説明

【課題】二つの層からなるインソールを有することにより履き心地を向上可能な靴を提供する。
【解決手段】インソール20は、使用者の足底に接触する第一層21、および当該第一層21の下方に接合される第二層22を有する。アウトソール30は、地面に接触するようにインソール20の下方に接合されている。ここで、第一層21は、底部212と、底部121から上に突出して形成された複数のリブ214とを有する。なお、第一層21は、当該第一層21の高度が第二層22の硬度より大きくなるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の靴は、インソール、アウトソールおよびアッパーから構成される。インソールは使用者の足底に接触する。アウトソールは地面に接触するようにインソールの下方に接合される。アッパーとインソールとの間には、使用者の足を収容する空間が形成される。
【0003】
一般的に言えば、アウトソールは硬度が比較的高いため、比較的よい耐摩耗性を有し、支持機能を達成することが可能である。インソールは硬度が比較的低いため、使用者の足底の圧力を緩衝できる柔軟性を有する。しかしながら、このような設計は、簡単過ぎて使用者から求められる履き心地を満足させることができないため、改善の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、上述した欠点を鑑み、二つの層からなるインソールを有することにより履き心地を向上可能な靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するために、本発明による靴は、インソールと、地面に接触するようにインソールの下方に接合されるアウトソールとを備える。
インソールは使用者の足底に接触する第一層と、第一層の下方に接合される第二層とを有する。第一層は底部と、底部から上に突出して形成された複数のリブとを有する。第一層の硬度は第二層の硬度より大きい。
【0006】
インソールは日本工業規格(Japanese Industrial Standard)JIS S6050または日本ゴム協会(Japan Rubber Association)SRIS 0101規定に準じる硬度計によって測定された結果、第一層の硬度値は35から40の間であり、第二層の硬度値は25から30の間である。両者の硬度値の差は5から10の間である。
【0007】
使用者が靴を着用する際、インソールの第二層は圧縮変形が生じることによって使用者の足底の圧力を緩衝する。インソールの第一層のリブは足底の圧力方向に沿って湾曲の弾性変形が生じることによって足底の圧力を解放する効果をより良好にする。従って靴の履き心地が向上される。
【0008】
本発明による靴についての詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方式は、後続の実施形態によって説明を進める。以下の詳細な説明および本発明により掲示される実施形態は本発明の請求範囲を制限することなく、説明のためであることは、本発明領域についての知識を有する人ならば理解できるはずである。本発明による靴は、このように、特に、二つの密度層からなるインソールを有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態による靴を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による靴を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による靴を示す側面図である。
【図4】本発明の第1実施形態による靴の使用状態を示す部分拡大図である。
【図5】本発明の第2実施形態による靴を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による靴を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1から図3に示すように、本発明の第1実施形態による靴10は、インソール20、アウトソール30およびアッパー40を備える。
【0011】
インソール20は、使用者の足底に接触する第一層21と、第一層21の下方に接合される第二層22とを有する。第二層22は平板状を呈する。第一層21は底部212と、底部212から上に突出して形成された複数のリブ214とを有する。リブ214はインソール20の左側および右側まで横向けに伸びて形成さ、かつ一定の距離を置いて配列される。リブ214の先端から第一層21の底部212までの高さLは2から4ミリメートルである。
【0012】
インソール20の第一層21および第二層22は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(Ethylene Vinyl Acetate Copolymer、EVA)、ポリウレタン(Polyurethane、 PU)またはポリ塩化ビニル(Polyvinylchloride、 PVC)などの重合体を原料とする発泡材料から構成されてもよい。
【0013】
第一層21の材料の密度は第二層22の材料の密度より大きい。第一層21の硬度は第二層22の硬度より大きい。本形態のインソール20は、日本工業規格JIS S6050、または日本ゴム協会SRIS 0101規定に準じる硬度計によって測定された結果、第一層21の硬度値は37、第二層22の硬度値は28である。
【0014】
実際に製造する際には、インソール20の硬度を自由に調整することが可能である。第一層21の硬度値の測定の結果は、35から40の間が比較的好ましい。第二層22の硬度値は、25から30の間が比較的好ましい。第一層21と第二層22との硬度値の差は、5から10の間が比較的好ましい。
【0015】
アウトソール30は、インソール20の第二層22の下方に接合されるミッドソール31と、ミッドソール31の下方に接合される底層32とを有する。ミッドソール31は平板状であり、三つの装着孔312を有する(図2参照)。底層32は厚さの比較的小さい五つの片状体322と、厚さの比較的大きい四つのブロック324とから構成される。
【0016】
ブロック324は二つの片状体322間に接合されるため、アウトソール30の底部に、前切欠部位33、前支持部位34、後支持部位35および後切欠部位36が、前から後へこの順に形成される(図3参照)。前支持部位34は、地面に接触する二つの前突起部342と、二つの前突起部342間に形成された前陥没溝344とを有する。後支持部位35は、地面に接触する二つの前突起部352と、二つの前突起部352間に形成された前陥没溝354とを有する。
【0017】
アッパー40は、インソール20の上方に配置され、かつミッドソール31の装着孔312内に制限される三つの固定部42を有する(図2参照)。アッパー40とインソール20との間には使用者の足を収容できる空間が形成されるため、使用者が歩く時、足と靴10とを分離させないことができる。
【0018】
使用者は、靴10を着用する際、アウトソール30の特殊構成により、水を渡るとき足底が濡れることを減少させ、足底の圧力を確実に解放することが可能なだけでなく、順調に歩くことが可能である。
図4に示すように、使用者の足底がインソール20に接触する時、インソール20は良好な柔軟性のある第二層22が弾性圧縮され、変形すると同時に使用者の足底の圧力を緩衝する。インソール20の第一層21のリブ214は使用者の足底の圧力方向に沿って湾曲の弾性変形が生じるため、インソール20によって足底の圧力を解放する効果をより良くし、靴10の履き心地を向上させることが可能である。
【0019】
(第2実施形態)
上述したインソール20はサンダル以外の靴、例えば図5に示した靴に適用することができる。アッパー40およびアウトソール30は靴の種類に応じ変化させてもよい。
また、インソール20のリブ214は横方向に沿って左右に延びて形成されるとは限らず、横方向に沿って前後に延びるか任意の方向に延びて形成されてもよい
【0020】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 ・・・ 靴
20 ・・・ インソール
21 ・・・ 第一層
212 ・・・ 底部
214 ・・・ リブ
22 ・・・ 第二層
30 ・・・ アウトソール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の足底に接触する第一層、および当該第一層の下方に接合される第二層を有するインソールと、
地面に接触するように前記インソールの下方に接合されるアウトソールと、
を備え、
前記第一層は、底部と、当該底部から上に突出して形成された複数のリブとを有し、
前記第一層の硬度は、前記第二層の硬度より大きいことを特徴とする靴。
【請求項2】
前記インソールの前記第一層は、日本工業規格JIS S6050または日本ゴム協会SRIS 0101規定に準じる硬度計によって測定された硬度値が、35から40の間であることを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記インソールの前記第二層は、日本工業規格JIS S6050または日本ゴム協会SRIS 0101規定に準じる硬度計によって測定された硬度値が、25から30の間であることを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項4】
前記インソールの前記第一層は、前記リブの先端から前記底部までの高さが2から4ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項5】
前記インソールの前記第一層の前記リブは、前記インソールの左側および右側まで横向きに延びて形成さることを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項6】
前記インソールの前記第一層の前記リブは、一定の間隔を置いて配列されることを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項7】
前記アウトソールは、前支持部位および後支持部位を有し、
前記前支持部位は、地面に接触する二つの前突起部と、当該二つの前突起部の間に形成された前陥没溝とを有することを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項8】
前記アウトソールは、前支持部位および後支持部位を有し、
当該後支持部位は、地面に接触する二つの後突起部と、当該二つの後突起部の間に形成された後陥没溝とを有することを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項9】
前記インソールの前記第一層および前記第二層は、日本工業規格JIS S6050または日本ゴム協会SRIS 0101規定に準じる硬度計によって測定された硬度値の差が、5から10の間であることを特徴とする請求項1に記載の靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−50675(P2012−50675A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195498(P2010−195498)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(502087840)
【Fターム(参考)】