説明

音声通信システムおよび音声通信方法

【課題】音声通信システムは、災害による輻輳が発生しても、限られたユーザ間で、直接に呼処理を可能とする。
【解決手段】音声通信システム50は、呼処理制御サーバ30と各端末10が接続されて構成される。呼処理制御サーバ30は、各端末10の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する記憶部と、各端末10のネットワークアドレスに基き、呼処理を行う呼処理制御部と、番号登録処理部とを有している。各端末10は、対向装置端末の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する記憶部と、対向装置端末のネットワークアドレスに基き、直接に呼処理を行う呼処理制御部とを有している。呼処理制御サーバ30は、第1の端末10から第2の端末10の電話番号を受信したとき第2の端末10のネットワークアドレスを検索して第1の端末10に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IP(Internet Protocol)網を介して音声通信を行うシステムに於いて、端末が呼処理制御サーバに接続するか否かを切り替える手順を備えた音声通信システムおよび音声通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、IP網を介して音声通信を行う大規模ネットワークに於いて、各端末が、全ての対向端末の接続先を保持することは効率が悪い。また、各端末が呼処理して対向端末に接続するように構成すると、音声通信システムは、呼の状態を把握できなくなる。そのため、音声通信を行う大規模ネットワークでは、呼処理を制御する呼処理制御サーバが、各端末間の呼処理を行い、音声通信を実現している。
【0003】
しかしながら、呼処理制御サーバは、コストなどの関係から全てのユーザが同時に通信できる処理能力を備えていない。災害発生の際などに於いて、多くのユーザが同時に音声通信システムに接続した場合には、接続が実現できない状況(輻輳)が発生しうる。
【0004】
現状、音声通信システムは、災害時の輻輳により、他のユーザへ接続できない場合でも、家族などの限られたユーザにだけは接続を行い、安否などの情報を通知することが望まれている。
【0005】
非特許文献1には、サードパーティ呼処理に関する発明が記載されている。サードパーティ呼処理とは、1つのエンティティが、他のパーティ間で行われている通信により、呼を作成する機能を指す。非特許文献1によれば、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol)内で規定されているメカニズムを使用して、サードパーティ呼処理を実現することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J. Rosenberg、J. Peterson、H. Schulzrinne、G. Camarillo、「セッション開始プロトコルにおけるサードパーティ呼制御(3pcc)の現時点でのベストプラクティス」、[online]、April 2004、Network Working Group、[平成23年9月30日検索]、インターネット(URL:http://www.softfront.co.jp/tech/ietfdoc/trans/rfc3725j.txt)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載されている発明は、限られたユーザ間で直接に呼処理して、対向端末との間の音声通信を行うには有効である。しかし、非特許文献1には、端末に対向端末の情報を設定する方法が記載されておらず、端末に直接通信を許可する方法についても記載されていない。
そこで、本発明は、所定の条件下に於いて、限られたユーザ間で直接に呼処理することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明では、呼処理制御サーバと各端末とが接続されている音声通信システムに於いて、前記呼処理制御サーバは、前記各端末の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第1の記憶部と、前記各端末のネットワークアドレスに基き、前記各端末間での呼処理を行う第1の呼処理制御部と、番号登録処理部と、を有し、前記端末は、対向装置の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第2の記憶部と、前記対向装置のネットワークアドレスに基き、前記対向装置との間で直接に呼処理を行う第2の呼処理制御部と、を有し、前記呼処理制御サーバの前記番号登録処理部は、第1の端末から第2の端末の電話番号を受信したとき、前記第1の記憶部に基いて、前記第2の端末のネットワークアドレスを検索し、当該第2の端末のネットワークアドレスを、前記第1の端末に送信すること、を特徴とする音声通信システムとした。
【0009】
請求項8に記載の発明では、呼処理制御サーバと各端末とが接続されている音声通信システムが行う音声通信方法に於いて、前記呼処理制御サーバは、前記各端末の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第1の記憶部と、前記各端末のネットワークアドレスに基き、前記各端末間での呼処理を行う第1の呼処理制御部と、番号登録処理部と、を有し、前記端末は、対向装置の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第2の記憶部と、前記対向装置のネットワークアドレスに基き、前記対向装置との間で直接に呼処理を行う第2の呼処理制御部と、を有し、第1の端末が第2の端末の電話番号を送信したとき、前記呼処理制御サーバの前記番号登録処理部は、前記第1の記憶部に基いて、前記第2の端末のネットワークアドレスを検索し、当該第2の端末のネットワークアドレスを、前記第1の端末に送信すること、を特徴とする音声通信方法とした。
【0010】
このようにすることで、本発明によれば、第1の端末の第2の呼処理制御部は、対向装置である第2の端末のネットワークアドレスに基き、第2の端末との間で直接に呼処理を行うことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、前記呼処理制御サーバの前記第1の記憶部は、前記各端末の電話番号、ネットワークアドレス、および、直接通話に於ける接続情報の関係を記憶し、前記番号登録処理部は、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを切り替えること、を特徴とする請求項1に記載の音声通信システムとした。
【0012】
このようにすることで、本発明によれば、呼処理制御サーバは、各端末の直接通話に於ける接続情報の関係に基き、第2の端末のネットワークアドレスを第1の端末に送信するか否かを切り替えること、ができる。すなわち、第2の端末の意思により、直接通話を許容するか拒否するかを切り替えることができる。
【0013】
請求項3に記載の発明では、前記番号登録処理部は更に、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報に基き、前記第2の端末への確認処理または前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信する処理、を行うか否かを切り替え、更に前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを切り替えること、を特徴とする請求項2に記載の音声通信システムとした。
【0014】
このようにすることで、本発明によれば、更に、第2の端末の確認により、第1の端末との直接通話を許容するか拒否するかを切り替えることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、前記番号登録処理部は、前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するとき、更に前記第1の端末のネットワークアドレスを前記第2の端末に送信すること、を特徴とする請求項2に記載の音声通信システムとした。
【0016】
このようにすることで、本発明によれば、呼処理制御サーバは、第2の端末から第1の端末への直接通話の登録を、第1の端末から第2の端末への直接通話の登録と同時に行うことができる。
【0017】
請求項5に記載の発明では、前記番号登録処理部は更に、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報が未登録であったとき、前記第1の端末と前記第2の端末の電話番号との対応を記憶し、前記第2の端末の接続情報が登録されたとき、前記第2の端末の接続情報に基いて、前記第2の端末への確認処理または前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信する処理、を行うか否かを切り替え、更に前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを切り替えること、を特徴とする請求項2に記載の音声通信システムとした。
【0018】
このようにすることで、本発明によれば、第2の端末の接続情報の登録と、第1の端末の番号登録とが前後した場合でも、番号登録処理を行うことができる。
【0019】
請求項6に記載の発明では、前記呼処理制御サーバは、所定地域に於ける災害またはイベントを検知したならば、前記所定地域に位置する地域内端末に直接通話許可情報を送信し、前記地域内端末は、直接通話許可情報を受信したのちに前記第2の記憶部に記憶されている前記対向装置の電話番号がダイヤルされたならば、前記第2の呼処理制御部は、ダイヤルされた当該対向装置のネットワークアドレスに基いて、当該対向装置との間で直接に呼処理を行う、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の音声通信システムとした。
【0020】
このようにすることで、本発明によれば、災害またはイベントに係る所定地域に位置している端末は、直接通話を行うことができる。
【0021】
請求項7に記載の発明では、前記呼処理制御サーバは、前記所定地域に於ける災害またはイベントを検知したならば、更に前記地域内端末が記憶している前記対向装置にも、当該対向装置が記憶している前記地域内端末への直接通話許可情報を送信し、前記対向装置は、前記地域内端末への直接通話許可情報を受信したのちに前記第2の記憶部に記憶されている前記地域内端末の電話番号がダイヤルされたならば、前記第2の呼処理制御部は、ダイヤルされた当該地域内端末のネットワークアドレスに基いて、当該地域内端末との間で直接に呼処理を行う、ことを特徴とする請求項6に記載の音声通信システムとした。
【0022】
このようにすることで、本発明によれば、災害またはイベントに係る所定地域に位置している端末は、直接通話を行うことができ、更に、災害またはイベントに係る所定地域の外に位置している端末から、この所定地域に位置している端末への直接通話を行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、所定の条件下に於いて、限られたユーザ間で直接に呼処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
【図2】第1の実施形態に於ける端末を示す概略の構成図である。
【図3】第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。
【図4】第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバの番号登録処理を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバの災害時処理を示すフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に於ける端末の発信処理を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に於ける災害時の処理を示すシーケンス図である。
【図8】第2の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
【図9】第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。
【図10】第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバの番号登録処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバの接続情報登録処理を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施形態に於ける平常時の登録処理を示すシーケンス図である。
【図13】第3の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
【図14】第3の実施形態に於ける端末を示す概略の構成図である。
【図15】第3の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。
【図16】第3の実施形態に於ける呼処理制御サーバの災害時処理を示すフローチャートである。
【図17】第3の実施形態に於ける端末の発信処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以降、本発明を実施するための形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0026】
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
音声通信システム50は、呼処理制御サーバ30と、複数の端末10−1〜10−3とを備えている。これら端末10−1〜10−3を特に区別しないときには、以下端末10と記載する。
音声通信システム50は、各端末10間の音声通信を実現するものである。
端末10は、例えばIP電話であり、対向装置(他の端末10)の電話番号をダイヤルすることにより、当該対向装置との音声通信を行うものである。
【0027】
呼処理制御サーバ30は、例えばセッション開始プロトコルにより、各端末10から対向装置である他の端末10への呼処理を行うものである。呼処理制御サーバ30は、単一のコンピュータで構成してもよく、複数のサーバコンピュータ群によって構成してもよい。
ネットワーク100は、例えばIP網であり、音声パケットや呼処理パケットを通信するものである。
【0028】
呼処理制御サーバ30と、複数の端末10−1〜10−3とは、それぞれネットワーク100を介して相互に接続されている。端末10−1〜10−3は、災害発生地域に位置している。
図2(a),(b)は、第1の実施形態に於ける端末を示す概略の構成図である。
図2(a)は、端末10の全体構造を示す図である。
端末10は、処理部11と、音声入出力部15と、キー入力部16と、表示部17と、通信部18と、記憶部20(第2の記憶部)とを有している。
【0029】
処理部11は、端末10全体の処理を行うものである。処理部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)がROM(Read Only Memory)またはRAM(Random Access Memory)からプログラムとデータとを読込んで実行することにより具現化されるものである。
音声入出力部15は、例えばマイクとスピーカとであり、音声と電気信号との相互変換処理を行うものである。
キー入力部16は、例えばテンキーまたは十字キーであり、対向装置である他の端末10の番号などの情報を入力するものである。
表示部17は、例えば液晶ディスプレイであり、キー入力部16が入力した情報を表示するものである。
通信部18は、音声パケットや呼処理パケットを生成して、ネットワーク100を介して送受信するものである。
記憶部20は、例えばRAM、HDD(Hard Disk Drive)などであり、種々の情報を記憶するものである。
【0030】
処理部11と、音声入出力部15と、キー入力部16と、表示部17と、通信部18と、記憶部20とは、バスを介して相互に接続されている。通信部18は、ネットワーク100に接続されている。
処理部11は、呼処理制御部12(第2の呼処理制御部)と、QoS(Quality of Service)制御部13とを有している。
呼処理制御部12は、他の対向装置との間で呼処理を行うものである。
QoS制御部13は、音声通話の品質を落として、狭帯域で通信することでネットワーク100自体の輻輳を抑止し、他の対向装置との間で音声通信を可能とするものである。
【0031】
記憶部20(第2の記憶部)は、対向装置テーブル21と、災害フラグ22と、ガイダンス音声ファイル23とを有している。
対向装置テーブル21は、対向装置である他の端末10の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶するものである。ここで対向装置とは、当該端末10が音声通信を直接行うことが可能な他の端末のことをいう。
災害フラグ22は、災害が発生したか否かを示す情報である。
ガイダンス音声ファイル23は、当該端末10のユーザに報知するガイダンス音声のファイルである。
対向装置テーブル21と、災害フラグ22と、ガイダンス音声ファイル23とは、例えばフラッシュメモリ、バッテリバックアップされたRAM、HDDなどのように、電源OFFによっても情報が消去されない部分に記憶されている。
【0032】
図2(b)は、対向装置テーブル21の構造を示す図である。
対向装置テーブル21は、電話番号欄21aと、ネットワークアドレス欄21bとを有している。
電話番号欄21aは、当該端末10が音声通信を直接行うことが可能な対向装置(端末10)の電話番号情報を記憶するものである。
ネットワークアドレス欄21bは、対向装置である端末10のネットワークアドレス情報を記憶するものである。
【0033】
図3(a),(b)は、第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。
図3(a)は、呼処理制御サーバ30の全体構造を示す図である。
呼処理制御サーバ30は、処理部31と、キー入力部36と、表示部37と、通信部38と、記憶部40(第1の記憶部)とを有している。
処理部31は、呼処理制御サーバ30全体の処理を行うものである。処理部31は、例えばCPUがROM、RAM、HDDからプログラムとデータとを読込んで実行することにより具現化されるものである。
キー入力部36は、例えばキーボードであり、この呼処理制御サーバ30の設定情報を入力するものである。
表示部37は、例えば液晶ディスプレイであり、キー入力部16が入力した情報を表示するものである。
通信部38は、例えばネットワークインタフェースカードであり、呼処理パケットなどをネットワーク100を介して送受信するものである。
記憶部40(第1の記憶部)は、例えばRAM、HDDなどであり、種々の情報を記憶するものである。
【0034】
処理部31と、キー入力部36と、表示部37と、通信部38と、記憶部40とは、バスを介して相互に接続されている。更に通信部38は、ネットワーク100に接続されている。
処理部31は、呼処理制御部32(第1の呼処理制御部)と、QoS制御部33と、番号登録処理部34とを有している。
呼処理制御部32は、各端末10のネットワークアドレスに基き、各端末10間での呼処理を行うものである。
QoS制御部33は、ネットワーク100の帯域に応じて音声通話の品質を制御するものである。
番号登録処理部34は、直接通話を行う対向装置の番号登録を行うものである。
記憶部40(第1の記憶部)は、呼情報テーブル41と、ガイダンス音声ファイル43とを有している。
呼情報テーブル41は、各端末10の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶するものである。第1の実施形態に於いて、呼情報テーブル41のエントリは、各端末10のユーザが電気通信事業者に直接通話サービスを申し込むことによって作成される。
ガイダンス音声ファイル43は、各端末10のユーザに報知するガイダンス音声のファイルである。
【0035】
図3(b)は、呼情報テーブル41の構造を示す図である。
呼情報テーブル41は、電話番号欄41aと、ネットワークアドレス欄41bと、接続情報欄41cとを有している。
電話番号欄41aは、各端末10の電話番号情報を記憶するものである。
ネットワークアドレス欄41bは、各端末10のネットワークアドレス情報を記憶するものである。
接続情報欄41cは、各端末10の接続情報を記憶するものである。ここで接続情報とは、他の端末10からの直接通話を許容するか、その都度確認するか、拒否するかを示すものである。
【0036】
(第1の実施形態の動作)
図4は、第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバの番号登録処理を示すフローチャートである。
災害が発生していない平常時に、端末10(図2)が所定の電話番号との音声通話を開始すると、呼処理制御サーバ30(図3)の番号登録処理が開始する。ここで、所定の電話番号とは、自動応答によって直接通話の番号登録を行うものをいう。
【0037】
当該処理が開始すると、ステップS10に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34(図3)は、当該端末10(図2)に、登録したい対向装置の電話番号をダイヤルするよう促すメッセージを流す。
【0038】
ステップS11に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10が対向装置の電話番号をダイヤルしたか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS11の処理を繰り返し、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS12の処理を行う。
【0039】
すなわち、ステップS11の処理により、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10(第1の端末)から対向装置(第2の端末)の電話番号を受信する。
【0040】
ステップS12に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、呼情報テーブル41に基き、対向装置の接続情報を判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置の接続情報が「拒否」であったならば、ステップS13の処理を行い、対向装置の接続情報が「許容」であったならば、ステップS15の処理を行い、対向装置の接続情報が「都度確認」であったならば、ステップS18の処理を行う。
【0041】
すなわち、ステップS12の処理により、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置(第2の端末)の接続情報に基き、対向装置(第2の端末)への確認処理または対向装置(第2の端末)のネットワークアドレスを当該端末10(第1の端末)に送信する処理を行うか否かを切り替える。
【0042】
ステップS13に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置が拒否状態である旨のガイダンス音声を、当該端末10に流す。
ステップS14に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10との通話を終了し、図4の処理を終了する。
ステップS15に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10に対向装置を登録する旨のガイダンス音声を流す。
ステップS16に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10との通話を終了する。
【0043】
ステップS17に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10に、対向装置のネットワークアドレス情報を送信し、図4の処理を終了する。当該端末10は、対向装置のネットワークアドレス情報を取得して、対向装置テーブル21に記憶する。これにより、当該端末10は、対向装置と直接に呼処理するための情報が取得できる。
すなわち、ステップS17の処理により、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、呼情報テーブル41に基いて、対向装置(第2の端末)のネットワークアドレスを検索し、この対向装置(第2の端末)のネットワークアドレスを、当該端末(第1の端末)に送信する。
【0044】
ステップS18に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置に確認する旨のガイダンス音声を、当該端末10に流す。
ステップS19に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10との通話を終了する。
【0045】
ステップS20〜S26は、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34が、対向装置に登録してよいか否かを確認し、確認処理の結果に基き、対向装置(第2の端末)のネットワークアドレスを当該端末10(第1の端末)に送信するか否かを切り替えるものである。
ステップS20に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置に自動でコールする。
【0046】
ステップS21に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置に着信したか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS23の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS22の処理を行う。
【0047】
ステップS22に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置へのコールを規定回数だけ行ったか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図4の処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS20の処理に戻る。
【0048】
ステップS23に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置に、当該端末10に登録してよいか意思確認するガイダンス音声を流す。このガイダンス音声は、例えば、「電話番号XXX−XXX−XXXXに登録してもよいときには『1』のキーを押してください。この登録を拒否するときには、『2』のキーを押してください。」などである。
【0049】
ステップS24に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置が登録を許容したか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、例えば、ステップS23で流したガイダンス音声に対応する「1」キー、または、「2」キーのいずれかが押されたことで、対向装置が登録を許容したか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS25の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS26の処理を行う。
【0050】
ステップS25に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、当該端末10に対向装置のネットワークアドレス情報を送信する。これにより、ステップS17と同様に、当該端末10は、対向装置と直接に呼処理するための情報が取得できる。
ステップS26に於いて、呼処理制御サーバ30の番号登録処理部34は、対向装置との通話を終了し、図4の処理を終了する。
【0051】
図5は、第1の実施形態に於ける呼処理制御サーバの災害時処理を示すフローチャートである。
所定の災害が発生すると、呼処理制御サーバ30は災害時処理を開始する。
処理が開始すると、ステップS30〜S32に於いて、呼処理制御サーバ30の処理部31は、災害発生地域の全端末10について繰り返す。以下、図5の説明に於いて、この処理中の端末10のことを、当該端末10という。
【0052】
ステップS31に於いて、呼処理制御サーバ30の処理部31は、災害検知情報(直接通話許可情報)を当該端末10に配信する。各端末10は、災害検知情報を受信したとき、災害フラグ22をONする。
【0053】
ステップS32に於いて、呼処理制御サーバ30の処理部31は、災害発生地域の全端末10について繰り返したか否かを判断する。呼処理制御サーバ30の処理部31は、当該判断条件が成立していなかったならば、ステップS30の処理に戻り、当該判断条件が成立したならば、図5の処理を終了する。
【0054】
この災害時発生処理により、呼処理制御サーバ30は、災害発生地域の全ての端末10に災害検知情報を配信し、各端末10の災害フラグ22をONして直接通話が可能なモードに遷移させることができる。呼処理制御サーバ30からの配信であるため、配信制御が可能であり、輻輳を引き起こす可能性は少ない。
【0055】
図6は、第1の実施形態に於ける端末の発信処理を示すフローチャートである。端末10は、電源がオンされることにより、図6の処理を開始する。
処理を開始すると、ステップS40に於いて、端末10の処理部11は、キー入力部16によって、対向装置のダイヤル番号の受付を行う。
ステップS41に於いて、端末10の処理部11は、対向装置の電話番号がダイヤルされたか否かを判断する。端末10の処理部11は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS41の処理に戻り、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS42の処理を行う。
【0056】
ステップS42に於いて、端末10の処理部11は、災害フラグ22がONであるか否かを判断する。端末10の処理部11は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS44の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS43の処理を行う。
【0057】
ステップS43に於いて、端末10の処理部11は、ダイヤルされた電話番号が対向装置テーブル21に存在するエントリと一致するか否かを判断する。端末10の処理部11は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS44の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS45の処理を行う。
ステップS44に於いて、端末10の処理部11は、呼処理制御サーバ30に接続してダイヤル番号に発信し、図6の発信処理を終了する。
ステップS45に於いて、端末10の処理部11は、音声品質が落ちる旨をガイダンス音声で通知する。
【0058】
この処理で発信された音声通信は、呼処理制御サーバ30の管理対象外となるため、帯域管理などの品質管理が行えない。狭帯域でも通話可能なように、端末10は、音声品質を落としているので、その旨を通話開始前にユーザに通知している。
【0059】
ステップS46に於いて、端末10の処理部11は、呼処理制御サーバ30を介さずに、ダイヤルされた電話番号で示される対向装置のネットワークアドレスに直接に接続して発信する。ステップS46の処理が終了すると、端末10の処理部11は、図6の発信処理を終了する。
【0060】
ステップS46の処理で発信された音声通話は、呼処理制御サーバ30を介していないため、呼処理制御サーバ30の輻輳の影響を受けない。よって、音声通信システム50は、災害の発生により輻輳が発生しても、各端末10が直接に呼処理制御を行い、音声通話を行うことが可能となる。
【0061】
また、各端末10は、災害フラグ22によって、所定の条件のときに限り、ステップS46の処理を行うようにしている。これにより、音声通信システム50は、各端末10が無秩序に呼処理を行うことを抑止可能である。
さらに、各端末10は、対向装置テーブル21に登録された他の端末10のみに、直接に呼処理制御を行うようにしている。これにより、音声通信システム50は、各端末10が無制限に他の端末10に呼処理を行うことを抑止可能である。
【0062】
図7は、第1の実施形態に於ける災害時の処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ10〜Q12は、災害発生時の各端末10への登録処理である。
処理を開始すると、シーケンスQ10に於いて、呼処理制御サーバ30の処理部31は、所定の災害を検知する。
シーケンスQ11に於いて、呼処理制御サーバ30の処理部31は、各端末10−1〜10−3に、災害検知情報を送信する。
シーケンスQ12に於いて、端末10−1〜10−3は、それぞれの災害フラグ22をONにする。
【0063】
シーケンスQ20〜Q24は、災害時に於ける登録番号への接続処理である。
シーケンスQ20に於いて、音声通信システム50は、呼処理制御サーバ30に於いて、輻輳が発生する。
シーケンスQ21に於いて、端末「A」10−1の処理部11は、端末「B」10−2の電話番号Bをダイヤルする。
シーケンスQ22に於いて、端末「A」10−1の処理部11は、音声品質が落ちる旨をガイダンス音声で通知する。
シーケンスQ23に於いて、端末「A」10−1の呼処理制御部12は、直接に端末「B」10−2に接続する。
シーケンスQ23に於いて、端末「A」10−1と端末「B」10−2とは、音声通話を行う。
【0064】
シーケンスQ30〜Q32は、災害時に於ける登録されていない番号への接続処理である。
シーケンスQ30に於いて、端末「A」10−1の処理部11は、端末「C」10−3の電話番号Cをダイヤルする。
シーケンスQ31に於いて、端末「A」10−1の処理部11は、端末「C」10−3との呼処理制御のため、呼処理制御サーバ30に接続する。
シーケンスQ32に於いて、呼処理制御サーバ30は、輻輳が発生しているため、端末「C」10−3との呼処理制御が極めて困難な状況にある。
【0065】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(B)のような効果がある。
【0066】
(A) 各端末10は、災害時の輻輳が発生しても、直接の呼処理によって、対向装置テーブル21に登録された端末10に音声通話することができる。
【0067】
(B) 各端末10は、災害フラグ22によって、所定の条件のときに限り、直接の呼処理を行うようにしている。これにより、音声通信システム50は、各端末10が無秩序に、直接の呼処理を行うことを抑止可能である。
【0068】
(C) 各端末10は、対向装置テーブル21に登録された他の端末10のみに、直接に呼処理制御を行うようにしている。これにより、音声通信システム50は、各端末10が無制限に他の端末10に直接の呼処理を行うことを抑止可能である。
【0069】
(第2の実施形態の構成)
図8は、第2の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
第2の実施形態の音声通信システム50Aは、第1の実施形態の音声通信システム50に加えて更に、コンピュータ「A」60−1と、コンピュータ「B」60−2と、を備えている。コンピュータ「A」60−1と、コンピュータ「B」60−2とは、ネットワーク100に接続されている。以下、各コンピュータ「A」60−1、コンピュータ「B」60−2などを区別しない場合には、単にコンピュータ60と記載する。
【0070】
コンピュータ「A」60−1は、内蔵したブラウザソフトウェアを介して呼処理制御サーバ30Aに接続し、端末「A」10−1の番号登録処理などを行うものである。
【0071】
同様に、コンピュータ「B」60−2は、内蔵したブラウザソフトウェアを介して呼処理制御サーバ30Aに接続し、端末「B」10−2の番号登録処理などを行うものである。
【0072】
第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバ30Aは、番号登録処理URL(Uniform Resource Locator)と、接続情報登録処理URLとを有している。呼処理制御サーバ30Aは、例えば、コンピュータ「A」60−1のブラウザソフトウェアが番号登録処理URLにアクセスしたとき、コンピュータ「A」60−1に直接通話の番号登録WEB(World Wide Web)ページを送信し、コンピュータ「A」60−1のブラウザソフトウェアが接続情報登録処理URLにアクセスしたとき、コンピュータ「A」60−1に接続情報の登録WEBページを送信する。第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバ30Aの動作は、後記する図10で詳細に説明する。
第2の実施形態の端末10は、第1の実施形態の端末10(図2)と同様の構成である。
【0073】
図9(a),(b)は、第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。第1の実施形態の呼処理制御サーバ30(図3)と同一の要素には同一の符号を付与している。
図9(a)は、呼処理制御サーバ30Aの全体構造を示す図である。
【0074】
第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aは、第1の実施形態の呼処理制御サーバ30(図3)の処理部31とは異なる処理部31A(図9)を有し、第1の実施形態の呼処理制御サーバ30(図3)の記憶部40とは異なる記憶部40A(図9)を有している他は、第1の実施形態の呼処理制御サーバ30(図3)と同様の構成である。
【0075】
第2の実施形態の処理部31Aは、第1の実施形態の処理部31(図3)に加えて、接続情報登録処理部35を有している他は、第1の実施形態の処理部31(図3)と同様に構成されている。接続情報登録処理部35は、後記する図11で詳細に説明する。
【0076】
第2の実施形態の記憶部40Aは、第1の実施形態の呼情報テーブル41(図3)とは異なる呼情報テーブル41Aを有している他は、第1の実施形態の記憶部40(図3)と同様に構成されている。呼情報テーブル41Aは、後記する図10で詳細に説明する。
【0077】
第2の実施形態に於いて、呼情報テーブル41Aのエントリは、各端末10が設置されたときに、呼処理制御サーバ30Aと通信を行うことにより自動で作成される。このとき、接続情報欄41cは「未登録」となる。
【0078】
図9(b)は、呼情報テーブル41Aの構造を示す図である。
第2の実施形態の呼情報テーブル41Aは、第1の実施形態の呼情報テーブル41に加えて更に、許容電話番号欄41dを有している。
許容電話番号欄41dは、電話番号欄41aに係る端末10が、登録を許容する他の端末10に係る電話番号を記録する欄である。
【0079】
(第2の実施形態の動作)
図10は、第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバの番号登録処理を示すフローチャートである。
例えば、コンピュータ「A」60−1のブラウザソフトウェアが番号登録処理URLにアクセスしたときに、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、処理を開始する。
【0080】
処理を開始すると、ステップS50に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、当該端末10の電話番号と対向装置の電話番号との入力WEBページを、コンピュータ60に送信する。ここで当該端末10は、コンピュータ60のユーザが有しているものである。
【0081】
ステップS51に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、コンピュータ60から電話番号が入力されるまで待ち、ステップS52の処理を行う。
【0082】
ステップS52に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置の接続情報がいずれかを判断する。呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置の接続情報が「拒否」ならばステップS53の処理を行い、対向装置の接続情報が「許容」ならばステップS54の処理を行い、対向装置の接続情報が「未登録」ならばステップS57の処理を行い、対向装置の接続情報が「都度確認」ならばステップS59の処理を行う。
ステップS53に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置が拒否状態である旨のWEBページを送信し、図10の処理を終了する。
【0083】
ステップS54に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置を登録する旨のWEBページを、コンピュータ60に送信する。
ステップS55に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、当該端末10に対向装置のネットワークアドレス情報を送信する。
ステップS56に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置に当該端末10のネットワークアドレス情報を送信し、図10の処理を終了する。
【0084】
すなわち、ステップS55〜S56の処理に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置(第2の端末)のネットワークアドレスを当該端末10(第1の端末)に送信するとき、更に当該端末10(第1の端末)のネットワークアドレスを対向装置(第2の端末)に送信している。これにより、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、当該端末10と対向装置とに、1度で直接通話の登録処理を行うことができる。
【0085】
ステップS57に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置が未登録である旨のWEBページを、コンピュータ60に送信する。
ステップS58に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、呼情報テーブル41Aに於ける当該端末10のエントリの許容電話番号欄41dに、対向装置の電話番号を追加し、図10の処理を終了する。
このステップS58の処理により、当該端末10は、対向装置である他の端末10を登録しようとしたとき、他の端末10の接続情報欄41cが「未登録」であっても、この登録が拒絶されることがなくなる。
【0086】
ステップS59に於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置に確認する旨のWEBページを、コンピュータ60に送信する。
【0087】
ステップS20〜S22の処理は、第1の実施形態のステップS20〜S22(図4)の処理と同様である。
ステップS23Aに於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置にガイダンス音声で、当該端末10との直接通話を許容するか確認する。
【0088】
ステップS25Aに於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置が直接通話を許容するか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS26Aの処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS28Aの処理を行う。
ステップS26Aに於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置に当該端末10のネットワークアドレス情報を送信する。
ステップS27Aに於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、当該端末10に対向装置のネットワークアドレス情報を送信する。
ステップS28Aに於いて、呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理部34は、対向装置との通話を終了し、図10の処理を終了する。
【0089】
この番号登録処理に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、当該端末10に対向装置のネットワークアドレスを送信すると共に、対向装置である他端末10に当該端末10のネットワークアドレスを送信している。これにより、当該端末10と対向装置である他端末10とは、1度の登録処理で、両方の対向装置テーブル21にお互いを登録することができる。
【0090】
図11は、第2の実施形態に於ける呼処理制御サーバの接続情報登録処理を示すフローチャートである。第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aの呼情報テーブル41Aは、第1の実施形態とは異なり、最初にエントリが作成されたときには「未登録」である。ユーザは、呼処理制御サーバ30Aの呼情報テーブル41Aに接続情報を登録することによって、直接通話のサービスを受けることができるようになる。
【0091】
呼処理制御サーバ30Aは、例えば、コンピュータ「B」60−2のブラウザソフトウェアが直接通話登録処理URLにアクセスしたときに、この直接通話登録処理を開始する。以下、図11に於いて、アクセスしているコンピュータのユーザに係る端末10を「自端末10」という。
【0092】
直接通話登録処理を開始すると、ステップS70に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、接続情報の入力WEBページを、コンピュータ60に送信する。
ステップS71に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、接続情報が入力されたか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS71の処理に戻り、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS72の処理を行う。すなわち、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、接続情報が入力されるまで待つ。
ステップS72に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、登録終了した旨のWEBページを、コンピュータ60に送信する。
【0093】
ステップS73に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、接続情報が「拒否」であるか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、図11の処理を終了し、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS74の処理を行う。
【0094】
ステップS74に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、自端末10の電話番号が、呼情報テーブル41Aに於ける他端末10に係るエントリの許容電話番号欄41dに有るか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS75の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、図11の処理を終了する。
【0095】
ステップS75に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、接続情報が「都度確認」であるか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS76の処理を行い、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS79の処理を行う。
【0096】
ステップS76に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該他端末10と自端末10との直接通話を許容するか否かを確認するWEBページを、コンピュータ60に送信する。
ステップS77に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、自端末10の意思が「許容」であるか否かを判断する。呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS78の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS79の処理を行う。
【0097】
ステップS78に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該他端末10と自端末10との直接通話を拒否した旨のWEBページを送信し、図11の処理を終了する。
【0098】
ステップS79に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、自端末10に対向装置である当該他端末10のネットワークアドレス情報を送信する。
【0099】
ステップS80に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、対向装置である当該他端末10に自端末10のネットワークアドレス情報を送信する。
【0100】
ステップS81に於いて、呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理部35は、当該他端末10と自端末10との直接通話を許容した旨のWEBページを、コンピュータ60に送信し、図11の処理を終了する。
【0101】
すなわち、呼処理制御サーバ30Aは、端末10が接続情報を登録した際に、呼情報テーブル41Aの許容電話番号欄41dに当該端末10の電話番号が存在する場合、接続情報に応じた番号登録処理を行う。これにより、音声通信システム50Aは、端末10の接続情報の登録と、当該端末10の番号を登録する処理とが前後した場合でも、当該端末10の番号登録処理を行うことができる。
【0102】
図12は、第2の実施形態に於ける平常時の登録処理を示すシーケンス図である。
シーケンスQ40〜Q43は、図10に示す呼処理制御サーバの番号登録処理に対応している。
処理を開始すると、シーケンスQ40に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、コンピュータ「A」60−1に、電話番号入力WEBページを送信する。
【0103】
シーケンスQ41に於いて、コンピュータ「A」60−1は、呼処理制御サーバ30Aに、当該端末「A」10−1の電話番号Aと対向装置の電話番号Bを送信する。
シーケンスQ42に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、コンピュータ「A」60−1に、対向装置である端末「B」10−2の接続情報が未登録である旨を送信する。
シーケンスQ43に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、当該端末10の許容電話番号欄41dに電話番号Bを追加する。
【0104】
シーケンスQ50〜Q57は、図11に示す呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理に対応している。
シーケンスQ50に於いて、コンピュータ「B」60−2は、ブラウザソフトウェアを用いて、接続情報登録URLにアクセスする。
シーケンスQ51に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、コンピュータ「B」60−2に接続情報の入力WEBページを送信する。
シーケンスQ52に於いて、コンピュータ「B」60−2は、呼処理制御サーバ30Aに、接続情報が「都度確認」である旨を送信する。
【0105】
シーケンスQ53に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、コンピュータ「B」60−2に端末「A」10−1と端末「B」10−2との直接通話を確認するWEBページを送信する。
シーケンスQ54に於いて、コンピュータ「B」60−2は、呼処理制御サーバ30Aに直接通話を許容する旨を送信する。
シーケンスQ55に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、端末「B」10−2に、端末「A」10−1のネットワークアドレスを送信する。
シーケンスQ56に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、端末「A」10−1に、端末「B」10−2のネットワークアドレスを送信する。
シーケンスQ57に於いて、呼処理制御サーバ30Aは、コンピュータ「B」60−2に、直接通話を登録した旨のWEBページを送信する。
【0106】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(C),(D)のような効果がある。
【0107】
(C) 第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aは、番号登録処理に於いて、当該端末10に対向装置のネットワークアドレスを送信すると共に、対向装置である他端末10に当該端末10のネットワークアドレスを送信している。これにより、当該端末10と対向装置である他端末10とは、1度の番号登録処理で、両方の対向装置テーブル21にお互いを登録することができる。
【0108】
(D) 第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aは、接続情報登録処理で端末10が接続情報を登録した際、呼情報テーブル41Aの許容電話番号欄41dに当該端末10の電話番号が存在するならば、登録した接続情報に応じた番号登録処理を行う。これにより、音声通信システム50Aは、端末10の接続情報の登録と、当該端末10の番号を登録する処理とが前後した場合でも、当該端末10の番号登録処理を完了させることができる。
【0109】
(第3の実施形態の構成)
図13は、第3の実施形態に於ける音声通信システムを示す概略の構成図である。
第3の実施形態の音声通信システム50Bは、第2の実施形態の音声通信システム50Aの呼処理制御サーバ30A(図8)とは異なる呼処理制御サーバ30Bを有し、第1の実施形態の端末10−1〜10−3(図2)とは異なる端末10B−1〜10B−3を有している他は、第2の音声通信システム50A(図8)と同様に構成されている。以下、各端末10B−1〜10B−3などを区別しない場合には、単に端末10Bと記載する。
【0110】
更に第3の実施形態に於いて、端末「A」10B−1(地域内端末)のみが災害発生地域に位置しており、端末「B」10B−2と、端末「C」10B−3とは、災害発生地域の外に位置している点が、第2の実施形態の音声通信システム50A(図8)と異なっている。
【0111】
図14(a),(b)は、第3の実施形態に於ける端末を示す概略の構成図である。第1の実施形態の端末10(図2)と同一の要素には同一の符号を付与している。
図14(a)は、端末10Bの全体構造を示す図である。
【0112】
第3の実施形態の端末10Bは、第1の実施形態の端末10の記憶部20(図2)とは異なる記憶部20Bを有し、第1の実施形態の処理部11(図2)とは異なる処理部11Bを有している他は、第1の実施形態の端末10(図2)と同様に構成されている。
【0113】
第3の実施形態の記憶部20Bは、第1の実施形態の記憶部20の対向装置テーブル21(図2)とは異なる対向装置テーブル21Bを有している他は、第1の実施形態の記憶部20(図2)と同様に構成されている。
第3の実施形態の処理部11Bは、第1の実施形態の処理部11(図2)とは異なり、更に災害発生地域の外から災害発生地域に位置している端末10Bへの直接通話が可能である。
【0114】
図14(b)は、対向装置テーブル21Bの構造を示す図である。
第3の実施形態の対向装置テーブル21Bは、第1の実施形態の対向装置テーブル21(図2)に加えて更に、災害発生地域欄21cを有している。
災害発生地域欄21cは、当該エントリに係る端末10Bが、災害発生地域に位置しているか否かを示すフラグである。
【0115】
災害発生地域欄21cは、呼処理制御サーバ30Bから送信される情報によって設定される。災害発生地域欄21cは、当該端末10Bが当該エントリに係る端末10Bに直接通話を行うか否かの判断に用いられる。この図14(b)の例では、電話番号Aの端末10Bが、当該端末10Bの対向装置として登録されており、かつ、災害発生地域に位置していることを示している。
【0116】
図15(a),(b)は、第3の実施形態に於ける呼処理制御サーバを示す概略の構成図である。図9に示す第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aと同一の要素には同一の符号を付与している。
図15(a)は、呼処理制御サーバ30Bの全体構造を示す図である。
第3の実施形態の呼処理制御サーバ30Bは、第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aの記憶部40A(図9)とは異なる記憶部40Bを有している他は、第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aと同様に構成されている。
【0117】
第3の実施形態の記憶部40Bは、第2の実施形態の記憶部40Aの呼情報テーブル41A(図9)とは異なる呼情報テーブル41Bを有している他は、第2の実施形態の記憶部40Aと同様に構成されている。
【0118】
図15(b)は、呼情報テーブル41Bの構造を示す図である。
第3の実施形態の呼情報テーブル41Bは、第2の実施形態の呼情報テーブル41A(図9)に加えて、登録電話番号欄41eを有している。
登録電話番号欄41eは、当該エントリに係る端末10Bが、対向装置テーブル21Bに登録している電話番号を記憶するものである。
【0119】
登録電話番号欄41eは、当該エントリに係る端末10Bが災害発生地域に位置しているとき、当該端末10Bが対向装置テーブル21Bに記憶している対向装置である端末10Bに、当該端末10Bへの直接通話を許可するものである。
【0120】
図15に示す例では、最初のエントリの登録電話番号欄41eは、端末「A」10B−1が端末「C」10B−3を登録していることを示している。更に、3番目のエントリの登録電話番号欄41eは、端末「C」10B−3が端末「A」10B−1を登録していることを示している。すなわち、登録電話番号欄41eは、端末「A」10B−1が災害発生地域に位置しているとき、端末「C」10B−3から端末「A」10B−1への直接通話を許可することを示している。
【0121】
(第3の実施形態の動作)
第3の実施形態の呼処理制御サーバ30Bの番号登録処理は、第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aの番号登録処理(図10)と同様である。
第3の実施形態の呼処理制御サーバ30Bの接続情報登録処理は、第2の実施形態の呼処理制御サーバ30Aの接続情報登録処理(図12)と同様である。
【0122】
図16は、第3の実施形態に於ける呼処理制御サーバの災害時処理を示すフローチャートである。第1の実施形態の呼処理制御サーバ30の災害時処理(図5)と同一の要素には同一の符号を付与している。
【0123】
第3の実施形態の呼処理制御サーバ30Bの災害時処理は、第1の実施形態の呼処理制御サーバ30の災害時処理(図5)に加えて、各端末10Bの対向装置テーブル21Bの災害発生地域欄21cに、「災害発生」情報を配信する。
所定の災害が発生すると、呼処理制御サーバ30Bは災害時処理を開始する。
【0124】
処理が開始したのち、ステップS30〜S31の処理は、第1の実施形態のステップS30〜S31の処理と同様である。ステップS31の処理が終了すると、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、ステップS33の処理を行う。
【0125】
ステップS33〜S35に於いて、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、当該端末10Bが、対向装置テーブル21Bに登録した全ての対向装置である端末10Bについて繰り返す。
【0126】
ステップS34に於いて、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、対向装置である端末10Bに、当該端末10Bが災害発生地域内である旨を配信する。対向装置である端末10Bは、この配信情報を受信すると、対向装置テーブル21Bに於ける当該端末10Bのエントリの災害発生地域欄21cに「災害発生」情報を記憶する。
【0127】
ステップS35に於いて、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、当該端末10Bが対向装置テーブル21Bに登録した全ての対向装置である端末10Bについて繰り返したか判断する。呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、当該判断条件が成立していなかったならば、ステップS33の処理に戻り、当該判断条件が成立したならば、ステップS32の処理を行う。
ステップS32の処理は、第1の実施形態のステップS32の処理と同様である。ステップS32の処理が終了すると、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、図16の処理を終了する。
【0128】
図17は、第3の実施形態に於ける端末の発信処理を示すフローチャートである。第1の実施形態の端末10の発信処理(図6)と同一の要素には同一の符号を付与している。
第3の実施形態に於ける端末10Bの発信処理は、災害フラグ22がONである場合のほか、ダイヤルされた電話番号に係る端末10Bが災害発生地域内であるときに、直接通話を行う特徴を有している。
【0129】
端末10Bは、電源がオンされることにより、図17の処理を開始する。処理を開始したのち、ステップS40〜S41の処理は、第1の実施形態のステップS40〜S41の処理(図6)と同様である。ステップS41の処理が終了すると、呼処理制御サーバ30Bの処理部31Bは、ステップS47の処理を行う。
【0130】
ステップS47に於いて、端末10Bの処理部11Bは、ダイヤルされた電話番号が対向装置テーブル21Bに存在するエントリと一致するか否かを判断する。端末10Bの処理部11Bは、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS49の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS48の処理を行う。
【0131】
ステップS48に於いて、端末10Bの処理部11Bは、ダイヤルされた電話番号に係る端末10が災害発生地域に位置しているか否かを判断する。すなわち、端末10Bの処理部11Bは、ダイヤルされた電話番号に係るエントリの災害発生地域欄21cに、「災害発生」情報が記憶されているか否かを判断する。端末10Bの処理部11Bは、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS49の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS45の処理を行う。
【0132】
ステップS49に於いて、端末10Bの処理部11Bは、災害フラグ22がONであるか否かを判断する。端末10Bの処理部11Bは、当該判断条件が成立しなかったならば(No)、ステップS44の処理を行い、当該判断条件が成立したならば(Yes)、ステップS45の処理を行う。
【0133】
ステップS44の処理は、第1の実施形態のステップS44の処理(図6)と同様である。ステップS44の処理が終了すると、端末10Bの処理部11Bは、図17の処理を終了する。
【0134】
ステップS45〜S46の処理は、第1の実施形態のステップS45〜S46の処理(図6)と同様である。ステップS46の処理が終了すると、端末10Bの処理部11Bは、図17の処理を終了する。
【0135】
(第3の実施形態の効果)
以上説明した第3の実施形態では、次の(E)のような効果がある。
【0136】
(E) 第3の実施形態の端末10Bは、災害発生地域外から災害発生地域内の端末10Bに直接通話を行うことができる。これにより、音声通信システム50Bは、家族間や友人間の安否確認を確実に行うことができる。
【0137】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(c)のようなものがある。
【0138】
(a) 第1〜第3の実施形態の音声通信システム50,50A,50Bでは、災害時に各端末10,10Bに対して直接通話を許可するように構成されている。しかし、これに限られず、音声通信システムは、企画型輻輳が予想されるときに、各端末10,10Bに対して直接通話を許可するように構成してもよい。企画型輻輳が予想されるときとは、コンサートチケットの予約センタに係る地域、花火大会やコミックマーケットなどが開催される地域、元旦の0時〜2時などの時間帯などである。
【0139】
(b) 第1〜第3の実施形態の端末10,10Bは、例えばIP電話である。しかし、これに限られず、端末は、固定ネットワークアドレスを有し、位置情報を取得可能な携帯電話であってもよい。
【0140】
(c) 第1〜第3の実施形態の音声通信システム50,50A,50Bでは、災害検知情報を各端末10,10Bに配信している。しかし、これに限られず、音声通信システムは、災害発生地域内のネットワーク100に、災害検知情報をブロードキャストするように構成してもよい。
【符号の説明】
【0141】
10,10B 端末
11,11B 処理部
12 呼処理制御部(第2の呼処理制御部)
13 QoS制御部
18 通信部
20,20B 記憶部(第2の記憶部)
21 対向装置テーブル
22 災害フラグ
23 ガイダンス音声ファイル
30,30A,30B 呼処理制御サーバ
31,31A,31B 処理部
32 呼処理制御部(第1の呼処理制御部)
33 QoS制御部
34 番号登録処理部
35 接続情報登録処理部
40,40A,40B 記憶部(第1の記憶部)
41,41A,41B 呼情報テーブル
43 ガイダンス音声ファイル
50 音声通信システム
60 コンピュータ
100 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼処理制御サーバと各端末とが接続されている音声通信システムに於いて、
前記呼処理制御サーバは、
前記各端末の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第1の記憶部と、
前記各端末のネットワークアドレスに基き、前記各端末間での呼処理を行う第1の呼処理制御部と、
番号登録処理部と、を有し、
前記端末は、
対向装置の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第2の記憶部と、
前記対向装置のネットワークアドレスに基き、前記対向装置との間で直接に呼処理を行う第2の呼処理制御部と、
を有し、
前記呼処理制御サーバの前記番号登録処理部は、第1の端末から第2の端末の電話番号を受信したとき、前記第1の記憶部に基いて、前記第2の端末のネットワークアドレスを検索し、当該第2の端末のネットワークアドレスを、前記第1の端末に送信すること、
を特徴とする音声通信システム。
【請求項2】
前記呼処理制御サーバの前記第1の記憶部は、前記各端末の電話番号、前記各端末のネットワークアドレス、および、直接通話を許容するか否かを示す前記各端末の接続情報の関係を記憶し、
前記番号登録処理部は、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを決定すること、
を特徴とする請求項1に記載の音声通信システム。
【請求項3】
前記番号登録処理部は更に、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報に基き、前記第2の端末が直接通話を許容するか否かを確認する確認処理または前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信する処理、を行うか否かを切り替え、
更に前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを決定すること、
を特徴とする請求項2に記載の音声通信システム。
【請求項4】
前記番号登録処理部は、前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信すると共に、前記第1の端末のネットワークアドレスを前記第2の端末に送信すること、
を特徴とする請求項2に記載の音声通信システム。
【請求項5】
前記番号登録処理部は更に、前記第1の端末が前記第2の端末の電話番号を送信したとき、前記第2の端末の接続情報が未登録であったとき、前記第1の端末と前記第2の端末の電話番号との対応を記憶し、
前記第2の端末の接続情報が登録されたとき、前記第2の端末の接続情報に基いて、前記第2の端末が直接通話を許容するか否かを確認する確認処理または前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信する処理、を行うか否かを切り替え、
更に前記第2の端末の確認処理の結果に基き、前記第2の端末のネットワークアドレスを前記第1の端末に送信するか否かを切り替えること、
を特徴とする請求項2に記載の音声通信システム。
【請求項6】
前記呼処理制御サーバは、所定地域に於ける災害またはイベントを検知したならば、前記所定地域内に位置する地域内端末に直接通話許可情報を送信し、
前記地域内端末は、直接通話許可情報を受信したのちに前記第2の記憶部に記憶されている前記対向装置の電話番号がダイヤルされたならば、前記第2の呼処理制御部は、ダイヤルされた当該対向装置のネットワークアドレスに基いて、当該対向装置との間で直接に呼処理を行う、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の音声通信システム。
【請求項7】
前記呼処理制御サーバは、前記所定地域に於ける災害またはイベントを検知したならば、更に前記地域内端末が記憶している前記対向装置にも、当該対向装置が記憶している前記地域内端末への直接通話許可情報を送信し、
前記対向装置は、前記地域内端末への直接通話許可情報を受信したのちに前記第2の記憶部に記憶されている前記地域内端末の電話番号がダイヤルされたならば、前記第2の呼処理制御部は、ダイヤルされた当該地域内端末のネットワークアドレスに基いて、当該地域内端末との間で直接に呼処理を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の音声通信システム。
【請求項8】
呼処理制御サーバと各端末とが接続されている音声通信システムが行う音声通信方法に於いて、
前記呼処理制御サーバは、
前記各端末の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第1の記憶部と、
前記各端末のネットワークアドレスに基き、前記各端末間での呼処理を行う第1の呼処理制御部と、
番号登録処理部と、を有し、
前記端末は、
対向装置の電話番号とネットワークアドレスとの関係を記憶する第2の記憶部と、
前記対向装置のネットワークアドレスに基き、前記対向装置との間で直接に呼処理を行う第2の呼処理制御部と、
を有し、
第1の端末が第2の端末の電話番号を送信したとき、
前記呼処理制御サーバの前記番号登録処理部は、前記第1の記憶部に基いて、前記第2の端末のネットワークアドレスを検索し、当該第2の端末のネットワークアドレスを、前記第1の端末に送信すること、
を特徴とする音声通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2013−90123(P2013−90123A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228618(P2011−228618)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】