0122】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は一体化して生物学的結合体を提供する。
【0123】
図93及び図94には、本発明によって形成された装置の別の代替的な形態が示されている。
【0124】
改変例
本発明の性質を説明するため上記に記載し且つ説明した部品の細部、材料、ステップ及び配置の点にて多数の追加的な変更が当該技術分野の当業者によって為すことができ、これらは本発明の原理及び範囲内に属するものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】脛骨と大腿骨との間を伸びるACLを示す膝関節の概略側面図である。
【図2】脛骨と大腿骨との間を伸びる移植片靭帯を示す膝関節の概略側面図である。
【図3】締まり嵌めねじによって骨管内に固定させた移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図4】軸受構造体及び膨張ねじによって骨管内に固定させた移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図5】締結具装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図6】アンカーによって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図7】縫合糸懸架装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図8】クロスピン止め装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図9】ねじ及び座金装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図10】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される新規なリテーナを示す概略図である。
【図11】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される新規なリテーナを示す概略図である。
【図12】図10のリテーナを骨管内にて固定する係止ピンを示す概略図である。
【図13】図11のリテーナを骨管内にて固定する係止ピンを示す概略図である。
【図14】移植片靭帯を図10のリテーナに固定する選択随意的な係止キャップと共に図10のリテーナを示す概略図である。
【図15】移植片靭帯を図11のリテーナに固定する選択随意的な係止キャップと共に図11のリテーナを示す概略図である。
【図16】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図16A】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図16B】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図17】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図18】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図19】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図20】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図21】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図22】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図23】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図24】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図25】移植片靭帯を骨管内にて固定するため使用される第二の新規なリテーナを示す概略図である。
【図26】移植片靭帯を骨管内にて固定するため使用される第二の新規なリテーナを示す概略図である。
【図27】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図28】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図29】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図30】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図31】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図32】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第三の新規なリテーナを示す概略図である。
【図33】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第三の新規なリテーナを示す概略図である。
【図34】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第四の新規なリテーナを示す概略図である。
【図35】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第四の新規なリテーナを示す概略図である。
【図36】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図37】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図38】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図39】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される追加的な選択随意の係止キャップを示す概略図である。
【図40】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される追加的な選択随意の係止キャップを示す概略図である。
【図41】リテーナと、係止ピンと、係止キャップとを備える、本発明に従って形成された別の靭帯固定装置を示す概略図である。
【図41A】41Aは、定寸ワイヤーを示す概略図である。
【図42】本発明に従って形成された拡張器を示す概略図である。
【図43】本発明に従って形成された拡張器を示す概略図である。
【図44】本発明に従って形成されたインサータを示す概略図である。
【図45】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図46】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図47】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図48】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図49】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図50】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図51】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52A】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52B】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52C】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52D】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52E】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図53】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図54】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図55】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図56】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図57】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図58】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図59】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図60】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図61】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図62】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図63】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図64】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図65】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図66】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図67】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図68】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図69】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図70】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図71】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図72】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図73】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図74】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図75】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図76】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図77】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図78】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図78A】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図79】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図80】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図81】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図81A】81Aは、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図81B】81Bは、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図82】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図83】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図84A】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図84B】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図85】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図86】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図87】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図88】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図89】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図89A】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図90】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図91】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図92】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図93】本発明に従って形成される装置の別の代替的な形態を示す概略図である。
【図94】本発明に従って形成される装置の別の代替的な形態を示す概略図である。
【係属中の先行特許出願の参照】
【0001】
本特許出願は、次の特許出願の利益を主張するものである:
(1)「靭帯を再構築する方法及び装置(METHOD AND APPARATUS
FOR RECONSTRUCTING A LIGAMENT)」に関してポール(Paul)が2004年8月18日付けで出願した係属中の先行米国仮特許出願明細書60/602,589号(代理人事件番号RE−2 PROV);
(2)「靭帯を再構築する方法及び装置」に関してポールが2005年8月6日付けで出願した係属中の先行米国仮特許出願明細書60/688,588号(代理人事件番号SCAN−18 PROV)。
【0002】
上記の2つの特許出願は、その内容を参考として引用し本明細書に含めてある。
【技術分野】
【0003】
本発明は、全体として外科的方法及び装置、より具体的には靭帯を再構築する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0004】
靭帯は、1つ骨を別の骨と接続する線維状組織片である。
【0005】
靭帯は、負傷及び(又は)事故の結果、頻繁に損傷する(例えば、分離し又は引裂き又は破断する等)。損傷した靭帯は、関節の適正な動作を妨害し且つ痛みを生じる可能性がある。
【0006】
損傷した靭帯を修復し又は交換するための色々な方法が開発されている。使用される特定の方法は、修復すべき特定の靭帯及び損傷の性質及び程度に依存する。
【0007】
負傷及び(又は)事故の結果、頻繁に損傷する1つの靭帯は、膝の前方十字形靭帯(ACL)である。先ず、図1を参照すると、ACL5は、脛骨10の頂部と大腿骨15の底部との間にて膝関節の内部を亙って伸びる状態で示されている。損傷したACL5は、膝関節を不安定にし、その他の構造体への更なる損傷を与え、また、顕著な痛み及び関節炎を生じる可能性がある。
【0008】
著しく損傷したACLを移植片靭帯の置換を通じて修復する多数の方法が開発されている。全体として、これらのACL置換方法は、脛骨10を通って大腿骨15内まで骨管20(図2)を穿孔するステップを含む。次に、採取し又は人工の靭帯又は腱から成る移植片靭帯25を関節の内部を亙って骨管20(すなわち脛骨管30)の脛骨部分を通して骨管20の大腿骨部分(すなわち大腿骨管35)まで進める。移植片靭帯25の末端部分が大腿骨管35内にて固定され、移植片靭帯25の基端部分を脛骨管30内に固定される。
【0009】
現在、移植片靭帯25を骨管内に固定する多岐に亙る方法がある。
【0010】
1つの方法は、アースレックス(Arthrex)締まり嵌めねじ(フロリダ州、ネイプルスのアースレックス(Arthrex)インク)のような締まり嵌めねじ40(図3)を使用して移植片靭帯25を骨管の側壁に対して「直接」押し込むことである。
【0011】
別の方法は、マイテックイントラフィックスシステム(Mitek Intrafix
system)(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテック(Depu
y Mitek)インク)のような軸受構造体及び膨張ねじ45(図4)を使用して移植片靭帯25を骨管の側壁に対して「間接的に」押し込むことである。
【0012】
更に別の方法は、イノバシブ/マイテックリンクスシステム(Innovasive/Mitek Lynx system)(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテックインク)のような締結具装置50(図5)を使用して移植片靭帯25を骨管内に固定することである。
【0013】
更に別の方法は、マイテック靭帯アンカー(マサチューセッツ州、ノーウッドのデュープィマイテックインク)のようなアンカー55(図6)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0014】
別の方法は、アキュフレックス/スミスアンドネヒューエンドボタンシステム(Acufex/Smith & Nephew Endobutton system)(マサチューセッツ州、アンドーバーのスミスアンドネヒュー(Smith & Nephew)インク)のような縫合糸懸架装置60(図7)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0015】
更に別の方法は、アースレックスクロスピン止め装置(フロリダ州、ネイプルスのアースレックスインク)のようなクロスピン止め装置65(図8)を使用して移植片靭帯25を骨管内にて懸架することである。
【0016】
更に別の方法は、移植片靭帯25を骨管20に完全に通し且つ移植片靭帯をねじ及び座金装置70(図3、図7、図9)にて又はステープル(図示せず)にて骨の外側に固定することである。
【0017】
上述したように、ACLの再構築法は、全体として移植片靭帯25の末端部分を大腿骨管35内にて固定するステップと、移植片靭帯25の基端部分を脛骨管30内にて固定するステップとを含む。上述した靭帯の再構築装置の一部は例えば、アースレックス締まり嵌めねじのような大腿骨及び脛骨を固定する場合の双方のとき効果的に且つ便宜に使用することができる。上述した再構築装置のその他のものは、全体として一方又は他方の固定の場合に使用するのにより適しており、例えば、インノバシブ/マイテックリンクスシステムは、大腿骨を固定するため全体としてより適用可能であり、ねじ及び座金装置は、脛骨を固定するため全体としてより適用可能である。
【0018】
上記に加えて、上述した再構築装置の一部は、例えば、膝蓋の一部分を含む膝蓋腱のような骨ブロックの一部分を含むように採取された移植片靭帯を利用する。上述した再構築装置のその他のものは、例えば、採取した膝腱のような柔軟な組織のみから成るように採取された移植片靭帯を利用する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
実際には、例えば、膝腱のような、柔軟な組織から全体が成る移植片靭帯を採取することが好ましく、それは、これは患者の痛みが少なく、また、ドナーへの外傷が少なくて済むからである。しかし、柔軟な組織のみから成る移植片靭帯は、全体として骨ブロックから成る移植片靭帯よりも受容骨に固定することが一般により困難であり、それは、柔軟な組織は、物理的に低剛性で、またより柔軟であり(例えば、柔軟で且つ相対的に滑り易い)、更に柔軟な組織は生物学的により脆弱となり易いからである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、移植片靭帯を受容骨に固定する新規且つ改良された方法及び装置を提供する。重要なことは、大腿骨及び脛骨の固定の双方のため装置を使用することができ、また、装置は、移植片靭帯が柔軟な組織のみにて形成される場合に使用することができる(例えば、移植片靭帯が採取した膝腱を備えるような場合)。
【0021】
より具体的には、本発明は、骨管内の所望の固定位置まで摺動可能に前進させ、また、移植片靭帯に対し側方力を加えて移植片靭帯を骨管の側壁に対して圧縮状態に保持し得るようにしつつ、骨管内の位置に固定し(好ましくは、押し込み及び(又は)ピン止めによって)、また、その後、選択的に、移植片靭帯にはキャップを固定し、これにより移植片靭帯をリテーナに且つ従って、更に、受容骨に固定するようにする、新規なリテーナを提供し且つ該リテーナを使用する方法を備えている。
【0022】
本発明は、骨管内の所望の固定位置まで摺動可能に前進させ、移植片靭帯に対して側方力を加え移植片靭帯を骨管の側壁に対して圧縮状態に保持し得るようにし、また、次に、移植片靭帯がリテーナに固定されると同時に、受容骨に係止され、これにより移植片靭帯をリテーナに、従って、更に、受容骨に固定する新規なリテーナを提供し且つ該リテーナを使用するステップも備えている。
【0023】
本発明の1つの好ましい実施の形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置であって、
骨管内に配設されるリテーナを備え、該リテーナは、リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を備え、溝は、その内部に移植片靭帯ストランドを着座させる形態とされ、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は床を有し、該床が末端方向から基端方向に伸びるに伴い半径方向外方に傾斜が付けられ、リテーナを骨管内に非回転状態にて前進させると、圧縮力が加わり移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して保持し、また、リテーナは貫通して伸びる横断方向ボアを有し、
横断方向ボアを通って骨管の側壁内に達し、リテーナを骨管内のその位置に固定し得る寸法とされた係止ピンを備える上記装置が提供される。
【0024】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する方法であって、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に配置するステップと、
リテーナを骨管内に提供するステップとを備え、該リテーナは、リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を備え、該溝は、移植片靭帯ストランドをその内部に着座させる形態とされ、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は床を有し、該床は、床が末端方向から基端方向に伸びるに伴い半径方向外方に傾斜が付けられ、リテーナを骨管内に非回転状態に前進させると、圧縮力が加わり移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して保持し、リテーナは貫通して伸びる横断方向ボアを備え、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドが長手方向に伸びる溝内に位置し、リテーナがその位置に押し込まれるようにリテーナを骨管内に配置するステップと、
係止ピンを横断方向ボアを通して且つ骨管の側壁内に通してリテーナを受容骨にピン止めするステップとを備える上記方法が提供される。
【0025】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置において、
骨管内に配置されるリテーナと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える上記装置が提供される。
【0026】
本発明の別の好ましい形態において、リテーナを骨管内に挿入するインサータであって、
軸と、
軸の末端に設けられ、リテーナの相手方部品である要素と係合し、これによりリテーナを軸に対し解放可能に保持する要素と、
軸に形成された開口部であって、軸の長手方向軸線に対し横方向に伸び、リテーナが軸に対し解放可能に保持されたとき、リテーナに形成された横断方向開口部と整合される上記開口部とを備える上記インサータが提供される。
【0027】
本発明の別の好ましい形態において、(i)骨管を貫通して伸びる移植片靭帯を拡張させるステップと、(ii)骨管の側壁を拡張させるステップとを同時に行う拡張器であって、
拡張器が骨管内に挿入されたとき、骨管の側壁を拡張させる寸法とされた軸と、
拡張器の側壁に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝であって、その内部に移植片靭帯ストランドを着座させる形態とされた前記少なくとも1つの長手方向に伸びる溝とを備え、更に、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は、移植片靭帯ストランドが少なくとも1つの長手方向に伸びる溝内に着座し、拡張器が骨管内に挿入されたとき、移植片靭帯ストランドを拡張させる寸法とされた上記拡張器が提供される。
【0028】
本発明の別の好ましい形態において、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する方法であって、
リテーナを骨管内に配置するステップと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉し得るようキャップをリテーナに取り付けるステップとを備える上記方法が提供される。
【0029】
本発明の上記及びその他の目的並びに特徴は、同様の部品を同様の参照番号にて表示する添付図面と共に参照すべきである、本発明の好ましい実施の形態に関する以下の詳細な説明からより完全に開示され又は明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、移植片靭帯を再構築する新規な方法及び装置を提供する。便宜上、本発明はねACL脛骨の固定のため使用される場合に関して以下に説明する。しかし、本発明は、大腿骨の固定又はその他の移植片靭帯をその他の骨に固定するためにも使用可能であることも理解すべきである。
【0031】
まず、図10ないし図15を参照すると、靭帯の固定装置105が示されている。靭帯の固定装置105は、全体としてリテーナ110と、係止ピン115と、選択的に係止キャップ120とを備えている。
【0032】
以下に更に詳細に説明する本発明のこの形態において、リテーナ110は脛骨管30内に配設され、移植片靭帯ストランド25はリテーナ110に沿って伸びており、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管30の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピン115を使用してリテーナ110を受容骨にピン止めする。係止キャップ120は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に、次に従って、更に、受容骨に捕捉する過程にてリテーナ110に固定することができる。
【0033】
リテーナ110、係止ピン115及び係止キャップ120は、全て1つ又はより多くの生体適合性材料にて形成されている。これらの生体適合性材料は、非吸収性(例えば、ステンレス鋼又はプラスチック)又はセラミック、同種移植片又はサンゴ(coral)の
ようは吸収性、骨伝導性又は誘導性であるものとすることができる。構成要素の全てを同一の材料にて形成することが必ずしも必要な訳ではないことを理解すべきである。実際上、構成要素の各々は、その特定の構成要素に最も望ましい1つ又は複数の材料にて形成されることが好ましい。このように、異なる構成要素を異なる材料にて形成し、単一の構成要素の異なる部分を異なる材料等にて形成することができる。
【0034】
リテーナ110は剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、本発明のその所期の機能に適合する形状を最終的に維持することができる限り、多少の程度圧縮性又は折り畳み可能であることが好ましい。このように、リテーナ110は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナ110は、本発明に適合する任意の程度の剛性を有するものとすることができる。
【0035】
本発明の1つの好ましい形態において、リテーナ110は、アセチルポリマー(例えばデルリン(Delrin))又はPLA(ポリ乳酸)にて形成されることが好ましい。
【0036】
1つの好ましい構造において、リテーナ110(図10、図11、図14、図15)は、リテーナ110に対して全体として楔形の形態を与える狭小となる前端125を特徴とすることが好ましい全体として細長い形態を有する。この好ましい楔形状の形態は、リテーナ110を骨管内に導入し且つ該リテーナをその内部にて前進させるのを助け、また、本発明の1つの好ましい形態において、楔形状の形態は、リテーナ110を以下に更に詳細に説明するようにその位置に押し込むことにより骨管内にて係止するのを助ける。
【0037】
楔形状の形態に加え、リテーナ110は、リテーナ110に沿って伸びる複数の長手方向に伸びる溝130も有している。溝130の床133は、全体としてリテーナ110のテーパーに従うことが好ましい、すなわち、溝の床133は末端方向から基端方向に伸びるとき、外方に傾斜し、溝の床は溝の末端側におけるよりも溝の基端にてリテーナの中心軸線から更に離れるようにする。溝130は、以下に説明するように、移植片靭帯25のストランドを受け入れる寸法及び形状とされている。好ましくは、各溝内に1つずつ4つの靭帯ストランドを受容し得るよう4つの溝130が設けるものとする。溝130は、拡がったフィン(又はリブ又は肉厚の厚い壁)135により互いに分離されることが好ましい。
【0038】
1つの好ましい構造において、拡がったフィン135は、実質的にその全長に沿ってリテーナ110の外周を画成する。この構造において、拡がったフィン135の外端縁は、リテーナ110のテーパー付きの形態を画成する。
【0039】
移植片靭帯ストランドがリテーナの溝内に配置されたとき、移植片靭帯ストランド25がリテーナ110に対して長手方向に動くのを阻止し得るよう溝130の床133及び(又は)拡がったフィン135にリブ及び(又は)その他の突出物を形成することができる。
【0040】
リテーナ110は、リテーナと共に選択随意の係止キャップ120を使用することを容易にし得るようねじ付き凹所140を備えることも好ましい。ねじ付き凹所140は、リテーナ110の基端面142から末端方向に伸びている。ねじ付き凹所140は、以下に更に説明するように(図14、図15、図22、図23参照)、選択随意の係止キャップ120をリテーナ110に解放可能に固定することを許容する。これと代替的に、凹所140は、選択随意の係止キャップ120をリテーナ110に固定するリブ付き又は棘付き係止機構を受け入れ得る形態としてもよい。
【0041】
1つの好ましい構造において、リテーナ110は、リテーナ110の基端を貫通して伸
びる1つ又はより多くの横断方向ボア又は傾斜ボア145(図11、図14、図15及び図18)も備えており、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は溝130の床133にて開放する(図18)。別の好ましい構造において、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は拡がったフィン135にて開放する。更に別の好ましい構造において、ボア145の一端は、リテーナ110の基端面142にて開放し、ボア145の他端は、溝130の床133及び(又は)拡がったフィン135にて開放する。
【0042】
靭帯固定装置105の係止ピン115(図12及び図13)は尖った末端の先端155にて終わる軸150を備えている。所望であるならば、軸150の基端に拡張ヘッド156を設けることができる。以下に説明するようにリテーナ110を受容骨に固定するため係止ピン115が使用される。更に、係止ピン115が移植片靭帯25を通過する程度にて、係止ピン115は、移植片靭帯を骨に直接固定する作用も果たす。
【0043】
上述したように、靭帯固定装置105は、選択的に、係止キャップ120を備えることもできる。本発明の1つの好ましい形態において、係止キャップ120(図14及び図15)は、ねじ付き茎部160(ねじの形態をしていることが好ましい)と、拡張キャップ165とを備えている。ねじ付き茎部160は、リテーナ110のねじ付き凹所140内に螺着可能に受け入れられ、これにより係止キャップ120をリテーナ110に解放可能に固定し得る寸法とされている。これと代替的に、ねじ付き茎部160は、リブ付き又は棘付きとし代替的な係止機構を形成するようにしてもよく、この場合、リテーナの凹所140はこれに相応した形態とされる。拡張キャップ165は、リテーナ110の基端面142と実質的に同一の直径を有するような寸法とされ、また、以下に更に説明するように、移植片靭帯25のストランドをリテーナ110に固定することが好ましい。所望であるならば、係止キャップ165は、複数の末端方向に突き出す指状体170を備えることもできる。指状体170は、拡張キャップ165の末端面の全体を亙り又は末端面の周縁のみ(例えば、図14及び図15に示すように)分配することができる。指状体170は、色々な寸法(図14及び図15参照)とし、また、所望であるならば、これらの指状体はリテーナ110の溝130と整合させ(図15)相補的な継手を形成するようにすることができる。
【0044】
靭帯固定装置105は、以下のように使用されることが好ましい。
【0045】
第一に、脛骨管30及び大腿骨管35を形成する(図16)。本発明の1つの好ましい形態において、脛骨管30は、段付きの構造(例えば、図16Aに示したようなボア30A又は端ぐりボア30Bのような)にて形成し又は脛骨管30はテーパー付きの構造(例えば、図16Bに示したボア30Cのような)にて形成し、楔形状のリテーナ110は、それ自体を骨管内の係止位置に押し込む前に骨管
30内の途中までのみ前進するようにする。かかる段付き又は狭小な骨管を形成する技術及び装置は、当該技術にて周知である。単に非限定的な一例として、段付き骨管は骨にボア/端ぐりボアの形態を穿孔することにより形成することができ、また、狭小な骨管は骨により小さい管を穿孔し、次に、その管をテーパー付きの骨拡張器具にて選択的に拡げることにより形成することができる。
【0046】
次に、移植片靭帯ストランド25を当該技術にて周知の方法にて大腿骨15に固定し、移植片靭帯ストランド25が脛骨10を通って後方に伸びるようにする(図17)。
【0047】
次に、脛骨管30の基端から伸びるストランドの自由端を引っ張ることにより移植片靭帯ストランド25を緊張させて、リテーナ110を脛骨管30内に前進させ、移植片靭帯ストランド25は、リテーナの溝130内に受け入れられる(図18及び図19)。リテ
ーナ110は、例えば押し込み又は引っ張るといったような多岐に亙る技術を使用して脛骨管30内に前進させることができる。非限定的な一例として、リテーナ110は、リテーナ110の基端に形成された相応する対の穴173と係合する一対の指状体172を有するインサータ171(図18)を使用して脛骨管30まで押し込むことができる。リテーナ110は脛骨管30内に前進させると、溝130の傾斜した床133は靭帯ストランドを漸進的に押して骨管の側壁と強固であるが、非外傷的に接触する状態にする(図19ないし図21参照)。
【0048】
リテーナ110を更に前進させ且つ最終的に脛骨管30内に前進させると、該リテーナは、最終的にリテーナの幾何学的形態(すなわち溝130の傾斜した床及び拡がったフィン135のテーパー付きの形状)のため、脛骨管30の段付き又はテーパー付きの幾何学的形態、リテーナ110と骨管の側壁との間の移植片靭帯ストランド25の存在のためその位置にて押し込まれる。この点に関して、この漸進的な押し込み動作、また、全体として移植片靭帯ストランド25の弾性的な性質及び脛骨管30の中間部分の側壁を形成する典型的により柔軟な海綿状骨(この骨は押し込み動作が生じるとき多少の圧縮も許容する)により影響を受けることも理解されよう。この押し込み動作は、植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して効果的に係止し、これにより移植片靭帯ストランドを受容骨に固定することになる。
【0049】
リテーナ110が脛骨管30内にて十分な距離前進し(且つ段付き又はテーパー付きの骨管30の側壁と拡がったフィン135との係合を含むがこれにのみ限定されないそのテーパー付きの形状のためその位置にて押し込まれることが好ましい)、係止ピン115を横断方向ボア又は傾斜ボア145(図19ないし図21)を通し且つ骨管の側壁内に挿入しこれにより、リテーナ110を受容骨に係止することができる。横断方向ボアがリテーナ110の基端面142にて開放し、また、リテーナ110の長手方向軸線に対して斜角度にて伸びるように横断方向ボア145を形成することにより、係止ピン115を脛骨管30の入口から横断方向ボア145内に導入し且つ実質的にリテーナ110を受容骨に「トウイン」状態にて締結することができる。更に、係止ピン115が移植片靭帯25を通って進む程度にて、係止ピンはまた移植片靭帯を該骨に直接固定する作用も果たす。
【0050】
これと代替的に且つ(又は)追加的に、リテーナ110を脛骨10にクロスピン止め又は横断ねじにて固定するため、中央穴174(図10及び図11)を使用してもよい。しかし、かかる配置は、全体として多少便宜ではなく、それは、中央穴174は脛骨10の内部に隠れて、このため、隠れた中央穴174を通して正確に「めくら」横断ピン止め又は横断ねじ止めを確実にする装置を提供しなければならないからである。
【0051】
このように、本発明の好ましい形態において、リテーナ110は、(1)脛骨管30の狭小な壁とのその押し込み係合、及び(2)係止ピン115のため、その配備位置を超えて前進することが防止される。上述したように、骨管30の狭小部分は、段付きの形態又は狭小となる形態にて形成することができる。一部の場合、段付きの形態であることが好ましく、それは、段付きの管の形態は、移植片が移動するより蛇行した経路を形成し、これにより移植片/管/装置の境界面の摩擦及び係止作用を増すからである。全体として、段付きの管の設計は、継手の内部に接近するに伴いより小さい直径となり、このためリテーナ110が継手の内部に向けて前進するのを制限することになる。
【0052】
この時点にて、リテーナ110は、移植片靭帯ストランドを脛骨管30の側壁に対し、従って受容骨に対し圧縮状態に固定するため、移植片靭帯の固定は完了していると見なすことができる。更に、係止ピン115が移植片靭帯を通る程度にて係止ピンは、移植片靭帯を骨に直接固定する作用も果たす。
【0053】
選択的に、しかし、より好ましくは、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に固定するため係止キャップ120を使用することができる。
【0054】
より具体的には、リテーナ110が脛骨管30内に配置された後、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110の基端面142の上に折り重ねる(図22及び図23)。次に、例えば、ドライバの凹所121に係合する(図22ないし図24)、六角ドライバ(図示せず)により係止キャップ120をリテーナ110に固定する(図22ないし図24)、また、係止キャップ120は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に固定し、これにより移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に、従って受容骨に対して係止する。
【0055】
このように、選択随意の係止キャップ120を使用することにより、移植片靭帯ストランド25は、(i)リテーナが移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して外方に押し込むとき、リテーナ110の長さに沿って形成された側方圧縮力、(ii)係止キャップ120の下側部とリテーナ110(これは脛骨管30内のその位置に押し込まれ且つ係止ピン115によりその位置にピン止めされる)の基端面142との間に形成された軸方向圧縮力によって受容骨に対して捕捉される。更に、係止ピン115は、移植片靭帯25を通過する程度にて、係止ピンは骨に向う移植片靭帯を固定する作用も果たす。
【0056】
移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的である限り、また、移植片靭帯ストランド25が張力の下、固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25はリテーナ110を骨管内に更に押し込み、これにより骨への押し込み係止状態を向上させる傾向となる。
【0057】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は一体化して生物学的結合体を提供する。
【0058】
これと代替的に、脛骨管の入口は、短い距離だけより大径となるように皿穴を形成することができる(脛骨皮質にて)。この配置により、より大径の係止キャップを使用して移植片靭帯25をリテーナに及び皿穴の穴の基部に形成された環状縁部に固定することができる。このことは、移植片ストランドが従う蛇行路を更に増し且つ装置の保持強度を増すことになる。
【0059】
リテーナ110は色々な幾何学的形態にて形成することができる。例えば、図25及び図26には、2つの靭帯ストランドのみが骨管内にて固定される場合に使用可能である1つの代替的なリテーナ110Aが示されている。この配置において、2つの溝130Aのみが提供され、リテーナ110Aの残りが円弧状の周面を有する。図27ないし図31には、移植片靭帯ストランドを骨管内にて固定するためリテーナ110Aを使用する選ばれたステップが示されている。図27ないし図31に図示しないが、係止キャップ120は、選択的に、リテーナ110Aと共に使用可能であることも理解されよう。
【0060】
図32及び図33には、別のリテーナ110Bが示されている。この場合、3つの靭帯ストランドまでを受容し得るよう3つの溝130Bが設けられている。この場合にも、図32及び図33に図示しないが、リテーナ110Bは、係止ピン115、また選択的に係止キャップ120と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0061】
図34及び図35には、別のリテーナ110Cが示されている。この形態において、4つの溝130Cが設けられているが、これらの溝は、ボア145Cが相対的に大きい円弧状面にて開放するようにリテーナ110C内に配置されている。この場合にも、図34及び図35に図示しないが、リテーナ110Cは係止ピン115、選択的に係止キャップ1
20と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0062】
図36ないし図38には、テーパー付きの基端と、テーパー付きの末端とを有する別のリテーナ110Dが示されている。テーパー付きの基端は、係止キャップがリテーナに対して一層良く着座することを許容することができる。図36及び図37には、拡がったフィン135D(溝130Dの間を伸びる)の高さを所望に応じて変更することが可能な方法も示されている。この場合にも、図36ないし図38には図示しないが、リテーナ110Dは、選択的に係止キャップ120と共に使用することを意図するものであることが理解されよう。
【0063】
図39及び図40には、開口部175Eが係止キャップに形成される、代替的な係止キャップ120Eが示されている。開口部175Eは、移植片靭帯ストランド25をリテーナ110の基端面142の上に折り重ね、次に、開口部175Eを通しこれにより靭帯ストランドに対しより蛇行した経路を提供し移植片靭帯ストランド25をリテーナ110に対して保持するのを助けることができる。開口部175Eは、指状体170Eの間に配置し(図39)、又は指状体170Eと整合状態に配置し(図40)及び(又は)その双方の状態にてに配置することができる。
【0064】
第二の靭帯固定装置
次に、図41を参照すると、靭帯固定装置200が示されている。靭帯固定装置200は、全体として、リテーナ205と、係止ピン210と、係止キャップ215とを備えている。
【0065】
本発明のこの形態において、また以下に更に詳細に説明するように、リテーナ205は脛骨管30内に配設され、移植片靭帯ストランド25はリテーナ205に沿って伸び、これにより移植片靭帯ストランドは脛骨管30の側壁に圧縮状態に固定される。次に、係止ピン210は、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に、従って受容骨に追加的に捕捉する過程にてリテーナ205の受容骨へのピン止め及び係止キャップ215のリテーナ205への固定を同時に行う。
【0066】
リテーナ205、係止ピン210及び係止キャップ215は、全て1つ又はより多くの生体適合性材料にて形成されている。これらの生体適合性材料は、非吸収着性(例えば、ステンレス鋼又はプラスチック)又はセラミック、同種移植片又はサンゴ(coral)のような吸収性、骨伝導性又は誘導性とすることができる。構成要素の全てを必ずしも同一の材料にて形成する必要はないことを理解すべきである。実際上、構成要素の各々は、その特定の構成要素に最も有益な1つ又は複数の材料にて形成されることが好ましい。このように、異なる構成要素を異なる材料にて形成し、また、単一の構成要素の異なる部分を異なる材料にて形成する等が可能である。
【0067】
リテーナ205は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナは、本発明のその所期の機能と一致する形状を最終的に維持することができる限り、多少の程度圧縮性又は折り畳み可能であるようにすることができる。このように、リテーナ205は、剛性又は実質的に剛性であることが好ましいが、リテーナ205は、本発明と適合する任意の程度の剛性を備えることができる。
【0068】
本発明の1つの好ましい形態において、リテーナ205は、アセチルポリマー(例えばデルリン又はPLA(ポリ乳酸)にて形成されることが好ましい。
【0069】
以下に更に詳細に説明するように、また、次に図68及び図41Aないし図44を参照すると、靭帯固定装置200は、定寸ワイヤー218(図41A)と、拡張器220(図
42及び図43)と、インサータ225(図44)とを備えることも好ましい。定寸ワイヤー218は、患者の解剖学的形態を測定し且つ以下に更に詳細に説明するように、靭帯の再構築過程にて使用すべきリテーナ205の適正な寸法(すなわち長さ)を決定するため使用されることが好ましい。拡張器220は、以下に同様に説明するように、リテーナ205を骨管内にて配備する前に、骨管30及び移植片靭帯ストランド25を準備すべく使用されることが好ましい。インサータ225は、同様に、以下に説明するように、リテーナ205を骨管30内にて配備するため使用されることが好ましい。
【0070】
靭帯の固定装置200のリテーナ205が図45ないし図52及び図52Aないし図52Eに更に詳細に示されている。リテーナ205は、移植片靭帯ストランド25を受け入れる4つの長手方向に伸びる溝227(図45及び図52)と、以下に説明するようにインサータ225の一部分を受け入れる中央管腔230(図49)と、係止ピン210を受け入れるクロス穴235と、移植片靭帯ストランド25及び係止キャップ215を着座させる取り付け肩部240とを備えている。
【0071】
上記に加えて、リテーナ205は、2つの主リブ又は脊柱245(図45、図50、図52)と、2つの側方ピン250(図45、図47、図51、図52)と、溝227の床に対するロフト付きプロファイル255(図48及び図51)と、長手方向に伸びる溝227の床に形成された複数のリブ257(図45、図46及び図48)と、取り付け肩部240の面に形成された係止プロファイル260(図45、図47及び図50)と、側部リブ265(図45及び図47)と、クロス穴235の内部に形成された内ねじ部270(図48及び図49)と、インサータ225が係合するようリテーナ205の後端に形成された凹所275(図47、図48及び図50)と、段付きの鋭利な先端280(図45及び図47)とを備えることが好ましく、これらの各々については以下により詳細に説明する。
【0072】
主リブ又は脊柱245(図45、図50及び図52)は、リテーナ205の長さを亙って下方に伸びており、また、リテーナ205が複数の移植片靭帯ストランドと共に骨管内に配備されたとき、脊柱245は、(i)骨管の側壁に確実に着座し且つ(ii)靭帯ストランドをリテーナ205の長手方向軸線と整合された状態に保つのを助ける。
【0073】
側方フィン250(図45、図47、図51及び図52)は、リテーナ205が骨管内に導入されたとき、脊柱245と共に、これらの移植片靭帯ストランドを別個に制御可能な長さに分離し且つ4つの長手方向に伸びる溝227内に配置する。移植片靭帯が4つのストランド(例えば、脛骨筋腱移植片)ではなくて2つのストランドのみを備える程度にて、2つの側方向フィンは、2つの移植片靭帯ストランドに対向して位置し且つ追加的な側方圧縮力を加える。この点に関して、2つの靭帯ストランドと共に装置200が使用されるとき、拡張器220は、側方フィンを受け入れ得るようにストランドにインプレッションを形成することにより、これらの2つのストランドを準備することを理解すべきである。
【0074】
ロフト付きプロファイル255(図48及び図51)は、リテーナ205の長さに沿って伸びる移植片靭帯ストランド25に対する圧力勾配を提供する。より特定的には、ロフト付きプロファイル255は、骨管の側壁に対して移植片靭帯ストランド25を漸進的により一層圧縮し(末端方向から基端方向に)一方、該骨管は、リテーナ205の末端付近にて靭帯と骨とのより穏やかな接触状態を発生させ、また、リテーナ205の基端付近にて靭帯と骨とのより急激な接触状態を発生させる。増大した圧縮(末端から基端への)は、骨管30の周縁の周りにて靭帯に対するより優れた周方向カバー状態を提供し且つ、優れた固定強度を発生させる。リテーナ205に対し全体としてテーパー付きの形態を提供するロフト付きのプロファイル255は、リテーナ205の骨管30内への挿入を容易に
する。
【0075】
リブ257(図45、図46及び図48)は、長手方向に伸びる溝227の床に形成され且つ以下に説明するように、移植片靭帯ストランドが長手方向に伸びる溝内に着座したとき、リテーナ205に対する移植片靭帯ストランド25の長手方向への動きを阻止する作用を果たす。
【0076】
プロファイル260(図45、図47及び図50)は、以下に説明するように、取り付け肩部240(図45)と係止キャップ215の下側部との間にて移植片靭帯ストランド25を把持し易くするため、係止キャップ215(以下に説明)に形成された相補的なプロファイルと相互作用する。
【0077】
側部リブ265(図45及び図47)は、移植片靭帯ストランドをリテーナ205の基端(すなわち非接続端部)にて更に把持することを可能にする。
【0078】
内ねじ部270(図48及び図49)は、係止ピン210に形成された相手方部品である、ねじ295(図53)と合わさり、これにより、以下に説明するように、係止ピン210が制御された状態でクロス穴235を通って前進するのを容易にする。
【0079】
凹所275(図47、図48及び図50)は、以下に説明するようにインサータ225の相手方部品である、要素と合わさり、これによりリテーナ205をインサータに対して保持するのを助ける。
【0080】
段付きの鋭利な先端280(図45及び図47)は、移植片靭帯ストランドがリテーナ205の脇を通るとき、移植片靭帯ストランド25を骨経路内に固定するのを助け得るように移植片靭帯ストランド25に対する蛇行路を提供する。段付きの鋭利な先端280のプロファイルは、リテーナ205がその所期の深さを超えて動こうとするとき、リテーナ205とテーパー付きの骨管の側壁との間(すなわち脊柱245に沿って)追加的な押し込み作用を生じさせる。
【0081】
リテーナ205の寸法は、リテーナ205が骨管30内に配設されたとき(すなわち骨管30及び移植片靭帯ストランド25が拡張器220により処理された後)、リテーナ205が移植片靭帯ストランド25及び骨管30の側壁の双方に対して骨管30内のその位置に強固に押し込まれるように選ばれることを理解すべきである。
【0082】
係止ピン210は、図53ないし図56により詳細に示されている。係止ピン210は、全体として、係止キャップ215、リテーナ205を通して受容骨内に挿入される軸285と、係止キャップ215をリテーナ205に対して固定し移植片靭帯ストランド25をリテーナに対して捕捉するヘッド290と、リテーナ205の相手方部品である内ねじ部270と係合し、以下に説明するように、リテーナ205に対する係止ピン210の前進を制御するねじ部295とを備えている。ヘッド290は、ドライバ(図示せず)と選択的に合わさりこれにより係止ピン210の回転を容易にする非円形(例えば、六角形、トーレックス、フィリップス、スター等)の凹所296を備えることも好ましい。
【0083】
係止ピン210は、テーパー付きの末端の先端300と、1つ又はより多くの軸拡張部310と、ヘッド290と1つ又はより多くの軸拡張部310との間に配置された係止キャップ座部305(図55)とを備えることが好ましく、これらの各々については、以下に更に詳細に説明する。
【0084】
ねじ部295は、軸285に配置され且つ、リテーナ205における相手方部品である
ねじ部270と合わさりリテーナ205のクロス穴235を通る係止ピン210の前進を制御する。1つの好ましい実施の形態において、係止ピン210におけるねじ部295及びリテーナ205における相手方部品である、ねじ部270は、ユーザが係止ピン210をリテーナ205に対して過締めしないよう保護し得る寸法とされている。
【0085】
軸285の末端における先端300は、係止ピン210がリテーナ205のクロス穴235を通って受容骨内に進むのを容易にし得るように鋭利で且つ滑らかであることが好ましい。
【0086】
係止キャップ座部305(図55)は、ヘッド290と1つ又はより多くの軸拡張部310との間に配置され、これにより係止キャップ215(図41)が1つ又はより多くの軸拡張部310の上を基端方向に滑動し、次に、係止ピン210をリテーナ205に相対して強固に締め付ける前に、軸285に対してルーズに保持されるのを許容し、これにより係止ピン215をリテーナの取り付け肩部240に対して固定する。
【0087】
本発明の1つの好ましい形態において、係止ピン210は、以下に更に詳細に説明するように、係止キャップ215の相応する要素と係合し、これにより、抜け出し防止作用を提供する複数の突起312(図53、図55及び図56)も有している。
【0088】
係止キャップ215は、図57ないし図61に更に詳細に示されている。係止キャップ215は、全体として、ピン210を係止する軸285を受け入れる中央管腔315と、リテーナ205における相補的な係止プロファイル260(図45)と相互作用し、これにより移植片靭帯ストランド25を係止キャップ215とリテーナの取り付け肩部240との間にて把持し易くする係止プロファイル320と、係止ピン210のヘッド290を着座させる基端側凹所325(図60)とを備えている。好ましくは、1つ又はより多くの半径方向溝328(図60及び図61)が凹所325内に設けられるものとする。半径方向溝328は、相対的に緩やかな勾配328A(図61にて時計回り方向に動くときに遭遇する)と、相対的に急峻な勾配328B(図61にて反時計回り方向に動くときに遭遇する)とを備えている。半径方向溝328は、係止ピン210に形成された突起312と相互作用し係止ピン210が抜け出るのを防止する。更に、突起312が半径方向溝328と相互作用する結果、移植片靭帯ストランド25にて適正な圧縮状態が実現されたとき、触覚的且つ聴覚的フィードバックを提供する。図59ないし図61に示すように、半径方向溝328のプロファイルは、圧縮状態にて締め付ける間、確実な回転(すなわち図61にて時計回り方向への回転)を許容するが、ピン210の抜け出る回転(すなわち、図61の反時計回り方向への回転)を防止する。
【0089】
上述したように、係止キャップ215の中央管腔315の直径は、係止ピン210に形成された係止キャップの座部305(図55)と調和するようにされ、このため、係止キャップ215をリテーナの取り付け肩部240に対して係止する前に、係止キャップ215は、係止キャップ215が軸285に沿って下方に滑動するのを防止ししつつ、軸285にて自由に回転することができる。その結果、係止キャップ215は、係止ピン210にルーズに取り付け、係止ピン210をリテーナのクロス穴235内に導入する前に、2つの部材を単一体として容易に操作することができる。
【0090】
リテーナ205を骨管内にて配備する前に、脛骨管30及び移植片靭帯ストランド25を準備するため、拡張器220(図42及び図43)が使用されることが好ましい。拡張器220は、実質的に、(i)骨管の側壁を圧迫して移植片靭帯が係合するためのより一体的な面を提供し、(ii)相対的に弾性的な移植片靭帯ストランドを圧縮してその大きさを一時的に減少させる。更に、移植片靭帯ストランドがその位置にある状態にて骨管を拡張させることにより、拡張器220は、移植片靭帯ストランドが骨管の側壁と機械的に
一体化するのを助けることができる。拡張器220は、末端335を有する軸330を全体として備えている。末端335は、非外傷性先端340と、以下に説明するように、移植片靭帯ストランド25を受け入れる複数の長手方向に伸びる溝345(数はリテーナ205の長手方向溝227と適合する)とを備えている。ハンドル350は軸330の基端に形成されている。
【0091】
インサータ225(図44及び図62ないし図65)を使用してリテーナ205を脛骨管30内にて配備することが好ましい。インサータ225は、全体として、軸355の末端に形成され且つリテーナ205の基端と係合する形態とされた末端側先端360(図44、図62及び図63)を有する軸355(図44及び図62)と、軸355の基端に取り付けられたハンドル365(図44)と、軸355及び先端360を通し、また、リテーナ205はインサータの端部に取り付けられたとき、リテーナ205を通して選択的に挿入されるスタイラス370(図44及び図64)とを備えている。スタイラス370は、以下に説明するように、リテーナ205は、インサータ225と共に受容骨内に配備されたとき、リテーナ205に対して追加的な安定性を提供する。
【0092】
インサータ225はまた、先端360に選択的に取り付けられるドリルブッシュ375(図65)と、ハンドル365、軸355及び先端360(図44、図62及び図63)を通って伸びる管腔380(図62)と、ドリルブッシュ座部390(図63)と、指状体395(図63)とを備えることも好ましく、これらの各々については以下により詳細に説明する。
【0093】
ドリルブッシュ375(図65)は、中央管腔396と、前端突出部397Aを有する段付きの外側プロファイルと、従動軸397Bと、後側把持部397Cとを備えている。先端突出部397Aと従動軸397Bとの交点に環状肩部397Dが形成されている。好ましくは、先端突出部397Aは、平滑な部分397Eと、それに続くねじ付き部分397Fとを備えている。ドリルブッシュ375は、以下に更に詳細に説明するように、ドリルブッシュ座部390により先端360に選択的に取り付けられ(以下参照)、また、受容骨にクロス穴を正確に穿孔するために使用される。
【0094】
ハンドル365、軸355及び先端360を貫通して伸びる管腔380は、取り外し可能なスタイラス370を受容する。
【0095】
ドリルブッシュ座部390(図63)は、ねじ付きボア398Aと、部分的端ぐりボア398Bとを備えており、ボア398Aと端ぐりボア398Bとの交点には環状肩部398Cが形成されている。ドリルブッシュ座部390は、ドリルブッシュ375を選択的に受容して、ブッシュのねじ付き部分397Fが座部のボア398Aによって受け入れられ、ブッシュの後続の軸397Bが座部の部分的端ぐりボア398B内に受け入れられ、これにより、以下により詳細に説明するように、ドリルブッシュ375を先端360に取り付け、ドリルブッシュ375の平滑な部分397Eがインサータ225に取り付けられたリテーナ205のクロス穴235内に配設され且つ該クロス穴235をライニングすることができる。
【0096】
指状体395(図63)は、リテーナ205の相手方部品である凹所275(図48)と合わさり、これによりリテーナ205をインサータ225の末端に選択的に保持する。
【0097】
所望であるならば、軸355及び先端360は、単一部材として又は製造中に一体化された一対の部材として形成することができる。
【0098】
所望であるならば、スタイラス370に代えてスタイラス370A(図66及び図67
)を使用することができる。スタイラス370Aは、ワイヤー399Cを調節可能に把持し得るよう本体399B内に受け入れられたコレット399Aを備えている。
【0099】
靭帯固定装置200は、次のようにして使用されることが好ましい。
【0100】
最初に、当該技術にて周知の方法にて脛骨管30及び大腿骨管35を形成する。移植片靭帯ストランド25を膝関節を亙って脛骨管30を通って前進させ、当該技術にて周知の方法にて大腿骨管35に入るようにする。移植片靭帯ストランド25は、大腿骨管35内にしっかりと固定され、移植片靭帯ストランド25が膝関節を亙って後方に脛骨管30を通って伸び、また、脛骨10の正面から出るようにする。これは全て当該技術にて周知の方法にて行われる。
【0101】
次に、図68及び図69を参照すると、定寸ワイヤー218(又はその他のツール)を脛骨管30内に前進させ、脛骨管30の深さを決定する。このことは、定寸ワイヤー218に形成された目盛り標識を使用して行われる。脛骨管30の深さは、靭帯を再構築するときに使用されるリテーナ205の長さを決定する。
【0102】
次に、定寸ワイヤー218を脛骨管30(図70)から除去し、移植片靭帯ストランド25の自由端が張力状態にて保持される間、拡張器220を脛骨管30(図71)内に前進させ、移植片靭帯ストランド25が拡張器の長手方向に伸びる溝345内に受け入れられるようにする。拡張器220が脛骨管30内に前進すると、拡張器は、移植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して押し付け、移植片靭帯ストランド25を圧縮し流体を移植片靭帯ストランド25から一時的に除去して、受容骨を圧縮しより一体的な骨壁を形成すると共に、移植片靭帯を受容骨内に機械的に一体化し且つ曲線状の形態となるようにする。拡張器220は、拡張器220の表面に形成された目盛り標識を使用して適宜な深さまで前進させる(図72)。次に、拡張器220を脛骨管30(図73)から除去する。
【0103】
次に、リテーナ205をインサータ225に装填し、インサータの指状体395がリテーナ205の凹所275と係合してスタイラス370はインサータの軸355、インサータの先端360及びリテーナ205(図74)を通るようにする。次に、インサータ225を使用してリテーナ205を骨管30内のその適正な位置に前進させる(図75及び図76)。リテーナ205が骨管30内に挿入されると、移植片靭帯ストランド25(その自由端を引っ張ることにより張力状態に保持されている)は、リテーナの長手方向に伸びる溝227内に受け入れられ、リテーナのロフト付きプロファイル255は、移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して穏やかに、但し確実に圧縮する。リテーナ205は、該リテーナがその位置に適正に押し込まれる迄、前進させる。リテーナ205の適正な配置状態が実現されたならば、スタイラス370を除去する(図77)。この時点にて、リテーナ205は、骨管内のその位置に押し込まれることによって移植片靭帯ストランド25を骨に対して圧縮状態に保持する。
【0104】
次に、ドリルブッシュ375をドリルブッシュ座部390(図78及び図78A)上に配置し、また、ドリル400を使用して受容骨にクロス穴405を形成する(図79及び図80)。クロス穴405が形成されたならば、ドリルブッシュ375を除去し且つ、インサータ225を除去する(図80)。
【0105】
次に、係止ピン210(係止キャップ215が係止キャップ座部305に保持されている)を受容骨に穿孔したリテーナのクロス穴235、クロス穴405内に取り付け、係止キャップ215は、移植片靭帯ストランド25をリテーナの取り付け肩部240に対して把持し、リテーナ205を受容骨に且つ、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に
同時に拘束する(図81)。
【0106】
このように、靭帯固定装置200によって、移植片靭帯ストランド25はリテーナ205により提供される圧縮力によって脛骨10に対して保持される。更に、移植片靭帯ストランド25は、係止キャップ215によりリテーナ205に対して固定され、完全な組立体は係止ピン210を介して受容骨にピン止めされる。
【0107】
また、移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的となり、また、移植片靭帯ストランド25が張力の下、固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205を骨管内に更に押し込み、これにより骨に対する押し込み係止状態を向上させることも理解すべきである。
【0108】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は、生物学的結合体を提供し得るように一体化する。
【0109】
所望であるならば、係止ピン210は、そのねじ部295に代えてリブ付き又は棘付き構造を使用することができ、また、リテーナ205は、そのねじ部270に代えて1方向ラチェット機構を形成し得るよう合わさる幾何学的形態を使用することができる。
【0110】
更に、所望であるならば、係止ピン210及び係止キャップ215は、単一の構造すなわち一体化した構造にて形成することができる。
【0111】
図81A及び図81Bには、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態が示されている。
【0112】
本発明の1つの好ましい形態において、装置は、インサータ225が引き出された後、クロス穴405が脛骨に形成されるように改変される。
【0113】
より具体的には、本発明のこの形態において、図82及び図83を参照すると、改変したインサータ225Aが提供される。インサータ225Aは、全体としてドリルブッシュ座部390を廃止する点を除いて、上述した先端360と同様である改変した末端の先端360Aを有している。更に、図84A、図84B及び図85を参照すると、改変したドリルブッシュ375Aが提供される。ドリルブッシュ375Aは、その末端にてより小さい平滑な軸411Aにて終わり、その基端にてコネクタ415Aにて終わり、また、中央穴420Aを有する平滑な軸410Aを備えている。コネクタ415Aは、ハンドル430Aが係合する1つ又はより多くの開口部425Aを有している。本発明のこの形態において、ドリルブッシュ375Aは、骨クロス穴405を形成するとき、リテーナ205に直接取り付けられる、すなわちより小さい平滑な軸411Aはリテーナのクロス穴235内に着座する。
【0114】
より特定的には、本発明のこの形態において、靭帯の再構築は、次のようにして実行される。
【0115】
最初に、脛骨管30及び大腿骨管35は、当該技術にて周知の方法にて形成される。移植片靭帯ストランド25を当該技術にて周知の方法にて脛骨管30を通って、膝関節を横断し大腿骨管35内に前進させる。移植片靭帯ストランド25は、大腿骨管35内にてしっかりと固定され、移植片靭帯ストランド25は膝関節を横断して後方に戻り、脛骨管30を通り且つ脛骨10の正面から出るようにする。これらは全て当該技術にて周知の方法にて行われる。
【0116】
次に、定寸ワイヤー218(又はその他のツール)を脛骨管30内に前進させて脛骨管30の深さを決定する。これは、定寸ワイヤー218に形成された目盛り標識を使用して実行される。脛骨管30の深さは、靭帯を再構築するときに使用されるリテーナ205の長さを決定する。
【0117】
次に、定寸ワイヤー218を脛骨管30から除去し、また、移植片靭帯ストランド25の自由端が張力状態にて保持される間、拡張器220を脛骨管30内に前進させ、移植片靭帯ストランド25が拡張器の長手方向に伸びる溝345内に受け入れられるようにする。拡張器220を脛骨管30内に前進させると、拡張器は、移植片靭帯ストランド25を脛骨管30の側壁に対して押し付けて移植片靭帯ストランド25を圧縮し流体を移植片靭帯ストランド25から一時的に除去し、受容骨を圧縮してより一体的な骨壁を形成し、移植片靭帯ストランドを受容骨内に機械的に一体化し且つ曲線状の形態となるようにする。拡張器220は、拡張器220の表面に形成された目盛り標識を使用して適宜な深さまで前進させる。次に、拡張器220を脛骨管30から除去する。
【0118】
次に、リテーナ205をインサータ225Aに装填してインサータの指状体395Aがリテーナ205の凹所275内に係合し、スタイラス370Aがインサータ軸355A、インサータ先端360A及びリテーナ205(図86)を通るようにする。次に、インサータ225Aを使用してリテーナ205を骨管30内のその適正な位置まで前進させる(図87及び図88)。リテーナ205が骨管30内に挿入されると、移植片靭帯ストランド25(その自由端を引っ張ることにより張力状態に保持されている)は、リテーナの長手方向に伸びる溝227内に受け入れられ、リテーナのロフト付きプロファイル255は、移植片靭帯ストランドを骨管の側壁に対して穏やかに、但し確実に圧縮する。リテーナ205は、該リテーナがその位置に適正に押し込まれる迄、前進させる。リテーナ205の適正な配置が実現されたならば、スタイレット370Aを含んでインサータ225Aを除去する(図89及び図89A)。この点に関して、インサータ225A(スタイラス370Aを含む)は、リテーナ205がその位置に確実に押し込まれる限り、リテーナ205及び(又は)靭帯ストランド25の位置に影響を与えることなく除去することができることを理解すべきである。この時点にて、リテーナ205は、骨管内のその位置に押し込まれることによって、移植片靭帯ストランド25を骨に対して圧縮状態に保持する。
【0119】
次に、ドリルブッシュ375Aをリテーナのクロス穴235(図90)内に配置し、ドリル400を使用して受容骨にクロス穴405を形成する(図90及び図91)。クロス穴405が形成されたならば、ドリルブッシュ375Aを除去する(図91)。
【0120】
次に、係止ピン210(係止キャップ215が係止キャップ座部305内に保持されている)をリテーナのクロス穴235及び受容骨に穿孔したクロス穴405内に取り付け、係止キャップ215は、移植片靭帯ストランド25をリテーナの取り付け肩部240に対して捕捉して、リテーナ205を受容骨に拘束すると同時に、移植片靭帯ストランド25をリテーナ205に固定する(図92)。この場合にも、改変したインサータ225Aを使用する装置により、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205により提供される圧縮のため脛骨10に対して保持される。更に、移植片靭帯ストランド25は、係止キャップ215によりリテーナ205に対して固定され、完全な組立体は係止ピン210を介して受容骨にピン止めされる。
【0121】
移植片靭帯ストランド25が僅かに弾性的となりがちであり、また、移植片靭帯ストランド25が張力状態にて固定される限り、リテーナを配備したとき、移植片靭帯ストランド25は、リテーナ205を骨管内に更に押し込み、これにより骨に対する押し込み係止状態を向上させることも理解すべきである。
【0122】
その後、時間の経過に伴い、移植片靭帯ストランド25及び受容骨は一体化して生物学的結合体を提供する。
【0123】
図93及び図94には、本発明によって形成された装置の別の代替的な形態が示されている。
【0124】
改変例
本発明の性質を説明するため上記に記載し且つ説明した部品の細部、材料、ステップ及び配置の点にて多数の追加的な変更が当該技術分野の当業者によって為すことができ、これらは本発明の原理及び範囲内に属するものであることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】脛骨と大腿骨との間を伸びるACLを示す膝関節の概略側面図である。
【図2】脛骨と大腿骨との間を伸びる移植片靭帯を示す膝関節の概略側面図である。
【図3】締まり嵌めねじによって骨管内に固定させた移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図4】軸受構造体及び膨張ねじによって骨管内に固定させた移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図5】締結具装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図6】アンカーによって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図7】縫合糸懸架装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図8】クロスピン止め装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図9】ねじ及び座金装置によって骨管内に固定された移植片靭帯を示す概略側面図である。
【図10】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される新規なリテーナを示す概略図である。
【図11】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される新規なリテーナを示す概略図である。
【図12】図10のリテーナを骨管内にて固定する係止ピンを示す概略図である。
【図13】図11のリテーナを骨管内にて固定する係止ピンを示す概略図である。
【図14】移植片靭帯を図10のリテーナに固定する選択随意的な係止キャップと共に図10のリテーナを示す概略図である。
【図15】移植片靭帯を図11のリテーナに固定する選択随意的な係止キャップと共に図11のリテーナを示す概略図である。
【図16】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図16A】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図16B】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図17】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図18】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図19】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図20】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図21】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図22】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図23】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図24】図10ないし図15の装置を使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図25】移植片靭帯を骨管内にて固定するため使用される第二の新規なリテーナを示す概略図である。
【図26】移植片靭帯を骨管内にて固定するため使用される第二の新規なリテーナを示す概略図である。
【図27】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図28】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図29】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図30】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図31】図25及び図26のリテーナを使用して骨管内に固定される移植片靭帯を示す図である。
【図32】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第三の新規なリテーナを示す概略図である。
【図33】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第三の新規なリテーナを示す概略図である。
【図34】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第四の新規なリテーナを示す概略図である。
【図35】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第四の新規なリテーナを示す概略図である。
【図36】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図37】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図38】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される第五の新規なリテーナを示す概略図である。
【図39】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される追加的な選択随意の係止キャップを示す概略図である。
【図40】移植片靭帯を骨管内に固定するとき使用される追加的な選択随意の係止キャップを示す概略図である。
【図41】リテーナと、係止ピンと、係止キャップとを備える、本発明に従って形成された別の靭帯固定装置を示す概略図である。
【図41A】41Aは、定寸ワイヤーを示す概略図である。
【図42】本発明に従って形成された拡張器を示す概略図である。
【図43】本発明に従って形成された拡張器を示す概略図である。
【図44】本発明に従って形成されたインサータを示す概略図である。
【図45】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図46】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図47】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図48】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図49】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図50】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図51】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52】図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52A】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52B】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52C】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52D】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図52E】52Aないし52Eは、図41に示した靭帯固定装置のリテーナの更なる詳細を示す概略図である。
【図53】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図54】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図55】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図56】図41に示した靭帯固定装置の係止ピンの更なる詳細を示す概略図である。
【図57】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図58】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図59】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図60】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図61】図41に示した靭帯固定装置の係止キャップの更なる詳細を示す概略図である。
【図62】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図63】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図64】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図65】図44に示したインサータの更なる詳細を示す概略図である。
【図66】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図67】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図68】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図69】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図70】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図71】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図72】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図73】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図74】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図75】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図76】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図77】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図78】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図78A】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図79】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図80】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図81】図41の靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図81A】81Aは、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図81B】81Bは、本発明に従って形成された装置の1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図82】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図83】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図84A】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図84B】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図85】インサータの1つの代替的な形態を示す概略図である。
【図86】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図87】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図88】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図89】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図89A】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図90】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図91】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図92】靭帯固定装置を使用して移植片靭帯を脛骨管内に固定する方法を示す一連の図である。
【図93】本発明に従って形成される装置の別の代替的な形態を示す概略図である。
【図94】本発明に従って形成される装置の別の代替的な形態を示す概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置において、
骨管内に配置されるリテーナと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、骨管は、末端と、基端とを有し、骨管の末端は基端よりも小さい直径を有し、更に、リテーナは、骨管の末端よりも大きく且つ骨管の基端よりも小さい直径を有し、このため、リテーナが管の末端から出るのが防止される、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、骨管はテーパー付きの形態を有する、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、骨管はボア−端ぐりボアの形態を有する、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、その長さの少なくとも一部分に沿ってテーパーが付けられ、リテーナが末端方向から基端方向に伸びるに伴ない増大する直径を有するようにした、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、リテーナは横断方向ボアを備え、更に、装置は、リテーナを骨管のその位置に固定し得るよう横断方向ボアを通り且つ骨管の側壁内に進む寸法とされた係止ピンを更に備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、横断方向ボアは、リテーナの長手方向軸線に対して
鋭角な角度にて伸びる、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、横断方向ボアはリテーナの基端面にて開放する、装置。
【請求項9】
請求項6に記載の装置において、横断方向ボアはリテーナの長手方向軸線に対して直角に伸びる、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を更に備え、該溝は、移植片靭帯ストランドを内部に着座させる形態とされる、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、リテーナは、貫通して伸びる横断方向ボアを更に備え、更に、該横断方向ボアは、少なくとも1つの溝の床にて開放する、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は、リテーナの長手方向軸線に対して傾斜させた床を有する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、床は、該床が末端方向から基端方向に伸びるに伴ない、半径方向外方に傾斜するようにした、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された4つの長手方向に伸びる溝を有する、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つのリブを更に備え、該リブはリテーナの長手方向軸線に対して横方向に伸びる、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を更に備え、該溝は、移植片靭帯ストランドをその内部に着座させる形態とされ、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つのリブを更に備え、該リブは、リテーナの長手方向軸線に対して横方向に伸び、更に、リブの少なくとも一部分は少なくとも1つの溝内に伸びる、装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、リテーナの末端は、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドに対する蛇行路を形成し得るよう段付きの形態を有する、装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置において、キャップは、ポスト及び穴装置によってリテーナの基端に取り付けられる、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、キャップはポストを備え、リテーナは穴を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、ポストはねじ付きであり、穴はねじ付きである、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置において、ポストはリブ付きである、装置。
【請求項22】
請求項18に記載の装置において、穴は、リテーナの基端面にて開放し且つリテーナを通って横方向に伸び、更に、ポストは、キャップがリテーナの基端と接触するとき、リテ
ーナから出て骨管の側壁内に伸びる寸法とされる、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、ポストはねじ付きであり、穴はねじ付きである、装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置において、キャップはポストに摺動可能に取り付けられる、装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、ポストはキャップをリテーナに対して保持するヘッドを備える、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、キャップはポストのヘッドを着座させる凹所を備える、装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、キャップは、該キャップから末端方向に伸びる少なくとも1つの長手方向に伸びる突起を備える、装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、リテーナは、キャップが該リテーナに取り付けられたとき、キャップの少なくとも1つの長手方向に伸びる突起を受け入れる少なくとも1つの凹所を備える、装置。
【請求項29】
請求項1に記載の装置において、キャップは、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを通すための少なくとも1つの開口部を備える、装置。
【請求項30】
請求項1に記載の装置において、リテーナを骨管内に配備するインサータを更に備え、該インサータは、リテーナに対し選択的に取り付け得るようにされる、装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、インサータは、指状体及び凹所の装置によりリテーナの基端に取り付けられる、装置。
【請求項32】
請求項30に記載の装置において、リテーナは管腔を備え、インサータは管腔を備え、装置は、インサータの管腔及びリテーナの管腔を通して選択的に挿入されるスタイラスを更に備える、装置。
【請求項33】
請求項1に記載の装置において、リテーナを骨管内に配設する前、少なくとも1つの移植片靭帯ストランド及び骨管の壁を拡張させる拡張器を更に備える、装置。
【請求項1】
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを骨管内に固定することにより靭帯を再構築する装置において、
骨管内に配置されるリテーナと、
少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをキャップとリテーナとの間にて圧縮することにより、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドをリテーナに対して捕捉すべくリテーナに取り外し可能に取り付けられたキャップとを備える、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、骨管は、末端と、基端とを有し、骨管の末端は基端よりも小さい直径を有し、更に、リテーナは、骨管の末端よりも大きく且つ骨管の基端よりも小さい直径を有し、このため、リテーナが管の末端から出るのが防止される、装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置において、骨管はテーパー付きの形態を有する、装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、骨管はボア−端ぐりボアの形態を有する、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、その長さの少なくとも一部分に沿ってテーパーが付けられ、リテーナが末端方向から基端方向に伸びるに伴ない増大する直径を有するようにした、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置において、リテーナは横断方向ボアを備え、更に、装置は、リテーナを骨管のその位置に固定し得るよう横断方向ボアを通り且つ骨管の側壁内に進む寸法とされた係止ピンを更に備える、装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、横断方向ボアは、リテーナの長手方向軸線に対して
鋭角な角度にて伸びる、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置において、横断方向ボアはリテーナの基端面にて開放する、装置。
【請求項9】
請求項6に記載の装置において、横断方向ボアはリテーナの長手方向軸線に対して直角に伸びる、装置。
【請求項10】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を更に備え、該溝は、移植片靭帯ストランドを内部に着座させる形態とされる、装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、リテーナは、貫通して伸びる横断方向ボアを更に備え、更に、該横断方向ボアは、少なくとも1つの溝の床にて開放する、装置。
【請求項12】
請求項10に記載の装置において、少なくとも1つの長手方向に伸びる溝は、リテーナの長手方向軸線に対して傾斜させた床を有する、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、床は、該床が末端方向から基端方向に伸びるに伴ない、半径方向外方に傾斜するようにした、装置。
【請求項14】
請求項10に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された4つの長手方向に伸びる溝を有する、装置。
【請求項15】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つのリブを更に備え、該リブはリテーナの長手方向軸線に対して横方向に伸びる、装置。
【請求項16】
請求項1に記載の装置において、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つの長手方向に伸びる溝を更に備え、該溝は、移植片靭帯ストランドをその内部に着座させる形態とされ、リテーナは、該リテーナの外面に形成された少なくとも1つのリブを更に備え、該リブは、リテーナの長手方向軸線に対して横方向に伸び、更に、リブの少なくとも一部分は少なくとも1つの溝内に伸びる、装置。
【請求項17】
請求項1に記載の装置において、リテーナの末端は、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドに対する蛇行路を形成し得るよう段付きの形態を有する、装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置において、キャップは、ポスト及び穴装置によってリテーナの基端に取り付けられる、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、キャップはポストを備え、リテーナは穴を備える、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置において、ポストはねじ付きであり、穴はねじ付きである、装置。
【請求項21】
請求項19に記載の装置において、ポストはリブ付きである、装置。
【請求項22】
請求項18に記載の装置において、穴は、リテーナの基端面にて開放し且つリテーナを通って横方向に伸び、更に、ポストは、キャップがリテーナの基端と接触するとき、リテ
ーナから出て骨管の側壁内に伸びる寸法とされる、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置において、ポストはねじ付きであり、穴はねじ付きである、装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置において、キャップはポストに摺動可能に取り付けられる、装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、ポストはキャップをリテーナに対して保持するヘッドを備える、装置。
【請求項26】
請求項25に記載の装置において、キャップはポストのヘッドを着座させる凹所を備える、装置。
【請求項27】
請求項1に記載の装置において、キャップは、該キャップから末端方向に伸びる少なくとも1つの長手方向に伸びる突起を備える、装置。
【請求項28】
請求項27に記載の装置において、リテーナは、キャップが該リテーナに取り付けられたとき、キャップの少なくとも1つの長手方向に伸びる突起を受け入れる少なくとも1つの凹所を備える、装置。
【請求項29】
請求項1に記載の装置において、キャップは、少なくとも1つの移植片靭帯ストランドを通すための少なくとも1つの開口部を備える、装置。
【請求項30】
請求項1に記載の装置において、リテーナを骨管内に配備するインサータを更に備え、該インサータは、リテーナに対し選択的に取り付け得るようにされる、装置。
【請求項31】
請求項30に記載の装置において、インサータは、指状体及び凹所の装置によりリテーナの基端に取り付けられる、装置。
【請求項32】
請求項30に記載の装置において、リテーナは管腔を備え、インサータは管腔を備え、装置は、インサータの管腔及びリテーナの管腔を通して選択的に挿入されるスタイラスを更に備える、装置。
【請求項33】
請求項1に記載の装置において、リテーナを骨管内に配設する前、少なくとも1つの移植片靭帯ストランド及び骨管の壁を拡張させる拡張器を更に備える、装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図41A】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図52A】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図82】
【図83】
【図84A】
【図84B】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図89A】
【図90】
【図93】
【図94】
【図52B】
【図52C】
【図52D】
【図52E】
【図53】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図78A】
【図79】
【図80】
【図81】
【図81A】
【図81B】
【図91】
【図92】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図41A】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図52A】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【図82】
【図83】
【図84A】
【図84B】
【図85】
【図86】
【図87】
【図88】
【図89】
【図89A】
【図90】
【図93】
【図94】
【図52B】
【図52C】
【図52D】
【図52E】
【図53】
【図66】
【図67】
【図68】
【図69】
【図70】
【図71】
【図72】
【図73】
【図74】
【図75】
【図76】
【図77】
【図78】
【図78A】
【図79】
【図80】
【図81】
【図81A】
【図81B】
【図91】
【図92】
【公開番号】特開2011−251141(P2011−251141A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163320(P2011−163320)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【分割の表示】特願2007−528017(P2007−528017)の分割
【原出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(504131910)スキャンディウス・バイオメディカル・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【分割の表示】特願2007−528017(P2007−528017)の分割
【原出願日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(504131910)スキャンディウス・バイオメディカル・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】
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