説明

音声処理装置

【課題】受信状態の悪化で生ずる異音を低減するソフトミュートを、デジタル信号を扱う音声処理装置で実現する。
【解決手段】音声帯域のデジタル入力信号を高速でフーリエ変換する高速フーリエ変換手段1、フーリエ変換された信号の絶対値を算出して絶対値信号を生成する絶対値算出手段2、算出された絶対値信号の自己相関関数を算出する自己相関関数算出手段3、自己相関関数算出手段3の出力の変化量を算出する差分算出手段8、差分の大きさによってノイズ成分を算出するノイズ判定手段9、ノイズ判定手段9による算出結果をもとにフェードアウト量を算出するフェードアウト係数導出手段10、フェードアウト係数導出手段10による算出結果をもとにデジタル入力信号のレベルを調節して出力する音量調節手段11を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、赤外線などを用いるワイヤレス方式音声会議システムなどに好適な音声処理装置に関するもので、特に、デジタル信号を扱う受信機において、受信状態が悪化した場合などに違和感なくフェードアウトするようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス方式音声会議システムでは、マイクロホンでとらえた音声信号を赤外線や電波を利用して送信し、この送信信号を受信器で受信して音声信号に復元し、スピーカから音声として放出するようになっている。ワイヤレス方式音声会議システムに限らず、ワイヤレスで音声信号を送信し、これを受信して音声信号に戻すシステムにおいては、送受信条件が悪く受信状態が悪化すると、音声に混入するノイズの割合が多くなり、音声を聴く者に不快感を与える。
【0003】
特に、FM方式の送受信システムにおいては、受信状態が悪化すると、「ザー」というようなホワイトノイズが発生し、受信状態がさらに悪化すると突然「ポッ」というような不愉快な音を発して音が途絶えてしまう。また、受信状態が好転すると、突然音声が発せられて聴く者を驚かせる。
【0004】
そこで、受信機において、受信状態の悪化により不愉快な雑音を発するような状況に至ると、復調した音声信号のレベルを連続的に減衰させるようにしたいわゆるソフトミュート回路が提案されている。特許文献1に記載されている受信機のソフトミュート回路はその一つで、復調した音声信号のレベルを制御するレベル制御回路と、RF信号と局部発振信号を混合して生成される中間周波信号のレベルに応じた第1制御信号を生成する電界強度検出回路と、上記音声信号の出力レベルに応じた第2制御信号を生成する変調度検出回路とを具備し、上記第1制御信号が所定の電界強度以下を示す値になったときに、上記レベル制御回路が、上記第2制御信号の出力に応じて音声信号の出力レベルを制御するように構成されている。
【0005】
特許文献1記載の発明によれば、電界強度が低下したときに増大する復調ノイズを低減するとともに、変調度の程度に応じて出力レベルの減衰特性を変化させることで、聴感上の違和感が生じないという効果がある。しかし、特許文献1記載の発明で扱う信号はアナログ信号である。デジタル信号を扱う受信機において、受信状態の悪化によってノイズが発生しやすい状況になったとき、特許文献1記載の発明と同様の技術思想ではいわゆるソフトミュートを実現することができず、特許文献1記載の発明とは全く異なった発想が求められる。
【0006】
また、赤外線を用いる従来のマイクロホンシステムでは、受信状態が悪化すると、悪化の程度に応じた量のホワイトノイズが発生する。そこで、例えば、アナログ信号用のFM復調回路から発生する可聴帯域以外の指定周波数(例えば50kHz)のエネルギーが閾値を超えた場合、ミュートを行う(例えば、マイクロホンの出力をオフする)ようにしたものがある。
【0007】
しかし、上記従来のマイクロホンシステムでは、受信状態が不安定で、指定周波数のエネルギーが閾値前後で変動している場合、マイクロホン出力がオンとオフを繰り返し、その都度「バツ、バツ」というような異音が発生する。また、上記FMの復調回路をデジタル処理回路で構成した場合は、上記の可聴帯域以外の指定周波数のエネルギーでミュートを行うことは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特公平6−26316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、受信状態が悪化することによって生ずる異音を低減するためのいわゆるソフトミュートを、デジタル信号を扱う音声処理装置で実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る音声処理装置は、
音声帯域のデジタル入力信号を高速でフーリエ変換する高速フーリエ変換手段と、
上記フーリエ変換された信号の絶対値を算出して絶対値信号を生成する絶対値算出手段と、
算出された上記絶対値信号の自己相関関数を算出する自己相関関数算出手段と、
上記自己相関関数算出手段の出力の変化量を算出する差分算出手段と、
上記差分の大きさによってノイズ成分を算出するノイズ判定手段と、
上記ノイズ判定手段による算出結果をもとにフェードアウト量を算出するフェードアウト係数導出手段と、
上記フェードアウト係数導出手段による算出結果をもとに上記デジタル入力信号のレベルを調節して出力する音量調節手段と、
を備えていることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、自己相関法を用いて受信状態を検知し、受信状態の悪化に伴い発生するノイズを定量化し、このノイズ成分に対応してデジタル入力信号のレベルを調節してフェードアウトさせるようになっていて、いわゆるソフトミュートをデジタル音声信号回路で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る音声処理装置の一実施例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る音声処理装置の別の実施例を示す機能ブロック図である。
【図3】周期性のある信号と非周期性の信号の相関関数波形を比較して示す波形図である。
【図4】受信レベルに対するノイズ量、フェードアウト量、出力音量のレベルを百分率で示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る音声処理装置の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0014】
図1に示す音声処理装置は、例えば、一般的な放送の受信機、通信機の受信機、あるいは赤外線や電波を用いるワイヤレス方式音声会議システムの受信機の一部であって、復調された後の音声処理装置である。図1において、「入力」とあるのは、音声帯域信号の入力のことであって、ここではデジタル信号で入力される。送受信システムがデジタル方式であるものに限らず、送受信システムはアナログ方式で、復調された信号がデジタル信号に変換され、変換されたデジタル信号を上記「入力」とするものであってもよい。
【0015】
上記入力信号は、高速フーリエ変換手段1、絶対値算出手段2、自己相関関数算出手段3、差分算出手段8、ノイズ判定手段9、フェードアウト係数導出手段10、音量調節手段11を順に経ることによって、それぞれの手段で所定の処理が行われる。上記各手段で行われる処理は以下のとおりである。
【0016】
高速フーリエ変換手段1は、入力される音声帯域のデジタル信号を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)するもので、時間や空間座標が変数の関数を、周波数が変数の関数に変換する。入力される音声帯域のデジタル信号は時間領域の信号であり、この入力信号は、高速フーリエ変換手段1で周波数領域の信号に変換される。
【0017】
高速フーリエ変換手段1で周波数領域の信号に変換された上記デジタル音声帯信号は複素数で表されていて、この信号のゲインを算出するために、絶対値算出手段2で上記変換信号の絶対値信号を生成する。
【0018】
自己相関関数算出手段3は、絶対値算出回路2で算出された絶対値信号の自己相関関数を算出する。自己相関とは、信号がそれ自身を時間シフトした信号とどれだけ良く整合しているかを図る尺度であり、時間シフトの大きさの関数として表され、この関数を自己相関関数という。時間的に一定の長さの信号と、これよりも時間的に遅れた信号の振幅が大きく、同様な繰り返し成分があれば、上記二つの信号の相関値ないしは自己相関関数は大きくなる。したがって、音楽などの音声信号に比べ、様々な音が含まれているノイズ信号は、相関値がすぐに小さいため、ノイズ信号の自己相関関数は音声信号の相関関数よりも小さくなる。自己相関関数算出手段3は、上記絶対値信号の自己相関関数を算出するために、高速フーリエ逆変換を行い、時間領域の信号に戻す。
【0019】
差分算出手段8は、自己相関関数算出手段3で得られる自己相関関数に含まれる相関波形の振幅値の差分すなわち変化量を求めるためにハイパスフィルタ処理を行う。このハイパスフィルタ処理を行うと、すなわち上記相関波形をハイパスフィルタに通すと、ノイズ、例えばホワイトノイズやピンクノイズなど非周期性の信号は差分すなわち変化量が大きいため、急峻な波形となり、すぐに小さくなる。これに対して周期性の信号成分が多い音楽などの音声信号をハイパスフィルタに通すと、なだらかな波形になるとともに、すぐに小さくなってしまうことはなく持続性がある。図3は、周期性のある信号と非周期性のノイズ信号の相関関数波形を比較して示す。図3において波形Aは周期性のある音声信号成分が多い場合の相関関数波形、波形Bは非周期性のノイズ信号成分が多い場合の相関関数波形を示している。
【0020】
図3からもわかるように、相関関数波形の急峻度の違いすなわち変化量の違いから、非周期性のノイズ信号成分が多い信号か否かを判定することができる。そこで、ノイズ判定手段9において、差分算出手段8で求められた差分の値から、差分が大きいときは、相関関数波形の傾きが大きいということで非周期性のノイズ信号成分が多いと判定する。逆に、差分が小さいときは、相関関数波形の傾きが小さいということで非周期性のノイズ信号成分が少ないすなわち周期性のある音声信号成分が多いと判定する。この判定結果を表す信号が次のフェードアウト係数導出手段10に向けて出力される。後で述べる音量調節をきめ細かに行うために、ノイズ判定手段9におけるノイズ判定は多段にわたって行うことが望ましいが、一定の閾値を設定して、この閾値以上か否かで判断してもよい。
【0021】
前記フェードアウト係数導出手段10は、ノイズ判定手段9から出力されるノイズ成分の判定信号に基づいて音量調節するために、フェードアウト係数を導出する。フェードアウト係数導出手段10は、上記ノイズ成分の判定信号に基づき、これを演算することによってフェードアウト係数を導出してもよい。あるいは、予めノイズ成分の判定信号に対応したフェードアウト係数を設定してこれをテーブルにしておき、ノイズ判定手段9から出力されるノイズ成分の判定信号を上記テーブルにあてはめてフェードアウト係数を導出するようにしてもよい。
【0022】
前記音量調節手段11には、前記音声帯域のデジタル入力信号とフェードアウト係数導出手段10で導出されたフェードアウト係数信号が入力される。音量調節手段11は、上記音声帯域のデジタル入力信号のレベルを、上記フェードアウト係数に基づいて調節し、フェードアウト係数の大小に応じて音量を調節した音声信号を出力する。図4は赤外線ワイヤレス受信機における赤外線受光ユニットの受信レベルに対するフェードアウト特性の一例で、点線による曲線はノイズ量を、破線による曲線はフェードアウト量を、実線による曲線は出力音量を示している。横軸は受信レベル(dBμV)であり、縦軸は上記ノイズ量、フェードアウト量、出力音量をそれぞれ百分率(%)で表している。図4から明らかなように、受信レベルがある程度以上であればノイズ量はごくわずかであり、フェードアウトさせる必要はないから、出力音量は100%に維持される。受信レベルが30.0(dBμV)以下になるとノイズ成分の割合が無視することができないほどに多くなるため、この辺りからフェードアウト量を立ち上がらせ、フェードアウト量が多くなるに従って出力音量を低下させるようになっている。
【0023】
音量調節手段11で音量調節され出力される信号は、D/A変換器でアナログの音声信号に変換され、増幅器、その他適宜の回路を経由し、スピーカから音声が放出される。
【0024】
音量調節手段11は、例えば減衰器(アッテネータ)で構成することができる。図4に示すフェードアウト特性、すなわちノイズ量に対するフェードアウト量の関係は一例であって、使用目的、通信方式、求められる通信の品質などによりフェードアウト特性を適宜調整できるようにするとよい。例えば、上記音量調節手段11を構成する減衰器による減衰特性を調整することによってフェードアウト特性を調整することができる。
【0025】
音量調節手段11は、フェードアウト係数の大小に応じて音量すなわち音声信号の出力レベルを連続的に調節するように構成してもよいし、段階的に調節するようにしてもよい。
【0026】
図1に示す各ブロックは、これらのブロックごとに物理的に存在するものであっても差し支えないが、各ブロックの果たす機能を全て、デジタル・シグナル・プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)に持たせるとよい。
【0027】
以上説明した第1実施例によれば、デジタル方式の音声処理装置であっても、受信状態に応じてフェードアウト量を変化させることにより、違和感のないいわゆるソフトミュートを実現することができる。
【実施例2】
【0028】
次に、図2に示す第2実施例について説明する。第2実施例は、図1に示す第1実施例の構成に、ノイズ低減手段4、第2の高速フーリエ変換手段5、第2の絶対値算出手段6、音声復元手段7を付加したものである。これによって信号伝達経路が若干異なっていることが第1実施例と異なっているので、この異なった構成部分を重点的に説明する。
【0029】
図2において、音声帯域信号のデジタル入力信号が、高速フーリエ変換手段1、絶対値算出手段2、自己相関関数算出手段3、差分算出手段8、ノイズ判定手段9、フェードアウト係数導出手段10、音量調節手段11を順に経ることによって、それぞれの手段で所定の処理が行われる点では第1実施例と同じである。高速フーリエ変換手段1は、第2の高速フーリエ変換手段5と区別するため、「第1の高速フーリエ変換手段1」という。同様に、絶対値算出手段2は「第1の絶対値算出手段2」という。
【0030】
自己相関関数算出手段3から出力される自己相関関数信号が差分算出手段8に入力されるようになっている点では第1実施例と同じであるが、自己相関関数信号がノイズ低減手段4に入力されるように構成されている点は第1実施例と異なっている。ノイズ低減手段4は例えばローパスフィルタなどで構成され、上記自己相関関数信号から高域成分を取り除く。これによって、周波数領域の信号からホワイトノイズなどの非周期性ノイズ成分を低減する。
【0031】
ノイズ低減手段4の出力信号は第2の高速フーリエ変換手段5に入力され、ノイズ低減手段4の出力信号が高速フーリエ変換されることによって周波数領域の信号に戻される。この周波数領域の信号は複素数で表されており、この複素数で表されている信号からゲインを算出するために、第2の絶対値算出手段6において絶対値を算出する。
【0032】
第2の絶対値算出手段6において算出された上記周波数領域の信号の絶対値信号すなわち周波数領域の信号のゲイン信号は音声復元手段7に入力される。音声復元手段7には、前記第1の高速フーリエ変換手段1においてデジタル音声帯域入力信号を時間領域の信号から周波数領域の信号に変換することによって得られる位相信号が入力される。音声復元手段7では、上記ゲイン信号と上記周波数領域の信号を組み合わせることによって、デジタル音声帯域信号を復元する。このように、ノイズ低減手段4から、第2の高速フーリエ変換手段5、第2の絶対値算出手段6、音声復元手段7に至る構成部分は、自己相関関数算出手段3の出力からデジタル音声帯域信号を復元し生成するための回路を構成している。こうして復元されるデジタル音声帯域信号は音量調節手段11に入力される。
【0033】
差分算出手段8から、ノイズ判定手段9、フェードアウト係数導出手段10、音量調節手段11に至る回路構成は、前記第1実施例における回路構成と同じである。差分算出手段8は、自己相関関数算出手段3で得られる自己相関関数に含まれる相関波形の振幅の差分すなわち変化量を求めるためにハイパスフィルタ処理を行い、非周期性のノイズ信号成分が多い信号か否かを判定する。フェードアウト係数導出手段10は、ノイズ判定手段9から出力されるノイズ成分の判定信号に基づいて音量調節するために、フェードアウト係数を導出する。音量調節手段11は、上記音声帯域のデジタル入力信号のレベルを、上記フェードアウト係数に基づいて調節し、フェードアウト係数の大小に応じてフェードアウト量を調節する。音量調節手段11は、上記音声帯域のデジタル入力信号のレベルを、上記フェードアウト係数に基づいて調節し、フェードアウト係数の大小に応じて音量を調節した音声信号を出力する。
【0034】
第1実施例と同様に、音量調節手段11で音量調節され出力される信号は、D/A変換器でアナログの音声信号に変換され、増幅器、その他適宜の回路を経由し、スピーカから音声が放出される。また、音量調節手段11は、例えば減衰器(アッテネータ)で構成することができる。さらに、図2に示す各機能ブロックは全て、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)で構成するとよい。音量調節手段11による音量調節は、フェードアウト係数の大小に応じて連続的に行ってもよいし、段階的に行ってもよい。
【0035】
第2実施例によれば、第1実施例と同様の効果に加えて、音声帯域のデジタル入力信号に含まれるノイズ成分を低減したことにより、さらにノイズ感の少ない音声出力を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、音声帯域信号をワイヤレスで送受信し、音声を再生する各種装置ないしはシステム、例えば、電波や光を伝達媒体とした音声会議システム、放送あるいは通信システムにおける音声処理装置として好適である。
【符号の説明】
【0037】
1 高速フーリエ変換手段
2 絶対値算出手段
3 自己相関関数算出手段
4 ノイズ低減手段
5 第2の高速フーリエ変換手段
6 第2の絶対値算出手段
7 音声復元手段
8 差分算出手段
9 ノイズ判定手段
10 フェードアウト係数導出手段
11 音量調節手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声帯域のデジタル入力信号を高速でフーリエ変換する高速フーリエ変換手段と、
上記フーリエ変換された信号の絶対値を算出して絶対値信号を生成する絶対値算出手段と、
算出された上記絶対値信号の自己相関関数を算出する自己相関関数算出手段と、
上記自己相関関数算出手段の出力の変化量を算出する差分算出手段と、
上記差分の大きさによってノイズ成分を算出するノイズ判定手段と、
上記ノイズ判定手段による算出結果をもとにフェードアウト量を算出するフェードアウト係数導出手段と、
上記フェードアウト係数導出手段による算出結果をもとに上記デジタル入力信号のレベルを調節して出力する音量調節手段と、
を備えていることを特徴とする音声処理装置。
【請求項2】
音声帯域のデジタル入力信号を高速でフーリエ変換する第1の高速フーリエ変換手段と、
上記フーリエ変換された信号の絶対値を算出して絶対値信号を生成する第1の絶対値算出手段と、
算出された上記絶対値信号の自己相関関数を算出する自己相関関数算出手段と、
上記自己相関関数算出手段の出力の変化量を算出する差分算出手段と、
上記差分の大きさによってノイズ成分を算出するノイズ判定手段と、
上記ノイズ判定手段による算出結果をもとにフェードアウト量を算出するフェードアウト係数導出手段と、
上記自己相関関数算出手段の出力を高速でフーリエ変換する第2の高速フーリエ変換手段と、
上記第2の高速フーリエ変換手段でフーリエ変換された信号の絶対値を算出して絶対値信号を生成する第2の絶対値算出手段と、
上記第1の高速フーリエ変換手段により上記デジタル入力信号を高速フーリエ変換することによって得られる位相信号と上記第2の絶対値算出手段から出力される絶対値信号から音声を復元する音声復元手段と、
上記フェードアウト係数導出手段による算出結果をもとに上記音声復元手段によって復元される音声信号のレベルを調節して出力する音量調節手段と、
を備えていることを特徴とする音声処理装置。
【請求項3】
自己相関関数算出手段と第2高速フーリエ変換手段との間にノイズ低減手段が設けられている請求項2記載の音声処理装置。
【請求項4】
ノイズ低減手段は、自己相関関数算出手段で算出された関数の高域成分を除去するフィルタである請求項3記載の音声処理装置。
【請求項5】
音量調節手段は、音声信号のレベルを連続的に調節する請求項1乃至4のいずれかに記載の音声処理装置。
【請求項6】
音量調節手段は、音声信号のレベルを段階的に調節する請求項1乃至4のいずれかに記載の音声処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−225982(P2012−225982A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90886(P2011−90886)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000128566)株式会社オーディオテクニカ (787)