説明

靴用インサート

複数の衝撃吸収手段が備わった履物底(1)は、衝撃吸収手段が複数の中空部(2)を備え、中空部のそれぞれが、履物底の裏面部から突出する衝撃吸収要素またはスタッド(3)に対応する。衝撃吸収要素(2、3)のそれぞれは、着用者の体重によって圧縮されると、それに屈して、足の荷重を吸収し、満足感と快適感をもたらすように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、足のための複数の衝撃吸収体から構成されていて、満足感と快適感を達成する靴用インサートである。
【背景技術】
【0002】
衝撃吸収性があり、通常は、ばねまたは他の同様の衝撃吸収要素を靴用中底の中へ挿入することに基づいた、異なる種類の靴用中底が現在存在している。しかしながら、これらの解決策は、複雑な製造工程が必要であるため、技術的に複雑なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第WO9947014号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
衝撃吸収インサートのうちで、国際公開第WO9947014号パンフレットのものを有しており、同パンフレットには、複数の支持要素を備えたインサートであって、このインサートを作り上げる2つの部材の間に形成された空気室と組み合わされて衝撃吸収性をもたらすインサートが記載されている。また、これらの支持要素は、多くの空気通路を介して相互に連結されている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によって推奨された靴用インサートは、基本的に、残留変形度が低いポリマー材料の一体部材として製造されたインサートからなっている。このインサートの上面、言い換えると通常は足に対向している側面は、インサートの下面から突出するピボットまたは衝撃吸収体に対応する一組の空間から構成されている。これらの衝撃吸収要素は、ユーザの体重によって圧縮されたときにたわみ、その歩行動作からの衝撃を吸収し、従って、満足感と快適感を獲得するような手段で、構成されている。
【0006】
衝撃吸収要素またはピボットの内側部分を構成する空間では、衝撃吸収区域の中に完全には満たされていないベースが挿入されている。その理由は、このような手段によれば、体重が加わると、その空間の外縁が内側ベースまたは内側ピボットの上に支持されるまでたわみ、第2のより強い衝撃吸収性をもたらし、同時に、足の重さがそれらを押し付けなくなると、衝撃吸収体をそれらの初期位置まで戻すのに役立ち、それによって、使用に伴う効率の低下と歩行による効率の低下を防止するからである。
【0007】
これらの内側ピボットは、内側ピボットが接触する足におけるそれぞれの箇所に適合され、また、内側ピボットがそのときに支持している重さに応じて、表面接触区域の大きさとそれがそれぞれの箇所で支持する重さとによって、調整された一種の支持部を足の裏に形成する。
【0008】
利点としては、記載された衝撃吸収インサートには、自然な歩行方法における場合と同じように、空気をかかとから足裏へ循環させる特性もある。衝撃吸収と通気とのこのような二重効果は、衝撃吸収ピボットを形成するのと同じ機構によって、言い換えると、それらの圧縮によって作られる。このようにして、それらが圧縮されると、空気はこれらの空所を通して外側へ押しやられ、衝撃吸収体と相互に連結する流路を通して循環して、足の裏の長さおよび幅の全体にわたって必要な快適感をもたらす空気流を生成する。
【0009】
この感覚および効果は、これらの衝撃吸収体によってもたらされた審美的効果に加えて、半透過性中底との組み合わせに付随するものである。半透過性中底は足の裏を覆う多数の微小オリフィスを有し、微小オリフィスによって空気を逃がすこととともに空気を靴全体にわたって再循環させることができる。
【0010】
本明細書および特許請求の範囲の全体を通して、「comprises(備えている)」という用語およびその類義語は、他の技術的特性、付加物、構成要素または工程を排除することを意図していない。当業者にとって、本発明の他の目的、利点および特性は、一部は明細書から導き出され、また、一部は本発明を実施することから導き出される。以下の例および図面は、例示をもたらすものであるとともに、本発明を制限することを意図していない。加えて、本発明は、本明細書に表示された特定のかつ好ましい実施形態のすべての可能な組み合わせに及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の目的であるインサートの上面図を示している。
【図2】図2は、図1に示されたインサートのかかとの詳細図を示している。
【図3】図3は、本発明の目的であるインサートの裏面部の図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に見ることができるように、本発明において推奨された靴用インサートは、残留変形度が低いポリマー材料から製造されて、圧縮によって衝撃吸収効果が達成されるように充分に柔軟であるが、使用の条件によって保証された時間枠に先立って回復するとともに永久に変形しないような充分な特質が備わった一体型インサート(1)から基本的に構成される。このインサートは、衝撃吸収特性をもたらし、多数の空所(2)を有し、それぞれがピボットまたは衝撃吸収要素(3)に対応し、インサートの裏面部から外方へ延出する複数の要素(図3)と、衝撃吸収要素(2、3)がユーザの体重によって圧縮されると、たわむとともに、歩行動作によって作られた衝撃を吸収するように構成された区域と、から作られている。
【0013】
空所(2)には、衝撃吸収要素(3)の内側を構成するものとして表示されたように、内側ベースまたは内側ピボット(4)が挿入されており、これは、衝撃吸収要素(3)の空所区域を完全には満たしていないが、その理由は、このような手段によれば、体重によって、それがベースまたは内側ピボット(4)の上に支持されるまで外縁がたわみ(21)、次いで、より強い第2衝撃吸収体として作用し、同時に、足の重さがそれらにわたる圧力を作用させなくなると、それらの初期位置まで衝撃吸収体を戻すのに役立ち、それによって、使用に伴う効率と歩行による効率が低下しないからである。
【0014】
これらの内側ピボット(4)は、内側ピボットが接触するとともに、内側ピボットがそれぞれの時点で支持している重さに応じて、調整された一種の支持部を足裏に作る足のそれぞれの箇所に適合される。
【0015】
本発明のある実施形態では、インサート(1)には、衝撃吸収要素(2、3、4)に連通しており、空気をかかとから足の裏まで循環させるように構成された複数の流路(5)もまた備わっている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留変形度が低いポリマー材料から一体部材として製造され、圧縮されたときに充分な衝撃吸収性をもたらすように柔軟であり、永久に変形しないように充分な回復性を有する特質が備わった足インサート(1)であって、
複数の空所(2)を有し、前記空所(2)のそれぞれがピボットまたは衝撃吸収要素(3)に対応する複数の衝撃吸収体であって、前記衝撃吸収要素(3)が前記足インサートの裏面部から外方へ延出する、複数の衝撃吸収体を備え、
前記衝撃吸収要素(2、3)は、ユーザの体重によって圧縮されると、たわむとともに、歩行動作によって作られた衝撃を吸収するように構成される、足インサート(1)。
【請求項2】
前記空所(2)は、前記衝撃吸収要素(3)の前記空所(2)を完全には満たさない内側ベースまたは内側ピボット(4)を収容する、請求項1に記載の足インサート。
【請求項3】
前記内側ピボット(4)は、前記内側ピボットが接触する足におけるそれぞれの箇所に適合され、前記内側ピボットが足に接触するときに、前記内側ピボットは、支持している重さに応じて、調整された一種の支持部を足の裏に形成する、請求項2に記載の足インサート。
【請求項4】
前記足インサート(1)は、空気をかかと区域から足の裏まで循環させるように構成された前記衝撃吸収要素(2、3、4)を連結する複数の流路(5)をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の足インサート。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載される足インサート(1)と、足の裏の全体にわたる多数の微小オリフィスからそれ自体が構成され、空気を逃がすこととともに空気を再循環させることができるように構成される半透過性中底と、を備える、靴用中底。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載される足インサート(1)、または請求項5に記載された靴用中底とのいずれか一方を備える、靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−525862(P2012−525862A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507788(P2012−507788)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際出願番号】PCT/ES2009/070308
【国際公開番号】WO2010/128176
【国際公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【出願人】(511265833)カンペール エスエル (1)
【Fターム(参考)】