説明

音声反応ぬいぐるみ

【課題】 かわいい外観を備えると共に、音声通信において用いる送受信器として実用的に用いることができる音声反応ぬいぐるみを提供する。
【解決手段】 音声反応ぬいぐるみ1は、ぬいぐるみ本体2と、当該ぬいぐるみ本体2に内蔵された音声入力手段11及び音声出力手段12と、音声記憶再生手段13と、音声出力手段12から出力される音声と同期して稼働する可動手段14と、外部端子31a,31bが挿入される出力端子16及び入力端子17とを備え、外部端子31a,31bはパーソナルコンピュータと接続され、パーソナルコンピュータを介した音声通話時における送受話器として用いるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声を発するとき、発声する音声に反応して動作する音声反応ぬいぐるみに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、癒し系といわれるぬいぐるみが人気となり、音声に反応して稼働するぬいぐるみや、音声を出力するぬいぐるみ等について多くの提案がなされている。例えば、特開2005−177129号公報(特許文献1)では、動物の形状をしたぬいぐるみに音声抽出機能や音声出力機能、音声デフォルメ機能等を内蔵させ、使用者の声を抽出してデフォルメした音声を出力することができるぬいぐるみの提案がなされている。この提案におけるぬいぐるみでは、ぬいぐるみの外観とデフォルメ音声とで使用者の心を和ませることができる。
【特許文献1】特開2005−177129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のぬいぐるみでは、使用者の心を和ますことはできるが、実用的に用いることができるものは少なかった。
【0004】
本発明は、かわいい外観を備えると共に、実用的に用いることができる音声反応ぬいぐるみを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の音声反応ぬいぐるみ(1)は、ぬいぐるみ本体(2)と、当該ぬいぐるみ本体(2)に内蔵された音声入力手段(11)及び音声出力手段(12)と、音声出力手段(12)から出力される音声と同期して稼働する可動手段(14)と、外部端子(31a,31b)が挿入される出力端子16及び入力端子17とを備え、更に、音声記憶再生手段(13)を備えることもある。
【0006】
又、前記出力端子(16)は、前記外部端子(31a)が挿入されていない場合には、前記音声入力手段(11)と前記音声記憶再生手段(13)とを導通させており、前記外部端子(31a)が挿入された場合には前記音声入力手段(11)と前記外部端子(31a)を導通させ、前記音声記憶再生手段(13)との接続を切断するものである。
【0007】
更に、前記入力端子(17)は、前記外部端子(31b)が挿入されていない場合には、前記音声出力手段(12)と前記音声記憶再生手段(13)とを導通させており、前記外部端子(31b)が挿入された場合には前記音声出力手段(12)と前記外部端子(31b)を導通させ、前記音声記憶再生手段(13)との接続を切断するものである。
【0008】
そして、前記外部端子(31a,31b)がパーソナルコンピュータと接続され、音声入力手段及び音声出力手段をパーソナルコンピュータを介した音声通話時における送受話器としたことことを特徴とするものである。
【0009】
又、前記音声入力手段(11)及び音声出力手段(12)と前記音声記憶再生手段(13)との間にアンプ(23a,23b)を備えており、更に、前記音声記憶再生手段(13)を制御する音声記憶スイッチ(21)と、音声再生スイッチ(22)とを備えることもある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、かわいい外観を備えると共に、音声通信において用いる送受話器として実用的に用いることができる音声反応ぬいぐるみを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態の音声反応ぬいぐるみ1は、ぬいぐるみ本体2と、当該ぬいぐるみ本体2に内蔵された音声入力手段11と、音声出力手段12と、音声記憶再生手段13と、音声出力手段12から出力される音声と同期して稼働する可動手段14と、外部端子31a,31bが挿入される出力端子16及び入力端子17とを備えるものである。
【0012】
この出力端子16は、外部端子31aが挿入されていない場合には、音声入力手段11と音声記憶再生手段13とを導通させており、外部端子31aが挿入された場合には音声入力手段11と外部端子31aを導通させ、音声記憶再生手段13との接続を切断するものである。
【0013】
又、入力端子17は、外部端子31bが挿入されていない場合には、音声出力手段12と音声記憶再生手段13とを導通させており、外部端子31bが挿入された場合には音声出力手段12と外部端子31bを導通させ、音声記憶再生手段13との接続を切断するものである。
【0014】
そして、外部端子31a,31bはパーソナルコンピュータと接続され、パーソナルコンピュータを介した音声通話時における送受話器としたものである。
【0015】
又、音声入力手段11及び音声出力手段12と音声記憶再生手段13との間にアンプ23a,23bが配置され、音声記憶再生手段13を制御する音声記憶スイッチ21と、音声再生スイッチ22とを備えるものである。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。本実施例の音声反応ぬいぐるみ1は、出力される音声の音声と同期して稼働するものであり、パーソナルコンピュータにおいてSKYPE(SKYPE TECHNOLOGY 社の登録商標:登録第4863855号)等で音声通話をする場合に送受器と受話器を合わせた送受話器として、或いは、音声を録音するボイスレコーダとして用いるものであり、図1に示すように、外観を動物やキャラクタ等に形成されたぬいぐるみ本体2を有する。
【0017】
そして、図2に示すように、このぬいぐるみ本体2に内蔵されたマイク等の音声入力装置11と、スピーカ等の音声出力装置12と、音声を記憶或いは再生する音声記憶再生装置13と、音声信号によって稼働する電磁石等を利用した可動装置14と、各種装置を制御するMCU等の制御装置10とを内部に備え、パーソナルコンピュータ等の外部機器と接続するときに用いる音声信号であるアナログ信号の出力端子16及び音声信号であるアナログ信号の入力端子17を有するものである。尚、図面には示していないが電源としての電池をぬいぐるみ本体2の内部に有するものである。
【0018】
制御装置10は、マイクロコンピュータ等のICチップであり、音声記憶再生装置13や音声記憶スイッチ21、音声再生スイッチ22が接続されている。この音声記憶スイッチ21がオン状態とされると、制御装置10は音声記憶再生装置13を録音モードとし、音声の録音を開始させ、音声再生スイッチ22がオン状態とされた場合には、音声記憶再生装置13に記憶された音声を音声出力装置12から発声させるものである。
【0019】
又、この音声記憶スイッチ21や音声再生スイッチ22は、ワンプッシュスイッチ等のスイッチであってぬいぐるみ本体2の手や足等に埋め込まれており、ぬいぐるみ本体2の音声記憶スイッチ21や音声再生スイッチ22が埋め込まれた部分を握る或いは押圧することによってスイッチがオン状態或いはオフ状態となり、制御装置10にオン信号或いはオフ信号を送信するものである。
【0020】
音声入力装置11は、マイク等の音声を取込む装置であり、音声信号を増幅するアンプ23aを介して音声記憶再生装置13と接続している。又、音声入力装置11とアンプ23aの間には入力された音声を外部機器に出力する時に用いる出力端子16が配置されている。
【0021】
音声出力装置12は、スピーカ等の音声を外部に出力する装置であり、アンプ23bを介して音声記憶再生装置13と接続している。又、アンプ23bと音声記憶再生装置13の間には、外部機器から音声信号を取込む入力端子17が配置されている。
【0022】
音声記憶再生装置13は、音声入力装置11から入力された音声に係る音声信号を記憶する機能と、記憶された音声を再生する機能とを備えた装置であり、音声記憶スイッチ21がオン状態とされると一定時間だけ制御装置10が音声記憶再生装置13に音声信号を記憶させ、音声再生スイッチ22がオン状態とされると制御装置10により記憶されている音声信号を音声記憶再生装置13からアンプ23bに出力させて音声出力装置12より発声させるものである。
【0023】
又、音声記憶再生装置13は、音声記憶スイッチ21及び音声再生スイッチ22がオフ状態であって外部機器が接続されていない場合には、音声入力装置11から入力された音声をそのまま音声出力装置12より出力するものである。尚、音声記憶再生装置13は、二つの音声記憶部を備えており、音声記憶スイッチ21を一回押すと所定の一つの音声記憶部に音声信号が記憶され、音声記憶スイッチ21を二回押すと他の音声記憶部に音声信号が記憶されるものである。
【0024】
可動装置14は、電磁石等によって可動する装置であり、アンプ23bと音声出力装置12との間にワンショット回路25を介して接続されている。このワンショット回路25は、予め設定された音声信号の閾値以上の音声レベルを感知して、この音声信号と同期したパルス信号を出力するものであり、可動装置14は、ワンショット回路25から出力されたパルス信号によって電磁石がオン、オフを繰り返すことによって稼働するものである。そして、本実施例における可動装置14は、ぬいぐるみ本体2の口部分に配置されており、音声出力装置12から音声が出力されると、ぬいぐるみ本体2がしゃべっているように口が稼働するものである。
【0025】
出力端子16は、外部端子31aが挿入されていない場合には、図3(a)に示すように、音声入力装置11とアンプ23aとを導通させており、外部端子31aが挿入されると、図3(b)に示すように、音声入力装置11とアンプ23aとの導通を切断して、音声入力装置11と外部端子31aを導通させるものである。これにより、外部端子31aが出力端子16に挿入されていない場合には、音声入力装置11から入力された音声は、アンプ23aによって音声信号を増幅されて音声記憶再生装置13に出力され、外部端子31aが挿入されている場合には、入力された音声がそのまま外部端子31aを介して外部機器に出力されるものである。
【0026】
入力端子17は、出力端子16と同様に、外部端子31bが挿入されていない場合には、図4(a)に示すように、音声記憶再生装置13とアンプ23bとを導通させており、外部端子31bが挿入されると、図4(b)に示すように、音声記憶再生装置13とアンプ23bとの導通を切断して、アンプ31bを介して音声出力装置12に外部端子31bを接続させるものである。これにより、外部端子31bが出力端子16に挿入されていない場合には、音声記憶再生装置13から出力される音声信号をアンプ23bを介して音声出力装置12から外部に出力するが、外部端子31bが挿入されている場合には、外部機器から出力された音声信号をアンプ23bを介して音声出力装置12に出力するものである。
【0027】
そして、本実施例の音声反応ぬいぐるみ1は、外部端子31a,31bが挿入されていない場合において音声記憶スイッチ21及び音声再生スイッチ22がオフ状態の時には、音声入力装置11から入力された音声がそのまま音声出力装置12から発声されることとなり、ぬいぐるみ本体2の口が音声出力装置12から出力される音声と同期して動くため、まるでぬいぐるみ本体が話しているような外観となるものである。
【0028】
又、外部端子31a,31bが挿入されていない場合において音声記憶スイッチ21がオン状態とされた時には、一定時間だけ音声入力装置11から入力された音声を音声記憶再生装置13に録音するため、ぬいぐるみ形状のボイスレコーダとして使用できる。更に、音声再生スイッチ22がオン状態の時には音声記憶再生装置13に記憶された音声が音声出力装置12から発声され、この発声される音声に対応してぬいぐるみ本体2の口が動くことになり、まるでぬいぐるみ本体2が話しているような外観となるものである。
【0029】
又、外部端子31aが出力端子16に挿入された場合には、ぬいぐるみ形状のマイクとして用いることができ、外部端子31bが入力端子に挿入された場合には、ぬいぐるみ形状のスピーカとして用いることができる。
【0030】
そして、外部端子31a,31bが入力端子16及び出力端子17に挿入された場合には、外部端子31a,31bが接続しているパーソナルコンピュータ等によってSKYPE等の音声通話における送受話器として用いることができ、通話相手の声に合わせてぬいぐるみ本体2の口が動くことで、まるでぬいぐるみ本体2と会話しているような外観となるものである。
【0031】
本実施例によれば、ぬいぐるみ本体2に音声入力装置11、音声出力装置12、可動装置14を内蔵することにより、ぬいぐるみ本体2が話しているようなかわいい外観を備えた代理会話人形のような音声反応ぬいぐるみ1を提供することができる。
【0032】
又、ぬいぐるみ本体2に音声記憶再生装置13を内蔵することにより、かわいい外観を備えたボイスレコーダとして利用することができるものである。
【0033】
更に、ぬいぐるみ本体2に出力端子16及び入力端子17を形成することにより、外部機器を介した音声通話の送受話器として用いることができるものである。
【0034】
そして、これらの効果によりかわいい外観を備えながら実用的に用いることができる、かわいさと実用を兼ね備えた音声反応ぬいぐるみ1を提供することができるものである。
【0035】
尚、上述した実施例においては、可動装置14をぬいぐるみ本体2の口部分に配置しているのみであったが、複数の可動装置14をぬいぐるみ本体2の内部に備えることもできる。例えば、ぬいぐるみ本体2のお腹部分に可動装置14を配置すれば、通話相手が笑っている時等にぬいぐるみ本体2の口とお腹が同時に動くことで、本当に笑っているような外観を備えた音声反応ぬいぐるみ1を提供することができるものである。
【0036】
又、上述した実施例においては、可動装置14を電磁石で稼働する装置としていたが、モータを用いることもできる。可動装置14としてモータを用いることにより、ぬいぐるみ本体2に複雑な動作をさせることも可能であり、例えば、可動装置14とするモータをぬいぐるみ本体2の首に配置すれば、会話しながら首を傾げる音声反応ぬいぐるみ1を提供することもできる。尚、可動装置14としてモータを用いる場合には、ワンショット回路25から出力される出力パルスを等しい周期のパルス信号に変換すれば足りるものである。
【0037】
更に、送受話器として用いる場合のみでなく、テレビジョンやラジオステレオ等の音声出力端子又はイヤホーンジャックと入力端子17とを接続して遊ぶこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係る音声反応ぬいぐるみの正面図。
【図2】本発明に係る音声反応ぬいぐるみの回路ブロック図。
【図3】本発明に係る音声反応ぬいぐるみの回路ブロック図における出力端子の機能概念図。
【図4】本発明に係る音声反応ぬいぐるみの回路ブロック図における入力端子の機能概念図。
【符号の説明】
【0039】
1 音声反応ぬいぐるみ
2 ぬいぐるみ本体
11 音声入力装置(手段)
12 音声出力装置(手段)
13 音声記憶再生装置(手段)
14 可動装置(手段)
10 制御装置(手段)
16 出力端子
17 入力端子
21 音声記憶スイッチ
22 音声再生スイッチ
23a,23b アンプ
25 ワンショット回路
31a,31b 外部端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ぬいぐるみ本体と、
当該ぬいぐるみ本体に内蔵された音声入力手段及び音声出力手段と、音声出力手段から出力される音声と同期して稼働する可動手段と、外部端子が挿入される出力端子及び入力端子とを備えることを特徴とする音声反応ぬいぐるみ。
【請求項2】
音声記憶再生手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の音声反応ぬいぐるみ。
【請求項3】
前記出力端子は、前記外部端子が挿入されていない場合には、前記音声入力手段と前記音声記憶再生手段とを導通させており、前記外部端子が挿入された場合には前記音声入力手段と前記外部端子を導通させ、前記音声入力手段と前記音声記憶再生手段との接続を切断することを特徴とする請求項2に記載の音声反応ぬいぐるみ。
【請求項4】
前記入力端子は、前記外部端子が挿入されていない場合には、前記音声出力手段と前記音声記憶再生手段とを導通させており、前記外部端子が挿入された場合には前記音声出力手段と前記外部端子を導通させ、前記音声出力手段と前記音声記憶再生手段との接続を切断することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の音声反応ぬいぐるみ。
【請求項5】
前記外部端子がパーソナルコンピュータと接続され、音声入力手段及び音声出力手段をパーソナルコンピュータを介した音声通話時における送受話器としたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の音声反応ぬいぐるみ。
【請求項6】
前記音声入力手段及び音声出力手段と前記音声記憶再生手段との間にアンプを備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の音声反応ぬいぐるみ。
【請求項7】
前記音声記憶再生手段を制御する音声記憶スイッチと、音声再生スイッチとを備えることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれかに記載の音声反応ぬいぐるみ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−271397(P2008−271397A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114396(P2007−114396)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(596020680)株式会社キューブ (11)
【Fターム(参考)】