説明

音場伝達システム、雰囲気伝達システムおよびこれらに使用される再生装置

【課題】遠隔地の生活感・雰囲気を伝達することのできる音場伝達システムを提供する。
【解決手段】部屋の複数の場所にそれぞれ設置される複数の音場収音用マイク備えた収音装置と、利用者が両手で支持可能な大きさの枠体、枠体に張設されたフィルム、フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカ、および、枠体に内蔵または固定されたアクチュエータを備えた再生装置と、収音装置が収音した音声信号を再生装置へ伝送する伝送手段と、を有する音場伝達システムであって、再生装置は、収音装置の複数の音場収音用マイクが収音した音声信号を複数のスピーカで再生するとともに、複数の音場収音用マイクのうち全部または一部のマイクが収音した音声信号のうち低音域の信号でアクチュエータを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ある部屋における雰囲気を遠隔地に伝達する音場伝達システム、雰囲気伝達システムおよびこれらに使用される再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
互いに離れた人と人とが連絡し合うためのテレコミュニケーション手段が普及している。その代表的なものは携帯電話を含む電話である。電話のシステムは、音声周波数帯域の信号を相互に伝送して、互いに離れた人と人とが音声通話を行うことを可能にしたシステムである。すなわち、電話システムは、互いに離れた2人が通話する意図を持って会話するためのシステムである(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
その一方で、人の生活において、その生活のために他者に意思を伝達することを目的としないで発生させる音や振動がある。通常は振動や無用な音声は近隣や階下に対する迷惑要因となり苦情の原因となるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−20189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
その一方で、人の生活感やその場の雰囲気を遠隔に知らせることが望まれる場面もある。たとえば、独居老人の家とその子供家族の家で互いに生活の雰囲気を伝え会うことにより、子供家族の家では、親の無事を確認できたり、親は子供家族の雰囲気を感じることで孤独感を紛らわせたりすることができるなどである。このような雰囲気を伝達することは、電話などの意図を持って通話するコミュニケーションシステムでは困難であった。
【0006】
この発明は、遠隔地の生活感・雰囲気を伝達することのできる音場伝達システム、雰囲気伝達システムおよび再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、部屋の1または複数の場所に設置される1または複数の音場収音用マイク備えた収音装置と、利用者が両手で支持可能な大きさの枠体、該枠体に張設されたフィルム、該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカ、および、前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータを備えた再生装置と、前記収音装置が収音した音声信号を前記再生装置へ伝送する伝送手段と、を有する音場伝達システムであって、
前記再生装置は、前記収音装置の前記1または複数の音場収音用マイクが収音した音声信号を前記複数のスピーカで再生するとともに、前記1または複数の音場収音用マイクが収音した音声信号のうち低音域の信号で前記アクチュエータを駆動することを特徴とする。
【0008】
上記発明において、収音装置の音場収音用マイクは、たとえば部屋の四隅に設置される。この四隅で収音した音声が再生装置の枠体に張られたフィルムの四隅で再生されることにより、枠体内で部屋の音場を再生することができる。この場合、両手で持てる程度の大きさのフィルムや圧電スピーカでは、音場(特に低音部)の再現が十分でないため、低音域の信号でアクチュエータを振動させる。これにより枠体が振動し、枠体を手に持っているユーザは振動によって低音を感じることができ、枠体内部に広がる部屋の音声と枠体の振動で、枠体という小さい空間(平面)を介して遠隔の部屋の音場を感じることが可能になる。
【0009】
請求項2の発明である音場伝達システム用再生装置は、利用者が両手で支持可能な大きさの枠体と、該枠体に張設されたフィルムと、該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカと、前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明である雰囲気伝達システムは、部屋内で発生する低周波音および振動の一方または両方を収集する収集装置と、前記収集装置が収集した低周波音および/または振動を再生する再生装置と、前記収集装置が収集した低周波音および/または振動を前記再生装置へ伝送する伝送手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上記発明において、収集装置は、人間の発話音声帯域を含まない低周波音(たとえば100Hz以下)を収集して(または発話音声帯域をカットして)再生装置に伝達する。また、壁や床に生じる振動を検出して再生装置に伝達する。これら低周波音や振動は、そこに居る人が、そこで生活するために、他者に意思を伝達することを目的としないで発生させた音または振動である。この低周波音または振動を他の場所に伝達して再生することにより、収集装置が設置された場所Sの雰囲気を再生装置が設置された場所Gで再現することができ、場所Sにおける人の存在や無事を場所Gで確認したり、場所Gで生活する人が場所Sの雰囲気を感じることで安心したり、孤独感を紛らわせたりすることができる。
【0012】
請求項4の発明である雰囲気伝達システム用の再生装置は、利用者が両手で支持可能な大きさの枠体と、該枠体に張設されたフィルムと、該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカと、前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータと、を備え、前記低周波音を前記スピーカおよびアクチュエータで再生し、前記振動を前記アクチュエータで再生することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、人の生活感やその場の雰囲気を遠隔地に伝達することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施形態である雰囲気伝達システムの構成図
【図2】同雰囲気伝達システムの収集装置のコントローラのブロック図
【図3】同雰囲気伝達システムの再生装置の構成図
【図4】同再生装置の使用形態の例を示す図
【図5】同再生装置のコントローラのブロック図
【図6】前記雰囲気伝達システムの再生装置の他の実施形態(据置型)を示す図
【図7】前記雰囲気伝達システムの再生装置の他の実施形態(建付型)を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照してこの発明の実施形態である雰囲気伝達システムおよび雰囲気再生装置について説明する。ここで、この実施形態において、雰囲気とは、特定の部屋Sにおける人の気配や存在感を言う。この実施形態では、部屋Sで発生する音声(特に低周波音)や壁や床に生じる振動を、雰囲気を表す主たる要素と見なしている。なお、低周波音はたとえば100Hz以下の音声である。なぜならば、これら低周波音や振動は、上記部屋Sで居る人物Tが、そこで生活するために、他者に意思を伝達することを目的としないで発生させる音(生活音)または振動であり、人物Tの気配や存在感をよく表す物理要素だからである。また、上記部屋Sの空間における可聴周波数帯域の音声の広がりを音場と呼び、この実施形態においては、音場も部屋Sの雰囲気を表す重要な要素と見なしている。
【0016】
図1は、雰囲気伝達システムの構成を示す図である。雰囲気伝達システム1は、収集装置2、再生装置3および伝送手段であるインターネット4を有している。
収集装置2は、発話収音マイク11(11L,11R)、音場収音マイク12(12A,B,C,D)、振動センサ13およびコントローラ10を備えている。発話収音マイク11L,11Rは、人間の発話音声周波数に感度を有するマイクであり、互いの間隔がほぼ人間の両耳の間隔になるように設置されており、バイノーラル録音に近い条件で人物Tが発する発話音声を収音する。発話収音マイク11は、部屋Sの特定の場所に設置されるか、または、人物Tが手に取る機器の正面に設置される。
【0017】
また、音場収音マイク12は、超低周波(10Hz程度)から人間の発話音声周波数帯域までの感度を有するマイクであり、部屋Sの各部に設置される。この実施形態では、音場収音マイク12A,B,C,Dが、部屋Sの四隅に設置されている。これら音場収音マイク12A,B,C,Dにより、部屋Sにおける音声の広がり(音場)を検出することができる。音場収音マイク12の設置場所は、部屋の四隅に限定されない。また、音場収音ンマイク12は1つであってもよい。音場収音マイク12を図3〜5に示す再生装置3のスピーカ25の個数よりも少ない個数(1を含む)だけ備えている場合には、再生装置3側でスピーカの25の個数分に信号を分配すればよい。分配方法としてはたとえば疑似ステレオ方式等がある。
振動センサ13は、部屋Sの床または柱に貼り付けて設置され、部屋Sで発生する、または、部屋Sに伝わる振動を検出する。振動としては、たとえば階段を昇降したり廊下を歩いたりするときの足音やドアを開閉する音などである。
【0018】
これら発話収音マイク11、音場収音マイク12および振動センサ13が収音・検出した信号は、コントローラ10に入力される。図2にコントローラ10のブロック図を示す。コントローラは、ローパスフィルタ(LPF)14A,B,C,D、エンコーダ15およびインターネット通信部16を備えている。発話収音マイク11、音場収音マイク12および振動センサ13が収音・検出した信号は、エンコーダ15によって圧縮エンコードされインターネット通信部16によって信号パケットとして再生装置3に向けて送信される。音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号は、エンコーダ15に入力される前にLPF14A,B,C,Dによって低周波数音(100Hz以下)の成分が取り出され、それより高い周波数成分がカットされる。これは人間の会話やテレビ・ラジオの音声をカットして生活音のみを取り出すためである。
【0019】
なお、LPF14A,B,C,Dは必須ではなく、発話音声の周波数成分も音場の一部として出力してもよい。なお音場を検出することが目的であれば発話収音マイク11L,R、振動センサ13も必須ではない。LPF14、発話収音マイク11、振動センサ13はそれぞれオプションであるから、それぞれ自由に組み合わせて収集装置2を構成すればよい。また、後述の再生装置3も収集装置2の構成に合わせて動作させればよい。なお、発話音声周波数帯域をカットして低周波数音のみを伝送し、会話音声を伝しないようにすれば、プライバシーを維持しつつ雰囲気・存在感を伝えることができる。
【0020】
再生装置3は、上記部屋Sと異なる場所の部屋Gに設置され、収集装置2から送られてきた信号パケットを受信して、部屋Sの雰囲気を再現する装置である。
【0021】
図3は再生装置3の構成例を示す図である。また、図4は、再生装置3のユーザによる使用形態の例を示す図である。この再生装置3は、ハンドヘルドまたは立て掛け型の端末装置である。再生装置3は、本体21とコントローラ22からなっている。本体21は両手で持てる程度の大きさであり、図4に示すようにユーザFが両手100L,Rで持つか、または、壁やスタンドに立て掛けて使用される。本体21は、長方形の枠体23、枠体23の内部に張られたフィルム24、フィルム24の四隅に貼り付けられた4つの圧電スピーカ25A,B,C,D、枠体23の左右の枠に内蔵された電磁アクチュエータ26を有している。電磁アクチュエータ26は、ボイスコイル程度の応答特性を有しソレノイド程度の駆動力を持つものが好適である。
【0022】
なお、この実施形態では、電磁アクチュエータ26を枠体23の左右にそれぞれ1つずつ2つ設けているが、1つでもよく個数に限定はない。また、フィルム24の四隅に設けられるスピーカ25は圧電スピーカに限定されない。さらに、コントローラ22は本体21に内蔵されていてもよい。
【0023】
収集装置2から送られてくる信号のうち、発話収音マイク11で収音された音声信号は圧電スピーカ25で再生され、音場収音マイク12で収音された音声信号は圧電スピーカ25および電磁アクチュエータ26で再生され、振動センサ13で検出された振動は電磁アクチュエータ26で再生される。
【0024】
図5は再生装置3のコントローラ22のブロック図である。コントローラ22は、インターネット通信部110、デコーダ111、加算器112A,B,C,D、ローパスフィルタ(LPF)113A,B,C,Dおよび加算器114を有している。インターネット4に接続されるインターネット通信部110は収集装置2から送られてくる信号パケットを受信する。インターネット通信部110は受信した信号パケットをデコーダ111に入力する。デコーダ115は、入力された信号パケットの圧縮を解除し、発話収音マイク11L,Rが収音した音声信号、音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号および振動センサ13が検出した振動信号の7つのビットストリームに変換して出力する。
【0025】
音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号は、加算器112A,B,C,Dを介して圧電スピーカ25A,B,C,Dに入力され放音される。これにより、部屋Sの四隅に設置された音場収音マイク12A,B,C,Dで収音された音の広がりが再生装置3のフィルム24上に縮小して再現され、これを操作するユーザFに対して部屋Sの雰囲気を感じさせることができる。また、音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号は、LPF113A,B,C,Dにも入力される。LPF113A,B,C,Dは、音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号のうち低周波音(約100Hz以下)を取り出すフィルタである。取り出された低周波音の信号は加算器114で加算され、電磁アクチュエータ26に入力される。これにより、圧電スピーカ25で再生が困難な低周波音は電磁アクチュエータ26によって振動として枠体23を揺らせ、ユーザFに対して振動として、手100などを介して低周波音を感じさせることができる。
【0026】
なお、図5のブロック図では、LPF113A,B,C,Dから取り出した低周波音を一括して加算して電磁アクチュエータ26に入力しているが、左右の電磁アクチュエータ26に対して、それぞれLPF113A,Bから取り出した低周波音、LPF113C,Dから取り出した低周波音を別々に入力するようにしてもよい。また、音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号のうち一部のみをLPF113を介して電磁アクチュエータに供給するようにしてもよい。
【0027】
また、振動センサ13によって検出された振動信号も加算器114を介して電磁アクチュエータ26に入力される。これにより、部屋Sに生じる振動を再生装置3において再現することができる。
【0028】
また、発話収音マイク11L,Rが収音した音声信号は、加算器112A,B,C,Dにおいて、音場収音マイク12A,B,C,Dが収音した音声信号に加算されて圧電スピーカ25A,B,C,Dに入力され放音される。すなわち、発話収音マイク11Lが収音した音声信号は加算器112A,Bにおいて音場収音マイク12A,Bが収音した音声信号に加算され、発話収音マイク11Rが収音した音声信号は加算器112C,Dにおいて音場収音マイク12C,Dが収音した音声信号に加算される。これにより、部屋Sの人物Tの話し声は、ステレオで圧電スピーカ25から放音されるようになる。
【0029】
以上説明したように、図3、図4、図5に示した再生装置3は、本体21内に遠隔の部屋Sの雰囲気を(たとえば箱庭のように)再現する装置である。また、これ以外に、ユーザFが居る部屋Gの隣にあたかも部屋Sがあるように雰囲気を再現する手法もある。
【0030】
図6、図7は再生装置の他の実施形態を示す図である。これらの再生装置は、部屋Gの隣に部屋Sがあるかのごとく雰囲気を再現する装置である。図6は据置型の再生装置の例を示しており、図7は、建物の壁面に設置する建て付け型の再生装置の例を示している。
【0031】
図6は、据置型の再生装置30を示す図である。この再生装置30は、いわゆるウーファのような形状をしており、たとえば部屋の壁際に設置される。エンクロージャ31はポート33を有するバスレフ構造であり、内部には低音用スピーカ32が設けられている。また、エンクロージャ31の底面部には、電磁アクチュエータ34が設けられている。
【0032】
また、エンクロージャ31の内部には図5のコントローラ22とほぼ同様のコントローラ35も内蔵されている。コントローラ35においてコントローラ22と異なる点は以下のようである。スピーカ32が1基であるため、全ての音声信号を加算してスピーカ32に出力する。また、スピーカ32は低音まで再生可能な特性を有しているため、LPF113で超低周波音(たとえば10Hz以下)を取り出して電磁アクチュエータ34に供給する。
【0033】
電磁アクチュエータ34は、下向きに取り付けられており、駆動されるとプランジャ34Aが設置場所の床を叩く。これにより、床が振動し、または再生装置30自身が振動して超低周波音や振動が再生される。
【0034】
これにより、音場収音マイク12によって収音された生活音はスピーカ32から再生され、生活音のうち超低周波音および部屋Sで発生した振動が床の振動または再生装置30自身の振動として再生される。以上の構成の再生装置30を壁際に設置することにより、部屋Sの雰囲気が壁際で再生され、あたかもその壁の向こうに部屋Sがあるかのような雰囲気を再現することができる。
【0035】
図7は、建物の壁面に設置する建て付け型の再生装置40の例を示す図である。再生装置40は、フィルム状の静電スピーカ41、電磁アクチュエータ42およびコントローラを有している。静電スピーカ41は、建物の壁45の広い範囲に貼り付けて設置される。また、電磁ソレノイド42は、壁45内部の柱46近傍に、プランジャ42Aが柱46方向に向くように設置されている。これにより、電磁ソレノイド42が駆動されるとプランジャ42Aが柱46を叩く。これにより、柱46が振動して超低周波音や振動が再生される。
【0036】
また、壁45の内部または近傍には図5のコントローラ22とほぼ同様のコントローラ43も設置されている。コントローラ43においてコントローラ22と異なる点は以下のようである。静電スピーカ41が1つであるため、全ての音声信号を加算して静電スピーカ41に出力する。また、広い面積の静電スピーカ41の振動特性を制御して低音まで再生可能なように制御する。そして、LPF113で超低周波音(たとえば10Hz以下)を取り出して電磁アクチュエータ42に供給する。
【0037】
これにより、音場収音マイク12によって収音された生活音はスピーカ41から再生され、生活音のうち超低周波音および部屋Sで発生した振動が柱46の振動として再生される。以上の構成により、部屋Sの雰囲気が壁面45で再生され、あたかもその壁の向こうに部屋Sがあるかのような雰囲気を再現することができる。
【0038】
なお、この実施形態には、特許請求の範囲に記載した発明以外に以下のような発明も開示されている。
【0039】
前記音場収音用マイクは前記部屋の四隅のそれぞれに4つ設置され、前記枠体は長方形であり、前記スピーカは前記フィルムの四隅にそれぞれに4つ設けられている請求項1に記載の音場伝達システム。
【0040】
前記収音装置は、発話音声帯域の音声を収音する発話収音用マイクをさらに備え、
前記再生装置は、前記発話収音用マイクが収音した音声信号を前記複数のスピーカから再生する請求項1に記載の音場伝達システム。
【0041】
前記収音装置は、前記複数の音場収音用マイクで収音した音声信号のうち低周波音のみを前記再生装置に向けて出力する請求項1に記載の音場伝達システム。
【0042】
スピーカと、該スピーカを収容するエンクロージャと、該エンクロージャの底面に設けられ、駆動されることによりプランジャが底面から突出するアクチュエータと、を備え、
前記低周波音を前記スピーカで再生し、前記振動を前記アクチュエータで再生する請求項3に記載の雰囲気伝達システム用の据置型再生装置。
【0043】
建物の壁面に設けられたフィルム状のスピーカと、前記建物の柱または床に向けて設けられ、駆動されることによりプランジャが前記柱または床を打撃するアクチュエータと、を備え、前記低周波音を前記スピーカで再生し、前記振動を前記アクチュエータで再生する請求項3に記載の雰囲気伝達システム用の建付型再生装置。
【符号の説明】
【0044】
2 収集装置
3、30、40 再生装置
11L,R 発話収音マイク
12A,B,C,D 音場収音マイク
13 振動センサ
21 再生装置本体
23 枠体
24 フィルム
25 静電スピーカ
26 電磁アクチュエータ
41 静電スピーカ
34、42 電磁アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋の1または複数の場所に設置される1または複数の音場収音用マイク備えた収音装置と、
利用者が両手で支持可能な大きさの枠体、該枠体に張設されたフィルム、該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカ、および、前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータを備えた再生装置と、
前記収音装置が収音した音声信号を前記再生装置へ伝送する伝送手段と、
を有する音場伝達システムであって、
前記再生装置は、前記収音装置の前記1または複数の音場収音用マイクが収音した音声信号を前記複数のスピーカで再生するとともに、前記1または複数の音場収音用マイクが収音した音声信号のうち低音域の信号で前記アクチュエータを駆動する音場伝達システム。
【請求項2】
利用者が両手で支持可能な大きさの枠体と、
該枠体に張設されたフィルムと、
該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカと、
前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータと、
を備えた音場伝達システム用再生装置。
【請求項3】
部屋内で発生する低周波音および振動の一方または両方を収集する収集装置と、
前記収集装置が収集した低周波音および/または振動を再生する再生装置と、
前記収集装置が収集した低周波音および/または振動を前記再生装置へ伝送する伝送手段と、
を備えた雰囲気伝達システム。
【請求項4】
利用者が両手で支持可能な大きさの枠体と、
該枠体に張設されたフィルムと、
該フィルムの各部にそれぞれ設けられた複数のスピーカと、
前記枠体に内蔵または固定されたアクチュエータと、
を備え、
前記低周波音を前記スピーカおよびアクチュエータで再生し、
前記振動を前記アクチュエータで再生する
請求項3に記載の雰囲気伝達システム用の再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−95230(P2012−95230A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242671(P2010−242671)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】