説明

靴のインソール

本発明は、靴の内部に挿入されるインソールに関するもので、ヒトの前足部(A)、中足部(C)及び後足部(B)の各足裏に接し、靴の内部に挿入されるインソールにおいて、インソールが区域別に相違する硬度を有する複数個の素材からなるが、各素材が結合して一つの層になることを特徴とし、好ましくは、内部に前記各足部(A)(B)(C)のいずれか一つに対応するように、前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つが形成されたベースプレート(10)と、前記各ホール(11)、(12)、(13)のいずれか一つに挿入される前足部の支持部(21)、中足部の支持部(23)、後足部の支持部(22)のいずれか一つ以上を含むインナープレート(20)からなり、前記ベースプレート(10)とインナープレート(20)の硬度が相違する材質に製造された靴のインソールに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴の内部の底に挿入され、ヒトの足裏と接し足裏を支持し緩衝作用を有するインソールに関し、特に、ヒトの体重による圧力が足裏の位置に従って、異なるように作用する圧力分布を考慮してインソールが位置別に各々相違する硬度を有する素材からなる単層インソールに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に靴内部には、ヒトの足裏と接しヒトの体重を支持して緩衝作用を有し、足を保護するインソール(insole)が設置され、大部分のインソールは足の足底形状と類似するように製造され、足裏のへこんだ部分を支持するように特定部分が突出されている。
【0003】
また、インソールの材質は、ウレタンフォームのような弾性及び復元可能な発泡樹脂を利用して一体に製造されるので、インソール全体が一つの素材として製造される。
【0004】
ところで、歩行時、足裏が接地する際、ヒトの体重に相応する圧力は足裏の全面積に対して均一に作用しない。例えば、中足部の前部分と踵部分に圧力が過度に集中する一方、中足部のへこんだ部分は相対的に低い圧力が作用する。
【0005】
従って、一つの素材からなるインソールは、足裏の位置別に相違する圧力に適切に対応できないので、圧力が集中する部分を適切に緩衝することができなくなり、長期間の歩行時に、足の痛みと共にすぐ疲れを感じる問題点がある。
【0006】
これを解決するための、従来の技術として、大韓民国登録実用新案第20−0388223号は、インソールの中間部分を横方向に切開して前部分と後部分の2個の区画で分離し、区画された部分の硬度が相違するようにした発泡体のインソールを開示している。
【0007】
しかし、このような発泡体インソールは、人体力学的な観点から見ると、足裏に作用する圧力分布を考慮しない、単に前部分と後部分の素材の硬度を相違するようにして製造したものであるので、圧力に対する緩衝が充分であるといえない。即ち、インソールの前部分の場合、足指の付け根が接する部分と足指が接する部分の圧力が相違するにもかかわらず、同一な素材で製造されているから、圧力分配が効率的であるとは言えない。
【0008】
また、従来技術中、基本的なインソールの上面に圧力が大きく作用する特定部分に硬度が低い素材のインソールの切片を付け加えたものが市販されたりしたが、これは相違する硬度を有するインソールを二重に重ねている状態であるので、重ねている部分とそうではない部分の厚さの差による異質感があり、履き心地が悪く、また、付け加えた部分を接着剤で接着したので、通気性が悪いばかりではなく、接着した部分の接着力が弱くなると剥がれる等の問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記問題点を解決するため、本発明者は、足の接地時、体重に従って作用する圧力と関連した人体力学的側面を考慮し、歩行時、足の圧力及び形態変化を考察して、本発明を完成すること至った。
【0010】
即ち、本発明の目的は、足の接地時、各位置別に相違するように発生する圧力分布に従って、位置別に相違する硬度の素材を使用して一つの層からなるインソールを製造し、また、上面が足裏の形状に相応する形状になることに併せて足指部、中足骨、前足骨等が形状化されることによって、本発明のインソールを適用すると、まるで素足のような履き心地が感じられる靴のインソールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために本発明は、ヒトの前足部(A)、中足部(C)及び後足部(B)の各足裏に接し、靴の内部に挿入されるインソールにおいて、インソールが区域別に相違する硬度を有する複数個の素材からなり、各素材を結合して一つの層になることを特徴とする。
【0012】
このための具体的な手段として、本発明は、内部に前記の各足部(A)、(B)、(C)のいずれか一つに相応するように、前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つが形成されたベースプレート(10)と、前記各ホール(11)、(12)、(13)のいずれか一つに挿入される前足部の支持部(21)、中足部の支持部(23)、後足部の支持部(22)のいずれか一つ以上を含むインナープレート(20)からなり、前記ベースプレート(10)とインナープレート(20)の硬度が相違する材質で製造されることを特徴とする。
【0013】
さらに好ましい実施形態として、本発明は、前記インナープレート(20)の後足部の支持部(22)に踵ホール(22a)が穿孔され、前記踵ホールにインナープレート(20)と硬度が相違する材質の第1プレート(22b)が挿入されることを特徴とする。
【0014】
また、さらに好ましい実施形態として、前記インナープレート(20)の中足部の支持部(23)に足指の付け根ホール(23a)が穿孔され、前記足指の付け根ホールにインナープレート(20)と硬度が相違する材質の第2プレート(23b)が挿入されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ヒトの足裏形状と同一な形態の形状になったインソールを提供することと併せてインソールが足の接地時に作用する圧力分布に従って位置別にそれぞれ相違する硬度の素材で形成されるので、圧力が集中する部分の衝撃力を適宜吸収することができ、同時に圧力が殆ど作用しない部分には形態変化が殆ど形成されない。従って、フィット感を向上させ、素足のような履き心地を提供する。
【0016】
さらに、それぞれ相違する硬度の素材を重ねて接着する形態ではなく、圧力の分布を区画化して各区画に相応する形状を硬度が相違する素材で製作した後、それぞれの素材を挟み合わせる形式で組立てて単一層を形成するので、重ね合わせた場合に比べて異質感もなく、接着剤を使用せず、各素材間への通気性が優れた利点がある。
【0017】
従って、汗も速く乾かし、悪臭等を排出しやすいので、快適な履き心地が維持される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】足の接地時、足裏に作用する圧力分布図である。
【図2】本発明による靴のインソールの分解斜視図である。
【図3】本発明による靴のインソールの組立斜視図である。
【図4】本発明による靴のインソールの平面図である。
【図5】本発明による靴のインソールの部分断面図である。
【図6】本発明の他の実施例による靴のインソールの組立斜視図である。
【図7】本発明のさらに異なる実施例による靴のインソールの平面図である。
【発明を実施するための最善の形態】
【0019】
本発明は、ヒトの前足部(A)、中足部(C)及び後足部(B)の各足裏に接し、靴の内部に挿入されるインソールにおいて、インソールが区域別に相違する硬度を有する複数個の素材からなり、各素材を結合して一つの層になることを特徴とし、好ましくは、内部に前記の各足部(A)、(B)、(C)のいずれか一つに相応するように、前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つが形成されたベースプレート(10)と、前記各ホール(11)、(12)、(13)のいずれか一つに挿入される前足部の支持部(21)、中足部の支持部(23)、後足部の支持部(22)のいずれか一つ以上を含むインナープレート(20)からなり、前記ベースプレート(10)とインナープレート(20)は硬度が相違する材質で製造された靴のインソールに関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施形態を示した添付された図面のインソールを参照して本発明を詳細に説明する。
【0021】
図1は、足の接地時、足裏に作用する圧力分布を示した図面であり、まず、本発明を理解するため、ヒトの足裏及びそれに相応するインソールの各部の名称を定義する。
【0022】
図1に示したように、一般的に足裏は、足指を含む前足部(A)と踵を含む後足部(B)、そして前足部(A)と後足部(B)の間に位置する中足部(C)に区分され、歩行や駆け足の時、又は足裏が地面に接地される時、足裏の位置別に体重によって圧力分布が異なる。
【0023】
勿論、足取りの姿勢によって、若干の差はあるが、一般的な場合の圧力分布を調べてみると、後足部(B)の踵部分と中足部(C)の足指の付け根部分に相対的に圧力が大きく作用する第1区域(1)が分布し、前足部(A)の足指が接地される部分を含めて、前記第1区域(1)の周りに前記第1区域(1)の圧力より相対的に低い圧力が作用する第2区域(2)が分布し、中足部(C)でアーチ形状でへこんだ部分を含めて第1及び第2区域(1)、(2)を除いた残り部分に相対的に低い圧力が作用する第3区域(3)が分布する。
【0024】
このような、人体力学的圧力分布を考慮して、本発明は、ヒトの前足部(A)、中足部(C)及び後足部(B)の各足裏に接し、靴の内部に挿入されるインソールにおいて、インソールが区域別に相違する硬度を有する複数個の素材からなり、各素材を結合する時、一つの層になることを特徴とし、これに関する具体的な構成は、図2乃至図4に例示する。
【0025】
図2は、本発明による靴のインソールの分解斜視図であり、図3は、本発明による靴のインソールの組立斜視図であり、図4は、本発明による靴のインソールの平面図である。
【0026】
図2乃至図4に示したように、本発明のインソールは、縁が足裏の形状であるベースプレート(10)が設けられ、前記ベースプレート(10)の内部には、前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)等の孔が形成されており、これらホール(11)、(12)、(13)は、それぞれ足裏の前足部(A)、中足部(C)、後足部(B)に対応する位置である。
【0027】
勿論、本発明の変形可能な実施例によれば、前記前足部ホール(11)と中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つ又は任意選択された2個で形成されず、ベースプレート(10)自体と一体に形成されることもできる。
【0028】
即ち、前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つのみ形成する、又は、任意選択された2個だけ形成することができ、このような変形実施も本発明の範疇内にあるものである。
【0029】
このように製造されたベースプレート(10)は、図1に示したように、相対的に圧力が少なく作用する第3区域(3)に相応する形状であることもあり、圧力が低いことを考慮して硬度が高い素材、即ち、弾性が少ない素材で製造する。前記ベースプレート(10)の硬度は、アスカーCタイプ(ASKER C TYPE)硬度基準で65〜80、好ましくは68〜76範囲にあれば、その素材に制限はない。素材の例として、エチレンビニルアセテート(EVA: ethylene vinyl acetate)発泡成型体、ポリウレタン(PU:polyurethane)発泡成型体が挙げられる。
【0030】
一方、ベースプレート(10)に前記の各ホール(11)、(12)、(13)のいずれか一つ又は、それ以上が形成されている場合、形成された各ホール(11)、(12)、(13)相応する形状に成型されたインナープレート(20)が備えられる。即ち、インナープレート(20)は、前記各ホール(11)、(12)、(13)の中で、形成されたいずれか一つのホールを埋めてインソールが単一層になるように組み立てるものであることによって、各ホールに相応し前足部の支持部(21)、中足部の支持部(23)、後足部の支持部(22)のいずれか一つになることができる。
【0031】
図1に示したように、インナープレート(20)が位置する部分は、ベースプレート(10)の位置よりも相対的に大きい圧力が作用するので、インナープレート(20)は、ベースプレート(10)とは硬度が相違する素材で製造し、好ましくは、ベースプレート(10)に比べて硬度がさらに低い素材で製造する。前記インナープレート(20)の硬度は、アスカーCタイプ(ASKER C TYPE)硬度基準で25〜40、好ましくは、28〜36の範囲にあれば、その素材に制限はない。素材の例としてエチレンビニルアセテート(EVA: ethylene vinyl acetate)発泡成型体、ポリウレタン(PU:polyurethane)発泡成型体が挙げられる。
【0032】
このように、硬度が高いベースプレート(10)と相対的に硬度が低いインナープレート(20)を互いに結合すれば、圧力が大きく作用する部分に対応して硬度が低い素材のインナープレート(20)が適用されるので、緩衝作用において、効果的であるのみならず、ベースプレート(10)とインナープレート(20)が結合したインソールは、一つの層になるので、重ね合せたことに比べて層が形成されないので異質感がない、フィット感も向上する。
【0033】
一方、前記インナープレート(20)の内部に硬度がさらに低い素材を別途に位置させることもできる。即ち、インナープレート(20)の後足部の支持部(22)で踵と接する部分に対応する踵ホール(22a)を穿孔し、前記踵ホール(22a)には、インナープレート(20)と硬度が相違する材質の第1プレート(22b)を挟みこむことができるようにし、好ましくは、第1プレート(22b)の硬度がインナープレート(20)硬度より低い素材で製造する。
【0034】
このようにすれば、図1に示したように、踵部分に相対的に圧力が大きく分布(第1区域)するので、該当部分に硬度が低い素材を採択して踵と接するようにすると緩衝効果が優れることは勿論、インソール全体は、一つの層になるので、厚さの差による異質感がなく、フィット感も向上する。
【0035】
このような技術思想によって、前記インナープレート(20)の中足部の支持部(23)にも中足部(C)の足指の付け根に対応する位置に足指の付け根ホール(23a)を穿孔し、前記足指の付け根ホール(23a)を埋めて組立てるために、インナープレート(20)と硬度が相違する材質の第2プレート(23b)を挿入することができ、好ましくは、第2プレート(23b)の硬度が、インナープレート(20)の硬度より低い素材で製造する。
【0036】
これに従って、図1に示したように、足指の付け根部分に踵部分と同様に圧力が大きく分布(第1区域)するので、該当部分に硬度が低い素材を採択し足指の付け根と接するようにする場合、緩衝効果が優れることは勿論、インソールは、一つの層になるので、異質感がないし、フィット感も向上する。
【0037】
前記第1プレート(22b)と第2プレート(23b)は、ベースプレート(10)又はインナープレート(20)より相対的に材質が柔らかいので、アスカーCタイプ(ASKER C TYPE)硬度では測定しにくいが、ショア(Shore)硬度基準で60〜72、好ましくは、62〜70範囲にあれば、その素材に制限はない。素材の例として、エチレンビニルアセテート(EVA: ethylenevinyl acetate)発泡成型体、通気性を有するポリウレタン(PU: Polyurethane)発泡成型体が挙げられる。
【0038】
前述したように、位置別に硬度が相違する素材で組立られたインソールは、その前方の縁部分、さらに具体的には、前記ベースプレート(10)の前方の縁部分を足指の突出形状に対応する形状でへこんだ凹凸面(15)が形成され、この場合、インソールの前部分が足指構造と同一な形状になり、履き心地がよく、フィット感をさらに向上させることができる。(図4参照)
【0039】
なお、前記ベースプレート(10)で、中足部(C)に該当する部分の側面には、足裏の中足部(C)に形成されたへこみと対応してアーチ状に上向隆起された中足骨の支持部(16)を形成し、この場合、相対的に硬度の高い中足骨の支持部(16)が足裏の中足部のへこんだ部分を支持するので、フィット感を向上させることができる。
【0040】
同様に、前記ベースプレート(10)で、前足部ホール(11)と中足部ホール(13)の間に足裏の前足部(A)に形成されたへこみ、即ち、足指と中足部(C)の間部分に形成されたへこみと対応して上向隆起された前足骨の支持部(17)が形成される場合、前足部(A)のへこみが硬度の高い前足骨の支持部(17)に支持されるので、フィット感を向上させることができる。
【0041】
また、前記ベースプレート(10)又はインナープレート(20)を含めて第1及び第2プレート(22b)、(23b)が形成された場合、第1、2プレートにそれぞれ選択的に直径が小さな通風孔を上下方向に穿孔する場合、インソールの上下方向に空気を通すので、汗で蒸れることを防止するのは勿論、悪臭発生要因を減少させることができる。
【0042】
図5は、本発明による靴のインソールの部分断面図である。
【0043】
図5に示したように、ベースプレート(10)とインナープレート(20)からなるインソール、又は、ベースプレート(10)、インナープレート(20)及び第1、2プレート(22b)、(23b)が形成されたインソールは、相違する硬度を有する素材により組立られ一つの層になるので、これらが互いに分離されないようにする必要がある。
【0044】
従って、インソールの外面全体をカバー(30)で包んで固定することができ、前記カバー(30)は、通気可能な織物で製造されるのが好ましく、接着剤を使用しないために、熱圧搾によって、インソールの外面に隆着させる方式で構成される。これに対する変形例として、前記カバー(30)をインソールの上面のみ隆着させてもインソールの形状が維持されるので、インソールの上面にカバー(30)を隆着させることも可能である。
【0045】
図6は、本発明の異なる実施例による靴のインソールの組立斜視図として、本発明は次のように変形実施が可能である。
【0046】
図6に示したように、第1プレート(22b)と第2プレート(23b)の場合、硬度が低いので負荷を伝達する時、第1、2プレート(22b)、(23b)と接しているインナープレート(20)に比べて、相対的にさらに圧縮され、各プレートの境界面で異質感を感じることもある。
【0047】
従って、第1、2プレート(22b)(23b)の高さをインナープレート(20)より少し高くして上向突出させることによって、異質感を最小化させることができる。その高さは、0.5〜1.0mm程度である。さらに好ましい形状として、前記第1、2プレート(22b)(23b)の突出形状は、断面上アーチ形状、即ち、境界面高さは、インナープレート(20)と同一にし、内側に徐々に上向突出される形状にして異質感をさらに最小化することができる。
【0048】
一方、図6に示したように、ベースプレート(10)の中足骨の支持部(16)と前足骨の支持部(17)にそれぞれ通気口(16a)(17a)を形成する場合、歩行によってベースプレート(10)の隆起された部分、即ち、中足骨の支持部(16)と前足骨の支持部(17)が圧縮される時、通風孔(16a)(17a)の内部が圧縮と復元を繰り返しながらポンピングの役目をするようにすれば、靴の内部の空気が循環されるので通気性が向上される。
【0049】
勿論、前記通風孔は、ベースプレート(10)の特定部位に適用されることに限定されず、インナープレート(20)を含めて第1、2プレート(22b)、(23b)が備えられた場合、各プレートにも通風孔を形成することができる。即ち、インソール全体面に通風孔が形成される。
【0050】
図7は、本発明のさらに異なる実施例によって、靴のインソールの平面図として前述した実施例と同一な部分に対しては同一符号を表示する。
【0051】
本発明の変形実施例によると、図7に示したように、ベースプレート(10)は中足部(C)のへこみを支持する中足骨の支持部(16)を含み、前記中足骨の支持部(16)で延長され後足部(B)の縁部分を支持するように形成され、前記中足骨の支持部(16)とその延長された後足部の縁部分は一体に製作される。
【0052】
なお、インナープレート(20)は、前足部(A)の全体を支持する前足部の支持部(21)を含み、前記前足部の支持部(21)から一体に延長され中足骨の支持部(16)を除いた中足部の支持部(23)と、前記中足部の支持部(23)から一体に延長され後足部(B)の縁内部まで延長され後足部(B)の中央を支持する後足部の支持部(22)をさらに含むもので、前記ベースプレート(10)とインナープレート(20)の硬度は異なるように設計する。好ましくは、ベースプレート(10)の硬度が、インナープレート(20)の硬度より高いものとし、各素材と硬度は、前述した素材の種類及び硬度の数値から選択される。
【0053】
一方、インナープレート(20)の後足部の支持部(22)で踵と接する部分に対応する踵ホール(22a)を穿孔し、前記踵ホール(22a)には、インナープレート(20)と硬度が相違する材質の第1プレート(22b)を挟みこむことができるようにし、好ましくは、第1プレート(22b)の硬度が、インナープレート(20)の硬度より低い素材で製造する。
【0054】
また、インナープレート(20)の中足部の支持部(23)にも、中足部(C)の足指の付け根に対応する位置に足指の付け根ホール(23a)を穿孔し、前記足指の付け根ホール(23a)を埋めて組立てるために、インナープレート(20)と硬度が相違する材質の第2プレート(23b)を挿入することができる。好ましくは、第2プレート(23b)の硬度が、インナープレート(20)の硬度より低い素材で製造し、前記第1、2プレートの素材と硬度は、前述した材料及び硬度数値から選択される。
【0055】
このように本発明は、インソール内部が位置別に相違する硬度を有する複数個の素材からなるが、各素材を結合して一つの層になるようにしたことにその特徴がある。このような特徴は、示される構造について多様であり、たとえ、本発明は、添付された図面の制限された構造に期して説明し、不必要な部分に関する説明は省略したとしても、本発明は、例示された実施例の構造とその説明に限定されず、前記の説明された技術思想によって、当業者であれば、必要によって適宜設計変更することができ、そのような変更は、下記の請求範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
ヒトの足裏形状と同一な形状にしたインソールを提供することと併せて、インソールが足の接地時、作用する圧力分布に従って、位置別にそれぞれ相違する硬度の素材で形成されるので、圧力が集中する部分の衝撃力を適宜吸収することができ、かつ、圧力が殆ど作用しない部分には、形態変化が殆ど形成されない。従って、フィット感を向上させ、素足のような履き心地を提供する。
【符号の説明】
【0057】
10・・・ベースプレート
11・・・前足部ホール
12・・・後足部ホール
13・・・中足部ホール
15・・・凹凸面
16・・・中足骨の支持部
17・・・前足骨の支持部
20・・・インナープレート
21・・・前足部の支持部
22・・・後足部の支持部
22a・・・踵ホール
22b・・・第1プレート
23・・・中足部の支持部
23a・・・足指の付け根ホール
23b・・・第2プレート
24・・・第2プレート
30・・・カバー
A・・・前足部
B・・・後足部
B・・・中足部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの前足部(A)、中足部(C)及び後足部(B)の各足裏に接し、靴の内部に挿入されるインソールであって、
インソール内部は位置別に相違する硬度を有する複数個の素材からなり、各素材が結合して一つの層になることを特徴とする靴のインソール。
【請求項2】
前記インソールは、中足部(C)のへこみを支持する中足骨の支持部(16)を含み、前記中足骨の支持部(16)から一体に延長され後足部(B)の縁部分を支持するように形成されたベースプレート(10)および、
前足部(A)の全体を支持する前足部の支持部(21)を含み、前記前足部の支持部(21)から一体に延長され中足骨の支持部(16)を除いた中足部の支持部(23)と、前記中足部の支持部(23)から一体に延長され後足部(B)の縁内部まで延長され後足部(B)中央を支持する後足部の支持部(22)をさらに含むインナープレート(20)からなり、
前記ベースプレート(10)と前記インナープレート(20)は硬度が相違する材質で製造されたことを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項3】
前記インソールは、内部に前記各足部(A)、(B)、(C)のいずれか一つとそれぞれ対応するように前足部ホール(11)、中足部ホール(13)、後足部ホール(12)のいずれか一つを含むベースプレート(10)および、
前記各ホール(11)、(12)、(13)のいずれか一つとそれぞれ対応するように組立られる前足部の支持部(21)、後足部の支持部(22)、中足部の支持部(23)のいずれか一つを含むインナープレート(20)からなり、
前記ベースプレート(10)とインナープレート(20)は硬度の相違する材質で製造されることを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項4】
前記ベースプレート(10)の硬度がインナープレート(20)の硬度より高いことを特徴とする請求項2又は3記載の靴のインソール。
【請求項5】
前記インナープレート(20)の後足部の支持部(22)に踵ホール(22a)が穿孔され、前記踵ホール(22a)にインナープレート(20)と硬度が相違する第1プレート(22b)が挿入されることを特徴とする請求項2又は3記載の靴のインソール。
【請求項6】
前記インナープレート(20)の硬度が第1プレート(22b)の硬度より高いことを特徴とする請求項5記載の靴のインソール。
【請求項7】
前記第1プレート(22b)の高さがインナープレート(20)より高く上向突出されたことを特徴とする請求項6記載の靴のインソール。
【請求項8】
前記インナープレート(20)の中足部の支持部(23)に足指の付け根ホール(23a)が穿孔され、前記足指の付け根ホール(23a)にインナープレート(20)と硬度が相違する第2プレート(23b)が挿入されることを特徴とする請求項2又は3記載の靴のインソール。
【請求項9】
前記インナープレート(20)の硬度が、第2プレート(23b)の硬度より高いことを特徴とする請求項8記載の靴のインソール。
【請求項10】
前記第2プレート(23b)の高さがインナープレート(20)より高く、上向に突出されたことを特徴とする請求項9記載の靴のインソール。
【請求項11】
前記各第1、2プレート(22b)、(23b)の突出形態は、インナープレート(20)との各境界面の高さが同一であり、内側に徐々に上向になる断面がアーチ形状であることを特徴とする請求項7又は10記載の靴のインソール。
【請求項12】
前記インソールは、前方縁が足指の突出形状に相応する形状でへこんだ凹凸面を含むことを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項13】
前記インソールは、足裏の中足部(C)に形成されたへこみに相応し、上向に隆起された中足骨の支持部を含むことを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項14】
前記中足骨の支持部に複数個の通風孔が穿孔されたことを特徴とする請求項13記載の靴のインソール。
【請求項15】
前記インソールは、足裏の前足部(A)に形成されたへこみに相応し、上向に隆起された前足骨の支持部を含むことを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項16】
前記前足骨の支持部に複数個の通風孔が穿孔されたことを特徴とする請求項15記載の靴のインソール。
【請求項17】
前記インソールは、上下方向に複数個の通風孔が穿孔されたことを特徴とする請求項1記載の靴のインソール。
【請求項18】
前記インソールは、上面又は外面全体を包むカバー(30)をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3、12乃至17のいずれか一項記載の靴のインソール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2012−528661(P2012−528661A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513842(P2012−513842)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【国際出願番号】PCT/KR2009/003347
【国際公開番号】WO2010/140732
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(508066016)トレクスタ インク. (3)
【氏名又は名称原語表記】Treksta Inc.
【Fターム(参考)】