説明

靴用中敷

【課題】
従来の取り出し片を有する中敷は、中敷を干す際の引っ掛ける部分がなく、また、靴を履くときに取出し片を踏んで邪魔になったり、中敷を靴に入れる際に中敷と靴の間に取出し片が入り込んだりして本来の目的を果たさない場合があった。
【解決手段】
そこで本願発明では、靴用中敷Aの取り出し片11の形状をループ状にして突起物等に容易に引っ掛けられるようにし、また、側壁13を設けてこれに沿って取り出し片11を取り付けることにより自立性を持たせた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴用中敷に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴用中敷は、足裏への負担軽減やフィット感向上等を目的として広く使用されている。現在では、多種多様な素材や形状を用いて、より足との密着性を高めるような中敷が作られている。
【0003】
一方、足の裏は比較的汗をかきやすく、また、靴の中は通気性があまり良くないことから、中敷は湿った状態が長く続く。そのため、不潔になり易く、このような状態を放置しておくと悪臭の原因となり、衛生上も足に良いとは言えない。特に運動用の靴に中敷を使用すると、運動時には足の裏にも多量の汗をかくため、その傾向は顕著である。この場合には、中敷を清潔に保つため、頻繁に中敷を靴から取り出し、中敷を乾燥させたりクリーニングしたりする必要がある。
【0004】
ところが、中敷を靴から取り出す際、中敷には靴との密着性が高いものが多く、また、中敷は湿った状態で長時間踏まれ続けているため、靴に密着した中敷を取り出すのが困難な場合がある。
【0005】
中敷を容易に取り出すには、中敷を取り出す取出し片を中敷に備えるのが効果的である。取り出し片を備えた靴用中敷については、特許文献1で開示されている。図3にその取り出し片を備えた中敷を示す。図3で示した取り出し片は、中敷のかかと側から外方へ突出して配設したものであり、布や皮などのような軟質性の材料を用いている。
【特許文献1】特開平9−262106
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の取出し片を有する中敷には次の問題点がある。つまり、中敷を乾燥させるために干す場合、中敷には引っ掛ける部分がなく、中敷を干す際には洗濯ばさみ等の中敷を挟むような道具が必要となる。そのため、室内や外出先では効果的に乾燥させることができない場合もある。また、靴を履くときに取出し片を踏んで邪魔になったり、中敷を靴に入れる際に中敷と靴の間に取出し片が入り込んで本来の目的を果たさなくなったりする場合もある。
【0007】
そこで、本願発明では、突起物等に容易に引っ掛けることができる靴用中敷を提供することを目的とする。また、取出し片が邪魔にならないような靴用中敷を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願発明にかかる靴用中敷は、中敷本体と取出し片とを備え、該取出し片が該中敷本体のかかと側略後縁部に設けられており、該取出し片の形状をループ形状とする(請求項1)。
【0009】
取出し片の形状がループ形状であるため、取出し片を突起物等に容易に引っ掛けることができる。
【0010】
また、本願発明にかかる靴用中敷は、中敷本体はかかと側周縁部に主面から起立した側壁を有し、取出し片を該側壁に設ける(請求項2)。
【0011】
主面から起立した側壁に取出し片を設けることで、取出し片の自立性を得ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本願発明にかかる靴用中敷によれば、突起物等に容易に引っ掛けることができる靴用中敷を提供することができる。また、取り出し片が邪魔にならないような靴用中敷を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本願発明を実施するための最良の形態について図を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は靴用中敷Aの斜視図であり、図2は靴用中敷Aの側面図である。
【0015】
靴用中敷Aは、中敷本体10と、取外し片11とを備える。さらに中敷本体は、主面12と側壁13とを有する。また、取り出し片12は側壁11に設けられている。
【0016】
主面12の形状は略楕円形である平面であって、土踏まずを除く足の裏に接触する部分である。人間の足は、つま先に比べてかかとの幅が狭いため、主面12において幅が狭くなっている方がかかと側となる。
【0017】
側壁13は、足と靴との隙間を埋めるように上記略楕円形の中央付近から、かかと側に及んでおり、主面12の周縁部において、主面12から起立している。側壁13は主面に垂直な角度よりもわずかに外側に傾いている。
【0018】
中敷本体10は一体成型されており、材質はEVA(発泡スポンジ)である。
【0019】
取り出し片11には、ある程度自立性を維持するため、ナイロンを材質とする幅10mm程度、厚さ1mm程度の帯状のひもが用いられている。上記の帯状のひもを折り返してループを形成し、折り返し側が外部に向くように、かかと側略後縁部に縫い付ける。取り出し片11は、側壁13に沿って縫い付け、取り出し片11と側壁13が面で接触するように側壁13の主面側と外縁側の少なくとも2箇所で縫い合わせる。
【0020】
本願発明に係る靴用中敷Aは上記のように取外し片11の形状がループ形状であるため、外出先であっても突起物等に取り出し片11のループ部分を引っ掛けることによって靴用中敷Aを干すことができる。
【0021】
また、取り出し片11が側壁13に沿って取り付けられているため、側壁13の起立方向に取り出し片11も起立する。
【0022】
以上、図を参照しつつ本願発明を実施するための最良形態について説明した。
【0023】
以上では、中敷本体等の材質や寸法を説明したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、例えば、中敷本体の材質をウレタンとしてもよいし、取り出し片の材質をポリエステルとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は本願発明にかかる靴用中敷の斜視図である。
【図2】図2は本願発明にかかる靴用中敷の側面図である。
【図3】図3は特許文献1で開示されている取り出し片を備えた中敷の斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
A 靴用中敷
10 中敷本体
11 取り出し片
12 主面
13 側壁
14 縫い合わせ部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中敷本体と取り出し片とを備え、該取り出し片が該中敷本体のかかと側略後縁部に設けられている靴用中敷であって、該取り出し片の形状がループ形状であることを特徴とする靴用中敷。
【請求項2】
中敷本体と取り出し片とを備えた靴用中敷であって、該中敷本体はかかと側周縁部に主面から起立した側壁を有し、該取り出し片が該側壁に設けられたことを特徴とする靴用中敷。
【請求項3】
取り出し片の形状がループ形状である請求項2記載の靴用中敷。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−296784(P2006−296784A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−123503(P2005−123503)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(594066545)アシックス商事株式会社 (7)
【Fターム(参考)】