鞍乗り型車両の前部構造
【課題】本発明は、ハンドルストッパが備えられている鞍乗り型車両において、可撓性部材の配索に係る設計自由度を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】自動二輪車は、ヘッドパイプ21に回動可能に設けられる操向軸41と、この操向軸41の下端部に設けられるブリッジ部材44と、このブリッジ部材44から突設され車体フレーム11に当接して操向軸41の操向角度を規制するハンドルストッパと、車幅方向右側から延ばされヘッドパイプ21の車両前方を通り、ハンドル46の車幅方向左側に延ばされ、ヘッドパイプ21よりも車両後方へ向かう可撓性部材73、74とを備える。ハンドルストッパを覆うストッパカバー67が、フロントステー66に取付けられている。
【解決手段】自動二輪車は、ヘッドパイプ21に回動可能に設けられる操向軸41と、この操向軸41の下端部に設けられるブリッジ部材44と、このブリッジ部材44から突設され車体フレーム11に当接して操向軸41の操向角度を規制するハンドルストッパと、車幅方向右側から延ばされヘッドパイプ21の車両前方を通り、ハンドル46の車幅方向左側に延ばされ、ヘッドパイプ21よりも車両後方へ向かう可撓性部材73、74とを備える。ハンドルストッパを覆うストッパカバー67が、フロントステー66に取付けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両の前部構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前部に、ハンドルの操向角度を規制するハンドルストッパを備えた鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1に示されるように、ヘッドパイプ(2)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)に、回動自在にステアリングシャフト(3)が挿入され、このステアリングシャフト(3)の下端に前輪を支える左右のフォークチューブ(6)の間を渡すロアーブラケット(4)が取付けられ、このロアーブラケット(4)から上方にホークストッパ(12)が突設されている。
【0004】
また、ヘッドパイプ(2)の下端の前側と側面とにフレームストッパ(11)が突設され、これらの2つのフレームストッパ(11)の間にホークストッパ(12)が配置されている。フレームストッパ(11)とホークストッパ(12)からなるハンドルストッパ
は、車幅方向右側に配置されている。
【0005】
スロットルケーブル等のケーブル類(13)は、ハンドルストッパと反対側の車幅方向左側に配置されている。
このように特許文献1の技術では、ハンドルストッパとケーブル類を車幅方向左右に分離配置することで、ハンドルストッパとケーブル類(以下、「可撓性部材」という。)との干渉を防いでいる。
上記構造では、可撓性部材を車幅方向左右一方に配索することから、可撓性部材の配索に制約が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−79039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハンドルストッパが備えられている鞍乗り型車両において、可撓性部材の配索に係る設計自由度を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体フレームに設けられるヘッドパイプと、このヘッドパイプに回動自在に支持され上端にハンドルが取付けられる操向軸と、この操向軸の下端部に設けられ前輪を支持するフォーク部材に渡されるブリッジ部材と、このブリッジ部材のヘッドパイプに近接した位置から上方へ突設され車体フレームに当接することでハンドルの操向角度を規制するハンドルストッパと、ハンドルまわりの機器から、ハンドルストッパの上方を通り、車体側に備えられる機器へ連結される可撓性部材と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、ハンドルストッパと可撓性部材との間に備えられ可撓性部材がハンドルストッパから離れるように案内するストッパカバーを、車体フレーム又はブリッジ部材に取付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、ストッパカバーは、操向軸を中心とする円弧状を呈することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、ストッパカバーは、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸に近づくテーパ面を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、ストッパカバーは、下縁部に、半径方向外方に延ばされているフランジ部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、鞍乗り型車両にヘッドパイプの前方を覆うフロントカウルが備えられ、ヘッドパイプに着脱可能にフロントステーが取付けられ、このフロントステーにフロントカウルが支持され、フロントステーにストッパカバーが取付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明では、鞍乗り型車両は、ヘッドパイプの前方にヘッドライトを備え、ヘッドパイプに着脱可能にフロントステーが取付けられ、このフロントステーにヘッドライトが支持され、フロントステーにストッパカバーが取付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明では、フロントステーは、ヘッドパイプに締結され車両略前方に突出するフロントステー基部と、このフロントステー基部の前端部から上方に延ばされるフロントステー上方延出部とから構成され、ストッパカバーは、フロントステー基部に取付けられ、可撓性部材は、フロントステー基部の下方を通るように配索されることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明では、ストッパカバーは、ハンドルを軸線方向から見たときに、車両後方側が開放された略C字状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明は、車体フレーム又はブリッジ部材に、ストッパカバーが取付けられている。
ハンドルを左又は右に操向させたときに、ハンドルの一側と車体の他側との間の距離は変化するため、ハンドルの一側に固定され、ハンドルの一側から車体の他側に延びて車体の他側に固定されている可撓性部材は、引張られ又は押されたわみ量が変化する。
【0017】
従来、ハンドルを左又は右に操向させたときに、ハンドルストッパと可撓性部材との干渉を回避する対策としては、車幅方向一側及び他側に、各々、ハンドルストッパと可撓性部材とをヘッドパイプを境に異なる側に配置するものであった。このような対策では、可撓性部材を車幅方向左右の一側に配置するため、可撓性部材の配索に係る設計自由度が制約される。
【0018】
この点、本発明では、車体フレーム又はブリッジ部材に、ストッパカバーを取付けたので、可撓性部材はストッパカバーで保護され、ハンドルストッパに当たる心配がない。結果、ハンドルストッパの位置を考慮することなく、可撓性部材を任意の位置に配索することができ、可撓性部材の配索に係る設計自由度を高めることができる。
【0019】
請求項2に係る発明は、ハンドルを操向させたときに、ハンドルと車体フレーム間の距離が変化して可撓性部材にはたるみ又は突張りが生じ、可撓性部材が移動する。
本発明では、ストッパカバーは、操向軸を中心とする円弧状を呈しているため、可撓性部材の動きを妨げる心配はない。
【0020】
請求項3に係る発明では、ストッパカバーは、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸に近づくテーパ面を有する。
このようなテーパ面であれば、可撓性部材の長さを短く抑えることができる。加えて、可撓性部材の動きを妨げる心配はない。
【0021】
請求項4に係る発明では、ストッパカバーは、下縁部に、フランジ部を有する。このフランジ部により、可撓性部材が下方へ移動することを規制し、可撓性部材を好ましい向きにガイドさせることができる。加えて、フランジ部によりストッパカバーの剛性を高めることができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、ヘッドパイプにフロントステーが着脱可能に取付けられ、このフロントステーにストッパカバーが取付けられる。予め、フロントステーにストッパカバーをサブアセンブリーした後、フロントステーをヘッドパイプに取付けることが可能となるので、組立に係る作業性が高まる。
【0023】
請求項6に係る発明は、ヘッドパイプにフロントステーが着脱可能に取付けられ、このフロントステーにストッパカバーが取付けられる。予め、フロントステーにストッパカバーをサブアセンブリーした後、フロントステーをヘッドパイプに取付けることが可能となるので、組立に係る作業性が高まる。
【0024】
請求項7に係る発明は、ストッパカバーは、フロントステー基部に取付けられている。
仮に、ストッパカバーがフロントステー上方延出部に取付けられると、ストッパカバーが高さ方向に大きくなる。
この点、本発明では、ストッパカバーは、フロントステーの下部に取付けられるので、コンパクトなものにすることができる。
【0025】
請求項8に係る発明では、ストッパカバーは、略C字状に形成されているので、円形状に形成した場合に較べてストッパカバーを軽量化することができる。加えて、組付け時に、ストッパカバーをヘッドパイプに容易に通すことができ、組付け性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】図1の2矢視図(正面図)である。
【図3】フロントステーが取付けられている操向系の正面図である。
【図4】フロントステーの側面図である。
【図5】フロントステーの正面図である。
【図6】ストッパカバーの斜視図である。
【図7】ストッパカバーの平面図である。
【図8】図2の8−8線断面図である。
【図9】フロントステーの取付構造を説明する側面図である。
【図10】図9の10矢視図(正面図)である。
【図11】フロントステーの取付構造を説明する操向軸の軸方向視図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】ストッパカバーの作用説明図(操舵角が0°のとき)である。
【図14】ストッパカバーの作用説明図(ハンドルを左操舵したとき)である。
【図15】ストッパカバーの作用説明図(ハンドルを右操舵したとき)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けた前輪13を含む操向系12と、車体フレーム11から車両後方へ上下揺動可能に延ばし後端に後輪14が取付けられる後輪懸架部15と、前輪13と後輪14の間に設けたシート16とを備え、このシート16に乗員が跨って座る形態の鞍乗り型車両である。
【0029】
車体フレーム11は、操向系12が回動可能に取付けられるヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から車両後方へ延ばされるメインフレーム22と、このメインフレーム22の後部から下方へ延ばされ後輪懸架部15をピボット軸24を介して揺動可能に支持するピボットフレーム23とからなる。後輪懸架部15にスイングアーム29が含まれる。メインフレーム22の後部から車両後方へシート16を支えるシートレール25が延ばされている。シートレール25と後輪懸架部15の間に図示せぬクッションユニットが備えられている。クッションユニットとスイングアーム29とピボット軸24とで後輪懸架部15を構成した。
【0030】
メインフレーム22に後輪14を駆動するエンジン26が懸架されている。エンジン26は、車両長手方向に延びる前バンク27と後バンク28とを有するV型エンジンであり、前バンク27と後バンク28の間にエンジン26の吸気系31が配置され、この吸気系31の上方にてメインフレーム22に燃料タンク32が設けられている。
【0031】
エンジンの前バンク27の前部と後バンク28の後部から排気管35、35が延ばされ、これらの排気管35、35は、エンジン26の下方に設けた集合部36に連結され、この集合部36から消音器37が車両後方に延ばされている。
【0032】
操向系12は、操向軸41と、この操向軸41の上下にヘッドパイプ21を挟むように取付けた上下のブリッジ部材43、44と、上のブリッジ部材43に取付けたハンドル46と、上のブリッジ部材43から下方に延ばされ下のブリッジ部材44を通って下方に延びているフォーク部材45と、このフォーク部材45の下端に回転自在に取付けられる前輪13とからなり、ヘッドパイプ21に回動可能に設けられている。
【0033】
車体カバー50は、車両前部を覆うフロントカウル51と、このフロントカウル51から車両後方に延ばされ車両の左右側方を覆う左右のサイドカウル52L、52R(図面手前側の符号52Lのみ示す。)と、左右のサイドカウル52L、52Rに連続して車両前部にて下方へ延ばされる左右のアンダカウル53L、53R(図面手前側の符号53Lのみ示す。)とからなる。ハンドル46の車両前方にメータ47が配置される。
【0034】
前輪13の上方にてフォーク部材45にフロントフェンダ55が取付けられ、シートレール25の後端部に後輪14の後上方を覆うリヤフェンダ56が取付けられている。リヤフェンダ56に左右のリヤウインカ57L、57R(図面手前側の符号57Lのみ示す。)が取付けられる。
【0035】
図2に示すように、車両の前部に車両の前方を覆うフロントカウル51が設けられ、フロントカウル51の車幅方向中心にヘッドライト61が設けられ、フロントカウル51から高さ方向上方へ風よけとしてのウインドシールド板62が延ばされている。すなわち、フロントカウル51は、車体フレーム(図1、符号11)の前端部を構成するヘッドパイプ(図1、符号21)の前方を覆っている。
フロントカウル51に左右のフロントウインカ58L、58R(図面手前側の符号58Lのみ示す。)が取付けられ、ハンドル46に左右のミラー63L、63R(図面手前側の符号63Lのみ示す。)が取付けられている。下のブリッジ部材44にホーン64が取付けられている。
【0036】
次に、車体前部に設けたウインドシールド板とフロントカウルとヘッドライトとを取外したときの状態を説明する。
図3に示すように、操向系12は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ21に回動自在に支持される操向軸41と、この操向軸の上端に設けられる上のブリッジ部材43と、この上のブリッジ部材43に取付けられるハンドル46と、ヘッドパイプ21の下方に上のブリッジ部材43と対向配置され操向軸41の下端部に取付けられる下のブリッジ部材44と、下のブリッジ部材44を貫通して上のブリッジ部材43まで延ばされ上下のブリッジ部材43、44で支持されるフォーク部材45とを主要素とする。
【0037】
ヘッドパイプ21の車両前方にフロントステー66が設けられ、このフロントステー66に後述するハンドルストッパの周りを囲うようにストッパカバー67が取付けられている。
【0038】
ハンドル46の右グリップ71Rの近傍から2本のスロットルケーブル73、74が延ばされている。スロットルケーブル73、74は、ヘッドパイプ21の前方を通り、車幅方向左下方に延ばされ、ストッパカバー67の前方を通り、車両後方へ延ばされている。
【0039】
図4〜5では、車両前部に配置されるウインドシールドやヘッドライト等の部材を支持するフロントステーについて説明する。
図4に示すように、フロントステー66は、ヘッドパイプ(図3、符号21)に締結される上下の締結孔77を有し車両略前方に突出するフロントステー基部78と、このフロントステー基部の前端部78aから上方に延ばされるフロントステー上方延出部79とから構成される。
【0040】
図5に示すように、フロントステー基部78から車幅方向左右に、ストッパカバー(図3、符号67)を取付け可能にするウエルドナット81、81が固着されている左右のステー片82L、82Rが延ばされている。
フロントステー上方延出部79は、上が開放し下が閉じている略U字状を呈するU字部材83と、このU字部材83の下部にて車幅方向左右に延ばされフロントカウル(図2、符号51)を支える左右の第1支持部84L、84Rと、これらの第1支持部84L、84Rの上方にて車幅方向左右に延ばされヘッドライト(図2、符号61)を支える左右の第2支持部85L、85Rと、U字部材83の上端に取付けられメータ(図1、符号47)及びウインドシールド板(図2、符号62)を支える第3支持部86とを有する。
【0041】
以下、図6〜7では、ストッパカバーについて説明する。
図6に示すように、ストッパカバー67は円弧状を呈し、半径方向内方に延ばされるフランジ部91と、このフランジ部91の内側端から上方斜め内側へ延ばされるテーパ部92と、このテーパ部92の上端から半径方向内方に延ばされる上板部93と、この上板部93から上方に突設される左右の取付部94L、94Rとを備える。
【0042】
図7に示すように、円弧状のストッパカバー67は、車幅方向中心前側にフロントステー基部(図4、符号78)との干渉を回避する凹部95と、この凹部95に沿って立てられフランジ部91からテーパ部92を通り上板部93に達し左右の取付部94L、94Rに連結される凹部輪郭壁96とを有する。
ストッパカバー67は、フランジ部91と凹部輪郭壁96を有しているため、フランジ部と凹部輪郭壁を設けない場合に較べてストッパカバー67の剛性が高められる。
【0043】
次に、フロントステーの取付形態及び機能を説明する。
図8に示すように、ヘッドパイプ21に、締結部材97にて着脱可能にフロントステー66が取付けられ、このフロントステー66にヘッドライト61が支持され、ウインドシールド板62が支持されると共にメータ47が支持されている。
フロントステー66にフロントカウル(図2、符号51)が支持されている。
【0044】
図9〜10では、ストッパカバーの取付構造の詳細について説明する。
図9に示すように、フロントステー基部78から車幅方向に延ばされるステー片82L、82R(図手前側の符号82Lのみ示す。)の前面にストッパカバー67の後面を当て、ねじ部材98を車両前方からウエルドナット81へねじ込んでストッパカバー67をフロントステー66に取付ける。すなわち、フロントステー66に、ねじ部材98でストッパカバー67が取付けられている。この場合に、フロントステー66をヘッドパイプ21に締結する前に、予め、ストッパカバー67をフロントステー66に取付けておくことが可能である。
【0045】
図10に示すように、フロントステー基部78から車幅方向外方に左右のステー片82L、82Rが延ばされ、これらの左右のステー片82L、82Rにストッパカバーの取付部94L、94Rがねじ部材98、98によって左右のステー片82L、82Rに固着したウエルドナット(図9、符号81)に締結されている。
すなわち、ストッパカバー67は、フロントステー基部78に取付けられている。
【0046】
ヘッドパイプ(図8、符号21)にフロントステー66が着脱可能に取付けられ、このフロントステー66にストッパカバー67が取付けられる。
【0047】
本発明では、予め、フロントステー66にストッパカバー67をサブアセンブリーした後、フロントステー66をヘッドパイプ21に取付けることが可能となるので、メインラインでの作業が不要になり、組立に係る作業性を高めることができる。結果、ストッパカバー67を有する車両であっても組立工数の増加を低く抑えることができる。
【0048】
なお、本実施例ではストッパカバーは車体フレームに固定したフロントステーに取付けたが、操向系の構成要素であるブリッジ部材に取付けることは差し支えない。
【0049】
次に、操向軸線方向から操向軸41及びその近傍を見たときの状態を説明する。
図11に示すように、ストッパカバー67は円弧状を呈し、その円弧状部の中心が操向軸41を中心と一致するように配置されている。ストッパカバー67は、下縁部に半径方向外方に延ばされているフランジ部91を有する。ハンドル46を軸線方向から見たときに、ストッパカバー67は、車両後方側が開放された略C字状に形成されている。
【0050】
ストッパカバー67は、略C字状に形成されているので、円形状に形成した場合に較べてストッパカバー67を軽量化することができる。加えて、組付時に、ストッパカバー67をヘッドパイプ21に容易に通すことができ、組付性を高めることができる。
【0051】
可撓性部材としてのスロットルケーブル73、74は、ハンドル(図3、符号46)の車幅方向左右一側(右側)から延ばされヘッドパイプ21の車両前方を通り、ハンドル46の車幅方向左右他側(左側)に延ばされ、その後、ヘッドパイプ21よりも車両後方へ向かうものである。
なお、可撓性部材は、スロットルケーブル73、74に限定されることなく、ハンドル周りに装着されている機器と車体フレーム側に装着されている機器との間を結ぶ部材であれば、差し支えないものとする。
【0052】
図1及び図8に戻って、スロットルケーブル73、74は、フロントステー基部78の下方を通るように配索されている。
仮に、ストッパカバー67がフロントステー上方延出部79に取付けられると、ストッパカバー67が高さ方向に大きくなる。
この点、本発明では、ストッパカバー67は、フロントステー66の下部に取付けられるので、ストッパカバー67をコンパクトなものにすることができる。
【0053】
図11に戻って、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸(操向軸41)に近づくテーパ面としてのテーパ部92を有する。このようなテーパ部92であれば、可撓性部材(スロットルケーブル73、74)の長さを短く抑えることができる。加えて、スロットルケーブル73、74の動きを妨げる心配はない。
【0054】
図12に示すように、下のブリッジ部材44の上面から上方にハンドルストッパ101L、101Rが突設され、これらのハンドルストッパ101L、101Rを囲うようにストッパカバー67が配置されている。
【0055】
図13(b)に示すように、下のブリッジ部材44からヘッドパイプ21側へ車体フレーム11に当接することでハンドル46の操向角度を規制するハンドルストッパ101L、101Rが突設される。これらのハンドルストッパ101L、101Rが車体フレーム11の左の側面103又は右の側面104に当たることで、ハンドル46の操向角を規制する。本実施例では、ハンドル46の操向角は左右共30°に設定されている。
【0056】
以上に述べたストッパカバーの作用を次に述べる。
図13〜15において、各々、(a)は操向軸に直角な方向から見たときの車両前部構造を示す図であり、(b)は操向軸に沿って上方から見たときの操向系の操舵状態を示す図である。
【0057】
図13(b)に示すように、ハンドルの操舵角が0°のとき、ハンドルストッパ101L、101Rとストッパ面103、104とは、左右均等に離間している。
図13(a)に示すように、スロットルケーブル73、74は、右のグリップ71Rの近傍から下方に延ばされ、ヘッドパイプ21の前方を通りストッパカバー67に沿って車両の後方へ延びている。
【0058】
図14(b)に示すように、ハンドルが30°左に操舵されたとき、左のハンドルストッパ101Lが左のストッパ面103に当たり、ハンドル46がこれ以上操舵されないようにハンドル切れ角が規制される。
【0059】
このとき、図14(a)に示すように、右のグリップ71Rの近傍から下方に延ばされ、ヘッドパイプ21の前方を通りストッパカバー67に沿って車両の後方へ延びているスロットルケーブル73、74には弛みが生じる。この弛みは操舵角0°の場合に較べて大きなものになり、通常、ストッパカバー67からスロットルケーブル73、74が離間するように作用する場合が多い。
ストッパカバーが設けられていない場合、上記弛みにより、スロットルケーブル73、74が左右のハンドルストッパ101L、101Rに当たる可能性があり問題となる。
【0060】
図15(b)に示すように、ハンドルが30°右に操舵されたとき、右のハンドルストッパ101Rが右のストッパ面104に当たりハンドル46がこれ以上操舵されないようにハンドル切れ角が規制される。
【0061】
このとき、図15(a)に示すように、スロットルケーブル73、74は右のグリップ部71Rの近傍で引っ張られ、操舵角0°の場合に較べて弛み量が減り、この場合にも、スロットルケーブル73、74が左右のハンドルストッパ101L、101Rに当たる可能性があり問題となる。
【0062】
すなわち、ハンドル46を左に操向(操舵)又は右に操向(操舵)させたときに、ハンドル46の右側と車体の左側との間の距離は変化するため、ハンドル46の右側に固定され、ハンドル46の右側から車体の左側に延びて車体の左側に固定されている可撓性部材73、74(スロットルケーブル73、74)は、引張られ又は押され弛み量が変化し、この弛み量の変化により、可撓性部材73、74がハンドルストッパ101L、101Rに当接する可能性がある。
【0063】
従来、ハンドル操向時において、ハンドルストッパと可撓性部材との干渉を回避するための対策手段としては、車幅方向一側及び他側に、各々、ハンドルストッパと可撓性部材とをヘッドパイプを境に互いに異なる側に配置するものであった。上記手段によると、可撓性部材を車幅方向左右の一側に配置するため、可撓性部材の配索に係る設計自由度が制約される。
【0064】
図8及び図12を併せて参照して、この点、本発明では、車体フレーム11から延ばしたフロントステー66に、ストッパカバー67を取付けたので、ハンドルストッパ101L、101Rに、可撓性部材73、74が接触する心配はない。従って、ハンドルストッパ101L、101Rの位置を考慮することなく、可撓性部材73、74を任意の位置に配索することができる。結果、可撓性部材73、74の配索に係る設計自由度を高めることができる。
【0065】
図11に戻って、ハンドル46を操向させたときに、ハンドル46と車体フレーム11間の距離が変化して可撓性部材73、74の弛み量が変化し、可撓性部材が移動する場合がある。
本発明では、ストッパカバー67は、操向軸41を中心とする円弧状を呈しているため、可撓性部材73、74の動きを妨げる心配はない。
【0066】
また、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向系12の回動軸に近づくテーパ部92を有する。
さらに、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向系の回動軸である操向軸41に近づくテーパ部92を有する。このようなテーパ部92であれば、可撓性部材73、74の長さを短く抑えることができる。加えて、ハンドルストッパ101L、101Rの周囲をストッパカバー67で覆ったので、可撓性部材73、74動きを妨げる心配はない。
【0067】
さらにまた、ストッパカバー67は、下縁部にフランジ部91を有する。このフランジ部91により、可撓性部材73、74が下方へ移動することを規制し、可撓性部材73、74を好ましい向きにガイドさせることができる。加えて、フランジ部91によりストッパカバー67の剛性を高めることができる。
【0068】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
請求項2では、ストッパカバーに設けたテーパ面を省くことは差し支えない。
請求項3では、ストッパカバーの下縁部に設けたフランジ部を省くことは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0070】
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、11…車体フレーム、13…前輪、21…ヘッドパイプ、41…操向軸、44…ブリッジ部材(下のブリッジ部材)、45…フォーク部材、46…ハンドル、51…フロントカウル、61…ヘッドライト、66…フロントステー、67…ストッパカバー、73…可撓性部材(スロットルケーブル)、74…可撓性部材(スロットルケーブル)、78…フロントステー基部、79…フロントステー上方延出部、91…フランジ部、92…テーパ面(テーパ部)、101L、101R…ハンドルストッパ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両の前部構造の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両前部に、ハンドルの操向角度を規制するハンドルストッパを備えた鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1(図1)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1に示されるように、ヘッドパイプ(2)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)に、回動自在にステアリングシャフト(3)が挿入され、このステアリングシャフト(3)の下端に前輪を支える左右のフォークチューブ(6)の間を渡すロアーブラケット(4)が取付けられ、このロアーブラケット(4)から上方にホークストッパ(12)が突設されている。
【0004】
また、ヘッドパイプ(2)の下端の前側と側面とにフレームストッパ(11)が突設され、これらの2つのフレームストッパ(11)の間にホークストッパ(12)が配置されている。フレームストッパ(11)とホークストッパ(12)からなるハンドルストッパ
は、車幅方向右側に配置されている。
【0005】
スロットルケーブル等のケーブル類(13)は、ハンドルストッパと反対側の車幅方向左側に配置されている。
このように特許文献1の技術では、ハンドルストッパとケーブル類を車幅方向左右に分離配置することで、ハンドルストッパとケーブル類(以下、「可撓性部材」という。)との干渉を防いでいる。
上記構造では、可撓性部材を車幅方向左右一方に配索することから、可撓性部材の配索に制約が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−79039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ハンドルストッパが備えられている鞍乗り型車両において、可撓性部材の配索に係る設計自由度を高めることができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、車体フレームに設けられるヘッドパイプと、このヘッドパイプに回動自在に支持され上端にハンドルが取付けられる操向軸と、この操向軸の下端部に設けられ前輪を支持するフォーク部材に渡されるブリッジ部材と、このブリッジ部材のヘッドパイプに近接した位置から上方へ突設され車体フレームに当接することでハンドルの操向角度を規制するハンドルストッパと、ハンドルまわりの機器から、ハンドルストッパの上方を通り、車体側に備えられる機器へ連結される可撓性部材と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、ハンドルストッパと可撓性部材との間に備えられ可撓性部材がハンドルストッパから離れるように案内するストッパカバーを、車体フレーム又はブリッジ部材に取付けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、ストッパカバーは、操向軸を中心とする円弧状を呈することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、ストッパカバーは、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸に近づくテーパ面を有することを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、ストッパカバーは、下縁部に、半径方向外方に延ばされているフランジ部を有することを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明では、鞍乗り型車両にヘッドパイプの前方を覆うフロントカウルが備えられ、ヘッドパイプに着脱可能にフロントステーが取付けられ、このフロントステーにフロントカウルが支持され、フロントステーにストッパカバーが取付けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に係る発明では、鞍乗り型車両は、ヘッドパイプの前方にヘッドライトを備え、ヘッドパイプに着脱可能にフロントステーが取付けられ、このフロントステーにヘッドライトが支持され、フロントステーにストッパカバーが取付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に係る発明では、フロントステーは、ヘッドパイプに締結され車両略前方に突出するフロントステー基部と、このフロントステー基部の前端部から上方に延ばされるフロントステー上方延出部とから構成され、ストッパカバーは、フロントステー基部に取付けられ、可撓性部材は、フロントステー基部の下方を通るように配索されることを特徴とする。
【0015】
請求項8に係る発明では、ストッパカバーは、ハンドルを軸線方向から見たときに、車両後方側が開放された略C字状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に係る発明は、車体フレーム又はブリッジ部材に、ストッパカバーが取付けられている。
ハンドルを左又は右に操向させたときに、ハンドルの一側と車体の他側との間の距離は変化するため、ハンドルの一側に固定され、ハンドルの一側から車体の他側に延びて車体の他側に固定されている可撓性部材は、引張られ又は押されたわみ量が変化する。
【0017】
従来、ハンドルを左又は右に操向させたときに、ハンドルストッパと可撓性部材との干渉を回避する対策としては、車幅方向一側及び他側に、各々、ハンドルストッパと可撓性部材とをヘッドパイプを境に異なる側に配置するものであった。このような対策では、可撓性部材を車幅方向左右の一側に配置するため、可撓性部材の配索に係る設計自由度が制約される。
【0018】
この点、本発明では、車体フレーム又はブリッジ部材に、ストッパカバーを取付けたので、可撓性部材はストッパカバーで保護され、ハンドルストッパに当たる心配がない。結果、ハンドルストッパの位置を考慮することなく、可撓性部材を任意の位置に配索することができ、可撓性部材の配索に係る設計自由度を高めることができる。
【0019】
請求項2に係る発明は、ハンドルを操向させたときに、ハンドルと車体フレーム間の距離が変化して可撓性部材にはたるみ又は突張りが生じ、可撓性部材が移動する。
本発明では、ストッパカバーは、操向軸を中心とする円弧状を呈しているため、可撓性部材の動きを妨げる心配はない。
【0020】
請求項3に係る発明では、ストッパカバーは、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸に近づくテーパ面を有する。
このようなテーパ面であれば、可撓性部材の長さを短く抑えることができる。加えて、可撓性部材の動きを妨げる心配はない。
【0021】
請求項4に係る発明では、ストッパカバーは、下縁部に、フランジ部を有する。このフランジ部により、可撓性部材が下方へ移動することを規制し、可撓性部材を好ましい向きにガイドさせることができる。加えて、フランジ部によりストッパカバーの剛性を高めることができる。
【0022】
請求項5に係る発明は、ヘッドパイプにフロントステーが着脱可能に取付けられ、このフロントステーにストッパカバーが取付けられる。予め、フロントステーにストッパカバーをサブアセンブリーした後、フロントステーをヘッドパイプに取付けることが可能となるので、組立に係る作業性が高まる。
【0023】
請求項6に係る発明は、ヘッドパイプにフロントステーが着脱可能に取付けられ、このフロントステーにストッパカバーが取付けられる。予め、フロントステーにストッパカバーをサブアセンブリーした後、フロントステーをヘッドパイプに取付けることが可能となるので、組立に係る作業性が高まる。
【0024】
請求項7に係る発明は、ストッパカバーは、フロントステー基部に取付けられている。
仮に、ストッパカバーがフロントステー上方延出部に取付けられると、ストッパカバーが高さ方向に大きくなる。
この点、本発明では、ストッパカバーは、フロントステーの下部に取付けられるので、コンパクトなものにすることができる。
【0025】
請求項8に係る発明では、ストッパカバーは、略C字状に形成されているので、円形状に形成した場合に較べてストッパカバーを軽量化することができる。加えて、組付け時に、ストッパカバーをヘッドパイプに容易に通すことができ、組付け性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】図1の2矢視図(正面図)である。
【図3】フロントステーが取付けられている操向系の正面図である。
【図4】フロントステーの側面図である。
【図5】フロントステーの正面図である。
【図6】ストッパカバーの斜視図である。
【図7】ストッパカバーの平面図である。
【図8】図2の8−8線断面図である。
【図9】フロントステーの取付構造を説明する側面図である。
【図10】図9の10矢視図(正面図)である。
【図11】フロントステーの取付構造を説明する操向軸の軸方向視図である。
【図12】図11の12−12線断面図である。
【図13】ストッパカバーの作用説明図(操舵角が0°のとき)である。
【図14】ストッパカバーの作用説明図(ハンドルを左操舵したとき)である。
【図15】ストッパカバーの作用説明図(ハンドルを右操舵したとき)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例】
【0028】
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、自動二輪車10は、車体フレーム11と、この車体フレーム11の前部に設けた前輪13を含む操向系12と、車体フレーム11から車両後方へ上下揺動可能に延ばし後端に後輪14が取付けられる後輪懸架部15と、前輪13と後輪14の間に設けたシート16とを備え、このシート16に乗員が跨って座る形態の鞍乗り型車両である。
【0029】
車体フレーム11は、操向系12が回動可能に取付けられるヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から車両後方へ延ばされるメインフレーム22と、このメインフレーム22の後部から下方へ延ばされ後輪懸架部15をピボット軸24を介して揺動可能に支持するピボットフレーム23とからなる。後輪懸架部15にスイングアーム29が含まれる。メインフレーム22の後部から車両後方へシート16を支えるシートレール25が延ばされている。シートレール25と後輪懸架部15の間に図示せぬクッションユニットが備えられている。クッションユニットとスイングアーム29とピボット軸24とで後輪懸架部15を構成した。
【0030】
メインフレーム22に後輪14を駆動するエンジン26が懸架されている。エンジン26は、車両長手方向に延びる前バンク27と後バンク28とを有するV型エンジンであり、前バンク27と後バンク28の間にエンジン26の吸気系31が配置され、この吸気系31の上方にてメインフレーム22に燃料タンク32が設けられている。
【0031】
エンジンの前バンク27の前部と後バンク28の後部から排気管35、35が延ばされ、これらの排気管35、35は、エンジン26の下方に設けた集合部36に連結され、この集合部36から消音器37が車両後方に延ばされている。
【0032】
操向系12は、操向軸41と、この操向軸41の上下にヘッドパイプ21を挟むように取付けた上下のブリッジ部材43、44と、上のブリッジ部材43に取付けたハンドル46と、上のブリッジ部材43から下方に延ばされ下のブリッジ部材44を通って下方に延びているフォーク部材45と、このフォーク部材45の下端に回転自在に取付けられる前輪13とからなり、ヘッドパイプ21に回動可能に設けられている。
【0033】
車体カバー50は、車両前部を覆うフロントカウル51と、このフロントカウル51から車両後方に延ばされ車両の左右側方を覆う左右のサイドカウル52L、52R(図面手前側の符号52Lのみ示す。)と、左右のサイドカウル52L、52Rに連続して車両前部にて下方へ延ばされる左右のアンダカウル53L、53R(図面手前側の符号53Lのみ示す。)とからなる。ハンドル46の車両前方にメータ47が配置される。
【0034】
前輪13の上方にてフォーク部材45にフロントフェンダ55が取付けられ、シートレール25の後端部に後輪14の後上方を覆うリヤフェンダ56が取付けられている。リヤフェンダ56に左右のリヤウインカ57L、57R(図面手前側の符号57Lのみ示す。)が取付けられる。
【0035】
図2に示すように、車両の前部に車両の前方を覆うフロントカウル51が設けられ、フロントカウル51の車幅方向中心にヘッドライト61が設けられ、フロントカウル51から高さ方向上方へ風よけとしてのウインドシールド板62が延ばされている。すなわち、フロントカウル51は、車体フレーム(図1、符号11)の前端部を構成するヘッドパイプ(図1、符号21)の前方を覆っている。
フロントカウル51に左右のフロントウインカ58L、58R(図面手前側の符号58Lのみ示す。)が取付けられ、ハンドル46に左右のミラー63L、63R(図面手前側の符号63Lのみ示す。)が取付けられている。下のブリッジ部材44にホーン64が取付けられている。
【0036】
次に、車体前部に設けたウインドシールド板とフロントカウルとヘッドライトとを取外したときの状態を説明する。
図3に示すように、操向系12は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ21に回動自在に支持される操向軸41と、この操向軸の上端に設けられる上のブリッジ部材43と、この上のブリッジ部材43に取付けられるハンドル46と、ヘッドパイプ21の下方に上のブリッジ部材43と対向配置され操向軸41の下端部に取付けられる下のブリッジ部材44と、下のブリッジ部材44を貫通して上のブリッジ部材43まで延ばされ上下のブリッジ部材43、44で支持されるフォーク部材45とを主要素とする。
【0037】
ヘッドパイプ21の車両前方にフロントステー66が設けられ、このフロントステー66に後述するハンドルストッパの周りを囲うようにストッパカバー67が取付けられている。
【0038】
ハンドル46の右グリップ71Rの近傍から2本のスロットルケーブル73、74が延ばされている。スロットルケーブル73、74は、ヘッドパイプ21の前方を通り、車幅方向左下方に延ばされ、ストッパカバー67の前方を通り、車両後方へ延ばされている。
【0039】
図4〜5では、車両前部に配置されるウインドシールドやヘッドライト等の部材を支持するフロントステーについて説明する。
図4に示すように、フロントステー66は、ヘッドパイプ(図3、符号21)に締結される上下の締結孔77を有し車両略前方に突出するフロントステー基部78と、このフロントステー基部の前端部78aから上方に延ばされるフロントステー上方延出部79とから構成される。
【0040】
図5に示すように、フロントステー基部78から車幅方向左右に、ストッパカバー(図3、符号67)を取付け可能にするウエルドナット81、81が固着されている左右のステー片82L、82Rが延ばされている。
フロントステー上方延出部79は、上が開放し下が閉じている略U字状を呈するU字部材83と、このU字部材83の下部にて車幅方向左右に延ばされフロントカウル(図2、符号51)を支える左右の第1支持部84L、84Rと、これらの第1支持部84L、84Rの上方にて車幅方向左右に延ばされヘッドライト(図2、符号61)を支える左右の第2支持部85L、85Rと、U字部材83の上端に取付けられメータ(図1、符号47)及びウインドシールド板(図2、符号62)を支える第3支持部86とを有する。
【0041】
以下、図6〜7では、ストッパカバーについて説明する。
図6に示すように、ストッパカバー67は円弧状を呈し、半径方向内方に延ばされるフランジ部91と、このフランジ部91の内側端から上方斜め内側へ延ばされるテーパ部92と、このテーパ部92の上端から半径方向内方に延ばされる上板部93と、この上板部93から上方に突設される左右の取付部94L、94Rとを備える。
【0042】
図7に示すように、円弧状のストッパカバー67は、車幅方向中心前側にフロントステー基部(図4、符号78)との干渉を回避する凹部95と、この凹部95に沿って立てられフランジ部91からテーパ部92を通り上板部93に達し左右の取付部94L、94Rに連結される凹部輪郭壁96とを有する。
ストッパカバー67は、フランジ部91と凹部輪郭壁96を有しているため、フランジ部と凹部輪郭壁を設けない場合に較べてストッパカバー67の剛性が高められる。
【0043】
次に、フロントステーの取付形態及び機能を説明する。
図8に示すように、ヘッドパイプ21に、締結部材97にて着脱可能にフロントステー66が取付けられ、このフロントステー66にヘッドライト61が支持され、ウインドシールド板62が支持されると共にメータ47が支持されている。
フロントステー66にフロントカウル(図2、符号51)が支持されている。
【0044】
図9〜10では、ストッパカバーの取付構造の詳細について説明する。
図9に示すように、フロントステー基部78から車幅方向に延ばされるステー片82L、82R(図手前側の符号82Lのみ示す。)の前面にストッパカバー67の後面を当て、ねじ部材98を車両前方からウエルドナット81へねじ込んでストッパカバー67をフロントステー66に取付ける。すなわち、フロントステー66に、ねじ部材98でストッパカバー67が取付けられている。この場合に、フロントステー66をヘッドパイプ21に締結する前に、予め、ストッパカバー67をフロントステー66に取付けておくことが可能である。
【0045】
図10に示すように、フロントステー基部78から車幅方向外方に左右のステー片82L、82Rが延ばされ、これらの左右のステー片82L、82Rにストッパカバーの取付部94L、94Rがねじ部材98、98によって左右のステー片82L、82Rに固着したウエルドナット(図9、符号81)に締結されている。
すなわち、ストッパカバー67は、フロントステー基部78に取付けられている。
【0046】
ヘッドパイプ(図8、符号21)にフロントステー66が着脱可能に取付けられ、このフロントステー66にストッパカバー67が取付けられる。
【0047】
本発明では、予め、フロントステー66にストッパカバー67をサブアセンブリーした後、フロントステー66をヘッドパイプ21に取付けることが可能となるので、メインラインでの作業が不要になり、組立に係る作業性を高めることができる。結果、ストッパカバー67を有する車両であっても組立工数の増加を低く抑えることができる。
【0048】
なお、本実施例ではストッパカバーは車体フレームに固定したフロントステーに取付けたが、操向系の構成要素であるブリッジ部材に取付けることは差し支えない。
【0049】
次に、操向軸線方向から操向軸41及びその近傍を見たときの状態を説明する。
図11に示すように、ストッパカバー67は円弧状を呈し、その円弧状部の中心が操向軸41を中心と一致するように配置されている。ストッパカバー67は、下縁部に半径方向外方に延ばされているフランジ部91を有する。ハンドル46を軸線方向から見たときに、ストッパカバー67は、車両後方側が開放された略C字状に形成されている。
【0050】
ストッパカバー67は、略C字状に形成されているので、円形状に形成した場合に較べてストッパカバー67を軽量化することができる。加えて、組付時に、ストッパカバー67をヘッドパイプ21に容易に通すことができ、組付性を高めることができる。
【0051】
可撓性部材としてのスロットルケーブル73、74は、ハンドル(図3、符号46)の車幅方向左右一側(右側)から延ばされヘッドパイプ21の車両前方を通り、ハンドル46の車幅方向左右他側(左側)に延ばされ、その後、ヘッドパイプ21よりも車両後方へ向かうものである。
なお、可撓性部材は、スロットルケーブル73、74に限定されることなく、ハンドル周りに装着されている機器と車体フレーム側に装着されている機器との間を結ぶ部材であれば、差し支えないものとする。
【0052】
図1及び図8に戻って、スロットルケーブル73、74は、フロントステー基部78の下方を通るように配索されている。
仮に、ストッパカバー67がフロントステー上方延出部79に取付けられると、ストッパカバー67が高さ方向に大きくなる。
この点、本発明では、ストッパカバー67は、フロントステー66の下部に取付けられるので、ストッパカバー67をコンパクトなものにすることができる。
【0053】
図11に戻って、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向装置の回動軸(操向軸41)に近づくテーパ面としてのテーパ部92を有する。このようなテーパ部92であれば、可撓性部材(スロットルケーブル73、74)の長さを短く抑えることができる。加えて、スロットルケーブル73、74の動きを妨げる心配はない。
【0054】
図12に示すように、下のブリッジ部材44の上面から上方にハンドルストッパ101L、101Rが突設され、これらのハンドルストッパ101L、101Rを囲うようにストッパカバー67が配置されている。
【0055】
図13(b)に示すように、下のブリッジ部材44からヘッドパイプ21側へ車体フレーム11に当接することでハンドル46の操向角度を規制するハンドルストッパ101L、101Rが突設される。これらのハンドルストッパ101L、101Rが車体フレーム11の左の側面103又は右の側面104に当たることで、ハンドル46の操向角を規制する。本実施例では、ハンドル46の操向角は左右共30°に設定されている。
【0056】
以上に述べたストッパカバーの作用を次に述べる。
図13〜15において、各々、(a)は操向軸に直角な方向から見たときの車両前部構造を示す図であり、(b)は操向軸に沿って上方から見たときの操向系の操舵状態を示す図である。
【0057】
図13(b)に示すように、ハンドルの操舵角が0°のとき、ハンドルストッパ101L、101Rとストッパ面103、104とは、左右均等に離間している。
図13(a)に示すように、スロットルケーブル73、74は、右のグリップ71Rの近傍から下方に延ばされ、ヘッドパイプ21の前方を通りストッパカバー67に沿って車両の後方へ延びている。
【0058】
図14(b)に示すように、ハンドルが30°左に操舵されたとき、左のハンドルストッパ101Lが左のストッパ面103に当たり、ハンドル46がこれ以上操舵されないようにハンドル切れ角が規制される。
【0059】
このとき、図14(a)に示すように、右のグリップ71Rの近傍から下方に延ばされ、ヘッドパイプ21の前方を通りストッパカバー67に沿って車両の後方へ延びているスロットルケーブル73、74には弛みが生じる。この弛みは操舵角0°の場合に較べて大きなものになり、通常、ストッパカバー67からスロットルケーブル73、74が離間するように作用する場合が多い。
ストッパカバーが設けられていない場合、上記弛みにより、スロットルケーブル73、74が左右のハンドルストッパ101L、101Rに当たる可能性があり問題となる。
【0060】
図15(b)に示すように、ハンドルが30°右に操舵されたとき、右のハンドルストッパ101Rが右のストッパ面104に当たりハンドル46がこれ以上操舵されないようにハンドル切れ角が規制される。
【0061】
このとき、図15(a)に示すように、スロットルケーブル73、74は右のグリップ部71Rの近傍で引っ張られ、操舵角0°の場合に較べて弛み量が減り、この場合にも、スロットルケーブル73、74が左右のハンドルストッパ101L、101Rに当たる可能性があり問題となる。
【0062】
すなわち、ハンドル46を左に操向(操舵)又は右に操向(操舵)させたときに、ハンドル46の右側と車体の左側との間の距離は変化するため、ハンドル46の右側に固定され、ハンドル46の右側から車体の左側に延びて車体の左側に固定されている可撓性部材73、74(スロットルケーブル73、74)は、引張られ又は押され弛み量が変化し、この弛み量の変化により、可撓性部材73、74がハンドルストッパ101L、101Rに当接する可能性がある。
【0063】
従来、ハンドル操向時において、ハンドルストッパと可撓性部材との干渉を回避するための対策手段としては、車幅方向一側及び他側に、各々、ハンドルストッパと可撓性部材とをヘッドパイプを境に互いに異なる側に配置するものであった。上記手段によると、可撓性部材を車幅方向左右の一側に配置するため、可撓性部材の配索に係る設計自由度が制約される。
【0064】
図8及び図12を併せて参照して、この点、本発明では、車体フレーム11から延ばしたフロントステー66に、ストッパカバー67を取付けたので、ハンドルストッパ101L、101Rに、可撓性部材73、74が接触する心配はない。従って、ハンドルストッパ101L、101Rの位置を考慮することなく、可撓性部材73、74を任意の位置に配索することができる。結果、可撓性部材73、74の配索に係る設計自由度を高めることができる。
【0065】
図11に戻って、ハンドル46を操向させたときに、ハンドル46と車体フレーム11間の距離が変化して可撓性部材73、74の弛み量が変化し、可撓性部材が移動する場合がある。
本発明では、ストッパカバー67は、操向軸41を中心とする円弧状を呈しているため、可撓性部材73、74の動きを妨げる心配はない。
【0066】
また、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向系12の回動軸に近づくテーパ部92を有する。
さらに、ストッパカバー67は、上方へ向かうにつれて、操向系の回動軸である操向軸41に近づくテーパ部92を有する。このようなテーパ部92であれば、可撓性部材73、74の長さを短く抑えることができる。加えて、ハンドルストッパ101L、101Rの周囲をストッパカバー67で覆ったので、可撓性部材73、74動きを妨げる心配はない。
【0067】
さらにまた、ストッパカバー67は、下縁部にフランジ部91を有する。このフランジ部91により、可撓性部材73、74が下方へ移動することを規制し、可撓性部材73、74を好ましい向きにガイドさせることができる。加えて、フランジ部91によりストッパカバー67の剛性を高めることができる。
【0068】
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、三輪車にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
請求項2では、ストッパカバーに設けたテーパ面を省くことは差し支えない。
請求項3では、ストッパカバーの下縁部に設けたフランジ部を省くことは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0070】
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、11…車体フレーム、13…前輪、21…ヘッドパイプ、41…操向軸、44…ブリッジ部材(下のブリッジ部材)、45…フォーク部材、46…ハンドル、51…フロントカウル、61…ヘッドライト、66…フロントステー、67…ストッパカバー、73…可撓性部材(スロットルケーブル)、74…可撓性部材(スロットルケーブル)、78…フロントステー基部、79…フロントステー上方延出部、91…フランジ部、92…テーパ面(テーパ部)、101L、101R…ハンドルストッパ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フレーム(11)に設けられるヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)に回動自在に支持され上端にハンドル(46)が取付けられる操向軸(41)と、この操向軸(41)の下端部に設けられ前輪(13)を支持するフォーク部材(45)に渡されるブリッジ部材(44)と、このブリッジ部材(44)の前記ヘッドパイプ(21)に近接した位置から上方へ突設され前記車体フレーム(11)に当接することで前記ハンドル(46)の操向角度を規制するハンドルストッパ(101L、101R)と、前記ハンドル(46)まわりの機器から、前記ハンドルストッパ(101L、101R)の上方を通り、車体側に備えられる機器へ連結される可撓性部材(73、74)と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、
前記ハンドルストッパ(101L、101R)と前記可撓性部材(73、74)との間に備えられ前記可撓性部材(73、74)が前記ハンドルストッパ(101L、101R)から離れるように案内するストッパカバー(67)を、前記車体フレーム(11)又は前記ブリッジ部材(44)に取付けたことを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項2】
前記ストッパカバー(67)は、前記操向軸(41)を中心とする円弧状を呈することを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項3】
前記ストッパカバー(67)は、上方へ向かうにつれて、前記操向軸(41)に近づくテーパ面(92)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項4】
前記ストッパカバー(67)は、下縁部に、半径方向外方に延ばされているフランジ部(91)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項5】
前記鞍乗り型車両に前記ヘッドパイプ(21)の前方を覆うフロントカウル(51)が備えられ、
前記ヘッドパイプ(21)に着脱可能にフロントステー(66)が取付けられ、
このフロントステー(66)に前記フロントカウル(51)が支持され、
前記フロントステー(66)に前記ストッパカバー(67)が取付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項6】
前記鞍乗り型車両は、前記ヘッドパイプ(21)の前方にヘッドライト(61)を備え、
前記ヘッドパイプ(21)に着脱可能にフロントステー(66)が取付けられ、
このフロントステー(66)に前記ヘッドライト(61)が支持され、
前記フロントステー(66)に前記ストッパカバー(67)が取付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項7】
前記フロントステー(66)は、前記ヘッドパイプ(21)に締結され車両略前方に突出するフロントステー基部(78)と、このフロントステー基部(78)の前端部から上方に延ばされるフロントステー上方延出部(79)とから構成され、
前記ストッパカバー(67)は、前記フロントステー基部(78)に取付けられ、
前記可撓性部材(73、74)は、前記フロントステー基部(78)の下方を通るように配索されることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項8】
前記ストッパカバー(67)は、前記ハンドル(46)を軸線方向から見たときに、車両後方側が開放された略C字状に形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項1】
車体フレーム(11)に設けられるヘッドパイプ(21)と、このヘッドパイプ(21)に回動自在に支持され上端にハンドル(46)が取付けられる操向軸(41)と、この操向軸(41)の下端部に設けられ前輪(13)を支持するフォーク部材(45)に渡されるブリッジ部材(44)と、このブリッジ部材(44)の前記ヘッドパイプ(21)に近接した位置から上方へ突設され前記車体フレーム(11)に当接することで前記ハンドル(46)の操向角度を規制するハンドルストッパ(101L、101R)と、前記ハンドル(46)まわりの機器から、前記ハンドルストッパ(101L、101R)の上方を通り、車体側に備えられる機器へ連結される可撓性部材(73、74)と、を備える鞍乗り型車両の前部構造において、
前記ハンドルストッパ(101L、101R)と前記可撓性部材(73、74)との間に備えられ前記可撓性部材(73、74)が前記ハンドルストッパ(101L、101R)から離れるように案内するストッパカバー(67)を、前記車体フレーム(11)又は前記ブリッジ部材(44)に取付けたことを特徴とする鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項2】
前記ストッパカバー(67)は、前記操向軸(41)を中心とする円弧状を呈することを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項3】
前記ストッパカバー(67)は、上方へ向かうにつれて、前記操向軸(41)に近づくテーパ面(92)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項4】
前記ストッパカバー(67)は、下縁部に、半径方向外方に延ばされているフランジ部(91)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項5】
前記鞍乗り型車両に前記ヘッドパイプ(21)の前方を覆うフロントカウル(51)が備えられ、
前記ヘッドパイプ(21)に着脱可能にフロントステー(66)が取付けられ、
このフロントステー(66)に前記フロントカウル(51)が支持され、
前記フロントステー(66)に前記ストッパカバー(67)が取付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項6】
前記鞍乗り型車両は、前記ヘッドパイプ(21)の前方にヘッドライト(61)を備え、
前記ヘッドパイプ(21)に着脱可能にフロントステー(66)が取付けられ、
このフロントステー(66)に前記ヘッドライト(61)が支持され、
前記フロントステー(66)に前記ストッパカバー(67)が取付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項7】
前記フロントステー(66)は、前記ヘッドパイプ(21)に締結され車両略前方に突出するフロントステー基部(78)と、このフロントステー基部(78)の前端部から上方に延ばされるフロントステー上方延出部(79)とから構成され、
前記ストッパカバー(67)は、前記フロントステー基部(78)に取付けられ、
前記可撓性部材(73、74)は、前記フロントステー基部(78)の下方を通るように配索されることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【請求項8】
前記ストッパカバー(67)は、前記ハンドル(46)を軸線方向から見たときに、車両後方側が開放された略C字状に形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の鞍乗り型車両の前部構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−176684(P2012−176684A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40525(P2011−40525)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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