説明

靴中底

【課題】 通気性のよい靴中底を提供する。
【解決手段】 靴中底10はヒール部14に弾性を持つショックアブソーバー20が設けられ、同ショックアブソーバー20に弧面状の凸体22があり、ヒール部14の上面から突き出してある。一方、エアチェンバーが凸体22の下に配置され、複数の凹穴が凸体22の周辺に設置される。その凹穴の口開けがショックアブソーバー20の上面に形成され、ヒール部14の上面における貫通孔により、外気と接続される。また、複数の第一通気管は凹穴の壁から内へ延され、エアチェンバーまで貫通され、複数の貫通孔も凸体の上面から下へ延され、エアチェンバーまで貫通される。なお、ショックアブソーバー20に、複数の第二通気管を追加してもよい。第二通気管を外気と接続させるために、ヒール部14の第二通気管に対応した所に凹穴を複数設ける。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は靴中底に関するものであり、特にショックアブソーバー及び換気の効果を具有する靴中底を指す。
【0002】
【従来の技術】
靴のマーケットシェアを向上させるために、一部の業者は全力を尽くして、靴をはく快適性という品質を改善している。例えば、靴の弾性を強化するために、靴のヒール部に弾性パッドを設ける。しかし、そのような靴の換気効果はとても悪い。換気効果を改良するために、部分の業者は靴の内庭に換気できるパッドを追加する。残念ながら、そのパッドが空気の循環作用を具有しないので、換気効果も十分だと言えない。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
したがって、本考案の主な目的は内、外の空気循環作用を向上させるという靴中底を提供することにある。
本考案のもう一つの目的は立派なショックアブソーバー効果を持つ靴中底を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を遂げるために、本考案による靴中底はパーム部、ヒール部、パーム部とヒール部とを連結するウェスト部、弾性を持ちヒール部に配置されるショックアブソーバーなどの要素を含む。その特徴はショックアブソーバーに、弧面状の凸体があり、ヒール部の上面から突き出している。一方、エアチェンバーが凸体の下に配置され、複数の凹穴が凸体の周辺に設置される。その凹穴の口開けがショックアブソーバーの上面に形成され、ヒール部の上面における貫通孔により、外気と接続される。また、複数の第一通気管は凹穴の壁から内へ延され、エアチェンバーまで貫通され、複数の貫通孔も凸体の上面から下へ延され、エアチェンバーまで貫通される。弧面状の凸体を外へ突き出すために、前記凸体に対応した口開けがある。なお、凹穴を外気と接続させるために、凹穴に対応した第二貫通孔が用意される。このような構造により、人間のヒールが靴のヒール部を踏むと、弧面状の凸体がエアチェンバーに応じて、ポンプのような作用を発揮させ、靴の内、外の空気循環を促す。そのために、ヒール部が立派な弾性を持ち、地面におちつくときの振動を滅らし、つまり、ショックアブソーバーの効果に役立つ。
【0005】
【考案の実施の形態】
まずは図1〜図4を参照すると、本考案による理想実施例一の靴中底10はEVAというモールド方式で成型され、パーム部12、ヒール部14、パーム部12とヒール部14とを連結するウェスト部16などの要素を含む。靴中底10の厚さはパーム部12の先端からヒール部14まで、次第に厚くなる。
【0006】
ヒール部14の中に、弾性を持つポリ化合物から製造されるショックアブソーバー20を埋め込む。そのショックアブソーバー20は一体化成型のうちに楕円形の弧面状の凸体22が形成される。前記凸体22の形に対応したエアチェンバー24が凸体22の下に設けられる。凸体22の長手方向の両側に、二つグルーブの凹穴26、28が配置される。本実施例には、グループごとに、三つの凹穴26、28がある。エアチェンバー24の近隣における凹穴壁に、凹穴26、28及びエアチェンバー24を連結するために、第一通気管30、32が設けられる。凸体22の上面に、エアチェンバー24を外部と直接に通気させるために、複数の第一貫通孔34が配置される。エアチェンバー24の中に、二つグループの補強肋36、38が形成され、グループ毎に二本の補強肋がある。前記補強肋36、38の上端が凸体22の底に接続され、その両側がそれぞれエアチェンバー24の両側壁に連接される。その高さがエアチェンバー24の高さより小さいので、下端が開放の状態になる。勿論、凹弧状の周縁362、382が形成されると最高だと言える。また、同じグループの補強肋が互いに平行しており、異なるグループの補強肋が垂直に交叉している。そうすると、補強肋36、38と底面との間にアーチ形の空間が形成されるので、凸体22が下へ押されるばかりでなく、押されたあとで、すぐに上へ反発される。
【0007】
本実施例の製造について、まずは弾性を持つショックアブソーバー20を成型する。その次、前記ショックアブソーバー20を靴中底10のモールドにおいて、ヒール部14に対応した所にいれる。それで、靴中底10が成型されたあとで、ショックアブソーバー20をヒール部14の中に埋め込む。勿論、凸体22を外へ突き出させるために、靴中底10の上方に口開けを予備し、凹穴26、28と接続するために、両側に第二貫通孔104、106を予備する必要がある。
【0008】
靴中底10をほかの部分に組み合わせる場合に、靴中底10の上方周辺のエッジ108により、上底40と接合し、下方にゴム底42を貼り付けるとできあがる。ユーザがそれをはくときに、人間のヒールで踏むことで、ショックアブソーバー20の凸体22及びエアチェンバー24はポンプの作用が生じる。図3に示すように、凸体22が上へ反発して本来の位置に戻るときに、吸引力を発生し、空気を凹穴26、28から、通気管30、32に沿ってエアチェンバー24に入れ、貫通孔34から排出させる。それに対して、図4に示すように、凸体22が下へ押されるときに、前述した吸引力との逆方向の力を発生し、空気を貫通孔34から、エアチェンバー24に入れ、通気管30、32に沿って、凹穴26、28から排出させる。そのようなポンプの作用を利用して、靴の内、外の空気を強制的に循環させるばかりでなく、靴のヒール部14の弾性も向上される。そういうわけからユーザの足が地に落ちつくと、振動が殆んどショックアブソーバー20に吸収される。大切なキーポイントは本考案により、靴中底10が補強肋36、38及び凹弧状周縁362、382を具有するので、凸体22にアーチ形の空間が形成され、押されると、すぐ反発される。つまり、前述したポンプの作用が有効的に発揮される。
【0009】
次に、図5〜図7を参照すると、それは本考案の第二実施例である。その靴中底10’と第一実施例との相異はショックアブソーバー20’の周辺において、各凹穴26’、28’に対応した所に、第二通気管44、46が設けられる。前記管44、46の口開けはショックアブソーバー20’の周辺に配置され、内へ延され、各凹穴26’、28’と接合される。また、靴中底10’の第二通気管44、46に対応した所にそれぞれ楕円形の凹穴48、50があるので、図6、図7の矢印方向に示すように、ショックアブソーバー20’がポンプの作用を発生するときに、靴の内、外の空気がより短い管で循環できる。
【0010】
最後に、説明しなければならないのは考案者が本考案の靴中底を室内、室外とも適用させるために、プラスチックでプラグ52を成型する。そのプラグ52が各凹穴48、50に対応した係止部54及びフランジ56を具有する。そして、靴中底10’を持っ靴をはいて室外へいきたいときに、そのプラグ52を各凹穴48、50に嵌め込んで、フランジ56をヒール部14’の周辺に密着のように貼りつけさせる。結局、雨水、汚物などが凹穴48、50から靴の中に入るということを防ぐ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による理想実施例1の立体図である。
【図2】図1の2−2線に沿って見た断面図である。
【図3】本考案の理想実施例1の構造を靴のほかの部分に合わせて、人間がはくときの横向断面図であって、靴のヒール部が圧力を受けない状態を示す図である。
【図4】本考案の理想実施例1の構造を靴のほかの部分に合わせて、人間がはくときの横向断面図であって、靴のヒール部が圧力を受ける状態を示す図である。
【図5】本考案による理想実施例2の立体図である。
【図6】本考案の理想実施例2の構造を靴のほかの部分に合わせて、人間がはくときの横向断面図であって、靴のヒール部が圧力を受けない状態を示す図である。
【図7】本考案の理想実施例2の構造を靴のほかの部分に合わせて、人間がはくときの横向断面図であって、靴のヒール部が圧力を受ける状態を示す図である。
【符号の説明】
10 靴中底
104、106 第二貫通孔
108 エッジ
12 パーム部
14 ヒール部
16 ウェスト部
20 ショックアブソーバー
22 凸体
24 エアチェンバー
26、28 凹穴
30、32 第一通気管
34 貫通孔
36、38 補強肋
362、368 凹弧状周縁
40 上底
42 ゴム底
48、50 凹穴
52 プラグ
54 係止部
56 フランジ

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 パーム部、ヒール部、パーム部とヒール部とを連結するウェスト部及び弾性を持つヒール部に配置されるショックアブソーバーを含む靴中底であって、前記ショックアブソーバーには弧面状の凸体があり、ヒール部の中央上面から突き出していて、一方、エアチェンバーが凸体の下に配置され、複数の凹穴が凸体の周辺に設置され、前記凹穴の口開けがショックアブソーバーの上面に形成され、また、複数の第一通気管は凹穴の壁から内へ延され、エアチェンバーまで貫通され、複数の第一貫通孔も凸体の上面から下へ延され、エアチェンバーまで貫通され、弧面状の凸体を外へ突き出すために、ヒール部に前記凸体に対応した口開けがあり、凹穴を外気と触れるために、凹穴に対応した複数の第二貫通孔が用意されるということを特徴とする靴中底。
【請求項2】 請求項1に記載の靴中底であって、エアチェンバーの弧面状凸体の底面に下へ延される補強肋が形成され、その高さがエアチェンバーの最大高さより小さいことを特徴とする靴中底。
【請求項3】 請求項2に記載の靴中底であって、その補強肋の下周縁は凹弧状になることを特徴とする靴中底。
【請求項4】 請求項2に記載の靴中底であって、その補強肋は二つのグループに分けられ、同じグループの補強肋が互いに平行しており、異なるグループの補強肋が垂直に交叉していることを特徴とする靴中底。
【請求項5】 請求項1に記載の靴中底であって、前記ショックアブソーバーには、さらに複数の第二通気管が設けられ、前記第二通気管はショックアブソーバーの周辺に配置され、内へ延され、各凹穴と接合され、また、第二通気管と外気に触れるために、ヒール部の側面に第二通気管に対応した所に複数の凹穴が設けられることを特徴とする靴中底。
【請求項6】 請求項5に記載の靴中底であって、複数のプラグが設けられ、それを凹穴の中に嵌め込むことを特徴とする靴中底。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図1】
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【図5】
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【図7】
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【登録番号】第3043663号
【登録日】平成9年(1997)9月10日
【発行日】平成9年(1997)11月28日
【考案の名称】靴中底
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−4169
【出願変更の表示】特願平9−102120の変更
【出願日】平成9年(1997)4月18日
【出願人】(597055386)