説明

音声情報選択装置、音声情報選択方法、音声情報選択プログラムおよび記録媒体

【課題】利用者の生活における音環境をデータベースから選択すること。利用者に、自身と同様の音環境で生活している他の利用者とコミュニケーションを取らせること。
【解決手段】音声情報データベース120から、利用者情報取得部101、位置取得部102および期間取得部103によって取得された利用者の固有情報、利用者の現在地点の位置情報、および現在地点に利用者が位置している期間に関連付けられた音声情報を音声選択部104によって選択する。また、検索部105によって同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索し、送信部106によって他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を出力装置130に送信する。さらに、受付部107によって、他の利用者のうちの通信をおこないたい通信者の選択を利用者から受け付けた場合、接続部108によって通信者と利用者との通信を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、利用者の生活における音環境をデータベースから選択することができる音声情報選択装置、音声情報選択方法、音声情報選択プログラムおよび記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した音声情報選択装置、音声情報選択方法、音声情報選択プログラムおよび記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
従来、人の体重によって床面に加わる圧力をセンシングして足跡情報を取得し、ネットワーク上の他のコミュニケーション端末に対して足跡情報を送信する機能と、他のコミュニケーション端末から送信された圧力強度分布を含む足跡情報を受信し、圧力強度分布情報にデータ変換を加え、抽象化した画像を表示する機能とを有するコミュニケーション端末が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
そして、管理サーバによって、これらのコミュニケーション端末間通信と、複数のコミュニケーション端末に提供するサービスを管理し、足跡情報の発信元コミュニケーション端末と宛先コミュニケーション端末とのルーティング経路を管理する。このようなコミュニケーション端末および管理サーバによって、互いに遠隔地に存在している人と人との間で、足跡という人間の行動履歴の一部を共有することによって、人の持つ想像力を十分に活用したお互いのコミュニケーション環境を豊かにする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−333539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、生活環境が同様の相手は、自身と気が合う可能性が高く、普段の生活における音環境が同様の相手は、たとえばライフスタイルが異なっていても自身と同様の感覚を持っている可能性が高いと考えられる。しかしながら、上述した特許文献1の技術では、足跡情報によって遠隔地に位置している相手の存在を認識することはできるが、相手の生活環境や音環境がわからないため、自身と気の合う相手を探すことができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる音声情報選択装置は、複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録する音声情報データベースから出力装置に出力させる音声情報を選択する音声情報選択装置であって、前記利用者の固有情報を取得する利用者情報取得手段と、前記利用者の現在地点の位置情報を取得する位置取得手段と、前記位置取得手段によって取得された現在地点に前記利用者が位置している期間を取得する期間取得手段と、前記音声情報データベースから、前記利用者の固有情報、当該利用者の現在地点の位置情報および前記期間取得手段によって取得された期間に関連付けられた音声情報を選択する音声選択手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項8の発明にかかる音声情報選択方法は、複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録する音声情報データベースから出力装置に出力させる音声情報を選択する音声情報選択装置における音声情報選択方法であって、前記利用者の固有情報を取得する利用者情報取得工程と、前記利用者の現在地点の位置情報を取得する位置取得工程と、前記位置取得工程によって取得された現在地点に前記利用者が位置している期間を取得する期間取得工程と、前記音声情報データベースから、前記利用者の固有情報、当該利用者の現在地点の位置情報および前記期間取得工程によって取得された期間に関連付けられた音声情報を選択する音声選択工程と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、請求項9の発明にかかる音声情報選択プログラムは、請求項8に記載の音声情報選択方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0009】
また、請求項10の発明にかかる記録媒体は、請求項9に記載の音声情報選択プログラムをコンピュータに読み取り可能な状態で記録したことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施の形態にかかる音声情報選択装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】音声情報選択装置の音声情報選択処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例にかかる通信システムの概要について示す説明図である。
【図4】本実施例にかかるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本実施例にかかる端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】サーバの処理の内容の一例を示すフローチャートである。
【図7】サーバの処理の内容の他の一例を示すフローチャートである。
【図8】環境音DBの一例について示す説明図である。
【図9】利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者に関する情報の表示の一例について示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる音声情報選択装置、音声情報選択方法、音声情報選択プログラムおよび記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(音声情報選択装置の機能的構成)
まず、この発明の実施の形態にかかる音声情報選択装置100の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる音声情報選択装置の機能的構成を示すブロック図である。
【0013】
図1において、音声情報選択装置100は、利用者情報取得部101と、位置取得部102と、期間取得部103と、音声選択部104と、検索部105と、送信部106と、受付部107と、接続部108と、集計部109と、分析部110と、管理部111と、を備えている。ここで、音声情報選択装置100は、複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録する音声情報データベース120から出力装置130に出力させる音声情報を選択して、出力装置130に送信する。
【0014】
また、音声情報データベース120に記録された音声情報のジャンルは、鳥や虫の声に関する音声情報、車両の往来音に関する音声情報、人の往来音に関する音声情報、子供の登下校に関する音声情報または雨や風に関する音声情報などである。具体的には、鳥や虫の声に関する音声情報は、たとえば鳥や虫などの各種類に対しての生態系、およびそれぞれの鳥や虫の季節や時刻に応じた鳴き声に関する情報である。車両の往来音に関する音声情報は、たとえば幹線道路などの比較的交通量の多い道路の位置情報、およびそれぞれの道路の曜日や時刻に応じた交通量に関する情報である。人の往来音に関する音声情報は、たとえば商店街の位置情報、および曜日や時刻に応じた人の多さに関する情報である。子供の登下校に関する音声情報は、たとえば通学路に関する位置情報、および登下校の時刻に関する情報である。
【0015】
利用者情報取得部101は、利用者の固有情報を取得する。利用者の固有情報は、たとえば利用者の趣味や嗜好に関する情報、または利用者の家族構成に関する情報、利用者の心理状態に関する情報である。また、利用者情報取得部101は、利用者からの入力によって固有情報を取得してもよい。具体的には、たとえば車両の往来音は出力させないなどの入力を受け付ける。
【0016】
位置取得部102は、利用者の現在地点の位置情報を取得する。位置取得部102は、たとえば出力装置130の備えるGPS(Global Positioning System)ユニットなどによって受信されたGPS衛星からの測位情報を出力装置130から受信することによって、地図データ上の利用者の現在地点を特定する。
【0017】
期間取得部103は、位置取得部102によって取得された現在地点に利用者が位置している期間を取得する。また、期間取得部103は、利用者が1日の間に位置している全地点に対して各地点に位置している期間を取得してもよい。すなわち、位置取得部102によって常に利用者の現在地点の位置情報を取得し、期間取得部103によってそれぞれの地点に位置していた期間を取得してもよい。期間には、利用者が各地点に位置していた日時に関する情報が含まれていてもよい。
【0018】
音声選択部104は、音声情報データベース120から、利用者の固有情報、利用者の現在地点の位置情報および期間取得部103によって取得された期間に関連付けられた音声情報を選択する。音声選択部104は、期間取得部103によって利用者が1日の間に位置している全地点に対して各地点に位置している期間を取得した場合、利用者が各地点に位置している期間に関連付けられた音声情報を取得する。したがって、各利用者の生活における音環境が選択される。
【0019】
さらに、音声選択部104は、音声情報データベース120から、現在の日時や現在の天気に関連付けられた音声情報を選択してもよい。また、音声選択部104は、音声情報データベース120から、利用者の現在地点が含まれる地域に関連付けられた音声情報を選択してもよい。この場合、音声選択部104は、利用者の現在地点が含まれる地域に関連付けられた音声情報を、利用者の現在地点において利用者が外部から遮音されていない状況で聴取不可能な音声情報であっても選択してよい。
【0020】
また、音声選択部104は、音声情報データベース120から、利用者の固有情報に応じて、利用者が催事を好む場合、利用者の現在地点においては聴取不可能な音声情報であっても、地域内で開催される催事に関する音声情報を選択してもよい。また、たとえば利用者に子供がいる場合、利用者の現在地点が、子供が在籍する学校の通学路の近傍ではなくても、子供の登下校に関する音声情報を選択してもよい。
【0021】
検索部105は、音声選択部104によって選択された音声情報と同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索する。したがって、利用者と同様の音環境で生活している他の利用者を検索することができる。また、検索部105は、音声選択部104によって選択された音声情報と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点の位置情報を検索する。したがって、利用者と同様の音環境で生活している他の利用者の位置がわかる。
【0022】
送信部106は、出力装置130に、検索部105によって検索された他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を送信する。ここで、表示情報は、具体的には、たとえば、出力装置130の有する表示部を制御するための情報である。出力装置130の有する表示部へ、他の利用者に関する情報の一覧を表示させてもよい。また、送信部106は、出力装置130の表示部に表示された地図情報上に、検索部105によって検索された位置情報に基づいて、利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点を表示させるための表示情報を送信する。これによって、利用者は、出力装置130の有する表示部に表示された地図情報上に、利用者と同様の音環境で生活している他の利用者の位置を表示させることができる。
【0023】
受付部107は、出力装置130の表示部に表示された他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を利用者から受け付ける。具体的には、たとえば表示装置130に表示された地図情報上の他の利用者が位置していた地点を押下された場合に、この地点に位置していた他の利用者の選択を受け付ける。
【0024】
接続部108は、受付部107によって受け付けられた通信者との通信を接続する。通信者は、一人でもよいし複数人でもよい。また、接続部108は、通信者との通信を、具体的には、たとえばインターネットを介して接続する。
【0025】
集計部109は、複数の利用者の、音声選択部104によって選択された音声情報を集計する。集計部109は、たとえば、任意の利用者の、音声選択部104によって選択された音声情報を集計してもよいし、同一の企業に勤務する社員の、音声選択部104によって選択された音声情報を集計してもよい。
【0026】
分析部110は、集計部109によって集計された音声情報に基づいて、各利用者のライフスタイルを分析する。また、分析部110は、たとえば利用者の性別、年齢別、家族構成、居住地域などに応じて分析することで、市場調査に用いる情報を生成することができる。
【0027】
管理部111は、分析部110によって分析された分析結果に基づいて、利用者の健康状態の管理をおこなう。管理部111は、たとえば同一の企業に勤務する複数の社員の健康状態を管理することができる。健康状態の管理は、具体的には、たとえば、健康を害している利用者同士の音環境における共通点を抽出したり、健康を害していたときの音環境と類似の音環境の利用者を抽出したりすることで管理する。
【0028】
(音声情報選択装置の音声情報選択処理手順)
つぎに、音声情報選択装置100の音声情報選択処理手順について説明する。図2は、音声情報選択装置の音声情報選択処理手順を示すフローチャートである。図2のフローチャートにおいて、まず、利用者情報取得部101によって利用者の固有情報を取得する(ステップS201)。
【0029】
つぎに、位置取得部102によって利用者の現在地点の位置情報を取得する(ステップS202)。そして、期間取得部103によって、ステップS202において取得された現在地点に利用者が位置している期間を取得する(ステップS203)。つぎに、音声選択部104によって、音声情報データベース120から、ステップS201において取得された利用者の固有情報、ステップS202において取得された利用者の現在地点の位置情報、およびステップS203において取得された利用者が位置している期間に関連付けられた音声情報を選択する(ステップS204)。
【0030】
つぎに、検索部105によって、ステップS204において選択された音声情報と同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索する(ステップS205)。そして、送信部106によって、出力装置130に、ステップS205において検索された他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を送信する(ステップS206)。
【0031】
つぎに、受付部107によって、ステップS206において送信された表示情報に基づいて、出力装置130の表示部に表示された他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を前記利用者から受け付けたか否かを判断する(ステップS207)。ステップS207において通信者の選択を受け付けない場合(ステップS207:No)、そのまま一連の処理を終了する。一方、ステップS207において通信者の選択を受け付けた場合(ステップS207:Yes)、接続部108によって、ステップS207において受け付けられた通信者との通信を接続して(ステップS208)、一連の処理を終了する。
【0032】
なお、図2のフローチャートにおいては、集計部109によって、ステップS204において選択された複数の利用者の音声情報を集計してもよい。そして、分析部110によって、集計された音声情報に基づいて、各利用者のライフスタイルを分析してもよい。さらに、分析部110によって分析された分析結果に基づいて、管理部111によって利用者の健康状態の管理をおこなってもよい。
【0033】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS202において利用者の現在地点を取得し、ステップS203において利用者が位置している期間を取得するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS202において利用者が1日の間に位置している全地点の位置情報を取得し、ステップS203において利用者が各地点に位置している期間を取得してもよい。この場合、ステップS204においては、利用者が各地点に位置している期間に関連付けられた音声情報を取得してもよい。
【0034】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS205において、利用者が選択された音声情報と同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索するとしているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS205においては、利用者が選択された音声情報と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点の位置情報を検索してもよい。この場合、ステップS206においては、出力装置130の表示部に表示された地図情報上に、ステップS205において検索された位置情報に基づいて、同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点を表示させるための表示情報を送信してもよい。
【0035】
また、図2のフローチャートにおいては、ステップS204において音声情報データベース120から、利用者の現在地点が含まれる地域に関連付けられた音声情報を、利用者の現在地点において利用者が外部から遮音されていない状況で聴取不可能な音声情報であっても選択してよい。
【0036】
上述したように、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、音声選択部104によって、音声情報データベース120から、利用者情報取得部101によって取得された利用者の固有情報、位置取得部102によって取得された利用者の現在地点の位置情報および期間取得部103によって取得された現在地点に利用者が位置している期間に関連付けられた音声情報を選択することができる。したがって、たとえば利用者の家族構成や利用者の趣味・嗜好により、同じ地点に同じ期間位置していても利用者によって選択する音声情報を変更することができる。これによって、利用者毎のユニークな環境音を選択することができる。
【0037】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、期間取得部103によって、利用者が1日の間に位置している全地点に対して各地点に位置している期間を取得し、音声選択部104によって、利用者が各地点に位置している期間に関連付けられた音声情報を取得することができる。したがって、各利用者の一日の生活に則した環境音を選択することができる。これによって、各利用者の生活における環境音を選択することができる。
【0038】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、音声選択部104によって選択された音声情報と同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索部105によって検索し、出力装置130に、検索された他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を送信部106によって送信することができる。したがって、出力装置130においては、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者を表示することができる。これによって、利用者は、自身と同様の音環境で生活している他の利用者を知ることができる。
【0039】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、音声選択部104によって選択された音声情報と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点の位置情報を検索部105によって検索し、出力装置130の表示部に表示された地図情報上に、検索された位置情報に基づいて、同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点を表示させるための表示情報を送信部106によって送信することができる。したがって、出力装置130においては、表示部に表示された地図情報上に、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者の位置を示すことができる。これによって、利用者は、自身と同様の音環境で生活している他の利用者の位置を知ることができる。
【0040】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、受付部107によって、出力装置130の表示部に表示された他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を利用者から受け付け、接続部108によって受け付けられた通信者との通信を接続することができる。したがって、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者と、利用者とを通信させることができる。これによって、利用者は、生活における音環境が似ている、自身と気の合いそうな相手と通信をおこなうことができる。
【0041】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、集計部109によって、複数の前記利用者の、音声選択部104によって選択された音声情報を集計し、分析部110によって、集計された音声情報に基づいて、各利用者のライフスタイルを分析することができる。したがって、複数の利用者の生活における音環境を比較することで、各利用者のライフスタイルを分析することができる。これによって、たとえば市場調査に用いる資料を生成することができる。
【0042】
また、本実施の形態の音声情報選択装置100によれば、分析部110によって分析された分析結果に基づいて、管理部111によって利用者の健康状態の管理をおこなうことができる。したがって、健康を害した利用者や健康を害しそうな利用者を判断することができる。これによって、利用者は、自身の健康を害した理由を知ったり、健康を害する前に対策をたてたりすることができる。
【実施例】
【0043】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、たとえば、音声情報データベースに接続されたサーバによって本発明の音声情報選択装置を実施し、利用者の自宅などに設置された端末によって本発明の出力装置を実施した場合の一例について説明する。
【0044】
(システムの概要)
まず、図3を用いて、本実施例にかかる通信システムの概要について説明する。図3は、本実施例にかかる通信システムの概要について示す説明図である。図3に示すように、通信システム300は、サーバ301と、端末320〜322と、から構成されている。図3においては、端末320〜322が3台示されているがこれに限るものではない、端末320〜322は、2台でもよいし、4台以上でもよい。また、サーバ301と端末320〜322、各端末320〜322同士は、インターネット330を介して接続されている。なお、サーバ301は、各データベース311〜317と、有線または無線により接続されていてもよいし、インターネット330を介して接続されていてもよい。
【0045】
データベースとしては、環境音DB(データベース)311、天候DB316、イベントDB317などが挙げられる。環境音DB311は、複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録している。すなわち、環境音DB311には、各利用者がそれぞれの土地で生活していることを実感することのできるような音声情報が記録されている。なお、環境音DB311は、サーバ301に含まれていてもよい。
【0046】
環境音DB311のジャンルとしては、たとえば鳥や虫の声DB312、車両の往来音DB313、人の往来音DB314、子供の声DB315などが挙げられる。鳥や虫の声DB312は、詳細は後述するが、鳥や虫などの各種類に対しての生態系、およびそれぞれの鳥や虫の季節や時刻に応じた鳴き声に関する情報である。車両の往来音DB313は、具体的には、幹線道路などの比較的交通量の多い道路の位置情報、およびそれぞれの道路の曜日や時刻に応じた交通量に関する情報である。人の往来音DB314は、たとえば商店街の位置情報、および曜日や時刻に応じた人の多さに関する情報である。子供の声DB315は、たとえば通学路に関する位置情報、および登下校の時刻に関する情報である。
【0047】
また、天候DB316は、具体的には、たとえば、現在の日時における天気(晴れ、雨、雪など)、気温、湿度、風速などの気象要素に関する情報を記録している。イベントDB317は、具体的には、たとえば、祭りや運動会などの各地域における催事に関する情報が記録されている。
【0048】
サーバ301は、各端末320〜322から取得した現在の日付や利用者の固有情報に基づいて、天候DB316やイベントDBから、現在の天気に関する情報や利用者の所望する催事に関する情報を取得する。そして、環境音DB311に記録されている音声情報の中から、各端末320〜322から取得した利用者の現在地点の位置情報および現在地点に利用者が位置している期間、天候DB316やイベントDB317などから取得した情報に関連付けられた音声情報を選択し、各端末320〜322に送信する。
【0049】
また、サーバ301は、各端末320〜322の利用者が選択された音声情報と同様の音声情報が音声情報データベース120から選択された他の利用者を検索する。また、サーバ301は、各端末320〜322の利用者が選択された音声情報と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点の位置情報を検索してもよい。さらに、サーバ301は、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者に関する情報を端末320〜322に表示させるための表示情報を、各端末320〜322に送信してもよい。そして、サーバ301は、利用者から、他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を受け付けた場合、受け付けられた通信者との通信を接続するようにしてもよい。すなわち、サーバ301は、利用者と通信者との通信の仲介をおこなってもよい。
【0050】
また、サーバ301は、各端末320〜322から各利用者が選択された音声情報を集計し、集計された音声情報に基づいて、各端末320〜322の利用者のライフスタイルを分析してもよい。さらに、分析された分析結果に基づいて、各利用者の健康状態の管理をおこなってもよい。
【0051】
端末320〜322は、たとえば利用者の固有情報を受け付ける。利用者の固有情報は、利用者の家族構成、利用者の趣味や嗜好、利用者の心理状態などに関する情報である。そして、インターネット330を介してサーバ301にこれらの情報を送信する。端末320〜322は、サーバ301から受信した音声情報を出力する。また、各端末320〜322は、サーバ301から音声情報の出力のタイミングに関する情報を受信した場合は、出力のタイミングに関する情報に基づいて、音声情報を出力する。
【0052】
また、各端末320〜322は、サーバ301から受信した表示情報に基づいて、各利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者に関する情報をディスプレイに表示してもよい。このとき、ディスプレイに地図情報を表示し、この地図情報上に重畳して各利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点を表示してもよい。さらに、各端末320〜322は、ディスプレイに表示された他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を各利用者から受け付けてもよい。
【0053】
(サーバのハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかるサーバ301のハードウェア構成について説明する。図4は、本実施例にかかるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図4において、サーバ301は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、磁気ディスクドライブ404と、磁気ディスク405と、光ディスクドライブ406と、光ディスク407と、通信I/F(インターフェース)408と、を備えている。各構成部401〜408は、バス420によってそれぞれ接続されている。
【0054】
まず、CPU401は、サーバ301の全体の制御を司る。ROM402は、ブートプログラム、データ更新プログラム、天気判断プログラム、イベント検索プログラム、音声情報選択プログラム、音声再生タイミング生成プログラム、音声情報分析プログラム、健康状態管理プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU401は、RAM403をワークエリアとして使用しながら、ROM402に記録された各種プログラムを実行することによって、サーバ301の全体の制御を司る。
【0055】
天気判断プログラムは、各端末320〜322から取得された利用者の現在地点の位置情報および現在の日時に基づいて、天候DB316から、利用者の現在地点における現在の天気を判断させる。ここで、天気は、詳細は後述するが、晴れ、雨、雪などの空模様や、気温、湿度、風量などの気象要素に関する情報である。
【0056】
イベント検索プログラムは、各端末320〜322から取得された利用者の現在地点の位置情報および利用者の固有情報に基づいて、利用者の現在地点が含まれる地域で開催される予定の催事に関する情報や、利用者が所望する催事に関する情報を検索させる。
【0057】
音声情報選択プログラムは、環境音DB311の各ジャンルのDBから、利用者が現在地点にいることを実感できる音声情報を選択させる。音声情報選択プログラムは、具体的には、利用者の現在地点の位置情報や現在地点に位置している期間、現在の天気、現在の日付に関連付けられた音声情報を選択させる。また、音声情報選択プログラムは、利用者の現在地点が含まれる地域に関連付けられた音声情報を、利用者の現在地点において利用者が外部から遮音されていない状況で聴取不可能な音声情報であっても選択させてよい。
【0058】
音声再生タイミング生成プログラムは、音声再生タイミングプログラムを生成させる。音声再生タイミングプログラムには、音声情報選択プログラムによって選択させられた各音声情報を各端末320〜322で出力させるタイミングに関する情報が含まれている。音声再生タイミングプログラムには、各音声情報を出力させる季節や時間帯などが組み込まれている。
【0059】
音声情報分析プログラムは、各端末320〜322から各利用者が選択された音声情報を集計させ、集計された音声情報に基づいて、各端末320〜322の利用者のライフスタイルを分析させる。ライフスタイルとは、たとえば、各利用者がどのような音環境で生活しているのかという情報である。具体的には、たとえば季節ごとや曜日ごとに、平均して1日のうちで何時から何時までは、どこにいて、どのような音声情報を聴取して、どのような生活をしているのかという情報である。また、音声情報分析プログラムは、ライフスタイルが同一の他の利用者を検索させる。すなわち、利用者と同様の音環境で生活している他の利用者を検索させる。また、利用者と同様の音環境に他の利用者が位置していた地点を検索させてもよい。なお、サーバ301は、検索結果を利用者の端末320〜322に表示させる表示情報を各端末に送信させてもよい。
【0060】
健康状態管理プログラムは、音声情報分析プログラムによって分析された各端末320〜322の利用者のライフスタイルに基づいて、各利用者の健康状態を管理させる。健康状態の管理とは、具体的には、たとえば、健康を害している利用者同士の音環境における共通点を抽出したり、健康を害していたときの音環境と類似の音環境の利用者を抽出したりさせる。そして、たとえば、抽出された情報に基づいて、各利用者に応じた改善策を提示させてもよい。
【0061】
磁気ディスクドライブ404は、CPU401の制御にしたがって磁気ディスク405に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク405は、磁気ディスクドライブ404の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク405としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0062】
また、光ディスクドライブ406は、CPU401の制御にしたがって光ディスク407に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク407は、光ディスクドライブ406の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク407は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク407のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0063】
磁気ディスク405および光ディスク407に記録される情報の一例としては、環境音DB311が挙げられる。なお、環境音DB311は、磁気ディスク405および光ディスク407に記録されていなくてもよく、たとえばネットワーク上の記録装置などに記録されていてもよい。この場合、後述する通信I/F408によりネットワークを介して環境音DB311から音声情報を選択し取得する。
【0064】
また、磁気ディスク405および光ディスク407に記録される情報の他の一例としては、利用者の固有情報が挙げられる。利用者の固有情報は、あらかじめ端末320〜322から取得し、磁気ディスク405および光ディスク407に記録されていてもよい。また、磁気ディスク405および光ディスク407に記録される情報の他の一例としては、複数の利用者の、環境音DB311から選択された音声情報が記録されていてもよい。複数の利用者の、環境音DB311から選択された音声情報は、環境音DB311から選択された音声情報の履歴でもよいし、季節や曜日ごとに平均して選択された音声情報でもよい。また、磁気ディスク405および光ディスク407には、音声情報分析プログラムを実行することで分析された各利用者のライフスタイルに関する情報が記録されていてもよい。
【0065】
通信I/F408は、無線を介してネットワークに接続され、サーバ301とCPU401とのインターフェースとして機能する。通信I/F408は、さらに、無線を介してインターネット330などの通信網に接続され、この通信網とCPU401とのインターフェースとしても機能する。
【0066】
また、通信I/F408は、インターネット330を介して端末320〜322に接続され、サーバ301と端末320〜322との情報の授受をおこなわせる。また、通信I/F408は、有線または無線、ネットワークを介して天候DB316やイベントDB317と接続され、天候DB316やイベントDB317から情報を受信させる。
【0067】
(端末のハードウェア構成)
つぎに、本実施例にかかる端末320〜322のハードウェア構成について説明する。図5は、本実施例にかかる端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図5において、端末320〜322は、CPU501と、ROM502と、RAM503と、磁気ディスクドライブ504と、磁気ディスク505と、光ディスクドライブ506と、光ディスク507と、音声I/F508と、マイク509と、スピーカ510と、入力デバイス511と、映像I/F512と、ディスプレイ513と、カメラ514と、通信I/F515と、GPSユニット516と、を備えている。各構成部501〜516は、バス520によってそれぞれ接続されている。
【0068】
まず、CPU501は、端末320〜322の全体の制御を司る。ROM502は、ブートプログラム、データ更新プログラム、音声再生タイミングプログラム、通信者位置表示プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU501は、RAM503をワークエリアとして使用しながら、ROM502に記録された各種プログラムを実行することによって、端末320〜322の全体の制御を司る。
【0069】
音声再生タイミングプログラムは、サーバ301から受信し、端末320〜322において実行させることで、利用者が現在地点にいることを実感できるタイミングで音声情報を出力させることができる。
【0070】
通信者位置表示プログラムは、ディスプレイ513に表示された地図情報上に、サーバ301によって検索された、利用者と同様の音環境で生活している他の利用者が位置している地点を重畳して表示させる。
【0071】
磁気ディスクドライブ504は、CPU501の制御にしたがって磁気ディスク505に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク505は、磁気ディスクドライブ504の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク505としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0072】
また、光ディスクドライブ506は、CPU501の制御にしたがって光ディスク507に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク507は、光ディスクドライブ506の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク507は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク507のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0073】
磁気ディスク505および光ディスク507に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0074】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0075】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0076】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0077】
磁気ディスク505および光ディスク507に記録される情報の他の一例としては、サーバ301において選択され送信された、利用者が現在地点にいることを実感することのできる環境音が挙げられる。
【0078】
音声I/F508は、音声入力用のマイク509および音声出力用のスピーカ510に接続される。マイク509に受音された音声は、音声I/F508内でA/D変換される。スピーカ510からは、所定の音声信号を音声I/F508内でD/A変換した音声が出力される。なお、マイク509から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク505あるいは光ディスク507に記録可能である。なお、スピーカ510は、利用者の耳に装着するヘッドフォンでもよい。
【0079】
入力デバイス511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス511は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。入力デバイス511の操作により利用者の固有情報や端末320〜322の設置されている室内の階数に関する情報が受け付けられる。
【0080】
映像I/F512は、ディスプレイ513に接続される。映像I/F512は、具体的には、たとえば、ディスプレイ513全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ513を制御する制御ICなどによって構成される。
【0081】
ディスプレイ513には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ513には、上述した地図データが、2次元または3次元に描画される。ディスプレイ513に表示された地図データには、自装置の利用者と同様の音声情報が環境音DB311から選択された他の利用者が位置している地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。
【0082】
ディスプレイ513としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。ディスプレイ513は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ513は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両において複数設置されていてもよい。
【0083】
カメラ514は、室内または車両内の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、たとえば、カメラ514によって室内または車両内の利用者の挙動を撮影し、撮影した映像を映像I/F512を介して磁気ディスク505や光ディスク507などの記録媒体に出力する。窓を撮影し、画像解析によって窓の開閉状態を検知してもよい。また、記録媒体に出力された映像は、上書き記録や保存がおこなわれる。
【0084】
通信I/F515は、無線を介してネットワークに接続され、端末320〜322とCPU501とのインターフェースとして機能する。通信I/F515は、さらに、無線を介してインターネット330などの通信網に接続され、この通信網とCPU501とのインターフェースとしても機能する。また、通信I/F515は、インターネット330を介してサーバ301に接続され、サーバ301と端末320〜322との情報の授受をおこなわせる。また、通信I/F515は、インターネット330を介して他の端末と接続され、自装置の利用者と同様の音声情報が環境音DB311から選択された他の利用者の有する端末との通信をおこなわせてもよい。
【0085】
GPSユニット516は、GPS衛星からの電波を受信し、利用者の現在地点を示す位置情報を出力する。GPSユニット516の出力情報は、CPU501による利用者の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す位置情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0086】
図1に示した音声情報選択装置100が備える利用者情報取得部101、位置取得部102、期間取得部103、音声選択部104、検索部105、送信部106、受付部107、接続部108、集計部109、分析部110、管理部111は、図4に示したサーバ301におけるROM402、RAM403、磁気ディスク405、光ディスク407などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU401が所定のプログラムを実行し、サーバ301における各部を制御することによってその機能を実現する。また、図1に示した出力装置130は、図5に示した端末320〜322におけるROM502、RAM503、磁気ディスク505、光ディスク507などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU501が所定のプログラムを実行し、端末320〜322における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0087】
すなわち、実施例のサーバ301は、サーバ301における記録媒体としてのROM402に記録されている音声情報選択プログラムを実行することにより、図1に示した音声情報選択装置100が備える機能を、図2に示した音声情報選択処理手順で実行することができる。
【0088】
(サーバの処理の内容の一例)
つぎに、サーバ301の処理の内容の一例について説明する。図6は、サーバの処理の内容を示すフローチャートである。なお、図6においては、たとえば端末320を利用者の有する端末とする。図6のフローチャートにおいて、まず、端末320から利用者の現在地点の位置情報を取得する(ステップS601)。
【0089】
ついで、ステップS601において取得された利用者の現在地点に利用者が位置している期間を取得する(ステップS602)。なお、ステップS601およびステップS602の処理は、利用者が一日の間に位置している全地点に対して位置情報を取得し、各地点に位置している期間を取得してもよい。
【0090】
そして、ステップS601およびステップS602において取得された利用者が各地点に位置している期間に関連付けられた音声情報を環境音DB311から選択する(ステップS603)。また、利用者の固有情報を取得する(ステップS604)。ステップS604においては、たとえば端末320〜322から各利用者の固有情報を取得する。そして、ステップS604において取得された利用者の固有情報に応じた音声情報をイベントDB317から選択する(ステップS605)。
【0091】
つぎに、音声情報分析プログラムを実行して、ステップS603およびステップS605において選択された音声情報と、同様の音声情報が選択された他の利用者がいるか否かを判断する(ステップS606)。ステップS606において同様の音声情報が選択された他の利用者がいない場合(ステップS606:No)、そのまま一連の処理を終了する。
【0092】
一方、ステップS606において同様の音声情報が選択された他の利用者がいる場合(ステップS606:Yes)、端末320に他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を送信する(ステップS607)。ステップS607においては、他の利用者に関する情報の一覧を表示させるための表示情報を送信してもよいし、出力装置130の表示部に表示された地図情報上に、利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点を表示させるための表示情報を送信してもよい。
【0093】
そして、端末320から通信者の選択を受け付けたか否かを判断する(ステップS608)。ここで、通信者とは、たとえばステップS607において送信された表示情報に応じて端末320のディスプレイ513に表示された他の利用者のうちの、利用者が通信を所望する者である。
【0094】
ステップS608において通信者の選択を受け付けない場合(ステップS608:No)、そのまま一連の処理を終了する。一方、ステップS608において通信者の選択を受け付けた場合(ステップS608:Yes)、ステップS608において受け付けられた通信者と利用者との回線を接続して(ステップS609)、一連の処理を終了する。
【0095】
なお、図6のフローチャートにおいては、ステップS608において通信者の選択を受け付けたか否かを判断しているが、これに限るものではない。具体的には、たとえば、ステップS608の処理を省略し、ステップS609においては、ステップS606において判断された、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者の全てと利用者との回線を接続してもよい。
【0096】
(サーバの処理の内容の他の一例)
つぎに、サーバ301の処理の内容の他の一例について説明する。図7は、サーバの処理の内容の他の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、ステップS701〜ステップS705における処理は、図6のステップS601〜ステップS605とそれぞれ同様のため、説明を省略する。
【0097】
つぎに、音声情報分析プログラムを実行して、複数の利用者の、ステップS703およびステップS705において選択された音声情報を集計する(ステップS706)。そして、ステップS706において集計された各利用者のライフスタイルを分析する(ステップS707)。さらに、健康状態管理プログラムを実行して、ステップS707において分析されたライフスタイルに基づいて、各利用者の健康状態を管理して(ステップS708)、一連の処理を終了する。
【0098】
なお、図7のフローチャートにおいては、ステップS707において各利用者のライフスタイルを分析する際に、性別、年齢別、家族構成、居住地域などに応じて分析してもよい。この場合、ステップS708を省略して、ステップS707において分析された各利用者のライフスタイルに基づいて、市場調査に用いる情報を生成してもよい。
【0099】
また、図7のフローチャートにおいては、ステップS708の後に、健康を害した利用者または健康を害しそうな利用者に、改善策を提示するようにしてもよい。なお、ステップS706およびステップS707においては、たとえば同一の企業に勤務する複数の社員の健康状態を管理するようにしてもよい。
【0100】
(環境音DBの一例)
つぎに、環境音DB311の一例について説明する。図8は、環境音DBの一例について示す説明図である。図8に示すのは、図3に示す環境音DB311のうちの鳥や虫の声DB312である。
【0101】
サーバ301は、たとえば、利用者の現在地点が含まれる地域が本州の農村の場合、地理的分布要素における生態系分布が「本州」で、環境要件分布が「農村」であるAA目aa科Aa種の鳥と、CC目cc科Cc種の鳥との鳴き声に関する音声情報(AAaaAa001およびCCccCc001)を選択する。ここで、たとえば現在の天気が曇りの場合、上記2種の音声情報から、天候要素が「曇り」であるAA目aa科Aa種の鳥の鳴き声に関する音声情報(AAaaAa001)をさらに選択する。また、たとえば現在の日時が夏の夕方の場合、時間的分布要素における気候が「夏」で、時間帯が「午後」であるCC目cc科Cc種の鳥の鳴き声に関する音声情報(CCccCc001)をさらに選択する。
【0102】
なお、サーバ301は、たとえば時間的分布要素に関わらず、AA目aa科Aa種の鳥と、CC目cc科Cc種の鳥との鳴き声に関する音声情報(AAaaAa001およびCCccCc001)を選択してもよい。この場合、時間的分布要素に基づいて、音声再生タイミングプログラムを生成し、端末320においてAA目aa科Aa種の鳥またはCC目cc科Cc種の鳥の鳴き声が聞こえる気候および時間帯に鳴き声に関する音声情報(AAaaAa001およびCCccCc001)が出力されるようにすればよい。
【0103】
また、鳥や虫の声DB312におけるイベント要素は、たとえば地理的分布要素、時間的分布要素および天候要素が合致した場合に、常に鳴き声が聞こえる場合、「定期」であるとし、たとえば年に一回の祭事や運動会などのときに鳴き声が聞こえない場合、「不定期」であるとする。
【0104】
(他の利用者に関する情報の表示の一例)
つぎに、図9を用いて、端末320〜322における利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者に関する情報の表示の一例について説明する。図9は、利用者と同様の音声情報が選択された他の利用者に関する情報の表示の一例について示す説明図である。図9においては、利用者の現在地点901と、利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点902と、を示している。図9に示すように、端末320〜322の備えるディスプレイ513に表示された地図情報上に、利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点902が重畳して表示される。そして、利用者と同様の音声情報が選択された期間に他の利用者が位置していた地点902のうちの、入力デバイス511によって利用者に選択された地点に応じた他の利用者が通信者となる。
【0105】
上述したように、実施例の通信システム300によれば、サーバ301によって、端末320〜322の各利用者の固有情報、利用者の位置していた各地点における位置情報および各地点に位置していた期間に関連付けられた音声情報を環境音DB311から選択することができる。そして、任意の利用者と同様の音声情報が環境音DB311から選択された他の利用者を検索し、任意の利用者の端末が備えるディスプレイ513に表示させることができる。これによって、利用者は、自身と同様の音環境で生活している他の利用者を知ることができる。
【0106】
また、実施例の通信システム300によれば、サーバ301によって、端末320〜322から通信者の選択を受け付けた場合、通信者と利用者との通信を接続することができる。これによって、利用者は、自身と同様の音環境で生活している他の利用者とコミュニケーションを取ることができる。
【0107】
さらに、実施例の通信システム300によれば、サーバ301によって各端末320〜322の利用者の、環境音DB311から選択された音声情報を集計し、ライフスタイルを分析することができる。そして、市場調査に用いる情報を生成する際に、分析された各利用者のライフスタイルを用いることができる。さらに、サーバ301は、分析された各利用者のライフスタイルに基づいて、各利用者の健康状態を管理することができる。これによって、利用者は、健康を害した理由を知ったり、健康を害する前に対策をたてたりすることができる。
【0108】
以上説明したように、本発明の音声情報選択装置、音声情報選択方法、音声情報選択プログラムおよび記録媒体によれば、利用者の生活における音環境をデータベースから選択することができる。また、利用者に、自身と同様の音環境で生活している他の利用者とコミュニケーションを取らせることができる。
【0109】
なお、本実施の形態で説明した音声情報選択方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータ、ワークステーション、携帯端末装置(携帯電話)などのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0110】
100 音声情報選択装置
101 利用者情報取得部
102 位置取得部
103 期間取得部
104 音声選択部
105 検索部
106 送信部
107 受付部
108 接続部
109 集計部
110 分析部
111 管理部
120 音声情報データベース
130 出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録する音声情報データベースから出力装置に出力させる音声情報を選択する音声情報選択装置であって、
前記利用者の固有情報を取得する利用者情報取得手段と、
前記利用者の現在地点の位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段によって取得された現在地点に前記利用者が位置している期間を取得する期間取得手段と、
前記音声情報データベースから、前記利用者の固有情報、当該利用者の現在地点の位置情報および前記期間取得手段によって取得された期間に関連付けられた音声情報を選択する音声選択手段と、
を備えることを特徴とする音声情報選択装置。
【請求項2】
前記期間取得手段は、前記利用者が1日の間に位置している全地点に対して各地点に位置している期間を取得し、
前記音声選択手段は、前記利用者が各地点に位置している期間に関連付けられた音声情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の音声情報選択装置。
【請求項3】
前記音声選択手段によって選択された音声情報と同様の音声情報が前記音声情報データベースから選択された他の利用者を検索する検索手段と、
前記出力装置に、前記検索手段によって検索された前記他の利用者に関する情報を表示させるための表示情報を送信する送信手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の音声情報選択装置。
【請求項4】
前記検索手段は、前記音声選択手段によって選択された音声情報と同様の音声情報が選択された期間に前記他の利用者が位置していた地点の位置情報を検索し、
前記送信手段は、前記出力装置の表示部に表示された地図情報上に、前記検索手段によって検索された位置情報に基づいて、前記同様の音声情報が選択された期間に前記他の利用者が位置していた地点を表示させるための表示情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の音声情報選択装置。
【請求項5】
前記出力装置の表示部に表示された前記他の利用者のうちの、通信をおこないたい通信者の選択を前記利用者から受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた前記通信者との通信を接続する接続手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の音声情報選択装置。
【請求項6】
複数の前記利用者の、前記音声選択手段によって選択された音声情報を集計する集計手段と、
前記集計手段によって集計された音声情報に基づいて、各利用者のライフスタイルを分析する分析手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の音声情報選択装置。
【請求項7】
前記分析手段によって分析された分析結果に基づいて、前記利用者の健康状態の管理をおこなう管理手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の音声情報選択装置。
【請求項8】
複数の利用者に対して、各地点において各利用者が外部から遮音されていない状況の際に聴取可能な音声情報をジャンル毎に記録する音声情報データベースから出力装置に出力させる音声情報を選択する音声情報選択装置における音声情報選択方法であって、
前記利用者の固有情報を取得する利用者情報取得工程と、
前記利用者の現在地点の位置情報を取得する位置取得工程と、
前記位置取得工程によって取得された現在地点に前記利用者が位置している期間を取得する期間取得工程と、
前記音声情報データベースから、前記利用者の固有情報、当該利用者の現在地点の位置情報および前記期間取得工程によって取得された期間に関連付けられた音声情報を選択する音声選択工程と、
を含むことを特徴とする音声情報選択方法。
【請求項9】
請求項8に記載の音声情報選択方法をコンピュータに実行させることを特徴とする音声情報選択プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の音声情報選択プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−198501(P2010−198501A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44786(P2009−44786)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(595105515)インクリメント・ピー株式会社 (197)