説明

鞍型車両用シート

【課題】シートの弾力性を変更可能とし、様々な状況下において、または運転者等の好みに応じて乗り心地の良い鞍型車両を実現する。
【解決手段】シート11のシートボトム21においてクッションラバー25が取り付けられる部分に可調節通気孔30を形成し、クッションラバー25において、その上面と一方側面との間に大通路43を形成し、上面と他方側面との間に小通路を形成する。これにより、シート11の内部と外部との間で空気の流通が可能になる。図示のような取付方向でクッションラバー25をシートボトム21に取り付けた場合、可調節通気孔30と大通路43とが連通し、空気の流通量が多くなる。図示のように取り付られたクッションラバー25を取り外し、水平方向に180度回転させて再び取り付けると、可調節通気孔30と小通路とが連通し、空気の流通量が少なくなる。シート内外間の空気流通量を変えることでシートの弾力性が変わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動二輪車、自転車等の鞍型車両用のシートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば自動二輪車には、運転者、あるいは二人乗りの場合には運転者および同乗者が座する(跨る)ためのシートが設けられている。自動二輪車のシートは、下板に相当するシートボトム上にクッション材を設け、クッション材をシート表皮で覆うことにより形成されている。また、自動二輪車のシートは、シートボトムに設けられた係止部材等を介して自動二輪車の車両フレームに連結されたシートレールに取り付けられている。また、自動二輪車においてシートの下方には、例えばバッテリー等が収容されている。そのため、ユーザ等によりバッテリーの交換等を可能にするために、シートを、シートレールから取り外して自動二輪車から分離することができるようになっている。自動二輪車のシートについては、例えば下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−114147号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動二輪車のシートには、シートボトムに通気孔が形成されているものがある。運転者または同乗者がシートに座したとき、これによってシートに加わる荷重によりクッション材が潰れ、シート内、すなわちシート表皮とシートボトムとの間の空気が、シートボトムに形成された通気孔を介してシート外に流出する。また、自動二輪車の走行中に振動が生じたときには、運転者からシートに加わる荷重の大きさが振動に応じて増減するため、シートのクッション材はその荷重の増減に応じて収縮、復元を繰り返す。このようにクッション材が収縮・復元を繰り返す間、シートボトムに形成された通気孔を介してシート内とシート外との間で空気が流通する。このような通気孔を介しての空気の流通により、クッション材の変形を容易にし、シートに適切な弾力性を発揮させることができ、これにより、一般的には、運転者または同乗者にとっての自動二輪車の乗り心地を向上させることができる。
【0005】
しかしながら、シートのクッション材の変形の程度は、運転者等の体重、シートに座する者が1人か2人か、走行中に生じる振動の大きさ(例えば路面の状況)等の要因により変化する。このため、これらの要因によって、シートが適切な弾力性を発揮しなくなり、乗り心地が悪化してしまう場合がある。この場合、クッション材の交換によりシートの弾力性を変化させて乗り心地を改善することが可能であるが、これは手間がかかり現実的でない。また、シートボトムに形成された通気孔を介して流通する空気の量を調節することができれば、シートの弾力性を変化させて乗り心地を改善することが可能であるが、シートボトムに形成された通気孔の面積は不変である。このため、シートの弾力性を変化させて上記要因による乗り心地の悪化を改善することは容易でない。
【0006】
また、運転者等には、例えば硬い感触のシートを好む者もいれば、柔らかい感触のシートを好む者もいる。このため、運転者等の好みに応じてシートの弾力性を変化させることができれば、個々の運転者等ごとに乗り心地の良い自動二輪車を実現することができる。しかしながら、やはり、クッション材の交換は手間がかかり、また、通気孔の面積が不変であるため空気の流通量を調節することはできない。よって、シートの弾力性を変化させることができず、個々の運転者等ごとに乗り心地の良い自動二輪車を実現することは困難である。
【0007】
これらの問題は、自動二輪車だけでなく、自転車等の他の鞍型車両においても起こり得る。
【0008】
本発明は例えば上述したような問題に鑑みなされたものであり、シートの弾力性を変化させることができ、様々な状況下において、または運転者等の好みに応じて、乗り心地の良い鞍型車両を実現することができる鞍型車両用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の第1の鞍型車両用シートは、鞍型車両に設けられ、運転者または同乗者が座する鞍型車両用シートであって、鞍型車両に取り付けられる下板部と、前記下板部上に設けられたクッション材と、前記クッション材を覆うカバーと、前記下板部と前記カバーとにより包囲された空間の内部と当該空間の外部との間を連通し、前記空間の内部と外部との間で空気を流通させる流通機構と、前記流通機構を流通する空気の量を調節する調節機構とを備えていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の鞍型車両用シートによれば、調節機構によりシートの内部と外部との間を流通する空気の量を調節することができ、これによりシートの弾力性を変化させることができる。したがって、運転者または同乗者の体重、シートに座する者が1人が2人か、走行中に生じる振動の大きさ(例えば路面の状況)、運転者または同乗者の好み等に応じ、自動二輪車の乗り心地を良くすることができる。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第2の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第1の鞍型車両用シートにおいて、前記流通機構は、前記下板部に形成された通気孔であり、前記調節機構は、前記通気孔の一部を遮ることにより前記通気孔を流通する空気の量を制限する機構であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の鞍型車両用シートによれば、下板部に通気孔を形成し、この通気孔の一部を遮る調節機構を設けるといった簡単な構造で弾力性が変更可能なシートを実現することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の第3の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第2の鞍型車両用シートにおいて、前記調節機構は、前記下板部に取り付けられ、前記通気孔の開口部の一部を遮る遮蔽部材を備えていることを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の鞍型車両用シートによれば、下板部に上記遮蔽部材を取り付けるといった簡単な構造で弾力性が変更可能なシートを実現することができる。また、下板部の下面に上記遮蔽部材を取り付ける構造とすれば、ユーザは、鞍型車両からシートを取り外すことにより、下板部の下面に取り付けられた遮蔽部材に直接触れることが可能になる。そして、ユーザは、遮蔽部材の着脱、取付位置の変更、または取付方向の変更等を行い、遮蔽部材により通気孔の開口部を遮るか否かを容易に選択することが可能になり、または遮蔽部材により通気孔の開口部を遮る程度を容易に変更することが可能になる。この結果、ユーザによるシートの弾力性の変更作業が容易になる。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の第4の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第3の鞍型車両用シートにおいて、前記調節機構は、前記下板部に対して前記遮蔽部材を取り付ける位置または方向を変えることにより、前記通気孔の開口部を遮る程度を変化させることを特徴とする。
【0016】
本発明の第4の鞍型車両用シートによれば、ユーザは、遮蔽部材の取付位置または取付方向を変えるといった簡単な作業で、通気孔の開口部を遮る程度を変更することができ、シートの弾力性を変えることができる。
【0017】
上記課題を解決するために、本発明の第5の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第4の鞍型車両用シートにおいて、前記遮蔽部材には、溝または孔からなり前記通気孔の開口部から流出しまたは前記通気孔の開口部へ流入する空気を通過させる第1の通路と、溝または孔からなり前記通気孔の開口部から流出しまたは前記通気孔の開口部へ流入する空気を通過させる第2の通路とを備え、前記第1の通路と前記第2の通路とは通路面積が相互に異なり、前記下板部に対して前記遮蔽部材を取り付ける位置または方向を変えることにより、前記通気孔と接続される通路を前記第1の通路と前記第2の通路との間で切り替えることを特徴とする。
【0018】
本発明の第5の鞍型車両用シートにおいて、通気孔の開口部に対して遮蔽部材を取り付ける位置(方向)を第1の位置(第1の方向)としたとき、通気孔と第1の通路とが接続される。この場合、例えば第1の通路の通路面積が第2の通路の通路面積よりも大きいとすると、通気孔の開口部が遮蔽部材により遮られる程度が比較的に小さくなる。この結果、通気孔を介してシート内の空間の内部と外部との間を流通する空気の量が比較的多くなり、空気が流れ易くなるので、荷重に応じてシートが変形し易くなり、柔らかい感触の乗り心地になる。一方、通気孔の開口部に対して遮蔽部材を取り付ける位置(方向)を第2の位置(第2の方向)としたとき、通気孔と第2の通路とが接続される。この場合、例えば第2の通路の通路面積が第1の通路の通路面積よりも小さいとすると、通気孔の開口部が遮蔽部材により遮られる程度が比較的に大きくなる。この結果、通気孔を介してシート内の空間の内部と外部との間を流通する空気の量が比較的少なくなり、空気が流れ難くなるので、荷重に応じてシートが変形し難くなり、硬い感触の乗り心地になる。このように、遮蔽部材の取付位置または取付方向を切り替えるだけで、シートの弾力性を簡単に変更することができ、乗り心地を変化させることができる。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の第6の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第5の鞍型車両用シートにおいて、前記遮蔽部材は弾性材料により形成され、当該シートに加わる下方向の力により前記遮蔽部材が変形したとき、前記第1の通路または前記第2の通路の通路面積が縮小することを特徴とする。
【0020】
本発明の第6の鞍型車両用シートによれば、シートに下方向の力が加わって遮蔽部材が変形すると、通気孔に接続された第1の通路または第2の通路の通路面積が縮小するので、通気孔を介してシート内の空間の内部と外部との間を流通する空気の量が少なくなり、空気が流れ難くなり、シートの弾力性が変化する。これにより、運転者等がシートに座り込むに連れてシートの弾力性にこらえ感を生じさせることができ、乗り心地を向上させることができる。
【0021】
上記課題を解決するために、本発明の第7の鞍型車両用シートは、上述した本発明の第3ないし第6のいずれかの鞍型車両用シートにおいて、前記遮蔽部材は、前記鞍型車両上に前記下板部を支持するためのクッションラバーであることを特徴とする。
【0022】
本発明の第7の鞍型車両用シートによれば、遮蔽部材をクッションラバーにより実現することで、遮蔽部材を別途設ける必要がなくなる。これにより、シートの弾力性を変化させて乗り心地を向上させる構造を実現するに当たり、部品点数の増加を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、シートの弾力性を変化させることができ、様々な状況下において、または運転者等の好みに応じて、乗り心地の良い鞍型車両を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートが取り付けられた自動二輪車を示す説明図である。
【図2】側方から見た本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートを示す説明図である。
【図3】上方から見た本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートを示す説明図である。
【図4】下方から見た本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートを示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートの前後方向中間部におけるシートボトムの下面を拡大して示す説明図である。
【図6】図5に示すシートボトムの下面からミドルクッションラバーを取り外した状態を示す説明図である。
【図7】図3中の矢示VII−VII方向から見た本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートを示す断面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向から見た本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートの断面図である。
【図9】図8に示す本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートにおけるミドルクッションラバーの取付方向を変えた状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートにおけるミドルクッションラバーを示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施形態による鞍型車両用シートにおけるミドルクッションラバーを示す説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による鞍型車両用シートにおけるミドルクッションラバーを示す説明図である。
【図13】本発明の第4の実施形態による鞍型車両用シートにおける空気流量調節機構を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について図1ないし図10を参照しながら説明する。図1は鞍型車両の一具体例である自動二輪車を示している。図1に示す自動二輪車1において、車両フレーム2の主要部分に当たるメインフレーム3にはエンジンユニット4が設けられている。また、自動二輪車1の前側において、メインフレーム3にはステアリング軸を介してフロントフォーク5が連結され、フロントフォーク5の下端側には前輪6が設けられ、また、ステアリング軸の上側にはハンドル7が設けられている。一方、自動二輪車1の後ろ側においてメインフレーム3に連結されたスイングアーム8には後輪9が設けられている。さらに、メインフレーム3にはシートレール10が連結され、シートレール10は、自動二輪車1の前後方向中間部から後ろ側に向けて伸長している。そして、シートレール10上にはシート11が取り付けられている。また、シートレール10の左側および右側には車体カバー12(左側のみ図示)がそれぞれ取り付けられている。
【0027】
図2ないし図4はシート11を示している。図2において、シート11は、本発明の第1の実施形態による鞍型車両用シートの一具体例である。シート11は、その前部が運転者の座する座席となり、後部が同乗者の座する座席となる。シート11は、自動二輪車1に取り付けられる下板部としてのシートボトム21と、シートボトム21上に設けられたクッション材としてのシートクッション22(図7参照)と、シートクッション22を覆うカバーとしてのシート表皮23とを備えている。
【0028】
シートボトム21は、図4に示すように、例えば樹脂材料により板状に形成され、シート11に座する運転者等を支持し、その着座姿勢を安定させることができる程度の剛性を有している。シートクッション22は、例えば発泡ウレタン等の弾性材料により板状に形成され、シート11に適切な弾力性を与えることができる程度の厚さを有している。シート表皮23は、例えば合成皮革により形成され、図3に示すように、シートクッション22において、シートボトム21と面している面を除くすべての面を覆っている。また、シート表皮23は、例えばシート11が雨に曝されても雨水によりシートクッション22が濡れてしまうことがないように、水の浸透を防止し得る材料により形成されている。
【0029】
また、図4に示すように、シートボトム21には、シート11(シートボトム21)をシートレール10上に弾性力を持って支持するための一対のミドルクッションラバー25および一対のフロントクッションラバー26が取り付けられている。一対のミドルクッションラバー25は、シート11の前後方向中間部において、シートボトム21の下面に左右方向に離間して配置されている。また、各ミドルクッションラバー25は、シートボトム21の下面から下方向に突出し、その突出端面(図10中の下面25B)は、シートレール10またはシートレール10に取り付けられたシート載置部(図示せず)と接触する。一方、一対のフロントクッションラバー26は、シート11の前部において、シートボトム21の下面上に配置されている。また、シートボトム21の下面には、シート11をシートレール10に着脱可能に取り付けるためのフロント係止部27およびリア係止部28が固定されている。
【0030】
さらに、シートボトム21には、複数(例えば4つ)の非調節通気孔29が形成されている。各非調節通気孔29は、シートボトム21とシート表皮23とにより包囲された空間、すなわちシートクッション22が収容された空間(以下、これを「シート内空間」という。)の内部と外部との間を連通し、シート内空間の内部と外部との間で空気を流通させる。各非調節通気孔29は、シートボトム21の前後方向中間部に配置され、シートボトム21を貫通している。また、各非調節通気孔29の開口面積は例えば150平方ミリメートル程度である。
【0031】
図5は、シート11の前後方向中間部におけるシートボトム21の下面を拡大して示している。図6は、図5に示すシートボトム21の下面からミドルクッションラバー25を取り外した状態を示している。図6に示すように、シートボトム21には一対の可調節通気孔30が形成されている。各可調節通気孔30は、シート内空間の内部と外部との間を連通し、シート内空間の内部と外部との間で空気を流通させる流通機構として機能する。一対の可調節通気孔30は、シートボトム21の前後方向中間部において、左右方向に離間して配置され、シートボトム21をそれぞれ貫通している。また、各可調節通気孔30の開口面積は例えば100平方ミリメートル程度である。
【0032】
また、シートボトム21の下面において、各可調節通気孔30の開口部の位置は、ミドルクッションラバー25が取り付けられる位置とほぼ一致している。この結果、図5に示すように、各可調節通気孔30上にミドルクッションラバー25が配置される。なお、各可調節通気孔30はミドルクッションラバー25によって閉塞されない。後述するように、各ミドルクッションラバー25には大通路43および小通路44が形成されており、シート内空間の内部と外部は、各可調節通気孔30と、各ミドルクッションラバー25に形成された大通路43(または小通路44)とを介して連通する。これにより、シート内空間の内部と外部との間における各可調節通気孔30を介しての空気の流通は確保される。また、シートボトム21には、ミドルクッションラバー25を取り付けるための係合孔31が形成されている。
【0033】
図7ないし図9はミドルクッションラバー25がシートボトム21に取り付けられた状態を示し、図10はミドルクッションラバー25の詳細な構造を示す。図10中の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)はそれぞれ、ミドルクッションラバー25についての外観斜視図、上方向から見た図、左右方向一方から見た図、左右方向他方から見た図、矢示X−X方向から見た断面図である。
【0034】
各ミドルクッションラバー25は、シート11(シートボトム21)をシートレール10上に弾性力を持って支持するクッションラバー本来の機能に加え、可調節通気孔30の開口部の一部を遮ることにより可調節通気孔30を流通する空気の量を調節する調節機構としての機能を有している。図10に示すように、各ミドルクッションラバー25はゴム等の弾性材料により略直方体状に形成されている。各ミドルクッションラバー25の上面25Aはシートボトム21の下面に接触し、下面25Bはシートレール10またはシートレール10に取り付けられたシート載置部と接触する。
【0035】
各ミドルクッションラバー25の上面25Aには一対の係合部42が形成されている。各係合部42は上面25Aから上方向に突出している。各係合部42は、図7に示すように、シートボトム21に形成された係合孔31に係合する。各係合部42と各係合孔31の係合により、ミドルクッションラバー25はシートボトム21に取り付けられて固定され、ミドルクッションラバー25を弱い力で引っ張ってもミドルクッションラバー25をシートボトム21から取り外すことができない。しかしながら、ミドルクッションラバー25をある程度強い力で引っ張って各係合部42を弾性変形させることによりミドルクッションラバー25をシートボトム21から取り外すことができる。
【0036】
また、図10に示すように、一対の係合部42はミドルクッションラバー25の上面25Aの中心点を基準に点対称となるように配置されている。この結果、ミドルクッションラバー25は、左右方向一方の側面25Cが左側に向き、左右方向他方の側面25Dが右側に向くようにシートボトム21に取り付けることができ、また、左右方向一方の側面25Cが右側に向き、左右方向他方の側面25Dが左側に向くようにシートボトム21に取り付けることもできる。すなわち、ミドルクッションラバー25を水平方向に180度回転させ、その取付方向を変えることができる。
【0037】
各ミドルクッションラバー25においてその上面25Aと左右方向一方の側面25Cとが接する部分には大通路43が形成されている。大通路43は、上面25Aと側面25Cとが接する部分に形成された溝により構成されている。一方、各ミドルクッションラバー25においてその上面25Aと左右方向他方の側面25Dとが接する部分には小通路44が形成されている。小通路44は、上面25Aと側面25Dとが接する部分に形成された溝により構成されている。大通路43および小通路44はいずれも、可調節通気孔30の開口部から流出しまたは可調節通気孔30の開口部へ流入する空気を通過させる通路である。大通路43と小通路44とは通路面積が相互に異なる。すなわち、各ミドルクッションラバー25において、上面25Aと左右方向一方の側面25Cとが接する部分に形成された溝は、上面25Aと左右方向他方の側面25Dとが接する部分に形成された溝よりも大きく、この結果、大通路43の通路面積は小通路44の通路面積よりも大きい。
【0038】
図8に示すように、ミドルクッションラバー25を、左右方向一方の側面25Cが左側に向き、左右方向他方の側面25Dが右側に向く取付方向(以下、これを「第1の取付方向」という。)でシートボトム21に取り付けたとき、ミドルクッションラバー25の大通路43が可調節通気孔30と連通する。なお、このとき小通路44は可調節通気孔30と連通しない。これにより、シートボトム21とシート表皮23との間のシート内空間の内部と外部との間が、可調節通気孔30および大通路43を介して連通する。この結果、シート内空間の内部と外部との間で空気の流通が可能になる。ここで、大通路43の通路面積は小通路44の通路面積よりも大きいので、ミドルクッションラバー25をこのように第1の取付方向に取り付けた場合、可調節通気孔30の開口部がミドルクッションラバー25により遮られる程度が比較的小さい。具体的には、可調節通気孔30の開口部はミドルクッションラバー25により全くまたはほとんど遮られない。これにより、可調節通気孔30を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が比較的多くなり、可調節通気孔30を介してシート内空間の内部と外部との間で空気が流通し易くなる。この結果、シート11の弾力性が、運転者または同乗者に柔らかい感触を与えるような弾力性となる。
【0039】
一方、図9に示すように、ミドルクッションラバー25を、左右方向一方の側面25Cが右側に向き、左右方向他方の側面25Dが左側に向く取付方向(以下、これを「第2の取付方向」という。)でシートボトム21に取り付けたとき、ミドルクッションラバー25の小通路44が可調節通気孔30と連通する。なお、このとき大通路43は可調節通気孔30と連通しない。これにより、シート内空間の内部と外部との間が、可調節通気孔30および小通路44を介して連通する。この結果、シート内空間の内部と外部との間で空気の流通が可能になる。ここで、小通路44の通路面積は大通路43の通路面積よりも小さいので、ミドルクッションラバー25をこのように第2の取付方向に取り付けた場合、可調節通気孔30の開口部がミドルクッションラバー25により遮られる程度が比較的大きい。具体的には、可調節通気孔30の開口面積のうちの例えば75パーセント程度がミドルクッションラバー25により遮られる。この結果、可調節通気孔30を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が比較的少なくなり、可調節通気孔30を介してシート内空間の内部と外部との間で空気が流通し難くなる。この結果、シート11の弾力性が、運転者または同乗者に硬い感触を与えるような弾力性となる。
【0040】
以上説明した通り、本発明の実施形態によるシート11によれば、各ミドルクッションラバー25の取付方向を、図8に示す第1の取付方向と、図9に示す第2の取付方向との間で切り替えることにより、シート内空間の内部と外部との間を流通する空気の量を調節することができ、シート11の弾力性を変化させることができる。これにより、運転者または同乗者の体重、シート11に座する者が1人が2人か、走行中に生じる振動の大きさ(例えば路面の状況)、運転者または同乗者の好み等に応じて各ミドルクッションラバー25の取付方向を切り替えることで、シート11の弾力性をこれらの要因ないし状況に応じた適切なものとすることができる。したがって、種々の要因ないし状況に応じて自動二輪車1の良好な乗り心地を実現することができる。
【0041】
また、シート11によれば、ユーザ(運転者、同乗者等)は、ミドルクッションラバー25の取付方向を変えるだけでシート11の弾力性の変更を簡単に行うことができる。
【0042】
また、シート11によれば、各ミドルクッションラバー25に形成された大通路43および小通路44を選択的に可調節通気孔30に連通させることで、可調節通気孔30を流通する空気の量を変化させる構成としたので、種々の状況に応じた良好な乗り心地を、簡単な構造により実現することができる。さらに、可調節通気孔30を流通する空気の量を変化させる構造を各ミドルクッションラバー25に形成したので、可調節通気孔30を流通する空気の量を変化させる部品を別途追加する必要がない。したがって、部品点数の増加を防止することができ、シート11ないし自動二輪車1の低コスト化を図ることができる。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照しながら説明する。本発明の第2の実施形態の特徴は、ミドルクッションラバーに複数の貫通孔を形成することにより大通路および小通路を構成した点にある。なお、図11中の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)はそれぞれ、本発明の第2の実施形態によるシートにおけるミドルクッションラバーについての外観斜視図、上方向から見た図、左右方向一方から見た図、左右方向他方から見た図、矢示XI−XI方向から見た断面図である。
【0044】
図11において、本発明の第2の実施形態によるシートにおけるミドルクッションラバー51は、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、シート(シートボトム)をシートレール上に弾性力を持って支持する機能と、可調節通気孔の開口部の一部を遮ることにより可調節通気孔を流通する空気の量を調節する調節機構としての機能とを兼ね備えている。また、ミドルクッションラバー51は、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ゴム等の弾性材料により略直方体状に形成され、上面51Aがシートボトムの下面に接触し、下面51Bがシートレール等に接触し、上面51Aには一対の係合部52が設けられている。
【0045】
また、ミドルクッションラバー51において、その上面51Aと左右方向一方の側面51Cとの間には大通路53が形成されている。大通路53は、上面51Aと側面51Cとの間をそれぞれ貫通する3つの貫通孔55により構成されている。一方、ミドルクッションラバー51の上面51Aと左右方向他方の側面51Dとの間には小通路54が形成されている。小通路54は、上面51Aと側面51Dとの間を貫通する1つの貫通孔55により構成されている。
【0046】
第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ミドルクッションラバー51を第1の取付方向となるようにシートボトムに取り付けた場合には、上面51Aと側面51Cとの間を貫通する3つの貫通孔55のそれぞれが可調節通気孔に連通する。この場合、ミドルクッションラバー51により可調節通気孔の開口部が遮られる程度が比較的小さい。したがって、可調節通気孔を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が多くなり、両者間を空気が流通し易くなる。この結果、シートの弾力性が、運転者または同乗者に柔らかい感触を与えるような弾力性となる。
【0047】
一方、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ミドルクッションラバー51を第2の取付方向となるようにシートボトムに取り付けた場合には、上面51Aと側面51Dとの間を貫通する1つの貫通孔55が可調節通気孔に連通する。この場合、ミドルクッションラバー51により可調節通気孔の開口部が遮られる程度が比較的大きい。したがって、可調節通気孔を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が少なくなり、両者間を空気が流通し難くなる。この結果、シートの弾力性が、運転者または同乗者に硬い感触を与えるような弾力性となる。
【0048】
このような構成を有する本発明の第2の実施形態によるシートによっても、上記本発明の第1の実施形態によるシート11と同様の作用効果を得ることができる。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について図12を参照しながら説明する。本発明の第3の実施形態の特徴は、シートに加わる下方向の力によりミドルクッションラバーが変形したときに大通路および小通路の通路面積が縮小する構造とした点にある。なお、図12中の(1)、(2)、(3)、(4)、(5)はそれぞれ、本発明の第3の実施形態によるシートにおけるミドルクッションラバーについての外観斜視図、上方向から見た図、左右方向一方から見た図、左右方向他方から見た図、矢示XII−XII方向から見た断面図である。また、図12中の(6)は、当該ミドルクッションラバーが変形し、大通路および小通路の通路面積が縮小した状態を示している。
【0050】
図12において、本発明の第3の実施形態によるシートにおけるミドルクッションラバー61は、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、シート(シートボトム)をシートレール上に弾性力を持って支持する機能と、可調節通気孔の開口部の一部を遮ることにより可調節通気孔を流通する空気の量を調節する調節機構としての機能とを兼ね備えている。また、ミドルクッションラバー61は、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ゴム等の弾性材料により略直方体状に形成され、上面61Aがシートボトムに接触し、下面61Bがシートレール等に接触し、上面61Aには一対の係合部62が設けられている。
【0051】
また、ミドルクッションラバー61において、その上面61Aと左右方向一方の側面61Cとの間には大通路63が形成されている。大通路63は、上面61Aと側面61Cとの間を貫通する貫通孔により構成され、当該貫通孔の横断面形状は前後方向に長い略楕円形である。一方、ミドルクッションラバー61の上面61Aと左右方向他方の側面61Dとの間には小通路64が形成されている。小通路64は、上面61Aと側面61Dとの間を貫通する貫通孔により構成され、当該貫通孔の横断面形状は前後方向に長い略楕円形である。また、大通路63の通路面積は小通路64の通路面積よりも大きい。
【0052】
第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ミドルクッションラバー61を第1の取付方向となるようにシートボトムに取り付けた場合には、大通路63が可調節通気孔に連通する。この場合、ミドルクッションラバー61により可調節通気孔の開口部が遮られる程度が比較的小さい。したがって、可調節通気孔を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が多くなり、両者間を空気が流通し易くなる。この結果、シートの弾力性が、運転者または同乗者に柔らかい感触を与えるような弾力性となる。
【0053】
一方、第1の実施形態におけるミドルクッションラバー25と同様に、ミドルクッションラバー61を第2の取付方向となるようにシートボトムに取り付けた場合には、小通路64が可調節通気孔に連通する。この場合、ミドルクッションラバー61により可調節通気孔の開口部が遮られる程度が比較的大きい。したがって、可調節通気孔を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量が少なくなり、両者間を空気が流通し難くなる。この結果、シートの弾力性が、運転者または同乗者に硬い感触を与えるような弾力性となる。
【0054】
また、シートに下方向の力が加わってミドルクッションラバー61が押し潰されて変形すると、図12(6)に示すように、大通路63(小通路64)も押し潰され、大通路63(小通路64)において側面61C(61D)側の開口部63A(64A)の開口面積または当該開口部63A(64A)に近い部分の通路面積が縮小する。この結果、可調節通気孔を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の量が減少し、空気が流れ難くなり、シートの弾力性が変化する。これにより、運転者等がシートに座り込むに連れてシートの弾力性にこらえ感(シートに加わる荷重が増すに連れてシートの硬さが増す感触)を生じさせることができ、乗り心地を向上させることができる。
【0055】
このような構成を有する本発明の第3の実施形態によるシートによれば、上記本発明の第1の実施形態によるシート11によって得られる作用効果に加え、こらえ感を生じさせることによる乗り心地のさらなる向上を図ることができる。
【0056】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について図13を参照しながら説明する。ここでは、可調節通気孔を流通する空気の量を調節する調節機構の他の具体例をあげる。なお、図13中の(1)は本発明の第4の実施形態によるシートの断面図であり、図13中の(2)は矢示XIII−XIII方向から見た空気流量調節機構の断面図である。
【0057】
図13に示すように、本発明の第4の実施形態によるシート71におけるシートボトム72には、シートクッション73が収容されたシート内空間の内部と外部との間を連通する可調節通気孔74が形成されている。本実施形態によける可調節通気孔74は、上述した第1ないし第3の実施形態の場合と異なり、ミドルクッションラバーが配置される場所とは異なる場所(例えば一対のミドルクッションラバーの間等)に配置されている。
【0058】
そして、シートボトム72の下面において、可調節通気孔74が開口している部分には、空気流量調節機構81が設けられている。空気流量調節機構81の本体82の中央には、上側が開口して可調節通気孔74と連通し、下側が閉塞された共通通路83が形成されている。また、本体82の周部には、水平方向において放射状に伸長し、内周側が共通通路83に連通し、外周側が本体82の外周面に開口した4つの選択通路84、85、86、87が形成されている。選択通路84、85、86、87は通路面積がそれぞれ異なる。また、本体82の外周側には、円筒状の調節部材88が本体82に対して回転可能に取り付けられ、本体82の外周面を覆っている。さらに、調節部材88には流通孔89が形成されている。
【0059】
調節部材88を回転させ、流通孔89を、選択通路84、85、86、87のいずれかの外周側の開口部に一致させると、流通孔89が一致しているいずれかの選択通路84、85、86、87と流通孔89を介して可調節通気孔74が外部と連通し、この結果、シート内空間の内部と外部とが可調節通気孔74を介して連通する。選択通路84、85、86、87はそれぞれ通路面積が異なるので、流通孔89をどの選択通路84、85、86、87に一致させるかによって実質的に見て可調節通気孔74の開口部を遮る程度を変更することができ、可調節通気孔74を介してシート内空間の内部と外部との間を流通する空気の単位時間当たりの量を変化させることができる。
【0060】
このような構成を有する本発明の第4の実施形態によるシート71によっても、シート71の弾力性を変化させて、様々な状況下に応じて良好な乗り心地を実現することができる。
【0061】
なお、可調節通気孔を流通する空気の量を変化させる調節機構として他に次のようなものを採用することができる。例えば、可調節通気孔の開口部の一部を遮るスライド式のシャッターを設けてもよい。また、通路が形成されていないクッションラバーをシャッターの如く用い、クッションラバーの取付位置を水平方向に移動させることで可調節通気孔の開口部を遮る量を変化させてもよい。また、可調節通気孔の一部を遮る機構をシートの内部に設け、当該機構を動かすレバー等をシートボトムの下面等に配設する構成も可能である。
【0062】
また、可調節通気孔の個数は、シートの弾力性の調節範囲等を考慮して1個または3個以上としてもよい。また、シートボトムにおいて可調節通気孔を形成する位置は、シートの弾力性の設定・変更を実現するのに適切か否か等を考慮して、シートの中間、前側、後ろ側など適宜選択することができる。
【0063】
さらに、本発明は、運転者の座席と同乗者の座席(後部座席)とが分離したタイプのシートにも適用することができる。また、本発明は、自動二輪車のシートに限らず、自転車、三輪車等のシートにも適用することができる。
【0064】
また、本発明は、請求の範囲および明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨または思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う鞍型車両用シートもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 自動二輪車(鞍型車両)
10 シートレール
11、71 シート(鞍型車両用シート)
21、72 シートボトム(下板部)
22、73 シートクッション(クッション材)
23 シート表皮(カバー)
25、51、61 ミドルクッションラバー(調節機構、遮蔽部材)
30、74 可調節通気孔(流通機構、通気孔)
43、53、63 大通路
44、54、64 小通路
81 空気流量調節機構
83 共通通路
84、85、86、87 選択通路
88 調節部材
89 流通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞍型車両に設けられ、運転者または同乗者が座する鞍型車両用シートであって、
鞍型車両に取り付けられる下板部と、
前記下板部上に設けられたクッション材と、
前記クッション材を覆うカバーと、
前記下板部と前記カバーとにより包囲された空間の内部と当該空間の外部との間を連通し、前記空間の内部と外部との間で空気を流通させる流通機構と、
前記流通機構を流通する空気の量を調節する調節機構とを備えていることを特徴とする鞍型車両用シート。
【請求項2】
前記流通機構は、前記下板部に形成された通気孔であり、
前記調節機構は、前記通気孔の一部を遮ることにより前記通気孔を流通する空気の量を制限する機構であることを特徴とする請求項1に記載の鞍型車両用シート。
【請求項3】
前記調節機構は、前記下板部に取り付けられ前記通気孔の開口部の一部を遮る遮蔽部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の鞍型車両用シート。
【請求項4】
前記調節機構は、前記下板部に対して前記遮蔽部材を取り付ける位置または方向を変えることにより、前記通気孔の開口部を遮る程度を変化させることを特徴とする請求項3に記載の鞍型車両用シート。
【請求項5】
前記遮蔽部材には、溝または孔からなり前記通気孔の開口部から流出しまたは前記通気孔の開口部へ流入する空気を通過させる第1の通路と、溝または孔からなり前記通気孔の開口部から流出しまたは前記通気孔の開口部へ流入する空気を通過させる第2の通路とを備え、前記第1の通路と前記第2の通路とは通路面積が相互に異なり、前記下板部に対して前記遮蔽部材を取り付ける位置または方向を変えることにより、前記通気孔と接続される通路を前記第1の通路と前記第2の通路との間で切り替えることを特徴とする請求項4に記載の鞍型車両用シート。
【請求項6】
前記遮蔽部材は弾性材料により形成され、当該シートに加わる下方向の力により前記遮蔽部材が変形したとき、前記第1の通路または前記第2の通路の通路面積が縮小することを特徴とする請求項5に記載の鞍型車両用シート。
【請求項7】
前記遮蔽部材は、前記鞍型車両上に前記下板部を支持するためのクッションラバーであることを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載の鞍型車両用シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−112291(P2013−112291A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262641(P2011−262641)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)