説明

音声出力装置、音声出力プログラム

【課題】プレーヤーが意図しないタイミングで音を出力することで、ユーザにゲームへの集中を促す。
【解決手段】RAM11には、メニューを表示するためのデータを含む設定ファイルが記録される。CPU10は、設定ファイルに応じて、複数の項目を含むメニューをディスプレイにおいて表示させる。CPU10は、プレーヤー操作により入力された指示により、メニューから選択された項目に対応する処理を実行する。また、CPU10は、メニューが表示されている間に、音声を出力させるタイミングを判別し、この判別されたタイミングにより音声を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置等に用いられる音声出力装置、音声出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ゲーム装置では、様々な状況において各種の音声を出力させている。ゲーム実行中では、BGM(back ground music)や、各種イベント時における効果音などを出力する。また、ユーザからの入力操作を受け付けるためのメニューを表示させている場合には、メニューに含まれる複数の選択項目の選択位置がプレーヤー操作によって変更されることにより操作音を出力する。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたビデオゲーム装置では、イベントの変化を表示する画像を盛り上げる効果(例えば、臨場感)を得るために、画像に対応して作成された背景音をスピーカから出力することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−112485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、コンピュータゲームでは、ゲームデータのロードやセーブなどのPAUSEメニューやOPTIONメニューなどゲーム管理用のメニューがプレーヤーからの指示に応じて表示される他、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲームなどのゲームジャンルでは、ゲーム場面ごとにプレーヤーからの指示を入力するためのメニューが頻繁に表示される。
【0006】
通常、初めてゲームをプレーする場合には、ゲーム内容を考慮しながらゲーム場面ごとに表示されるメニューの内容を十分に確認するが、ゲームを複数回プレーしたことがあると内容を記憶してしまい、メニューの内容を確認することなく、機械的に操作をしてしまう場合がある。
また、ゲーム管理用のメニューが表示されている間には、ゲーム進行から離れるために、プレーヤーが気を抜いていることが多い。
【0007】
従来技術においては、メニューに含まれる複数の選択項目の選択位置がユーザ操作によって変更されることにより操作音を出力することができるが、予め決められた効果音等を出力するだけであった。従って、プレーヤーが機械的にメニューを操作する場合や、ゲーム管理用のメニューが表示されている場合に、プレーヤーに対してゲームへの集中を促すものではなかった。
【0008】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、プレーヤーが意図しないタイミングで音を出力することで、ユーザにゲームへの集中を促すことが可能な音声出力装置、音声出力プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は、メニューを表示するためのデータを含む設定ファイルを記録する設定ファイル記録手段と、前記設定ファイルに応じて、複数の項目を含むメニューを表示するメニュー表示手段と、プレーヤー操作による指示を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された指示により前記メニューから選択された項目に対応する処理を実行する処理実行手段と、前記メニューが表示されている間に、音声を出力させるタイミングを判別するタイミング判別手段と、前記タイミング判別手段により判別されたタイミングにより音声を出力する音声出力手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、プレーヤーが意図しないタイミングで音を出力することで、ユーザにゲームへの集中を促すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態における音声出力装置が実現されるゲーム装置の構成を示すブロック図。
【図2】RAM11(メモリデバイス24)に記録されるメニューテーブルの一例を示す図。
【図3】RAM11(メモリデバイス24)に記録される設定ファイルの一例を示す図。
【図4】図3に示すサプライズ設定の条件に対するサプライズポイントを算出するためのサプライズポイントテーブルの一例を示す図。
【図5】本実施形態におけるメニュー処理を示すフローチャート。
【図6】メニュー画面の一例を示す図。
【図7】特別な効果音「ばんっ!」が出力されたメニュー画面の一例を示す図。
【図8】プレーヤーの周辺に複数のスピーカが配置される構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態における音声出力装置が実現されるゲーム装置の構成を示すブロック図である。本実施形態におけるゲーム装置は、例えば携帯型に構成されているゲーム専用機とし、図1に示すように、CPU10には、バスを介して、RAM11、GPU12,13、表示コントローラ16、ディスプレイ17,18、インタフェースユニット19、コネクタ23、及び通信ユニット26が接続される。
【0013】
CPU10は、ゲーム装置全体の制御を司るもので、RAM11に記憶されたプログラムに応じた各種処理を実行する。CPU10は、本実施形態におけるゲームプログラムに基づいてゲーム処理を実行する。例えば、本実施形態におけるゲーム装置では、ゲームデータのロードやセーブなどのPAUSEメニューやOPTIONメニューなどゲーム管理用のメニューをプレーヤーからの指示に応じて表示する他、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲームなどを実行し、ゲーム場面ごとにプレーヤーからの指示を入力するためのメニューを表示する。CPU10は、RAM11に記録されたメニューテーブル、設定ファイル等のデータに応じてメニュー処理を実行し、複数の項目を含むメニューを表示すると共に、メニューが表示されている間に、プレーヤー操作によりボタンやペンを用いて入力される指示と関係なく、不特定のタイミングで音声を出力させるタイミングを判別し、この判別されたタイミングにより音声を出力することができる。
【0014】
RAM11は、CPU10により実行されるプログラムやデータなどを一時的に記憶する。ゲーム処理中においては、メニューを管理するためのメニューテーブルや、メニューを表示するためのデータを含む設定ファイル、サプライズポイントテーブルなどが記録される。メニューテーブル、設定ファイル、及びサプライズポイントテーブルの詳細については後述する。
【0015】
GPU12,13は、CPU10からの指示に応じて、RAM11に記憶されている表示画像を生成するためのデータに基づいて表示画像データを生成するもので、GPU12には、VRAM14が接続され、GPU13には、VRAM15が接続されている。GPU12は、ディスプレイ17において表示するための表示画像データを生成してVRAM14に描画する。GPU13は、同様にディスプレイ18において表示するための表示画像データを生成してVRAM15に描画する。
【0016】
ディスプレイ17,18は、表示コントローラ16の制御のもとで画像を表示する。ディスプレイ17,18は、例えばヒンジ機構によって開閉可能に結合された2つの筐体のそれぞれに設けられる。一方のディスプレイ18は、後述するタッチパネル20と積層一体型に形成されている。
【0017】
表示コントローラ16は、ディスプレイ17,18における画面表示を制御するもので、VRAM14に記憶された画像データをもとにディスプレイ17において画像を表示させ、VRAM15に記憶された画像データをもとにディスプレイ18において画像を表示させる。
【0018】
インタフェースユニット19は、各種デバイスを接続するためのもので、例えばタッチパネル20、スピーカ21、ボタン群22が接続される。タッチパネル20は、ペン20aを用いたパネル面に対する位置指示(座標データ)を入力する。
【0019】
スピーカ21は、CPU10の制御のもとで操作音や各種アプリケーションに応じた各種音(メッセージ音声、音楽、効果音等)を出力させる。
ボタン群22は、ユーザからの指示を入力するためのもので、例えば十字ボタン、スタートボタン、セレクトボタン、Aボタン、Bボタン、Xボタン、Yボタン、電源ボタン、Lボタン、及びRボタンを含んでいる。
【0020】
コネクタ23は、外部デバイスを着脱自在に接続するためのもので、例えばメモリデバイス24を接続することができる。
メモリデバイス24は、例えばゲームプログラムを記憶するROMと、バックアップデータを書き換え可能に記憶するRAMが搭載されている。メモリデバイス24のRAMには、プログラムの他にも、適宜、CPU10がプログラムを実行して得られるデータ等(メニューテーブル、設定ファイル、サプライズポイントテーブル等)が記憶される。
【0021】
画像入力装置25は、画像を撮影して画像データを入力するためのもので、例えば静止画像の画像データを入力するカメラ装置である。
【0022】
通信ユニット26は、他のゲーム装置やネットワークを介して接続された他の機器との間の通信を制御する。
【0023】
なお、本実施形態におけるゲームプログラムは、メモリデバイス24等の外部記憶媒体を通じてゲーム装置に供給されるだけでなく、有線または無線の通信回線を通じて供給されてもよい。また、ゲームプログラムは、ゲーム装置に実装された不揮発性記憶装置に予め記録されていてもよい。なお、ゲームプログラムを記憶する情報記憶媒体としては、不揮発性半導体メモリに限らず、CD−ROM、DVD、あるいはそれらに類する光学式ディスク状記憶媒体でもよい。
【0024】
図2は、RAM11(メモリデバイス24)に記録されるメニューテーブルの一例を示している。
メニューテーブルは、ゲーム処理の実行中に表示させる複数のメニューを管理するためのデータである。図2に示すように、メニューテーブルには、各メニューを識別するための「メニューID」と、メニューを表示するためのデータが含まれる設定ファイルを示す設定ファイル名とが対応付けて記録されている。
【0025】
例えば、メニューID「0x000」に対しては、設定ファイル名「menu_00.dat」が記録されている。メニューID「0x000」のメニューを表示する場合には、「menu_00.dat」の設定ファイルが参照される。
【0026】
図3は、RAM11(メモリデバイス24)に記録される設定ファイルの一例を示している。図3に示す設定ファイルは、1つのメニューに対するもので、各メニューについてそれぞれ用意される。
【0027】
図3に示すように、設定ファイルには、ヘッダ情報、背景画像ファイル名、背景音ファイル名、選択音ファイル名、選択項目数、サプライズ設定、選択項目(0〜2)の各項目についてのデータが含まれている。
【0028】
ヘッダ情報は、設定ファイルにおけるヘッダ情報を含めた総項目数を示す。
背景画像ファイル名は、メニューを表示する際の背景画像のファイル名を示す。
背景音ファイル名は、メニューを表示している間に出力する音声の音声ファイル名を示す。
選択音ファイル名は、メニューに含まれる複数の選択項目の選択位置がプレーヤー操作によって変更された際に出力する音声の音声ファイル名を示す。
選択項目数は、メニューに含まれる選択項目の数を示す。
サプライズ設定は、メニューを表示している間に、プレーヤー操作により入力される直接的な指示と関係なく、不特定のタイミングで音声を出力させるタイミングを判別するための条件と、この判別されたタイミングにより出力させる音声の音声ファイルを示す。図3に示す例では、2つのサプライズ設定が設定され(設定数2)、設定0では「サプライズポイント800以上」の条件が設定されている。サプライズポイントは、プレーヤーの行動を判別するためのもので、後述するサプライズポイントテーブルに基づいて、ゲーム処理の実行中に算出されるポイントである。
【0029】
選択項目0〜2は、メニュー画面中において選択項目を表示するための画像ファイル名と、プレーヤー操作により選択された場合に実行すべき動作内容を、それぞれの選択項目について示す。
【0030】
図4は、図3に示すサプライズ設定の条件に対するサプライズポイントを算出するためのサプライズポイントテーブルの一例を示す。CPU10は、ゲーム処理の実行中のプレーヤー操作が、図4に示すサプライズポイントテーブルに設定された条件に該当する場合に、サプライズポイントテーブルに設定されたポイントを加減算していく。
【0031】
例えば、条件として「無操作状態が続いた場合」に該当する場合には、サプライズポイントが「5分毎に+10」される。また、「メッセージの早送り操作が連続した場合」には、サプライズポイントが「3回目以降1回ごとに+5」される。また、「1シーンの所要時間が短い場合」には、熱心にプレーしていない行動であるとして、サプライズポイントが「1シーン毎に+10」される。以下、同様にして、サプライズポイントテーブルには、プレーヤーの行動に対する各条件に対してサプライズポイントを加減算する内容が定義されている。
【0032】
サプライズポイントテーブルでは、基本的に、プレーヤーがゲームに集中していないと考えられる行動に対してはサプライズポイントを加算し、ゲームに集中していると考えられる行動に対してはサプライズポイントを減算するように条件が設定されている。従って、プレーヤーがゲームに集中していない場合には、サプライズポイントが加算される頻度が高まり、設定ファイルに設定されたサプライズ設定の条件に該当する状態となり易くなる。すなわち、プレーヤーによる直接的な操作と関係なく、通常の操作音とは異なる効果音を出力させるタイミングと判別され易くなる。
【0033】
次に、本実施形態における動作について説明する。
本実施形態におけるゲーム装置において実行されるゲームでは、ロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アドベンチャーゲームなどの、ゲーム場面に応じて複数の選択項目が含まれるメニューを表示するゲームを実行するものとする。また、ゲーム処理中に、プレーヤーからの指示に応じて、PAUSEメニューやOPTIONメニューなどゲーム管理用のメニューを適宜表示することができる。
【0034】
CPU10は、ゲーム処理の起動時から、プレーヤー操作に応じてサプライズポイントの計算を開始して蓄積していく。すなわち、図4に示すサプライズポイントテーブルの条件に該当するプレーヤーの行動があった場合には、サプライズポイントの加減算を実行して、その演算結果をRAM11に一時記録しておく。
【0035】
また、CPU10は、ゲーム処理中においてメニューを表示する状況となると、図5のフローチャートに示すメニュー処理を実行する。まず、CPU10は、メニューテーブルから現在、表示対象となっているメニューのメニューIDを参照して、該当する設定ファイルを読み込む。そして、CPU10は、設定ファイルに設定された各データをもとにメニューを表示して、プレーヤー操作の入力待ち状態となる。
【0036】
ここで、メニューに含まれる複数の選択項目から選択対象とする項目を変更する操作があった場合には(ステップA2、Yes)、CPU10は、設定ファイルに設定された選択音ファイル名が示す音声ファイルをもとにして、選択音をスピーカ21から出力させる(ステップA6)。例えば、CPU10は、十字ボタンの上下方向のボタンが操作されることにより、選択対象とする選択項目の位置を上下方向に変更する。
【0037】
図6には、メニュー画面の一例を示している。図6に示すように、選択項目を変更するプレーヤー操作があった場合には、選択位置が変更されたことをプレーヤーに通知するための通常の選択音「ピッ」を出力させる。選択対象とする選択項目を変更するプレーヤー操作があった場合に、その都度、同様にして選択音を出力させる(ステップA2,A6)。
【0038】
メニュー中の何れかの選択項目の確定が指示されると(ステップA7、Yes)、CPU10は、設定ファイルを参照して、該当する選択項目に対して設定された実行すべき動作が別のメニューを表示させるものであった場合には(ステップA8、Yes)、別のメニューの設定ファイルを読み込んで前述と同様の処理を実行する(ステップA1〜)。
【0039】
また、CPU10は、確定された選択項目に対して設定された実行すべき動作が予め決められた特定の処理であった場合には(ステップA8、No)、この選択項目に対する処理(選択項目処理)を実行してメニュー処理を終了する(ステップA9)。
【0040】
なお、前述した、メニューに対する操作が行われている間においてもサプライズポイントについての演算が実行されている。CPU10は、プレーヤー操作がされていない間において(ステップA2、No)、現在のサプライズポイントが、設定ファイルに設定されているサプライズ設定の条件に当てはまる状態であるか判別する(ステップA3)。
【0041】
サプライズポイントがサプライズ条件に当てはまる状態でない場合には(ステップA4、No)、CPU10は、サプライズ設定に対する処理を何ら実行しない。
【0042】
一方、サプライズ条件に該当する状態となったことが判別された場合(ステップA4、Yes)、すなわち通常とは異なる音声を出力すべきタイミングであると判別した場合には、CPU10は、設定ファイル中のサプライズ設定の条件と対応付けて設定されているサプライズイベントを実行する(ステップA5)。ここでは、CPU10は、設定ファイルにサプライズイベントとして記録されている音声ファイルをもとにして、スピーカ21から通常の操作音とは異なる特別な効果音を出力させる。
【0043】
図7には、サプライズイベントとして、特別な効果音「ばんっ!」が出力されたメニュー画面の一例を示している。本実施形態では、プレーヤー操作と直接関係なく、プレーヤーの行動に基づいて算出されたサプライズポイントが、サプライズ設定の条件を満たす状態となったタイミングでサプライズイベントが実行される。従って、プレーヤーが全く意図していないタイミングで効果音が出力されることになり、プレーヤーが機械的にメニューを操作する場合や、ゲーム管理用のメニューが表示されている場合であっても、プレーヤーに対してゲームへの集中を促すことができる。特に、ゲーム管理用のメニューが表示されている状態では、プレーヤーが気を抜いていることが多いため大きな効果を期待できる。
【0044】
なお、CPU10は、サプライズイベントを実行した場合には、サプライズポイントを0クリアする。その後、同様にして、サプライズポイントテーブルに設定された条件をもとに、プレーヤーの行動に応じてサービスポイントの蓄積を再開する。従って、再度、同じメニューが表示されたとしても、その時のサプライズポイントが前回と同じとなることがないため、サプライズイベントの発生を予測できないようにすることができる。
【0045】
また、設定ファイルのサービス設定において、図3に示すように、複数の条件(図3では2つの条件)を設定しておくことにより、サプライズイベントを実行するための条件を切り替えるようにしても良い。これにより、プレーヤーの行動の違いだけでなく、サプライズ設定の条件の違いによって、サービスイベントを実行するタイミングを変動させることができ、例え複数回、同じメニューを使用していたとしても、プレーヤーにサプライズイベントが実行されるタイミングが予想されないようにできる。また、サプライズイベントの内容(音声ファイル)も変更することができるので、プレーヤーに予想されない音を出力して、より印象を強めることが可能である。
【0046】
また、基本的には、サプライズテーブルにおいて定義された、プレーヤーがゲームに集中していないと考えられる行動をとっている場合にサプライズポイントが加算され、それによりサプライズイベントが実行されるので、サプライズイベントが不要な状況では(プレーヤーがゲームに集中している場合)、無意味なサプライズイベントが発生されない。
【0047】
また、設定ファイル(メニュー)ごとにサプライズ設定の条件を変えることができるので、サプライズポイントが同じであったとしても、プレーヤー操作の対象となっているメニューによって、サプライズイベントが実行される場合と実行されない場合があるので、プレーヤーにサプライズイベントの実行が予測され難くすることができる。
【0048】
なお、図5のフローチャートに示すメニュー処理では、プレーヤー操作が行われていない間にサプライズ条件に該当する状態となっているかを判別し、サプライズ条件に該当する状態である場合にサプライズイベント(効果音の出力)をしているが、プレーヤー操作により選択項目の位置が変更された時に、サプライズ条件に該当する状態となっているかを判別するようにしても良い。この場合、サプライズポイントがサプライズ設定の条件を満たさない場合には通常の操作音を出力するが、サプライズ設定の条件を満たしていれば、サプライズイベントの実行タイミングであると判別して、通常の操作音に替えて、特別な効果音を出力する。プレーヤーは、通常と同じ操作をしたにもかかわらず、通常とは異なる効果音が不意に出力されるために、ゲーム内容を意識することなく機械的にメニュー操作をしていたとしても注意が喚起されることになる。
【0049】
また、前述した説明では、ゲーム専用機において音声出力装置が実現されるものとしているが、ゲームプログラムを実行可能なプロセッサが搭載された各種の電子機器、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、カーナビゲーションシステム、業務用ゲーム装置等において実現することが可能である。
【0050】
また、業務用ゲーム装置などの比較的大型のゲームシステムで実現される場合において、プレーヤーの周辺に複数のスピーカが配置される構成であれば、効果音を出力するために使用するスピーカをサプライズ設定に応じて変化させるようにしても良い。例えば、図8に示すように、プレーヤーに対してフロントスピーカ30とリアスピーカ32が配置され、例えば5.1chサラウンドシステムが構成されているものとする。この場合、通常時には、フロントスピーカ30から効果音を出力しているが、サプライズ設定に応じて効果音を出力する場合にはリアスピーカ32を使用する。これにより、プレーヤーが意図していない方向から効果音が出力されることになり、プレーヤーに対して意表を突いた効果音を提供することができる。
【0051】
また、ゲーム装置において実現される音声出力装置を例にしているが、他のメニューが必要される処理を実行する各種装置において実現することも可能である。
【0052】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0053】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【符号の説明】
【0054】
10…CPU、11…RAM、12,13…GPU、14,15…VRAM、16…表示コントローラ、17,18…ディスプレイ、19…インタフェースユニット、20…タッチパネル、20a…ペン、21…スピーカ、22…ボタン群、23…コネクタ、24…メモリデバイス、25…画像入力装置、26…通信ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メニューを表示するためのデータを含む設定ファイルを記録する設定ファイル記録手段と、
前記設定ファイルに応じて、複数の項目を含むメニューを表示するメニュー表示手段と、
プレーヤー操作による指示を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された指示により前記メニューから選択された項目に対応する処理を実行する処理実行手段と、
前記メニューが表示されている間に、音声を出力させるタイミングを判別するタイミング判別手段と、
前記タイミング判別手段により判別されたタイミングにより音声を出力する音声出力手段と
を具備したことを特徴とする音声出力装置。
【請求項2】
前記入力手段により入力された指示に基づいてプレーヤーの行動を判別する状況判別手段をさらに具備し、
前記タイミング判別手段は、前記状況判別手段により判別されたプレーヤーの行動に応じて、音声を出力させるタイミングを判別することを特徴とする請求項1記載の音声出力装置。
【請求項3】
前記タイミング判別手段は、前記設定ファイルにおいて、前記メニュー表示手段により表示される各メニューのそれぞれについて設定された前記プレーヤーの行動に対する条件をもとに、音声を出力させるタイミングを判別することを特徴とする請求項2記載の音声出力装置。
【請求項4】
コンピュータを、
メニューを表示するためのデータを含む設定ファイルを記録する設定ファイル記録手段と、
前記設定ファイルに応じて、複数の項目を含むメニューを表示するメニュー表示手段と、
プレーヤー操作による指示を入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された指示により前記メニューから選択された項目に対応する処理を実行する処理実行手段と、
前記メニューが表示されている間に、音声を出力させるタイミングを判別するタイミング判別手段と、
前記タイミング判別手段により判別されたタイミングにより音声を出力する音声出力手段として機能させるための音声出力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−55952(P2011−55952A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207254(P2009−207254)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】