説明

音声調整システム、調整方法およびリモートコントローラ

【課題】リモートコントローラの簡単なスイッチ操作によって特定の出演者の話を聴きやすくする。
【解決手段】複数のマイクロホンMIC1〜MICnの出力信号が音声調整装置10に供給され、レベルコントロール装置1によって各マイクロホンの音声信号に対するゲインが調整される。リモートコントローラ20または30において、特定のマイクロホンがスイッチ操作によって指定され、指定されたマイクロホンの識別情報が音声調整装置10に供給される。指定されたマイクロホン以外の出演者のマイクロホンの音声信号に対するゲインを減少され、指定された出演者の話が聞き取りやすくなる。選択されたマイクロホンの近傍の表示灯の点灯によって当該マイクロホンが選択されていることが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば討論会形式の放送番組に適用して好適な音声調整システム、調整方法およびリモートコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
放送番組として、司会者(または議長、以下同様)と複数の出演者とが議論を行う討論会形式の番組がある。話し手の声は、マイクロホンによって集音され、音声調整装置(音声調整卓、ミキシングコンソールなどとも呼ばれる)に導かれる。音声調整装置を操作者が操作して各自の音声レベルが適切なものに制御される。
【0003】
音声調整装置として、演奏会場において、演奏者に近い位置に設置されたモニタスピーカの音量を聴きながら、舞台上のリモートコントローラを操作して、聴取者側に設けられた音声調整装置に対して音量調整用のコントロール信号を送信することが下記の特許文献1に記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2005―159972号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
討論会形式の放送番組の生放送中に、複数の話し手が同時に発言して視聴者が話の内容を聞き取りにくい場合がある。特に、議論が白熱して話し手が興奮する場合に、視聴者は話し手が何を話しているのか分からなくなる。この場合には、音声調整装置のフェーダを操作して各マイクロホンの音声レベルを制御したり、または映像スイッチャーと連動して音声レベルを制御することによって、聞き取りにくい問題をある程度解決することができる。例えば上述した特許文献1に記載のリモートコントローラを司会者が操作して音声レベルを制御することが可能である。
【0006】
しかしながら、音声調整装置の操作者は、司会者と違う人のため、討論会の進行上で、複数の話し手の中で、どの話し手をメインとするかが司会者の意図と異なったものとなるおそれがあった。言い換えると、本当にメインで話をさせたい人が誰なのかを決定する権限が討論会の司会者側にはなく番組進行に適した音声のレベル制御が困難であった。さらに、特許文献1に記載のように、番組進行を行いながら、コントローラの音量調整用つまみを手元で操作すること司会者にとっては、負担となる問題がある。
【0007】
したがって、この発明の目的は、司会者の意図に基づいて複数の話し手の音声レベルを制御することができ、操作の負担が少ない音声調整システム、調整方法およびリモートコントローラを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、この発明は、複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンと、
特定の話し手の操作によって複数のマイクロホンの一つを指定するスイッチ、指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号を送信する通信部とを有するリモートコントローラと、
複数のマイクロホンからの音声信号とリモートコントローラからのコントロール信号が入力され、スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、コントロール信号によって、指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの音声信号のゲインを低下させるゲイン制御部と
を備える音声調整システムである。
【0009】
複数のマイクロホンのそれぞれの近傍に複数の表示素子が設けられ、
表示灯素子の点灯/消灯によって、リモートコントローラにおいて指定されたマイクロホンを識別可能とすることが好ましい。
【0010】
制限時間の長さをリモートコントローラが設定することが好ましい。
【0011】
音声信号のゲインの低下量をリモートコントローラが設定することが好ましい。
【0012】
ゲイン制御部が音声信号のゲインを徐々に変化させることが好ましい。
【0013】
複数のリモートコントローラを有し、
時間的に後にスイッチが操作されたリモートコントローラによるマイクロホンの指定を有効とすることが好ましい。
【0014】
この発明は、特定の話し手の操作によって、複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンの一つを指定するスイッチと、
指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号をゲイン制御部に送信する通信部とを備え、
ゲイン制御部に対して、スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの音声信号のゲインを低下させる動作を行わせる音声調整用リモートコントローラである。
【0015】
制限時間の長さを設定する時間設定部を有することが好ましい。
【0016】
さらに表示部を有し、表示部に制限時間の残り時間を表示することが好ましい。
【0017】
この発明は、リモートコントローラにおいて、特定の話し手のスイッチ操作によって、複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンの一つを指定するステップと、
リモートコントローラが指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号をゲイン制御部に送信するステップと、
コントロール信号を受信することによって、スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、ゲイン制御部が指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの音声信号のゲインを低下させるステップと、
ゲイン制御部によって、制限時間が経過すると、指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの音声信号のゲインを復帰させるステップと
を備える音声調整方法である。
【0018】
一のリモートコントローラによってマイクロホンの指定がなされた後に、他のリモートコントローラによってマイクロホンの指定がなされる場合に、他のリモートコントローラによる指定を一のリモートコントローラによる指定より優先させることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
特定の話し手としての司会者が意図した中心的な話し手の話を聞きやすいように、複数の話し手の音声レベルを制御することができる。中心的な話し手と選択された話し手は、選択されたことを表示素子の点灯/消灯によって認識でき発言をしやすくなる。討論会で、発言する出演者が特定の人に偏ることを防止し、出演者全員に発言の機会を与えることができる。さらに、音声レベルの制御の操作がスイッチによる選択操作のみであり、リモートリモートコントローラの操作によって司会者の活動が阻害されることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明を実施するための最良の形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0021】
「一実施の形態の音声調整システム構成」
図1は、この発明の一実施の形態の音声調整システムを示す。音声調整システムは、複数のマイクロホンMIC1〜MICnと、複数のマイクロホン(ワイヤレスマイクロホンが含まれても良い)MIC1〜MICnのそれぞれの出力信号が供給される音声調整装置10と、司会者用リモートコントローラ20と、ディレクタ用リモートコントローラ30とを有している。
【0022】
マイクロホンMIC1〜MICnは、複数の話し手のそれぞれの前方に設けられる。一つのマイクロホンMIC1が特定の話し手(司会者)用のものである。リモートコントローラ20および30からのコントロール信号がゲイン制御部としてのレベルコントロール装置1に供給される。レベルコントロール装置1は、音声調整装置10のインサート端子と接続されている。
【0023】
インサート端子とは、信号系に外部機器を割り込ませるための端子である。音声調整装置10から出力された複数のマイクチャンネルの各チャンネルの信号がレベルコントロール装置1に供給され、レベルが制御された各チャンネルの信号が音声調整装置10に入力される。レベルコントロール装置1は、例えば各チャンネルに対応するゲインコントロールアンプによって構成される。ゲインコントロールアンプに対するゲインコントロール信号がリモートコントローラ20および30から供給される。
【0024】
この発明は、レベルコントロール装置1をインサート端子に接続する構成に限定されない。リモートコントローラ20および30からのコントロール信号を音声調整装置10に直接供給し、音声調整装置10内でマイクロホンMIC1〜MICnの信号に対するゲインをコントロール信号に応じて制御しても良い。さらに、リモートコントローラ20および30から音声調整装置10に対してコントロール信号を伝送する場合、有線および無線(電波または赤外線)の何れを使用しても良い。さらに、シリアル通信、パラレル通信の何れを使用しても良い。
【0025】
コントロール信号は、複数のマイクロホン(話し手)の一つを指定する識別情報を含む。さらに、リモートコントローラ20または30で設定された設定情報をコントロール信号が含むようにしても良い。設定情報に含まれる項目は、リアルタイムで制御することも可能である。例えば特定のマイクロホンが選択されている状態を当該マイクロホンの識別情報と、選択されている状態を示すフラグで表すことができる。リアルタイム制御を行わない場合には、初期設定時に設定情報を送信すれば良い。設定値が固定値の場合では、設定情報を伝送する必要がない。
【0026】
設定情報としては、スイッチが操作されると、開始し、制限時間(数分程度)が経過すると終了する制限時間、ゲインを変化させる場合のゲイン低下量、ゲインを徐々に変化させる場合の遷移時間等が含まれる。この発明の一実施の形態では、制限時間をリモートコントローラ20およびリモートコントローラ30が設定でき、他の設定項目は、リモートリモートコントローラ30のみが設定可能とされている。
【0027】
音声調整装置10は、既存の音声調整装置と同様に、複数チャンネルのマイク入力端子、複数チャンネルのライン入力端子および上述した複数チャンネルのインサート端子を有する。さらに、ミキシング後の信号の出力端子、モニター出力端子、録音出力端子等が設けられている。操作パネルに複数のチャンネルコントロール部、マスターコントロール部等が配置されている。マイク入力端子に対して、複数のマイクロホンMIC1〜MICnが接続されている。
【0028】
チャンネルコントロール部およびマスターコントロール部は、回転つまみおよび表示部エリア2、フェーダエリア3等からなる。回転つまみおよび表示部エリア2は、入力の切り替えつまみ、入力レベルの切り替えつまみ、低音域、中音域、高音域の各音域の周波数特性の可変用つまみ、出力レベルの調整つまみ、VUメータに表示する信号の選択用つまみ等が含まれる。
【0029】
チャンネルコントロール部におけるフェーダエリア3のフェーダは、送り出す信号の出力レベルを調整する。フェーダは、つまみを上(前)方向にスライドさせると、出力信号のレベルが大きくなり、つまみを下(後)方向にスライドさせると、出力信号のレベルが小さくなる。その途中の位置が基準レベルに対応する。
【0030】
さらに、複数のマイクロホンMIC1〜MICnの近傍の見易い位置に発光ダイオード等からなる表示灯L1,L2,・・・,Lnが設けられている。各表示灯の点灯/消灯は、音声調整装置10からの表示コントロール信号によって制御される。音声調整装置10は、リモートコントローラ20または30からのコントロール信号に含まれる識別情報により特定されるマイクロホンの近傍の表示灯のみを点灯させる。
【0031】
リモートコントローラ20は、司会者が直ぐに操作できるように、司会者の手元の近くに置かれている。リモートコントローラ20、マイクロホンMIC1〜MICn、表示灯L1〜Lnは、破線で囲んで示すスタジオ内に設置される。音声調整装置10は、スタジオの外に設置される。リモートコントローラ30は、スタジオの外で、ディレクタが携帯するか、直ぐに操作できる場所に置かれる。
【0032】
「リモートコントローラ」
司会者用リモートコントローラ20は、例えばタッチパネルの構成の操作パネルを有する。操作パネルには、複数のマイクロホンMIC1〜MICnと対応して操作キーエリア21が設けられ、一つの操作キーが押されると、対応するマイクロホンが選択される。表示エリア22は、時間(時分秒)を表示する。さらに、操作キーの一つが操作されると開始する制限時間の長さを可変するためのタイマー設定ボタン23が設けられる。制限時間の残りを表示エリア22に表示させるための残時間表示ボタン24が設けられる。コマーシャルまでの時間を表示エリア22に表示させるCMボタン25およびオンエアまでの時間を表示させるオンエアボタン26が設けられる。
【0033】
ディレクタ用リモートコントローラ30も上述した司会者用リモートコントローラ20と同様の構成を有する。すなわち、複数のマイクロホンMIC1〜MICnと対応して操作キーエリア31が設けられ、一つの操作キーが押されると、対応するマイクロホンが選択される。表示エリア32は、時間(時分秒)を表示する。さらに、タイマー設定ボタン33、残時間表示ボタン34、コマーシャルまでの時間を表示させるCMボタン35およびオンエアまでの時間を表示させるオンエアボタン36が設けられている。
【0034】
ディレクタ用リモートコントローラ30には、設定エリア37が設けられている。一実施の形態では、リモートコントローラ30側に設定エリア37が設けられ、ディレクタが番組のオンエアの前に例えばリハーサル時に各種の設定を行うようになされている。設定エリア37は、概略的に示されいるが、設定項目を選択するエリアと、選択された設定項目を増加/減少させるエリアとを含んでいる。
【0035】
設定項目の一例は、音声のレベルを減少(フェードアウト)させる場合の遷移時間と、音声のレベルを増加(フェードイン)させる場合の遷移時間と、音声のレベルを下げる場合のゲイン下げ量(レベルダウン)とである。さらに、ゲイン下げ量は、個々のマイクロホンに関して独立して設定可能とされている。出演者の声量の大小を考慮してゲイン下げ量が設定される。具体的には、フェードイン時の遷移時間およびフェードアウト時の遷移時間のそれぞれの時間設定が0〜10秒の範囲で0.1秒単位で設定可能とされる。ゲイン下げ量は、各マイクロホンに関して0〜−20dBの範囲で1dB単位で設定可能とされる。
【0036】
図2に示すように、リモートコントローラ20は、制御部41と、キー入力部42と、表示部43と、カウンタ部44と、通信部45とから構成される。リモートコントローラ30も同様の構成を有する。制御部41は、例えばCPU(Central Processing Unit )などにより構成されるマイクロコンピュータである。制御部41は、メモリに記憶されているプログラムを実行することにより、リモートコントローラ20の各部を統括的に制御する。
【0037】
キー入力部42がタッチパネルの操作キーエリア21に対応する。表示部43が表示エリア22に対応する。カウンタ部44は、タイマーの機能を実現したり、残時間を求めたりするのに使用される。通信部45が音声調整装置10との間の有線または無線の通信を行う部分である。
【0038】
「一実施の形態の動作」
上述したこの発明の一実施の形態の動作について図3のタイミングチャートを参照して説明する。図3は、ゲインコントロールの一例を概略的に示す。一例として、マイクロホンMIC1が司会者SP1用のマイクロホンであり、3人の出演者SP2、SP3およびSP4に対応してマイクロホンMIC2、MIC3およびMIC4が設けられている。
【0039】
タイミングt1において、司会者がリモートコントローラ20の操作キーエリア21における出演者SP2を指定するスイッチを押す。司会者SP1のマイクロホンMIC1の音声に対するゲインG1と出演者SP2のマイクロホンMIC2の音声に対するゲインG2以外の出演者のマイクロホンの音声のゲインが下げられる。すなわち、出演者SP3のマイクロホンMIC3の音声に対するゲインG3および出演者SP4のマイクロホンMIC4の音声に対するゲインG4がt1からt2に向って徐々に低下される。フェードアウト動作がなされる。t1〜t2の期間が遷移時間である。タイミングt1から制限時間の計測動作が開始する。
【0040】
出演者SP2以外の出演者が同時に発声しても、ゲインが異なるので、出演者SP2の話が番組の視聴者にとって分かり易く聴こえる。なお、各自の初期的なゲインを等しくする必要はない。ゲイン下げ量が各出演者に応じてディレクタ用リモートコントローラ30によって予め設定されている。
【0041】
そして、司会者が中心となる出演者を別の出演者に切り替える操作を行わない場合、またはディレクタ用リモートコントローラ30からの指示がない場合には、制限時間経過後のタイミングt3から出演者SP3およびSP4のマイクロホンMIC3およびMIC4の音声に対するゲインが徐々に増加する。フェードイン動作がなされる。t3〜t4の期間が遷移時間である。フェードアウト動作およびフェードイン動作によってゲインの制御が視聴者に違和感を与えることを回避できる。
【0042】
図4のフローチャートにおいて、ステップS1で討論会の番組が開始する。例えばこの番組が生放送される。ステップS2において、出演者SP2が話し始める。ステップS3において、司会者が出演者SP2を選択したか否かが判定される。
【0043】
司会者がリモートコントローラ20の操作キーエリア21における出演者SP2を指定するスイッチを押すと、出演者SP2が選択される。出演者SP2(マイクロホンMIC2)が選択されたことを示すコントロール信号が音声調整装置10に対して送信される。
【0044】
音声調整装置10は、司会者のマイクロホンMIC1からの音声および出演者SP2のマイクロホンMIC2からの音声以外の出演者の音声のゲインを下げる。したがって、出演者SP2以外の出演者の音声のレベルが低下し、出演者SP2の話す内容が聴き取り易くなる。同時に、ステップS6において、出演者SP2の前の表示灯L2が点灯する。表示灯L2の点灯によって出演者SP2は、自身が選択されたことを知ることができる。
【0045】
ステップS5で示すように、ディレクタがリモートコントローラ30を操作してディレクタの意図した出演者を選択する場合がある。この場合は、時間的に後からなされたリモートコントローラ30による指定がリモートコントローラ20の指定に対して優先する。すなわち、リモートコントローラ30の指定が有効となり、ステップS4およびステップS6では、ディレクタの指定した出演者以外の音声のレベルが下げられると共に、ディレクタの指定した出演者の前の表示灯が点灯する。
【0046】
ステップS7においては、タイマーで設定された制限時間が経過したか否かが判別される。制限時間が経過したと判定されると、ステップS8において、司会者および出演者SP2以外の音声に対するゲインが元の値に復帰する。そして、処理がステップS2に戻り、出演者が話始めると、上述したのと同様の動作がなされる。
【0047】
「変形例」
この発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。リモートコントローラをタッチパネルの構成とし、予め討論会に出演している人の人数と名前を登録しておくことによってパネル上に設定内容を表示するようにしても良い。但し、リモートコントローラは、タッチパネルの入力装置に限らず,機械式スイッチを使用するものでも良い。
【0048】
リモートコントローラの操作によって選択された話し手の情報を映像装置に制御信号として供給して映像装置を制御しても良い。例えば選択された人にスイッチャーを切り替えたり、選択された人の画像を自動的に大きくしたり、選択されていない人の画像を逆に小さくすることができる。さらに、選択された出演者の名前の文字を自動的に画面上に表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明の一実施の形態による音声調整システムのブロック図である。
【図2】この発明の一実施の形態におけるリモートリモートコントローラの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施の形態の制御動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】この発明の一実施の形態の制御動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
MIC1〜MICn・・・マイクロホン
L1〜Ln・・・表示灯
1・・・レベルコントロール装置
10・・・音声調整装置
20・・・司会者用リモートコントローラ
21・・・操作キーエリア
22・・・表示エリア
23・・・タイマー設定ボタン
30・・・ディレクタ用リモートコントローラ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンと、
特定の話し手の操作によって上記複数のマイクロホンの一つを指定するスイッチ、上記指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号を送信する通信部とを有するリモートコントローラと、
上記複数のマイクロホンからの音声信号と上記リモートコントローラからの上記コントロール信号が入力され、上記スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、上記コントロール信号によって、上記指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの上記音声信号のゲインを低下させるゲイン制御部と
を備える音声調整システム。
【請求項2】
上記複数のマイクロホンのそれぞれの近傍に複数の表示素子が設けられ、
上記表示灯素子の点灯/消灯によって、上記リモートコントローラにおいて指定されたマイクロホンを識別可能とした請求項1に記載の音声調整システム。
【請求項3】
上記制限時間の長さを設定する時間設定部を上記リモートコントローラが有する請求項1に記載の音声調整システム。
【請求項4】
上記音声信号のゲインの低下量を上記リモートコントローラが設定する請求項1に記載の音声調整システム。
【請求項5】
上記ゲイン制御部が上記音声信号のゲインを徐々に変化させる請求項1に記載の音声調整システム。
【請求項6】
複数の上記リモートコントローラを有し、
時間的に後に上記スイッチが操作されたリモートコントローラによる上記マイクロホンの指定を有効とする請求項1に記載の音声調整システム。
【請求項7】
特定の話し手の操作によって、複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンの一つを指定するスイッチと、
上記指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号をゲイン制御部に送信する通信部とを備え、
上記ゲイン制御部に対して、上記スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、上記指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの上記音声信号のゲインを低下させる動作を行わせる音声調整用リモートコントローラ。
【請求項8】
上記制限時間の長さを設定する時間設定部を有する請求項7記載の音声調整用リモートコントローラ。
【請求項9】
さらに表示部を有し、
上記表示部に上記制限時間の残り時間を表示する請求項7記載の音声調整用リモートコントローラ。
【請求項10】
リモートコントローラにおいて、特定の話し手のスイッチ操作によって、複数の話し手用に設置された複数のマイクロホンの一つを指定するステップと、
上記リモートコントローラが上記指定されたマイクロホンの識別情報を有するコントロール信号をゲイン制御部に送信するステップと、
上記コントロール信号を受信することによって、上記スイッチの一つが操作されると開始する制限時間の期間、ゲイン制御部が上記指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの上記音声信号のゲインを低下させるステップと、
上記ゲイン制御部によって、上記制限時間が経過すると、上記指定されたマイクロホン以外のマイクロホンからの上記音声信号のゲインを復帰させるステップと
を備える音声調整方法。
【請求項11】
一のリモートコントローラによって上記マイクロホンの指定がなされた後に、他のリモートコントローラによって上記マイクロホンの指定がなされる場合に、上記他のリモートコントローラによる指定を上記一のリモートコントローラによる指定より優先させる請求項9記載の音声調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−98562(P2010−98562A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−268275(P2008−268275)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【出願人】(390005223)株式会社タムラ製作所 (526)
【Fターム(参考)】