説明

音声再生装置

【課題】音声再生装置において、ユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作や、音声の種類を外国語に戻すためのキー操作を簡単にする。
【解決手段】音声の種類の切換指示操作を行うための指示操作キーをリモコンに設けて、この指示操作キーを用いてユーザにより1回の切換指示操作が行われたときに(S1でYES)、直ちに、音声の種類を切り換えるようにした(S2)。また、各種の指示操作キーをリモコンに設けて、ユーザによりこれらの指示操作キーの操作が行われたときに、音声の種類の切換処理に加えて、再生箇所を戻す処理や送る処理、所定の再生区間のリピート処理、及び再生する音声の種類を戻す処理の少なくともいずれか一つの処理を行うようにした(S1〜S15)。これにより、今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作や、音声の種類を戻すためのキー操作を簡単にできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2種類以上の音声を含むコンテンツの音声を、音声の種類を切り換えて再生することが可能な音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、2種類以上の言語の音声を含む番組(2ヶ国語放送の番組)を録画して、ユーザが、録画した番組を副音声で再生して外国語のリスニングの練習をする場合がある。このような場合に、ユーザが、今副音声で再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためには、操作対象となる音声再生装置がハードディスクレコーダの場合、まず、音声切換キーを押して、現在の音声の種類(「副音声」)を表示させた後、さらに音声切換キーを2〜3回押して、再生する音声の種類を、「主/副音声(モノラル)」、「主/副音声(ステレオ2ch)」、「主音声」と切り換えてから(又は「主/副音声」、「主音声」と切り換えてから)、いわゆる「戻し」キーやリピートキー等のサーチ用のキーを入力する必要があった。さらにまた、このようにして日本語(「主音声」)で番組を再生した後は、再度音声切換キーを押して、再生する音声の種類を、(勉強中の言語である)外国語(「副音声」)に切り換える必要があった。
【0003】
また、操作対象となる音声再生装置が、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダやBD(Blu−ray Disc)レコーダの場合、上記の音声切換方法を採用するもの以外に、オーディオキーを押すと、希望する音声言語の種類を選択するためのオーディオメニューを表示するものがある。このタイプの音声再生装置の場合、ユーザが、今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためには、まず、オーディオキーを押して、オーディオメニューを表示してから、カーソルキーを動かして上記のメニュー上で希望する言語(日本語)を選択し、決定(O.K.)キーを押す必用がある。さらにまた、このようにして日本語で番組を再生した後は、再度、上記と同様なキー操作を行って、再生する音声の種類を、外国語に切り換える必要があった。
【0004】
従って、上記のいずれのタイプの音声切換方法を採用した音声再生装置においても、ユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作や、再生する音声の種類を外国語に戻す(復帰させる)ためのキー操作が煩雑であるため、ユーザが外国語の勉強を効率的に行うことができないという問題があった。
【0005】
ところで、音声再生装置の分野において、ユーザ指定に応じてダウンロードされた任意の音声データをデコードして出力再生する際に、デコードされた再生音声データを音声認識してテキスト化し、ピリオド等がある区切り位置を検出して音声データの再生を一時停止し、ユーザがリピートして発声すると、ユーザの音声のデータもテキスト化して、テキスト化したユーザの音声データに区切り位置を検出すると、直ちに、元の(ダウンロードされた)音声データの次の一文の再生を再開させるものが知られている(特許文献1参照)。また、外国語学習装置の分野において、特許文献2乃至5に記載された発明が知られている。しかしながら、上記特許文献1乃至5の発明では、上記の問題(ユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作や、再生する音声の種類を外国語に戻す(復帰させる)ためのキー操作が煩雑であるという問題)を解消することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−41302号公報
【特許文献2】特開2004−177760号公報
【特許文献3】特開2002−149053号公報
【特許文献4】特開2001−331086号公報
【特許文献5】特開2002−229441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、音声再生時にユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作や、再生する音声の種類を外国語に戻す(復帰させる)ためのキー操作を簡単にして、ユーザが外国語の勉強を効率的に行うことが可能な音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、2種類以上の音声を含むコンテンツの音声を再生する音声再生手段と、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換指示操作を行うための音声切換操作手段と、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理を制御する音声切換制御手段とを備えた音声再生装置において、前記音声切換制御手段は、前記音声切換操作手段を用いてユーザにより1回の切換指示操作が行われたときに、直ちに、前記音声再生手段により再生される音声の種類を切り換えるものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の音声再生装置において、前記コンテンツを記録する記録手段をさらに備え、前記音声再生手段は、前記記録手段に記録されたコンテンツの音声を再生し、前記音声切換操作手段は、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、再生箇所を戻す処理、再生箇所を送る処理、及び所定の再生区間のリピート処理の少なくともいずれか一つの処理の指示操作を行うために用いられる切換サーチ指示操作キーを含み、前記音声切換制御手段は、ユーザにより前記切換サーチ指示操作キーを用いた指示操作が行われたときに、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、前記再生箇所を戻す処理、前記再生箇所を送る処理、及び前記所定の再生区間のリピート処理の少なくともいずれか一つの処理を実行するものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の音声再生装置において、前記音声切換操作手段は、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、前記音声再生手段により再生される音声の種類を戻す処理の指示操作を行うために用いられる切換復帰指示操作キーを含み、前記音声切換制御手段は、ユーザにより前記切換復帰指示操作キーを用いた指示操作が行われたときに、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、この切換処理から所定の時間が経過した後に、前記音声再生手段により再生される音声の種類を戻す処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、音声再生時にユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知りたいときには、ユーザが、音声切換操作手段を用いて、1回の切換指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語から日本語に切り換えられるので、ユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作を、簡単にすることができる。これにより、ユーザが外国語の勉強を効率的に行うことができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、音声再生時にユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知りたいときに、ユーザが、切換サーチ指示操作キーを用いて、1回の指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語から日本語に切り換えられると共に、再生箇所を戻す処理や、所定の再生区間のリピート処理等のサーチ処理(今再生した外国語に相当する日本語の再生箇所を探すための処理)が実行される。これにより、ユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作を、さらに簡単にすることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、音声再生時にユーザが今再生した外国語が日本語でどういう意味なのかを知りたいときに、ユーザが、切換復帰指示操作キーを用いて、1回の指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語から日本語に切り換えられると共に、この切換処理から所定の時間が経過した後に、再生される音声の種類を戻す処理が実行される。これにより、再生する音声の種類を外国語に戻す(復帰させる)ためのキー操作を簡単にすることができるので、ユーザが外国語の勉強をより一層効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る音声再生装置であるTV受像機の電気的ブロック構成図。
【図2】図1中のリモコンが有する各種の指示操作キーを示す図。
【図3】上記TV受像機における音声切換処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、本発明を、ハードディスクレコーダ(ハードディスクドライブ)と、BD(Blu−ray Disc)レコーダ(BDドライブ)とを内蔵したタイプの液晶ディジタルテレビジョン受像機に適用した場合の例について説明するが、本発明の音声再生装置は、これに限られず、例えば、テレビジョン受像機とは別体に設けられたハードディスクレコーダ、BDレコーダ、BDプレーヤ、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ等であってもよい。なお、以下に記載した実施形態は、本発明を網羅するものではなく、本発明は、下記の形態だけに限定されない。
【0016】
図1は、本実施形態による音声再生装置である液晶ディジタルテレビジョン受像機(以下、TV受像機という)を示す。TV受像機1は、装置全体の制御を行うCPU2(音声切換制御手段)と、アンテナ50を介してディジタルテレビジョン放送信号(トランスポートストリーム)を受信するためのチューナ3と、各種のデコーダ41及びエンコーダ42を含む圧縮・伸張回路4とを有している。デコーダ41は、チューナ11で受信したトランスポートストリーム中のパケットのデコードや、HDD(ハードディスクドライブ)5内蔵のハードディスク及びBDドライブ6内蔵のBD(のディスク)61に圧縮形式で記録されたディジタルテレビジョン放送の番組(ファイル)等のコンテンツのデコードを行って、映像信号や音声信号を再生する。デコーダ41は、HDD5内蔵のハードディスクに記録された2種類以上の音声を含むコンテンツの音声を再生することができ、請求項における音声再生手段に相当する。また、エンコーダ42は、デコーダ41で再生された、ディジタルテレビジョン放送信号に基づく映像信号や音声信号を、ハードディスクに適した圧縮方法と圧縮率で圧縮してHDD5に送る処理と、ダビング時に、ハードディスクに記録された番組(ファイル)等のコンテンツをBD61に適した圧縮方法と圧縮率で圧縮してBDドライブ6に送る処理とを行う。
【0017】
また、TV受像機1は、上記のエンコーダ42で圧縮された番組(ファイル)等のコンテンツを内蔵のハードディスクに記録すると共に、ハードディスクに記録されたコンテンツを読み出すHDD5(請求項における記録手段)と、エンコーダ42によりハードディスクに記録する時とは異なる圧縮率で圧縮されたコンテンツをBD61に記録すると共に、BD61に記録されたコンテンツを読み出すBDドライブ6とを有している。また、TV受像機1は、デコーダ41で再生されたディジタル形式の映像信号に対して各種の映像信号処理を行う映像信号処理回路7と、映像信号処理回路7から受信した映像信号に基づいて表示用電極を駆動する電極駆動回路8と、映像信号処理回路8による映像信号処理後の映像信号に基づく映像を表示する液晶表示パネル9とを備えている。
【0018】
また、TV受像機1は、デコーダ41で再生されたディジタル形式の音声信号に対して、各種の音声信号処理と増幅処理を行った後、これらの処理後のディジタル形式の音声信号をD/A変換してスピーカ18の駆動信号として出力する音声信号処理回路11と、音声信号処理回路11から出力された駆動信号に駆動されて音声を出力するスピーカ12とを備えている。
【0019】
さらにまた、TV受像機1は、装置本体のパネルに設けられた、複数の操作キーを有する操作部13と、リモコン(リモートコントローラ)20からの赤外線によるリモコン信号を受信するためのリモコン信号受信装置14と、CPU2による各種の処理に使用される(ファームウェアを含む)プログラムや各種のデータを格納したメモリ15と、複数の指示操作キーを有するリモコン20とを有している。リモコン20には、再生する音声の種類の切換指示操作を行うための音声切換キー(図2参照)が含まれている。また、メモリ15は、再生する音声の種類の切換処理の制御用のプログラムである音声切換制御プログラム16と、音声の種類の切換を行ってから所定の時間経過後に自動的に音声を元の種類の音声に戻す処理である復帰処理を行う場合に参照される復帰時間17(音声の種類を切り換えてから元に戻すまでの時間を表すデータ)とを記憶している。
【0020】
次に、図2を参照して、上記のリモコン20が有する各種の指示操作キーについて説明する。リモコン20は、各種の指示操作キーに応じた赤外線のリモコン信号を送信する送信部21に加えて、電源キー22、メニューキー23、数字入力キー24、録画キー25、再生キー26、停止キー27、一時停止キー28、音声切換キー29、切換/復帰キー30、戻しキー31、送りキー32、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、リピートキー37、切換/リピキー38、切換/リ/復キー39、チャンネルアップキー40、チャンネルダウンキー41、ボリュームアップキー42、ボリュームダウンキー43、十字キー44、決定キー45の指示操作キーを有している。
【0021】
上記の音声切換キー29は、ディジタルテレビジョン放送の番組視聴時や、HDD5(のハードディスク)に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対する音声の種類の切換指示操作を行うために使用される。また、切換/復帰キー30は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、この切換処理から所定の時間が経過した後に、再生する音声の種類を元の種類の音声に自動的に戻す処理(上記の復帰処理)を実行するように指示操作するために使用される。すなわち、切換/復帰キー30は、再生する音声の種類の切換処理に加えて、再生する音声の種類を戻す処理(復帰処理)の指示操作を行うために用いられる。
【0022】
上記の戻しキー31は、HDD5のハードディスクやBD61に記録されたコンテンツを再生する時に、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ戻す処理の指示操作を行うために用いられる。また、送りキー32は、HDD5のハードディスクやBD61に記録されたコンテンツを再生する時に、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ送る(進める)処理の指示操作を行うために用いられる。また、切換/戻しキー33は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ戻す処理を行うように指示操作するために用いられる。また、切換/送りキー34は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ送る(進める)ように指示操作するために用いられる。
【0023】
また、上記の切換/戻/復キー35は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ戻し、さらに音声の種類を切り換えてから所定の時間が経過した後に、再生する音声の種類を元の種類の音声に自動的に戻す処理(上記の復帰処理)を実行するように指示操作するために使用される。また、切換/送/復キー36は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、コンテンツの映像及び音声の再生箇所を所定時間分だけ送り(進め)、さらに音声の種類を切り換えてから所定の時間が経過した後に、再生する音声の種類を元の種類の音声に自動的に戻す処理を実行するように指示操作するために使用される。
【0024】
上記のリピートキー37は、HDD5のハードディスクやBD61に記録されたコンテンツを再生する時に、再生対象のコンテンツにおける所定の区間(所定の時間分の区間の場合もあるし、チャプター間の区間の場合もある)の再生を繰り返す処理(リピート処理)の指示操作を行うために用いられる。また、切換/リピキー38は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、再生対象のコンテンツにおける所定の区間の再生を繰り返す処理(リピート処理)を実行するように指示操作するために用いられる。また、切換/リ/復キー39は、HDD5に記録された2種類以上の音声を含むコンテンツを再生する時に、TV受像機1に対して、再生する音声の種類を切り換えた上で、再生対象のコンテンツにおける所定の区間の再生を繰り返す処理(リピート処理)を行い、さらに音声の種類を切り換えてから所定の時間が経過した後に、再生する音声の種類を元の種類の音声に自動的に戻す処理(上記の復帰処理)を実行するように指示操作するために使用される。
【0025】
上記の音声切換キー29、切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39が、請求項における音声切換操作手段に相当する。また、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39が、請求項2における切換サーチ指示操作キーに相当する。また、切換/復帰キー30、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、及び切換/リ/復キー39が、請求項3における切換復帰指示操作キーに相当する。
【0026】
次に、上記TV受像機1におけるハードディスクに記録されたコンテンツの再生時における音声切換処理について、図3に示されるフローチャートを参照して説明する。なお、この音声切換処理は、音声切換制御プログラムに基づいて、CPU2が行う。いま、ユーザが、例えば英語の勉強をするために、2ヶ国語放送(主音声が日本語で副音声が英語の放送)の番組をハードディスクに録画して、録画した番組を副音声で再生して英語のリスニングの練習をしていたとする。このとき、ユーザが、今副音声で再生した英語の表現が日本語でどういう意味なのかを知るために、音声切換関連の有効な指示操作キー(リモコン20における音声切換キー29、切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39のうちのいずれかのキー)を押下すると(S1でYES)、CPU2は、再生する音声の種類を主音声に切り換えることにより、再生する音声の言語を日本語に切り換える(S2)。
【0027】
次に、CPU2は、上記S1で押下された指示操作キーが、1キー式のタイプの指示操作キーであるか否かを判定する(S3)。ここで、「1キー式」のタイプの指示操作キーとは、1つの指示操作キーの押下で、2種類以上の処理の実行を指示するタイプの指示操作キー(例えば、リモコン20における切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39))を意味する。上記判定の結果、1キー式のタイプの指示操作キーであった場合には、(S3でYES)、CPU2は、上記S1で押下された指示操作キーにより指示された処理に、「戻し」処理(コンテンツの再生箇所を所定時間分だけ戻す処理)、「送り」処理(コンテンツの再生箇所を所定時間分だけ送る(進める)処理)、又は「リピート」処理(再生対象のコンテンツにおける所定の区間の再生を繰り返す処理)のいずれかが含まれているか否かを判定する(S4乃至S6)。
【0028】
上記S4の判定の結果、上記S1で押下された指示操作キーにより指示された処理に、「戻し」処理が含まれていた場合(上記S1で押下された指示操作キーが切換/戻しキー33、又は切換/戻/復キー35であった場合)には(S4でYES)、CPU2は、コンテンツの再生箇所を所定時間分だけ戻してから再生を行う(S8)。上記S4の判定の結果、上記S1で押下された指示操作キーにより指示された処理に、「戻し」処理が含まれておらず(S4でNO)、「送り」処理が含まれていた場合(上記S1で押下された指示操作キーが切換/送りキー34、又は切換/送/復キー36であった場合)には(S5でYES)、CPU2は、コンテンツの再生箇所を所定時間分だけ送って(進めて)から再生を行う(S9)。上記S5の判定の結果、上記S1で押下された指示操作キーにより指示された処理に、「送り」処理が含まれておらず(S5でNO)、「リピート」処理が含まれていた場合(上記S1で押下された指示操作キーが切換/リピキー38、又は切換/リ/復キー39であった場合)には(S6でYES)、CPU2は、再生対象のコンテンツにおける所定の区間の再生を繰り返す(リピート再生を実行する)(S10)。
【0029】
上記S1で押下された指示操作キーにより指示された処理に、「戻し」処理も、「送り」処理も、「リピート」処理も含まれていなかった場合(上記S1で押下された指示操作キーが音声切換キー29又は切換/復帰キー30であった場合)には(S4〜S6で全てNO)、上記の「戻し」処理も、「送り」処理も、「リピート」処理も行わず、通常の再生処理を行う(S11)。なお、上記S3の判定の結果、上記S1で押下された指示操作キーが、1キー式のタイプの指示操作キーでなかった場合(上記S1で押下された指示操作キーが音声切換キー29であった場合)でも(S3でNO)、再生が停止するまでの間に、戻しキー31、送りキー32、又はリピートキー37が押下された場合には、CPU2は、上記S8、S9、又はS10の処理を実行する。
【0030】
次に、CPU2は、上記S1で押下された指示操作キーが、復帰型のタイプの指示操作キーであるか否かを判定する(S12)。ここで、「復帰型」のタイプの指示操作キーとは、指示された処理に、音声の種類の切換処理(「音声切換処理」)に加えて、「復帰処理」が含まれるタイプの指示操作キー(切換/復帰キー30、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、又は切換/リ/復キー39)のことを意味する。S12の判定の結果、上記S1で押下された指示操作キーが、復帰型のタイプの指示操作キーであった場合には(S12でYES)、CPU2は、メモリ15に記憶された復帰時間17を読み込んで復帰用タイマにセットし(S13)、復帰用タイマにより、元の音声(副音声)に復帰するまでの時間のカウントを開始する。そして、CPU2は、復帰時間17に相当する時間の経過を復帰用タイマから通知されると(S14でYES)、再生する音声の種類を元の種類の音声(副音声、すなわち英語の音声)に自動的に戻す処理(復帰処理)を実行する(S15)。
【0031】
上記図3に関する説明では、ハードディスクに記録されたコンテンツ(2ヶ国語放送の番組)の再生時における音声切換処理について説明したが、ハードディスクからBD61にダビングされたコンテンツの再生時における音声切換処理についても、上記図3と同様な処理を行うことが可能である。また、BD61やDVD等に格納されたコンテンツで3種類以上の言語の音声が収録されているものの場合にも、初期設定用のメニュー画面で、上記の副音声に相当する学習外国語(英語等)と、上記の主音声に相当する解説用(母国語)の言語(日本語等)とを登録しておくことにより、上記図3と同様な音声切換処理を行うことができる。
【0032】
上記のように、本実施形態のTV受像機1によれば、コンテンツの(音声)再生時にユーザが今再生した外国語(英語)が日本語でどういう意味なのかを知りたいときには、ユーザが、リモコン20(における音声切換キー29、切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39のうちのいずれかのキー)を用いて、1回の切換指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語(英語)から日本語に切り換えられるので、ユーザが今再生した外国語(英語)が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作を、簡単にすることができる。これにより、ユーザが外国語(英語)の勉強を効率的に行うことができる。
【0033】
また、コンテンツの(音声)再生時にユーザが今再生した外国語(英語)が日本語でどういう意味なのかを知りたいときに、ユーザが、リモコン20の指示操作キー(切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39のうちのいずれかのキー)を用いて、1回の指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語(英語)から日本語に切り換えられると共に、再生箇所を戻す処理や、再生箇所を送る処理や、所定の再生区間のリピート処理等のサーチ処理(今再生した外国語(英語)に相当する日本語の再生箇所を探すための処理)が実行される。これにより、ユーザが今再生した外国語(英語)が日本語でどういう意味なのかを知るためのキー操作を、さらに簡単にすることができる。
【0034】
さらにまた、コンテンツの(音声)再生時にユーザが今再生した外国語(英語)が日本語でどういう意味なのかを知りたいときに、ユーザが、リモコン20の指示操作キー(切換/復帰キー30、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、及び切換/リ/復キー39のうちのいずれかのキー)を用いて、1回の指示操作を行うだけで、直ちに、再生される音声の種類が外国語(英語)から日本語に切り換えられると共に、この切換処理から所定の時間が経過した後に、再生される音声の種類を戻す処理が実行される。これにより、音声の種類を外国語(英語)に戻す(復帰させる)ためのキー操作を簡単にすることができるので、ユーザが外国語(英語)の勉強をより一層効率的に行うことができる。
【0035】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39のように、複数種類の処理の指示操作を行うための「1キー式」の指示操作キーを設けたが、複数種類の処理の指示操作を行うための「2キー式」の指示操作キーを設けてもよい。具体的には、例えば、音声切換キー29を押下してから所定時間内に数字入力キー24のうちの「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」のキーを押下した場合に、それぞれ上記の切換/復帰キー30、切換/戻しキー33、切換/送りキー34、切換/戻/復キー35、切換/送/復キー36、切換/リピキー38、及び切換/リ/復キー39を押下した場合と同様の処理を行なうようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、戻しキー31、切換/戻しキー33、及び切換/戻/復キー35を、いずれも1種類だけ設けて、これらのキーを押下した場合における戻し(戻す)時間を、全て同じにしたが、これらのキーを押下した場合における戻し(戻す)時間を相互に異ならせてもよいし、戻しキー31、切換/戻しキー33、及び切換/戻/復キー35を、いずれも2種類以上設けて、これらのキーを押下した場合における戻し(戻す)時間を、種類毎に異ならせてもよい。また、初期設定用のメニュー画面で、これら2種類以上の戻し(戻す)時間を登録するようにしてもよい。さらにまた、これらの「戻し」操作に関連する指示操作キー(戻しキー31、切換/戻しキー33、及び切換/戻/復キー35)の押下回数に応じて、戻し(戻す)時間を変更できるようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、送りキー32、切換/送りキー34、及び切換/送/復キー36を、いずれも1種類だけ設けて、これらのキーを押下した場合における送る(進める)時間を、全て同じにしたが、これらのキーを押下した場合における送る(進める)時間を相互に異ならせてもよいし、送りキー32、切換/送りキー34、及び切換/送/復キー36を、いずれも2種類以上設けて、これらのキーを押下した場合における送る(進める)時間を、種類毎に異ならせてもよい。また、初期設定用のメニュー画面で、これら2種類以上の送る(進める)時間を登録するようにしてもよい。さらにまた、これらの「送り」操作に関連する指示操作キー(送りキー32、切換/送りキー34、及び切換/送/復キー36)の押下回数に応じて、送る(進める)時間を変更できるようにしてもよい。
【0038】
また、リピート処理の関連の指示操作キー(リピートキー37、切換/リピキー38、切換/リ/復キー39)を、いずれも2種類以上設けて、これらのキーを押下した場合におけるリピート区間の長さを、種類毎に異ならせてもよい。また、初期設定用のメニュー画面で、これら2種類以上のリピート区間の長さを登録するようにしてもよい。さらにまた、これらの「リピート」操作に関連する指示操作キーの押下回数に応じて、送る(進める)時間を変更できるようにしてもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、「戻し」操作に関連する指示操作キーや、「送り」操作に関連する指示操作キーを押下した場合に、所定時間だけ戻す又は送る処理を行うようにしたが、これらの通常のサーチ処理の代わりに、チャプターサーチ処理(前のチャプターまで戻す処理、又は次のチャプターまで送る処理)や、タイムサーチ処理(指示操作キーが押下された場合に、時間(戻す時間又は送る時間)入力用の画面を表示して、入力された時間だけ再生箇所を戻す又は送る処理)を行うようにしてもよい。
【0040】
また、再生するコンテンツの内容に応じて、自動的に音声(言語)を切り換えてもよい。例えば、再生するコンテンツのタイトルが英語のタイトルである場合には、自動的に音声を英語の音声に切り換えるようにしてもよい。また、上記のコンテンツは、ハードディスク、BD、DVDに記録されたコンテンツに限られず、例えば、SD(Secure Digital)カードやUSB(Universal Serial Bus)メモリに記憶されたコンテンツでもよいし、ネットワーク配信されたコンテンツ(例えばVOD(Video On Demand)コンテンツ)であってもよい。また、CD−ROMに記録された音声のコンテンツであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 TV受像機(音声再生装置)
2 CPU(音声切換制御手段)
5 HDD(記録手段)
29 音声切換キー(音声切換操作手段)
30 切換/復帰キー(音声切換操作手段、切換復帰指示操作キー)
33 切換/戻しキー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー)
34 切換/送りキー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー)
35 切換/戻/復キー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー、切換復帰指示操作キー)
36 切換/送/復キー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー、切換復帰指示操作キー)
38 切換/リピキー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー)
39 切換/リ/復キー(音声切換操作手段、切換サーチ指示操作キー、切換復帰指示操作キー)
41 デコーダ(音声再生手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種類以上の音声を含むコンテンツの音声を再生する音声再生手段と、
前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換指示操作を行うための音声切換操作手段と、
前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理を制御する音声切換制御手段とを備えた音声再生装置において、
前記音声切換制御手段は、前記音声切換操作手段を用いてユーザにより1回の切換指示操作が行われたときに、直ちに、前記音声再生手段により再生される音声の種類を切り換えることを特徴とする音声再生装置。
【請求項2】
前記コンテンツを記録する記録手段をさらに備え、
前記音声再生手段は、前記記録手段に記録されたコンテンツの音声を再生し、
前記音声切換操作手段は、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、再生箇所を戻す処理、再生箇所を送る処理、及び所定の再生区間のリピート処理の少なくともいずれか一つの処理の指示操作を行うために用いられる切換サーチ指示操作キーを含み、
前記音声切換制御手段は、ユーザにより前記切換サーチ指示操作キーを用いた指示操作が行われたときに、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、前記再生箇所を戻す処理、前記再生箇所を送る処理、及び前記所定の再生区間のリピート処理の少なくともいずれか一つの処理を実行することを特徴とする請求項1に記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記音声切換操作手段は、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、前記音声再生手段により再生される音声の種類を戻す処理の指示操作を行うために用いられる切換復帰指示操作キーを含み、
前記音声切換制御手段は、ユーザにより前記切換復帰指示操作キーを用いた指示操作が行われたときに、前記音声再生手段により再生される音声の種類の切換処理に加えて、この切換処理から所定の時間が経過した後に、前記音声再生手段により再生される音声の種類を戻す処理を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−185867(P2012−185867A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46348(P2011−46348)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】