説明

音声処理装置

【課題】 複数のスピーカー端子に割り当てられるチャンネル及び機能をユーザに容易に判別させることができる音声処理装置を提供すること。
【解決手段】
AVアンプ1は、複数チャンネルの音声信号に対応する複数のスピーカー端子と、複数チャンネルの音声信号に実行される機能を判断する機能判断手段と、複数チャンネルの音声信号に実行される機能に基づいて、複数のスピーカー端子に対して音声信号のチャンネル及び機能を割り当てる割当手段と、複数のスピーカー端子と、複数のスピーカー端子に割り当てられている音声信号のチャンネル及び機能とを示す画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチチャンネル音声データを再生する音声処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
BDプレーヤと、AVアンプと、ディスプレイ装置とを備える音声再生システムが利用されている。BDプレーヤからAVアンプに送信される音声データは、マルチチャンネル音声データがエンコードされたものである。例えば、マルチチャンネル音声データは、図3に示すように、左音声信号L、右音声信号R、中央音声信号C、低域音声信号SW、サラウンド左音声信号SL、サラウンド右音声信号SR、サラウンド後方左音声信号SBL、サラウンド後方右音声信号SBRを含む。また、最近では、Dolby True HD、Dolby Digital
Plus、DTS-HD等のHD(High Definition)関連の音声フォーマットが登場してきており、これらのフォーマットにおいては、左上側音声信号LH、右上側音声信号RH、左外側音声信号LW、右外側音声信号RWがさらに追加されている。
【0003】
また、AVアンプには、BTL(Bridged Transless)、Bi-Amp、スピーカーB、Zone2等のスピーカーへの音声出力に関する機能が実行可能である。ユーザ操作によって選択される機能に応じて、スピーカー端子に割り当てられる音声信号のチャンネル及び機能が変化し、スピーカー端子に接続すべきスピーカーの種類が変化する。しかし、ユーザは、スピーカー端子に割り当てられているチャンネル及び機能を判別することが難しく、スピーカー端子に誤ったスピーカーを接続してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−43517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数のスピーカー端子に割り当てられるチャンネル及び機能をユーザに容易に判別させることができる音声処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の好ましい実施形態による音声処理装置は、マルチチャンネル音声データに含まれる複数チャンネルの音声信号に1又は複数の機能を実行して出力する音声処理装置であって、複数チャンネルの音声信号に対応する複数のスピーカー端子と、複数チャンネルの音声信号に実行される機能を判断する機能判断手段と、複数チャンネルの音声信号に実行される機能に基づいて、前記複数のスピーカー端子に対して音声信号のチャンネル及び機能を割り当てる割当手段と、前記複数のスピーカー端子と、前記複数のスピーカー端子に割り当てられている音声信号のチャンネル及び機能とを示す画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを備える。
【0007】
複数のスピーカー端子に割り当てられるチャンネル及び機能を表示することにより、ユーザに容易に判別させることができる。
【発明の効果】
【0008】
複数のスピーカー端子に割り当てられるチャンネル及び機能をユーザに容易に判別させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態によるディスク再生装置(以下、BDプレーヤという。)、音声処理装置(以下、AVアンプという。)及びディスプレイ装置を備える音声再生システムついて、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0010】
図1は、AVアンプ1、及び、各スピーカーの配置の一例を説明する図である。AVアンプ1には、左スピーカーSL、右スピーカーSR、中央スピーカーSC、低域スピーカーSSW、サラウンド左スピーカーSSL、サラウンド右スピーカーSSR、サラウンド後方左スピーカーSSBL、サラウンド後方右スピーカーSSBR、左上側スピーカーSLH、右上側スピーカーSRH、左外側スピーカーSLW、右外側スピーカーSRWが接続されている。
【0011】
図2は、音声再生システムの構成を示すブロック図である。BDプレーヤ100、AVアンプ1及びディスプレイ装置200は、例えばHDMI規格に準拠し、HDMIケーブルを介して相互に接続されている。BDプレーヤ100は、マルチチャンネル音声データ及び映像データを含むHDMIデータをAVアンプ1に送信する。AVアンプ1は、BDプレーヤ100から受信したHDMIデータに含まれるマルチチャンネル音声データを増幅してスピーカーに出力する。また、AVアンプ1は、映像データを含むHDMIデータをディスプレイ装置200に送信する。ディスプレイ装置200は、AVアンプ1から受信したHDMIデータに含まれる映像データを表示する。
【0012】
AVアンプ1は、制御部2と、HDMI受信部3と、HDMI送信部4と、音声処理部5と、操作部6と、表示部7と、HDMI端子8,9とを有している。AVアンプ1には、スピーカー300(図1の各スピーカーに相当)が接続されている。
【0013】
HDMI受信部3は、BDプレーヤ100から送信されたHDMIデータを受信して、受信したHDMIデータから元の映像データを生成し、HDMI送信部4に供給する。また、HDMI受信部3は、受信したHDMIデータから元のマルチチャンネル音声データを生成して、音声処理部5に供給する。
【0014】
音声処理部5は、HDMI受信部3から供給されたマルチチャンネル音声データをデコードし、音響処理、D/A変換処理、ボリューム調整処理、増幅処理等の各処理を実行し、スピーカー300に各チャンネルの音声信号を供給する。
【0015】
音声処理部5に供給されるマルチチャンネル音声データについて説明する。Dolby True HD、Dolby Digital
Plus、DTS-HD等のHD(High Definition)関連の音声フォーマットにおいては、図3に示すように、例えば、左音声信号L(前方左音声信号)、右音声信号R(前方右音声信号)、中央音声信号C、低域音声信号SW、サラウンド左音声信号SL、サラウンド右音声信号SR、サラウンド後方左音声信号SBL、サラウンド後方右音声信号SBR、左外側音声信号LW(第1左音声信号)、右外側音声信号RW(第1右音声信号)、左上側音声信号LH(第2左音声信号)、右上側音声信号RH(第2右音声信号)等が含まれる。
【0016】
左上側音声信号LHは、左音声信号Lの上側の位置(つまりユーザの前方左上側)から再生される音声信号である。右上側音声信号RHは、右音声信号Rの上側の位置(つまりユーザの前方右上側)から再生される音声信号である。左外側音声信号LWは、左音声信号Lの外側(左側)の位置(つまりユーザの前方左外側)から再生される音声信号である。右外側音声信号RWは、右音声信号Rの外側(右)の位置(つまりユーザの前方右外側)から再生される音声信号である。
【0017】
図4は、音声処理部5の要部を示すブロック図である。音声処理部5は、プリアウト部11と、パワーアンプ12と、SP(スピーカー)リレー13と、SP(スピーカー)端子14とを有する。図4においては、基本の5.1ch分(左音声信号L、右音声信号R、中央音声信号C、低域音声信号SW、サラウンド左音声信号SL、サラウンド右音声信号SR)に関する各回路については従来と同じであるので省略している。また、プリアウト部11の前段に設けられるDSP等についても省略している。
【0018】
DSPは、HDMI受信部3から供給されるマルチチャンネル音声データをデコード及びD/A変換し、各チャンネルの音声信号を生成する。生成された音声信号は、プリアウト部11に供給される。
【0019】
プリアウト部11は、スイッチS11a〜S11fを有する。スイッチS11aは、サラウンド後方左音声信号SBLをアンプ12aに出力するか否かを切り換える。スイッチS11bは、左上側音声信号LHをアンプ12aに出力するか否かを切り換える。スイッチS11cは、左外側音声信号LWをアンプ12aに出力するか否かを切り換える。スイッチS11a〜S11cの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされ、サラウンド後方左音声信号SBL、左上側音声信号LH、左外側音声信号LWのいずれか1つの音声信号がアンプ12aに供給される。
【0020】
スイッチS11dは、サラウンド後方右音声信号SBRをアンプ12bに出力するか否かを切り換える。スイッチS11eは、右上側音声信号RHをアンプ12bに出力するか否かを切り換える。スイッチS11fは、右外側音声信号RWをアンプ12bに出力するか否かを切り換える。スイッチS11d〜S11fの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされ、サラウンド後方右音声信号SBR、右上側音声信号RH、及び、右外側音声信号RWのいずれか1つの音声信号がアンプ12bに供給される。
【0021】
パワーアンプ12は、アンプ12a及び12bを有する。アンプ12aは、入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、左上側音声信号LH、又は、左外側音声信号LWを増幅してSPリレー13(スイッチS13a、S13c、S13e)に供給する。アンプ12bは、入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、右上側音声信号RH、又は、右外側音声信号RWを増幅してSPリレー13(スイッチS13b、S13d、S13f)に供給する。
【0022】
SPリレー13は、リレースイッチ(以下スイッチという。)S13a〜S13fを有する。スイッチS13aは、アンプ12aから入力されるサラウンド後方左音声信号SBLを、サラウンド後方左SP端子14aに供給するか否かを切り換える。スイッチS13aは、スイッチS11aがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS13cは、アンプ12aから入力される左上側音声信号LHを、左上側SP端子14cに供給するか否かを切り換える。スイッチS13cは、スイッチS11bがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS13eは、アンプ12aから入力される左外側音声信号LWを、左外側SP端子14eに供給するか否かを切り換える。スイッチS13eは、スイッチS11cがオン状態のときにオン状態にされる。
【0023】
スイッチS13bは、アンプ12bから入力されるサラウンド後方右音声信号SBRを、サラウンド後方右SP端子14bに供給するか否かを切り換える。スイッチS13bは、スイッチS11dがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS13dは、アンプ12bから入力される右上側音声信号RHを、右上側SP端子14dに供給するか否かを切り換える。スイッチS13dは、スイッチS11eがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS13fは、アンプ12bから入力される右外側音声信号RWを、右外側SP端子14fに供給するか否かを切り換える。スイッチS13fは、スイッチS11fがオン状態のときにオン状態にされる。
【0024】
SP端子14は、SP端子14a〜14fを有する。サラウンド後方左SP端子14aにはサラウンド後方左スピーカーSSBLが接続され、サラウンド後方右SP端子14bにはサラウンド後方右スピーカーSSBRが接続され、左上側SP端子14cには左上側スピーカーSLHが接続され、右上側SP端子14dには右上側スピーカーSRHが接続され、左外側SP端子14eには左外側スピーカーSLWが接続され、右外側SP端子14fには右外側スピーカーSRWが接続される。
【0025】
図2に戻り、HDMI送信部4は、HDMI受信部3から供給された映像データを、HDMIデータに変換し、ディスプレイ装置200に送信する。
【0026】
制御部2は、内蔵又は接続された図示しないメモリに記憶されているAVアンプの動作プログラムに基づいて、各部を制御するものであり、例えば、マイクロコンピュータやCPU等である。
【0027】
制御部2は、スイッチS11a〜S11f、S13a〜S13fを切換制御する(詳細は後述する)。
【0028】
表示部7は、SP端子14a〜14f、及び、SP端子に割り当てられている音声信号のチャンネル及び機能を示す画像を表示する(詳細は後述する)。
【0029】
図5は、制御部2の処理を示すフローチャートである。HDMI受信部3は、HDMIデータから元のマルチチャンネル音声データを生成し、音声処理部5に供給する。音声処理部5は、マルチチャンネル音声データをデコードし、その情報領域に含まれているチャンネル情報を読み出して、制御部2に供給する。
【0030】
制御部2は、ユーザ操作によって選択されているリスニングモードによって、サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せ、左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せ、左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せの内、どの組合せをSP端子に供給するかが一意に決定されるか否かを判断する(S1)。決定される場合(S1でYES)、決定される組合せがSP端子に供給されるように、スイッチS11a〜S11f、S13a〜S13fを制御する(S2)。
【0031】
決定されない場合(S1でNO)、制御部2は、ユーザ操作によって選択されたリスニングモードでは、SP端子に供給するチャンネルの組合せがユーザ操作によって決定されるか否かを判断する(S3)。決定される場合(S3でYES)、決定されるチャンネルの組合せがSP端子に供給されるように、スイッチS11a〜S11f、S13a〜S13fを制御する(S4、S5、S8〜S10)。
【0032】
決定されない場合(S3でNO)、制御部2は、音声処理部5から供給されるマルチチャンネル音声データに含まれる入力信号のチャンネル情報に基づいて、サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せ、左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せ、左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せのいずれが含まれているかを判断する(S6、S7、S11)。
【0033】
制御部2は、マルチチャンネル音声データに左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せが含まれている場合(S6でYES)、左外側音声信号LWを左外側SP端子14eに供給し、右外側音声信号RWを右外側SP端子14fに供給するように、各スイッチを制御する(S8)。すなわち、制御部2は、スイッチS11c、S11f、S13e及びS13fをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0034】
制御部2は、マルチチャンネル音声データに左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せが含まれている場合(S6でNO,S7でYES)、左上側音声信号LHを左上側SP端子14cに供給し、右上側音声信号RHを右上側SP端子14dに供給するように、各スイッチを制御する(S9)。すなわち、制御部2は、スイッチS11b、S11e、S13c及びS13dをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0035】
制御部2は、マルチチャンネル音声データにサラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せが含まれている場合(S6でNO,S7でNO,S11でYES)、サラウンド後方左音声信号SBLをサラウンド後方左SP端子14aに供給し、サラウンド後方右音声信号SBRをサラウンド後方右SP端子14bに供給するように、スイッチを制御する(S10)。すなわち、制御部2は、スイッチS11a、S11d、S13a及びS13bをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0036】
制御部2は、マルチチャンネル音声データに、左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せ、左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せ、及び、サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せのいずれも含まれていない場合(S11でNO)、これらすべてのチャンネルの音声信号をSP端子に供給しないように、スイッチを制御する(S12)。すなわち、制御部2は、全てのスイッチをオフ状態に制御する。
【0037】
以上のように、2つのアンプ12a及び12bを備えるだけで、入力されるマルチチャンネル音声データに含まれるチャンネル情報を判別し各スイッチを切り換えることにより、サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号との組合せ、左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せ、左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せのいずれかを増幅して、対応するSP端子に供給することができる。
【0038】
次に、本発明の別の好ましい実施形態によるAVアンプの音声処理装置5Bを図6を参照して説明する。プリアウト部21は、スイッチS21a〜S21dを有する。スイッチS21aは、左上側音声信号LHをアンプ22cに出力するか否かを切り換える。スイッチS21bは、左外側音声信号LWをアンプ22cに出力するか否かを切り換える。スイッチS21cは、右上側音声信号RHをアンプ22dに出力するか否かを切り換える。スイッチS21dは、右外側音声信号RWをアンプ22dに出力するか否かを切り換える。
【0039】
パワーアンプ22は、アンプ22a〜22dを有する。アンプ22aは、入力されるサラウンド後方左音声信号SBLを増幅してスイッチS23aに供給する。アンプ22bは、入力されるサラウンド後方右音声信号SBRを増幅してスイッチS23bに供給する。アンプ22cは、入力される左上側音声信号LH、又は、左外側音声信号LWを増幅してスイッチS23c、S23eに供給する。アンプ22dは、入力される右上側音声信号RH、又は、右外側音声信号RWを増幅してスイッチS23d、S23fに供給する。
【0040】
SPリレー23は、スイッチS23a〜S23fを有する。スイッチS23aは、アンプ22aから入力されるサラウンド後方左音声信号SBLを、サラウンド後方左SP端子24aに供給するか否かを切り換える。スイッチS23cは、アンプ22cから入力される左上側音声信号LHを、左上側SP端子24cに供給するか否かを切り換える。スイッチS23cは、スイッチS21aがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS23eは、アンプ22cから入力される左外側音声信号LWを、左外側SP端子24eに供給するか否かを切り換える。スイッチS23eは、スイッチS21bがオン状態のときにオン状態にされる。
【0041】
スイッチS23bは、アンプ22bから入力されるサラウンド後方右音声信号SBRを、サラウンド後方右SP端子24bに供給するか否かを切り換える。スイッチS23dは、アンプ22dから入力される右上側音声信号RHを、右上側SP端子24dに供給するか否かを切り換える。スイッチS23dは、スイッチS21cがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS23fは、アンプ22dから入力される右外側音声信号RWを、右外側SP端子24fに供給するか否かを切り換える。スイッチS23fは、スイッチS21dがオン状態のときにオン状態にされる。
【0042】
図7は、本例における制御部2の処理を示すフローチャートである。S11〜S14は、図5のS1〜S5と同様であるので説明を省略する。
【0043】
制御部2は、マルチチャンネル音声データに左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せが含まれているか否かを判断する(S15)。含まれている場合(S15でYES)、制御部2は、左外側音声信号LWを左外側SP端子24eに供給し、右外側音声信号RWを右外側SP端子24fに供給するように、各スイッチを制御する(S16)。すなわち、制御部2は、スイッチS21b、S21d、S23e及びS23fをオン状態に、スイッチS21a、S21c、S23c、S23dをオフ状態に制御する。
【0044】
S15でNOと判断された場合、制御部2は、マルチチャンネル音声データに左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せが含まれているか否かを判断する(S18)。含まれている場合(S18でYES)、制御部2は、左上側音声信号LHを左上側SP端子24cに供給し、右上側音声信号RHを右上側SP端子24dに供給するように、各スイッチを制御する(S17)。すなわち、制御部2は、スイッチS21a、S21c、S23c及びS23dをオン状態に、スイッチS21b、S21d、S23e、S23fをオフ状態に制御する。
【0045】
S18でNOと判断された場合、制御部2は、左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せ、及び、左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せをSP端子に供給しないように、各スイッチを制御する(S19)。すなわち、制御部2は、スイッチS21a〜S21d、S23c〜S23fをオフ状態に制御する。
【0046】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態によるAVアンプの音声処理装置5Cを、図8を参照して説明する。音声処理装置5Cは、図4の音声処理装置5の変形例であり、Zone2及びBi-Ampの機能を使用可能にしたものである。
【0047】
プリアウト部31は、スイッチS31a〜S31fを有する。スイッチS31aは、DSPから入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、左上側音声信号LH、又は、左外側音声信号LWのいずれかをアンプ32aに出力するか否かを切り換える。すなわち、制御部2の指示によりDSP内部において、S31aに供給されるチャンネルがサラウンド後方左音声信号SBL、左上側音声信号LH、又は、左外側音声信号LWの中から1つ選択される。スイッチS31bは、DSPから入力されるZone2用左音声信号Z2Lをアンプ32aに出力するか否かを切り換える。スイッチS31cは、DSPから入力される左音声信号L(Bi-Amp用)をアンプ32aに出力するか否かを切り換える。Zone2又はBi-Ampの機能を使用するか否かに応じて、スイッチS31a〜S31cの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0048】
スイッチS31dは、DSPから入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、右上側音声信号RH、又は、右外側音声信号RWのいずれかをアンプ32bに出力するか否かを切り換える。すなわち、制御部2の指示によりDSP内部において、S31dに供給されるチャンネルがサラウンド後方右音声信号SBR、右上側音声信号RH、又は、右外側音声信号RWの中から1つ選択される。スイッチS31eは、DSPから入力されるZone2用右音声信号Z2Rをアンプ32bに出力するか否かを切り換える。スイッチS31fは、DSPから入力される右音声信号R(Bi-Amp用)をアンプ32bに出力するか否かを切り換える。Zone2又はBi-Ampの機能を使用するか否かに応じて、スイッチS31d〜S31fの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0049】
パワーアンプ32は、アンプ32a及び32bを有する。アンプ32aは、入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、左上側音声信号LH、左外側音声信号LW、Zone2用左音声信号Z2L又は左音声信号L(Bi-Amp用)を増幅してスイッチS33a、S33c、S33eに供給する。アンプ32bは、入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、右上側音声信号RH、右外側音声信号RW、Zone2用右音声信号Z2R又は右音声信号R(Bi-Amp用)を増幅してスイッチS33b、S33d、S33fに供給する。
【0050】
SPリレー33は、スイッチS33a〜S33fを有する。スイッチS33aは、アンプ32aから入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、Zone2用左音声信号Z2L又は左音声信号L(Bi-Amp用)を、サラウンド後方左SP端子34aに供給するか否かを切り換える。スイッチS33aは、スイッチS31aがオン状態かつスイッチS31aにサラウンド後方左音声信号SBLが供給されるとき、スイッチS31bがオン状態のとき、又は、スイッチS31cがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS33cは、アンプ32aから入力される左上側音声信号LHを、左上側SP端子34cに供給するか否かを切り換える。スイッチS33cは、スイッチS31aがオン状態かつスイッチS31aに左上側音声信号LHが供給されているときにオン状態にされる。スイッチS33eは、アンプ32aから入力される左外側音声信号LWを、左外側SP端子34eに供給するか否かを切り換える。スイッチS33eは、スイッチS31aがオン状態かつスイッチS31aに左外側信号LWが供給されているときにオン状態にされる。
【0051】
スイッチS33bは、アンプ32bから入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、Zone2用右音声信号Z2R又は右音声信号R(Bi-Amp用)を、サラウンド後方右SP端子34bに供給するか否かを切り換える。スイッチS33bは、スイッチS31dがオン状態かつスイッチS31dにサラウンド後方右音声信号SBRが供給されているとき、スイッチS31eがオン状態のとき、又は、スイッチS31fがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS33dは、アンプ32bから入力される右上側音声信号RHを、右上側SP端子34dに供給するか否かを切り換える。スイッチS33dは、スイッチS31dがオン状態のときかつスイッチS31dに右上側音声信号RHが供給されているときにオン状態にされる。スイッチS33fは、アンプ32bから入力される右外側音声信号RWを、右外側SP端子34fに供給するか否かを切り換える。スイッチS33fは、スイッチS31dがオン状態かつスイッチS31dに右外側音声信号Rが供給されているときにオン状態にされる。
【0052】
SP端子34は、SP端子34a〜34fを有する。機能を使用しない場合には、各SP端子に上記と同様のスピーカーが接続される。Zone2の機能を使用する場合には、サラウンド後方左SP端子34aにはZone2用左スピーカーSZ2Lが接続され、サラウンド後方右SP端子34bにはZone2用右スピーカーSZ2Rが接続される。Bi-Ampの機能を使用する場合には、サラウンド後方左SP端子34aには左スピーカーSLのBi-Amp用端子が接続され、サラウンド後方右SP端子34bには右スピーカーSRのBi-Amp用端子が接続される。
【0053】
次に本例の動作を説明する。
(1)Bi-Ampの機能を使用する場合;
制御部2は、左音声信号L(Bi-Amp用)をサラウンド後方左SP端子34aに供給し、右音声信号R(Bi-Amp用)をサラウンド後方右SP端子34bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左音声信号L(Bi-Amp用)をスイッチS31cに供給させ、右音声信号R(Bi-Amp用)をスイッチS31fに供給させる。制御部2は、スイッチS31c、S31f、S33a及びS33bをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0054】
(2)Zone2の機能を使用する場合;
制御部2は、Zone2用左音声信号Z2Lをサラウンド後方左SP端子34aに供給し、Zone2用右音声信号Z2Rをサラウンド後方右SP端子34bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにZone2用左音声信号Z2LをスイッチS31bに供給させ、Zone2用右音声信号Z2RをスイッチS31eに供給させる。制御部2は、スイッチS31b、S31e、S33a及びS33bをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0055】
(3)左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、左外側音声信号LWを左外側SP端子34eに供給し、右外側音声信号RWを右外側SP端子34fに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左外側音声信号LHをスイッチS31aに供給させ、右外側音声信号RHをスイッチS31dに供給させる。制御部2は、スイッチS31a、S31d、S33e及びS33fをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0056】
(4)左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、左上側音声信号LHを左上側SP端子34cに供給し、右上側音声信号RHを右上側SP端子34dに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左上側音声信号LWをスイッチS31aに供給させ、右上側音声信号RWをスイッチS31dに供給させる。制御部2は、スイッチS31a、S31d、S33c及びS33dをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0057】
(5)サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、サラウンド後方左音声信号SBLをサラウンド後方左SP端子34aに供給し、サラウンド後方右音声信号SBRをサラウンド後方右SP端子34bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにサラウンド後方左音声信号SBLをスイッチS31aに供給させ、サラウンド後方右音声信号SBRをスイッチS31dに供給させる。制御部2は、スイッチS31a、S31d、S33a及びS33bをオン状態に、その他のスイッチをオフ状態に制御する。
【0058】
次に、本発明のさらに別の好ましい実施形態によるAVアンプの音声処理部5Dを、図9を参照して説明する。音声処理装置5Dは、図6の音声処理装置5Bの変形例であり、Zone2、Zone3、Bi-Amp、BTL、スピーカーB、パッシブサブウーファ出力の機能を適用可能にしたものである。
【0059】
プリアウト部41は、スイッチS41a〜S41nを有する。スイッチS41aは、DSPから入力されるサラウンド後方左音声信号SBLをアンプ42aに出力するか否かを切り換える。スイッチS41bは、DSPから入力されるZone3用左音声信号Z3Lをアンプ42aに出力するか否かを切り換える。スイッチS41cは、DSPから入力される左音声信号L(Bi-Amp用)をアンプ42aに出力するか否かを切り換える。スイッチS41dは、BTL用左音声信号L−をアンプ42aに出力するか否かを切り換える。機能を使用するか否かに応じて、S41a〜S41dの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0060】
スイッチS41eは、DSPから入力されるサラウンド後方右音声信号SBRをアンプ42bに出力するか否かを切り換える。スイッチS41fは、DSPから入力されるZone3用右音声信号Z3Rをアンプ42bに出力するか否かを切り換える。スイッチS41gは、DSPから入力される右音声信号R(Bi-Amp用)をアンプ42bに出力するか否かを切り換える。スイッチS41hは、BTL用右音声信号R−をアンプ42bに出力するか否かを切り換える。各機能を使用するか否かに応じて、S41e〜S41hの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0061】
スイッチS41iは、DSPから入力される左上側音声信号LH又は左外側音声信号LWをアンプ42cに出力するか否かを切り換える。すなわち、DSP内部において、S41iに供給されるチャンネルが左上側音声信号HL、又は、左外側音声信号LWの中から1つ選択される。スイッチS41jは、DSPから入力される低域音声信号SWをアンプ42cに出力するか否かを切り換える。スイッチS41kは、DSPから入力されるZone2用左音声信号Z2Lをアンプ42cに出力するか否かを切り換える。各機能を使用するか否かに応じて、S41i〜S41kの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0062】
スイッチS41lは、DSPから入力される右上側音声信号RH又は右外側音声信号RWをアンプ42dに出力するか否かを切り換える。すなわち、DSP内部において、S41lに供給されるチャンネルが右上側音声信号RH、又は、右外側音声信号RWの中から1つ選択される。スイッチS41mは、DSPから入力される低域音声信号SWをアンプ42dに出力するか否かを切り換える。スイッチS41nは、DSPから入力されるZone2用右音声信号Z2Rをアンプ42dに出力するか否かを切り換える。各機能を使用するか否かに応じて、S41l〜41nの内、いずれか1つのスイッチがオン状態とされる。
【0063】
パワーアンプ42は、アンプ42a〜42dを有する。アンプ42aは、入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、Zone3用左音声信号Z3L、左音声信号L(Bi-Amp用)又はBTL用左音声信号L−を増幅してスイッチS43aに供給する。アンプ42bは、入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、Zone3用右音声信号Z3R、右音声信号R(Bi-Amp用)又はBTL用右音声信号R−を増幅してスイッチS43bに供給する。アンプ42cは、入力される左上側音声信号LH、左外側音声信号LW、低域信号SW又はZone2用左音声信号Z2Lを増幅してスイッチS43cに供給する。アンプ42dは、入力される右上側音声信号RH、右外側音声信号RW、低域音声信号SW又はZone2用右音声信号Z2Rを増幅してスイッチS43dに供給する。アンプ42eは、左音声信号L用のアンプであり、DSPから供給される左音声信号Lを増幅してスイッチS43fに供給する。アンプ42fは、右音声信号R用のアンプであり、DSPから供給される右音声信号Rを増幅してスイッチS43hに供給する。
【0064】
SPリレー43は、スイッチS43a〜S43hを有する。スイッチS43aは、アンプ42aから入力されるサラウンド後方左音声信号SBL、Zone3用左音声信号Z3L、左音声信号L(Bi-Amp用)又はBTL用左音声信号L−を、サラウンド後方左SP端子44aに供給するか否かを切り換える。スイッチS43aは、スイッチS41a〜S41dのいずれかがオン状態のときにオン状態になる。スイッチS43bは、アンプ42bから入力されるサラウンド後方右音声信号SBR、Zone3用右音声信号Z3R、右音声信号R(Bi-Amp用)又はBTL用右音声信号R−を、サラウンド後方右SP端子44bに供給するか否かを切り換える。スイッチS43bは、スイッチS41e〜S41hのいずれかがオン状態のときにオン状態になる。
【0065】
スイッチS43cは、アンプ42cから入力される左上側音声信号LH、又は、低域音声信号SWを、左上側SP端子44cに供給するか否かを切り換える。スイッチS43cは、スイッチS41iがオン状態かつスイッチS41iに左上側音声信号LHが供給されているとき、又は、スイッチS41jがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS43dは、アンプ42dから入力される右上側音声信号RH、又は、低域音声信号SWを、右上側SP端子44dに供給するか否かを切り換える。スイッチS43dは、スイッチS41lがオン状態かつスイッチS41lに右上側音声信号RHが供給されているとき、又は、スイッチS41mがオン状態のときにオン状態にされる。
【0066】
スイッチS43eは、アンプ42cから入力される左外側音声信号LW、又は、Zone2用左声信号Z2Lを、左外側SP端子44eに供給するか否かを切り換える。スイッチS43eは、スイッチS41iがオン状態かつスイッチS41iに左外側音声信号LWが供給されているとき、又は、スイッチS41kがオン状態のときにオン状態にされる。スイッチS43gは、アンプ42dから入力される右外側音声信号RW、又は、Zone2用右声信号Z2Rを、右外側SP端子44fに供給するか否かを切り換える。スイッチS43gは、スイッチS41lがオン状態かつスイッチS41lに右外側音声信号RWが供給されているとき、又は、スイッチS41nがオン状態のときにオン状態にされる。
【0067】
スイッチS43fは、アンプ42eから入力される左音声信号L(スピーカーB用)を左外側SP端子44eに供給するか否かを切り換える。スイッチS43hは、アンプ42fから入力される右音声信号R(スピーカーB用)を右外側SP端子44fに供給するか否かを切り換える。
【0068】
SP端子44は、SP端子44a〜44fを有する。機能を使用しない場合には、各SP端子には上記と同様のスピーカーが接続される。Zone3の機能を使用する場合には、サラウンド後方左SP端子44aにはZone3用左スピーカーSZ3Lが接続され、サラウンド後方右SP端子44bにはZone3用右スピーカーSZ3Rが接続される。Bi-Ampの機能を使用する場合には、サラウンド後方左SP端子44aには左スピーカーSLのBi-Amp用端子が接続され、サラウンド後方右SP端子44bには右スピーカーSRのBi-Amp用端子が接続される。BTLの機能を使用する場合には、サラウンド後方左SP端子44aには左スピーカーSLの−側が接続され、サラウンド後方右SP端子44bには右スピーカーSLの−側が接続される。パッシブサブウーファ出力の機能を使用する場合には、左上側SP端子44c及び右上側SP端子44dにはパッシブサブウーファ(アンプ非内蔵の低域専用スピーカー)が接続される。Zone2の機能を使用する場合には、左外側SP端子44eにはZone2用左スピーカーSZ2Lが接続され、右外側SP端子44fにはZone2用右スピーカーSZ2Rが接続される。スピーカーBの機能を使用する場合には、左外側SP端子44eにはスピーカーB用左スピーカーSLBが接続され、右外側SP端子44fにはスピーカーB用右スピーカーSRBが接続される。
【0069】
次に本例の動作を説明する。
(1)Bi-Ampの機能を使用する場合;
制御部2は、左音声信号L(Bi-Amp用)をサラウンド後方左SP端子44aに供給し、右音声信号R(Bi-Amp用)をサラウンド後方右SP端子44bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左音声信号L(Bi-Amp用)をスイッチS41cに供給させ、右音声信号R(Bi-Amp用)をスイッチS41gに供給させる。制御部2は、スイッチS41c、S41g、S43a及びS43bをオン状態に、スイッチS41a、S41b、S41d、S41e、S41f、S41hをオフ状態に制御する。
【0070】
(2)BTLの機能を使用する場合;
制御部2は、BTL用左音声信号L−をサラウンド後方左SP端子44aに供給し、BTL用右音声信号R−をサラウンド後方右SP端子44bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにBTL用左音声信号L−をスイッチS41dに供給させ、BTL用右音声信号R−をスイッチS41hに供給させる。制御部2は、スイッチS41d、S41h、S43a及びS43bをオン状態に、スイッチS41a、S41b、S41c、S41e、S41f、S41gをオフ状態に制御する。
【0071】
(3)スピーカーBの機能を使用する場合;
制御部2は、左音声信号Lを左外側SP端子44eに供給し、右音声信号Rを右外側SP端子44fに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、スイッチS43f、S43hをオン状態に、スイッチS41i〜S41n、S43c、S43d、S43e、S43gをオフ状態に制御する。
【0072】
(4)パッシブサブウーファ出力の機能を使用する場合;
制御部2は、低域音声信号SWを左上側SP端子44c及び右上側SP端子44dに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに低域音声信号SWをスイッチS41j、S41mに供給させる。制御部2は、スイッチS41j、S41m、S43c及びS43dをオン状態に、スイッチS41i、S41k、S41l、S41n、S43e、S43f、S43g、S43hをオフ状態に制御する。
【0073】
(5)Zone2の機能を使用する場合;
制御部2は、Zone2用左音声信号Z2Lを左外側SP端子44eに供給し、Zone2用右音声信号Z2Rを右外側SP端子44fに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにZone2用左音声信号Z2LをスイッチS41kに供給させ、Zone2用右音声信号Z2RをスイッチS41nに供給させる。制御部2は、スイッチS41k、S41n、S43e及びS43gをオン状態に、スイッチS41i、S41j、S41l、S41m、S43c、S43d、S43f、S43gをオフ状態に制御する。
【0074】
(6)Zone3の機能を使用する場合;
制御部2は、Zone3用左音声信号Z3Lをサラウンド後方左SP端子44aに供給し、Zone3用右音声信号Z3Rをサラウンド後方右SP端子44bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにZone3用左音声信号Z3LをスイッチS41bに供給させ、Zone3用右音声信号Z3RをスイッチS41fに供給させる。制御部2は、スイッチS41b、S41f、S43a及びS43bをオン状態に、スイッチS41a、S41c、S41d、S41e、S41g、S41hをオフ状態に制御する。
【0075】
(7)左外側音声信号LWと右外側音声信号RWとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、左外側音声信号LWを左外側SP端子44eに供給し、右外側音声信号RWを右外側SP端子44fに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左外側音声信号LWをスイッチS41iに供給させ、右外側音声信号RWをスイッチS41lに供給させる。制御部2は、スイッチS41i、S41l、S43e及びS43gをオン状態に、スイッチS41j、S41k、S41m、S41n、S43c、S43d、S43f、S43hをオフ状態に制御する。
【0076】
(8)左上側音声信号LHと右上側音声信号RHとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、左上側音声信号LHを左上側SP端子44cに供給し、右上側音声信号RHを右上側SP端子44dに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPに左上側音声信号LHをスイッチS41iに供給させ、右上側音声信号RHをスイッチS41lに供給させる。制御部2は、スイッチS41i、S41l、S43c及びS43dをオン状態に、スイッチS41j、S41k、S41m、S41n、S43e、S43f、S43g、S43hをオフ状態に制御する。
【0077】
(9)サラウンド後方左音声信号SBLとサラウンド後方右音声信号SBRとの組合せが含まれている場合;
制御部2は、サラウンド後方左音声信号SBLをサラウンド後方左SP端子44aに供給し、サラウンド後方右音声信号SBRをサラウンド後方右SP端子44bに供給するように、DSP及び各スイッチを制御する。すなわち、制御部2は、DSPにサラウンド後方左音声信号SBLをスイッチS41aに供給させ、サラウンド後方右音声信号SBRをスイッチS41eに供給させる。制御部2は、スイッチS41a、S41e、S43a及びS43bをオン状態に、スイッチS41b、S41c、S41d、S41f、S41g、S41hをオフ状態に制御する。
【0078】
以上のように、各SP端子に割り当てられる音声信号のチャンネル及び機能は、使用される機能に応じて変化し、割り当てられたチャンネル及び機能に対応するスピーカーを各SP端子に接続する必要がある。本例では、SP端子に割り当てられているチャンネル及び機能をユーザが容易に認識できるように、制御部2は、各SP端子と、各SP端子に割り当てられているチャンネル及び機能を示す画像(以下SP端子画像という。)を表示部7に表示させる、又は、SP端子画像のOSD画面をディスプレイ装置200に出力し、ディスプレイ装置200にOSD表示させる。
【0079】
図10は、図9の音声処理装置5Dに対応するSP端子画像を示す図である。左から順に、サラウンド右SP端子44j、右上側SP端子44d、右外側SP端子44f、サラウンド後方右SP端子44b、右SP端子44h、左SP端子44g、サラウンド後方左SP端子44a、左外側SP端子44e、左上側SP端子44c、サラウンド左SP端子44iが表示される。各SP端子において、左側の二重丸印はスピーカーの+側端子と接続する端子であり、右側の丸印はスピーカーの−側端子と接続する端子である。
【0080】
上記(7)〜(9)のように機能を使用しない場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネルは図10Aのようになるので、制御部2は、図10AのSP端子画像を表示させる。
【0081】
上記(6)Zone3の機能を使用する場合、及び、(5)Zone2の機能を使用する場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネル及び機能は図10Bのようになるので、制御部2は、図10BのSP端子画像を表示させる。つまり、サラウンド後方左SP端子44aにZone3用左音声信号Z3Lが割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bにZone3用右音声信号Z3Rが割り当てられ、左外側SP端子44eにZone2用左音声信号Z2Lが割り当てられ、右外側SP端子44fにZone2用右音声信号Z2Rが割り当てられていることを示す画像が表示される。
【0082】
上記(1)Bi-Ampの機能を使用する場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネル及び機能は図10Cのようになるので、制御部2は、図10CのSP端子画像を表示させる。つまり、サラウンド後方左SP端子44aに左音声信号L(Bi-Amp用)が割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bに右音声信号R(Bi-Amp用)が割り当てられていることを示す画像が表示される。
【0083】
上記(2)BTLの機能を使用する場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネル及び機能は図10Dのようになるので、制御部2は、図10DのSP端子画像を表示させる。つまり、サラウンド後方左SP端子44aにBTL用左音声信号L−(左スピーカーの−端子)が割り当てられ、左SP端子44gにBTL用左音声信号L+(左スピーカーの+端子)が割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bにBTL用右音声信号R−(右スピーカーの−端子)が割り当てられ、右SP端子44hにBTL用右音声信号R+(右スピーカーの+端子)が割り当てられていることを示す画像が表示される。
【0084】
上記(4)パッシブサブウーファ出力の機能を使用する場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネル及び機能は図10Eのようになるので、制御部2は、図10EのSP端子画像を表示させる。つまり、左上側SP端子44c及び右上側SP端子44dに低域音声信号SWが割り当てられ、左外側SP端子44e及び右外側SP端子44fには何も割当てられていないことを示す画像が表示される。
【0085】
上記(3)スピーカーBの機能を使用する場合には、各SP端子44に割り当てられるチャンネル及び機能は図10Fのようになるので、制御部2は、図10FのSP端子画像を表示させる。つまり、左外側SP端子44eにスピーカーB用左音声信号Lが割り当てられ、右外側SP端子44fにスピーカーB用右音声信号Rが割り当てられ、左上側SP端子44c及び右上側SP端子44dには何も割当てられていないことを示す画像が表示される。
【0086】
図11、図12は、図10の画像を生成するための制御部2の処理を示すフローチャートである。制御部2は、図11のように、サラウンド後方左SP端子44a、サラウンド後方右SP端子44bの表示内容を判定する。制御部2は、BTLの機能を使用するか否かを判断する(S21)。BTLの機能を使用する場合(S21でYES)、制御部2は、図10Dに示すように、サラウンド後方左SP端子44aにBTL用左音声信号L−が割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bにBTL用右音声信号R−が割り当てられることを示す画像を表示させる(S22)。
【0087】
BTLの機能を使用しない場合(S21でNO)、制御部2は、Bi-Ampの機能を使用するか否かを判断する(S23)。Bi-Ampの機能を使用する場合(S23でYES)、制御部2は、図10Cに示すように、サラウンド後方左SP端子44aに左音声信号L(Bi-Amp用)が割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bに右音声信号R(Bi-Amp用)が割り当てられることを示す画像を表示させる(S24)。
【0088】
Bi-Ampの機能を使用しない場合(S23でNO)、制御部2は、Zone3の機能を使用するか否かを判断する(S25)。Zone3の機能を使用する場合(S25でYES)、制御部2は、図10Bに示すように、サラウンド後方左SP端子44aにZone3用左音声信号Z3Lが割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bにZone3用右音声信号Z3Rが割り当てられることを示す画像を表示させる(S26)。
【0089】
Zone3の機能を使用しない場合(S25でNO)、制御部2は、図10A、図10E、図10Fに示すように、サラウンド後方左SP端子44aにサラウンド後方左音声信号SBLが割り当てられ、サラウンド後方右SP端子44bにサラウンド後方右音声信号SBRが割り当てられることを示す画像を表示させる(S27)。
【0090】
制御部2は、図12のように、左外側SP端子44e、右外側SP端子44f、左上側SP端子44c、右上側SP端子44dの表示内容を判定する。制御部2は、スピーカーBの機能を使用するか否かを判断する(S31)。スピーカーBの機能を使用する場合(S31でYES)、制御部2は、図10Fに示すように、左外側SP端子44eにスピーカーB用左音声信号Lが割り当てられ、右外側SP端子44fにスピーカーB用右音声信号Rが割り当てられ、左上側SP端子44c及び右上側SP端子44dに何も割り当てられていないことを示す画像を表示させる(S32)。
【0091】
スピーカーBの機能を使用しない場合(S31でNO)、制御部2は、パッシブサブウーファ出力の機能を使用するか否かを判断する(S33)。パッシブサブウーファ出力の機能を使用する場合(S33でYES)、制御部2は、図10Eに示すように、左上側SP端子44cに低域音声信号SWが割り当てられ、右上側SP端子44dに低域音声信号SWが割り当てられ、左外側SP端子44e及び右外側SP端子44fに何も割り当てられていないことを示す画像を生成し表示させる(S34)。
【0092】
パッシブサブウーファ出力の機能を使用しない場合(S33でNO)、制御部2は、Zone2の機能を使用するか否かを判断する(S35)。Zone2の機能を使用する場合(S35でYES)、制御部2は、図10Bに示すように、左外側SP端子44eにZone2用左音声信号Z2Lが割り当てられ、右外側SP端子44fにZone2用右音声信号Z2Rが割り当てられ、左上側SP端子44cに左上側音声信号LHが割り当てられ、右上側SP端子44dに右上側音声信号RHが割り当てられていることを示す画像を生成し表示させる(S36)。
【0093】
Zone2の機能を使用しない場合(S35でNO)、制御部2は、図10A、図10C、図10Dに示すように、左外側SP端子44eに左外側音声信号LWが割り当てられ、右外側SP端子44fに右外側音声信号RWが割り当てられ、左上側SP端子44cに左上側音声信号LHが割り当てられ、右上側SP端子44dに右上側音声信号RHが割り当てられていることを示す画像を表示させる(S37)。
【0094】
以上のように、本例によると、ユーザは、SP端子に割り当てられているチャンネル及び機能を容易に判別することができ、正確にスピーカーを接続することができる。
【0095】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。左上側音声信号及び右上側音声信号の代わりに、左中央側音声信号(左音声信号と中央音声信号との間の信号)及び右中央側音声信号(右音声信号と中央音声信号との間の信号)が適用されてもよい。AVアンプの上記動作をコンピュータに実行させるためのプログラムおよびこれを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、AVアンプ等に好適に採用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】AVアンプ1及びスピーカーの配置を示す図である。
【図2】音声再生システムを示す図である。
【図3】音声信号のチャンネルを示す図である。
【図4】音声処理部5を示す図である。
【図5】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図6】音声処理部5Bを示す図である。
【図7】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図8】音声処理部5Cを示す図である。
【図9】音声処理部5Dを示す図である。
【図10】SP端子画像を示すである。
【図11】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【図12】制御部2の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
1 AVアンプ
2 制御部
5 音声処理部
7 表示部
11 プリアウト部
12 パワーアンプ
13 SPリレー
14 SP端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチチャンネル音声データに含まれる複数チャンネルの音声信号に1又は複数の機能を実行して出力する音声処理装置であって、
複数チャンネルの音声信号に対応する複数のスピーカー端子と、
複数チャンネルの音声信号に実行される機能を判断する機能判断手段と、
複数チャンネルの音声信号に実行される機能に基づいて、前記複数のスピーカー端子に対して音声信号のチャンネル及び機能を割り当てる割当手段と、
前記複数のスピーカー端子と、前記複数のスピーカー端子に割り当てられている音声信号のチャンネル及び機能とを示す画像を表示装置に表示させる表示制御手段とを備える、音声処理装置。
【請求項2】
複数チャンネルの音声信号に対応する複数のスピーカー端子を備え、マルチチャンネル音声データに含まれる複数チャンネルの音声信号に1又は複数の機能を実行して出力する音声処理装置の動作プログラムであって、
複数チャンネルの音声信号に実行される機能を判断するステップと、
複数チャンネルの音声信号に実行される機能に基づいて、前記複数のスピーカー端子に対して音声信号のチャンネル及び機能を割り当てるステップと、
前記複数のスピーカー端子と、前記複数のスピーカー端子に割り当てられている音声信号のチャンネル及び機能とを示す画像を表示装置に表示させるステップとをコンピュータに実行させる、音声処理装置の動作プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−183202(P2010−183202A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−23102(P2009−23102)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000000273)オンキヨー株式会社 (502)
【Fターム(参考)】