靴底の緩衝構造、その製造方法および設計方法
【課題】靴の用途、コンセプト、コスト等を考慮し、必要な機能を有する部材を靴底の各部位に適宜配置する設計を容易に行うことができる靴底の緩衝構造を提供する。
【解決手段】本発明の靴底の緩衝構造は、中足部Mおよび後足部Bを支持するように、中足部Mおよび後足部Bの少なくとも一部を覆う樹脂製のベースプレート1と、ベースプレート1の下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュール21 〜24 とを備える。ベースプレート1は、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための位置決め要素を有する。各緩衝モジュール21 〜24 は、ベースプレート1の下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素20と;緩衝要素20の下面に接合され、路面に接地するアウターソール25と;位置決め要素により各緩衝モジュール21 〜24 が位置決めされるための被位置決め要素と;を有する。
【解決手段】本発明の靴底の緩衝構造は、中足部Mおよび後足部Bを支持するように、中足部Mおよび後足部Bの少なくとも一部を覆う樹脂製のベースプレート1と、ベースプレート1の下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュール21 〜24 とを備える。ベースプレート1は、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための位置決め要素を有する。各緩衝モジュール21 〜24 は、ベースプレート1の下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素20と;緩衝要素20の下面に接合され、路面に接地するアウターソール25と;位置決め要素により各緩衝モジュール21 〜24 が位置決めされるための被位置決め要素と;を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底の緩衝構造、その製造方法および設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴底は、軽量であることに加えて、足を安定した状態に保持する安定機能、着地の衝撃を吸収して緩和する緩衝機能等の種々の機能が要求される。これらのうち重視される機能は、用途や靴底の部位等に応じて異なるが、特に後足部においては靴底の部位により異なるので、適宜対応できるような靴底の設計が望まれている。
【0003】
前記安定機能や緩衝機能を向上させた靴底としては、下記の特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開平9−285304号
【特許文献2】U.S.P.6,694,642
【特許文献3】U.S.P.6,915,596
【0004】
前記特許文献1には、柱状ないし壁状の緩衝部と該緩衝部の上に配置された板状の分散部を有する靴底が開示されている。しかし、この文献には、靴底の部位により機能が異なるように設計することは開示されていない。
前記特許文献2には、ミッドソールの下に上下のプレートおよび安定化podからなる緩衝ユニットを配置した靴底の構造が開示されている。しかし、この靴底では、後足部において、安定化podが上下のプレート間に挟まれた1つの緩衝ユニットのみが配置されているので、設計を変更し難く、そのため、靴底の部位により機能が異なるような設計は困難である。
前記特許文献3には、複数の開口を有するプレートに複数の突起を有する緩衝部材を嵌め込んだ靴が開示されている。しかし、この靴底では、緩衝部材は、一体成形されており、プレートより上方の部分の体積が大きいので、靴底の部位により機能が異なるような設計は困難である。
【発明の開示】
【0005】
したがって、本発明の目的は、靴の用途、コンセプト、コスト等を考慮し、必要な機能を有する部材を靴底の各部位に適宜配置する設計を容易に行うことができる靴底の緩衝構造を提供することである。
【0006】
本発明のある態様の靴底の緩衝構造は、中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、前記ベースプレートは、後足部の周縁に沿った概ねU字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部において足幅方向に連なって形成されており、前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを足長方向および足幅方向の双方に位置決めするための位置決め要素を有し、前記各緩衝モジュールは:前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが足長方向および足幅方向の双方に位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されており、前記各緩衝モジュールの天面の少なくとも一部が前記ベースプレートの下面に固着されており、後足部には、少なくとも2個以上の前記緩衝モジュールが配置されており、当該後足部の緩衝モジュールの緩衝要素は脚状に形成されており、前記後足部の緩衝モジュールは、少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置されており、後足部の各緩衝要素において、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分が無いか、あるいは、前記ベースプレートの下面よりも下方に突出した部分の体積が、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分の体積よりも大きく設定されている。
【0007】
本緩衝装置によれば、異なる機能ないし特性を有する複数の緩衝モジュールをベースプレートに固着することで、靴底の部位に応じて必要な機能を備えた靴底の緩衝構造を容易に実現することができる。また、個々の緩衝モジュールを取り換えることで、設計の変更も容易となる。なお、「固着」とは、接着の他に溶着も含む。
【0008】
ベースプレートとしては、たとえば、ナイロン、ポリウレタン、FRPなどの樹脂の非発泡体を用いることができる他、硬度の高いEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)などを用いることができる。ベースプレートは、必ずしも一体成形する必要はないが、足裏を安定して保持できるように所定の剛性を確保するため、少なくとも樹脂の非発泡体を含む構成とするのが好ましい。剛性を確保することで、ベースプレート以外の他の構造を変更し易くなる
【0009】
一方、緩衝要素としては、たとえば、EVAやポリウレタンなどの樹脂の発泡体や、いわゆるゲルのような衝撃吸収に適した素材を用いることができる他、コイルスプリングや非発泡樹脂の板バネ構造などを用いて緩衝要素としてもよい。これらの素材や構造を組み合わせて、緩衝要素としてもよい。
また、緩衝要素とベースプレートの固着性を考慮して、両者はウレタン系、スチレン系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル系などの主成分が同じ素材を使用してもよい。
【0010】
なお、「少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置され」とは、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールが前後および/または内外に並んで配置されることをいい、後足部の各緩衝モジュールが離間して配置されている場合を含むほか、互いに接触して配置されている場合をも含む。
【0011】
前記位置決め要素として、たとえば、ベースプレートの開口または凹部を設けることができ、前記被位置決め要素としては、たとえば、緩衝要素に前記開口または凹部に係合可能な凸部を設けることができる。この場合、前記凸部が前記開口または凹部に下面側から嵌まり込んでいることで、前記各緩衝モジュールがベースプレートに位置決めされる。
【0012】
かかる位置決めを行う場合、前記ベースプレートの下面には、前記開口または凹部の周囲において、概ねフラットな平坦面が形成されており、前記緩衝要素の凸部の周囲の部分が前記ベースプレートの前記平坦面に密着した状態で、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートに固着されているのが好ましい。
かかる構造により、緩衝モジュールがベースプレートに一層強固に固着されるので、緩衝モジュールがベースプレートから剥がれ難くなる。
【0013】
また、固着強度の観点から、前記緩衝モジュールの緩衝要素は、前記被位置決め要素として、複数の凸部を有し、前記ベースプレートは、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素として、前記複数の凸部に係合可能な複数の開口または凹部を有していてもよい。この場合、前記複数の凸部が前記複数の開口または凹部に嵌まり込んでいることで、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールが前記ベースプレートに位置決めされる。
【0014】
本発明の靴底においては、前記ベースプレートの中足部における足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性が、前記ベースプレートの後足部におけるそれよりも大きく設定されているのが好ましい。
かかる設定により、中足部を補強して、中足部の屈曲やネジレ抑制機能を向上させることができる。かかる設定は、中足部において、ベースプレートの内外に巻上部を設けたり、ベースプレートの厚みを大きくしたりすることで実現され得る。なお、「足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性」は、ベースプレートの曲げ剛性を、平面視におけるベースプレートの足幅方向の長さで除した値である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第1実施例:
図1〜図3は第1実施例を示す。
図1に示すように、本実施例の靴底は、略板状のベースプレート1と、該ベースプレート1の下方に配置され、互いに別体に形成された第1〜第4緩衝モジュール21 ,22 ,23 ,24 とを備える。各緩衝モジュール21 〜24 は、着地の際の衝撃を吸収する緩衝要素20と、該緩衝要素20の下面に接合されたアウターソール25とからなる。
【0016】
前記ベースプレート1は一体成形された樹脂の非発泡体からなり、後足部の後端から前足部の先端まで延びており、足裏の概ね全体を支持する。中足部において、ベースプレート1の内外には上方に巻き上がる中足巻上部18,18が設けられている。また、ベースプレート1には、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための開口11a〜14aが設けられている他、後足部の中央に開口15aが設けられている。図2Bにおいて、ベースプレート1の形状を分かり易くするために、ベースプレート1に網点が施されている(後述の図11Bも同様)。
【0017】
前記緩衝要素20は、たとえば、EVAやポリウレタンなどの樹脂の発泡体などの衝撃吸収に適した素材で形成される。各緩衝要素20には、前記ベースプレート1の外側において上方に巻き上がる第1巻上部24が設けられている。これにより、足が安定して支持されると共に、ベースプレート1に対して各緩衝モジュール21 〜24 が位置ズレしにくくなる。
前記アウターソール25は、路面や床面に接地し、耐摩耗性の大きい材料で形成されている。
【0018】
図2Bの平面図に示すように、前記ベースプレート1は、後足部Bの周縁に沿った略U字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部Mにおいて足の幅方向に連なって形成されている。したがって、ベースプレート1には、後足部Bから中足部Mにかけてループ状の部分が設けられている。かかる構成により、後足部Bから中足部Mにかけて不用意に折れ曲がることを防止でき、所定の剛性が確保される。
【0019】
また、前記ベースプレート1が足裏の概ね全面にわたって設けられている。このようにすることで、ベースプレート1の部分的なもしくは極端な折れ曲がりやネジレを抑制し得る。ソールの極端な変形を抑制することで、靴底接地時における体重心がスムースに移動できないという不都合が生じ難くなる。
特に、前記ベースプレート1は、前足部のMP関節よりも前方の部位から後足部の後端にわたって設けられており、これにより、前足部の極端な折れ曲がりやネジレを抑制し得る。また、ベースプレート1が踵まで設けられていることで、踵部の安定保持を図り得る。
前記体重心のスムースな移動という観点から、体重心の軌跡(踵外側から爪先)に合わせて、軌跡方向の曲げ剛性を高めるように設定してもよい。
【0020】
前記4つの緩衝モジュール21 〜24 のうち、第1緩衝モジュール21 は、後足部Bの前部内側に配置され、第2緩衝モジュール22 は後足部Bの前部外側に配置され、第3緩衝モジュール23 は後足部Bの後部に配置され、第4緩衝モジュール24 は前足部Fに配置される。したがって、後足部Bにおいて、第1緩衝モジュール21 と第2緩衝モジュール22 とは互いに内外に本質的に分離されて配置されており、第1および第2緩衝モジュール21 ,22 と第3緩衝モジュール23 とは、前後に本質的に分離されて配置されている。前後および内外で必要とされる機能が異なる後足部においては、このような緩衝モジュールの分離が特に有用となる。
本実施例では、第1〜第3モジュール21 〜23 は互いに離間して配置されているが、図10A,Bのように、互いに接触した状態で配置されていてもよい。
【0021】
なお、中足部Mにおいては、緩衝モジュールは実質的に配置されておらず、このため、前記後足部Bの第1〜第3緩衝モジュール21 〜23 と、前記前足部Fの第4緩衝モジュール24 とは、実質的に互いに分断されている。中足部Mでは緩衝機能が差程必要とされず、また、軽量化を図るためである。
なお、中足部Mにおいて、ベースプレート1の上面に足のアーチに沿った表面形状を有する樹脂の発泡体(ミッドソール)を積層してもよい。また、ベースプレート1の下方に強化部材を設けてもよい。
【0022】
図2Aおよび図2Bに示すように、第1〜第3緩衝モジュール21 〜23 の緩衝要素20は脚状に形成されており、第4緩衝モジュール24 は厚板状に形成されている。各緩衝モジュール21 〜24 において、緩衝要素20はベースプレートの下面16よりも下方に突出する部分20aを有する。
【0023】
図3A〜図3Cに示すように、各緩衝モジュール21 〜24 において、緩衝要素20の上面には上方へ突出した凸部23が設けられている。この各凸部23が、ベースプレート1の前記開口11a〜14aに下側から嵌め込まれることで、前記各緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1上の所定の位置において足長方向Xおよび足幅方向Yに位置決めされて固着される。なお、図1、図6〜図9において、凸部23の位置を明瞭にするため、凸部23の上面にクロス(X)を付して表している。
【0024】
この固着構造において、前記各緩衝モジュール21 〜24 の天面、つまり、緩衝要素20の天面21の一部(凸部23以外の部分)が前記ベースプレート1の下面16に固着されている。かかる天面21の固着により、緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1から剥がれ難くなると共に、位置ズレし難くなる。
また、ベースプレート1の下面16には、前記開口11a〜14aの周囲に概ねフラットな平坦面17が設けられており、該平坦面17に前記緩衝要素20の天面21のうち凸部の周縁部21aが密着した状態で前記各緩衝モジュール21 〜24 が固着されている。これにより、更に固着力が向上する。
【0025】
なお、図1に示すように、第3緩衝モジュール23 の緩衝要素20には、2つの凸部23,23が設けられており、ベースプレート1には該凸部23,23が嵌り込む2つの開口13a,13aが設けられている。このように、1つの緩衝モジュールが複数の箇所でベースプレートに係合することで、固着力が向上する。かかる構造は、足の周縁に沿って足の内側から外側にわたって円弧状ないし半月状に形成され、後足部後端の第3緩衝モジュール23 の固着において、特に有用である。
【0026】
また、固着強度の観点から、ベースプレート1全体がアッパー(図示せず)に固着され、各緩衝モジュールの21 〜24 の天面が該アッパーに固着されているのが好ましい。
【0027】
後足部Bの各緩衝要素20において、前記ベースプレートの下面16よりも下方に突出した下方突出部20aの体積が、前記ベースプレートの下面16よりも上方に突出した部分、つまり、凸部23および巻上部24の体積よりも大きく設定されている。
【0028】
本実施例では、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための位置決め要素として、ベースプレート1に開口11a〜14aを設けたが、かかる開口に代えて、図4A〜Cのように凹部11b〜14bを設けてもよい。この凹部11b〜14bに前記緩衝要素20の凸部23を嵌め込むことで、各緩衝モジュール21 〜24 が位置決めされる。なお、図4A〜Cは、それぞれ、凹部23を設けた靴底の前記図3A〜Cと同位置における断面図である。
【0029】
第2実施例:
図5A〜図5Dは第2実施例を示す。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一部分または相当部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図5B〜図5Dに示すように、本実施例では、前足部および後足部において、ベースプレート1の周縁に上方に巻き上がった第2巻上部19が設けられている。この第2巻上部19および前記中足巻上部18により、ベースプレートの概ね全周縁が巻き上がっている。
第2巻上部19は前記緩衝要素20の第1巻上部24の内側において、第1巻上部24に沿って上方に巻き上がっている。かかる巻上げにより、ベースプレート1の剛性が大きくなり、安定性が更に向上する。
【0030】
また、図5Aに示すように、後足部において、第1および第2緩衝モジュール21 ,22 と第3緩衝モジュール23 との間の境界線は、前記第1実施例のように真っ直ぐの直線状ではなく、後足部の中央部で折れ曲がった直線状になっている。すなわち、緩衝モジュール2i を設けた後足部において、足を足幅方向および斜めに横断する直線が、いずれかの緩衝モジュール2i を横切るように、各緩衝モジュール2i の形状、大きさ、配置が設定されている。
このように設定することで、後足部Bの前記境界線で靴底が不用意に折れ曲がるのを防止でき、安定性が向上する。
【0031】
第3実施例:
図6は第3実施例を示す。
本実施例では、ベースプレート1において、中足巻上部は設けられておらず、第2巻上部19が後足部のみに設けられている。この第2巻上部19は、緩衝要素20の第1巻上部24の頂部よりも上方に大きく延びており、いわゆるヒールカウンタの機能を果たすことができる。
かかる第2巻上部19は、図7のように、中足部から連なって巻き上がるようにしてもよく、踵の後側の上側部分に、略U字状に切り欠かれた切欠部19aが設けられていてもよい。
【0032】
第4実施例:
図8および図9は第4実施例を示す。
本実施例では、ベースプレート1に多数の孔11c〜14cが設けられている。このように多数の孔を設けることにより、ベースプレート1の軽量化を図り得る。また、ベースプレート1に接合される各緩衝モジュール2i の形状や数を大幅に変更することができる。
【0033】
一方、ベースプレート1の下方に配置される各緩衝モジュール21 〜24 の緩衝要素20には、前記多数の孔11c〜14cに対応して、複数の凸部23が設けられている。各緩衝モジュール21 〜24 の複数の凸部23が、それぞれ、前記ベースプレート1の複数の孔11c〜14cに嵌り込むことで、各緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1上に位置決めされる。この複数の凸部23は、各緩衝モジュール21 〜24 が配置される部位の全ての孔に係合するように設けられている必要はなく、多数の孔のうちの選択された1以上の孔に係合するように設けられていればよい。したがって、本実施例のベースプレート1に対しては、凸部23の設けられる部位を変更した種々の緩衝モジュールを形成し得る。
【0034】
第5実施例:
図11A〜図11Cは第5実施例を示す。
本実施例では、前足部の後端部から中足部を通って後足部の前端部に至る部位において、前記ベースプレート1の下方に樹脂の非発泡体の強化部材40(二点鎖線で示される)が設けられている。
前記強化部材40は、中足部において、前記ベースプレート1に対して本質的に上下に離間して配置されている。図11A,図11Cに示すように、強化部材40の前端部40fは前足部の後端側において第4緩衝モジュール24 の緩衝要素20の第1段部51(第1接合部の一例)に接合されている(嵌め込まれている)。強化部材40の後端部40bは内外に分かれており、それぞれ、後足部の前端側において、第2緩衝モジュール22 の緩衝要素20の第2段部52、第1緩衝モジュール21 の緩衝要素20の第2段部52に接合されている(嵌め込まれている)。前記前端部40fおよび後端部40bは緩衝要素20とアウターソール25との間で挟持されている。強化部材40の前端部40f、後端部40bはベースプレート1に接合されていてもよい。
このように、ベースプレート1および強化部材を、互いに上下に離間した状態で、中足部に配置することにより、靴底の中足部は、補強されて曲げ剛性が大きくなるが、それに伴う突き上げを緩和しつつ、中足部の屈曲やネジレが抑制される。
【0035】
前記各実施例では、ベースプレート1が前足部から後足部にかけて延びていたが、ベースプレート1は必ずしも前足部にまで延びている必要はない。たとえば、図10Cのように、ベースプレート1を前足部に設けずに、中足部から後足部にかけてのみ延びるように設けてもよい。また、図10Dのように、ベースプレート1が前足部のMP関節の近傍の部位から後足部の後端にわたってのみ設けられてもよい。これらの場合、前足部には緩衝モジュールは配置されない。
また、ベースプレート1の上に別の緩衝要素31(ミッドソール)が配置されてもよく、当該別の緩衝要素31は、図10Cのように前足部から後足部にかけて延びるように設けられてもよいし、図10Dのように前足部にのみ設けられてもよい。
【0036】
製造方法:
次に、前記各実施例の靴底を製造する方法の一例を説明する。
まず、(1)後足部の前部外側の位置、後足部の前部内側の位置および後足部の後部の位置に開口(たとえば、図1の11a〜13a)または凹部(たとえば、図4A〜Cの11b〜13b)を有する複数種類のベースプレート、(2)前記後足部の前部外側の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第1緩衝モジュール、(3)前記後足部の前部内側の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第2緩衝モジュール、(4)前記後足部の後部の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第3緩衝モジュール、を予め準備する。
【0037】
前記複数種類のベースプレートとしては、たとえば、図13Bに示す種別I〜VIIのベースプレートを採用することができる。すなわち、各緩衝モジュールとしては、I.中足部にのみ巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図1のベースプレート1)、II.全周縁にわたって巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図5A〜図5Cのベースプレート1)、III.後足部にのみ巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図6のベースプレート1)、IV.中足部から後足部にわたって巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図7のベースプレート1)、V.巻上げが無く、多数の孔が設けられた非発泡樹脂のプレート(たとえば、図8のベースプレート1)、VI.フィルムが表面に積層された発泡樹脂(たとえば、EVA発泡体)のプレート、VII.発泡樹脂のみからなるプレートなどの、複数種類のモジュールが用意される。各種類のベースプレートは、それぞれ、前記緩衝モジュールの凸部が係合可能な開口または凹部を有している。
【0038】
前記複数種類の第1〜第3緩衝モジュールとしては、たとえば、図13Aに示す種別I〜Vのモジュールを採用することができる。すなわち、各緩衝モジュールとしては、I.硬度の高いEVA発泡体、II.硬度の低いEVA発泡体、III.ゲル入りのEVA発泡体、IV.コイルスプリング、V.非発泡樹脂からなる板バネ構造体などの、複数種類のモジュールが用意される。各種類の緩衝モジュールは、それぞれ、上方に突出した凸部を有している。
【0039】
なお、前記ゲル入りのEVA発泡体としては、PCT/JP2005/8778のFIG.7に示される、EVA発泡体の中心に柱状のゲルを挿入したものを用いることができる。前記非発泡体樹脂からなる板バネ構造体としては、同出願の図3に示されるチューブ状に成形された非発泡樹脂や、同出願の図22A〜Gに示すような断面略U字状ないし略V字状に成形された非発泡樹脂を用いることができる。
【0040】
次に、前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、前記準備された複数種類の第1〜第3緩衝モジュールのうち、所望の第1〜第3緩衝モジュールを選択する。これらの選択は、前記後足部の各部位に必要な機能や、重量、コスト等の種々の要因を考慮して決定することができる。たとえば、足の後足部の外側が着地時の衝撃を大きく受けるので高い緩衝性が必要であることを重視すると、前記第2緩衝モジュールとして、硬度の低いEVA発泡体やゲル入りのEVA発泡体を選択することができ、足の内側への倒れ込みを抑制することを重視すると、前記第1緩衝モジュールとして、前記硬度の高いEVA発泡体を選択することができる。また、反発性を重視する場合、前記コイルスプリングや板バネ構造体を選択することができる。
【0041】
そして、選択された第1〜第3緩衝モジュールの凸部を、それぞれ、前記選択されたベースプレートの後足部の前部外側の位置の開口または凹部、後足部の前部内側の位置の開口または凹部、後足部の後部の位置の開口または凹部に嵌め込んで、各緩衝モジュールをベースプレート上に位置決めして固着する。このようにして、前記実施例の靴底が完成する。
【0042】
このような製造方法を採用することで、靴底の各部位に所望の機能を持たせた靴底を容易に製造することができる。また、足の大きさや用途等に合わせた複数種類のベースプレートを用意して、選択できるようにすることで、足のサイズや用途等の異なる複数種類の靴底を容易に製造することができる。
なお、前足部の第4緩衝モジュールについても、予め複数種類用意して、これから選択して固着させるようにするようにしてもよい。また、1種類のベースプレートだけを用意して、緩衝モジュールだけを選択するようにしてもよい。同一の組み合わせの緩衝モジュールを用いて、ベースプレートだけを選択するようにしてもよい。
【0043】
また、前記第5実施例のように中足部に強化部材が設けられている靴底を製造する場合には、前記(1)〜(4)のようなベースプレートおよび複数の緩衝モジュールに加え、複数種類の強化部材を予め準備する製造方法を採用することができる。
この場合、前足部に配置される緩衝モジュールとしては、前記各強化部材の前端部を接合可能な第1段部(たとえば、図11Aの51)を有する緩衝モジュールを準備すると共に、後足部に配置される緩衝モジュールとしては、前記各強化部材の後端部を接合可能な第2段部(たとえば、図11Aの52)を有する緩衝モジュールを準備する。一方、前記複数種類の強化部材としては、前端部が前記第1段部に接合可能な形状であり、後端部が前記第2段部に接合可能な形状の強化部材を準備する。
【0044】
たとえば、図12の(k)に示す靴底においては、前足部の緩衝モジュール2の緩衝要素20の後端側には第1段部51が設けられており、後足部の緩衝モジュール2の緩衝要素20の前端側には第2段部52が設けられている。かかる緩衝モジュール2,2に対しては、図12の(a)〜(j)の強化部材40(図13Cに示す種別a〜jの強化部材)を接合することができる。これらの強化部材40は、それぞれ、前記第1段部51に沿った形状の、つまり、第1段部51に接合可能な前端部40fと、前記第2段部52に沿った形状の、つまり、前記第2段部52に接合可能な後端部40bとを有する。したがって、図12の(k)の緩衝モジュール2,2を採用する場合、前記複数種類の強化部材として、図12の(a)〜(j)の強化部材40を採用することができる。図12の(a)〜(j)の強化部材40は、いずれも非発泡の樹脂からなり、図13Cの図表に示す機能や特性を有する。
【0045】
次に、前記準備された複数種類の強化部材のうち、所望の強化部材を選択する。この選択では、強化部材の機能や目的等に応じて、形状、大きさや材料等が適切なものを適宜選択することができる。屈曲・外ネジレを抑制し、内側および外側の双方を強化することを重視すると、図12の(c)の平面視N型の強化部材を選択することができる。
【0046】
そして、図12の(a)〜(j)のうちから選択された強化部材40の前端部40fを前足部の緩衝モジュール2の第1段部51(図12の(k))に接合すると共に、後端部40bを後足部の緩衝モジュール2の第2接合部52(図12の(k))に接合する。この際、前端部40fおよび後端部40bを緩衝要素20とアウターソールとの間で挟持して固着するようにしてもよい。
そして、強化部材40の接合された緩衝モジュール2,2を、前述の製造方法と同様にして、ベースプレート上に位置決めして固着する。このようにして、たとえば図12の(k)のような強化部材を備えた靴底が完成する。
【0047】
このような複数種類の強化部材を予め準備する製造方法を採用することで、靴底の中足部に所望の機能を持たせた靴底を容易に製造することができる。なお、複数種類の強化部材は、前記図12の(a)〜(j)に示すもの以外のものであってもよく、平面視λ型、平面視V型、平面視X型、平面視H型、平面視N型、平面視I型、平面視Y型、平面視III型、平面視8型などの種々の形状のものを適宜使用できる。
【0048】
設計方法:
つぎに、前記各実施例の靴底の設計方法の一例を説明する。
前記実施例のように設計された第1の靴底の第1〜第4緩衝モジュールのうちの少なくとも1つの緩衝モジュールを選択する。そして、該選択された緩衝モジュールに代えて、選択された緩衝モジュールの位置の凹部または開口に対応する凸部を有する別の緩衝モジュールを前記選択された緩衝モジュールの位置に配置するように設計することで、新たな第2の靴底が設計される。この第2の靴底の設計においては、ベースプレートとして、前記第1の靴底と同じベースプレートが用いられ、選択されなかった緩衝モジュールについては、前記第1の靴底と同じ緩衝モジュールが用いられる。すなわち、第2の靴底においては、前記選択された緩衝モジュール以外の部品については前記第1の靴底と同じものが用いられる。
【0049】
このような緩衝モジュールを変更する設計手法により、同じプレートを利用して、変更したい緩衝モジュールと同じ凸部を有する別の緩衝モジュールを作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備された緩衝モジュールだけでなく、別の素材または構造からなる緩衝モジュールを作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0050】
また、ベースプレートを変更することで、靴底の設計を行ってもよい。
この場合、前記実施例のように設計された第1の靴底のうちのベースプレートに代えて、前記複数の緩衝モジュールの凸部に対応する開口または凹部を有する別のベースプレートに前記複数の緩衝モジュールを配置するように設計することで、第2の靴底を設計する。この第2の靴底の設計においては、緩衝モジュールとして、前記第1の靴底と同じ組み合わせの緩衝モジュールが用いられる。
たとえば、第1実施例の靴底(図1)のうち、第1〜第4緩衝モジュール21 〜24 を変更せずに、ベースプレート1を第3実施例(図6)や第4実施例(図7)のものに変更すれば、第3,第4実施例の靴底が設計できる。
【0051】
このようなベースプレートを変更する設計手法により、同じ組み合わせの緩衝モジュールを利用して、該組み合わせの緩衝モジュールに対応する開口または凹部を有する別のプレートを作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備されたベースプレートだけでなく、別の素材または構造からなるベースプレートを作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0052】
また、ベースプレートの下方に前記強化部材を配置して設計された靴底の場合、強化部材を変更することで、靴底の設計を行ってもよい。
この場合、たとえば、前記第5実施例のように設計された第1の靴底のうちの前記強化部材に代えて、緩衝モジュールの第1段部に接合可能な前端部と緩衝モジュールの第2段部に接合可能な後端部とを有する別の強化部材をベースプレートの下方に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する。この第2の靴底においては、緩衝モジュールおよびベースプレートとして、前記第1の靴底と同じ緩衝モジュールおよびベースプレートが用いられる。
たとえば、前記図12の(k)の靴底では、図12(c)の強化部材40が配置されているが、かかる強化部材40に代えて、前足部の緩衝モジュール2の第1段部51に接合可能な前端部と後足部の緩衝モジュールの第2接合部52に接合可能な後端部40bとを有する別の強化部材40(図12(a),(b),(d)〜(j))を前記ベースプレートの下方に配置するように設計することで第2の靴底が設計できる。
【0053】
このような強化部材を変更する設計手法により、同じベースプレートおよび緩衝モジュールを利用して、該緩衝モジュールの第1および第2段部に対応する前端部および後端部有する別の強化部材を作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備された強化部材だけでなく、別の素材または構造からなる強化部材を作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0054】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記各実施例では、後足部に3個の緩衝モジュールが設けられていたが、後足部の緩衝モジュールは4個以上でもよいし、2個でもよい。前足部の緩衝モジュールを2個以上にしてもよい。
また、ベースプレートは2以上の部材で構成されていてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、運動靴などの種々の靴の靴底に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施例にかかる靴底の上面側からみた斜視図である。
【図2】Aは同靴底の内側面図、Bは同平面図、Cは同外側面図である。
【図3】Aは図2BのIIIa-IIIa 線断面図、Bは図2BのIIIb-IIIb 線断面図、Cは図2BのIIIc-IIIc 線断面図である。
【図4】A,BおよびCは、変形例の靴底の断面図である。
【図5】Aは本発明の第2実施例にかかる靴底の平面図、Bは図5AのVb-Vb 線断面図、Cは図5AのVc-Vc 線断面図、Dは図5AのVd-Vd 線断面図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかる靴底の上面側から見た斜視図である。
【図7】変形例の靴底の上面側から見た斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例にかかる靴底の上面側から見た斜視図である。
【図9】同靴底の平面図である。
【図10】Aは変形例にかかる靴底の後足部の緩衝モジュールの部分平面図、Bは同部分外側面図であり、CおよびDは、それぞれ、別の変形例を示す外側面図である。
【図11】Aは本発明の第5実施例にかかる靴底の内側面図、Bは同平面図、Cは同外側面図である。
【図12】(a)〜(j)は強化部材の例を示す底面図、(k)はアウターソールを取り外した状態の靴底の底面図である。
【図13】Aは緩衝モジュールの種類を示す図表、Bはベースプレートの種類を示す図表、Cは強化部材の種類を示す図表である。
【符号の説明】
【0057】
1:ベースプレート
11a,12a,13a,14a:開口
11b,12b,13b,14b:凹部
11c,12c,13c,14c:孔
16:下面
17:平坦面
21 ,22 ,23 ,24 :緩衝モジュール
20:緩衝要素
20a:下方突出部
21:天面
23:凸部
25:アウターソール
40:強化部材
40f:前端部
40b:後端部
51:第1段部(第1接合部)
52:第2段部(第2接合部)
F:前足部
M:中足部
B:後足部
X:足長方向
Y:足幅方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底の緩衝構造、その製造方法および設計方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴底は、軽量であることに加えて、足を安定した状態に保持する安定機能、着地の衝撃を吸収して緩和する緩衝機能等の種々の機能が要求される。これらのうち重視される機能は、用途や靴底の部位等に応じて異なるが、特に後足部においては靴底の部位により異なるので、適宜対応できるような靴底の設計が望まれている。
【0003】
前記安定機能や緩衝機能を向上させた靴底としては、下記の特許文献が挙げられる。
【特許文献1】特開平9−285304号
【特許文献2】U.S.P.6,694,642
【特許文献3】U.S.P.6,915,596
【0004】
前記特許文献1には、柱状ないし壁状の緩衝部と該緩衝部の上に配置された板状の分散部を有する靴底が開示されている。しかし、この文献には、靴底の部位により機能が異なるように設計することは開示されていない。
前記特許文献2には、ミッドソールの下に上下のプレートおよび安定化podからなる緩衝ユニットを配置した靴底の構造が開示されている。しかし、この靴底では、後足部において、安定化podが上下のプレート間に挟まれた1つの緩衝ユニットのみが配置されているので、設計を変更し難く、そのため、靴底の部位により機能が異なるような設計は困難である。
前記特許文献3には、複数の開口を有するプレートに複数の突起を有する緩衝部材を嵌め込んだ靴が開示されている。しかし、この靴底では、緩衝部材は、一体成形されており、プレートより上方の部分の体積が大きいので、靴底の部位により機能が異なるような設計は困難である。
【発明の開示】
【0005】
したがって、本発明の目的は、靴の用途、コンセプト、コスト等を考慮し、必要な機能を有する部材を靴底の各部位に適宜配置する設計を容易に行うことができる靴底の緩衝構造を提供することである。
【0006】
本発明のある態様の靴底の緩衝構造は、中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、前記ベースプレートは、後足部の周縁に沿った概ねU字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部において足幅方向に連なって形成されており、前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを足長方向および足幅方向の双方に位置決めするための位置決め要素を有し、前記各緩衝モジュールは:前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが足長方向および足幅方向の双方に位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されており、前記各緩衝モジュールの天面の少なくとも一部が前記ベースプレートの下面に固着されており、後足部には、少なくとも2個以上の前記緩衝モジュールが配置されており、当該後足部の緩衝モジュールの緩衝要素は脚状に形成されており、前記後足部の緩衝モジュールは、少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置されており、後足部の各緩衝要素において、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分が無いか、あるいは、前記ベースプレートの下面よりも下方に突出した部分の体積が、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分の体積よりも大きく設定されている。
【0007】
本緩衝装置によれば、異なる機能ないし特性を有する複数の緩衝モジュールをベースプレートに固着することで、靴底の部位に応じて必要な機能を備えた靴底の緩衝構造を容易に実現することができる。また、個々の緩衝モジュールを取り換えることで、設計の変更も容易となる。なお、「固着」とは、接着の他に溶着も含む。
【0008】
ベースプレートとしては、たとえば、ナイロン、ポリウレタン、FRPなどの樹脂の非発泡体を用いることができる他、硬度の高いEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)などを用いることができる。ベースプレートは、必ずしも一体成形する必要はないが、足裏を安定して保持できるように所定の剛性を確保するため、少なくとも樹脂の非発泡体を含む構成とするのが好ましい。剛性を確保することで、ベースプレート以外の他の構造を変更し易くなる
【0009】
一方、緩衝要素としては、たとえば、EVAやポリウレタンなどの樹脂の発泡体や、いわゆるゲルのような衝撃吸収に適した素材を用いることができる他、コイルスプリングや非発泡樹脂の板バネ構造などを用いて緩衝要素としてもよい。これらの素材や構造を組み合わせて、緩衝要素としてもよい。
また、緩衝要素とベースプレートの固着性を考慮して、両者はウレタン系、スチレン系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル系などの主成分が同じ素材を使用してもよい。
【0010】
なお、「少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置され」とは、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールが前後および/または内外に並んで配置されることをいい、後足部の各緩衝モジュールが離間して配置されている場合を含むほか、互いに接触して配置されている場合をも含む。
【0011】
前記位置決め要素として、たとえば、ベースプレートの開口または凹部を設けることができ、前記被位置決め要素としては、たとえば、緩衝要素に前記開口または凹部に係合可能な凸部を設けることができる。この場合、前記凸部が前記開口または凹部に下面側から嵌まり込んでいることで、前記各緩衝モジュールがベースプレートに位置決めされる。
【0012】
かかる位置決めを行う場合、前記ベースプレートの下面には、前記開口または凹部の周囲において、概ねフラットな平坦面が形成されており、前記緩衝要素の凸部の周囲の部分が前記ベースプレートの前記平坦面に密着した状態で、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートに固着されているのが好ましい。
かかる構造により、緩衝モジュールがベースプレートに一層強固に固着されるので、緩衝モジュールがベースプレートから剥がれ難くなる。
【0013】
また、固着強度の観点から、前記緩衝モジュールの緩衝要素は、前記被位置決め要素として、複数の凸部を有し、前記ベースプレートは、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素として、前記複数の凸部に係合可能な複数の開口または凹部を有していてもよい。この場合、前記複数の凸部が前記複数の開口または凹部に嵌まり込んでいることで、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールが前記ベースプレートに位置決めされる。
【0014】
本発明の靴底においては、前記ベースプレートの中足部における足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性が、前記ベースプレートの後足部におけるそれよりも大きく設定されているのが好ましい。
かかる設定により、中足部を補強して、中足部の屈曲やネジレ抑制機能を向上させることができる。かかる設定は、中足部において、ベースプレートの内外に巻上部を設けたり、ベースプレートの厚みを大きくしたりすることで実現され得る。なお、「足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性」は、ベースプレートの曲げ剛性を、平面視におけるベースプレートの足幅方向の長さで除した値である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第1実施例:
図1〜図3は第1実施例を示す。
図1に示すように、本実施例の靴底は、略板状のベースプレート1と、該ベースプレート1の下方に配置され、互いに別体に形成された第1〜第4緩衝モジュール21 ,22 ,23 ,24 とを備える。各緩衝モジュール21 〜24 は、着地の際の衝撃を吸収する緩衝要素20と、該緩衝要素20の下面に接合されたアウターソール25とからなる。
【0016】
前記ベースプレート1は一体成形された樹脂の非発泡体からなり、後足部の後端から前足部の先端まで延びており、足裏の概ね全体を支持する。中足部において、ベースプレート1の内外には上方に巻き上がる中足巻上部18,18が設けられている。また、ベースプレート1には、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための開口11a〜14aが設けられている他、後足部の中央に開口15aが設けられている。図2Bにおいて、ベースプレート1の形状を分かり易くするために、ベースプレート1に網点が施されている(後述の図11Bも同様)。
【0017】
前記緩衝要素20は、たとえば、EVAやポリウレタンなどの樹脂の発泡体などの衝撃吸収に適した素材で形成される。各緩衝要素20には、前記ベースプレート1の外側において上方に巻き上がる第1巻上部24が設けられている。これにより、足が安定して支持されると共に、ベースプレート1に対して各緩衝モジュール21 〜24 が位置ズレしにくくなる。
前記アウターソール25は、路面や床面に接地し、耐摩耗性の大きい材料で形成されている。
【0018】
図2Bの平面図に示すように、前記ベースプレート1は、後足部Bの周縁に沿った略U字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部Mにおいて足の幅方向に連なって形成されている。したがって、ベースプレート1には、後足部Bから中足部Mにかけてループ状の部分が設けられている。かかる構成により、後足部Bから中足部Mにかけて不用意に折れ曲がることを防止でき、所定の剛性が確保される。
【0019】
また、前記ベースプレート1が足裏の概ね全面にわたって設けられている。このようにすることで、ベースプレート1の部分的なもしくは極端な折れ曲がりやネジレを抑制し得る。ソールの極端な変形を抑制することで、靴底接地時における体重心がスムースに移動できないという不都合が生じ難くなる。
特に、前記ベースプレート1は、前足部のMP関節よりも前方の部位から後足部の後端にわたって設けられており、これにより、前足部の極端な折れ曲がりやネジレを抑制し得る。また、ベースプレート1が踵まで設けられていることで、踵部の安定保持を図り得る。
前記体重心のスムースな移動という観点から、体重心の軌跡(踵外側から爪先)に合わせて、軌跡方向の曲げ剛性を高めるように設定してもよい。
【0020】
前記4つの緩衝モジュール21 〜24 のうち、第1緩衝モジュール21 は、後足部Bの前部内側に配置され、第2緩衝モジュール22 は後足部Bの前部外側に配置され、第3緩衝モジュール23 は後足部Bの後部に配置され、第4緩衝モジュール24 は前足部Fに配置される。したがって、後足部Bにおいて、第1緩衝モジュール21 と第2緩衝モジュール22 とは互いに内外に本質的に分離されて配置されており、第1および第2緩衝モジュール21 ,22 と第3緩衝モジュール23 とは、前後に本質的に分離されて配置されている。前後および内外で必要とされる機能が異なる後足部においては、このような緩衝モジュールの分離が特に有用となる。
本実施例では、第1〜第3モジュール21 〜23 は互いに離間して配置されているが、図10A,Bのように、互いに接触した状態で配置されていてもよい。
【0021】
なお、中足部Mにおいては、緩衝モジュールは実質的に配置されておらず、このため、前記後足部Bの第1〜第3緩衝モジュール21 〜23 と、前記前足部Fの第4緩衝モジュール24 とは、実質的に互いに分断されている。中足部Mでは緩衝機能が差程必要とされず、また、軽量化を図るためである。
なお、中足部Mにおいて、ベースプレート1の上面に足のアーチに沿った表面形状を有する樹脂の発泡体(ミッドソール)を積層してもよい。また、ベースプレート1の下方に強化部材を設けてもよい。
【0022】
図2Aおよび図2Bに示すように、第1〜第3緩衝モジュール21 〜23 の緩衝要素20は脚状に形成されており、第4緩衝モジュール24 は厚板状に形成されている。各緩衝モジュール21 〜24 において、緩衝要素20はベースプレートの下面16よりも下方に突出する部分20aを有する。
【0023】
図3A〜図3Cに示すように、各緩衝モジュール21 〜24 において、緩衝要素20の上面には上方へ突出した凸部23が設けられている。この各凸部23が、ベースプレート1の前記開口11a〜14aに下側から嵌め込まれることで、前記各緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1上の所定の位置において足長方向Xおよび足幅方向Yに位置決めされて固着される。なお、図1、図6〜図9において、凸部23の位置を明瞭にするため、凸部23の上面にクロス(X)を付して表している。
【0024】
この固着構造において、前記各緩衝モジュール21 〜24 の天面、つまり、緩衝要素20の天面21の一部(凸部23以外の部分)が前記ベースプレート1の下面16に固着されている。かかる天面21の固着により、緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1から剥がれ難くなると共に、位置ズレし難くなる。
また、ベースプレート1の下面16には、前記開口11a〜14aの周囲に概ねフラットな平坦面17が設けられており、該平坦面17に前記緩衝要素20の天面21のうち凸部の周縁部21aが密着した状態で前記各緩衝モジュール21 〜24 が固着されている。これにより、更に固着力が向上する。
【0025】
なお、図1に示すように、第3緩衝モジュール23 の緩衝要素20には、2つの凸部23,23が設けられており、ベースプレート1には該凸部23,23が嵌り込む2つの開口13a,13aが設けられている。このように、1つの緩衝モジュールが複数の箇所でベースプレートに係合することで、固着力が向上する。かかる構造は、足の周縁に沿って足の内側から外側にわたって円弧状ないし半月状に形成され、後足部後端の第3緩衝モジュール23 の固着において、特に有用である。
【0026】
また、固着強度の観点から、ベースプレート1全体がアッパー(図示せず)に固着され、各緩衝モジュールの21 〜24 の天面が該アッパーに固着されているのが好ましい。
【0027】
後足部Bの各緩衝要素20において、前記ベースプレートの下面16よりも下方に突出した下方突出部20aの体積が、前記ベースプレートの下面16よりも上方に突出した部分、つまり、凸部23および巻上部24の体積よりも大きく設定されている。
【0028】
本実施例では、各緩衝モジュール21 〜24 を位置決めするための位置決め要素として、ベースプレート1に開口11a〜14aを設けたが、かかる開口に代えて、図4A〜Cのように凹部11b〜14bを設けてもよい。この凹部11b〜14bに前記緩衝要素20の凸部23を嵌め込むことで、各緩衝モジュール21 〜24 が位置決めされる。なお、図4A〜Cは、それぞれ、凹部23を設けた靴底の前記図3A〜Cと同位置における断面図である。
【0029】
第2実施例:
図5A〜図5Dは第2実施例を示す。なお、以下の実施例において、第1実施例と同一部分または相当部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図5B〜図5Dに示すように、本実施例では、前足部および後足部において、ベースプレート1の周縁に上方に巻き上がった第2巻上部19が設けられている。この第2巻上部19および前記中足巻上部18により、ベースプレートの概ね全周縁が巻き上がっている。
第2巻上部19は前記緩衝要素20の第1巻上部24の内側において、第1巻上部24に沿って上方に巻き上がっている。かかる巻上げにより、ベースプレート1の剛性が大きくなり、安定性が更に向上する。
【0030】
また、図5Aに示すように、後足部において、第1および第2緩衝モジュール21 ,22 と第3緩衝モジュール23 との間の境界線は、前記第1実施例のように真っ直ぐの直線状ではなく、後足部の中央部で折れ曲がった直線状になっている。すなわち、緩衝モジュール2i を設けた後足部において、足を足幅方向および斜めに横断する直線が、いずれかの緩衝モジュール2i を横切るように、各緩衝モジュール2i の形状、大きさ、配置が設定されている。
このように設定することで、後足部Bの前記境界線で靴底が不用意に折れ曲がるのを防止でき、安定性が向上する。
【0031】
第3実施例:
図6は第3実施例を示す。
本実施例では、ベースプレート1において、中足巻上部は設けられておらず、第2巻上部19が後足部のみに設けられている。この第2巻上部19は、緩衝要素20の第1巻上部24の頂部よりも上方に大きく延びており、いわゆるヒールカウンタの機能を果たすことができる。
かかる第2巻上部19は、図7のように、中足部から連なって巻き上がるようにしてもよく、踵の後側の上側部分に、略U字状に切り欠かれた切欠部19aが設けられていてもよい。
【0032】
第4実施例:
図8および図9は第4実施例を示す。
本実施例では、ベースプレート1に多数の孔11c〜14cが設けられている。このように多数の孔を設けることにより、ベースプレート1の軽量化を図り得る。また、ベースプレート1に接合される各緩衝モジュール2i の形状や数を大幅に変更することができる。
【0033】
一方、ベースプレート1の下方に配置される各緩衝モジュール21 〜24 の緩衝要素20には、前記多数の孔11c〜14cに対応して、複数の凸部23が設けられている。各緩衝モジュール21 〜24 の複数の凸部23が、それぞれ、前記ベースプレート1の複数の孔11c〜14cに嵌り込むことで、各緩衝モジュール21 〜24 がベースプレート1上に位置決めされる。この複数の凸部23は、各緩衝モジュール21 〜24 が配置される部位の全ての孔に係合するように設けられている必要はなく、多数の孔のうちの選択された1以上の孔に係合するように設けられていればよい。したがって、本実施例のベースプレート1に対しては、凸部23の設けられる部位を変更した種々の緩衝モジュールを形成し得る。
【0034】
第5実施例:
図11A〜図11Cは第5実施例を示す。
本実施例では、前足部の後端部から中足部を通って後足部の前端部に至る部位において、前記ベースプレート1の下方に樹脂の非発泡体の強化部材40(二点鎖線で示される)が設けられている。
前記強化部材40は、中足部において、前記ベースプレート1に対して本質的に上下に離間して配置されている。図11A,図11Cに示すように、強化部材40の前端部40fは前足部の後端側において第4緩衝モジュール24 の緩衝要素20の第1段部51(第1接合部の一例)に接合されている(嵌め込まれている)。強化部材40の後端部40bは内外に分かれており、それぞれ、後足部の前端側において、第2緩衝モジュール22 の緩衝要素20の第2段部52、第1緩衝モジュール21 の緩衝要素20の第2段部52に接合されている(嵌め込まれている)。前記前端部40fおよび後端部40bは緩衝要素20とアウターソール25との間で挟持されている。強化部材40の前端部40f、後端部40bはベースプレート1に接合されていてもよい。
このように、ベースプレート1および強化部材を、互いに上下に離間した状態で、中足部に配置することにより、靴底の中足部は、補強されて曲げ剛性が大きくなるが、それに伴う突き上げを緩和しつつ、中足部の屈曲やネジレが抑制される。
【0035】
前記各実施例では、ベースプレート1が前足部から後足部にかけて延びていたが、ベースプレート1は必ずしも前足部にまで延びている必要はない。たとえば、図10Cのように、ベースプレート1を前足部に設けずに、中足部から後足部にかけてのみ延びるように設けてもよい。また、図10Dのように、ベースプレート1が前足部のMP関節の近傍の部位から後足部の後端にわたってのみ設けられてもよい。これらの場合、前足部には緩衝モジュールは配置されない。
また、ベースプレート1の上に別の緩衝要素31(ミッドソール)が配置されてもよく、当該別の緩衝要素31は、図10Cのように前足部から後足部にかけて延びるように設けられてもよいし、図10Dのように前足部にのみ設けられてもよい。
【0036】
製造方法:
次に、前記各実施例の靴底を製造する方法の一例を説明する。
まず、(1)後足部の前部外側の位置、後足部の前部内側の位置および後足部の後部の位置に開口(たとえば、図1の11a〜13a)または凹部(たとえば、図4A〜Cの11b〜13b)を有する複数種類のベースプレート、(2)前記後足部の前部外側の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第1緩衝モジュール、(3)前記後足部の前部内側の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第2緩衝モジュール、(4)前記後足部の後部の位置の開口または凹部に嵌め込み可能な凸部を有する複数種類の第3緩衝モジュール、を予め準備する。
【0037】
前記複数種類のベースプレートとしては、たとえば、図13Bに示す種別I〜VIIのベースプレートを採用することができる。すなわち、各緩衝モジュールとしては、I.中足部にのみ巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図1のベースプレート1)、II.全周縁にわたって巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図5A〜図5Cのベースプレート1)、III.後足部にのみ巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図6のベースプレート1)、IV.中足部から後足部にわたって巻上げを有する非発泡樹脂のプレート(たとえば、図7のベースプレート1)、V.巻上げが無く、多数の孔が設けられた非発泡樹脂のプレート(たとえば、図8のベースプレート1)、VI.フィルムが表面に積層された発泡樹脂(たとえば、EVA発泡体)のプレート、VII.発泡樹脂のみからなるプレートなどの、複数種類のモジュールが用意される。各種類のベースプレートは、それぞれ、前記緩衝モジュールの凸部が係合可能な開口または凹部を有している。
【0038】
前記複数種類の第1〜第3緩衝モジュールとしては、たとえば、図13Aに示す種別I〜Vのモジュールを採用することができる。すなわち、各緩衝モジュールとしては、I.硬度の高いEVA発泡体、II.硬度の低いEVA発泡体、III.ゲル入りのEVA発泡体、IV.コイルスプリング、V.非発泡樹脂からなる板バネ構造体などの、複数種類のモジュールが用意される。各種類の緩衝モジュールは、それぞれ、上方に突出した凸部を有している。
【0039】
なお、前記ゲル入りのEVA発泡体としては、PCT/JP2005/8778のFIG.7に示される、EVA発泡体の中心に柱状のゲルを挿入したものを用いることができる。前記非発泡体樹脂からなる板バネ構造体としては、同出願の図3に示されるチューブ状に成形された非発泡樹脂や、同出願の図22A〜Gに示すような断面略U字状ないし略V字状に成形された非発泡樹脂を用いることができる。
【0040】
次に、前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、前記準備された複数種類の第1〜第3緩衝モジュールのうち、所望の第1〜第3緩衝モジュールを選択する。これらの選択は、前記後足部の各部位に必要な機能や、重量、コスト等の種々の要因を考慮して決定することができる。たとえば、足の後足部の外側が着地時の衝撃を大きく受けるので高い緩衝性が必要であることを重視すると、前記第2緩衝モジュールとして、硬度の低いEVA発泡体やゲル入りのEVA発泡体を選択することができ、足の内側への倒れ込みを抑制することを重視すると、前記第1緩衝モジュールとして、前記硬度の高いEVA発泡体を選択することができる。また、反発性を重視する場合、前記コイルスプリングや板バネ構造体を選択することができる。
【0041】
そして、選択された第1〜第3緩衝モジュールの凸部を、それぞれ、前記選択されたベースプレートの後足部の前部外側の位置の開口または凹部、後足部の前部内側の位置の開口または凹部、後足部の後部の位置の開口または凹部に嵌め込んで、各緩衝モジュールをベースプレート上に位置決めして固着する。このようにして、前記実施例の靴底が完成する。
【0042】
このような製造方法を採用することで、靴底の各部位に所望の機能を持たせた靴底を容易に製造することができる。また、足の大きさや用途等に合わせた複数種類のベースプレートを用意して、選択できるようにすることで、足のサイズや用途等の異なる複数種類の靴底を容易に製造することができる。
なお、前足部の第4緩衝モジュールについても、予め複数種類用意して、これから選択して固着させるようにするようにしてもよい。また、1種類のベースプレートだけを用意して、緩衝モジュールだけを選択するようにしてもよい。同一の組み合わせの緩衝モジュールを用いて、ベースプレートだけを選択するようにしてもよい。
【0043】
また、前記第5実施例のように中足部に強化部材が設けられている靴底を製造する場合には、前記(1)〜(4)のようなベースプレートおよび複数の緩衝モジュールに加え、複数種類の強化部材を予め準備する製造方法を採用することができる。
この場合、前足部に配置される緩衝モジュールとしては、前記各強化部材の前端部を接合可能な第1段部(たとえば、図11Aの51)を有する緩衝モジュールを準備すると共に、後足部に配置される緩衝モジュールとしては、前記各強化部材の後端部を接合可能な第2段部(たとえば、図11Aの52)を有する緩衝モジュールを準備する。一方、前記複数種類の強化部材としては、前端部が前記第1段部に接合可能な形状であり、後端部が前記第2段部に接合可能な形状の強化部材を準備する。
【0044】
たとえば、図12の(k)に示す靴底においては、前足部の緩衝モジュール2の緩衝要素20の後端側には第1段部51が設けられており、後足部の緩衝モジュール2の緩衝要素20の前端側には第2段部52が設けられている。かかる緩衝モジュール2,2に対しては、図12の(a)〜(j)の強化部材40(図13Cに示す種別a〜jの強化部材)を接合することができる。これらの強化部材40は、それぞれ、前記第1段部51に沿った形状の、つまり、第1段部51に接合可能な前端部40fと、前記第2段部52に沿った形状の、つまり、前記第2段部52に接合可能な後端部40bとを有する。したがって、図12の(k)の緩衝モジュール2,2を採用する場合、前記複数種類の強化部材として、図12の(a)〜(j)の強化部材40を採用することができる。図12の(a)〜(j)の強化部材40は、いずれも非発泡の樹脂からなり、図13Cの図表に示す機能や特性を有する。
【0045】
次に、前記準備された複数種類の強化部材のうち、所望の強化部材を選択する。この選択では、強化部材の機能や目的等に応じて、形状、大きさや材料等が適切なものを適宜選択することができる。屈曲・外ネジレを抑制し、内側および外側の双方を強化することを重視すると、図12の(c)の平面視N型の強化部材を選択することができる。
【0046】
そして、図12の(a)〜(j)のうちから選択された強化部材40の前端部40fを前足部の緩衝モジュール2の第1段部51(図12の(k))に接合すると共に、後端部40bを後足部の緩衝モジュール2の第2接合部52(図12の(k))に接合する。この際、前端部40fおよび後端部40bを緩衝要素20とアウターソールとの間で挟持して固着するようにしてもよい。
そして、強化部材40の接合された緩衝モジュール2,2を、前述の製造方法と同様にして、ベースプレート上に位置決めして固着する。このようにして、たとえば図12の(k)のような強化部材を備えた靴底が完成する。
【0047】
このような複数種類の強化部材を予め準備する製造方法を採用することで、靴底の中足部に所望の機能を持たせた靴底を容易に製造することができる。なお、複数種類の強化部材は、前記図12の(a)〜(j)に示すもの以外のものであってもよく、平面視λ型、平面視V型、平面視X型、平面視H型、平面視N型、平面視I型、平面視Y型、平面視III型、平面視8型などの種々の形状のものを適宜使用できる。
【0048】
設計方法:
つぎに、前記各実施例の靴底の設計方法の一例を説明する。
前記実施例のように設計された第1の靴底の第1〜第4緩衝モジュールのうちの少なくとも1つの緩衝モジュールを選択する。そして、該選択された緩衝モジュールに代えて、選択された緩衝モジュールの位置の凹部または開口に対応する凸部を有する別の緩衝モジュールを前記選択された緩衝モジュールの位置に配置するように設計することで、新たな第2の靴底が設計される。この第2の靴底の設計においては、ベースプレートとして、前記第1の靴底と同じベースプレートが用いられ、選択されなかった緩衝モジュールについては、前記第1の靴底と同じ緩衝モジュールが用いられる。すなわち、第2の靴底においては、前記選択された緩衝モジュール以外の部品については前記第1の靴底と同じものが用いられる。
【0049】
このような緩衝モジュールを変更する設計手法により、同じプレートを利用して、変更したい緩衝モジュールと同じ凸部を有する別の緩衝モジュールを作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備された緩衝モジュールだけでなく、別の素材または構造からなる緩衝モジュールを作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0050】
また、ベースプレートを変更することで、靴底の設計を行ってもよい。
この場合、前記実施例のように設計された第1の靴底のうちのベースプレートに代えて、前記複数の緩衝モジュールの凸部に対応する開口または凹部を有する別のベースプレートに前記複数の緩衝モジュールを配置するように設計することで、第2の靴底を設計する。この第2の靴底の設計においては、緩衝モジュールとして、前記第1の靴底と同じ組み合わせの緩衝モジュールが用いられる。
たとえば、第1実施例の靴底(図1)のうち、第1〜第4緩衝モジュール21 〜24 を変更せずに、ベースプレート1を第3実施例(図6)や第4実施例(図7)のものに変更すれば、第3,第4実施例の靴底が設計できる。
【0051】
このようなベースプレートを変更する設計手法により、同じ組み合わせの緩衝モジュールを利用して、該組み合わせの緩衝モジュールに対応する開口または凹部を有する別のプレートを作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備されたベースプレートだけでなく、別の素材または構造からなるベースプレートを作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0052】
また、ベースプレートの下方に前記強化部材を配置して設計された靴底の場合、強化部材を変更することで、靴底の設計を行ってもよい。
この場合、たとえば、前記第5実施例のように設計された第1の靴底のうちの前記強化部材に代えて、緩衝モジュールの第1段部に接合可能な前端部と緩衝モジュールの第2段部に接合可能な後端部とを有する別の強化部材をベースプレートの下方に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する。この第2の靴底においては、緩衝モジュールおよびベースプレートとして、前記第1の靴底と同じ緩衝モジュールおよびベースプレートが用いられる。
たとえば、前記図12の(k)の靴底では、図12(c)の強化部材40が配置されているが、かかる強化部材40に代えて、前足部の緩衝モジュール2の第1段部51に接合可能な前端部と後足部の緩衝モジュールの第2接合部52に接合可能な後端部40bとを有する別の強化部材40(図12(a),(b),(d)〜(j))を前記ベースプレートの下方に配置するように設計することで第2の靴底が設計できる。
【0053】
このような強化部材を変更する設計手法により、同じベースプレートおよび緩衝モジュールを利用して、該緩衝モジュールの第1および第2段部に対応する前端部および後端部有する別の強化部材を作成するだけで靴底の設計変更ができる。また、前記製造方法において予め準備された強化部材だけでなく、別の素材または構造からなる強化部材を作成して靴底の設計変更ができるから、設計の自由度が大きくなる。
【0054】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、前記各実施例では、後足部に3個の緩衝モジュールが設けられていたが、後足部の緩衝モジュールは4個以上でもよいし、2個でもよい。前足部の緩衝モジュールを2個以上にしてもよい。
また、ベースプレートは2以上の部材で構成されていてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、運動靴などの種々の靴の靴底に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の第1実施例にかかる靴底の上面側からみた斜視図である。
【図2】Aは同靴底の内側面図、Bは同平面図、Cは同外側面図である。
【図3】Aは図2BのIIIa-IIIa 線断面図、Bは図2BのIIIb-IIIb 線断面図、Cは図2BのIIIc-IIIc 線断面図である。
【図4】A,BおよびCは、変形例の靴底の断面図である。
【図5】Aは本発明の第2実施例にかかる靴底の平面図、Bは図5AのVb-Vb 線断面図、Cは図5AのVc-Vc 線断面図、Dは図5AのVd-Vd 線断面図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかる靴底の上面側から見た斜視図である。
【図7】変形例の靴底の上面側から見た斜視図である。
【図8】本発明の第4実施例にかかる靴底の上面側から見た斜視図である。
【図9】同靴底の平面図である。
【図10】Aは変形例にかかる靴底の後足部の緩衝モジュールの部分平面図、Bは同部分外側面図であり、CおよびDは、それぞれ、別の変形例を示す外側面図である。
【図11】Aは本発明の第5実施例にかかる靴底の内側面図、Bは同平面図、Cは同外側面図である。
【図12】(a)〜(j)は強化部材の例を示す底面図、(k)はアウターソールを取り外した状態の靴底の底面図である。
【図13】Aは緩衝モジュールの種類を示す図表、Bはベースプレートの種類を示す図表、Cは強化部材の種類を示す図表である。
【符号の説明】
【0057】
1:ベースプレート
11a,12a,13a,14a:開口
11b,12b,13b,14b:凹部
11c,12c,13c,14c:孔
16:下面
17:平坦面
21 ,22 ,23 ,24 :緩衝モジュール
20:緩衝要素
20a:下方突出部
21:天面
23:凸部
25:アウターソール
40:強化部材
40f:前端部
40b:後端部
51:第1段部(第1接合部)
52:第2段部(第2接合部)
F:前足部
M:中足部
B:後足部
X:足長方向
Y:足幅方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴底の緩衝構造であって、
中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、
前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、
前記ベースプレートは、後足部の周縁に沿った概ねU字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部において足幅方向に連なって形成されており、
前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを足長方向および足幅方向の双方に位置決めするための位置決め要素を有し、
前記各緩衝モジュールは:
前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;
当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;
前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが足長方向および足幅方向の双方に位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、
前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されており、
前記各緩衝モジュールの天面の少なくとも一部が前記ベースプレートの下面に固着されており、
後足部には、少なくとも2個以上の前記緩衝モジュールが配置されており、当該後足部の緩衝モジュールの緩衝要素は脚状に形成されており、
前記後足部の緩衝モジュールは、少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置されており、
後足部の各緩衝要素において、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分が無いか、あるいは、前記ベースプレートの下面よりも下方に突出した部分の体積が、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分の体積よりも大きく設定されている靴底の緩衝構造。
【請求項2】
請求項1において、前記ベースプレートは樹脂の非発泡体のプレートを含む靴底の緩衝構造。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記ベースプレートは少なくとも前足部のMP関節の近傍の部位から後足部の後端にわたって設けられている靴底の緩衝構造。
【請求項4】
請求項1もしくは2において、前記位置決め要素として、前記ベースプレートに、開口または凹部が設けられ、
前記被位置決め要素として、前記各緩衝要素に、前記開口または凹部に係合可能な凸部が設けられ、
前記凸部が前記開口または凹部に下面側から嵌まり込んでいることで、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされた状態で固着されている靴底の緩衝構造。
【請求項5】
請求項4において、前記ベースプレートの下面には、前記開口または凹部の周囲において、概ねフラットな平坦面が形成されており、
前記緩衝要素の凸部の周囲の部分が前記ベースプレートの前記平坦面に密着した状態で、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートに固着されている靴底の緩衝構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項において、前記ベースプレートの中足部における足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性が、前記ベースプレートの後足部におけるそれよりも大きく設定されている、靴底の緩衝構造。
【請求項7】
請求項1もしくは2において、前記ベースプレートは一体成形されていると共に、前足部から後足部にわたって延びており、
前記複数の緩衝モジュールは前足部および後足部に配置されており、
中足部において、前記ベースプレートの下方には緩衝要素が実質的に配置されておらず、
これにより、前記後足部の緩衝モジュールと前記前足部の緩衝モジュールとが実質的に互いに分断されている靴底の緩衝構造。
【請求項8】
靴底の緩衝構造であって、
中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、
前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、
前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素を有し、
前記各緩衝モジュールは:
前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;
当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;
前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、
前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項9】
請求項1もしくは8において、少なくとも1つの前記緩衝モジュールの緩衝要素は、前記被位置決め要素として、複数の凸部を有し、
前記ベースプレートは、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素として、複数の開口または凹部を有し、
前記複数の凸部が前記複数の開口または凹部に嵌まり込んでいることで、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項10】
請求項1もしくは8において、前記ベースプレートは樹脂の非発泡体のプレートを含み、
該樹脂の非発泡体のプレートが少なくとも前足部のMP関節よりも前方の部位から後足部の後端にわたって設けられている靴底の緩衝構造。
【請求項11】
請求項10において、少なくとも中足部を含む部位において、前記ベースプレートの下方に中足部の屈曲やネジレを抑制する樹脂の非発泡体の強化部材が設けられており、
中足部において、前記強化部材の少なくとも一部が前記ベースプレートに対して本質的に上下に離間して配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項12】
請求項8において、
少なくとも中足部を含む部位において、前記ベースプレートの下方に中足部の屈曲やネジレを抑制する強化部材が設けられており、該強化部材は前端部および後端部を有し、
前記複数の緩衝モジュールのうちのいずれかの緩衝モジュールには、前記前端部を接合するための第1接合部が設けられており、
前記複数の緩衝モジュールのうちのいずれかの緩衝モジュールには、前記後端部を接合するための第2接合部が設けられており、
前記前端部が前記第1接合部に接合され、前記後端部が前記第2接合部に接合された靴底の緩衝構造。
【請求項13】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有するベースプレートと;前記ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する複数種類の第1の緩衝モジュールと;前記ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する複数種類の第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類の第1の緩衝モジュールのうち、所望の第1の緩衝モジュールを選択し、
前記準備された複数種類の第2の緩衝モジュールのうち、所望の第2の緩衝モジュールを選択し、
前記第1の位置決め要素と前記選択された第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記選択された第1の緩衝モジュールを前記ベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記第2の位置決め要素と前記選択された第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記選択された第2の緩衝モジュールを前記ベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項14】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有する複数種類のベースプレートと;前記各ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する第1の緩衝モジュールと;前記各ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、
前記選択されたベースプレートの第1の位置決め要素と前記第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記選択されたベースプレートの第2の位置決め要素と前記第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項15】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有する複数種類のベースプレートと;前記各ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する複数種類の第1の緩衝モジュールと;前記各ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する複数種類の第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、
前記準備された複数種類の第1の緩衝モジュールのうち、所望の第1の緩衝モジュールを選択し、
前記準備された複数種類の第2の緩衝モジュールのうち、所望の第2の緩衝モジュールを選択し、
前記選択されたベースプレートの第1の位置決め要素と前記選択された第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記選択された第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記選択されたベースプレートの第2の位置決め要素と前記選択された第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記選択された第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有するベースプレートと;前端部および後端部を有し、中足部の屈曲やネジレを抑制するための複数種類の強化部材と;前記ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素と前記各強化部材の前端部を接合可能な第1接合部とを有する第1の緩衝モジュールと;前記ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素と前記各強化部材の後端部を接合可能な第2接合部とを有する第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類の強化部材のうち、所望の強化部材を選択し、
前記選択された強化部材の前端部を前記第1緩衝モジュールの第1接合部に接合すると共に、前記選択された強化部材の後端部を前記第2緩衝モジュールの第2接合部に接合し、
前記ベースプレートの第1の位置決め要素と前記第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記ベースプレートの第2の位置決め要素と前記第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項17】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの前記所定の位置に前記複数の緩衝モジュールを配置して設計された第1の靴底のうちの少なくとも1つの緩衝モジュールを選択し、
前記選択された緩衝モジュールに代えて、前記選択された緩衝モジュールの位置の位置決め要素に対応する被位置決め要素を有する別の緩衝モジュールを前記選択された緩衝モジュールの位置に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【請求項18】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの前記所定の位置に前記複数の緩衝モジュールを配置して設計された第1の靴底のうちの前記ベースプレートに代えて、前記複数の緩衝モジュールの被位置決め要素に対応する位置決め要素を有する別のベースプレートに前記複数の緩衝モジュールを配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【請求項19】
請求項12に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの下方に前記強化部材を配置して設計された第1の靴底のうちの前記強化部材に代えて、前記緩衝モジュールの第1接合部に接合可能な前端部と前記緩衝モジュールの第2接合部に接合可能な後端部とを有する別の強化部材を前記ベースプレートの下方に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【請求項1】
靴底の緩衝構造であって、
中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、
前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、
前記ベースプレートは、後足部の周縁に沿った概ねU字状の部位において連なって形成されており、かつ、中足部において足幅方向に連なって形成されており、
前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを足長方向および足幅方向の双方に位置決めするための位置決め要素を有し、
前記各緩衝モジュールは:
前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;
当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;
前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが足長方向および足幅方向の双方に位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、
前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されており、
前記各緩衝モジュールの天面の少なくとも一部が前記ベースプレートの下面に固着されており、
後足部には、少なくとも2個以上の前記緩衝モジュールが配置されており、当該後足部の緩衝モジュールの緩衝要素は脚状に形成されており、
前記後足部の緩衝モジュールは、少なくとも前後および/または内外に本質的に分離されて配置されており、
後足部の各緩衝要素において、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分が無いか、あるいは、前記ベースプレートの下面よりも下方に突出した部分の体積が、前記ベースプレートの下面よりも上方に突出した部分の体積よりも大きく設定されている靴底の緩衝構造。
【請求項2】
請求項1において、前記ベースプレートは樹脂の非発泡体のプレートを含む靴底の緩衝構造。
【請求項3】
請求項1もしくは2において、前記ベースプレートは少なくとも前足部のMP関節の近傍の部位から後足部の後端にわたって設けられている靴底の緩衝構造。
【請求項4】
請求項1もしくは2において、前記位置決め要素として、前記ベースプレートに、開口または凹部が設けられ、
前記被位置決め要素として、前記各緩衝要素に、前記開口または凹部に係合可能な凸部が設けられ、
前記凸部が前記開口または凹部に下面側から嵌まり込んでいることで、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされた状態で固着されている靴底の緩衝構造。
【請求項5】
請求項4において、前記ベースプレートの下面には、前記開口または凹部の周囲において、概ねフラットな平坦面が形成されており、
前記緩衝要素の凸部の周囲の部分が前記ベースプレートの前記平坦面に密着した状態で、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートに固着されている靴底の緩衝構造。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項において、前記ベースプレートの中足部における足幅方向の単位幅当たりの曲げ剛性が、前記ベースプレートの後足部におけるそれよりも大きく設定されている、靴底の緩衝構造。
【請求項7】
請求項1もしくは2において、前記ベースプレートは一体成形されていると共に、前足部から後足部にわたって延びており、
前記複数の緩衝モジュールは前足部および後足部に配置されており、
中足部において、前記ベースプレートの下方には緩衝要素が実質的に配置されておらず、
これにより、前記後足部の緩衝モジュールと前記前足部の緩衝モジュールとが実質的に互いに分断されている靴底の緩衝構造。
【請求項8】
靴底の緩衝構造であって、
中足部および後足部を支持するように、中足部および後足部の少なくとも一部を覆う、樹脂製のベースプレートと、
前記ベースプレートの少なくとも下方に配置され、互いに別体に形成された複数の緩衝モジュールとを備え、
前記ベースプレートは、前記各緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素を有し、
前記各緩衝モジュールは:
前記ベースプレートの下面よりも下方に突出する部分を有し、着地の衝撃を吸収する緩衝要素と;
当該緩衝要素の下面に接合され、路面に接地するアウターソールと;
前記位置決め要素により前記各緩衝モジュールが位置決めされるための被位置決め要素と;を有し、
前記位置決め要素および被位置決め要素により、前記各緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項9】
請求項1もしくは8において、少なくとも1つの前記緩衝モジュールの緩衝要素は、前記被位置決め要素として、複数の凸部を有し、
前記ベースプレートは、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールを位置決めするための位置決め要素として、複数の開口または凹部を有し、
前記複数の凸部が前記複数の開口または凹部に嵌まり込んでいることで、前記複数の凸部を含む緩衝モジュールが前記ベースプレートの所定の位置に位置決めされて配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項10】
請求項1もしくは8において、前記ベースプレートは樹脂の非発泡体のプレートを含み、
該樹脂の非発泡体のプレートが少なくとも前足部のMP関節よりも前方の部位から後足部の後端にわたって設けられている靴底の緩衝構造。
【請求項11】
請求項10において、少なくとも中足部を含む部位において、前記ベースプレートの下方に中足部の屈曲やネジレを抑制する樹脂の非発泡体の強化部材が設けられており、
中足部において、前記強化部材の少なくとも一部が前記ベースプレートに対して本質的に上下に離間して配置されている靴底の緩衝構造。
【請求項12】
請求項8において、
少なくとも中足部を含む部位において、前記ベースプレートの下方に中足部の屈曲やネジレを抑制する強化部材が設けられており、該強化部材は前端部および後端部を有し、
前記複数の緩衝モジュールのうちのいずれかの緩衝モジュールには、前記前端部を接合するための第1接合部が設けられており、
前記複数の緩衝モジュールのうちのいずれかの緩衝モジュールには、前記後端部を接合するための第2接合部が設けられており、
前記前端部が前記第1接合部に接合され、前記後端部が前記第2接合部に接合された靴底の緩衝構造。
【請求項13】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有するベースプレートと;前記ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する複数種類の第1の緩衝モジュールと;前記ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する複数種類の第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類の第1の緩衝モジュールのうち、所望の第1の緩衝モジュールを選択し、
前記準備された複数種類の第2の緩衝モジュールのうち、所望の第2の緩衝モジュールを選択し、
前記第1の位置決め要素と前記選択された第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記選択された第1の緩衝モジュールを前記ベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記第2の位置決め要素と前記選択された第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記選択された第2の緩衝モジュールを前記ベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項14】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有する複数種類のベースプレートと;前記各ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する第1の緩衝モジュールと;前記各ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、
前記選択されたベースプレートの第1の位置決め要素と前記第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記選択されたベースプレートの第2の位置決め要素と前記第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項15】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有する複数種類のベースプレートと;前記各ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素を有する複数種類の第1の緩衝モジュールと;前記各ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素を有する複数種類の第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類のベースプレートのうち、所望のベースプレートを選択し、
前記準備された複数種類の第1の緩衝モジュールのうち、所望の第1の緩衝モジュールを選択し、
前記準備された複数種類の第2の緩衝モジュールのうち、所望の第2の緩衝モジュールを選択し、
前記選択されたベースプレートの第1の位置決め要素と前記選択された第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記選択された第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記選択されたベースプレートの第2の位置決め要素と前記選択された第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記選択された第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項16】
請求項12に記載の緩衝構造を備えた靴底の製造方法であって、
第1および第2の位置と前記各位置に対応する第1および第2の位置決め要素とを有するベースプレートと;前端部および後端部を有し、中足部の屈曲やネジレを抑制するための複数種類の強化部材と;前記ベースプレートの前記第1の位置に接合可能で、かつ、前記第1の位置決め要素により前記第1の位置に位置決めされるための第1の被位置決め要素と前記各強化部材の前端部を接合可能な第1接合部とを有する第1の緩衝モジュールと;前記ベースプレートの前記第2の位置に接合可能で、かつ、前記第2の位置決め要素により前記第2の位置に位置決めされるための第2の被位置決め要素と前記各強化部材の後端部を接合可能な第2接合部とを有する第2の緩衝モジュールと;を予め準備し、
前記準備された複数種類の強化部材のうち、所望の強化部材を選択し、
前記選択された強化部材の前端部を前記第1緩衝モジュールの第1接合部に接合すると共に、前記選択された強化部材の後端部を前記第2緩衝モジュールの第2接合部に接合し、
前記ベースプレートの第1の位置決め要素と前記第1の緩衝モジュールの第1の被位置決め要素とにより、前記第1の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第1の位置に位置決めして固着し、
前記ベースプレートの第2の位置決め要素と前記第2の緩衝モジュールの第2の被位置決め要素とにより、前記第2の緩衝モジュールを前記選択されたベースプレートの前記第2の位置に位置決めして固着する靴底の製造方法。
【請求項17】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの前記所定の位置に前記複数の緩衝モジュールを配置して設計された第1の靴底のうちの少なくとも1つの緩衝モジュールを選択し、
前記選択された緩衝モジュールに代えて、前記選択された緩衝モジュールの位置の位置決め要素に対応する被位置決め要素を有する別の緩衝モジュールを前記選択された緩衝モジュールの位置に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【請求項18】
請求項8に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの前記所定の位置に前記複数の緩衝モジュールを配置して設計された第1の靴底のうちの前記ベースプレートに代えて、前記複数の緩衝モジュールの被位置決め要素に対応する位置決め要素を有する別のベースプレートに前記複数の緩衝モジュールを配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【請求項19】
請求項12に記載の緩衝構造を備えた靴底の設計方法であって、
前記ベースプレートの下方に前記強化部材を配置して設計された第1の靴底のうちの前記強化部材に代えて、前記緩衝モジュールの第1接合部に接合可能な前端部と前記緩衝モジュールの第2接合部に接合可能な後端部とを有する別の強化部材を前記ベースプレートの下方に配置するように設計することで、第2の靴底を設計する靴底の設計方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−89734(P2007−89734A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−281234(P2005−281234)
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(000000310)株式会社アシックス (57)
【Fターム(参考)】
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