説明

音響サイトメータにおける粒子分析

サイズにより粒子を分離するための方法であって、粒子をフロー流において流動させるステップと、半径方向音響放射圧をフロー流に向けるステップと、粒子をサイズにより音響的に分離するステップとを含む方法が本明細書に提供される。これらの方法を実行するためのデバイスも開示される。一実施形態において、装置は、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、該粒子を音響的に操作するための音響信号生成トランスデューサと、流動停止デバイスとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/008,422号(2007年12月19日出願)、米国特許出願第12/283,461号(2008年9月11日出願)、および米国特許出願第12/283,491号(2008年9月11日出願)の利益を主張する。これら出願のそれぞれの内容の全てが参照により本明細書に引用される。
【0002】
(技術分野)
以下の発明は、概して、粒子分析の分野に関する。また、本発明は、概して、サイトメータおよび音響学に関する。
【背景技術】
【0003】
粒子からの光散乱強度の角度依存が、粒子の内因性特性および外因性特性に関連する豊富な情報を含むことが、フローサイトメトリの開発の初期段階で認識されている。例えば、Mullaneyらは、細胞サイズの推定のために、約0.5度から約2度の前方散乱光の使用を実験的に実証している。同時代に、入射光線に対する細胞配向が、流動方向に平行して軸対象を持たない粒子の集団分解能および計器感度に影響を及ぼすアーチファクトを発生させる可能性があることも認識されている。Lokenらにより、鶏の固定赤血球の形態である非球形粒子が、円板/細胞構造の縁向きまたは正面向きの照射に関連する2峰性の散乱分布を産生することが示されている。また、精子細胞の複雑な幾何学的形状において明らかである非対称性による粒子配向に依存する散乱効果についても実証されている。研究者によっては、流体力学的シースシステムの速度流動場に非対称性を導入するように試料のノズルを成形することによって、粒子の配向に対して受動的な解決法を提案している。フローサイトメトリ選別における効率的なXおよびY精子区別における最も重大な側面が、光学的な散乱平面における精子の配向であることが示されている。近年、新規のノズル幾何学的形状により、約2000粒子/sの分析率において、光学的散乱平面における精子頭部の60%以上の適切な配向が、選別効率に著しく影響を及ぼすことが実証されている。他の研究者は、粒子分析率を低下させて(約400粒子/s)、走査フローサイトメトリ(SFC)を使用する多数の散乱角についてデータを収集することによって、粒子の非対称性に対処している。システムによって、70度までの連続的な角度散乱データが実証されたが、データは、非対称粒子について収集された角度スペクトルの大きな変動をもたらす恣意的な粒子配向に対して取られている。
【0004】
音響力を使用して生体細胞を分離する最初の大規模な実証のうちの1つは、Doblhoffらによって行なわれた。そのシステムでは、20リットルのバイオリアクタから死細胞と小さい細胞残屑を除去する目的で、生ハイブリドーマ細胞を選択的に保持するために音響放射圧を使用した。そのシステムは、多面トランスデューサ設計に基づき、99.5%までの生細胞保持率を実証し、細胞残屑拒否に関する結果は変動した。初期のシステムは、典型的には、15Wを上回る高電力入力を必要とした、駆動トランスデューサに冷却ユニットが必要となった。さらに最近では、Fekeおよび共働者は、音響放射圧と2次音響力との両方による新規の粒子分離方法を開発した。音響定在波における高多孔性ポリエステルメッシュ(粒子サイズよりも2オーダー大きい細孔サイズ)は、収集マトリクスとしての役割を果たし、これによって、ノード位置における粒子がメッシュ内に捕捉され、2次音響力が粒子凝集体を形成し、メッシュ表面において引力を生成した。ハイブリドーマ細胞の保持に関する類似の実証において、約95%の保持効率が達成され、細胞の生存に対する影響はわずかであった。このシステムは、約1.5x10細胞/mLの高細胞密度を達成し、入力電力は数百mWattだけであった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある実施形態は、粒子を音響的に操作し、粒子の流れを停止させる装置を備える。本装置は、好ましくは、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、粒子を音響的に操作する音響信号生成トランスデューサと、流動停止デバイスとを備える。流動停止デバイスは、ポンプまたは1つ以上の弁である。本実施形態は、粒子選別器、粒子分別器、および/またはフローサイトメータを備えることが可能である。本実施形態は、粒子を分析するための分析器および/または撮像器をさらに備えることが可能である。
【0006】
本発明の一実施形態は、1つ以上の粒子を音響的に操作するための方法を含む。本実施形態は、好ましくは、その中に粒子を含む流体を流動させることと、音響放射圧を流体に印加し、1つ以上の粒子を音響的に操作することと、流体を停止させることと、粒子のうちの少なくとも1つをレビューすることとを含む。本発明の本実施形態では、粒子のうちの少なくとも1つをレビューすることは、粒子のうちの少なくとも1つを分析することおよび/または粒子のうちの少なくとも1つを選別することを含むことができる。また、粒子は、フローサイトメータを流動させることが可能である。
【0007】
本発明の別の実施形態は、粒子を音響的に操作し、粒子の流動を逆行させる装置を備える。本装置は、好ましくは、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、粒子を音響的に操作する音響信号生成トランスデューサと、逆流デバイスとを備える。逆流デバイスは、好ましくは、ポンプおよび/または1つ以上の弁を備える。本実施形態の装置は、粒子を分析するための分析器および/または撮像器をさらに備えることが可能である。本実施形態の装置は、任意選択により、選別器、分別器、および/またはフローサイトメータを備えることが可能である。
【0008】
本発明の別の実施形態は、1つ以上の粒子を音響的に操作するための方法を含む。本実施形態は、その中に粒子を含む流体を流動させることと、音響放射圧を流体に印加し、1つ以上の粒子を音響的に操作することと、流動の方向を逆行させることと、流動において逆行された粒子のうちの少なくとも1つをレビューすることとを含む。本実施形態では、粒子をレビューすることは、粒子のうちの少なくとも1つを分析することおよび/または粒子のうちの少なくとも1つを選別することを含むことができる。また、本実施形態は、流体をフローサイトメータを通して流動させることも含むことが可能である。
【0009】
本発明のさらに別の実施形態は、フロー流において粒子を音響的に整列させおよび配向する装置を備える。本装置は、好ましくは、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、粒子を音響的に操作し、整列させ、および配向する音響信号生成トランスデューサと、粒子分析器とを備える。本実施形態の装置は、好ましくは、フローサイトメータ、粒子分別器、および/または粒子選別器を備え、選別器は、サイズに基づいて粒子を選別する。装置は、任意選択により撮像器を含むことが可能である。本実施形態の音響信号生成トランスデューサは、好ましくは、流動軸を中心に極性方向に粒子を整列させるか、または流動方向に粒子を整列させる。本実施形態の粒子は、赤血球、血小板、または精子であることが可能である。
【0010】
本発明のさらに別の実施形態は、粒子分析器のフロー流において粒子を音響的に整列および配向するための方法であって、粒子をフロー流に流動させることと、粒子に音響放射圧を受けさせることと、粒子分析器のフロー流において粒子を音響的に整列させることと、粒子分析器のフロー流において粒子を音響的に配向することとを含む方法を含む。本実施形態では、粒子分析器は、フローサイトメータであることが可能である。また、本方法は、粒子が非対称である非軸対称の力場も含むことが可能である。さらに、本実施形態は、任意選択により、粒子の所定の配向を選択することを含み、配向は、光学的散乱平面内にある。本実施形態は、粒子の非対称性に基づいて、異なる種類の粒子を区別することを含むことが可能である。本実施形態は、粒子集団の繰り返し可能な配向をもたらすこと、または粒子を選別することをさらに含むことが可能である。粒子の選別は、サイズに基づく粒子の事前分析インライン分離を含むことが可能である。加えて、本実施形態は、流動軸を中心に極性方向に粒子を整列させるか、または流動方向に粒子を整列させることが可能である。またさらに、本実施形態は、任意選択により、粒子を分別することを含む。本実施形態では、粒子は、赤血球、血小板、または精子であることが可能である。
【0011】
本発明の一実施形態は、粒子を分析する装置を備える。本実施形態の装置は、好ましくは、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、上記キャピラリにおける非軸対称の粒子を音響的に配向する半径方向音響信号生成トランスデューサと、上記粒子を検査点を通して輸送する輸送デバイスと、粒子分析器とを備える。本実施形態では、半径方向音響信号生成トランスデューサは、好ましくは、粒子をキャピラリにおいて整列させ、粒子をキャピラリにおいて濃縮する。また、半径方向音響信号生成トランスデューサは、粒子を整列させる音響場も生成することが可能である。また、本実施形態は、任意選択により、粒子を整列させる流体力学的シースを含む。本実施形態の装置は、撮像器をさらに備えることが可能である。
【0012】
本発明の別の実施形態は、粒子分析器において粒子を分析するための方法を含む。本方法は、好ましくは、粒子をフロー流において流動させることと、半径方向音響放射圧をフロー流に印加することと、非軸対称粒子をフロー流において音響的に配向することと、粒子を検査点を通して輸送することと、粒子を分析することとを含む。また、本実施形態は、音響場または流体力学的収束のいずれかによりフロー流において粒子を整列させることも含むことが可能である。また、本方法は、好ましくは、フロー流において粒子を濃縮することも含む。
【0013】
本発明の別の実施形態は、流体において粒子を分析する装置を備える。本実施形態の装置は、好ましくは、粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、流量にかかわらず、粒子焦点を上記キャピラリに音響的に維持する音響信号生成トランスデューサと、粒子を分析するための粒子分析器とを備える。本装置は、流動停止デバイスおよび/または逆流デバイスをさらに備えることが可能である。また、本実施形態の装置は、実施形態は、撮像器も備える。
【0014】
本発明のさらに別の実施形態は、フロー流において1つ以上の粒子を分析する方法を含む。本実施形態は、好ましくは、ランタニドにより粒子を標識することと、粒子をフロー流に流動させることと、流量にかかわらず粒子焦点を維持するために音響放射圧をフロー流に印加することと、ラタンニドにより粒子を分析することとを含む。また、本実施形態は、フロー流を停止させることおよび/または逆行することも含むことが可能である。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態は、サイズにより粒子を選別する装置を備える。本装置は、好ましくは、その中に粒子を含む流体を流動させるためのキャピラリと、上記キャピラリにおいて、サイズにより粒子を音響的に選別および分離する半径方向音響生成トランスデューサとを備える。本実施形態は、フローサイトメータおよび/または粒子分析器および/または撮像器をさらに備えることが可能である。また、装置は、好ましくは、粒子選別器も備える。
【0016】
本発明のさらなる実施形態は、サイズにより粒子を選別するための方法を含む。本方法は、好ましくは、粒子をフロー流に流動させることと、半径方向音響放射圧をフロー流に印加することと、粒子をサイズにより音響的に選別および分離することとを含む。また、本方法は、分離された粒子のうちの大きい方の粒子をフローサイトメータに輸送することと、大きい方の粒子を分析することとを含む。本実施形態の輸送ことは、好ましくは、大きい方に属する粒子をフロー流の中心軸に輸送する。また、本実施形態は、インライン選別することも含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を形成する添付の図面は、説明とともに、本発明の1つ以上の実施形態を図示し、本発明の原理を説明する役割を果たす。図面は、本発明の1つ以上の好適な実施形態を図示する目的のためだけのものであり、本発明を限定するものとして解釈されるものではない。
【図1】図1は、キャピラリの中心軸に粒子が音響的に収束されるインライン駆動キャピラリを図示する本発明のある実施形態である。
【図2A】図2Aは、本発明の一実施形態に従って、ラインソースにより駆動される円形キャピラリの断面における音響力ポテンシャルの密度グラフである。
【図2B】図2Bは、本発明の一実施形態に従って、安定力均衡平面にある誘起粒子回転を図示する。
【図3】図3は、ライン駆動型音響分別器を図示する本発明のある実施形態であり、大きい方の粒子は、キャピラリ軸に輸送され、小さい方の粒子は、音響場に影響を受けないままである。
【図4A】図4Aおよび図4Bは、本発明の一実施形態に従う、音響場がオフの場合のランダムな配向においてキャピラリを流動させる粒子と、音響場の励起時に、キャピラリ軸に一致して整列される粒子とを図示する。
【図4B】図4Aおよび図4Bは、本発明の一実施形態に従う、音響場がオフの場合のランダムな配向においてキャピラリを流動させる粒子と、音響場の励起時に、キャピラリ軸に一致して整列される粒子とを図示する。
【図5A】図5A〜図5Cは、本発明の一実施形態に従う、ライン駆動キャピラリにおける約1pmおよび約10pmである粒子の選択的分別を図示する。
【図5B】図5A〜図5Cは、本発明の一実施形態に従う、ライン駆動キャピラリにおける約1pmおよび約10pmである粒子の選択的分別を図示する。
【図5C】図5A〜図5Cは、本発明の一実施形態に従う、ライン駆動キャピラリにおける約1pmおよび約10pmである粒子の選択的分別を図示する。
【図6】図6は、フローサイトメータへの試料入力を図示する本発明のある実施形態であり、試料は、濃縮され、その体積を減少させることにより、フローサイトメトリ用途における分析時間が短縮される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で使用する際、「ある」は、「1つ以上」を意味する。
【0019】
本明細書で使用する際、「キャピラリ」は、長方形、楕円形、偏円形、円形、8角形、7角形、6角形、5角形、および3角形から選択される形状を有するフローチャネルまたはフローチャンバを意味する。
【0020】
本発明の一実施形態では、音響放射圧は、好ましくは、粒子をキャピラリの中心に収束させる。本実施形態によって、単細胞または粒子をフロー流において分析または処理可能である方式を根本的に変更することが可能になる。この試料送達実施形態によって、分析もしくは事前分析の改善または試料の調製と精製との両方により、フローサイトメトリの分析能力が拡大される。
【0021】
音響粒子収束デバイスの非限定的な実施形態について図1に図示する。本デバイスは、好ましくは、音響的駆動型キャピラリ10を備え、ここで、流動方向に平行に配向される音響粒子捕捉は、ラインソース12と、粒子/細胞16を含む流体18とを備える。本実施形態によって、流体力学的収束に関連する高速シースフローの除去が可能になり、光学的検査領域内における粒子通過時間の延長が可能になるとともに、固有のインライン粒子濃度効果により、高粒子分析率が維持される。加えて、粒子流の音響収束により、粒子流の収束を乱さずに流動方向を停止および逆行するとともに、粒子位置合わせを維持する能力が提供される。粒子通過時間の増加により、低電力光源および低感度の光学的構成要素を使用する高感度光学的測定の機会が提供される。流動方向および流量の制御によって、高度に重要な標的物の再分析が可能になり、それによって、システムレベル変動に関連するデータの散乱における不確実性が最低限に抑えられ得る。
【0022】
音響的駆動型フローチャンバの追加の特性は、非軸対称の力場が、フロー流内で生成され得ることにある。フローチャンバ内の力の非対称性により、非球形細胞または粒子が配向され、その結果、典型的には、標準的な流体力学的フローシステムでは不可能である一貫した散乱痕跡が、光学的散乱平面内に所定の配向で非対称粒子を配置することによって生成され得る。本実施形態では、特定の粒子配向に関連する光学的散乱データによって、例えば、粒子の非対称性に基づいて異なる種類の細菌を区別することができ、RBCおよび精子細胞等の不規則な細胞の種類の分析および選別を改善することができる。また、非対称力場は、2つの粒子の凝集からの、例えば「ダンベル」形状等の複数の微小球または細胞の合体から形成される粒子集団の繰り返し可能な配向も産生し得る。粒子集団の区別は、パルス波形分析および角散乱検査によって、より容易に粒子集団の区別を行なうことができ、これは、散乱平面に対する集団の独特の誘起配向に起因し、例えば、誘起配向によって、「ダンベル」の中心軸が流動軸に平行になり得る。
【0023】
本発明の音響的ライン駆動型の実施形態は、粒子および細胞分析に関する新しいモードをフローサイトメータの検出システムにもたらすことができ、インライン試料調製のための粒子または細胞の分離において用いられることができる。音響放射圧の主な利点は、高体積スループットでかなり大型なチャンバにおいて使用可能であることにある。音響場は、大部分の生物学的粒子に同様に作用することから、本質的に非特定であり、これによって、大部分の生物学的粒子は、同一の空間的位置に輸送される。しかしながら、力場の大きさは、サイズに高度に依存し、高スループットを必要とする用途、サイズに基づく粒子の事前分析インライン分離、例えば、法医学的分析における膣細胞からの精子、細胞または無傷細胞残屑からのウイルスにおいて、音響放射圧を優れた候補に挙げる。上記説明において、円柱状の幾何学的形状を有するライン駆動型キャピラリを音響収束デバイスとして使用し得るが、音響放射圧を用いて粒子を配置する一般的な幾何学的形状(正方形、長方形、楕円形、偏円形等)のデバイスを、粒子分離、残屑拒否、粒子整列、および試料精製の用途に使用することが可能である。
【0024】
(音響放射圧)
音響放射圧から生じる粒子に対する力は、励起の周波数、媒体内の圧力振幅、および粒子とホスト媒体との間の密度/圧縮率の対比に依存する。これは、音響定在波内において、粒子をノード位置または非ノード位置に輸送する時間平均漂流力である。音響定在波における球状粒子に対する音響放射力ポテンシャルUの式は、以下により提供される。
【化1】

【0025】
式中、αは、粒子半径であり、βは、周辺流体の圧縮率であり、ρは、周辺流体の密度である。粒子の不在下の音響場の圧力および速度は、pおよびvによってそれぞれ記述され、括弧は、時間平均量に対応する。項fおよびfは、粒子の力学的特性がバックグラウンド媒体と異なる程度を判断する対比項である。対比項は以下により提供される。
【化2】

【0026】
下付き文字ρは、粒子の固有特性に対応する。粒子に作用する力Fは、以下によって、力ポテンシャルの勾配に関連付けられる。
F=−∇U
【0027】
粒子は、好ましくは、ポテンシャルUが最小値を示す位置に局所化される。円形断面キャピラリでは、ポテンシャルの最小値は、双極子式モードで駆動する場合、図1の粒子捕捉を形成するキャピラリの軸に一致する。選択される用途について、キャピラリの軸以外の位置における粒子の空間的位置決めのために他のモードが存在し、かつ有利である。
【0028】
(音響ライン駆動型キャピラリ)
音響放射圧から生じる力は、好ましくは、シース流体を必要とせずに、流体力学的収束に類似する構成において、粒子を局所化するための効果的な手段である。本発明のライン駆動型キャピラリは、シース置換において効果的であり得る。ライン接触よりも大きなソースアパーチャを有するキャピラリは、類似の結果をもたらすことが可能である。本実施形態は、ソースアパーチャを有する音響的駆動型キャピラリが、約45度を超えるキャピラリの周囲に沿った延長接触長さを有することを実証している。これは、その外壁に接触する圧電セラミックソースにより駆動されるキャピラリから構築され得る。構造の変動により、軸方向粒子捕捉が形成される中心軸に沿って局所的圧力ノードが生成される。本デバイスに関する略図が図1に提供される。希薄懸濁液中の粒子は、上部からデバイスに入り、システム中において流動させる際に、粒子を圧力ノードに輸送する半径方向力を受ける。本発明のある実施形態では、試料中に含まれる粒子は、単一のファイルに同時に濃縮および整列され、次いで、検査レーザに輸送される。粒子は、ポンプおよび/または1つ以上の弁を含むがこれらに限定されない種々の輸送デバイスを介して検査レーザに輸送される。
【0029】
音響粒子収束の実装によって、好ましくは、粒子が試料細胞に配置される方式が根本的に変更されることにより、新しいフローサイトメトリ技術および方法が発展可能になる。異なる流動速度を有する同心フロー流は、従来の流体力学的シース収束型システムのように必要とされない。音響的に収束される試料流は、フローチャンバ内の粒子流の整列を低下させずに、停止、減速、逆行、またはそれらの任意の組み合わせを行なうことが可能である。音響場内における滞留時間の増加により、その焦点が実際に改善される粒子流が生成される。加えて、フローチャンバ内の粒子整列に悪影響を及ぼさずに、流れを逆行させることが可能であり、散乱/蛍光痕跡のスペクトル分解等の時間を要する分析のために、希少な標的物を繰り返し分析および停止させることが可能になる。
【0030】
本発明の独特なフロー能力のうちの1つとして、試料送達速度を選択する能力が挙げられ得る。細胞/粒子通過時間を減速することによって、例えば、従来のシステムよりも約20〜100倍減速することによって、発光等のより長い検査時間を必要とする高感度の光学的測定および光子事象の測定が可能になる。
【0031】
(定在音響波動場における粒子配向)
検査領域を通過する際の粒子の既知の配向により、細胞構造および固有の光学的特性への重要な洞察を提供する光散乱測定もしくは蛍光測定、またはその両方が可能になる。いくつかの回転自由度の除去は、細胞/粒子の特定配向にそれらを較正して、現在の光散乱測定の値を増加させ、新しい散乱角度を測定パラメータとして合理的に考慮することを可能にすることによって、フローサイトメトリに非常に有益なツールであることを証明する。本発明の音響ライン駆動型キャピラリと、音響放射圧をフローセルに導入するための他の方法とは、流れの方向と流動軸を中心とする極性方向との両方において粒子を回転および整列させて、非球状の粒子に関して角度較正散乱データを産生する能動的手段である。音響駆動型チューブにおいて粒子が受ける力は、典型的には、フロー平面の断面内において非軸対称的である。平面内において力反射対称性を産生するチューブの軸に収束する粒子について、音響力分布は、本質的には双極性である。本方法の一例として、双極子式モードにおけるライン駆動型チューブ中の粒子に関する音響力ポテンシャルUの計算が、図2(a)に示され、図面における音響力Fuを以下により求めることが可能である。
F=−∇U
図面において、流動方向はページ面に垂直である。面内力ポテンシャルは、中心軸を交差する2つの平面に対し反射対称を有する。第1の対称面は、中心軸20およびライン駆動22を交差し、第2の対称平面は、第1の対称面に直角にある。2つの対称面が、表示される2次元音響力ポテンシャル内に存在するが、1つだけが粒子回転に対して安定均衡24位置をもたらす。全ての規則的な粒子は、図2(b)に示す流動場内における小さい摂動に基づいて安定均衡24まで急速に回転する。
【0032】
力場計算に3次元(軸方向成分)を組み込むことによって、音響力場により誘起される粒子の回転自由において追加の制限がもたらされる。計算により、ロッド状の粒子(2つの同等の副軸および1つの主軸を有する粒子)が、典型的には、その主軸をキャピラリの軸に整列させることが示される。左右対称を有する粒子、例えば、赤血球は、典型的には、一方の主軸をフロー軸に整列し、他方の主軸を図2(a)における白い点線が示す安定対称面に平行に整列させる。
【0033】
(細胞および細胞残屑の音響分離)
本発明の一実施形態に従い、音響的駆動型チャンバにおいて粒子輸送を発生させるためには、音響力は、懸濁化媒体内における粒子のブラウン運動を十分上回る大きさでなければならない。粒子が受ける音響放射圧力の大きさは、粒子体積、音響場の駆動レベル、媒体および粒子の力学的特性、ならびに音響場の空間的勾配に正比例する。このため、(粒子半径の3乗関係に起因して)、音響場において、より低い圧力振幅および励起周波数(より小さい勾配)で、小さい方の粒子よりも大きい方の粒子を輸送することが可能である。これは、典型的には、バックグラウンド媒体に対してそれらの力学的特性の相対的差異がより大きい粒子にも当てはまる。
【0034】
本発明の音響分離システムの一実施形態の一側面は、ユニットにおける圧力降下がほぼゼロである状態で、閉塞せずに(フィルタを含まずに)動作することが可能であることである。音響放射力および熱粒子運動における固有のサイズ依存により、本発明のある実施形態は、粒子サイズおよび力学的コントラストに基づいて、フロー流の前方端部において試料を分離することができる。音響力は、選択的収集のために対象の被分析物を特定の位置に集中させることによって試料を精製するために使用され、バックグラウンド残屑は影響を受けない。このようなシステムによって、粒子数を大幅に減少させ、かつデータ品質を向上させることにより、フローサイトメータにおいて高い粒子バックグラウンドを有する試料の分析時間が短縮される。例えば、選択溶解方法により調製される全血試料内の細胞残屑が、フローサイトメータによるCD45細胞における全事象の最大80%を占める散乱事象をもたらし得ることを、Bossuytは示した。フローサイトメトリ分析のためにリンパ球を調製するための一定の全血溶解方法が、残存細胞片の存在により、前方および側方散乱分解能の不良をもたらし得ることにMaceyは留意した。本発明の一実施形態では、図3に示すように、フローサイトメータの試料入口の直前に位置するライン駆動型キャピラリ等のインライン精製デバイスを使用して、例えば、リンパ球であり得る対象の大きい方の粒子30を、試料流の中心軸32に輸送する一方で、溶解内に含まれる細胞残屑およびタンパク質等の細胞残屑等の小さい方の粒子34は、影響を受けないままである。これは、特に、対象の粒子よりも力学的コントラストが小さい細胞残屑に当てはまる。次いで、試料流の中心核は、フローサイトメータに送り込まれ、残存溶解物は、破棄され、試料から大きい粒子濃縮物が排除される。試料調製に関する本方法が、バックグラウンド粒子数の低減を有利とする任意の種類の粒子/細胞分析のための試料精製ステップとして使用可能であることに留意されたい。
【0035】
(定在音響波動場における粒子配向)
(実施例1)
決定論的な粒子配向を誘起するための音響場の効果を実証するために、1よりも大きいアスペクト比を有する粒子を使用する実験を、ライン駆動型キャピラリにより行なった。一例では、キャピラリは、ガラスから作製され、内径が約500μmで外径が約1000μmであった。音響源が、キャピラリの軸に平行してキャピラリの外面に取り付けられ、約1.78MHzおよび約10Vppで動作させた。脱イオン水中の円形円柱状の炭素繊維の懸濁液が、シリンジポンプを有するチューブの下方に輸送された。次いで、顕微鏡により粒子を撮像した。繊維は、約8μmの小さな軸寸法を有し、より大きい主軸の寸法は変動した。
【0036】
図4Aは、キャピラリを左から右へ流れる試料を図示する。繊維は、音響場が存在しない場合、流体中に伴われシステムにおいて輸送される際にランダムな配向において確認された。キャピラリの音響励起時に、繊維は、図4Bに示すように、キャピラリの軸に一致し、かつそれに平行して整列させるように輸送および回転された。本図面に示す整列は、音響放射圧力が、キャピラリの軸に沿って粒子の主軸を整列させることに起因した。
【0037】
(インライン試料精製および分離/濃縮のための音響場ベースの粒子サイズ選択)
音響的駆動型キャピラリにおける音響源の駆動電圧および/または励起周波数を変動することによって、サイズによる粒子の2成分分別を達成することが可能である。この効果は、粒子半径に対する音響力の3乗依存に起因して、小さい方の粒子が感じる音響力が減少した結果である。適用時に、キャピラリの中心核内に含まれる大きい方の粒子が、より小さい同軸キャピラリに送り込まれ、小粒子を含む同心性の流動場が破棄される。精製された試料は、さらなる試料調製ステップのために取り出され、リアルタイムでフローサイトメータまたは他の分析手段に送り込まれる。用途に応じて、中心核外の流体は、分析のために収集および使用される有用な試料として考えられ得る。
【0038】
(実施例2)
駆動レベルの関数としてサイズ選択能力を実証する予備実験からの結果について図5A〜図5Cに図示する。本例において、音響的駆動型キャピラリを約1.78MHzで振動させた。約1μmの直径の蛍光球および約10μmの直径の非蛍光球を含むラテックス微小球の懸濁液を、駆動型キャピラリにポンプで送出する。粒子の体積率は、約2.5x10−5であった。キャピラリは、約500μmの内径および約1000μmの外径により画定される。
【0039】
図5Aは、蛍光顕微鏡により撮影された写真であり、蛍光顕微鏡において、約10μmの粒子が大きい円形の含有物として観察され、約1μmの粒子が粒状バックグラウンドとして観察される。約1μmの粒子からの蛍光信号は、本実験の動作条件下では、低過ぎて認められない。約7Vppの定音響駆動レベル下では(図5B)、約10μmの粒子は、キャピラリの軸に急速に輸送される。約1μmの粒子は、依然としてランダムに分布したままであった。駆動電圧を2倍にして約16Vppにすると、図5Cに示すように、キャピラリの中心軸に両方のサイズの粒子の効率的な輸送がもたらされた。シリンダの軸に沿った輝線は、約1μmの蛍光粒子のその位置における濃縮に起因して、蛍光性が大きく局所的に増加した結果であった。
【0040】
(音響的収束型フローチャンバにおける光学的散乱パラメータに対する反射対称の効果等の音響収束/配向対称)
本発明のある実施形態は、音響放射圧の結果として光学的散乱平面に整列される粒子に関連する角散乱に対処する。流体力学的シースフローのフローセルにおける音響的駆動型粒子整列との置換により、好ましくは、光散乱データの改善につながり、粒子の幾何学的形状および配合に依存する新しいパラメータをもたらす。例えば、フローサイトメトリ分析におけるRBC、精子細胞、および細菌等の、非対称生物学的粒子の粒子配向の重要性に加えて、複数の微小球または細胞の合体から形成される複雑な幾何学的形状、例えば、2つの粒子の凝集による「ダンベル」形状も、粒子配向から利益を受ける。粒子集団は、好ましくは、散乱平面にその配向を固定することによって、より容易に区別される。散乱平面の通過の程度に起因して繰り返し可能で独特な散乱痕跡を産生するように微小球「2重項」を配向することによって、接触球の逆散乱問題に関する解決法を利用することにより、データ拒否またはデータ受け入れのいずれかのための光学的散乱データにおけるその寄与を分離する手段が提供される。また、フロー流において音響的に配向された粒子の適用は、撮像の分野にも適用可能であり、撮像分野では、粒子の選択された配向を観察することは、細胞形態学、細胞成分の局所化、または他の粒子/細胞特徴の判断において有用である。
【0041】
(音響的収束型フローチャンバにおける減速流、流動停止、および逆流状態下の検出能力強化)
本発明の別の実施形態は、減速流、流動停止、および逆流の効果、ならびにシースフローを音響粒子整列に置換することから生じるフローサイトメトリにおける分析時間延長にさらに対処する。第1の事例では、試料流の流動方向を停止および逆行する能力によって、粒子の再分析が可能になる。流れは、ポンプまたは1つ以上の弁を含むがこれらに限定されない種々の流動停止デバイスおよび逆流デバイスを使用して停止および/または逆行される。ピークの拡がり(CVの増加)および分析平面において異常値であるデータ点は、レーザ安定性、粒子整列の質、電子雑音、検出器雑音、アッセイの頑強さ(オン/オフ割合等)等の関数であるシステム依存量である。1回を上回る重要な粒子の分析によって、特に一時的なアーチファクトの場合にデータ品質が改善可能になり、希少な事象分析における統計的不確実性が最小化可能になる。
【0042】
(インライン試料精製および粒子分離のための音響場ベースの粒子サイズ選択)
音響収束は、検出システムにおいてシースフローを置換することによって、粒子または細胞分析に有用であるが、本発明のさらに別の実施形態は、上流の粒子および/または細胞の分離、フローサイトメトリシステムにおけるインライン試料調整、または一般的な試料調製および精製に、音響的駆動型キャピラリにおける音響力の適用を拡張する。図6は、本発明を利用して、分析段階の前にフローサイトメータの入口においてリアルタイムでバックグラウンド媒体に対する粒子サイズおよび/または力学的コントラストによって、試料を音響的にサイズ分別および濃縮することを図示する。粒子サイズ/力学的特性に基づく直接分別により、遠心分離およびフィルタリングを含む労働集約的な試料精製ステップの必要性が軽減される。フローサイトメトリ用途では、これは、細胞残屑、タンパク質、および全血アッセイ、具体的には細胞溶解を含む無洗浄アッセイにおける他の分子成分に関連するバックグラウンドを減少させることに有用である。フローサイトメータへの試料送達前に細胞残屑拒否ステップを含む試料調製により、残屑からの散乱/蛍光に関連するアーチファクトを大幅に減少させることが可能になる。
【0043】
これらの好適な実施形態を具体的に参照して本発明について詳細に説明したが、他の実施形態は、同一の結果を達成することが可能である。本発明の変形および修正は、当業者に明白であり、このような全ての修正および同等物を含むことが意図される。上記および/または添付において引用する文献、出願、特許、および公表の全開示ならびに対応する出願の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、
該粒子を音響的に操作するための音響信号生成トランスデューサと、
流動停止デバイスと
を備える、装置。
【請求項2】
前記粒子を分析するための分析器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
粒子選別器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
粒子分別器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
フローサイトメータをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
撮像器をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記流動停止デバイスは、ポンプを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記流動停止デバイスは、1つ以上の弁を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、
該粒子を音響的に操作するための音響信号生成トランスデューサと、
逆流デバイスと
を備える、装置。
【請求項10】
前記粒子を分析するための分析器をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
選別器をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
分別器をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
フローサイトメータをさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
撮像器をさらに備える、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記逆流デバイスは、ポンプを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項16】
前記逆流デバイスは、1つ以上の弁を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項17】
粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、
該粒子を音響的に配向するための音響信号生成トランスデューサと、
粒子分析器と
を備える、装置。
【請求項18】
前記装置は、フローサイトメータを備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
粒子選別器をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記選別器は、分析前にサイズに基づいて前記粒子を分離する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記音響信号生成トランスデューサは、流動軸を中心に、極性方向に前記粒子を整列させる、請求項17に記載の装置。
【請求項22】
前記音響信号生成トランスデューサは、流動方向に前記粒子を整列させる、請求項17に記載の装置。
【請求項23】
粒子分別器を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記粒子は、赤血球または血小板である、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
前記粒子は、精子である、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
撮像器をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項27】
粒子をその中に含む流体を流動させるためのキャピラリと、
該キャピラリ内における半径方向音響場において非軸対称の粒子を音響的に配向する半径方向音響信号生成トランスデューサと、
該粒子を検査点を通して輸送するための輸送デバイスと、
粒子分析器と
を備える、装置。
【請求項28】
前記半径方向音響信号生成トランスデューサは、前記キャピラリにおいて前記粒子を整列させる、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記半径方向音響信号生成トランスデューサは、前記キャピラリにおいて前記粒子を濃縮する、請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記半径方向音響信号生成トランスデューサは、前記粒子を整列させる音響場を生成する、請求項27に記載の装置。
【請求項31】
前記粒子を整列させる流体力学的シースを備える、請求項27に記載の装置。
【請求項32】
撮像器をさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項33】
1つ以上の粒子を音響的に操作するための方法であって、
1つ以上の粒子を含む流体を流動させることと、
音響放射圧を該流体に向けて該1つ以上の粒子を音響的に操作することと、
該流体を停止させることと、
該粒子のうちの少なくとも1つをレビューすることと
を含む、方法。
【請求項34】
前記レビューすることは、前記粒子のうちの少なくとも1つを分析することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記レビューすることは、前記粒子のうちの少なくとも1つを選別することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記流体をフローサイトメータを通して流動させることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
1つ以上の粒子を音響的に操作するための方法であって、
1つ以上の粒子を含む流体を流動させることと、
音響放射圧を該流体に向けて、該1つ以上の粒子を音響的に操作することと、
該流体の流動の方向を逆にすることと、
該流動において逆行された該粒子のうちの少なくとも1つをレビューすることと
を含む、方法。
【請求項38】
前記レビューすることは、前記粒子のうちの少なくとも1つを分析することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記レビューすることは、前記粒子のうちの少なくとも1つを選別することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記流体をフローサイトメータを通して流動させることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
粒子分析器のフロー流において粒子を音響的に配向するための方法であって、
粒子をフロー流によって流動させることと、
音響放射圧を該粒子に向けることと、
該粒子分析器の該フロー流において該粒子を音響的に配向することと
を含む、方法。
【請求項42】
前記粒子分析器は、フローサイトメータである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記音響放射圧は、非対称的である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記粒子は、非対称的である、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記粒子の所定の配向を選択することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記配向は、光学的散乱平面内にある、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
粒子非対称性に基づいて異なる種類の粒子を区別することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
粒子集団の繰り返し可能な配向をもたらすことをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
前記粒子を選別することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記選別することは、サイズに基づく粒子の事前分析インライン分離を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
流動軸を中心に、極性方向に前記粒子を整列させることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項52】
流動方向に前記粒子を整列させることを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項53】
前記粒子を分別することをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項54】
前記粒子は、赤血球または血小板である、請求項41に記載の方法。
【請求項55】
前記粒子は、精子である、請求項41に記載の方法。
【請求項56】
粒子分析器において粒子を分析するための方法であって、
1つ以上の粒子をフロー流において流動させることと、
半径方向音響放射圧を該フロー流に向けることと、
非対称粒子を該フロー流において音響的に配向することと、
各粒子を検査点を通して輸送することと、
該粒子の各々を分析することと
を含む、方法。
【請求項57】
前記粒子を前記フロー流において整列させることをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記整列させることは、音響場による、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記整列させることは、流体力学的収束による、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記粒子を前記フロー流において濃縮することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
フロー流において1つ以上の粒子を分析する方法であって、
ランタニドにより粒子を標識することと、
該粒子をフロー流において流動させることと、
該フロー流の方向に沿って該粒子を整列させるために、半径方向音響放射圧を該フロー流に向けることと、
ラタンニドにより標識された該粒子の少なくとも一部分を分析することと
を含む、方法。
【請求項62】
前記フロー流を停止させることをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記フロー流を逆行させることをさらに含む、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
サイズにより粒子を分離するための方法であって、
粒子をフロー流において流動させることと、
半径方向音響放射圧を該フロー流に向けることと、
サイズにより該粒子を音響的に分離することと
を含む、方法。
【請求項65】
前記分離された粒子のうちの大きい方の粒子をフローサイトメータに輸送することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記大きい方の粒子を分析することをさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記輸送することは、前記大きい方の粒子を前記フロー流の中心軸に輸送する、請求項65に記載の方法。
【請求項68】
前記粒子をインライン分離することをさらに含む、請求項64に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−508220(P2011−508220A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539848(P2010−539848)
【出願日】平成20年12月19日(2008.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2008/087579
【国際公開番号】WO2009/086043
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(508115026)ロス アラモス ナショナル セキュリティー,エルエルシー (9)
【氏名又は名称原語表記】LOS ALAMOS NATIONAL SECURITY,LLC
【住所又は居所原語表記】LOS ALAMOS NATIONAL LABORATORY,LC/IP,MS A187,Los Alamos,NM 87545,U.S.A.