説明

靴、ウエ−ダ−の先端部構造

【課題】二股に分かれた指収納部が指股形成甲材と底材の二枚組で形成されて強度の強い靴、ウエ−ダ−の先端部構造を提供する。
【解決手段】二股に分かれた指収納部が指股形成甲材6と底材2の二枚組で形成され、底材2上に材料としてはほぼ平面状に裁断された指股形成甲材6が固定される時は、指股形成甲材6の前側中心部6aを押し込んで底材2の凹部2cに固定し、次に前側中心部6aの左右6b、6cを底材2の底部2aの縁2dと底部2bの縁2eと側部2fと、側部2gに固定してゆく。このようにほぼ平面状に裁断された指股形成甲材6を底材2上に固定して行くと、甲材6が底材2側に撓んで上方に膨出した親指収納部と他の指収納部が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二股に分かれた指先収納部が指先甲材と底材で形成された靴、ウエ−ダ−の先端部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来特許文献1のように靴の爪先は一つで中に双股と言われる仕切りを設けた靴がある。
この靴では親指と他の指は分離されて収納されるが、底材を含めて一つに形成されているので、岩場などで親指と他の指でそれぞれの動きを活かして歩行しようとしても出来ず、不安定な歩行に成っていた。
また靴の爪先を二股に分けた靴では、二股の部分を指先甲材と底材と二股補助材の三枚組で形成されているので、接合部分が多く強度が弱かった。
【特許文献1】実開平1−81902号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、靴の爪先が一つでは岩場などで親指と他の指でそれぞれの動きを活かして歩行しようとしても出来ず、不安定な歩行になることである。
また三枚組で形成された靴では強度が弱いことである。
【0004】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、二股に分かれた指先収納部が指股形成甲材と底材の二枚組で形成されて強度の強い靴、ウエ−ダ−の先端部構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、先端が親指収納部と他の指収納部に分かれた底材に甲材を直接接合して先端が親指収納部と他の指収納部に分かれた二股に形成したことを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の請求項により、先端が底材に甲材を接合して形成しているため、接合部が爪先の二股内に形成されないため先端の強度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
靴1は、底材2の上に左右の甲材3、4と前側甲材5と指股形成甲材6が固定されて形成されている。
底材2の先端は親指収納部1bの底部2aと他の指収納部1cの底部2bが凹部2cを挟んで二股に分かれて形成されている。
指股形成甲材6は材料としてはほぼ平面状に裁断されている。
底材2上に指股形成甲材6が固定される時は、指股形成甲材6の前側中心部6aを押し込んで底材2の凹部2cに固定する。
次に前側中心部6aの左右6b、6cを底材2の二股の内側になる親指収納部1bの底部2aの縁2dと他の指収納部1cの底部2bの縁2eに指股形成甲材6の柔軟性と伸縮性を利用して材料を引っ張りながら接着剤を塗布したそれぞれの端面同志を接着で固定していく。
更に指股形成甲材6の柔軟性と伸縮性を利用して親指収納部1bの底部2aの先端と側部2fと、他の指収納部1cの底部2bの先端と側部2gに左右6b、6cの両側を固定してゆく。
このようにほぼ平面状に裁断された指股形成甲材6を底材2上に固定して行くと、甲材6が底材2側に撓んで上方に膨出した親指収納部1bと他の指収納部1cが形成される。
【実施例1】
【0008】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図5は第1実施例で図1は靴の側面図、図2は靴の斜視図、図3は靴の平面図、図4は靴底の底面図、図5は靴の分解斜視図である。
【0009】
靴1は、底材2の上に左右の甲材3、4が固定されると共に左右の甲材3、4で筒部1aが形成されるように固定される。
左右の甲材3、4の前側には前側甲材5が底材2の上と左右の甲材3、4の前側に固定されている。
前側甲材5の前側には一枚の親指収納部1bと他の指収納部1cを形成する指股形成甲材6が底材2の上と前側甲材5に固定される。
底材2と左右の甲材3、4と前側甲材5と指股形成甲材6は柔軟性と気密性と防水性と伸縮性を有するクロロプレ−ンゴムやポリウレタン等の発泡性ゴムや発泡合成樹脂が用いられる。
底材2の先端は親指収納部1bの底部2aと他の指収納部1cの底部2bが凹部2cを挟んで二股に分かれて形成されている。
なお、図1のように靴1はこのままソックス状に形成する他、図1の様にソ−ルSを取り付けてもよい。
【0010】
指股形成甲材6は材料としてはほぼ平面状に裁断されている。
底材2上に指股形成甲材6が固定される時は、指股形成甲材6の前側中心部6aを押し込んで底材2の凹部2cに固定する。
次に前側中心部6aの左右6b、6cを底材2の二股の内側になる親指収納部1bの底部2aの縁2dと他の指収納部1cの底部2bの縁2eに指股形成甲材6の柔軟性と伸縮性を利用して材料を引っ張りながら接着剤を塗布したそれぞれの端面同志を接着で固定していく。
更に指股形成甲材6の柔軟性と伸縮性を利用して親指収納部1bの底部2aの先端と側部2fと、他の指収納部1cの底部2bの先端と側部2gに左右6b、6cの両側を固定してゆく。
このようにほぼ平面状に裁断された指股形成甲材6を底材2上に固定して行くと、甲材6が底材2側に撓んで上方に膨出した親指収納部1bと他の指収納部1cが形成される。
前記前側甲材5と指股形成甲材6は一体に形成してもよい。
【0011】
前記のように靴の先端構造が構成されていると、先端が底材2が平面状のまま甲材6が変形して互いに周囲を接合するため、接合部が底材2に沿って底部側に形成され、二股内に入り込まずに形成される。
しだがって、親指と他の指を動かしても接合部があまり広がらず、破損が防止される。
【実施例2】
【0012】
図6は第2実施例で図6はウエ−ダ−の斜視図である。
【0013】
ウエ−ダ−7は胴なが部7aの先に靴1が取り付けられている。
靴1は第1実施例と同様ソックス状に形成する他、ソ−ルSを取り付けても良い。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【産業上の利用可能性】
【0014】
本発明は靴、ウエ−ダ−の先端部構造全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施例で、靴の側面図である。
【図2】同靴の斜視図である。
【図3】同靴の平面図である。
【図4】同靴底の底面図である。
【図5】同靴の分解斜視図である。
【図6】第2実施例で、ウエ−ダ−の斜視図である。
【符号の説明】
【0016】
1 靴
1b 親指収納部
1c 他の指収納部
2 底材
3、4、5、6 甲材(6 指股形成甲材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端が親指収納部と他の指収納部に分かれた底材に甲材を直接接合して先端が親指収納部と他の指収納部に分かれた二股に形成したことを特徴とする靴、ウエ−ダ−の先端部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−207573(P2009−207573A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51412(P2008−51412)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】