説明

音声記録物を補足する対話型エンターテイメントのネットワーク配信

【課題】 本発明の一課題は、流通媒体記録物を補足するエンターテイメントを、インターネットなどのオンラインサービスの手段を用いて配信することのできるコンピュータープログラム、システム及びプロトコルを提供することである。
【解決手段】 音楽記録物を補足するエンターテイメントコンテンツが、コンピューターネットワークリンクによって、ユーザのコンピューターへ配信される。ユーザは、そのコンピューターネットワークにアクセスするために、ブラウザを用いる。そのブラウザに対するプラグインは、音楽記録物を演奏するための音声CDプレイヤーやその他のデバイスを制御することができる。ネットワーク経由でアクセスされる、遠隔にあるコンピューター上に格納されたスクリプトが、ダウンロードされる。そのスクリプトが、補足的エンターテイメントの配信を、音楽記録物の演奏に同期させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューターネットワークの分野に関し、特に、CD−ROM、音声記録物その他の流通媒体に関連したサービスをユーザへ提供するためのネットワークプロトコルの使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ここ数年来、オンラインサービスは爆発的な成長を遂げ、エンターテイメントの新しい一主要形態となっている。この新しいエンターテイメントと並んで、音楽記録物などのより伝統的な形態も大規模に消費され続けている。
【0003】
そのような音楽記録物の伝統的な聴き方(音楽的体験)は、一つの部屋に集まった小人数のグループで聴くというものである。その音楽は部屋を音響的には満たすが、その音楽に関連した視覚的コンテンツは殆どない。その音楽記録物に対する相互作用としては単に、演奏するトラックの選択とか、音量の設定やイコライザの適用などの簡単な記録音の調整とかに限られている。このような伝統的な聴き方(音楽的体験)は、約一世紀前の78回転レコードの時代と変わっていない。
【0004】
音楽記録物の伝統的制作が、音楽記録物の上記伝統的な聴き方(体験)をある程度補足している。音楽記録物は、多数の録音段階を経て制作され、慎重なミキシングと編集を受けた後に、公衆へリリースされる。その点で、音楽記録物は固定的な形態であり、今日では音声CDの形態である。音声CDは、作者、演奏者、プロデューサー、及びレコーディングエンジニアによってデザインされた最終的な音楽的体験をできるだけ忠実に記録することを目的としている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音楽ビデオが、上記のような音楽記録物のトラックに視覚的コンテンツを関連させることにより、音楽記録物の伝統的聴き方(体験)を補足している。しかしなから、実際問題として、音楽ビデオは放送によって提供されており、ユーザコントロールが欠如しているという問題を抱えている。これは、消費者の対話性や参加性に寄与していないということを意味する。
【0006】
オンラインサービスは、既に記録された素材に関連した音楽的体験(聴き方)を豊富にする機会をもたらす。本発明は、このような期待を実現できるコンピュータープログラム、システム及びプロトコルを提供するものである。
【0007】
そこで、本発明の一目的は、流通媒体記録物を補足するエンターテイメントを、インターネットなどのオンラインサービスの手段を用いて配信することのできるコンピュータープログラム、システム及びプロトコルを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、上記の補足的エンターテイメントを消費者に対して有意義に対話型(双方向性)にして、消費者もその音楽的体験の創作者になれるようなコンピュータープログラム、システム及びプロトコルを提供することである。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、オンラインサービス標準の継続的な発展に対応できる柔軟性を残したまま、既存の環境やプログラムとのインテグレーションを特にインターネット上で達成するようデザインした実現手段によって前述の目的を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一つの特徴は、CDなどの流通媒体の制作者及び販売者に対し、顧客との関係を維持しかつ強化するための手段を提供することである。レコード会社は、その会社が市場流通に置いているCDに対する補足コンテンツの中央ライブラリへのダウンロードと定期的な更新を行う。本発明のソフトウェアは、ユーザのWebブラウザへのプラグインとして機能し、レコード会社のCDを有するユーザをそのCDについて適切な中央ライブラリの特定のセクションへと導く。
【0011】
本発明の他の特徴は、補足コンテンツがネットワークコネクションを介してユーザへ配信された時に、レコード会社のCDに関連したユーザの聴取傾向を表現する、いわゆる“CDウォッチャー”データが、レコード会社へ転送されることである。
【0012】
変形的には、中央ライブラリに貢献し維持しているレコード会社は、補足コンテンツを得るために中央ライブラリへアクセスしたすべてのユーザの聴取傾向へアクセスすることができる。
【0013】
本発明の更に他の特徴は、遠隔にあるホストコンピューター上で動くコンピュータープログラムがユーザのコンピューター上のCDプレイヤーやDVDプレイヤーなどの流通媒体プレイヤーを制御することを可能にするソフトウェアが提供されることである。便宜上、全ての流通媒体を単に“CD”と呼び、また、DVDプレイヤーやその類似品などの全ての流通媒体プレイヤーを単に“CDプレイヤー”と呼ぶ。遠隔にあるホストコンピューターが、CDプレイヤーのアクションを開始させることと、CDプレイヤーのフロントパネルのボタンや他のCDプレイヤーコントロールプログラムなどの他の制御手段によってユーザが開始したアクションを検知することとの両方が可能になるように、上記ソフトウェアがデザインされている。本発明のこの特徴は、これらの記録物が現代一般に広く使われている形態であるCDに固定的に記録されるときのCDコンテンツに対する補足的エンターテイメント提供の仕組みの一部分をなす。
【0014】
本発明の別の特徴は、対話型(双方向性)コンテンツを含んだ視覚的コンテンツを、オンラインサービスを介して、音楽記録物のコンテンツの配信と同期して配信できることである。例えば、そのような視覚的コンテンツを、ユーザのコンピューターの音声CDやその他の流通媒体の演奏に同期させることができる。その視覚的コンテンツは、例えば音楽ビデオのように、音楽記録物とテーマ的にリンクしている。
【0015】
本発明の更に別の特徴は、多数のトラックを含むCDやその他の流通媒体に対して実質的にユニークな識別子を決定し又は割り当てる方法が提供されることである。ユニークな識別子は、CDその他の流通媒体の再生に関連した補足的コンテンツを配信するのに有益であり、それにより、補足的コンテンツを配信するソフトウェアが、補足的コンテンツに対応する実際に正しいCDであることを確認できる。例えば、補足的コンテンツがHeinrich Ignaz Franz BiberのRosary Sonatasを補足するようにデザインされているときに、ユーザのプレイヤーのCDやその他の流通媒体がMary Poppinsのサウンドトラックであった場合には、おそらく機能を果たさないであろう。また、このユニークな識別子によって、CDや他の流通媒体をプレミアムWebエリアへアクセスするキーとして用いることができる。更に、このユニークな識別子によって、ユーザのマシンにあるCDや他の流通媒体に対応するWebのエリアへとユーザを導くことができる。
【0016】
本発明の更に別の特徴は、一般に“チャットルーム”として知られている非常に人気のあるオンラインサービスを、そのチャットルームに参加している全ての人が聴いているCD記録物へのリンクの手段により強化(拡充)することである。遠隔にあるホストコンピューターが、遠隔に位置する複数の流通媒体プレイヤーを制御することができる。チャットルームでの体験は、今日オンラインサービスで存在しているように、お互いが相手を識別しうる環境における伝統的なface−to−faceの社会的な出会いと比較して、物理的に接触のない特性を持つ。今日のチャットユーザ間の唯一共通の体験は、コンピュータースクリーン上を飛びかうチャットの言葉、及びユーザアイコン(“avatars”)又はスクリーン上の小さな空間を占める他の視覚的コンテンツである。チャットルームと共に音楽記録物を使用すると、チャットが、伝統的な社会的出会いのような一種の共有環境体験を復元する可能性を開く。
【0017】
更に、音楽記録物のような共有コンテンツは、チャットシーカー(chat−seekers)がある特定タイプの記録物に対する興味の共有によってグループ化することを可能にする焦点を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施例に従って、CD30を再生するユーザが、遠隔地にあるデータ交換用のホストに動的に接続される。図2のブロック11において、ユーザは、遠隔的ホストにリンクして、クライアントソフトウェア26のダウンロードを要求する。そのダウンロードを受信するために、ユーザは、いくつかの基本的な情報、名前、e−メール、チャットネームなどを提供しなければならない。ブロック11Aにおいて、その登録情報が、クライアントソフトウェア26と交換される。ブロック10Aにおいて、ユーザのコンピューター10は、クライアントソフトウェア26とともに、ブラウザのようなコンピュータープログラム12を実行する。ブロック30Aにおいて、プレイヤー32へのCD30の挿入が、クライアントソフトウェア26の動作をトリガーする。クライアントソフトウェア26は、プレイヤー32を制御して、CD30を走査する。CD30は、時間コード31A及び他の符号化されたデータ31Bを含むことができる。ブロック34で、クライアントソフトウェア26が、CDの走査の結果を使って、実質的にユニーク(一義的)なCDのID31を計算する。あるCDは、IDのテキストファイル又はIRCコードを含んでも良いが、CDのIDに関する共通の規格が存在しないので、ID計算技術は、いかなるCDに対しても有用なIDをもたらす。このID計算技術は、CD30の実質的にユニークなパターンマッチ(match)31Fを生成するために、CD30の内容(コンテンツ)の一部をサンプリングしてそのサンプルを使うことによりパターンマッチ(match)31Fを生成できる。クライアントソフトウェア26は、CDのID31を計算している間、ブロック36において、利用者特性62を収集し、一時的に格納する。
【0019】
利用者特性62は、最も利用されたトラック、トータル利用時間、最も利用されたCD、コンピューター10の稼動時間の平均長さ、ロードされたソフトウェア、最も利用されたソフトウェア、クライアントと同時に実行されるソフトウェアなどを含むCD利用プロファイルを、非限定的に含む。
【0020】
CD30のID31を計算すると、クライアントソフトウェア26が刺激され、コンピュータープログラム12がCD30のID31を探すためローカルキャッシュをチェックする。CDのID31がローカルキャッシュに存在しない場合、ブロック38において、クライアントソフトウェア26は、ルックアップサーバ40(図1参照)にリンクする。コンピュータープログラム12がまだ実行されていない場合、クライアントソフトウェア26は、それを開始させてもよい。ルックアップサーバ40へのリンクが確立すると、クライアントソフトウェア26は、CD30のID31をルックアップサーバ40に送信する。ルックアップサーバ40は、CD30のID31をテーブル42と比較する。テーブル42は、CDのIDを、関連するコンテンツにリンクさせかつ補足コンテンツを有する特定のアドレスにリンクさせるルックアップテーブルである。他の情報、例えば、タイミング及び制御データ、電子クーポン、広告、及びタイミング及び制御データを有するビデオのようなボーナスコンテンツがテーブル42に含まれてもよい。ブロック44において、ルックアップサーバ40は、CD30のID31の受信に応答して、アドレス46のような情報をユーザに送信する。ユーザに送信される情報は、ルックアップサーバ40に送信された利用者特性及び利用者特性データ62に基づいていても良いし、基づかなくとも良い。ブロック48において、クライアントソフトウェア26は、アドレス46へのリンクを確立する。アドレス46は、サイト51Aのような契約サイト又はプレミアム(premium)サイトであってよく、この場合、CDのID31は、パスワードとして作用してもよい。
【0021】
本発明の一つの特徴において、それぞれレコード会社1−6のようなコンテンツ供給者51−56は、ウェブ上に中央ライブラリ50を維持する。コンテンツ供給者はまた、広告主、CD小売業者、及び他のコンテンツ権利保有者を含んでも良い。中央ライブラリ50は、ルックアップサーバ40のような単一のサーバ上にあってもよく、また、分散されていてもよい。中央ライブラリ50は、アドレス46のようなルックアップテーブル42内のアドレスによってリンクするサイト51Aのような補足コンテンツサイトを含む。各コンテンツ供給者51−56は、新しいCDがリリースされると、彼らのサイトのコンテンツを変更してもよく、追加のサイトへの新しいリンクを追加してもよい。新しいサイトが追加されると、新しいCDのID及びリンクされるアドレスがテーブル42に追加される。
【0022】
ブロック49Aにおいて、サイト51Aをホストするサーバ58は、ユーザのコンピューター10に補足コンテンツを転送する。ユーザがサイト51Aにリンクすると、クライアントソフトウェア26は、格納された利用者特性データ62及びCDステータスデータ64をルックアップサーバ40又はサーバ58に送信する。ブロック66において、クライアントソフトウェア26は更新を続行し、クライアントソフトウェア26が実行されている限り、利用者特性データ62及びCDステータスデータ64をルックアップサーバ又はサーバ58に送信し続ける。閉ループの更新70によって、コンテンツ供給者51−56のようなコンテンツ供給者は、どのCDが使用中であるか、CD要素の利用の相対的な頻度及び関連する情報を、リアルタイム又はほとんどリアルタイムで見ることができる。また、閉ループの更新70は、ユーザのコンピューター10上で再生中の流通メディアの制御を提供する。ブロック68において、CDを取り出したり又は交換したりすると、クライアントソフトウェアの手順がブロック30Aに戻る。
【0023】
別の実施例において、本発明は、ワールドワイドウェブ上で機能する。当該ウェブ上のHTTPプロトコルは、一般的な接続指向プロトコル上で実行される。一般的な接続指向プロトコルは、今日では、一般的に、Douglas E.Comerの“internetworking with TCP/IP(3d ed.1995)”に記述されるTCP/IPである。しかしなから、本明細書及び請求の範囲で述べる発明は、特定の種類のネットワークソフトウェア又はハードウェア上で実行されるHTTPに限定されない。本発明の原理は、HTTPと競合する、又はHTTPに取って代わる、遠隔の情報にアクセスするための他のプロトコルにも応用可能である。
【0024】
図3を参照すると、ユーザは、自分のコンピューター10の前に座り、ブラウザ又は他のクライアントソフトウェアのようなコンピュータープログラム12を実行する。ブラウザは、サーバ16のようなサーバと呼ばれる他のコンピューターにHTTP要求14を送信する。要求において、資源として参照されサーバ上で入手可能なデータの特定の項目が、ユニフォームリソースロケータ(URL)の手段によって参照される。URLは、Burners−Leeらによって定義された特定の形式での符号(character)の配列(string)である。URLは、サーバの識別符号及びサーバ内のデータの特定の項目の識別符号の両方を含む。要求に反応して、サーバはユーザのブラウザに応答18を返し、ブラウザは、それらの応答に反応し、一般的に、ある種類のコンテンツをユーザに表示する。
【0025】
応答のコンテンツ部分は、ハイパーテキストマークアップ言語(HTML)で表現される「ウェブページ」であってもよい。その言語は、ビットマップ形式の画像及び(アンカー及びハイパーリンクとして知られる)リンクとテキストが散在したものから構成されるコンテンツを表現できる言語である。リンクはURLリンクであり、ユーザの意志によってブラウザが更なる要求を送信できる。
【0026】
応答はまた、ブラウザによって解釈されるより複雑なコマンドを含んでも良い。コマンドは、例えば、図4に関して後述するように、動画を生じさせるためのコマンドであって良い。HTML自体は複雑なコマンドを定義せず、むしろ、複雑なコマンドは、別に定義されたスクリプト言語に属すると考えられ、その中で現在一般的な2つの言語は、ジャバスクリプト(Java(登録商標)Script)及びVBスクリプト(VBScript)である。
【0027】
スクリプト言語で書かれたコードを使ったブラウザの機能の拡張に加えて、コンパイルされた(compiled)コードによるブラウザの機能の拡張も可能である。そのようなコンパイルされたコードは、プラグインと呼ばれる。プラグインを書くための正確なプロトコルは、特定のブラウザに依存する。マイクロソフトのブラウザのためのプラグインは、アクティブXコントロール(ActiveX controls)の名前で呼ばれる。
【0028】
アクティブXは非常に複雑かもしれない。本発明に関連して有利に利用しうるプラグインは、マクロメディア(Macromedia)のショックウェーブ(shockwave)である。ショックウェーブは、サーバの応答の一部分である動画(animations)をダウンロードし、再生することを可能にする。ショックウェーブは、リンゴ(Lingo)と呼ばれる自己のスクリプト言語を定義する。リンゴスクリプトは、ショックウェーブのプラグインが再生できるダウンロード可能な動画内に含まれる。ショックウェーブの動画の一般的な形式は、連続したフレームを構成するタイムラインであり、多数の視覚的な物体がタイムライン内の特定のフレームで現れ、動き、消える。ショックウェーブ動画内でより複雑な効果を達成するために、予め定義された視覚的なオブジェクトに加えてリンゴスクリプトを援用(invoke)しても良い。
【0029】
本発明の好ましい実施例では、コマンドプラグイン24と呼ばれるプラグインを利用し、コマンドプラグイン24は、スクリプト言語に対し、CD記録物の再生を詳細に命令し監視する能力を提供する。コマンドプラグインは、少なくとも、以下の基本的な機能を提供し、監視する。
(1)再生の開始及び停止
(2)現在のトラックとそのトラック内の位置の取得
(3)トラック及びそのトラック内の位置の探索(seek)
(4)音量の取得及び設定
(5)CDに関する情報の取得(例えば、トラック数、トラックの長さ、トラック間の区切り(pauses))
(6)CDドライブの性能に関する情報の取得
他の機能が提供され、監視されてもよく、他の機能は、基礎のオペレーティングシステムのサービスが適応可能であることによってのみ限定される。監視される機能は、サーバ40及び/又はサーバ58のような複数のサーバに転送される利用者特性データに含まれる。
【0030】
コマンドプラグインは、C++のような既存のプログラミング言語で書かれてもよい。プラグインは、マイクロソフトのアクティブXオブジェクトに要求される規格のようなプラグインのための既存規格に従わなければならない。情報を取得し、コマンドプラグインがスクリプト言語に対して有効にする機能を実行するために、コマンドプラグインは、再生する音楽記録物に関する情報及び制御を提供する機能に依存する。これらの機能は、記録物の正確なソース(source)に依存する。本発明の一実施例におけるように、もし、再生される記録物がコンピューターのCDプレイヤー内の音声CDであり、かつ、ブラウザがマイクロソフトのウィンドウズ(登録商標)3.1又はウィンドウズ(登録商標)95又はウィンドウズ(登録商標)CEの下で実行される場合には、これらの機能は、Win32アプリケーションプログラミングインターフェースの一部を形成するMCI機能である。これらの機能は、例えば、マイクロソフトのWin32のプログラマの参考書に書面化されている。音声受信装置のストリーミング(streaming)によって、異なる機能が提供されてもよく、例えば、受信装置は、MPEGなどの適切な音声符号化フォーマットでネットワーク接続を介してユーザのコンピューター内に入ってくる音声を取り込む。
【0031】
コマンドプラグインの実行について注意すべき重要なポイントは、プラグインが実行する、例えばシークのような動作は、秒オーダーの時間がかかる可能性があることである。コマンドプラグイン24にとって、その間、コンピューター10の制御を保留することは好ましくないので、冗長な動作が行われるときはいつでも、コマンドプラグイン24がコンピューター10の制御をブラウザに引き渡し、共通のスクリプト言語を使用した非同期イベント処理能力を介して動作の結果を報告することが重要である。
【0032】
コマンドプラグインが提供する機能の上記要約、プラグインの書き方(例えば、アクティブXオブジェクトの書き方)の一般的な知識、及びCDの再生を制御するための関連するアプリケーションプログラミングインターフェース(例えば、Win32のMCI)の知識が与えられることで、当業者は、容易に且つ過大な経験なしに、実際に動作するコマンドプラグインを開発することができる。この理由によって、コマンドプラグインがどのように実行されるかについての更なる詳細は、ここで提供しない。
【0033】
上記にリストされた機能をスクリプト言語に提供するコマンドプラグインの存在は、CDのコンテンツを補足するエンターテイメントを作る基礎である。特に、スクリプト言語によって、補足コンテンツの表示をCDで発生するイベントと同期させる方法を、この基礎の上に案出することができる。
【0034】
図4及び5を参照すると、CDに対する補足コンテンツの同期は、以下のように進められる。例えば、補足コンテンツ60は、フレームF−F及びスクリプト72を含むショックウェーブ動画のような動画手段によって提供される。補足コンテンツ60は、サーバ58からダウンロードされ、ショックウェーブのプラグインによって、ユーザに表示される。このダウンロードは、動画が表示される前に行われてもよいし、或いは、ネットワークへのユーザの接続が適当な速度のダウンロードを維持するのに十分速ければ、動画を表しながらダウンロードを行ってもよい。ダウンロードは、ショックウェーブのプラグイン自体により提供される機能である。
【0035】
ショックウェーブの動画が再生される際に、リンゴ(Lingo)スクリプトなどのスクリプト72は、一つのフレームFが表示を終了する毎に実行する。リンゴスクリプトは、動画のフレームとCDコンテンツのセグメント(トラック番号及び時間によって識別される)との間に存在すべき関係の記述を含む。リンゴスクリプトは、上記のコマンドプラグインによって、CDの再生がどのトラック及び時間であるかを決定する。それから、リンゴスクリプトは、CDのその部分に対応する動画のフレームを決定するために、記述を参照する。現在のフレームが決定されたフレームの一つでない場合、リンゴスクリプトは、動画のタイムラインをリセットし、動画は、CDの現在位置に対応するフレームで再生を開始する。これは、例えば、ネットワークからのダウンロードが遅れたため、ユーザのコンピューターが最大限の速度で動画を再生するためのサイクルを欠いたため、或いは、ユーザがCDを早送りしてしまったために、動画がCDに遅れる場合、視覚的コンテンツが追いつくことを可能にする。
【0036】
図4を参照すると、同期化アルゴリズムが、個々のフレーム又は隣接するフレームのグループを制御することができる。補足コンテンツ60は、フレームF−F及びスクリプト72を含む。図5のブロック200で、各フレームF又はフレームのグループとCD30の特定のセグメントとの間の対応関係が設定される。ブロック205での動画の各フレームFの終わりに、ブロック210で、CD30の位置が決定される。ブロック215で、CD30の位置が、次の一連のフレームが属するフレームのグループに対応する記録物のセグメント範囲内にあるかどうかを決定するテストが実施される。CD30の位置がそのセグメント範囲内にある場合、ブロック230で、動画の再生は次のフレームに進む。CD30の位置がそのセグメント範囲内にない場合、ブロック220及び225で、アニメーションの再生は、CD30の位置に対応するフレームへと進む。
【0037】
本発明の更なる特徴は、ツアー(touring)モードである。ツアーモードのクライアントソフトウェア26において、サーバ58のような遠隔装置が、プレイヤー26の制御データを散在させた補足コンテンツ60の配信を通じて、一人又はそれ以上のユーザの装置を制御し、一人又はそれ以上のユーザに、CD30のような特定の流通媒体の案内されるツアーを提供する。
【0038】
本発明の更なる特徴は、コマンドプラグイン24を使って、ユーザのCDプレイヤー32内にあるCDのユニークな識別子(CD30のID31)を設定するための技術を提供する能力である。ユニークな識別子は、トラックの数及び長さ(1秒の1/75というブロックの単位で測定される)に基づいてもよく、その場合、識別子は、これらの長さの連結となる。しかしながら、実際は、多少短い識別子を有することが望ましい。そこで、ユニークな識別子は、好ましくは、1秒の1/4単位のような、かなり粗い単位で表現されるトラック長さの連結である。
【0039】
2つの音声CDが正確に或いは実質的に同一であるかどうかを決定するのに適したファジーな比較アルゴリズムは、以下のように進行する。比較される2つの音声CDの各々に対して、数ミリ秒単位でCDの全部のトラックの長さを決定する。それから、全てのトラックの長さを8ビットずつ右にシフトする(shift)。実際上、これは2=256による除算(切り捨て)(truncating division)を実行していることになる。それから、両記録物を1トラックずつ見ていき、一致合計及び一致エラーの2つの数を累計していく。これらの数は、両方とも、比較の開始時にゼロに初期化される。トラックごとに、一致合計のほうは比較される一方のCDのトラックのシフトした長さだけ増やし、一致エラーのほうは2つのCDのトラックのシフトした長さの差の絶対値だけ増やす。トラック数が少ないほうのCDの最後のトラックに到達すると、他方のCDのトラックに継続し、一致合計と一致エラーの両方とも、そのトラックのシフトした長さだけ増やす。トラックを見ていくこれらのステップの後、アルゴリズムは、一致数によって一致エラーを除算し、1からその商を減算し、その差を百分率に変換する。これが、2つのCDがどれくらい一致しているかの指標となる。
【0040】
2つの音声CDが正確に同一であるかどうかを決定するのに適した比較アルゴリズムは、トラック数、トラック長さ及びトラックの開始及び終了時間から、8バイト値を生成する。上位4バイトは、ミリ秒単位で表わされる全てのトラックの開始時間及び終了時間を合計することによって得られる。下位4バイトは、ミリ秒単位で表わされる全てのトラックの長さを合計し、その合計を左に10ビットシフトし、トラック数を加算することによって得られる。
【0041】
CDのID31は、データベースの鍵として利用することができる。サイト52Aのようなサイトは、CDについての情報のデータベースを維持することができ、例えば、レコード会社2によって発行されたすべてのCDについての情報が、レコード会社のサイト上で保持される。ユーザのために、この情報にたどり着く(navigate)ための種々の代替的な方法がある。例えば、ユーザは、コンテンツのテーブルとしての多くのハイパーリンクを含むウェブページを使用することができ、或いは、ユーザは、既存の検索エンジンを使用することもできる。本発明のCDのID31により可能になる検索の第三の方法によれば、ウェブページがユーザに対して、情報を探しているCD(例えば、CD30)をプレイヤー32に置くことを促す。ドライブの中にCD30の存在が検知されると、ウェブページ内のスクリプトはCD30に対応するCDのID31を計算し、それをサーバ58に送信する。それから、サーバ58は、CDのID31に基づいてデータベースから引き出されたCD30についての情報を表示する。この情報は、CD30に関するウェブアドレス(URL)(例えばアーティストのホームページのウェブアドレス)、CD30上の曲名のような簡単なデータを含んで良く、そして、(例えばバンドの)写真、作品、動画及びビデオクリップを含む補足的なエンターテイメントを含んでも良い。ユーザがコンピューターにCD30を挿入すると、(i)ウェブブラウザがまだ実行されていない場合に実行開始し、(ii)ブラウザがCD30のユニークな識別子を計算し、そのユニークな識別子からURLを取得し、(iii)ブラウザがURL上でHTTP取得処理を行うように、手順を調整することもできる。
【0042】
音楽記録物のユニークな識別子についての別の応用として、ウェブのプレミアムエリアへ入るための鍵としCDを利用することができる。現在、人々が契約により許可されるウェブの特別(premium)な場所がある。ユニークな識別子に基づいた許可の簡単な形式は、ウェブの特定の場所にアクセスする前に、特定のCD、又は特定の会社によって発行されたCD、又は特定のバンド又はアーティストの音楽を含むCDをユーザのCDドライブに置くことを要求することである。これは、コマンドプラグインによって提供される機能を実行(invoke)し、ユニークな識別子を計算するスクリプトの手段によって簡単に達成される。
【0043】
本発明の別の特徴は、チャットルームと音楽記録物との接続である。目的は、チャットルームの全ての参加者に、ほぼ同じ時刻に同じ音楽を提供することである。
【0044】
チャットサービスのための既存のネットワークプロトコルとして、Internet Relay Chat (IRC)のJ. Oikariman & D. Reedによって記述されたInternet Relay Chat Protocol (Internet Request For Comments No.1459,1993)がある。このプロトコルにおいて、ある人がチャットサーバのクライアントになると、その人はチャットル−ムに名前を送信する。チャットサーバは、その全てのクライアントからのメッセージを受信し、各クライアントから送られてきたメッセージを、クライアントとして同じルームに接続している他の全クライアントに中継する。クライアントが送信するメッセージは、典型的に、クライアントを実行しているユーザによってタイプされ、クライアントが受信するメッセージは、典型的に、クライアントを実行しているユーザに読めるよう表示される。
【0045】
本発明の好ましい実施例では、チャットクライアントは、チャットプラグインと呼ばれるであろうプラグインによってカスタマイズ(customized)される。チャットクライアントは、以下のように、ブラウザによって開始される(図6参照)。ユーザは、ブラウザによって、メインウェブページ(ボックス300)に接続する。メインウェブページは、ダウンロードされるとき、ユーザがプレイヤーにCDを挿入することを要求する(ボックス305)。CDのユニークな識別子が計算され、メインウェブページのスクリプトのコマンドに従って、上記の制御プラグインを使って、サーバに返信される(ボックス310)。それから、サーバは、ユニークな識別子を使って、そのCDに焦点を当てた(focused on)チャットルームを持っているかどうかを決定する。このステップは、既知の技術を使って、そのユニークな識別子をデータベース内で探すことによって実行することができる。データベースに接続するウェブページについての文献として、例えば、December & Ginsburg,supra,chapter 21のような巨大な文献が存在する。そのCD専用(focused on)のチャットルームが存在する場合、又は作れる場合、サーバは、そのチャットルームの名前に応答して、ブラウザは、そのチャットルームのクライアントとして、ユーザのコンピューター上でチャットクライアントを開始する(ボックス320)。
【0046】
チャットルームの名前は、サーバによって設定される。その名前は、チャットルームの他のクライアントの装置で再生しているCDのトラック、トラックが再生を開始した時刻、さらに、CDが再生している音量についての情報を含むように設定される。チャットクライアントのプラグインはその情報を使用して、ユーザのコンピューター内のCDを、チャットルームの他のクライアントの装置で再生しているCDにほぼ同期して再生するように設定することをコントロールプラグインに指示する(ボックス320)。
【0047】
チャットルーム内の各ユーザは、各ユーザの装置で再生しているCDを制御することができる。制御動作により、チャットプラグインはメッセージをチャットサーバに送信し、チャットサーバは、行われた制御動作を記述する(ボックス325)。例えば、そのようなメッセージは、CDの位置の変更、音量の変更、別のCDに取り替えるためのCDの取り出しを示すことができる。他のユーザの装置で実行されるチャットプラグインは、この種のメッセージを見ると、上述の制御プラグインを使って、他のユーザの装置での(できるだけ)その動作を繰り返す(replicate)(ボックス330)。
【0048】
本発明の更なる特徴によれば、特定の音楽記録物専用(focused on)のチャットルームは、特定のトラックを選択するための投票手続きを認めることができる。簡単な投票手続きは、各チャットプラグインにおいて、それが2つの同一の連続した変化メッセージを見つけると、前の段落で述べた種類のメッセージの変化に従って動作することである。これは、再生されているトラックを変えるために、2名のユーザがトラックを変える必要があることを意味する。2という数字は、それより大きい数字に置き換えてもよい。
【0049】
本発明の更なる特徴において、チャットのユーザに配信されるメッセージは、手でのタイプよりむしろテキストファイルから作られてもよい。これにより、予め記録された体験(experience)を、チャットユーザのグループのために再生することが可能になる。そのような技術は、音声CDの予め記録され、語り付きのツアー(touring)を作るのに使用することができる。
【0050】
上述の実施例の重要な利点は、Internet Relay Chat又は同様な最小限のチャットサービスを提供するプロトコルによって要求される最小限の機能をサポートするいかなるチャットサーバソフトウェアにも使用できることである。要求される追加的なソフトウェアは、CD情報のデータベースに接続したチャットクライアントプラグイン及び中央ウェブページにある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施例に従ったネットワーク概略図である。
【図2】図1に示した実施例のフローチャートである。
【図3】本発明の実施例が動作する環境を表したブロック図である。
【図4】本発明の実施例に従った補足的コンテンツのブロック図である。
【図5】本発明の実施例の同期コードのフローチャートである。
【図6】本発明の実施例に従った、チャットルームへ接続するための操作手順のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録物の再生に関連した情報を転送するシステムであって:
ユーザーが知覚する該記録物の内容を再生するために使われる情報を該記録物から取得し、使用データのセットを取得するために、記録物を再現する第一の装置であって、前記セットのそれぞれは少なくとも一つの時間期間の間の前記記録物の再生に関わるような第一の装置と;
前記使用データのセットを保存する第二の装置と;
前記使用データのセットを前記第一の装置から前記第二の装置に転送するために前記第一の装置および第二の装置に結合されたネットワーク、
とを有するシステム。
【請求項2】
前記記録物を識別するために使われる情報が、前記記録物を識別する目的のために保存されたものではない、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
ネットワークを介して第二の装置に接続可能な第一の装置において記録物の再生に関連した情報を取得する方法であって:
前記第一の装置において、ユーザーによって所有されている媒体内に固定された記録物に前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階であって、記録物は、該記録物を生成するために該記録物に設けられてはいるが該記録物を識別するために設けられているのではない情報を使って識別されるような段階と;
前記使用データを、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して転送する段階、
とを有する方法。
【請求項4】
前記収集する段階が前記記録物の再生の間に行われる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記使用データが、前記記録物がどのように再生されるかと、前記記録物の再生の間にユーザーが実行する操作とのうちの少なくとも一つに関係している、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記使用データが、前記記録物の再生時間と、再生の間に再生される前記記録物のうち少なくとも一つの部分とのうちの少なくとも一つに関係している、請求項5記載の方法。
【請求項7】
ユーザー人口統計データを取得する段階と;
前記ユーザー人口統計データを前記第二の装置に送る段階、
とをさらに有する、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記記録物についての補足的内容を前記第一の装置に前記ネットワークを介して供給する段階をさらに有する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記補足的内容を前記使用データおよび前記ユーザー人口統計データに基づいて選択する段階をさらに有する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記第一の装置のユーザーを登録してユーザー識別子を取得する段階をさらに有しており、
前記転送する段階が、前記使用データとともに前記ユーザー識別子を前記第二の装置に転送することをさらに含む、
請求項3記載の方法。
【請求項11】
ユーザー人口統計データを取得する段階と;
前記ユーザー人口統計データを前記第二の装置に送る段階、
とをさらに有する、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記記録物についての補足的内容を前記第一の装置に前記ネットワークを介して供給する段階をさらに有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記補足的内容を前記使用データおよび前記ユーザー人口統計データに基づいて選択する段階をさらに有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記使用データが、前記記録物が前記第一の装置において再生された回数を示す頻度データを含む、請求項3記載の方法。
【請求項15】
前記記録物がセグメントを含んでおり、
前記頻度データが、セグメントが前記第一の装置において再生された回数を示す、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記記録物がデジタル化されたオーディオ信号を含むデジタルファイルである、請求項3記載の方法。
【請求項17】
前記デジタルファイルがMPEG符号化を使って圧縮されたオーディオデータを含んでいる、請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記使用データが前記記録物の総使用時間を含んでいる、請求項3記載の方法。
【請求項19】
前記使用データが前記第一の装置の使用時間を含んでいる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記記録物についての補足的内容を前記第一の装置に前記ネットワークを介して供給する段階をさらに有する、請求項3記載の方法。
【請求項21】
ユーザー人口統計データを取得する段階と;
前記ユーザー人口統計データを前記第二の装置に送る段階、
とをさらに有する、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記補足的内容を前記使用データおよび前記ユーザー人口統計データに基づいて選択する段階をさらに有する、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記記録物上の記録物識別子を読み取る段階をさらに有しており、
前記転送する段階が前記記録物識別子を前記第二の装置に送る段階を含む、
請求項3記載の方法。
【請求項24】
前記記録物が、前記第一の装置のユーザーによって所有されている媒体中に固定されている、請求項3記載の方法。
【請求項25】
前記記録物に含まれる情報から記録物識別子を自動的に生成する段階と;
前記使用データとともに前記記録物識別子を前記第一の装置から前記第二の装置に送る段階をさらに有する、
請求項3記載の方法。
【請求項26】
前記記録物が少なくとも二つのセグメントを含んでおり、
前記生成する段階が前記記録物識別子を前記セグメントの長さに基づいて生成する、
請求項25記載の方法。
【請求項27】
前記収集する段階が、前記ユーザーによって所有されている少なくとも一つの媒体中に固定された複数の記録物について前記使用データを収集し、
前記転送する段階が前記ユーザーの識別情報を提供することを含む、
請求項3記載の方法。
【請求項28】
前記ユーザーによって再生される記録物の指標を提供するために、前記使用データを前記第二の装置に保存する段階をさらに有する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ネットワークを介して第二の装置に接続可能な第一の装置においてセグメントを含む記録物の再生に関連した情報を取得する方法であって:
ユーザーによって所有される媒体中に固定された記録物の少なくとも一つのセグメントを、該記録物を識別する以外の目的のために前記媒体中に保存されている該記録物に関連付けられた情報に基づいて識別する段階と;
前記第一の装置において、該第一の装置において再生される前記少なくとも一つのセグメントを識別するセグメントデータを含む、前記記録物に前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階と;
前記使用データを、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して転送する段階、
とを有する方法。
【請求項30】
前記使用データが、前記第一の装置において前記少なくとも一つのセグメントが再生された回数を含む、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記使用データが、前記少なくとも一つのセグメントのうちのどのくらいが各回に再生されたかを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記使用データが、前記少なくとも一つのセグメントのうちのどのくらいが再生されたかを含む、請求項29記載の方法。
【請求項33】
前記使用データが、前記少なくとも一つのセグメントがどのくらいしばしば再生されたかを含む、請求項29記載の方法。
【請求項34】
前記媒体がオーディオコンテンツをもつコンパクトディスクであり、前記セグメントは前記コンパクトディスク上のトラックであり、前記使用データは前記コンパクトディスク上のトラックの再生を示す、請求項29記載の方法。
【請求項35】
セグメントの長さに基づいて前記記録物を識別して記録物識別子を取得する段階をさらに有しており;
前記転送する段階が、前記記録物識別子を前記第二の装置に送ることを含む、
請求項29記載の方法。
【請求項36】
前記媒体がディスクであり、前記セグメントの長さが前記ディスク上のテーブ・オブ・コンテンツ情報から取得される、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記セグメントデータから記録物識別子を自動的に生成する段階と;
前記使用データとともに前記記録物識別子を前記第一の装置から前記第二の装置に送る段階をさらに有する、
請求項29記載の方法。
【請求項38】
前記収集する段階が、前記第一の装置と前記第二の装置が接続されているかどうかにかかわりなく実行され、
当該方法がさらに、前記第一の装置と前記第二の装置の間の接続を確立する段階を含み、
前記転送する段階が、前記第一の装置と前記第二の装置が接続されていなかった間に収集された使用データすべてを、前記第一の装置と前記第二の装置が接続されたのちに、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して転送する、
請求項29記載の方法。
【請求項39】
前記記録物が前記第一の装置のユーザーによって所有されている媒体中に固定されている、請求項29記載の方法。
【請求項40】
前記収集する段階が、前記ユーザーによって所有されている少なくとも一つの媒体に固定されている複数の記録物について前記使用データを収集し、
前記転送する段階が前記ユーザーの識別情報を提供することを含む、
請求項29記載の方法。
【請求項41】
前記ユーザーによって再生される記録物の指標を提供するために、前記使用データを前記第二の装置に保存する段階をさらに有する、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記媒体がオーディオコンテンツをもつコンパクトディスクであり、各セグメントは前記コンパクトディスク上の、トラック番号およびトラック内の再生時間によって決定されるトラックの一部分であり、前記セグメントデータは前記コンパクトディスク上のトラックの再生を示す、請求項29記載の方法。
【請求項43】
前記記録物を識別するために使われる情報が、ユーザーが前記媒体を所有するのに先立って前記媒体中に保存される、請求項29記載の方法。
【請求項44】
ネットワークを介して第二の装置に接続される第一の装置において少なくとも一つの記録物の再生に基づく情報を取得するシステムであって:
ユーザーによって所有される媒体中に固定された記録物を、該記録物を識別する以外の目的のために前記媒体中に保存されている該記録物に関連付けられた情報に基づいて識別する識別手段と;
前記記録物の部分および前記記録物の再生時間のうち少なくとも一つに関係した使用データを収集する収集手段と;
前記第一の装置と前記第二の装置の間の接続を確立する接続手段と;
前記使用データを、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して送る伝送手段と;
前記使用データを、前記第二の装置において保存する記憶手段、
とを有するシステム。
【請求項45】
前記使用データが複数の記録物に関係しており、
前記使用データが前記記録物の使用の頻度を含む、
請求項44記載のシステム。
【請求項46】
前記収集手段が、前記使用データを、前記ユーザーによって所有されている少なくとも一つの媒体中に固定された複数の記録について収集し、
前記伝送手段がさらに、前記ユーザーを識別するデータを送る、
請求項44記載のシステム。
【請求項47】
前記記憶手段が、前記ユーザーによって再生される記録物の指標を提供するために前記使用データを前記第二の装置に保存する、請求項46記載のシステム。
【請求項48】
プロセッサを制御して:
第一の装置において、ユーザーによって所有されている媒体内に固定された記録物に前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階であって、記録物は、ユーザーが知覚する該記録物の内容を再生するために該記録物に設けられている情報を使って識別されるような段階と;
前記使用データを、前記第一の装置から該第一の装置に接続されたある第二の装置にネットワークを介して転送する段階、
とを有するプロセスを実行させる命令を保存しているコンピュータ可読記憶。
【請求項49】
前記プロセスがさらに:
ユーザー人口統計データを取得する段階と;
前記ユーザー人口統計データを前記第二の装置に送る段階、
とをさらに有する、請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項50】
前記プロセスがさらに、前記使用データとして、前記記録物の少なくとも一つの部分の再生に関する情報を取得する段階を有する、請求項49記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項51】
前記プロセスがさらに、前記記録物についての補足的内容を前記第一の装置に前記ネットワークを介して供給する段階を有する、請求項50記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項52】
前記プロセスがさらに、前記補足的内容を前記使用データおよび前記ユーザー人口統計データに基づいて選択する段階をさらに有する、請求項51記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項53】
前記第一の装置がコンピュータであり、
前記収集する段階が前記コンピュータにロードされた少なくとも一つのコンピュータプログラムを検出し、
前記第二の装置に転送される前記使用データが前記コンピュータにロードされた前記少なくとも一つのコンピュータプログラムの識別情報を含む、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項54】
前記収集する段階が前記コンピュータにロードされた前記少なくとも一つのコンピュータプログラムの使用頻度を検出し、
前記第二の装置に転送される前記使用データが前記コンピュータにロードされた前記少なくとも一つのコンピュータプログラムの使用頻度を含む、
請求項53記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項55】
前記プロセスが、前記第一の装置のユーザーを登録してユーザー識別子を取得する段階をさらに有しており、
前記転送する段階が、前記使用データとともに前記ユーザー識別子を前記第二の装置に転送することをさらに含む、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項56】
前記プロセスがさらに:
ユーザー人口統計データを取得する段階と;
前記ユーザー人口統計データを前記第二の装置に送る段階、
とをさらに有する、請求項55記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項57】
前記プロセスがさらに、前記使用データおよび前記人口統計データに基づいて前記記録物についての補足的内容を前記第一の装置に前記ネットワークを介して供給する段階を有する、請求項56記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項58】
前記記録物がセグメントを含んでおり、
前記プロセスがさらに、前記記録物の少なくとも一つのセグメントを識別する段階を有しており、
前記使用データが前記第一の装置において再生される前記少なくとも一つのセグメントを識別するセグメントデータを含む、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項59】
前記セグメントデータが、前記少なくとも一つのセグメントが前記第一の装置において再生された回数を含む、請求項58記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項60】
前記セグメントデータが、前記少なくとも一つのセグメントのうちのどのくらいが各回に再生されたかを含む、請求項59記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項61】
前記セグメントデータが、前記少なくとも一つのセグメントのうちのどのくらいが再生されたかを含む、請求項58記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項62】
前記セグメントデータが、前記少なくとも一つのセグメントがどのくらいしばしば再生されたかを含む、請求項58記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項63】
前記プロセスがさらに:
前記記録物に含まれる情報から記録物識別子を自動的に生成する段階と;
前記使用データとともに前記記録物識別子を前記第一の装置から前記第二の装置に送る段階をさらに有する、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項64】
前記記録物が少なくとも二つのセグメントを含んでおり、前記生成する段階が前記記録物識別子を前記セグメントの長さに基づいて生成する、請求項63記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項65】
前記プロセスがさらに、前記第一の装置と前記第二の装置の間の接続を確立する段階を含み;
前記転送する段階が、前記第一の装置と前記第二の装置が接続されていなかった間に収集された使用データすべてを、前記第一の装置と前記第二の装置が接続されたのちに、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して転送する、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項66】
前記収集する段階が、前記ユーザーによって所有されている少なくとも一つの媒体中に固定された複数の記録物について前記使用データを収集し、
前記転送する段階が前記ユーザーの識別情報を提供することを含む、
請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項67】
前記ユーザーによって再生される記録物の指標を提供するために、前記使用データを前記第二の装置に保存する段階をさらに有する、請求項66記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項68】
前記記録物を識別するために使われる情報が、前記記録物を識別する目的のために保存されたものではない、請求項48記載のコンピュータ可読記憶。
【請求項69】
記録物の再生に関連する情報を転送するシステムであって:
ユーザーによって所有されている媒体中に固定されている記録物を再現するため、前記記録物を、該記録物を識別する以外の目的のために前記媒体中に保存されている該記録物に関連付けられた情報に基づいて識別するため、および前記記録物に前もって関連付けられたものではない使用データを収集するための第一の装置と;
前記使用データを保存するための第二の装置と;
前記使用データを前記第一の装置から前記第二の装置に転送するための、前記第一の装置および前記第二の装置に結合されたネットワーク、
とを有するシステム。
【請求項70】
前記記録物がトラックに記憶されたオーディオコンテンツをもつコンパクトディスクであり、前記使用データは前記コンパクトディスク上のトラックの再生を示す、請求項69記載のシステム。
【請求項71】
前記第一の装置がトラックの長さに基づいて記録物識別子を取得し、
前記ネットワークが前記記録物識別子を前記第一の装置から前記第二の装置に送る、
請求項70記載のシステム。
【請求項72】
前記ネットワークがトラックの長さを示すデータを前記第一の装置から前記第二の装置に送り、
前記第二の装置が前記トラックの長さを示すデータに基づいて記録物識別子を取得する、
請求項70記載のシステム。
【請求項73】
前記記録物がデジタル化されたオーディオ信号を含むコンピュータファイルである、請求項69記載のシステム。
【請求項74】
前記コンピュータファイルがMPEG符号化を使って圧縮されたオーディオデータを含む、請求項73記載のシステム。
【請求項75】
前記ネットワークが、前記記録物についての補足的内容を前記第二の装置から前記第一の装置に転送する、請求項69記載のシステム。
【請求項76】
前記第一の装置がユーザー人口統計データを取得し;
前記ネットワークが前記ユーザー人口統計データを前記第一の装置から前記第二の装置に送る、
請求項75記載のシステム。
【請求項77】
前記第二の装置が前記使用データおよび前記ユーザー人口統計データに基づいて前記補足的内容を選択する、請求項76記載のシステム。
【請求項78】
前記第一の装置と前記第二の装置が前記ネットワークを介して常に接続されてはおらず、前記第一の装置は前記第二の装置に接続されていないときに前記使用データを保存し、接続が確立されたのちに前記使用データを前記第二の装置に送信する、請求項69記載のシステム。
【請求項79】
前記第一の装置が、ユーザーが知覚する記録物の内容を再生するために記録物に設けられている情報から記録物識別子を自動的に生成し、前記使用データとともに該記録物識別子を前記第二の装置に送る、請求項69記載のシステム。
【請求項80】
前記記録物が少なくとも二つのセグメントを含み、前記第一の装置が該セグメントの長さに基づいて前記記録物識別子を生成する、請求項79記載のシステム。
【請求項81】
前記第一の装置が前記ユーザーによって所有されている少なくとも一つの媒体中に固定されている複数の記録物についての前記使用データを収集し、
前記ネットワークがさらに前記ユーザーを識別するデータを前記第一の装置から前記第二の装置に転送する、
請求項69記載のシステム。
【請求項82】
前記第二の装置が、前記ユーザーによって再生される記録物の指標を提供するために、前記使用データを保存する、請求項81記載のシステム。
【請求項83】
ネットワークを介して第二の装置に接続可能な第一の装置において記録物の再生に関連した情報を取得する方法であって:
前記第一の装置において、記録物に前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階であって、記録物はユーザーが知覚する該記録物の内容を再生するために該記録物に設けられている情報を使って識別されるような段階と、
前記使用データを前記第一の装置から前記第二の装置に転送する段階、
とを有する方法。
【請求項84】
前記記録物を識別するために使われる情報が、前記記録物を識別する目的のために保存されたものではない、請求項83記載の方法。
【請求項85】
ネットワークを介して第二の装置に接続可能な第一の装置においてセグメントを含む記録物の再生に関連した情報を取得する方法であって:
記録物の少なくとも一つのセグメントを、該セグメントから得られるか該セグメントに関係している情報であって、該セグメントを識別するためではなくむしろ該セグメントの再生を可能にするために前記記録物中に含まれている情報に基づいて識別する段階と;
前記第一の装置において、該第一の装置において再生される前記少なくとも一つのセグメントを識別するセグメントデータを含む、前記記録物の前記少なくとも一つのセグメントに前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階と;
前記使用データを、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して転送する段階、
とを有する方法。
【請求項86】
ネットワークを介して第二の装置に接続される第一の装置において少なくとも一つの記録物の再生に基づいた情報を取得するシステムであって:
ユーザーによって所有される媒体中に固定された記録物を、ユーザーが知覚する該記録物の内容を再生するために該記録物に設けられる情報に基づいて識別する識別手段と;
前記記録物の部分および前記記録物の再生時間のうち少なくとも一つに関係した使用データを収集する収集手段と;
前記第一の装置と前記第二の装置の間の接続を確立する接続手段と;
前記使用データを、前記第一の装置から前記第二の装置に前記ネットワークを介して送る伝送手段と;
前記使用データを、前記第二の装置において保存する記憶手段、
とを有するシステム。
【請求項87】
前記記録物を識別するために使われる情報が、前記記録物を識別する目的のために保存されたものではない、請求項86記載のシステム。
【請求項88】
プロセッサを制御して:
前記第一の装置において、
ユーザーが知覚する記録物の内容を再生するために該記録物に設けられる情報に基づいて識別される記録物の再生に前もって関連付けられたものではない使用データを収集する段階と;
前記使用データを、前記第一の装置から該第一の装置に接続されたある第二の装置にネットワークを介して転送する段階、
とを有するプロセスを実行させる命令を保存しているコンピュータ可読記憶。
【請求項89】
前記記録物を識別するために使われる情報が、前記記録物を識別する目的のために保存されたものではない、請求項88記載のコンピュータ可読記憶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−220137(P2007−220137A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100966(P2007−100966)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【分割の表示】特願平10−544286の分割
【原出願日】平成10年4月15日(1998.4.15)
【出願人】(501112323)グレースノート インコーポレイテッド (12)