鞍乗り型車両の変速制御装置
【課題】変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、レイアウト性を高める。
【解決手段】操作ペダルの回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112を支持する支持部材113が、車体フレームもしくはエンジン本体に可動部材112の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、可動部材112の動作を検出する前記検出器126が支持部材113に取付けられ、支持部材113および可動部材112間に、操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられる。
【解決手段】操作ペダルの回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112を支持する支持部材113が、車体フレームもしくはエンジン本体に可動部材112の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、可動部材112の動作を検出する前記検出器126が支持部材113に取付けられ、支持部材113および可動部材112間に、操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車を模したシミュレータ装置において、シフトアップ操作およびシフトダウン操作を足で行う変速制御装置が特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−88605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されたものでは、操作ペダルに、該操作ペダルの操作に伴って回動する可動プレートが連動、連結され、この可動プレートの回動に伴ってクリック感を発生させるようにクリック機構が構成されており、クリック感を発生させるのに必要とされるスペースを前記可動プレートの回動軸線まわりに確保する必要があり、可動部材の近傍に他の部材を配置することが困難であり、レイアウト性に課題があった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、レイアウト性を高めた鞍乗り型車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、前記操作ペダルの回動操作に応じて直線的に移動する可動部材を支持する支持部材が、車体フレームもしくは該車体フレームに搭載されるエンジン本体に前記可動部材の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、前記可動部材の動作を検出する前記検出器が前記支持部材に取付けられ、前記支持部材および前記可動部材間に、前記操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構が設けられることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、車体フレームの一部を構成するフレーム部材の延出方向に沿って配置される前記可動部材が、前記フレーム部材の延出方向に移動するようにして前記操作ペダルに連動、連結されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルが、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能として、前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支承され、前記操作ペダルに連結される前記可動部材が、操作ペダルの上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダルの上方に配置されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルが、前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に基端部が回動可能に支承されるアームの先端部に乗員が足の爪先をかけることを可能としたペダル部が設けられて成り、前記可動部材が、前記基端部よりも前記ペダル部側に寄った位置で前記アームの中間部に連結されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記クリック機構が、前記可動部材の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材に軸支されるローラと、該ローラを前記可動部材の当接面に当接させる方向に付勢する付勢部材とを備え、前記ローラが前記当接面に押しつけられることで発生する抵抗力が前記可動部材の移動に応じて変化するように構成されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記可動部材に該可動部材の移動方向に長い長孔が設けられ、前記長孔の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材の移動端を規制するようにして前記長孔に挿通されるストッパが前記支持部材に設けられることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルに連結される前記可動部材が複数のリンク部材を有するリンク機構を介して前記支持部材に支承され、この支持部材の1箇所が、ピロボールを介して前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支持されることを第7の特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、摺動孔を有する前記支持部材の上端がピロボールを介して前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支持され、前記操作ペダルに連結されるタイロッドである前記可動部材が前記摺動孔に摺動可能に嵌合され、前記可動部材の移動方向に長く延びて前記支持部材に設けられる貫通孔から突出する軸部が前記可動部材に設けられ、前記軸部に連結される前記検出器が前記支持部材に取付けられることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、直線的に移動する可動部材と、可動部材の移動方向には移動することがない支持部材との間にクリック機構が設けられるので、可動部材の移動方向と直交する方向で可動部材に他の部材を近接させることを可能とし、レイアウト性を良好とすることができる。
【0015】
また本発明の第2の特徴によれば、車体フレームの一部を構成するフレーム部材の延出方向に沿って可動部材が配置され、そのフレーム部材の延出方向に可動部材が移動するので、フレーム部材で可動部材の保護を図りつつレイアウト性を良好とすることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴によれば、上下方向に回動する操作ペダルに、該操作ペダルの上方に配置される可動部材が、操作ペダルの上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして連結されるので、操作ペダルを従来の変速操作用操作ペダルと同様に操作することで可動部材を上下方向に移動せしめ、上下方向の操作ペダルの操作量をそのまま可動部材の上下方向移動量とすることができ、クリック機構の位置精度および検出器の検出精度を高めることができる。
【0017】
本発明の第4の特徴によれば、前記可動部材が、操作ペダルの基端部よりもペダル部側に寄った位置に連結されるので、操作ペダルの操作に応じた可動部材の移動量を大きくすることができる。
【0018】
本発明の第5の特徴によれば、クリック機構が、支持部材に軸支されるとともに可動部材側に付勢されるローラを、可動部材の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材の当接面に押し当てるように構成することで、簡単かつ部品点数の少ない構造でクリック機構を構成することができる。
【0019】
本発明の第6の特徴によれば、可動部材に設けられた長孔に、支持部材に設けられるストッパを挿通せしめ、長孔の長手方向両端縁部に前記ストッパが当接することで可動部材の移動端を規制するようにしているので、ストッパで可動部材をガイドすることができ、部品点数を低減することができる。
【0020】
本発明の第7の特徴によれば、可動部材が複数のリンク部材を有するリンク機構を介して支持部材に連結され、支持部材の1箇所がピロボールを介して車体フレームもしくはエンジン本体に支持されるので、リンク機構で可動部材をガイドしつつ、支持部材の支持構造を簡略化することができる。
【0021】
さらに本発明の第8の特徴によれば、操作ペダルに連結されるタイロッドが可動部材として支持部材の摺動孔に摺動可能に嵌合され、支持部材に設けられる貫通孔から突出するようにして可動部材に設けられる軸部に検出器が連結されるので、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態の自動二輪車の側面図である。
【図2】エンジン付近の拡大側面図である。
【図3】歯車変速機構およびクラッチ装置の縦断面図である。
【図4】シフトドラムおよびシフトアクチュエータの縦断面図である。
【図5】変速制御装置の分解斜視図である。
【図6】図2の6矢示部拡大図である。
【図7】第2の実施の形態の図6に対応した側面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】第3の実施の形態の変速制御装置の斜視図である。
【図10】第4の実施の形態の変速制御装置の側面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、左右および上下は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0024】
本発明の第1の実施の形態について図1〜図6を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク21を操向可能に支承するヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム23…と、両メインフレーム23…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム24…と、該ピボットフレーム24…から後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム25…とを有し、前記メインフレーム23…には、その中間部から下方に延びるエンジンハンガ26…が一体に連設される。またピボットフレーム24…に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム27の後部に後輪WRが軸支される。
【0025】
前記メインフレーム23…の下方には、水冷式のエンジンEのエンジン本体28が配置されており、該エンジン本体28は、前記エンジンハンガ26…、前記メインフレーム23…および前記ピボットフレーム24…の下部に懸架、搭載され、エンジンEから出力される回転動力は、前後に延びて前記スイングアーム27内を通るドライブシャフト29を介して前記後輪WRに伝達される。
【0026】
前記メインフレーム23…上には燃料タンク30が搭載されており、該燃料タンク30の後方で前記リヤフレーム25…上には、乗車用シート31が設けられる。
【0027】
而して前記車体フレームFの一部および前記エンジンEの一部は、車体カバー32で覆われており、この車体カバー32は、前記燃料タンク30の大部分を側方から覆うタンクカバー33を有する。
【0028】
図2を併せて参照して、前記エンジン本体28は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なクランクケース35に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト36が回転自在に支承される。
【0029】
前記エンジン本体28の前方にはラジエータ37が配置される。また前記クランクケース36の下部左側面には、前記クランクシャフト36で回転駆動されるウォータポンプ38が取付けられており、このウォータポンプ38の吐出口に連なる給水ホース39が前部および後部バンクBF,BR間の谷間に設けられたウォータジャケット給水部に接続され、このウォータジャケット給水部から両バンクBF、BRのウォータジャケットに冷却水が供給される。また前部および後部バンクBF,BR間の谷間にはサーモスタット40が配設されており、前記ウォータジャケットを通過した冷却水は、エンジンEの暖機状態ではサーモスタット40から戻しホース41を介して前記ラジエータ37に送られ、該ラジエータ37で冷却された冷却水はホース42を介してウォータポンプ38に戻される。またエンジンEが暖機されていない状態では、前記サーモスタット40からの冷却水の一部がバイパスホース43を介してウォータポンプ38に戻される。
【0030】
前記ラジエータ37の上部には給水管44が設けられており、その給水管44に連なって上方に延びる給水ホース45の上端にフィラーパイプ46が接続される。
【0031】
図3において、エンジン本体28の車体フレームFへの搭載状態でのクランクケース35の右側側面には、クランクケース35との間にクラッチ室47を形成するクラッチカバー48が結合される。前記クランクシャフト36および後輪WR間の動力伝達経路は、クランクシャフト36側から順に一次減速装置51、クラッチ装置52、歯車変速機構53およびドライブシャフト29(図1および図2参照)を備えており、前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で変速機50が構成される。而して一次減速装置51およびクラッチ装置52は前記クラッチ室47に収容され、歯車変速機構53はクランクケース35内に収容される。
【0032】
前記歯車変速機構53は、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6を備えてクランクケース35内に収納されており、第1メインシャフト54およびカウンタシャフト56間に第2、第4および第6速用歯車列G2,G4,G6が設けられるとともに、第1メインシャフト54を同軸にかつ相対回転自在に貫通する第2メインシャフト55および前記カウンタシャフト56間に第1、第3および第5速用歯車列G1,G3,G5が設けられて成る。
【0033】
前記クランクケース35は、クランクシャフト36の軸線方向に間隔をあけて相互に対向する右側壁35aおよび左側壁35bを備えており、クランクシャフト36と平行な軸線を有して円筒状に形成される第1メインシャフト54の中間部は、前記右側壁35aを回転自在に貫通し、右側壁35aおよび第1メインシャフト54間にはボールベアリング57が介装される。またクランクシャフト36と平行な軸線を有する第2メインシャフト55は、第1メインシャフト54との軸方向相対位置を一定としつつ第1メインシャフト54を相対回転可能に貫通するものであり、第1メインシャフト54および第2メインシャフト55間には複数のニードルベアリング58…が介装される。また第2メインシャフト55の他端部はクランクケース35の左側壁35bにボールベアリング59を介して回転自在に支承される。
【0034】
クランクシャフト36と平行な軸線を有するカウンタシャフト56の一端部はボールベアリング60を介して前記右側壁35aに回転自在に支承され、カウンタシャフト56の他端部は、ボールベアリング61および環状のシール部材62を前記左側壁35bとの間に介在させて左側壁35bを回転自在に貫通し、左側壁35bからのカウンタシャフト56の突出端部には駆動傘歯車63が固定される。この駆動傘歯車63には自動二輪車の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車64が噛合される。
【0035】
ところで駆動傘歯車63および被動傘歯車64は、前記クランクケース35の前記左側壁35bの一部を覆って前記側壁35bに着脱可能に結合される歯車カバー65と、前記左側壁35bとで形成される歯車室66内で相互に噛合するものであり、被動傘歯車64が同軸に備える軸部64aは歯車カバー65を回転自在に貫通し、前記軸部64aおよび歯車カバー65間には、ボールベアリング67と、該ボールベアリング67の外方に位置する環状のシール部材68とが介装される。また被動傘歯車64には支持軸69の一端部が嵌合されており、該支持軸69の他端部は、ローラベアリング70を介して歯車カバー65に回転自在に支承される。而して前記軸部64aは前記ドライブシャフト29に連結される。
【0036】
前記歯車変速機構53とともに変速機50を構成する前記クラッチ装置52は、前記歯車変速機構53およびクランクシャフト36間に設けられる第1および第2クラッチ71,72を有してツイン式に構成され、前記クラッチ室47に収容される。第1クラッチ71は、前記クランクシャフト36および第1メインシャフト54の一端部間に設けられ、第2クラッチ72は、前記クランクシャフト36および第2メインシャフト55の一端部間に設けられる。而して前記クランクシャフト36からの動力は、第1および第2クラッチ71,72に共通であるクラッチアウタ73に、一次減速装置51およびダンパスプリング74を介して入力される。
【0037】
一次減速装置51は、前記クランクシャフト36に設けられる駆動歯車75と、第1メインシャフト54に相対回転可能に支承されて駆動歯車75に噛合する被動歯車76とから成り、被動歯車76が、前記クラッチアウタ73にダンパスプリング74を介して連結される。
【0038】
第1クラッチ71は、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第1メインシャフト54に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ77との間の動力断・接を第1油圧室78の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には第1油圧室78に通じる第1油路79が形成される。
【0039】
また第2クラッチ72は、前記第1クラッチ71を前記一次減速装置10との間に挟むようにして、第2メインシャフト55の軸線方向で第1クラッチ71と並ぶように配置されるものであり、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第2メインシャフト55に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ82との間の動力断・接を第2油圧室83の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には、第2油圧室83に通じる第2油路84が第1油路79とは隔絶して形成される。
【0040】
歯車変速機構53は、第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6の確立および非確立を切換えるようにして両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動し得る第1、第2、第3および第4シフタ85,86,87,88を有しており、それらのシフタ85〜88は、第1〜第4シフトフォーク89,90,91,92で抱持される。
【0041】
図4において、クランクケース35の右および左側壁35a,35bには、両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56と平行な軸線を有するシフトドラム93が軸線まわりの回動自在に支承されており、第1〜第4シフトフォーク89〜92は、前記シフトドラム93の外周に係合され、シフトドラム93の回動に応じて第1〜第4シフトフォーク89〜92すなわち第1〜第4シフタ85〜88が両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動することになる。
【0042】
而してシフトドラム93が回動することにより、歯車変速機構53における第1〜第6速用歯車列G1〜G6の確立および非確立が切換えられるものであり、シフトドラム93の回動位置を変化させるシフトアクチュエータ94が、クランクケース35の左側壁35bの外面に取付けられる。
【0043】
前記シフトアクチュエータ94は、回転動力を発揮する電動モータ96と、該電動モータ96の出力回転数を減速するようにして該電動モータ96の回転動力を伝達する歯車減速機構97と、該歯車減速機構97から伝達される動力で回転するとともにその回転運動を前記シフトドラム93の回動運動に変換するようにして歯車減速機構97に連動、連結されるバレルカム98と、バレルカム98の回転に応じて前記シフトドラム93に伝達するようにして前記シフトドラム93に同軸に固着される円板状の伝動回転部材99とを備える。
【0044】
クランクケース35の前記左側壁35bには、前記歯車減速機構97、バレルカム98および伝動回転部材99を収容するケース部材100が締結されており、そのケース部材100の開口端を塞ぐようにして該ケース部材100に蓋部材101が取付けられ、前記電動モータ96は前記蓋部材101と反対側からケース部材188に取付けられる。
【0045】
而して前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で構成される前記変速機50は、前記シフトアクチュエータ94の作動と、クラッチ装置52における第1および第2油圧室78,83の油圧を制御する油圧制御弁(図示せず)の作動との組合わせで変速作動することになる。
【0046】
図2に注目して、前記車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の下部には、乗員の左足を載せるステップ105が設けられるステップホルダ104が、複数のボルト106…で取付けられる。前記エンジン本体28の下部には、前記ステップ105に載せた左足の爪先側で回動操作可能な操作ペダル107が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル107は、基端部107aが前記エンジン本体28の下部に支軸108を介して回動可能に支承されて後方に延びるアーム107bと、前記乗員が左足の爪先をかけることができるようにして前記アーム107bの先端(後端)に設けられるペダル部107cとを有する。
【0047】
ところで、前記左側の前記ピボットフレーム24の下部には、車体フレームFの一部を構成するサイドスタンドブラケット110が固着されており、このサイドスタンドブラケット110には、自動二輪車を左側に傾斜した状態で駐車させるためのサイドスタンド111が回動可能に取付けられる。
【0048】
図5および図6を併せて参照して、前記操作ペダル107には、該操作ペダル107の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112が連動、連結されており、この可動部材112を支持する支持部材113が、前記車体フレームFもしくは該車体フレームFに搭載されるエンジン本体28に前記可動部材112の移動方向への移動を規制されるようにして支持されており、この第1の実施の形態では、前記車体フレームFの一部を構成するフレーム部材である左側のピボットフレーム24に、前記支持部材113が固定される。
【0049】
前記可動部材112は、上下方向に長く延びる帯板状に形成されるものであり、上下方向に延びる前記ピボットフレーム24の延出方向すなわち上下方向に沿って該ピボットフレーム24の前方に配置される前記可動部材112が、前記ピボットフレーム24の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル107に連動、連結される。
【0050】
ところで、前記操作ペダル107は、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作可能であり、前記操作ペダル107の上方に配置される前記可動部材112は、前記操作ペダル107の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして、前記操作ペダルにタイロッド114を介して連結される。しかもタイロッド114の一端部(下端部)は、前記操作ペダル107におけるアーム107bの前記基端部寄りの部分にピロボール115を介して連結され、タイロッド114の他端部(上端部)は、前記可動部材112の下端部にピロボール116を介して連結される。
【0051】
前記可動部材112には、該可動部材112の移動方向に長い第1および第2の長孔117,118が上下方向に間隔をあけて設けられ、第1および第2の長孔117,118の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材112の移動端を規制するようにして前記両長孔117,118に挿通されるピン状のストッパ119,120が前記支持部材113に固定され、第1のストッパ119の突出端には前記可動部材112を支持部材113との間に挟む鍔部119aが第1の長孔117の幅よりも大径にして一体に設けられ、第2のストッパ120の中間部には前記可動部材112を支持部材113との間に挟む鍔部120aが第2の長孔118の幅よりも大径にして一体に設けられる。
【0052】
第1および第2の長孔117,118間で前記可動部材112には、該可動部材112の両面から突出するピン121が固着されており、前記支持部材113には、前記可動部材112の移動に応じて前記ピン121が移動することを許容するようにして該ピン121の一端部を挿通せしめるガイド孔122が第1および第2の長孔117,118の長手方向に長く延びて設けられる。
【0053】
前記可動部材112との間に前記支持部材113を挟む回動板123の一端部が、前記ピン121と平行な軸線を有して前記可動部材112の幅方向一側で前記支持部材113に回動可能に支承される回動軸124に固定されており、この回動板123の他端側には、前記回動軸124の半径方向に延びる長孔状の係合孔125が設けられ、前記ガイド孔122に挿通された前記ピン121の一端部は前記係合孔125に挿通、係合される。
【0054】
而して前記可動部材112がその長手方向に移動するのに応じてピン121も可動部材112とともに移動し、それによって回動板123および回動軸124が回動することになり、前記操作ペダル107の操作に応じた前記可動部材112の作動量を前記回動軸124の回動量として検出する検出器126が、前記支持部材113に一対のねじ部材117,117で取付けられる。
【0055】
前記支持部材113および前記可動部材112間には、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられるものであり、このクリック機構128は、支持部材113に軸支されるとともに可動部材112側に付勢されるローラ129を、可動部材112の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材112の当接面112aに押し当てるように構成される。
【0056】
前記クリック機構128は、前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材113に軸支されるローラ129と、該ローラ129を前記可動部材112の当接面112aに当接させる方向に前記ローラ129を付勢する付勢部材であるばね130とを備え、前記当接面112aには前記ローラ129を嵌合させ得る嵌合凹部131,132が設けられる。
【0057】
前記当接面112aは、前記可動部材112の前記回動軸124とは反対側の側面に形成されており、前記ローラ129が備える軸部129aを回動可能にかつ前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として支承するための長孔状の支持孔133が前記支持部材113に設けられる。
【0058】
前記ばね130は、コイル部130aと、略V字状に開くようにして前記コイル部130aの両端に連なる一対係合腕部130b,130cとを有するものであり、前記コイル部130aが第1のストッパ120に装着され、一方の係合腕部130bが前記ローラ129に係合され、他方の係合腕部130cが回動軸124に係合される。
【0059】
前記嵌合凹部131,132は、前記操作ペダル107が所定の位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめるようにして前記当接面112aに設けられるものであり、一方の嵌合凹部131は前記操作ペダル107がシフトアップ位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめる位置に配置され、他方の嵌合凹部132は前記操作ペダル107がシフトダウン位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめる位置に配置される。
【0060】
而して前記操作ペダル107が非操作位置にあるときに前記ローラ129は前記嵌合凹部131,132間の中央部で前記当接面112aに当接しており、非操作位置および前記シフトアップ位置間、ならびに非操作位置および前記シフトダウン位置間での操作ペダル107の回動時には、前記ローラ129が当接面112aにばね130のばね力で押し付けられていることによって生じる抵抗力が操作ペダル107に作用するが、前記操作ペダル107が前記シフトアップ位置もしくはシフトダウン位置まで回動したときには、前記ローラ129が前記嵌合凹部131もしくは前記嵌合凹部132に嵌合することで操作ペダル107に作用する抵抗力が弱まるのでクリック感が得られることになる。
【0061】
また前記可動部材112および前記支持部材113間には、前記操作ペダル107に戻り側のばね力を作用せしめるリターン機構134が設けられており、このリターン機構134は、前記ピン121および前記ローラ129を両側から挟む挟み片135a,135bを両端部に有するコイル状の戻しばね135が、前記回動軸124に装着されて成り、可動部材112が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね135の両挟み片135a,135bの一方から前記可動部材112の前記ピン121に、該可動部材112を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用する。
【0062】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、操作ペダル107の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112を支持する支持部材113が、車体フレームFもしくはエンジン本体28に固定され、可動部材112の動作を検出する検出器126が支持部材113に取付けられ、支持部材113および可動部材112間に、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられるので、可動部材112の移動方向と直交する方向で該可動部材112に他の部材を近接させることを可能とし、レイアウト性を良好とすることができる。
【0063】
また車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の延出方向に沿って配置される前記可動部材112が、前記ピボットフレーム24の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル107に連動、連結されるので、ピボットフレーム24で可動部材112の保護を図りつつレイアウト性を良好とすることができる。
【0064】
また操作ペダル107が、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能としてエンジン本体28に支承され、その操作ペダル107に連結される可動部材112が、操作ペダル107の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダル107の上方に配置されるので、操作ペダル107を従来の変速操作用操作ペダルと同様に操作することで可動部材112を上下方向に移動せしめ、上下方向の操作ペダル107の操作量をそのまま可動部材112の上下方向移動量とすることができ、クリック機構128の位置精度および検出器126の検出精度を高めることができる。
【0065】
また前記クリック機構128が、前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材113に軸支されるローラ129と、該ローラ129を前記可動部材112の当接面112aに当接させる方向に前記ローラ129を付勢するばね130とを備え、可動部材111の移動に応じて抵抗力が変化するように構成されるので、簡単かつ部品点数の少ない構造でクリック機構128を構成することができる。
【0066】
上記第1の実施の形態の変形例として、図2の鎖線で示すように、前記可動部材112に連なるタイロッド114が、前記操作ペダル107の前記基端部107aよりも前記ペダル部107c側に寄った位置で前記アーム107bの中間部に連結されるようにしてもよく、そうすれば、操作ペダル107の操作に応じた可動部材112の移動量を大きくすることができる。
【0067】
本発明の第2の実施の形態について図7および図8を参照しながら説明する。
【0068】
操作ペダル107(第1の実施の形態参照)に連結されたタイロッド114がピロボール116を介して連結される帯板状の可動部材137が、車体フレームFもしくはエンジン本体28に固定される支持部材138に、直線的な移動を可能として支承されるものであり、前記可動部材137の直線的な移動をガイドするための一対のガイド部材139,140が前記支持部材138に固定される。
【0069】
一対の前記ガイド部材139,140のうち下方のガイド部材140に対応する部分で前記可動部材137には、その移動方向に長く延びる長孔141が設けられており、前記ガイド部材140には、前記長孔141の長手方向両端縁に当接することで前記可動部材137の移動端を規制するストッパ142が一体に設けられる。
【0070】
前記可動部材137の長手方向中央部にはピン143が植設される。また前記支持部材138には、可動部材137の側方で前記ピン143と平行に延びる支持筒144が固定されており、この支持筒144で回動可能に支承されて前記支持部材138を貫通する回動軸145の一端には回動板146が固着される。この回動板146には、前記回動軸146の半径方向に沿って長く延びる係合孔147が設けられ、前記ピン143が該係合孔147に挿通、係合される。したがって前記可動部材137が直線的に移動するのに応じて前記回動板146および回動軸145が回動することになり、前記支持部材138には、前記回動軸145の他端に連結される検出器148が、前記可動部材137の移動に応じた前記回動軸145の回動を検出するようにして取付けられる。
【0071】
また前記可動部材137および前記支持部材138間には、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構149が設けられるものであり、このクリック機構149は、支持部材138に軸支されるとともに可動部材137側に付勢されるローラ150を、可動部材137の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材137の当接面137aに押し当てるように構成される。
【0072】
前記ローラ150は、前記可動部材137を前記回動軸145との間に挟む位置に配置されるものであり、前記回動軸145と平行な軸線を有して前記支持部材138に設けられる支軸151で回動可能に支承されるアーム152の先端部に軸支され、前記支持部材138および前記アーム152間に前記ローラ150を前記可動部材137側に向けて付勢するばね153が設けられる。
【0073】
前記当接面137aは、前記ローラ150を転がり接触させるようにして前記可動部材137の前記アーム152側側面に形成されるものであり、前記操作ペダル107が非操作位置にある状態で抵抗力が最も小さく、前記操作ペダル107が非操作位置からシフトアップ位置およびシフトダウン位置に移動するのに応じて抵抗力が大きくなるようにして円弧状に凹んで形成される。
【0074】
また前記可動部材1372および前記支持部材138間には、前記操作ペダル107に戻り側のばね力を作用せしめるリターン機構154が設けられており、このリターン機構154は、前記ピン143と、該ピン143および前記回動軸145間に配置されて前記支持部材138に植設されるピン155とを両側から挟む挟み片156a,156bを両端部に有するコイル状の戻しばね156が、前記支持筒144に装着されて成り、可動部材137が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね156の両挟み片156a,156bの一方から前記可動部材137の前記ピン143に、該可動部材137を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用する。
【0075】
この第2の実施の形態によっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0076】
本発明の第3の実施の形態について図9を参照しながら説明する。
【0077】
操作ペダル107(第1の実施の形態参照)に連結されたタイロッド114がピロボール116を介して連結される帯板状の可動部材157が、リンク機構159を介して支持部材158に支承され、この支持部材158の上端部の1箇所がピロボール160を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持される。
【0078】
前記リンク機構159は、一端部が連結軸163を介して前記可動部材157の長手方向一端部に連結されるとともに中間部が支持部材158の一面に連結軸164を介して連結される第1リンク部材161と、一端部が連結軸165を介して前記可動部材157の長手方向他端部に連結されるとともに他端部が支持部材158の一面に連結軸166を介して連結される第2リンク部材162とを有して平行リンクに構成されるものであり、操作ペダル107の回動操作に応じて前記可動部材157はその長手方向に移動することになる。
【0079】
また第1リンク部材161は、略U字状に屈曲して前記支持部材158の他面側に折り返す折り返し部161aを他端側に一体に有しており、前記連部軸164と同軸にして前記折り返し部161aに植設された被検出軸167に連結される検出器168が前記支持部材158の他面側に取付けられる。而して前記可動部材157の長手方向移動によって第1リンク部材164および前記被検出軸167が回動し、その被検出軸167の回動を検出器168が検出することになる。
【0080】
前記可動部材157および前記支持部材158間に設けられるクリック機構169は、前記支持部材158に植設された支軸170に一端部が回動可能に支承される一対のアーム171,172と、それらのアーム171,172の他端部間に挟まれるようにして前記可動部材157に軸支されるローラ173と、前記両アーム171,172をそれらの他端部が近接するように付勢するばね174とを備え、前記アーム171,172の先端部には、前記操作ペダル107が非操作位置にあるときに前記ローラ173を嵌合せしめる嵌合凹部175…が設けられる。
【0081】
また前記両アーム171,172間に配置されるピン176が前記支持部材158に植設されており、前記可動部材157が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、一対の前記アーム171,172の一方から前記可動部材157の前記ローラ173に、該可動部材157を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0082】
この第3の実施の形態によれば、可動部材157が第1および第2リンク部材161,162を有するリンク機構159を介して支持部材158に支承され、この支持部材158の1箇所が、ピロボール160を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持されるので、リンク機構159で可動部材157をガイドしつつ、支持部材158の支持構造を簡略化することができる。
【0083】
本発明の第4の実施の形態について図10および図11を参照しながら説明する。
【0084】
摺動孔179を有する支持部材178の上端がピロボール180を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持され、前記操作ペダル107に連結されるタイロッドである可動部材177が前記摺動孔179に摺動可能に嵌合される。
【0085】
前記可動部材177の移動方向に長く延びて前記支持部材178に設けられる貫通孔181から突出する軸部182に検出器183が連結される。
【0086】
前記支持部材178には、前記摺動孔179の側方に位置する回動軸184が回動可能に支承されており、この回動軸184の一端部に固着される回動板185に、前記回動軸184の半径方向に沿って長い係合孔186が設けられ、前記軸部182が前記係合孔186に挿通、係合される。したがって前記可動部材177がその長手方向に移動するのに応じて前記回動板185および回動軸184が回動することになり、その回動軸184の回動を検出するようにして該回動軸184の他端に連結される前記検出器183が前記支持部材178に取付けられる。
【0087】
前記支持部材178および前記可動部材177間にはクリック機構188が設けられており、このクリック機構188は、前記摺動孔179に一端を開口するようにして前記支持部材178に設けられた収容孔189の一端部に収容されるクリックボール190と、該クリックボール190を前記可動部材177側に向けて付勢するようにして前記収容孔189に収容されつつ前記収容孔189の他端を塞ぐプラグ193および前記クリックボール190間に縮設されるばね191と、前記クリックボール190の一部を嵌合させ得るようにして前記可動部材177の外周に設けられる環状の嵌合凹部192とで構成される。
【0088】
また前記可動部材177および前記支持部材178間にはリターン機構194が設けられており、このリターン機構194は、前記可動部材177に設けられる軸部182と、その軸部182および前記回動軸184間で前記支持部材178に植設されたピン195とを両側から挟む挟み片196a,196bを両端部に有するコイル状の戻しばね196が、前記回動軸184を囲繞するように配置されて成る。
【0089】
この第4の実施の形態によれば、操作ペダル107に連結されるタイロッドが可動部材177として支持部材178の摺動孔179に摺動可能に嵌合され、支持部材178に設けられる貫通孔186から突出するようにして可動部材177に設けられる軸部182に検出器183が連結されるので、部品点数を削減することができる。
【0090】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0091】
24・・・フレーム部材であるピボットフレーム
28・・・エンジン本体
50・・・変速機
107・・・操作ペダル
107a・・・操作ペダルの基端部
107b・・・操作ペダルのアーム
107c・・・操作ペダルのペダル部
112,137,157,177・・・可動部材
112a,137a・・・当接面
113,138,158,178・・・支持部材
117,118・・・長孔
119,120・・・ストッパ
126,148,168,183・・・検出器
128,149,169,188・・・クリック機構
129,150・・・ローラ
130,153・・・付勢部材であるばね
159・・・リンク機構
161,162・・・リンク部材
160,180・・・ピロボール
179・・・摺動孔
182・・・軸部
186・・・貫通孔
F・・・車体フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車を模したシミュレータ装置において、シフトアップ操作およびシフトダウン操作を足で行う変速制御装置が特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−88605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で開示されたものでは、操作ペダルに、該操作ペダルの操作に伴って回動する可動プレートが連動、連結され、この可動プレートの回動に伴ってクリック感を発生させるようにクリック機構が構成されており、クリック感を発生させるのに必要とされるスペースを前記可動プレートの回動軸線まわりに確保する必要があり、可動部材の近傍に他の部材を配置することが困難であり、レイアウト性に課題があった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、レイアウト性を高めた鞍乗り型車両の変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダルと、該操作ペダルによる変速操作を検出する検出器とを備え、該検出器の検出結果に基づいて変速機を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、前記操作ペダルの回動操作に応じて直線的に移動する可動部材を支持する支持部材が、車体フレームもしくは該車体フレームに搭載されるエンジン本体に前記可動部材の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、前記可動部材の動作を検出する前記検出器が前記支持部材に取付けられ、前記支持部材および前記可動部材間に、前記操作ペダルの操作にクリック感を付与するクリック機構が設けられることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、車体フレームの一部を構成するフレーム部材の延出方向に沿って配置される前記可動部材が、前記フレーム部材の延出方向に移動するようにして前記操作ペダルに連動、連結されることを第2の特徴とする。
【0008】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルが、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能として、前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支承され、前記操作ペダルに連結される前記可動部材が、操作ペダルの上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダルの上方に配置されることを第3の特徴とする。
【0009】
本発明は、第3の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルが、前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に基端部が回動可能に支承されるアームの先端部に乗員が足の爪先をかけることを可能としたペダル部が設けられて成り、前記可動部材が、前記基端部よりも前記ペダル部側に寄った位置で前記アームの中間部に連結されることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記クリック機構が、前記可動部材の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材に軸支されるローラと、該ローラを前記可動部材の当接面に当接させる方向に付勢する付勢部材とを備え、前記ローラが前記当接面に押しつけられることで発生する抵抗力が前記可動部材の移動に応じて変化するように構成されることを第5の特徴とする。
【0011】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記可動部材に該可動部材の移動方向に長い長孔が設けられ、前記長孔の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材の移動端を規制するようにして前記長孔に挿通されるストッパが前記支持部材に設けられることを第6の特徴とする。
【0012】
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記操作ペダルに連結される前記可動部材が複数のリンク部材を有するリンク機構を介して前記支持部材に支承され、この支持部材の1箇所が、ピロボールを介して前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支持されることを第7の特徴とする。
【0013】
さらに本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、摺動孔を有する前記支持部材の上端がピロボールを介して前記車体フレームもしくは前記エンジン本体に支持され、前記操作ペダルに連結されるタイロッドである前記可動部材が前記摺動孔に摺動可能に嵌合され、前記可動部材の移動方向に長く延びて前記支持部材に設けられる貫通孔から突出する軸部が前記可動部材に設けられ、前記軸部に連結される前記検出器が前記支持部材に取付けられることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の第1の特徴によれば、直線的に移動する可動部材と、可動部材の移動方向には移動することがない支持部材との間にクリック機構が設けられるので、可動部材の移動方向と直交する方向で可動部材に他の部材を近接させることを可能とし、レイアウト性を良好とすることができる。
【0015】
また本発明の第2の特徴によれば、車体フレームの一部を構成するフレーム部材の延出方向に沿って可動部材が配置され、そのフレーム部材の延出方向に可動部材が移動するので、フレーム部材で可動部材の保護を図りつつレイアウト性を良好とすることができる。
【0016】
本発明の第3の特徴によれば、上下方向に回動する操作ペダルに、該操作ペダルの上方に配置される可動部材が、操作ペダルの上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして連結されるので、操作ペダルを従来の変速操作用操作ペダルと同様に操作することで可動部材を上下方向に移動せしめ、上下方向の操作ペダルの操作量をそのまま可動部材の上下方向移動量とすることができ、クリック機構の位置精度および検出器の検出精度を高めることができる。
【0017】
本発明の第4の特徴によれば、前記可動部材が、操作ペダルの基端部よりもペダル部側に寄った位置に連結されるので、操作ペダルの操作に応じた可動部材の移動量を大きくすることができる。
【0018】
本発明の第5の特徴によれば、クリック機構が、支持部材に軸支されるとともに可動部材側に付勢されるローラを、可動部材の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材の当接面に押し当てるように構成することで、簡単かつ部品点数の少ない構造でクリック機構を構成することができる。
【0019】
本発明の第6の特徴によれば、可動部材に設けられた長孔に、支持部材に設けられるストッパを挿通せしめ、長孔の長手方向両端縁部に前記ストッパが当接することで可動部材の移動端を規制するようにしているので、ストッパで可動部材をガイドすることができ、部品点数を低減することができる。
【0020】
本発明の第7の特徴によれば、可動部材が複数のリンク部材を有するリンク機構を介して支持部材に連結され、支持部材の1箇所がピロボールを介して車体フレームもしくはエンジン本体に支持されるので、リンク機構で可動部材をガイドしつつ、支持部材の支持構造を簡略化することができる。
【0021】
さらに本発明の第8の特徴によれば、操作ペダルに連結されるタイロッドが可動部材として支持部材の摺動孔に摺動可能に嵌合され、支持部材に設けられる貫通孔から突出するようにして可動部材に設けられる軸部に検出器が連結されるので、部品点数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態の自動二輪車の側面図である。
【図2】エンジン付近の拡大側面図である。
【図3】歯車変速機構およびクラッチ装置の縦断面図である。
【図4】シフトドラムおよびシフトアクチュエータの縦断面図である。
【図5】変速制御装置の分解斜視図である。
【図6】図2の6矢示部拡大図である。
【図7】第2の実施の形態の図6に対応した側面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】第3の実施の形態の変速制御装置の斜視図である。
【図10】第4の実施の形態の変速制御装置の側面図である。
【図11】図10の11−11線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施の形態を、添付の図面を参照しながら説明する。なお以下の説明で前後、左右および上下は自動二輪車に搭乗した乗員から見た方向を言うものとする。
【0024】
本発明の第1の実施の形態について図1〜図6を参照しながら説明すると、先ず図1において、自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク21を操向可能に支承するヘッドパイプ22と、該ヘッドパイプ22から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム23…と、両メインフレーム23…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットフレーム24…と、該ピボットフレーム24…から後上がりに延びる左右一対のリヤフレーム25…とを有し、前記メインフレーム23…には、その中間部から下方に延びるエンジンハンガ26…が一体に連設される。またピボットフレーム24…に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム27の後部に後輪WRが軸支される。
【0025】
前記メインフレーム23…の下方には、水冷式のエンジンEのエンジン本体28が配置されており、該エンジン本体28は、前記エンジンハンガ26…、前記メインフレーム23…および前記ピボットフレーム24…の下部に懸架、搭載され、エンジンEから出力される回転動力は、前後に延びて前記スイングアーム27内を通るドライブシャフト29を介して前記後輪WRに伝達される。
【0026】
前記メインフレーム23…上には燃料タンク30が搭載されており、該燃料タンク30の後方で前記リヤフレーム25…上には、乗車用シート31が設けられる。
【0027】
而して前記車体フレームFの一部および前記エンジンEの一部は、車体カバー32で覆われており、この車体カバー32は、前記燃料タンク30の大部分を側方から覆うタンクカバー33を有する。
【0028】
図2を併せて参照して、前記エンジン本体28は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なクランクケース35に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト36が回転自在に支承される。
【0029】
前記エンジン本体28の前方にはラジエータ37が配置される。また前記クランクケース36の下部左側面には、前記クランクシャフト36で回転駆動されるウォータポンプ38が取付けられており、このウォータポンプ38の吐出口に連なる給水ホース39が前部および後部バンクBF,BR間の谷間に設けられたウォータジャケット給水部に接続され、このウォータジャケット給水部から両バンクBF、BRのウォータジャケットに冷却水が供給される。また前部および後部バンクBF,BR間の谷間にはサーモスタット40が配設されており、前記ウォータジャケットを通過した冷却水は、エンジンEの暖機状態ではサーモスタット40から戻しホース41を介して前記ラジエータ37に送られ、該ラジエータ37で冷却された冷却水はホース42を介してウォータポンプ38に戻される。またエンジンEが暖機されていない状態では、前記サーモスタット40からの冷却水の一部がバイパスホース43を介してウォータポンプ38に戻される。
【0030】
前記ラジエータ37の上部には給水管44が設けられており、その給水管44に連なって上方に延びる給水ホース45の上端にフィラーパイプ46が接続される。
【0031】
図3において、エンジン本体28の車体フレームFへの搭載状態でのクランクケース35の右側側面には、クランクケース35との間にクラッチ室47を形成するクラッチカバー48が結合される。前記クランクシャフト36および後輪WR間の動力伝達経路は、クランクシャフト36側から順に一次減速装置51、クラッチ装置52、歯車変速機構53およびドライブシャフト29(図1および図2参照)を備えており、前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で変速機50が構成される。而して一次減速装置51およびクラッチ装置52は前記クラッチ室47に収容され、歯車変速機構53はクランクケース35内に収容される。
【0032】
前記歯車変速機構53は、選択的に確立可能な複数変速段の歯車列たとえば第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6を備えてクランクケース35内に収納されており、第1メインシャフト54およびカウンタシャフト56間に第2、第4および第6速用歯車列G2,G4,G6が設けられるとともに、第1メインシャフト54を同軸にかつ相対回転自在に貫通する第2メインシャフト55および前記カウンタシャフト56間に第1、第3および第5速用歯車列G1,G3,G5が設けられて成る。
【0033】
前記クランクケース35は、クランクシャフト36の軸線方向に間隔をあけて相互に対向する右側壁35aおよび左側壁35bを備えており、クランクシャフト36と平行な軸線を有して円筒状に形成される第1メインシャフト54の中間部は、前記右側壁35aを回転自在に貫通し、右側壁35aおよび第1メインシャフト54間にはボールベアリング57が介装される。またクランクシャフト36と平行な軸線を有する第2メインシャフト55は、第1メインシャフト54との軸方向相対位置を一定としつつ第1メインシャフト54を相対回転可能に貫通するものであり、第1メインシャフト54および第2メインシャフト55間には複数のニードルベアリング58…が介装される。また第2メインシャフト55の他端部はクランクケース35の左側壁35bにボールベアリング59を介して回転自在に支承される。
【0034】
クランクシャフト36と平行な軸線を有するカウンタシャフト56の一端部はボールベアリング60を介して前記右側壁35aに回転自在に支承され、カウンタシャフト56の他端部は、ボールベアリング61および環状のシール部材62を前記左側壁35bとの間に介在させて左側壁35bを回転自在に貫通し、左側壁35bからのカウンタシャフト56の突出端部には駆動傘歯車63が固定される。この駆動傘歯車63には自動二輪車の前後方向に延びる回転軸線を有する被動傘歯車64が噛合される。
【0035】
ところで駆動傘歯車63および被動傘歯車64は、前記クランクケース35の前記左側壁35bの一部を覆って前記側壁35bに着脱可能に結合される歯車カバー65と、前記左側壁35bとで形成される歯車室66内で相互に噛合するものであり、被動傘歯車64が同軸に備える軸部64aは歯車カバー65を回転自在に貫通し、前記軸部64aおよび歯車カバー65間には、ボールベアリング67と、該ボールベアリング67の外方に位置する環状のシール部材68とが介装される。また被動傘歯車64には支持軸69の一端部が嵌合されており、該支持軸69の他端部は、ローラベアリング70を介して歯車カバー65に回転自在に支承される。而して前記軸部64aは前記ドライブシャフト29に連結される。
【0036】
前記歯車変速機構53とともに変速機50を構成する前記クラッチ装置52は、前記歯車変速機構53およびクランクシャフト36間に設けられる第1および第2クラッチ71,72を有してツイン式に構成され、前記クラッチ室47に収容される。第1クラッチ71は、前記クランクシャフト36および第1メインシャフト54の一端部間に設けられ、第2クラッチ72は、前記クランクシャフト36および第2メインシャフト55の一端部間に設けられる。而して前記クランクシャフト36からの動力は、第1および第2クラッチ71,72に共通であるクラッチアウタ73に、一次減速装置51およびダンパスプリング74を介して入力される。
【0037】
一次減速装置51は、前記クランクシャフト36に設けられる駆動歯車75と、第1メインシャフト54に相対回転可能に支承されて駆動歯車75に噛合する被動歯車76とから成り、被動歯車76が、前記クラッチアウタ73にダンパスプリング74を介して連結される。
【0038】
第1クラッチ71は、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第1メインシャフト54に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ77との間の動力断・接を第1油圧室78の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には第1油圧室78に通じる第1油路79が形成される。
【0039】
また第2クラッチ72は、前記第1クラッチ71を前記一次減速装置10との間に挟むようにして、第2メインシャフト55の軸線方向で第1クラッチ71と並ぶように配置されるものであり、前記クラッチアウタ73と、該クラッチアウタ73で同軸に囲繞されるとともに第2メインシャフト55に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ82との間の動力断・接を第2油圧室83の油圧制御に応じて切換えるように構成され、第2メインシャフト55内には、第2油圧室83に通じる第2油路84が第1油路79とは隔絶して形成される。
【0040】
歯車変速機構53は、第1〜第6速用歯車列G1,G2,G3,G4,G5,G6の確立および非確立を切換えるようにして両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動し得る第1、第2、第3および第4シフタ85,86,87,88を有しており、それらのシフタ85〜88は、第1〜第4シフトフォーク89,90,91,92で抱持される。
【0041】
図4において、クランクケース35の右および左側壁35a,35bには、両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56と平行な軸線を有するシフトドラム93が軸線まわりの回動自在に支承されており、第1〜第4シフトフォーク89〜92は、前記シフトドラム93の外周に係合され、シフトドラム93の回動に応じて第1〜第4シフトフォーク89〜92すなわち第1〜第4シフタ85〜88が両メインシャフト54,55およびカウンタシャフト56の軸線方向に作動することになる。
【0042】
而してシフトドラム93が回動することにより、歯車変速機構53における第1〜第6速用歯車列G1〜G6の確立および非確立が切換えられるものであり、シフトドラム93の回動位置を変化させるシフトアクチュエータ94が、クランクケース35の左側壁35bの外面に取付けられる。
【0043】
前記シフトアクチュエータ94は、回転動力を発揮する電動モータ96と、該電動モータ96の出力回転数を減速するようにして該電動モータ96の回転動力を伝達する歯車減速機構97と、該歯車減速機構97から伝達される動力で回転するとともにその回転運動を前記シフトドラム93の回動運動に変換するようにして歯車減速機構97に連動、連結されるバレルカム98と、バレルカム98の回転に応じて前記シフトドラム93に伝達するようにして前記シフトドラム93に同軸に固着される円板状の伝動回転部材99とを備える。
【0044】
クランクケース35の前記左側壁35bには、前記歯車減速機構97、バレルカム98および伝動回転部材99を収容するケース部材100が締結されており、そのケース部材100の開口端を塞ぐようにして該ケース部材100に蓋部材101が取付けられ、前記電動モータ96は前記蓋部材101と反対側からケース部材188に取付けられる。
【0045】
而して前記クラッチ装置52および前記歯車変速機構53で構成される前記変速機50は、前記シフトアクチュエータ94の作動と、クラッチ装置52における第1および第2油圧室78,83の油圧を制御する油圧制御弁(図示せず)の作動との組合わせで変速作動することになる。
【0046】
図2に注目して、前記車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の下部には、乗員の左足を載せるステップ105が設けられるステップホルダ104が、複数のボルト106…で取付けられる。前記エンジン本体28の下部には、前記ステップ105に載せた左足の爪先側で回動操作可能な操作ペダル107が回動可能に支承されるものであり、該操作ペダル107は、基端部107aが前記エンジン本体28の下部に支軸108を介して回動可能に支承されて後方に延びるアーム107bと、前記乗員が左足の爪先をかけることができるようにして前記アーム107bの先端(後端)に設けられるペダル部107cとを有する。
【0047】
ところで、前記左側の前記ピボットフレーム24の下部には、車体フレームFの一部を構成するサイドスタンドブラケット110が固着されており、このサイドスタンドブラケット110には、自動二輪車を左側に傾斜した状態で駐車させるためのサイドスタンド111が回動可能に取付けられる。
【0048】
図5および図6を併せて参照して、前記操作ペダル107には、該操作ペダル107の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112が連動、連結されており、この可動部材112を支持する支持部材113が、前記車体フレームFもしくは該車体フレームFに搭載されるエンジン本体28に前記可動部材112の移動方向への移動を規制されるようにして支持されており、この第1の実施の形態では、前記車体フレームFの一部を構成するフレーム部材である左側のピボットフレーム24に、前記支持部材113が固定される。
【0049】
前記可動部材112は、上下方向に長く延びる帯板状に形成されるものであり、上下方向に延びる前記ピボットフレーム24の延出方向すなわち上下方向に沿って該ピボットフレーム24の前方に配置される前記可動部材112が、前記ピボットフレーム24の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル107に連動、連結される。
【0050】
ところで、前記操作ペダル107は、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作可能であり、前記操作ペダル107の上方に配置される前記可動部材112は、前記操作ペダル107の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして、前記操作ペダルにタイロッド114を介して連結される。しかもタイロッド114の一端部(下端部)は、前記操作ペダル107におけるアーム107bの前記基端部寄りの部分にピロボール115を介して連結され、タイロッド114の他端部(上端部)は、前記可動部材112の下端部にピロボール116を介して連結される。
【0051】
前記可動部材112には、該可動部材112の移動方向に長い第1および第2の長孔117,118が上下方向に間隔をあけて設けられ、第1および第2の長孔117,118の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材112の移動端を規制するようにして前記両長孔117,118に挿通されるピン状のストッパ119,120が前記支持部材113に固定され、第1のストッパ119の突出端には前記可動部材112を支持部材113との間に挟む鍔部119aが第1の長孔117の幅よりも大径にして一体に設けられ、第2のストッパ120の中間部には前記可動部材112を支持部材113との間に挟む鍔部120aが第2の長孔118の幅よりも大径にして一体に設けられる。
【0052】
第1および第2の長孔117,118間で前記可動部材112には、該可動部材112の両面から突出するピン121が固着されており、前記支持部材113には、前記可動部材112の移動に応じて前記ピン121が移動することを許容するようにして該ピン121の一端部を挿通せしめるガイド孔122が第1および第2の長孔117,118の長手方向に長く延びて設けられる。
【0053】
前記可動部材112との間に前記支持部材113を挟む回動板123の一端部が、前記ピン121と平行な軸線を有して前記可動部材112の幅方向一側で前記支持部材113に回動可能に支承される回動軸124に固定されており、この回動板123の他端側には、前記回動軸124の半径方向に延びる長孔状の係合孔125が設けられ、前記ガイド孔122に挿通された前記ピン121の一端部は前記係合孔125に挿通、係合される。
【0054】
而して前記可動部材112がその長手方向に移動するのに応じてピン121も可動部材112とともに移動し、それによって回動板123および回動軸124が回動することになり、前記操作ペダル107の操作に応じた前記可動部材112の作動量を前記回動軸124の回動量として検出する検出器126が、前記支持部材113に一対のねじ部材117,117で取付けられる。
【0055】
前記支持部材113および前記可動部材112間には、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられるものであり、このクリック機構128は、支持部材113に軸支されるとともに可動部材112側に付勢されるローラ129を、可動部材112の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材112の当接面112aに押し当てるように構成される。
【0056】
前記クリック機構128は、前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材113に軸支されるローラ129と、該ローラ129を前記可動部材112の当接面112aに当接させる方向に前記ローラ129を付勢する付勢部材であるばね130とを備え、前記当接面112aには前記ローラ129を嵌合させ得る嵌合凹部131,132が設けられる。
【0057】
前記当接面112aは、前記可動部材112の前記回動軸124とは反対側の側面に形成されており、前記ローラ129が備える軸部129aを回動可能にかつ前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として支承するための長孔状の支持孔133が前記支持部材113に設けられる。
【0058】
前記ばね130は、コイル部130aと、略V字状に開くようにして前記コイル部130aの両端に連なる一対係合腕部130b,130cとを有するものであり、前記コイル部130aが第1のストッパ120に装着され、一方の係合腕部130bが前記ローラ129に係合され、他方の係合腕部130cが回動軸124に係合される。
【0059】
前記嵌合凹部131,132は、前記操作ペダル107が所定の位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめるようにして前記当接面112aに設けられるものであり、一方の嵌合凹部131は前記操作ペダル107がシフトアップ位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめる位置に配置され、他方の嵌合凹部132は前記操作ペダル107がシフトダウン位置にあるときに前記ローラ129を嵌合せしめる位置に配置される。
【0060】
而して前記操作ペダル107が非操作位置にあるときに前記ローラ129は前記嵌合凹部131,132間の中央部で前記当接面112aに当接しており、非操作位置および前記シフトアップ位置間、ならびに非操作位置および前記シフトダウン位置間での操作ペダル107の回動時には、前記ローラ129が当接面112aにばね130のばね力で押し付けられていることによって生じる抵抗力が操作ペダル107に作用するが、前記操作ペダル107が前記シフトアップ位置もしくはシフトダウン位置まで回動したときには、前記ローラ129が前記嵌合凹部131もしくは前記嵌合凹部132に嵌合することで操作ペダル107に作用する抵抗力が弱まるのでクリック感が得られることになる。
【0061】
また前記可動部材112および前記支持部材113間には、前記操作ペダル107に戻り側のばね力を作用せしめるリターン機構134が設けられており、このリターン機構134は、前記ピン121および前記ローラ129を両側から挟む挟み片135a,135bを両端部に有するコイル状の戻しばね135が、前記回動軸124に装着されて成り、可動部材112が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね135の両挟み片135a,135bの一方から前記可動部材112の前記ピン121に、該可動部材112を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用する。
【0062】
次にこの第1の実施の形態の作用について説明すると、操作ペダル107の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材112を支持する支持部材113が、車体フレームFもしくはエンジン本体28に固定され、可動部材112の動作を検出する検出器126が支持部材113に取付けられ、支持部材113および可動部材112間に、操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構128が設けられるので、可動部材112の移動方向と直交する方向で該可動部材112に他の部材を近接させることを可能とし、レイアウト性を良好とすることができる。
【0063】
また車体フレームFの一部を構成する左側のピボットフレーム24の延出方向に沿って配置される前記可動部材112が、前記ピボットフレーム24の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル107に連動、連結されるので、ピボットフレーム24で可動部材112の保護を図りつつレイアウト性を良好とすることができる。
【0064】
また操作ペダル107が、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能としてエンジン本体28に支承され、その操作ペダル107に連結される可動部材112が、操作ペダル107の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダル107の上方に配置されるので、操作ペダル107を従来の変速操作用操作ペダルと同様に操作することで可動部材112を上下方向に移動せしめ、上下方向の操作ペダル107の操作量をそのまま可動部材112の上下方向移動量とすることができ、クリック機構128の位置精度および検出器126の検出精度を高めることができる。
【0065】
また前記クリック機構128が、前記可動部材112の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材113に軸支されるローラ129と、該ローラ129を前記可動部材112の当接面112aに当接させる方向に前記ローラ129を付勢するばね130とを備え、可動部材111の移動に応じて抵抗力が変化するように構成されるので、簡単かつ部品点数の少ない構造でクリック機構128を構成することができる。
【0066】
上記第1の実施の形態の変形例として、図2の鎖線で示すように、前記可動部材112に連なるタイロッド114が、前記操作ペダル107の前記基端部107aよりも前記ペダル部107c側に寄った位置で前記アーム107bの中間部に連結されるようにしてもよく、そうすれば、操作ペダル107の操作に応じた可動部材112の移動量を大きくすることができる。
【0067】
本発明の第2の実施の形態について図7および図8を参照しながら説明する。
【0068】
操作ペダル107(第1の実施の形態参照)に連結されたタイロッド114がピロボール116を介して連結される帯板状の可動部材137が、車体フレームFもしくはエンジン本体28に固定される支持部材138に、直線的な移動を可能として支承されるものであり、前記可動部材137の直線的な移動をガイドするための一対のガイド部材139,140が前記支持部材138に固定される。
【0069】
一対の前記ガイド部材139,140のうち下方のガイド部材140に対応する部分で前記可動部材137には、その移動方向に長く延びる長孔141が設けられており、前記ガイド部材140には、前記長孔141の長手方向両端縁に当接することで前記可動部材137の移動端を規制するストッパ142が一体に設けられる。
【0070】
前記可動部材137の長手方向中央部にはピン143が植設される。また前記支持部材138には、可動部材137の側方で前記ピン143と平行に延びる支持筒144が固定されており、この支持筒144で回動可能に支承されて前記支持部材138を貫通する回動軸145の一端には回動板146が固着される。この回動板146には、前記回動軸146の半径方向に沿って長く延びる係合孔147が設けられ、前記ピン143が該係合孔147に挿通、係合される。したがって前記可動部材137が直線的に移動するのに応じて前記回動板146および回動軸145が回動することになり、前記支持部材138には、前記回動軸145の他端に連結される検出器148が、前記可動部材137の移動に応じた前記回動軸145の回動を検出するようにして取付けられる。
【0071】
また前記可動部材137および前記支持部材138間には、前記操作ペダル107の操作にクリック感を付与するクリック機構149が設けられるものであり、このクリック機構149は、支持部材138に軸支されるとともに可動部材137側に付勢されるローラ150を、可動部材137の移動に応じて抵抗力が変化するようにして可動部材137の当接面137aに押し当てるように構成される。
【0072】
前記ローラ150は、前記可動部材137を前記回動軸145との間に挟む位置に配置されるものであり、前記回動軸145と平行な軸線を有して前記支持部材138に設けられる支軸151で回動可能に支承されるアーム152の先端部に軸支され、前記支持部材138および前記アーム152間に前記ローラ150を前記可動部材137側に向けて付勢するばね153が設けられる。
【0073】
前記当接面137aは、前記ローラ150を転がり接触させるようにして前記可動部材137の前記アーム152側側面に形成されるものであり、前記操作ペダル107が非操作位置にある状態で抵抗力が最も小さく、前記操作ペダル107が非操作位置からシフトアップ位置およびシフトダウン位置に移動するのに応じて抵抗力が大きくなるようにして円弧状に凹んで形成される。
【0074】
また前記可動部材1372および前記支持部材138間には、前記操作ペダル107に戻り側のばね力を作用せしめるリターン機構154が設けられており、このリターン機構154は、前記ピン143と、該ピン143および前記回動軸145間に配置されて前記支持部材138に植設されるピン155とを両側から挟む挟み片156a,156bを両端部に有するコイル状の戻しばね156が、前記支持筒144に装着されて成り、可動部材137が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、前記戻しばね156の両挟み片156a,156bの一方から前記可動部材137の前記ピン143に、該可動部材137を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用する。
【0075】
この第2の実施の形態によっても、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0076】
本発明の第3の実施の形態について図9を参照しながら説明する。
【0077】
操作ペダル107(第1の実施の形態参照)に連結されたタイロッド114がピロボール116を介して連結される帯板状の可動部材157が、リンク機構159を介して支持部材158に支承され、この支持部材158の上端部の1箇所がピロボール160を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持される。
【0078】
前記リンク機構159は、一端部が連結軸163を介して前記可動部材157の長手方向一端部に連結されるとともに中間部が支持部材158の一面に連結軸164を介して連結される第1リンク部材161と、一端部が連結軸165を介して前記可動部材157の長手方向他端部に連結されるとともに他端部が支持部材158の一面に連結軸166を介して連結される第2リンク部材162とを有して平行リンクに構成されるものであり、操作ペダル107の回動操作に応じて前記可動部材157はその長手方向に移動することになる。
【0079】
また第1リンク部材161は、略U字状に屈曲して前記支持部材158の他面側に折り返す折り返し部161aを他端側に一体に有しており、前記連部軸164と同軸にして前記折り返し部161aに植設された被検出軸167に連結される検出器168が前記支持部材158の他面側に取付けられる。而して前記可動部材157の長手方向移動によって第1リンク部材164および前記被検出軸167が回動し、その被検出軸167の回動を検出器168が検出することになる。
【0080】
前記可動部材157および前記支持部材158間に設けられるクリック機構169は、前記支持部材158に植設された支軸170に一端部が回動可能に支承される一対のアーム171,172と、それらのアーム171,172の他端部間に挟まれるようにして前記可動部材157に軸支されるローラ173と、前記両アーム171,172をそれらの他端部が近接するように付勢するばね174とを備え、前記アーム171,172の先端部には、前記操作ペダル107が非操作位置にあるときに前記ローラ173を嵌合せしめる嵌合凹部175…が設けられる。
【0081】
また前記両アーム171,172間に配置されるピン176が前記支持部材158に植設されており、前記可動部材157が操作ペダル107の回動操作に応じて中立位置からシフトアップ側またはシフトダウン側に回動したときに、一対の前記アーム171,172の一方から前記可動部材157の前記ローラ173に、該可動部材157を中立位置に戻す方向すなわち操作ペダル107を非操作位置に戻す方向のばね力が作用することになる。
【0082】
この第3の実施の形態によれば、可動部材157が第1および第2リンク部材161,162を有するリンク機構159を介して支持部材158に支承され、この支持部材158の1箇所が、ピロボール160を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持されるので、リンク機構159で可動部材157をガイドしつつ、支持部材158の支持構造を簡略化することができる。
【0083】
本発明の第4の実施の形態について図10および図11を参照しながら説明する。
【0084】
摺動孔179を有する支持部材178の上端がピロボール180を介して車体フレームFもしくはエンジン本体28に支持され、前記操作ペダル107に連結されるタイロッドである可動部材177が前記摺動孔179に摺動可能に嵌合される。
【0085】
前記可動部材177の移動方向に長く延びて前記支持部材178に設けられる貫通孔181から突出する軸部182に検出器183が連結される。
【0086】
前記支持部材178には、前記摺動孔179の側方に位置する回動軸184が回動可能に支承されており、この回動軸184の一端部に固着される回動板185に、前記回動軸184の半径方向に沿って長い係合孔186が設けられ、前記軸部182が前記係合孔186に挿通、係合される。したがって前記可動部材177がその長手方向に移動するのに応じて前記回動板185および回動軸184が回動することになり、その回動軸184の回動を検出するようにして該回動軸184の他端に連結される前記検出器183が前記支持部材178に取付けられる。
【0087】
前記支持部材178および前記可動部材177間にはクリック機構188が設けられており、このクリック機構188は、前記摺動孔179に一端を開口するようにして前記支持部材178に設けられた収容孔189の一端部に収容されるクリックボール190と、該クリックボール190を前記可動部材177側に向けて付勢するようにして前記収容孔189に収容されつつ前記収容孔189の他端を塞ぐプラグ193および前記クリックボール190間に縮設されるばね191と、前記クリックボール190の一部を嵌合させ得るようにして前記可動部材177の外周に設けられる環状の嵌合凹部192とで構成される。
【0088】
また前記可動部材177および前記支持部材178間にはリターン機構194が設けられており、このリターン機構194は、前記可動部材177に設けられる軸部182と、その軸部182および前記回動軸184間で前記支持部材178に植設されたピン195とを両側から挟む挟み片196a,196bを両端部に有するコイル状の戻しばね196が、前記回動軸184を囲繞するように配置されて成る。
【0089】
この第4の実施の形態によれば、操作ペダル107に連結されるタイロッドが可動部材177として支持部材178の摺動孔179に摺動可能に嵌合され、支持部材178に設けられる貫通孔186から突出するようにして可動部材177に設けられる軸部182に検出器183が連結されるので、部品点数を削減することができる。
【0090】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0091】
24・・・フレーム部材であるピボットフレーム
28・・・エンジン本体
50・・・変速機
107・・・操作ペダル
107a・・・操作ペダルの基端部
107b・・・操作ペダルのアーム
107c・・・操作ペダルのペダル部
112,137,157,177・・・可動部材
112a,137a・・・当接面
113,138,158,178・・・支持部材
117,118・・・長孔
119,120・・・ストッパ
126,148,168,183・・・検出器
128,149,169,188・・・クリック機構
129,150・・・ローラ
130,153・・・付勢部材であるばね
159・・・リンク機構
161,162・・・リンク部材
160,180・・・ピロボール
179・・・摺動孔
182・・・軸部
186・・・貫通孔
F・・・車体フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダル(107)と、該操作ペダル(107)による変速操作を検出する検出器(126,148,168,183)とを備え、該検出器(126,148,168,183)の検出結果に基づいて変速機(50)を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、前記操作ペダル(107)の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材(112,137,157,177)を支持する支持部材(113,138,158,178)が、車体フレーム(F)もしくは該車体フレーム(F)に搭載されるエンジン本体(28)に前記可動部材(112,137,157,177)の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、前記可動部材(112,137,157,177)の動作を検出する前記検出器(126,148,168,183)が前記支持部材(113,138,158,178)に取付けられ、前記支持部材(113,138,158,178)および前記可動部材(112,137,157,177)間に、前記操作ペダル(107)の操作にクリック感を付与するクリック機構(128,149,169,188)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項2】
車体フレーム(F)の一部を構成するフレーム部材(24)の延出方向に沿って配置される前記可動部材(112,137,157,177)が、前記フレーム部材(24)の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル(107)に連動、連結されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項3】
前記操作ペダル(107)が、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能として、前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支承され、前記操作ペダル(107に連結される前記可動部材(112,137,157,177)が、操作ペダル(107)の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダル(107)の上方に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項4】
前記操作ペダル(107)が、前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に基端部(107a)が回動可能に支承されるアーム(107b)の先端部に乗員が足の爪先をかけることを可能としたペダル部(107c)が設けられて成り、前記可動部材(112,137,157,177)が、前記基端部(107a)よりも前記ペダル部(107c)側に寄った位置で前記アーム(107b)の中間部に連結されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項5】
前記クリック機構(128,149)が、前記可動部材(112,137)の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材(113,138)に軸支されるローラ(129,150)と、該ローラ(129,150)を前記可動部材(112,137)の当接面(112a,137a)に当接させる方向に付勢する付勢部材(130,153)とを備え、前記ローラ(129,150)が前記当接面(112a,137a)に押しつけられることで発生する抵抗力が前記可動部材(112,137)の移動に応じて変化するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項6】
前記可動部材(112)に該可動部材(112)の移動方向に長い長孔(117,118)が設けられ、前記長孔(117,118)の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材(112)の移動端を規制するようにして前記長孔(117,118)に挿通されるストッパ(119,120)が前記支持部材(113)に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項7】
前記操作ペダル(107)に連結される前記可動部材(157)が複数のリンク部材(161,162)を有するリンク機構(159)を介して前記支持部材(158)に支承され、この支持部材(158)の1箇所が、ピロボール(160)を介して前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支持されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項8】
摺動孔(179)を有する前記支持部材(178)の上端がピロボール(180)を介して前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支持され、前記操作ペダル(107)に連結されるタイロッドである前記可動部材(177)が前記摺動孔(179)に摺動可能に嵌合され、前記可動部材(177)の移動方向に長く延びて前記支持部材(178)に設けられる貫通孔(186)から突出する軸部(182)が前記可動部材(177)に設けられ、前記軸部(182)に連結される前記検出器(183)が前記支持部材(178)に取付けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項1】
変速のために乗員の足によって回動操作される操作ペダル(107)と、該操作ペダル(107)による変速操作を検出する検出器(126,148,168,183)とを備え、該検出器(126,148,168,183)の検出結果に基づいて変速機(50)を変速作動せしめるようにした鞍乗り型車両の変速制御装置において、前記操作ペダル(107)の回動操作に応じて直線的に移動する可動部材(112,137,157,177)を支持する支持部材(113,138,158,178)が、車体フレーム(F)もしくは該車体フレーム(F)に搭載されるエンジン本体(28)に前記可動部材(112,137,157,177)の移動方向への移動を規制されるようにして支持され、前記可動部材(112,137,157,177)の動作を検出する前記検出器(126,148,168,183)が前記支持部材(113,138,158,178)に取付けられ、前記支持部材(113,138,158,178)および前記可動部材(112,137,157,177)間に、前記操作ペダル(107)の操作にクリック感を付与するクリック機構(128,149,169,188)が設けられることを特徴とする鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項2】
車体フレーム(F)の一部を構成するフレーム部材(24)の延出方向に沿って配置される前記可動部材(112,137,157,177)が、前記フレーム部材(24)の延出方向に移動するようにして前記操作ペダル(107)に連動、連結されることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項3】
前記操作ペダル(107)が、非操作位置と、その非操作位置の上下両側に配置されるシフトアップ位置およびシフトダウン位置との間で上下方向に回動操作することを可能として、前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支承され、前記操作ペダル(107に連結される前記可動部材(112,137,157,177)が、操作ペダル(107)の上下方向回動操作に応じて上下に移動するようにして前記操作ペダル(107)の上方に配置されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項4】
前記操作ペダル(107)が、前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に基端部(107a)が回動可能に支承されるアーム(107b)の先端部に乗員が足の爪先をかけることを可能としたペダル部(107c)が設けられて成り、前記可動部材(112,137,157,177)が、前記基端部(107a)よりも前記ペダル部(107c)側に寄った位置で前記アーム(107b)の中間部に連結されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項5】
前記クリック機構(128,149)が、前記可動部材(112,137)の移動方向と直交する方向に移動することを可能として前記支持部材(113,138)に軸支されるローラ(129,150)と、該ローラ(129,150)を前記可動部材(112,137)の当接面(112a,137a)に当接させる方向に付勢する付勢部材(130,153)とを備え、前記ローラ(129,150)が前記当接面(112a,137a)に押しつけられることで発生する抵抗力が前記可動部材(112,137)の移動に応じて変化するように構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項6】
前記可動部材(112)に該可動部材(112)の移動方向に長い長孔(117,118)が設けられ、前記長孔(117,118)の長手方向両端縁部に当接することで前記可動部材(112)の移動端を規制するようにして前記長孔(117,118)に挿通されるストッパ(119,120)が前記支持部材(113)に設けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項7】
前記操作ペダル(107)に連結される前記可動部材(157)が複数のリンク部材(161,162)を有するリンク機構(159)を介して前記支持部材(158)に支承され、この支持部材(158)の1箇所が、ピロボール(160)を介して前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支持されることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【請求項8】
摺動孔(179)を有する前記支持部材(178)の上端がピロボール(180)を介して前記車体フレーム(F)もしくは前記エンジン本体(28)に支持され、前記操作ペダル(107)に連結されるタイロッドである前記可動部材(177)が前記摺動孔(179)に摺動可能に嵌合され、前記可動部材(177)の移動方向に長く延びて前記支持部材(178)に設けられる貫通孔(186)から突出する軸部(182)が前記可動部材(177)に設けられ、前記軸部(182)に連結される前記検出器(183)が前記支持部材(178)に取付けられることを特徴とする請求項1または2記載の鞍乗り型車両の変速制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−71654(P2013−71654A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−213041(P2011−213041)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]