説明

音声再生システム及びセレクタ告知プログラム

【課題】 スピーカーから再生音が出力されない理由が、セレクタ部がPC部を選択していないことにあることをユーザが認識することができる音声再生システムを提供すること。
【解決手段】 ユーザ操作によって、アンプ部の音量レベルが変更、アンプ部のミュート状態が変更、PC部の音量レベルが変更、又は、音声プログラムの音声設定が変更される場合には、ユーザは、PC部からの音声が再生されないことに困っていると考えられる。また、PC部からセレクタ部への音声信号の供給が所定時間以上継続している場合にも、PC部からの音声が再生されないことに困っていると考えられる。従って、このような条件を満足し、かつ、セレクタ部がPC部を選択していない時には、セレクタ部の選択内容を表示することによって、セレクタ部の選択内容がPC部以外であることがPC部からの音声が再生されない理由であることをユーザに認識させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PC部、外部入力端子、アンプ部、及び、セレクタ部を備える音声再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、PC部、外部入力端子、アンプ部、及び、セレクタ部を備えるオーディオ機能に特化したパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)が提供されている。このPCにおいて、PC部に内蔵されたHDDに記録されている曲ファイルを再生する場合に、ユーザ操作に基づいてセレクタ部がPC部を選択する。HDDから読み出され再生された音声信号は、セレクタ部を介してアンプ部に供給され、アンプ部において増幅され、外部に接続されたスピーカーから音声が出力される。また、セレクタ部がPC部を選択している場合に、OSによって生成される効果音も、セレクタ部を介してアンプ部に供給され、アンプ部において増幅され、外部に接続されたスピーカーから効果音が出力される。
【0003】
一方、セレクタ部が外部入力端子を選択している場合、外部入力端子に接続されているコンテンツ再生装置(例えばCDプレーヤ)から入力される音声信号が、セレクタ部を介してアンプ部に供給され、アンプ部において増幅され、外部に接続されたスピーカーから音声が出力される。この場合、PC部のHDDに記録されている曲ファイルの再生音やOSによって生成される効果音は、セレクタ部を介してアンプ部には供給されないので、スピーカーから音声が出力されない。
【0004】
ここで、セレクタ部が外部入力端子を選択しており、かつ、選択されている外部入力端子に接続されているコンテンツ再生装置から音声信号がセレクタ部に供給されていない場合には、スピーカーから音声が何も再生されない。その結果、セレクタ部が外部入力端子を選択していることにユーザが気付かず(又は、セレクタ部がPC部を選択していると勘違いし)、PC部のHDDに記録されている曲ファイルの再生指示を入力した場合に、ユーザの意に反して曲ファイルの再生音がスピーカーから出力されないという問題がある。すなわち、ユーザは、スピーカーから再生音が出力されない理由が、セレクタがPCを選択していないことであることに気付かないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−200969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、スピーカーから再生音が出力されない理由が、セレクタ部がPC部を選択していないことにあることをユーザが認識することができる音声再生システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態による音声再生システムは、PC部と、コンテンツ再生装置が接続可能な1又は複数の音声入力端子と、前記PC部から供給される音声信号及び前記音声入力端子から供給される音声信号の中から1つの音声信号を選択しアンプ部に供給するセレクタ部と、前記セレクタ部から供給される音声信号を増幅するアンプ部とを備え、前記PC部には、前記セレクタ部に供給する音声信号を生成する音声プログラムと、セレクタ告知プログラムとがインストールされ、前記セレクタ告知プログラムが、所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であるか否かを判断するステップと、所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であると判断された時、前記セレクタ部の選択内容をユーザに告知する告知ステップとを前記PC部に実行させる。
【0008】
所定条件を満足し、かつ、セレクタ部の選択内容がPC部からの音声信号以外(すなわち外部入力端子)であると判断された時、PC部は、セレクタ部の選択内容をユーザに告知する。従って、ユーザが、セレクタ部の選択内容がPC部でないことを認識せずに、PC部からの音声が再生されないことに困っている場合に、ユーザはセレクタ部の選択内容の告知によって、セレクタ部の選択内容がPC部以外であることがPC部からの音声が再生されない理由であることを認識することができる。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記告知ステップが、前記セレクタ部の選択内容を表示装置に所定時間表示させる。
【0010】
所定条件を満足し、かつ、セレクタ部の選択内容がPC部からの音声信号以外(すなわち外部入力端子)であると判断された時、PC部は、セレクタ部の選択内容を表示装置に表示させる。従って、ユーザが、セレクタ部の選択内容がPC部でないことを認識せずに、PC部からの音声が再生されないことに困っている場合に、ユーザはセレクタ部の選択内容が表示されることによって、セレクタ部の選択内容がPC部以外であることがPC部からの音声が再生されない理由であることを認識することができる。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記所定条件が、前記アンプ部の音量レベルが変更されたこと、前記アンプ部のミュート状態が変更されたこと、前記PC部の音量レベルが変更されたこと、前記PC部から前記セレクタ部への音声信号の供給が所定時間以上継続したこと、又は、前記音声プログラムの音声設定が変更されたことである。
【0012】
セレクタ部がPC部を選択しておらず、かつ、ユーザ操作によって、アンプ部の音量レベルが変更される、アンプ部のミュート状態が変更される、PC部の音量レベルが変更される、又は、音声プログラムの音声設定が変更される場合には、ユーザは、PC部からの音声が出力されないことに困っていると考えられる。また、セレクタ部がPC部を選択しておらず、かつ、PC部からセレクタ部への音声信号の供給が所定時間以上継続している場合にも、PC部からの音声が出力されないことに困っていると考えられる。従って、セレクタ部の選択内容を告知することによって、セレクタ部の選択内容がPC部以外であることがPC部からの音声が出力されない理由であることをユーザに認識させることができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記セレクタ告知プログラムが、所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であり、かつ、選択されている前記外部入力端子から音声信号が供給されていないか否かを判断するステップと、所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であり、かつ、選択されている前記外部入力端子から音声信号が供給されていないと判断された時、前記セレクタ部の選択内容をユーザに告知する告知ステップとを前記PC部に実行させる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、再生音が出力されない理由が、セレクタ部がPC部を選択していないことにあることをユーザが認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の好ましい実施形態による音声再生システムを示すブロック図である。
【図2】セレクタ部が選択可能な選択内容の一覧を示す図である。
【図3】セレクタ部の選択内容の表示画面を示す図である。
【図4】セレクタ表示プログラムに基づくCPU6の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本発明の好ましい実施形態による音声再生システム100を示すブロック図である。音声再生システム100は、オーディオ機能を特化したパーソナルコンピュータ(以下、PCという。)であり、PC部1と、マイコン2と、セレクタ部3と、アンプ部4と、1又は複数の外部入力端子5(本例では5A〜5C)とを備える。
【0017】
PC部1は、CPU6と、ROM7と、RAM8と、DVDドライブ9と、HDD10と、音声再生部(サウンドデバイス)11と、表示部12と、操作部13とを備え、これらはバスを介して相互に接続されている。なお、表示部12は液晶ディスプレイ等であり、PC部1にUSBを介して外部接続されるものでもよい。操作部13は、キーボードやマウス等であり、PC部1にUSBを介して外部接続されるものでもよい。
【0018】
HDD10には、OS(オペレーティングシステム)、音声再生アプリケーション(以下、音声再生アプリという。)およびセレクタ表示プログラム等がインストールされている。OSおよび音声再生アプリを、総称して音声プログラムと定義する。CPU6は、これらのプログラムをRAM8に展開して実行することにより、PC部1としての各処理を実行する。また、HDD10には、複数のコンテンツが記録されている。コンテンツには、映像ファイルや曲ファイル(音声ファイル)等が含まれるが、本例の場合には曲ファイルである。
【0019】
音声再生アプリは、HDD10に記録されている曲ファイルを再生(例えば圧縮曲ファイルをデコード)し、その音声データを音声再生部11に供給する。また、音声再生アプリは、DVDドライブ9を制御し、DVDドライブ9に挿入されているDVDやCDに記録されている曲ファイルや曲データを再生し、その音声データを音声再生部11に供給する。音声再生アプリは、HDD10に記録されている曲ファイル、又は、DVDドライブ9に挿入されているDVDやCDに記録されている曲ファイルを再生する際の音量レベルをユーザ操作に基づいて、設定(変更)する。
【0020】
OSは、ユーザによるPC部1の操作に応じて、所定の効果音を生成し、効果音の音声データを音声再生部11に供給する。OSが生成する効果音は、例えば、OSの起動又はシャットダウン時の音や、ユーザの誤った操作時にエラーをユーザに告知するための音などである。音声再生アプリと同様に、OSもユーザ操作に基づいて音量レベルを設定(変更)する。
【0021】
音声再生部11は、音声再生アプリ及び/又はOSから供給される音声データに対して所定の音声処理(例えばデジタルアナログ変換等)を実行し、セレクタ部3に音声信号を供給する。ここで、音声再生アプリ又はOSによって生成され音声再生部11を介してセレクタ部3に供給される音声信号を、PC部1からの音声信号と定義する。また、音声再生アプリ又はOSによる音量レベル設定を、PC部1による音量レベル設定と定義する。
【0022】
マイコン2は、図示しないメモリに格納されたプログラムを実行することにより、セレクタ部3やアンプ部4を制御する。マイコン2は、CPU6と所定の通信ライン(例えばUSB)を介して接続されており、CPU6との間でコマンドを送受信する。
【0023】
外部入力端子5(5A〜5C)には、コンテンツ再生装置が接続可能であり、コンテンツ再生装置から音声信号が入力される。外部入力端子5に入力される音声信号は、セレクタ部3に供給される。外部入力端子5がデジタル入力端子である場合には、セレクタ部3の前段にDA変換器が設けられる。本例では、外部入力端子5AにCDプレーヤ101が接続され、外部入力端子5Bに携帯型プレーヤ102が接続されている。
【0024】
セレクタ部3は、マイコン2からの指示に基づいて、PC部1からの音声信号、及び、各外部入力端子5から入力される音声信号の中から、1つの音声信号を選択し、アンプ部4に供給する。表示部12に、図2に示すセレクタ部3の選択内容の一覧が表示され、ユーザ操作によってセレクタ部3の選択内容が操作部13を介して入力される。例えば、図2の一覧からPC部が選択されると、CPU6は、セレクタ部3にPC部を選択させる指示を、マイコン2に送信する。マイコン2は、CPU6からの指示に基づいて、セレクタ部3にPC部を選択させる。従って、PC部1からの音声信号がセレクタ部3を介してアンプ部4に供給される。同様に、図2の一覧から外部入力端子5Aが選択されると、CPU6は、セレクタ部3に外部入力端子5Aを選択させる指示を、マイコン2に送信する。マイコン2は、CPU6からの指示に基づいて、セレクタ部3に外部入力端子5Aを選択させる。従って、外部入力端子5Aからの音声信号がセレクタ部3を介してアンプ部4に供給される。
【0025】
アンプ部4は、セレクタ部3から供給された音声信号を増幅して、外部に接続されたスピーカー103に供給し、スピーカー103から音声を出力させる。アンプ部4には、音量調整部4Aが設けられている。音量調整部4Aは、マイコン2からの指示に基づいて、セレクタ部3からの音声信号の音量レベルを調整する、又は、ミュート状態を変更する(ミュート状態/ミュート解除状態に設定する)。例えば、マイコン2は、ユーザ操作によって図示しないボリュームつまみ又はリモコンが操作されることにより、音量調整部4における音量レベルを特定し、特定した音量レベルに音量調整部4を制御する。この時、マイコン2は、音量レベルが変更されたこと、及び、変更後の音量レベルをCPU6に通知する。同様に、マイコン2は、ユーザ操作によってミュート状態を変更する指示が入力されることにより、音量調整部4のミュート状態を変更する。この時、マイコン2は、ミュート状態が変更されたこと、及び、変更後のミュート状態をCPU6に通知する。または、CPU6が、HDD10にインストールされているアンプ部4を制御するためのアプリケーションプログラムに基づいて、音量調整部4Aの音量レベルを変更、又は、ミュート状態を変更してもよい。
【0026】
セレクタ部3がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)を選択している場合、PC部1からの音声信号はスピーカーから出力されない。従って、ユーザがセレクタ部3の選択内容に気付かずに、PC部1からの音声が再生されない理由が音声再生アプリやOSの音量レベル設定であると勘違いし、音声再生アプリやOSの音量レベルを変更しても、スピーカーからは音声が出力されない。そこで、CPU6は、セレクタ表示プログラムを実行することにより、所定条件を満足し、かつ、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である時に、図3に示すように、セレクタ部3の選択内容を表示部12に所定時間(例えば5秒間)表示させることにより、ユーザにセレクタ部3の選択内容を告知する。所定の条件を満足するとは、詳細は後述するが、上記状態においてユーザがスピーカーから、PC部1からの再生音が出力されることを期待する操作を実行すること等である。
【0027】
例えば、セレクタ部3が外部入力端子5Aを選択し、CDプレーヤ101から音声信号が入力されていない時、スピーカー103から音声が出力されない。このとき、ユーザ操作によって、音声再生アプリが曲ファイルを再生しても、スピーカーから音声が出力されず、ユーザ操作によってアンプ部4又はPC部1の音量レベルが変更されてもスピーカーから音声が出力されない。この際に、図3に示すように、セレクタ部3が外部入力端子5Aを選択していることが表示部12に表示される。ユーザは、セレクタ部3が外部入力端子5Aを選択していることを認識し、セレクタ部3にPC部1を選択させることによって、PC部1からの音声信号がスピーカー103に出力されるようになる。
【0028】
以上の構成を有する音声再生システムについて、その動作を説明する。図4は、CPU6によるセレクタ表示処理を示すフローチャートである。CPU6は、セレクタ表示プログラムに基づいて以下の処理を実行する。CPU6は、セレクタ部3の選択が変更されたか否かを判断する(S1)。変更された場合(S1でYES)、CPU6は、セレクタ部3の変更後の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。
【0029】
セレクタ部3の選択内容が変更されない場合(S1でNO)、CPU6は、アンプ部4の音量調整部4Aの音量レベルが変更されたか否かを判断する(S2)。アンプ部4の音量調整部4Aの音量レベルが変更された場合(S2でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)であるか否かを判断する(S7)。セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。従って、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外、かつ、アンプ部4の音量レベルを変更した場合には、ユーザがセレクタ部3の選択内容がPC部1でないことに気付かずに音声が出力されないのがアンプ部4の音量レベルが小さいからだと誤解し、音量レベルを変更している可能性があるので、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる。一方、セレクタ部3の選択内容がPC部1である場合(S7でNO)、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる必要がないので、処理を終了する。
【0030】
次に、アンプ部4の音量調整部4Aの音量レベルが変更されていない場合(S2でNO)、CPU6は、アンプ部4の音量調整部4Aのミュート状態が(ミュート状態又はミュート解除状態に)変更されたか否かを判断する(S3)。アンプ部4の音量調整部4Aのミュート状態が変更された場合(S3でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)であるか否かを判断する(S7)。セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。従って、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外、かつ、アンプ部4のミュート状態を変更した場合には、ユーザがセレクタ部3の選択内容がPC部1でないことに気付かずに音声が出力されないのがアンプ部4のミュート状態が問題であると誤解し、ミュート状態を変更した可能性があるので、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる。一方、セレクタ部3の選択内容がPC部1である場合(S7でNO)、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる必要がないので、処理を終了する。
【0031】
次に、アンプ部4の音量調整部4Aのミュート状態が変更されていない場合(S3でNO)、CPU6は、PC部1(すなわち、音声アプリ又はOS)の音量レベルが変更されたか否かを判断する(S4)。PC部1の音量レベルが変更された場合(S4でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)であるか否かを判断する(S7)。セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。従って、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外、かつ、PC部1の音量レベルが変更された場合には、ユーザがセレクタ部3の選択内容がPC部1でないことに気付かずに音声が出力されないのがPC部1の音量レベルが小さいことが問題であると誤解し、PC部1の音量レベルを変更している可能性があるので、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる。一方、セレクタ部3の選択内容がPC部1である場合(S7でNO)、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる必要がないので、処理を終了する。
【0032】
PC部1の音量レベルが変更されていない場合(S4でNO)、CPU6は、PC部1(つまり、音声再生アプリ又はOS)からの音声信号がセレクタ部3に所定時間(例えば3秒)以上継続して供給され続けているか否かを判断する(S5)。PC部1からの音声信号がセレクタ部3に所定時間以上継続して供給され続けている場合(S5でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)であるか否かを判断する(S7)。セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。従って、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外、かつ、PC部1からの音声信号がセレクタ部3に所定時間以上継続して供給され続けている場合には、ユーザがセレクタ部3の選択内容がPC部1でないことに気付かずに音声再生アプリに曲ファイルを再生させており、音声が出力されていない可能性があるので、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる。一方、セレクタ部3の選択内容がPC部1である場合(S7でNO)、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる必要がないので、処理を終了する。
【0033】
PC部1からの音声信号がセレクタ部3に所定時間以上継続して供給され続けていない場合(S5でNO)、CPU6は、音声再生アプリの音声設定がユーザ操作によって変更されたか否かを判断する(S6)。例えば、音声再生アプリの音声設定は、S/PIDFや2chダウンミックスの切り換え等である。音声再生アプリの音声設定がユーザ操作によって変更された場合(S6でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外(すなわち外部入力端子5)であるか否かを判断する(S7)。セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、CPU6は、セレクタ部3の選択内容を表示部12に5秒間表示させる(S8)。従って、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外、かつ、音声再生アプリの音声設定がユーザ操作によって変更された場合には、ユーザがセレクタ部3の選択内容がPC部1でないことに気付かずに音声が出力されないのが音声再生アプリの音声設定に問題があると誤解し、音声再生アプリの音声設定を変更している可能性があるので、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる。一方、セレクタ部3の選択内容がPC部1である場合(S7でNO)、セレクタ部3の選択内容をユーザに気付かせる必要がないので、処理を終了する。
【0034】
以上のように、本実施形態によると、ユーザは、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外であることを認識することができ、セレクタ部3の選択内容をPC部1に変更することができる。
【0035】
なお、所定条件を満足し、かつ、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、セレクタ部3の選択内容を表示する代わりに、セレクタ部3の選択内容を自動的にPC部1に変更してもよい。また、セレクタ部3の選択内容を表示する代わりに、音声でセレクタ部3の選択内容を告知してもよい。また、所定条件を満足し、かつ、セレクタ部3の選択内容がPC部1以外である場合(S7でYES)、さらに、CPU6は、セレクタ部3によって選択されている外部入力端子5に音声信号が入力されているか否かを判断し、入力されていない場合にセレクタ部3の選択内容を表示し(S8)、入力されている場合にはセレクタ部3の選択内容を表示しないようにしてもよい。セレクタ部3によって選択されている外部入力端子5に音声信号が入力されている場合には、スピーカーから音声が出力されているので、セレクタ部3の選択内容にユーザが気付くことができるからである。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明はPCやPCアプリケーション等に好適に適用され得る。
【符号の説明】
【0038】
100 音声再生システム
1 PC部
2 マイコン
3 セレクタ部
4 アンプ部
4A 音量調整部
5 外部入力端子
6 CPU
7 ROM
8 RAM
9 DVDドライブ
10 HDD
11 音声再生部
12 表示部
13 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PC部と、コンテンツ再生装置が接続可能な1又は複数の音声入力端子と、前記PC部から供給される音声信号及び前記音声入力端子から供給される音声信号の中から1つの音声信号を選択しアンプ部に供給するセレクタ部と、前記セレクタ部から供給される音声信号を増幅するアンプ部とを備え、
前記PC部には、前記セレクタ部に供給する音声信号を生成する音声プログラムと、セレクタ告知プログラムとがインストールされ、
前記セレクタ告知プログラムが、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であるか否かを判断するステップと、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であると判断された時、前記セレクタ部の選択内容をユーザに告知する告知ステップとを前記PC部に実行させる、音声再生システム。
【請求項2】
前記告知ステップが、前記セレクタ部の選択内容を表示装置に所定時間表示させる、請求項1に記載の音声再生システム。
【請求項3】
前記所定条件が、前記アンプ部の音量レベルが変更されたこと、前記アンプ部のミュート状態が変更されたこと、前記PC部の音量レベルが変更されたこと、前記PC部から前記セレクタ部への音声信号の供給が所定時間以上継続したこと、又は、前記音声プログラムの音声設定が変更されたことである、請求項1または2に記載の音声再生システム。
【請求項4】
前記セレクタ告知プログラムが、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であり、かつ、選択されている前記外部入力端子から音声信号が供給されていないか否かを判断するステップと、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であり、かつ、選択されている前記外部入力端子から音声信号が供給されていないと判断された時、前記セレクタ部の選択内容をユーザに告知する告知ステップとを前記PC部に実行させる、請求項1〜3のいずれかに記載の音声再生システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の音声再生システムの前記PC部にインストールされる前記セレクタ告知プログラムであって、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であるか否かを判断するステップと、
所定条件を満足し、かつ、前記セレクタ部の選択内容が前記PC部からの音声信号以外であると判断された時、前記セレクタ部の選択内容をユーザに告知する告知ステップとを前記PC部に実行させる、セレクタ告知プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−244617(P2010−244617A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92373(P2009−92373)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】