説明

音声再生装置、音声再生方法およびプログラム

【課題】ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる音声再生装置を提供する。
【解決手段】音声再生装置100は、ノイズを収音するためのマイクロホン102と、マイクロホン102が収音して得たノイズの音声信号から、ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成するNC用フィルタ回路106と、ノイズキャンセル用音声信号を音響再生してノイズと音響的に合成するようにするヘッドホンドライバ114と、ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定部122と、設定された条件を満たしたときに、ノイズキャンセル用音声信号のヘッドホンドライバ114への供給を遮断するようにする制御部120とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声再生装置、音声再生方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場で販売されている音声再生装置のうち、ノイズキャンセリング機能を搭載した音声再生装置は徐々にシェアを伸ばしている。ノイズキャンセリング機能は、音声再生装置としてのヘッドホン装置に搭載されたり、音声再生装置としての携帯型音楽プレーヤや携帯電話などに搭載される。このような音声再生装置のシェアが伸びている理由の一つとしては、ノイズキャンセリング機能の性能自体が良くなってきていることが挙げられる。
【0003】
このようなノイズキャンセリング機能を搭載した音声再生装置に関する様々な技術が提案されている。例えば、ノイズ環境下においても聴取対象の音声を聞き取り易く再生することができるノイズ低減音声再生装置および方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−11117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ノイズキャンセリング機能の性能向上に伴い、例えば、電車やバスなど(以下、「乗り物」という。)に乗車中のユーザが音声再生装置におけるノイズキャンセリング機能をオンにしている場合、周囲のノイズが低減されていることにより、車内アナウンスを聞き逃したり、快適な睡眠に陥ってしまって降車すべき駅やバス停など(以下、「目的地」という。)を通り過ぎてしまうことがある。また、ユーザは降車すべき目的地を通り過ぎてしまうことを恐れて眠いのにもかかわらず寝ることができずに眠気を堪えることもある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることが可能な、新規かつ改良された音声再生装置、音声再生方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ノイズを収音するための収音部と、前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成部と、前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生部と、ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定部と、前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を遮断するようにする制御部とを備える音声再生装置が提供される。
【0008】
前記目的地に関する情報は、乗車時間であり、前記条件は、前記乗車時間が経過したか否かであってもよい。
【0009】
前記目的地に関する情報は、前記目的地の位置情報であり、前記条件は、現在の位置情報と前記目的地の位置情報とが一致したか否かであってもよい。
【0010】
前記目的地に関する情報は、前記目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声であり、前記条件は、前記ノイズの音声信号のうちのアナウンス音声と前記目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声とが一致したか否かであってもよい。
【0011】
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を徐々に遮断するようにしてもよい。
【0012】
前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするための、前記生成部が生成したノイズキャンセル用音声信号とは異なる他のノイズキャンセル用音声信号を生成する第2の生成部を備え、前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記他のノイズキャンセル用音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、前記再生部は、供給された前記他のノイズキャンセル用音声信号を音響再生してもよい。
【0013】
ノイズを収音するための収音部で収音して得たノイズの音声信号から、聴取対象の音声成分を強調したモニタ用音声信号を生成する第3の生成部を備え、前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記モニタ用音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、前記再生部は、供給された前記モニタ用音声信号を音響再生してもよい。
【0014】
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、記憶部に記憶された通知音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、前記再生部は、供給された前記通知音声信号を音響再生してもよい。
【0015】
他の収音部を備え、前記収音部と前記他の収音部とを用いて指向性を形成してもよい。
【0016】
さらに他の収音部を備え、当該収音部は、前記収音部と前記他の収音部とを通る軸と交わらない位置に設けられてもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、ノイズを収音するための収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成ステップと、前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生ステップと、ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定ステップと、前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号が音響再生されないようにする制御ステップとを有する音声再生方法が提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、ノイズを収音するための収音部と、前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成部と、前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生部と、ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定部と、前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を遮断するようにする制御部ととして機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように本発明によれば、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図2】図1の音声再生装置が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【図3】図2の音声再生処理を説明するための説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図5】図4の音声再生装置が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【図6】図5の音声再生処理を説明するための説明図である。
【図7】図5の音声再生処理を説明するための説明図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図9】図8の音声再生装置が実行する第1の音声再生処理のフローチャートである。
【図10】図8の音声再生装置が実行する第2の音声再生処理のフローチャートである。
【図11】図10の音声再生処理を説明するための説明図である。
【図12】マイクロホンが収音するノイズを含む音声信号を説明するための説明図である。
【図13】ヘッドホン装置に設けられるマイクロホンの配置を説明するための説明図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図15】図14の音声再生装置が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図19】本発明の第8の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【図20】本発明の第9の実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0022】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.音声再生装置(第1の実施の形態)
2.音声再生処理(第1の実施の形態)
3.音声再生装置(第2の実施の形態)
4.音声再生処理(第2の実施の形態)
5.音声再生装置(第3の実施の形態)
6.第1の音声再生処理(第3の実施の形態)
7.第2の音声再生処理(第3の実施の形態)
8.音声再生装置(第4の実施の形態)
9.音声再生処理(第4の実施の形態)
10.音声再生装置(第5の実施の形態)
11.音声再生装置(第6の実施の形態)
12.音声再生装置(第7の実施の形態)
13.音声再生装置(第8の実施の形態)
14.音声再生装置(第9の実施の形態)
【0023】
[1.音声再生装置(第1の実施の形態)]
まず、本発明の第1の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図1は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0024】
図1において、音声再生装置100は、ノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホン装置、携帯型音楽プレーヤや携帯電話などである。音声再生装置100は、マイクロホン102と、マイクアンプ104と、ノイズキャンセリング(NC:Noise Cancelling)用フィルタ回路106と、スイッチ回路108と、加算回路110と、ヘッドホンアンプ112と、ヘッドホンドライバ114とを備える。
【0025】
マイクロホン102は、本発明の収音部の一例であり、ヘッドホン筐体(図示しない)の外側に設けられる。マイクロホン102は、収音したノイズを含む電気信号である音声信号をマイクアンプ104に供給する。マイクアンプ104は、マイクロホン102から供給された音声信号の増幅を行う。そして、マイクアンプ104は、増幅した音声信号をNC用フィルタ回路106に供給する。
【0026】
NC用フィルタ回路106は、本発明の生成部の一例であり、マイクアンプ104から供給された音声信号に対して適切なフィルタリング処理をしてノイズキャンセリング用音声信号を生成する。スイッチ回路108は、後述する制御部120によりオン/オフが制御される。なお、スイッチ回路108が制御部120によりオンにされると、音声再生装置100において、ノイズキャンセリング機能がオンにされる。また、スイッチ回路108が制御部120によりオフにされると、音声再生装置100において、ノイズキャンセル用音声信号の加算回路110への供給が遮断されて、ノイズキャンセリング機能がオフにされる。
【0027】
加算回路110は、スイッチ回路108がオンにされている場合においてNC用フィルタ回路106から供給されるノイズキャンセリング用音声信号と、後述する可変増幅回路118から供給される音楽信号とを加算して加算信号を生成する。そして、加算回路110は、生成した加算信号をヘッドホンアンプ112に供給する。
【0028】
ヘッドホンアンプ112は、加算回路110から供給された加算信号の増幅を行う。そして、ヘッドホンアンプ112は、増幅した加算信号をヘッドホンドライバ114に供給する。ヘッドホンドライバ114は、ヘッドホン筐体(図示しない)の内側に設けられる。ヘッドホンドライバ114は、本発明の再生部の一例であり、ヘッドホンアンプ112から供給された電気信号である加算信号を音響再生する。
【0029】
また、音声再生装置100は、音声信号入力端116と、可変増幅回路118とを備える。音声信号入力端116は、例えば携帯型音楽プレーヤのヘッドホンジャックに差し込まれるヘッドホンプラグから構成される。可変増幅回路118は、音声信号入力端116を介して供給された、例えば音楽信号の増幅を行う。可変増幅回路118の増幅率は、変更可能である。そして、可変増幅回路118は、増幅した音楽信号を加算回路110に供給する。
【0030】
また、音声再生装置100は、制御部120と、操作部128と、時計部130とを備える。制御部120は、例えばスイッチ回路108のオン/オフを制御する。制御部120は、設定部122と、カウント部124と、通知制御部126とを備える。
【0031】
設定部122は、例えばユーザが乗り物への乗車前に、操作部128を介して入力された目的地近辺に到着するまでの所要時間を乗り物への乗車時間として設定する。カウント部124は、時計部130から時間情報を取得することにより、時間のカウントを行う。通知制御部126は、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。例えば、通知制御部126は、スイッチ回路108をオンからオフにして、音声再生装置100のノイズキャンセリング機能をオンからオフにすることにより、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。
【0032】
操作部128は、ユーザによる操作入力を受け付ける。時計部130は、例えばクロックで構成される。
【0033】
また、音声再生装置100は、センサ部132を備える。センサ部132は、例えば加速度計で構成される。センサ部132は、加速度情報を制御部120に送信可能である。
【0034】
また、音声再生装置100は、通信部134を備える。通信部134は、通信網134に接続されたサーバ138に接続可能である。例えば、サーバ138は、経路検索サービスを提供するサーバである。
【0035】
ところで、音声再生装置100におけるノイズキャンセリング機能の性能向上に伴い、例えば、電車やバスなど(以下、「乗り物」という。)に乗車中のユーザが音声再生装置100におけるノイズキャンセリング機能をオンにしている場合、周囲のノイズが低減されていることにより、車内アナウンスを聞き逃したり、快適な睡眠に陥ってしまって降車すべき駅やバス停など(以下、「目的地」という。)を通り過ぎてしまうことがある。
【0036】
そこで、本実施の形態に係る音声再生装置100は、後述する図2の音声再生処理を実行することにより、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0037】
[2.音声再生処理(第1の実施の形態)]
次に、図1の音声再生装置100が実行する音声再生処理について説明する。図2は、図1の音声再生装置100が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【0038】
図2において、まず、音声再生装置100のユーザにより操作部128を介して音声再生装置100のノイズキャンセリング機能をオンにするための操作が行われると、制御部120は、スイッチ回路108をオンにして、音声再生装置100のノイズキャンセリング機能をオンにする(ステップS102)。
【0039】
次いで、図3に示すように、例えば乗り物への乗車前に、ユーザにより操作部128を介して目的地近辺に到着するまでの所要時間が入力されると、設定部122は、入力された時間を乗車時間として設定する(ステップS104)。目的地近辺に到着するまでの所要時間は、本発明の目的地に関する情報の一例である。
【0040】
次いで、カウント部124は、時計部130から時間情報を取得して、カウントを開始する(ステップS106)。
【0041】
次いで、通知制御部126は、カウント部124によるカウント結果に基づいて、ステップS104で設定された乗車時間が経過したか否かを判別する(ステップS108)。
【0042】
ステップS108の判別の結果、ステップS104で設定された乗車時間が経過していないときは(ステップS108でNO)、ステップS104で設定された乗車時間が経過するまで、ステップS108の処理を繰り返す。
【0043】
ステップS108の判別の結果、ステップS104で設定された乗車時間が経過したときは(ステップS108でYES)、通知制御部126は、図3に示すように、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路108をオフにして、音声再生装置100のノイズキャンセリング機能をオフにして(ステップS110)、本処理を終了する。
【0044】
図2の音声再生処理によれば、ユーザによりノイズキャンセリング機能がオンにされて、ユーザにより入力された目的地近辺に到着するまでの所要時間が経過したときに、ノイズキャンセリング機能がオフにされる。音声再生装置100において、ノイズキャンセリング機能がオンからオフにされると、ユーザの音楽聴取環境が変化するため、ユーザは音楽聴取環境の変化によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。また、ノイズキャンセリング機能がオフにされると、周囲のノイズが低減されないため、ユーザは車内アナウンスを聞き逃すことがなく、目的地に到着したことを把握することができる。また、ノイズキャンセリング機能がオフにされると、周囲のノイズによってユーザの睡眠が阻害されるため、ユーザは目を覚ますことができ、目的地を通り過ぎてしまうことがない。
【0045】
以上により、図2の音声再生処理によれば、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0046】
また、図2の音声再生処理では、ステップS104で設定された乗車時間が経過したときに、音声再生装置100のノイズキャンセリング機能をオフにして、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知していたが、通知制御部126は、センサ部132から加速度情報を取得して、その加速度情報をさらに用いて目的地近辺への到着を通知してもよい。例えば、通知制御部126は、ステップS104で設定された乗車時間近辺において、乗り物が減速動作をする際に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知してもよい。これは、乗り物が目的地に停車する際には、必ず減速動作が必要なことを利用したものである。
【0047】
また、図2の音声再生処理では、ステップS104においてユーザにより目的地近辺に到着するまでの所要時間が入力されたが、ユーザが目的地のみを入力して、設定部122は、通信部134を介して通信網136に接続されたサーバ138から、入力された目的地近辺に到着するまでの所要時間を取得して、取得した時間を乗車時間として設定してもよい。また、サーバ138が、時刻表連動型の経路探索サービスを提供する場合は、制御部120は、目的地近辺に到着する時刻を取得することができるため、現在の時刻と目的地近辺に到着する時刻とに基づいて、スイッチ回路108のオン/オフを制御してもよい。
【0048】
[3.音声再生装置(第2の実施の形態)]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図4は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0049】
図4において、音声再生装置200は、マイクロホン202と、マイクアンプ204と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路206と、スイッチ回路208と、加算回路210と、ヘッドホンアンプ212と、ヘッドホンドライバ214とを備える。これらは、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、スイッチ回路108、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0050】
また、音声再生装置200は、音声信号入力端216と、可変増幅回路218とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0051】
また、音声再生装置200は、制御部220と、操作部226と、測位部228とを備える。制御部220は、例えばスイッチ回路208のオン/オフを制御する。制御部220は、設定部222と、通知制御部224とを備える。
【0052】
設定部222は、ユーザにより操作部226を介して入力された目的地の近辺の位置情報を目的地近辺の位置情報として設定する。通知制御部224は、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。例えば、通知制御部224は、スイッチ回路208をオンからオフにして、音声再生装置200のノイズキャンセリング機能をオンからオフにすることにより、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。
【0053】
操作部226は、ユーザによる操作入力を受け付ける。測位部228は、例えばGPS(Global Positioning System)を利用して、音声再生装置200の測位を行う。測位部228は、音声再生装置200の現在位置の位置情報を制御部220に送信可能である。
【0054】
本実施の形態に係る音声再生装置200は、後述する図5の音声再生処理を実行することにより、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0055】
[4.音声再生処理(第2の実施の形態)]
次に、図4の音声再生装置200が実行する音声再生処理について説明する。図5は、図4の音声再生装置200が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【0056】
図5において、まず、音声再生装置200のユーザにより操作部226を介して音声再生装置200のノイズキャンセリング機能をオンにするための操作が行われると、制御部220は、スイッチ回路208をオンにして、音声再生装置200のノイズキャンセリング機能をオンにする(ステップS202)。
【0057】
次いで、図6に示すように、ユーザにより操作部226を介して目的地が入力されると、設定部222は、入力された目的地の近辺の位置情報を目的地近辺の位置情報として設定する(ステップS204)。次いで、測位部228は、音声再生装置200の測位を開始する(ステップS206)。目的地の近辺の位置情報は、本発明の目的地に関する情報の一例である。
【0058】
次いで、通知制御部224は、測位部228から音声再生装置200の現在の位置情報を取得して、取得した現在の位置情報とステップS204で設定された目的地近辺の位置情報とを比較することにより、目的地近辺に到着したか否かを判別する(ステップS208)。
【0059】
ステップS208の判別の結果、目的地近辺に到着していないときは(ステップS208でNO)、目的地近辺に到着するまで、ステップS208の処理を繰り返す。
【0060】
ステップS208の判別の結果、目的地近辺に到着したときは(ステップS208でYES)、通知制御部224は、図6に示すように、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路208をオフにして、音声再生装置200のノイズキャンセリング機能をオフにして(ステップS210)、本処理を終了する。
【0061】
図5の音声再生処理によれば、ユーザによりノイズキャンセリング機能がオンにされて、ユーザにより入力された目的地の近辺に到着したときに、ノイズキャンセリング機能がオフにされるので、上述した図2の音声再生処理と同様の効果を奏することができる。さらに、図5の音声再生処理では、乗り物が何かしらのトラブルによって遅延した場合においても、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0062】
また、本実施の形態では、音声再生装置200がヘッドホン装置単体で構成される場合には、図7に示すように、目的地において、ユーザが操作部226を介して現在の位置が目的地であることを入力して、設定部222は、測位部228から音声再生装置200の現在の位置情報を取得して、取得した位置情報に基づいて、目的地近辺の位置情報を設定するのがよい。
【0063】
[5.音声再生装置(第3の実施の形態)]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図8は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0064】
図8において、音声再生装置300は、マイクロホン302と、マイクアンプ304と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路306と、スイッチ回路308と、加算回路310と、ヘッドホンアンプ312と、ヘッドホンドライバ314とを備える。これらは、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、スイッチ回路108、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0065】
また、音声再生装置300は、音声信号入力端316と、可変増幅回路318とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0066】
また、音声再生装置300は、制御部320と、操作部334と、記憶部336とを備える。制御部320は、例えばスイッチ回路308のオン/オフを制御する。制御部320は、設定部322と、音声方向判別部324と、音声判別部326と、ノイズ除去部328と、音声比較部330と、通知制御部332とを備える。
【0067】
設定部322は、ユーザにより操作部334やPCなどを介して入力された目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声を目的地のアナウンス音声として設定する。音声方向判別部324は、マイクアンプ304から供給された音声信号において、アナウンス音声とそれ以外の音声との音声方向を判別する。音声判別部326は、マイクアンプ304から供給された音声信号において、アナウンス音声とそれ以外の音声とを判別する。
【0068】
ノイズ除去部328は、マイクアンプ304から供給された音声信号からアナウンス音声以外の音声を除去する。音声比較部330は、マイクアンプ304から供給された音声信号において、ノイズが除去された音声信号、すなわちアナウンス音声と、設定部322により設定された目的地のアナウンス音声とを比較する。通知制御部332は、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。例えば、通知制御部332は、スイッチ回路308をオンからオフにして、音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオンからオフにすることにより、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知する。
【0069】
操作部334は、ユーザによる操作入力を受け付ける。記憶部336は、ユーザにより操作部334やPCなどを介して入力された目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声や、後述するアナウンス音声の一致回数を記憶する。
【0070】
本実施の形態に係る音声再生装置300は、後述する図9の第1の音声再生処理、または図10の第2の音声再生処理を実行することにより、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0071】
[6.第1の音声再生処理(第3の実施の形態)]
次に、図8の音声再生装置300が実行する第1の音声再生処理について説明する。図9は、図8の音声再生装置300が実行する第1の音声再生処理のフローチャートである。
【0072】
図9において、まず、音声再生装置300のユーザにより操作部334を介して音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオンにするための操作が行われると、制御部320は、スイッチ回路308をオンにして、音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオンにする(ステップS302)。
【0073】
次いで、図11に示すように、例えば自宅やオフィスにおいて、ユーザにより操作部334やPCなどを介して目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声が入力されると、設定部322は、入力されたアナウンス音声を目的地のアナウンス音声として設定する(ステップS304)。目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声は、本発明の目的地に関する情報の一例である。
【0074】
次いで、音声判別部326は、マイクアンプ304から供給された音声信号において、アナウンス音声とそれ以外の音声とを判別する(ステップS306)。
【0075】
次いで、ノイズ除去部328は、マイクアンプ304から供給された音声信号からアナウンス音声以外の音声を除去する(ステップS308)。
【0076】
次いで、音声比較部330は、ステップS308でノイズが除去された音声信号、すなわちアナウンス音声と、ステップS304で設定された目的地のアナウンス音声とを比較する(ステップS310)。
【0077】
次いで、通知制御部332は、音声比較部330によるアナウンス音声の比較結果に基づいて、マイクアンプ304から供給された音声信号におけるアナウンス音声と、ステップS304で設定された目的地のアナウンス音声とが一致しているか否かを判別する(ステップS312)。
【0078】
ステップS312の判別の結果、アナウンス音声が一致していないときは(ステップS312でNO)、ステップS306の処理に戻る。
【0079】
ステップS312の判別の結果、アナウンス音声が一致しているときは(ステップS312でYES)、通常、目的地のアナウンス音声は、目的地への到着直前に流れるため、通知制御部332は、図11に示すように、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路308をオフにして、音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオフにして(ステップS314)、本処理を終了する。
【0080】
図9の第1の音声再生処理によれば、ユーザによりノイズキャンセリング機能がオンにされて、目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声が流れたときに、ノイズキャンセリング機能がオフにされるので、上述した図2の音声再生処理と同様の効果を奏することができる。
【0081】
また、図9の第1の音声再生処理では、ステップS306の処理において、音声方向判別部324が、マイクアンプ304から供給された音声信号において、アナウンス音声とそれ以外の音声との音声方向を判別することにより、アナウンス音声とそれ以外の音声との判別精度を向上させてもよい。図12に示すように、通常、アナウンス音声はヘッドホン装置の上方向から流れてくるため、ヘッドホン装置の左右のマイクロホン302を用いて指向性マイクロホンを形成することにより、上方向から流れてくるアナウンス音声の判別精度を向上させることができる。
【0082】
さらに、図13に示すように、ヘッドホン装置に、左右のマイクロホン302に加えて、1つまたは1つ以上のマイクロホンを設けることにより、上方向から流れてくるアナウンス音声の判別精度をさらに向上させてもよい。この場合、新たに設けるマイクロホンは、左右のマイクロホン302を通る軸と交わらない位置に設けるのがよい。
【0083】
[7.第2の音声再生処理(第3の実施の形態)]
次に、図8の音声再生装置300が実行する第2の音声再生処理について説明する。図10は、図8の音声再生装置300が実行する第2の音声再生処理のフローチャートである。
【0084】
図10において、まず、音声再生装置300のユーザにより操作部334を介して音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオンにするための操作が行われると、制御部320は、スイッチ回路308をオンにして、音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオンにする(ステップS402)。
【0085】
次いで、図11に示すように、例えば自宅やオフィスにおいて、ユーザにより操作部334やPCなどを介して目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声が入力されると、設定部322は、入力されたアナウンス音声を目的地のアナウンス音声として設定する(ステップS404)。
【0086】
次いで、音声判別部326は、マイクアンプ304から供給された音声信号において、アナウンス音声とそれ以外の音声とを判別する(ステップS406)。
【0087】
次いで、ノイズ除去部328は、マイクアンプ304から供給された音声信号からアナウンス音声以外の音声を除去する(ステップS408)。
【0088】
次いで、音声比較部330は、ステップS408でノイズが除去された音声信号、すなわちアナウンス音声と、ステップS404で設定された目的地のアナウンス音声とを比較する(ステップS410)。
【0089】
次いで、通知制御部332は、音声比較部330によるアナウンス音声の比較結果に基づいて、マイクアンプ304から供給された音声信号におけるアナウンス音声と、ステップS404で設定された目的地のアナウンス音声とが一致しているか否かを判別する(ステップS412)。
【0090】
ステップS412の判別の結果、アナウンス音声が一致していないときは(ステップS312でNO)、通知制御部332は、所定の時間が経過したか否かを判別する(ステップS414)。
【0091】
ステップS414の判別の結果、所定の時間が経過していないときは(ステップS414でNO)、ステップS406の処理に戻る。
【0092】
ステップS414の判別の結果、所定の時間が経過したときは(ステップS414でNO)、後述するステップS422の処理に進む。
【0093】
ステップS412の判別の結果、アナウンス音声が一致しているときは(ステップS412でYES)、通知制御部332は、アナウンス音声の一致回数が1回目か否かを判別する(ステップS416)。
【0094】
ステップS416の判別の結果、アナウンス音声の一致回数が1回目であるときは(ステップS416でYES)、通知制御部332は、記憶部336に一致回数を記憶させて(ステップS418)、ステップS406の処理に戻る。
【0095】
ステップS416の判別の結果、アナウンス音声の一致回数が1回目でないとき、すなわちアナウンス音声の一致回数が2回目であるときは(ステップS416でNO)、一般に、目的地のアナウンス音声は、目的地への到着直前に2回続けて流れるため、通知制御部332は、図11に示すように、例えば目的地への到着直前に、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路308をオフにして、音声再生装置300のノイズキャンセリング機能をオフにする(ステップS420)。
【0096】
続くステップS422では、通知制御部332は、記憶部336に記憶されている一致回数をクリアして(ステップS422)、本処理を終了する。
【0097】
図10の第2の音声再生処理によれば、ユーザによりノイズキャンセリング機能がオンにされて、目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声が2回続けて流れたときに、ノイズキャンセリング機能がオフにされるので、上述した図2の音声再生処理と同様の効果を奏することができる。
【0098】
[8.音声再生装置(第4の実施の形態)]
次に、本発明の第4の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図14は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0099】
図14において、音声再生装置400は、マイクロホン402と、マイクアンプ404と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路406と、可変増幅回路408と、加算回路410と、ヘッドホンアンプ412と、ヘッドホンドライバ414とを備える。マイクロホン402、マイクアンプ404、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路406、加算回路410、ヘッドホンアンプ412、ヘッドホンドライバ414は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0100】
可変増幅回路408は、NC用フィルタ回路406から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅を行う。可変増幅回路408の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路408は、増幅したノイズキャンセリング用音声信号を加算回路410に供給する。
【0101】
また、音声再生装置400は、音声信号入力端418と、可変増幅回路420と、加算回路422と、メモリ424とを備える。音声信号入力端418は、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116と同様の機能構成を有するため、この説明は省略する。
【0102】
可変増幅回路420は、音声信号入力端418を介して供給された、例えば音楽信号の増幅を行う。可変増幅回路420の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路420は、増幅した音楽信号を加算回路422に供給する。
【0103】
加算回路422は、可変増幅回路420から供給された音楽信号と、後述するメモリ424から供給された通知音声信号とを加算して加算信号を生成する。そして、加算回路422は、生成した加算信号を加算回路410に供給する。
【0104】
メモリ424は、通知音声信号を記憶する。通知音声信号としては、ビープ音や他の音楽信号、俳優、歌手、声優などの音声データが挙げられる。そして、メモリ424は、後述する制御部の制御により通知音声信号を加算回路422に供給する。
【0105】
また、音声再生装置400は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と基本的に同様の機能構成を有する制御部を備える。本実施の形態における音声再生装置400が備える制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、可変増幅回路408,420およびメモリ424を制御する点が、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と異なる。以下、音声再生装置400が、上述した第1の実施の形態における制御部120など、すなわち制御部120、操作部128および時計部130などを備える場合について説明する。
【0106】
[9.音声再生処理(第4の実施の形態)]
次に、図14の音声再生装置400が実行する音声再生処理について説明する。図15は、図14の音声再生装置400が実行する音声再生処理のフローチャートである。
【0107】
図15において、まず、音声再生装置400のユーザにより操作部128を介して音声再生装置400のノイズキャンセリング機能をオンにするための操作が行われると、制御部120は、可変増幅回路408の増幅率を制御して、音声再生装置400のノイズキャンセリング機能をオンにする(ステップS502)。
【0108】
次いで、設定部122は、ユーザにより入力された目的地近辺への到着の通知のための条件を設定する(ステップS504)。例えば、ステップS504では、ユーザにより操作部128を介して目的地近辺に到着するまでの所要時間が入力されると、設定部122は、入力された時間を乗車時間として設定する。
【0109】
次いで、通知制御部126は、ステップS504で設定部122により設定された通知条件を満たすと(ステップS506)、処理状態を[準備]に更新する(ステップS508)。
【0110】
次いで、通知制御部126は、ユーザにより操作部128を介した、後述する通知音声を停止するための割り込み操作があるか否かを判別する(ステップS510)。
【0111】
ステップS510の判別の結果、ユーザによる割り込み操作があるときは(ステップS510でYES)、通知制御部126は、メモリ424からの通知音声信号の供給を停止する(ステップS512)。
【0112】
次いで、通知制御部126は、処理状態を[終了]に更新して(ステップS514)、ステップS510の処理に戻る。
【0113】
ステップS510の判別の結果、ユーザによる割り込み操作がないときは(ステップS510でNO)、通知制御部126は、処理状態を判別する(ステップS516)。
【0114】
ステップS516の判別の結果、処理状態が[準備]であるときは、通知制御部126は、可変増幅回路420の増幅率を制御して、音楽信号の音量をダウンする、もしくはミュートする(ステップS518)。なお、ステップS518では、音楽信号がフェードアウトするように、音楽信号の音量のダウン制御を行ってもよい。
【0115】
次いで、通知制御部126は、ステップS518の準備処理が完了したか否かを判別する(ステップS520)。
【0116】
ステップS520の判別の結果、ステップS518の準備処理が完了していないときは(ステップS520でNO)、ステップS510の処理に戻る。
【0117】
ステップS520の判別の結果、ステップS518の準備処理が完了したときは(ステップS520でYES)、通知制御部126は、処理状態を[通知]に更新して(ステップS522)、ステップS510の処理に戻る。
【0118】
ステップS516の判別の結果、処理状態が[通知]であるときは、通知制御部126は、メモリ424を制御して、メモリ424に記憶されている通知音声を加算回路422に供給して、通知音声の再生を行う(ステップS524)。
【0119】
次いで、通知制御部126は、ステップS524の通知処理が完了したか否かを判別する(ステップS526)。
【0120】
ステップS526の判別の結果、ステップS524の通知処理が完了していないときは(ステップS526でNO)、ステップS510の処理に戻る。
【0121】
ステップS526の判別の結果、ステップS524の通知処理が完了したときは(ステップS526でYES)、通知制御部126は、処理状態を[終了]に更新して(ステップS528)、ステップS510の処理に戻る。
【0122】
ステップS516の判別の結果、処理状態が[終了]であるときは、通知制御部126は、可変増幅回路420の増幅率を制御して、音楽信号の音量をアップする(ステップS530)。
【0123】
次いで、通知制御部126は、ステップS530の終了処理が完了したか否かを判別する(ステップS532)。
【0124】
ステップS532の判別の結果、ステップS530の終了処理が完了していないときは(ステップS532でNO)、ステップS510の処理に戻る。
【0125】
ステップS532の判別の結果、ステップS530の終了処理が完了したときは(ステップS532でYES)、通知制御部126は、処理状態を[待機]に更新して(ステップS534)、本処理を終了する。
【0126】
図15の音声再生処理によれば、ユーザによりノイズキャンセリング機能がオンにされて、ユーザにより入力された目的地近辺への到着の通知のための条件を満たしたときに、通知音声が再生される。音声再生装置400において、通知音声が再生されると、ユーザは再生された通知音声によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。また、通知音声が再生されると、再生された通知音声によってユーザの睡眠が阻害されるため、ユーザは目を覚ますことができ、目的地を通りすごしてしまうことがない。
【0127】
以上により、図15の音声再生装置によれば、ノイズキャンセリング機能がオンにされている場合において、乗り物に乗車中のユーザに対して、降車タイミングを把握させることができる。
【0128】
また、図15の音声再生処理では、上述したようにノイズキャンセリング機能をオフにしてもよい。さらに、可変増幅回路408を制御して、ノイズキャンセル用音声信号の加算回路410への供給を徐々に遮断するようにしてもよい。
【0129】
[10.音声再生装置(第5の実施の形態)]
次に、本発明の第5の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図16は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0130】
図16において、音声再生装置500は、マイクロホン502と、マイクアンプ504と、スイッチ回路506と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路508と、通知時ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路510と、加算回路512と、可変増幅回路514と、加算回路516と、ヘッドホンアンプ518と、ヘッドホンドライバ520とを備える。マイクロホン502、マイクアンプ504、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路508、加算回路516、ヘッドホンアンプ518、ヘッドホンドライバ520は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0131】
スイッチ回路506は、後述する制御部によりマイクアンプ504とNC用フィルタ回路508との接続と、マイクアンプ504と通知時NC用フィルタ回路510との接続との切り換えが制御される。通知時NC用フィルタ回路510は、本発明の第2の生成部の一例であり、マイクアンプ504から供給された音声信号に対して適切なフィルタリング処理をして、NC用フィルタ回路508が生成したノイズキャンセリング用音声信号とは異なるノイズキャンセリング用音声信号を生成する。そして、通知時NC用フィルタ回路510は、生成したノイズキャンセリング用音声信号を加算回路512に供給する。
【0132】
加算回路512は、NC用フィルタ回路508から供給されるノイズキャンセリング用音声信号と、通知時NC用フィルタ回路510から供給されるノイズキャンセリング用音声信号とを加算して加算信号を生成する。そして、加算回路512は、生成した加算信号を可変増幅回路514に供給する。可変増幅回路514は、加算回路512から供給される加算信号の増幅を行う。可変増幅回路514の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路514は、増幅した加算信号を加算回路516に供給する。
【0133】
また、音声再生装置500は、音声信号入力端522と、可変増幅回路524とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0134】
また、音声再生装置500は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と基本的に同様の機能構成を有する制御部を備える。本実施の形態における音声再生装置500が備える制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、スイッチ回路506を主に制御する点が、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と異なる。
【0135】
本実施の形態における音声再生装置500の制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、スイッチ回路506を制御する。例えば、制御部は、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路506を制御して、マイクアンプ504とNC用フィルタ回路508との接続から、マイクアンプ504と通知時NC用フィルタ回路510との接続に切り換える。これにより、加算回路516において、異なるノイズキャンセリング用音声信号が音楽信号に加算されるため、ユーザの音楽聴取環境が変化する。このため、ユーザは音楽聴取環境の変化によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。
【0136】
[11.音声再生装置(第6の実施の形態)]
次に、本発明の第6の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図17は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0137】
図17において、音声再生装置600は、マイクロホン602と、マイクアンプ604と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路606と、可変増幅回路608と、通知時ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路610と、可変増幅回路612と、加算回路614と、加算回路616と、ヘッドホンアンプ618と、ヘッドホンドライバ620とを備える。マイクロホン602、マイクアンプ604、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路606、加算回路616、ヘッドホンアンプ618、ヘッドホンドライバ620は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0138】
可変増幅回路608は、NC用フィルタ回路606から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅を行う。可変増幅回路608の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路608は、増幅したノイズキャンセリング用音声信号を加算回路614に供給する。通知時NC用フィルタ回路610は、マイクアンプ604から供給された音声信号に対して適切なフィルタリング処理をして、NC用フィルタ回路610が生成したノイズキャンセリング用音声信号とは異なるノイズキャンセリング用音声信号を生成する。そして、通知時NC用フィルタ回路610は、生成したノイズキャンセリング用音声信号を可変増幅回路612に供給する。
【0139】
可変増幅回路612は、通知時NC用フィルタ回路610から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅を行う。可変増幅回路612の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路612は、増幅したノイズキャンセリング用音声信号を加算回路614に供給する。加算回路614は、可変増幅回路608から供給されるノイズキャンセリング用音声信号と、可変増幅回路612から供給されるノイズキャンセリング用音声信号とを加算して加算信号を生成する。そして、加算回路614は、生成した加算信号を加算回路616に供給する。
【0140】
また、音声再生装置600は、音声信号入力端622と、可変増幅回路624とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0141】
また、音声再生装置600は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と基本的に同様の機能構成を有する制御部を備える。本実施の形態における音声再生装置600が備える制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、可変増幅回路608,612の増幅率を主に制御する点が、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と異なる。
【0142】
本実施の形態における音声再生装置600の制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、可変増幅回路608,612の増幅率を制御する。例えば、制御部は、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、可変増幅回路608,612の増幅率を制御して、NC用フィルタ回路606から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅率と、通知時NC用フィルタ回路610から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅率とを変更する。これにより、加算回路616において、異なるノイズキャンセリング用音声信号が音楽信号に加算されるため、ユーザの音楽聴取環境が変化する。このため、ユーザは音楽聴取環境の変化によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。
【0143】
[12.音声再生装置(第7の実施の形態)]
次に、本発明の第7の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図18は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0144】
図18において、音声再生装置700は、マイクロホン702と、マイクアンプ704と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路706と、モニタ用フィルタ回路708と、スイッチ回路710と、加算回路712と、ヘッドホンアンプ714と、ヘッドホンドライバ716とを備える。マイクロホン702、マイクアンプ704、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路706、加算回路712、ヘッドホンアンプ714、ヘッドホンドライバ716は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0145】
モニタ用フィルタ回路708は、本発明の第3の生成部の一例であり、マイクアンプ704から供給された音声信号に対して適切なフィルタリング処理をして、マイクアンプ704から供給された音声信号を強調したモニタ用音声信号を生成する。そして、モニタ用フィルタ回路708は、生成したモニタ用音声信号をスイッチ回路710に供給する。なお、モニタ用フィルタ回路708は、マイクアンプ704から供給された音声信号において、アナウンス音声成分のみを強調するのがよい。スイッチ回路710は、後述する制御部によりNC用フィルタ回路706と加算回路712との接続と、モニタ用フィルタ回路708と加算回路712との接続との切り換えが制御される。
【0146】
また、音声再生装置700は、音声信号入力端718と、可変増幅回路720とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0147】
また、音声再生装置700は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と基本的に同様の機能構成を有する制御部を備える。本実施の形態における音声再生装置700が備える制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、スイッチ回路710を主に制御する点が、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と異なる。
【0148】
本実施の形態における音声再生装置700の制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、スイッチ回路710を制御する。例えば、制御部は、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、スイッチ回路710を制御して、NC用フィルタ回路706と加算回路712との接続から、モニタ用フィルタ回路708と加算回路712との接続に切り換える。これにより、加算回路712において、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されるため、ユーザの音楽聴取環境が変化する。このため、ユーザは音楽聴取環境の変化によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。また、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されて加算信号が再生されると、周囲のノイズが強調されてユーザは車内アナウンスを聞き逃すことがなく、目的地に到着したことを把握することができる。また、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されて加算信号が再生されると、強調された周囲のノイズによってユーザの睡眠が阻害されるため、ユーザは目を覚ますことができ、目的地を通り過ぎてしまうことがない。
【0149】
[13.音声再生装置(第8の実施の形態)]
次に、本発明の第8の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図19は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0150】
図19において、音声再生装置800は、マイクロホン802と、マイクアンプ804と、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路806と、可変増幅回路808と、モニタ用フィルタ回路810と、可変増幅回路812と、加算回路814と、加算回路816と、ヘッドホンアンプ818と、ヘッドホンドライバ820とを備える。マイクロホン802、マイクアンプ804、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路806、加算回路816、ヘッドホンアンプ818、ヘッドホンドライバ820は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路106、加算回路110、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0151】
可変増幅回路808は、NC用フィルタ回路806から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅を行う。可変増幅回路808の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路808は、増幅したノイズキャンセリング用音声信号を加算回路814に供給する。モニタ用フィルタ回路810は、マイクアンプ804から供給された音声信号に対して適切なフィルタリング処理をして、マイクアンプ804から供給された音声信号を強調したモニタ用音声信号を生成する。そして、モニタ用フィルタ回路810は、生成したモニタ用音声信号を可変増幅回路812に供給する。なお、モニタ用フィルタ回路810は、マイクアンプ804から供給された音声信号において、アナウンス音声のみを強調するのがよい。
【0152】
可変増幅回路812は、モニタ用フィルタ回路810から供給されるモニタ用音声信号の増幅を行う。可変増幅回路812の増幅率は、変更可能であり、後述する制御部により増幅率が制御される。そして、可変増幅回路812は、増幅したモニタ用音声信号を加算回路814に供給する。加算回路814は、可変増幅回路808から供給されたノイズキャンセリング用音声信号と、可変増幅回路812から供給されたモニタ用音声信号とを加算して加算信号を生成する。そして、加算回路814は、生成した加算信号を加算回路816に供給する。
【0153】
また、音声再生装置800は、音声信号入力端822と、可変増幅回路824とを備える。これらも、上述した第1の実施の形態における、音声信号入力端116、可変増幅回路118と同様の機能構成を有するため、これらの説明も省略する。
【0154】
また、音声再生装置800は、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と基本的に同様の機能構成を有する制御部を備える。本実施の形態における音声再生装置800が備える制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、可変増幅回路808,812の増幅率を主に制御する点が、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、または第3の実施の形態における制御部と異なる。
【0155】
本実施の形態における音声再生装置800の制御部は、ユーザに対する目的地近辺への到着の通知のために、可変増幅回路808,812の増幅率を制御する。例えば、制御部は、ユーザに対して目的地近辺への到着を通知するために、可変増幅回路808,812の増幅率を制御して、NC用フィルタ回路806から供給されるノイズキャンセリング用音声信号の増幅率と、モニタ用フィルタ回路810から供給されるモニタ用音声信号の増幅率とを変更する。これにより、加算回路816において、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されるため、ユーザの音楽聴取環境が変化する。このため、ユーザは音楽聴取環境の変化によって目的地近辺に到着したことを把握することができる。また、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されて加算信号が再生されると、周囲のノイズが強調されてユーザは車内アナウンスを聞き逃すことがなく、目的地に到着したことを把握することができる。また、モニタ用音声信号が音楽信号に加算されて加算信号が再生されると、強調された周囲のノイズによってユーザの睡眠が阻害されるため、ユーザは目を覚ますことができ、目的地を通り過ぎてしまうことがない。
【0156】
[14.音声再生装置(第9の実施の形態)]
次に、本発明の第9の実施の形態に係る音声再生装置について説明する。図20は、本実施の形態に係る音声再生装置の構成を概略的に示す説明図である。
【0157】
図20において、音声再生装置900は、マイクロホン902と、マイクアンプ904と、A/D変換回路906と、DSP(Digital Signal Processor)908と、D/A変換回路910と、ヘッドホンアンプ912と、ヘッドホンドライバ914と、音声信号入力端916とを備える。マイクロホン902、マイクアンプ904、ヘッドホンアンプ912、ヘッドホンドライバ914、音声信号入力端916は、上述した第1の実施の形態における、マイクロホン102、マイクアンプ104、ヘッドホンアンプ112、ヘッドホンドライバ114、音声信号入力端116と同様の機能構成を有するため、これらの説明を省略する。
【0158】
A/D変換回路906は、マイクアンプ904から供給されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換する。A/D変換回路906は、変換したデジタル音声信号をDSP908に供給する。DSP908は、上述した各実施の形態におけるユーザに対する目的地近辺への到着の通知のための処理をデジタルフィルタなどを用いて実現する。DSP908は、処理を施したデジタル音声信号をD/A変換回路910に供給する。D/A変換回路910は、DSP908から供給されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。D/A変換回路910は、変換したアナログ音声信号をヘッドホンアンプ912に供給する。
【0159】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。
【0160】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0161】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0162】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0163】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0164】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0165】
例えば、本発明の各実施の形態は適宜組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0166】
100 音声再生装置
102 マイクロホン
104 マイクアンプ
106 ノイズキャンセリング(NC)用フィルタ回路
108 スイッチ回路
110 加算回路
112 ヘッドホンアンプ
114 ヘッドホンドライバ
116 音声信号入力端
118 可変増幅回路
120 制御部
122 設定部
124 カウント部
126 通知制御部
128 操作部
130 時計部
132 センサ部
134 通信部
136 通信網
138 サーバ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズを収音するための収音部と、
前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成部と、
前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生部と、
ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定部と、
前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を遮断するようにする制御部と、
を備える、音声再生装置。
【請求項2】
前記目的地に関する情報は、乗車時間であり、前記条件は、前記乗車時間が経過したか否かである、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記目的地に関する情報は、前記目的地の位置情報であり、前記条件は、現在の位置情報と前記目的地の位置情報とが一致したか否かである、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記目的地に関する情報は、前記目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声であり、前記条件は、前記ノイズの音声信号のうちのアナウンス音声と前記目的地への到着を知らせるためのアナウンス音声とが一致したか否かである、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を徐々に遮断するようにする、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項6】
前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするための、前記生成部が生成したノイズキャンセル用音声信号とは異なる他のノイズキャンセル用音声信号を生成する第2の生成部を備え、
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記他のノイズキャンセル用音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、
前記再生部は、供給された前記他のノイズキャンセル用音声信号を音響再生する、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項7】
ノイズを収音するための収音部で収音して得たノイズの音声信号から、聴取対象の音声成分を強調したモニタ用音声信号を生成する第3の生成部を備え、
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、前記モニタ用音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、
前記再生部は、供給された前記モニタ用音声信号を音響再生する、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記条件を満たしたときに、記憶部に記憶された通知音声信号が前記再生部へ供給されるように制御し、
前記再生部は、供給された前記通知音声信号を音響再生する、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項9】
他の収音部を備え、前記収音部と前記他の収音部とを用いて指向性を形成する、請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項10】
さらに他の収音部を備え、当該収音部は、前記収音部と前記他の収音部とを通る軸と交わらない位置に設けられる、請求項9に記載の音声再生装置。
【請求項11】
ノイズを収音するための収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成ステップと、
前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生ステップと、
ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定ステップと、
前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号が音響再生されないようにする制御ステップと、
を有する、音声再生方法。
【請求項12】
コンピュータを、
ノイズを収音するための収音部と、
前記収音部が収音して得たノイズの音声信号から、前記ノイズと音響的に合成することで当該ノイズをキャンセルするようにするためのノイズキャンセル用音声信号を生成する生成部と、
前記ノイズキャンセル用音声信号を音響再生して前記ノイズと音響的に合成するようにする再生部と、
ユーザにより入力された目的地に関する情報に基づいて、前記目的地へ到着したか否かを判断するための条件を設定する設定部と、
前記条件を満たしたときに、前記ノイズキャンセル用音声信号の前記再生部への供給を遮断するようにする制御部と、
として機能させるための、プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−203654(P2011−203654A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73035(P2010−73035)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】