説明

音響反射板装置

【課題】 音響反射板を舞台に立設する際に、その傾斜を危惧させずして、設置および格納の各作業を簡素化し得るようにする。
【解決手段】 不使用時に舞台の奥側の上方に吊持されると共に使用時に舞台の奥側寄りに立設されて軸線方向が舞台の間口方向となる正面反射板1を有してなる音響反射板装置において、正面反射板1が舞台の間口方向に延在されて舞台の上方から昇降可能に垂下される補助バトン4に吊持され、この補助バトン4が舞台の間口方向の両端部にあって、舞台の奥行方向に舞台の上方から垂下されて長さを一定にする二本で一組となる固定索W3,W4に吊持されると共に、同じく舞台の奥行方向に上記の二本で一組となる固定索W3,W4より舞台の奥側にあって舞台の上方から垂下されて長さを可変にする二本の牽引部材たる昇降索W1,W2に吊持されてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音響反射板装置に関し、特に、多機能ホールなどの舞台に設けられる舞台装置たる可動型の音響反射板装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の多機能ホール(多目的ホールあるいは多用途ホールと称されることもある)にあっては、舞台に舞台装置としての音響反射板装置、特に、可動型の音響反射板装置が設けられることが多い。
【0003】
ところで、この可動型の音響反射板装置としては、門型に形成されて舞台の奥側と客席側との間を移動する走行式の他、特許文献1に開示されているような吊り下げ式のものがある。
【0004】
この吊り下げ式の音響反射板装置にあっては、不使用時に舞台の奥壁に沿うように吊り下げられて格納されるから、走行式の場合に不使用時に舞台の奥側に後退されて格納される場合に比較して、舞台の奥側の利用を可能にする上で有利となる。
【0005】
そして、この特許文献1に開示の音響反射板装置にあっては、基端を舞台の奥壁に枢支させた支持ブームの先端で正面反射板を吊持し、この支持ブームを起伏して先端を上下動させることで正面反射板を舞台に吊り下ろしあるいは舞台の奥側に吊り上げる。
【0006】
ちなみに、天井反射板は、正面反射板に吊持され、客席側に対向する先端が舞台上方から垂下されるワイヤなどの牽引部材の下端に連結され、このワイヤの昇降で先端側の起伏を可能にしている。
【0007】
それゆえ、この特許文献1に開示の音響反射板装置によれば、支持ブームを倒すことで、正面反射板を舞台の所定位置に立設し得ると共に、この態勢から天井反射板の先端側を起すことで、所望の音響空間を創出し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−47699号公報(要約,図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記した特許文献1に開示の音響反射板装置にあっては、不使用時に舞台の奥壁に沿うように吊り下げられて格納されるから、舞台の奥側の利用を可能にする上で有利となる点で、基本的に問題がある訳ではないが、利用の実際の勘案すると、些かの不具合があると指摘される可能性がある。
【0010】
すなわち、上記した特許文献1に開示の音響反射板装置にあって、支持ブームの先端に正面反射板が吊持される態勢を舞台の袖側から見ると、支持ブームは、正面反射板を舞台の奥行方向にあって、つまり、舞台の客席側と舞台の奥側とを結ぶ方向にあって一点支持としている。
【0011】
それゆえ、正面反射板と天井反射板とからなる重心位置は、天井反射板が正面反射板に沿うように垂下される場合と、天井反射板が先端側を起して展開される場合とでは異なることになる。
【0012】
その結果、天井反射板が正面反射板に沿うように垂下される場合の重心位置を基準にして支持ブームが正面反射板を吊持すると、舞台に正面反射板を立設した後の天井反射板の展開時に重心位置が狂うため、正面反射板が傾斜することになる。
【0013】
そして、この正面反射板の傾斜を阻止するためには、正面反射板の下端側を舞台に連結するなどが必須になり、音響反射板装置の設置作業を面倒にする不具合を招き、また、音響反射板装置の撤去の際には、上記の連結を解除する作業が必須になり、音響反射板装置の格納作業をも面倒にする不具合を招く。
【0014】
この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、正面反射板を舞台に立設する際に、その傾斜を危惧させずして、設置および格納の各作業を簡素化し得る音響反射板装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記した目的を達成するために、この発明による音響反射板装置の構成を、基本的には、不使用時に舞台の奥側の上方に吊持されると共に使用時に舞台の奥側寄りに立設されて軸線方向が舞台の間口方向となる正面反射板を有してなる音響反射板装置において、正面反射板が舞台の間口方向に延在されて舞台の上方から昇降可能に垂下される補助バトンに吊持され、この補助バトンが舞台の間口方向の両端部にあって、舞台の奥行方向に舞台の上方から垂下されて長さを一定にする二本で一組となる牽引部材たる固定索に吊持されると共に、同じく舞台の奥行方向に上記の一対の固定索より舞台の奥側にあって舞台の上方から垂下されて長さを可変にする二本の牽引部材たる昇降索に吊持されてなるとする。
【0016】
そして、より具体的には、二本の固定索が補助バトンを吊持するときに正面反射板の下端が舞台に着座されてなるとする。
【発明の効果】
【0017】
それゆえ、この発明による音響反射板装置にあっては、舞台の奥側の上方に吊持されている正面反射板を舞台に立設させるために吊り下ろすとき、長さを可変にする牽引部材たる昇降索で吊持されるが、この昇降索が舞台の奥行方向に二本で一組とされるから、正面反射板を傾斜させることなく、舞台に吊り下ろせる。
【0018】
そして、正面反射板が舞台に立設されるとき、長さを可変にする二本の昇降索に代えて、長さを一定にする二本の牽引部材たる固定索で吊持されるから、正面反射板が傾斜されずして、舞台に立設される。
【0019】
また、舞台に立設された正面反射板に対して天井反射板を展開するときに重心位置が異なるとしても、正面反射板が長さを一定にする二本の固定索で吊持されているから、正面反射板の傾斜を危惧しなくて済む。
【0020】
さらに、不使用時の格納に際して正面反射板を吊り上げるときには、長さを一定にする二本の固定索に代えて、長さを可変にする昇降索で吊持されるが、この昇降索が上記したように舞台の奥行方向に二本で一組とされるから、正面反射板を傾斜させることなく、舞台の奥側の上方に吊り下げて垂下できる。
【0021】
その結果、この発明による音響反射板装置にあっては、設置および格納の際に正面反射板が傾斜されないから、正面反射板の傾斜を防ぐために、たとえば、多数の作業員の力を利用したり、正面反射板の下端側を舞台に固定的に連結したりする作業を要しないことになり、設置および格納の各作業を簡素化し得ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明による音響反射板装置の使用状態を舞台の下手の袖から見た状態で示す概略縦断面図である。
【図2】この発明による音響反射板装置の不使用時の格納状態を図1と同様に示す図である。
【図3】この発明による音響反射板装置における正面反射板の使用状態を舞台の正面から見た状態で示す概略半截縦断面図である。
【図4】この発明による音響反射板装置における側面反射板の不使用時の格納状態および使用時の立設状態を図3と同様に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明による音響反射板装置は、詳しくは図示しない多機能ホールなどの舞台に設けられる舞台装置を構成するもので、図示するところでは、吊り下げ式の可動型に設定されている。
【0024】
そして、この種の多くの音響反射板装置がそうであるように、図示する音響反射板装置にあっても、図1に示すように、使用時に図中での左側となる舞台の奥側寄りに縦状態のまま立設される正面反射板1と、使用時に図中での右側たる舞台の前側の上方に水平状態に維持される天井反射板2とを有してなる。
【0025】
そして、この発明による音響反射板装置は、図中に仮想線図で示すように、使用時に舞台の袖側寄りにあって正面反射板1および天井反射板2に隣設される一対の側面反射板3を有してなる。
【0026】
ここで、図中に符示しないが、以下の説明において、舞台なる語は、音響反射板装置が設置される舞台床を指す場合と、この舞台床の上方の空間を指す場合と、舞台床と空間とを合体して指す場合とがあるが、必要な場合を除き、明確に区別することなく使用することがあることを断っておく。
【0027】
また、図1および図2中の右側に符号Gで示すのは、客席エリアであって、この客席エリアGから見る舞台の左右方向が舞台の間口方向であり、図3にあって、舞台の間口方向の左端部が袖と称されて、基本的には、東西幕Cが設けられて客席からの視界外となる空間が設けられる。
【0028】
そして、この舞台の袖にあっては、図3にも示すように、上方にこの発明における音響反射板装置を構成する側面反射板3が不使用時に吊持されて垂下される。
【0029】
ちなみに、側面反射板3については、この実施形態では、特に、正面反射板1と別体に形成されて、不使用時には、舞台の袖の上方に縦状態に垂下されるが、これに代えて、正面反射板1に連結されて、不使用時には、縦状態のまま格納される正面反射板1と一緒に舞台の奥側の上方に垂下されても良い。
【0030】
なお、この発明による音響反射板装置にあって、側面反射板3は、凡そこの種の音響反射板装置において、従来から選択される構成に形成され、また、従来から採用される手段で昇降され、かつ、舞台で移動可能とされて良いが、図示するところでは、移動について特別の配慮をしているので、これについては、後述する。
【0031】
また、この種の舞台にあっては、図1および図2に示すように、舞台の最上端を構成する天井(図示せず)の下方に支持棚たる簀の子Tを有し、この簀の子Tを介するようにして、天井側に設けたバトン装置(図示せず)における牽引部材たるワイヤ(図示せず)が垂下される。
【0032】
以上のような前提の下に、この発明による音響反射板装置について説明するが、この発明による音響反射板装置は、上記したバトン装置と同様に、簀の子Tを介するようにして天井側から垂下される牽引部材たるワイヤW1,W2,W3,W4,W5に吊持される。
【0033】
すなわち、ワイヤW1,W2は、音響反射板装置における正面反射板1と天井反射板2とを併せて吊持する補助バトン4を昇降させるもので、図示するところでは長さを可変にする昇降索とされている。
【0034】
このとき、ワイヤW1,W2にあっては、一端が正面反射板1および天井反射板2を併せて吊持する補助バトン4に連結されると共に、中間部が簀の子Tの上方に配設の滑車(符示せず)に掛け回されて転向され、他端側が簀の子T上などに配設されるウインチに、すなわち、ワイヤW1については図示しないが、ワイヤW1,W2にあっては、共にウインチM1に巻き取られてなる。
【0035】
そして、ワイヤW3,W4は、上記のワイヤW1,W2と同様に正面反射板1および天井反射板2を併せて吊持する補助バトン4を吊持するもので、上記のワイヤW1,W2と異なり長さを一定にする固定索とされている。
【0036】
このとき、このワイヤW3,W4にあっては、一端が連結部材たる腕41,42を介して補助バトン4に連結されながら中間部が簀の子T上などに配設の滑車(符示せず)に掛け回されて転向され、他端側が簀の子T上などに配設される図示しない固定装置またはウインチに巻き取られてなる。
【0037】
ちなみに、このワイヤW3,W4が長さを一定にする固定索とされるとの意味は、補助バトン4に天井反射板2と共に吊持された状態の正面反射板1がいわゆる何回も繰り返して舞台に立設されるときに、正面反射板1の下端が必ず舞台に着座する状況(図1参照)になるように長さを不変にすることを意味するもので、それゆえ、ワイヤW3,W4の他端側がウインチに巻き取られてなることは、このワイヤW3,W4が長さを一定にする固定索とされることを否定するものではない。
【0038】
また、ワイヤW5は、音響反射板装置における天井反射板2を起伏させるもので、一端が後述する天井側に連結されると共に、中間部が天井反射板2に連結される補助バトン5に保持された滑車51に掛け回されて延在方向が転向されると共に、他端側が簀の子T上などに配設の図示しないウインチに巻き取られてなる。
【0039】
そして、この音響反射板装置にあって、正面反射板1と天井反射板2を併せて吊持する補助バトン4に一端が連結される上記のワイヤW1,W2およびワイヤW3,W4は、それぞれ舞台の奥行方向に並ぶ一対とされ、これによって、補助バトン4に吊持される正面反射板1と天井反射板2とからなる重心位置が天井反射板2の変態によって舞台の奥行方向に移動するとしても、正面反射板1を傾斜させないようにすることが可能になる。
【0040】
また、この音響反射板装置にあって、上記のワイヤW1,W2およびW3,W4は、図3に示すように、補助バトン4における舞台の間口方向の両端部に連結されることで、舞台の間口方向の中央部分に集中する前記したバトン装置の稼動を妨げないように配慮されている。
【0041】
ちなみに、側面反射板3は、図4に示すように、格納時に舞台の袖の上方に吊持されて垂下されるので、また、使用時には、舞台の中央寄りに立設されるが、舞台の間口方向の中央部分に集中するバトン装置の稼動を妨げない。
【0042】
また、以下の説明において、要する場合を除き、上記のワイヤおよびウインチについては、単に吊り下げ手段と称して説明を簡略化することがあることを断っておく。
【0043】
そして、簀の子T上などに配設されて吊り下げ手段を構成するウインチは、舞台に居る操作者による遠隔操作で、あるいは、操作室に居る操作者によるコンピューターを通じての操作で適宜に駆動されてワイヤを送り出しあるいは巻き取り、ワイヤは、正面反射板1を昇降させ、また、正面反射板1に対して天井反射板2を起伏させる。
【0044】
このように、吊り下げ手段にあって、機械力を利用することで、たとえば、正面反射板1および側面反射板3にあってはその昇降が、また、天井反射板2にあってはその昇降はもちろんのことその起伏たる変態が言わば居ながらにして実現可能とされる。
【0045】
そして、いわゆる機械力を利用して吊り下げ手段を作動させる場合、すなわち、機械力を利用して正面反射板1を昇降させて舞台の所定位置に位置決める場合には、特に、正面反射板1を舞台の所定位置に人手によって位置決める作業を不要にし、作業者の負担を軽減すると共に、言わば重量物となる正面反射板1を人手で移動させる際に起こり得る不慮の事故の発生を未然に阻止し得る上で有利となる。
【0046】
なお、この発明による音響反射板装置にあっては、側面反射板3の昇降はともかく、側面反射板3の舞台での前進および後退となる水平方向の移動を人力によるとしても良い。
【0047】
また、図示しないが、客席エリアGの上方にある音響反射板仕様の客席天井G1と舞台の上方との間に出現するいわゆる空間を埋めるように舞台の前側の上方にあるの垂れ壁Wに沿って昇降プロセニアム(図示せず)が昇降可能に配設されるとし、この昇降プロセニアムも上記の簀の子Tなどに配設のウインチなどに吊持されても良い。
【0048】
ところで、この発明による音響反射装置を構成する正面反射板1,天井反射板2および側面反射板3は、所望の音響効果を発揮し得るように周知の構造に形成され、たとえば、多くの場合に、プラスターを基本材料にするなどして、硬い音響反射面(符示せず)を有し、この音響反射面を客席エリアG側に向けるように配慮される。
【0049】
もっとも、この種の音響反射板にあっては、客席エリアG側に向く音響反射面がプラスターなどの硬質材料で形成されるが、客席エリアG側からは見えなくなるいわゆる背面側は、可能な限りの軽量化を果たすために、たとえば、フレーム構造に形成されたりする。
【0050】
一方、正面反射板1は、上端が補助バトン4に連結されて吊持され、この補助バトン4には、前記したように、また、図3にも示すように、昇降索となる牽引部材たるワイヤW1,W2の図中での下端たる一端が連結されている。
【0051】
このとき、補助バトン4は、いわゆるトラス梁状に形成されてなるが、正面反射板1と天井反射板2とを吊持する関係上、舞台の奥行方向となる幅を有してなるとして、自己支持性を有し、また、正面反射板1と天井反射板2とを吊持するときに折れ曲がるなどしない機械的強度を有するように配慮されている。
【0052】
そして、ワイヤW1,W2は、舞台の奥行方向に並んで二本で一組とされながら舞台の奥側の上方から垂下され、前記したように、一端が上記の補助バトン4に連結されている。
【0053】
それゆえ、この二本の昇降索に連結される補助バトン4にあっては、昇降索の昇降で正面反射板1を昇降させるが、このとき、補助バトン4が舞台の奥行方向に並んで一対とされる昇降索に吊持されてなるから、この補助バトン4に吊持される正面反射板1と天井反射板2とからなる重心位置が天井反射板2の変態で舞台の奥行方向に移動することがあっても、正面反射板1を傾斜させることなく吊持することが可能になる。
【0054】
ところで、上記の二本の昇降索を構成する牽引部材たるワイヤW1,W2は、前記したように、その一端が補助バトン4における舞台の間口方向の両端部に連結されるとして、舞台の間口方向の中央部分に集中するバトン装置の稼動を妨げないように配慮されているが、このことについては、同じく前記したように、補助バトン4に腕41,42を介して一端が連結される固定索についても同様である。
【0055】
すなわち、上記の補助バトン4には、前記したように、固定索とされる牽引部材たるワイヤW3およびワイヤW4の図中で下端となる一端が腕41,42を介して連結されるが、このワイヤW3およびワイヤW4にあっても、舞台の奥行方向に並んで二本で一組とされながら舞台の奥側の上方から垂下されている。
【0056】
そして、上記の腕41,42は、下端が補助バトン4の上端に枢着されていて、固定索を介しての牽引力が解除されるとき、いわゆる倒れるように構成されている。
【0057】
ちなみに、固定索たるワイヤW3,W4の一端が補助バトン4に枢着された腕41,42を介して補助バトン4に連結されるのは、図2に示すように、昇降索で補助バトン4ごと正面反射板1および天井反射板2を吊り上げるときに、固定索が長さを一定にするためにいわゆる弛むことになるが、このときに、固定索が補助バトン4および天井反射板2に干渉しないようにするためである。
【0058】
ところで、この固定索にあっても、舞台の奥行方向に二本で一組とされるのは前述した通りであるが、これによって、補助バトン4に吊持される正面反射板1側における重心位置が舞台の奥行方向に移動することがあっても、正面反射板1を傾斜させることなく吊持することが可能になる。
【0059】
そして、この固定索は、長さを一定にしてなるから、昇降索によって天井反射板2と共に吊り下ろされた正面反射板1が舞台に下端を着座させる状況になるとき、すなわち、舞台に立設される状況になるとき、昇降索に代わって、補助バトン4を介して天井反射板2と共に正面反射板1を傾斜させることなく吊持することになる。
【0060】
ちなみに、固定索の長さについては、補助バトン4に吊持された正面反射板1における立設時の姿勢をいわゆる真っ直ぐにする限りには任意に設定されて良いが、好ましくは、正面反射板1の下端が舞台に接触する、すなわち、着座する長さに設定されるのが良い。
【0061】
もっとも、この発明にあっては、正面反射板1における傾斜が阻止されることからして、固定索が伸び切ったときに、正面反射板1の下端が舞台に着座せずして離座する状況になるとしても良いことはもちろんである。
【0062】
以上のように、この発明にあって、正面反射板1は、天井反射板2と共に補助バトン4に吊持されてなるとし、また、補助バトン4は、昇降索と固定索とに吊持されてなるとする。
【0063】
そして、この発明にあって、昇降索は、長さを可変にするのに対して、固定索は、長さを一定にし、しかも、昇降索および固定索は、共に舞台の奥行方向に二本で一組とされてなるとして、補助バトン4に吊持される正面反射板1および天井反射板2からなる重心位置が舞台の奥行方向に移動するとしても正面反射板1を傾斜させないようにすることが可能になる。
【0064】
そしてまた、昇降索で吊り下ろされた正面反射板1は、以降、固定索で吊持されるから、ワイヤW1,W2とワイヤW3,W4とは、舞台の袖から見ると、V字状を呈する(図1参照)ことになるが、このとき、ワイヤW3,W4がいわゆる緊張状態にあるのに対して、ワイヤW1,W2は正面反射板1を吊持せず、しかも、長さを可変にするからいわゆる弛んだ状態を呈して、固定索による正面反射板1の吊持状態を阻害しない。
【0065】
以上のように、この発明にあっては、正面反射板1の昇降を専ら昇降索によるとし、正面反射板1の舞台への立設を専ら固定索によるとして、昇降索と固定索のいわゆる役割を分担させたので、これに代えて、たとえば、昇降索のみで正面反射板1を昇降させると共に正面反射板1を舞台に立設させるために昇降索の長さの調整が必須とされる場合に比較して、正面反射板1の立設を簡単確実に実現できる点で有利となる。
【0066】
ところで、天井反射板2は、図1に示すように、使用時に舞台の前側の上方に水平状態に維持されるが、上記した正面反射板1の舞台への立設時には、正面反射板1と共に補助バトン4に吊持されたままの状態で、先端側が下方を向く垂下された状態にある。
【0067】
そこで、この先端側が下方を向く垂下された状態にある天井反射板2を使用状態にすることを可能にするために、牽引部材たるワイヤW5が天井反射板2の先端側を吊持するとしている。
【0068】
このとき、図示するところにあって、天井反射板2は、図中で右側となる先端側が舞台の間口方向に延びる補助バトン5の配設下にワイヤW5によって舞台上方の天井側から吊持される。
【0069】
ちなみに、補助バトン5は、前記した補助バトン4と同様にトラス梁状に形成されてなるとし、舞台の奥行方向となる奥行長さに対して舞台の間口方向となる間口長さを大きくする天井反射板2における自己支持性を補うために設けられる。
【0070】
そして、この補助バトン5にあっても、前記した補助バトン4と同様に、天井反射板2より間口方向の長さを大きくし、この補助バトン5の両端部にワイヤW5を掛け回すための滑車51を配設し、これによって、天井反射板2の先端側をいわゆる起伏させるワイヤW5が舞台の間口方向の中央部分に集中するバトン装置の稼動を妨げないように配慮している。
【0071】
なお、天井反射板2は、その使用時には、客席エリアG側に臨む先端が補助バトン4に吊持される後端に比較して高く位置決められ、図中で下面となる音響反射面を客席エリアGに向けて言わば仰向け傾向にする。
【0072】
それゆえ、天井反射板2における自己支持性が充分に保障される場合には、この補助バトン5の配設を省略しても良いが、この天井反射板2を昇降させる吊り下げ手段への契合の観点からすると、この補助バトン5が設けられている方が好ましい。
【0073】
また、上記したワイヤW5は、一端が舞台の天井側に連結され、他端側が簀の子T上などに配設のウインチに連結され、中間部が上記した滑車51に掛け回される。
【0074】
一方、この発明による音響反射板装置を構成する側面反射板3は、不使用時の格納に際しては、図4中に仮想線図で示すように、舞台の袖の上方に吊持されて垂下されるが、使用時には、舞台に吊り下ろされて正面反射板1および天井反射板2に隣設され、この正面反射板1および天井反射板2と共に音響空間を創成する。
【0075】
少し説明すると、図示するところにあって、側面反射板3は、図1および図2中に仮想線図で示すように、本体部3aに対して補助部3b,3cを折り畳み可能に有してなり、使用時には充分な音響反射面を確保し得るようにすると共に、格納時に舞台の奥行方向の長さを小さくして、いたずらに空間を占有しないように配慮している。
【0076】
一方、この側面反射板3は、図4に示すように、上端に滑車6,7を有し、この滑車6,7に舞台の袖の天井側からのワイヤW6,W7が掛け回されると共に、この滑車6,7を保持する揺動ブラケット61,71を有し、この揺動ブラケット61,71に舞台の中央部寄りの天井側から垂下されるワイヤW8,W9の図中で下端となる一端が連結される。
【0077】
すなわち、側面反射板3における滑車6,7には、一端側および他端側が簀の子Tの下に配設の滑車(符示せず)に掛け回されて転向可能にすると共に簀の子T上などに配設の図示しないウインチに巻き取られるワイヤW6,W7の中間部が掛け回されている。
【0078】
また、側面反射板3における揺動ブラケット61,71には、ワイヤW8,W9の一端が連結されると共に、このワイヤW8,W9の中間部が簀の子Tの上下にある滑車(符示せず)に掛け回されて転向可能とされ、このワイヤW8,W9の他端側が簀の子T上などに配設の図示しない固定装置またはウインチに巻き取られてなる。
【0079】
このとき、側面反射板3における滑車6,7に掛け回されて転向されるワイヤW6,W7は、このワイヤW6,W7を転向させる滑車か舞台の袖の上方に位置決められることから、一端側および基端側が舞台の袖の上方に位置決められる。
【0080】
そして、このワイヤW6,W7は、一端側および他端側がウインチに巻き取れているから滑車6,7に掛け回される中間部の昇降が可能になり、したがって、昇降ワイヤに設定されてなる。
【0081】
それに対して、側面反射板3における揺動ブラケット61,71に一端が連結されるワイヤW8,W9は、上記のワイヤW6,W7の掛け回しを許容する滑車に比較して、舞台の中央部寄りに配設の滑車に掛け回されるから、基端側が舞台の中央部寄りに上方に位置決められる。
【0082】
そして、このワイヤW8,W9は、吊り下ろされた側面反射板3の舞台における正面反射板1および天井反射板2に隣設する立設を具現化することから、天井側から垂下される長さが一定となるように設定される、つまり、固定ワイヤに設定されてなる。
【0083】
ちなみに、この固定ワイヤとされるワイヤW8,W9の側面反射板3を吊持する長さについてだが、緊張状態になったときに、側面反射板3の下端が舞台に着座することになるように設定されている。
【0084】
それゆえ、ワイヤW6,W7の一端側および基端側がウインチに巻き取られる場合には、側面反射板3が舞台の袖の上方に吊持されて垂下されることになり、ウインチがワイヤW6,W7の中間部を送り出す場合には、側面反射板3が舞台の袖に吊り下ろされることになる。
【0085】
そして、ワイヤW6,W7の中間部がウインチで送り出され、したがって、側面反射板3が舞台の袖に吊り下ろされ、側面反射板3の下端が舞台に着座する前にワイヤW8,W9で側面反射板3が吊持されると、側面反射板3は、正面反射板1および天井反射板2に隣設するように舞台の袖側から舞台の中央部側に言わば横移動することになり、舞台の中央部寄り位置に立設されることになる。
【0086】
つまり、この発明における側面反射板3にあっては、舞台の袖の上方に吊持されて垂下されている側面反射板3を舞台の袖に吊り下ろすとき、これに引き続いて側面反射板3が舞台の中央部寄りに横移動することになり、側面反射板3の設置作業を簡素化し得ることになる。
【0087】
以上のように形成されたこの発明による音響反射板装置にあっては、以下のようにして、舞台に音響空間を創成する。
【0088】
先ず、図2に示す音響反射板装置の格納状態から、昇降索たるワイヤW1,W2をウインチから送り出すようにして、補助バトン4に吊持された状態の正面反射板1および天井反射板2を舞台に向けて吊り下ろす。
【0089】
そして、正面反射板1の下端が舞台に着座する状況になるとき、昇降索の繰り出しを中止して、以降は、固定索たるワイヤW3,W4に補助バトン4,すなわち、正面反射板1および天井反射板2を吊持させる。
【0090】
このとき、正面反射板1の下端が舞台に着座するから、正面反射板1を舞台に安定した状態で立設し得ることになり、たとえば、上方から吊り下ろされる正面反射板1を舞台にいる作業員によって正面反射板1の傾斜を抑制しつつ所定位置に立設させる場合に比較して、正面反射板1の立設作業を簡素化し得ることになる。
【0091】
ちなみに、固定索たるワイヤW3,W4の長さは一定とされているから、このワイヤW3,W4についてのウインチからの送り出し操作は不要となり、この点からも、正面反射板1の立設作業を簡素化し得ることになる。
【0092】
なお、補助バトン4に一端が連結される昇降索および固定索は、共に舞台の奥行方向に二本で一組一対とされてなるから、補助バトン4に吊持される正面反射板1が、吊り下ろし時であれ、立設時であれ、傾斜することがない。
【0093】
補助バトン4を介してであるが、正面反射板1が天井反射板2と共に舞台に立設された後は、天井反射板2の先端側を起すようにして、すなわち、ワイヤW5の基端側をウインチで巻き取るようにして、天井反射板2を水平状態に変態させる。
【0094】
もっとも、このワイヤW5があらかじめ天井反射板2の先端側を引き起す長さに設定されている場合には、正面反射板1を舞台に立設させるべく正面反射板1を吊り下ろす際に、天井反射板2が叙情に先端側起し、正面反射板1の下端が舞台に着座する状況になるときには、天井反射板2の先端側が所定のいわゆる起された状態になるとしても良いことはもちろんである。
【0095】
ちなみに、補助バトン4に一端が連結される固定索は、舞台の奥行方向に二本で一組とされるから、補助バトン4に吊持される天井反射板2が変態することで、補助バトン4に吊持される正面反射板1と天井反射板2とからなる重心位置が移動するとしても、正面反射板1が傾斜することがない。
【0096】
そして、天井反射板2の先端側が所定のいわゆる起された状態になることで、正面反射板1と天井反射板2とによる音響空間の創成が具現化されるので、次には、側面反射板3を正面反射板1と天井反射板2とに隣設させることで、所望の音響空間を創成できる。
【0097】
つまり、昇降ワイヤたるワイヤW6,W7の中間部をウインチで送り出して、側面反射板3の下端が舞台の袖で着座されそうになるまで、側面反射板3を吊り下ろすと共に、側面反射板3の下端が舞台の袖で着座されそうになる直前でワイヤW8,W9が緊張状態となり、以降は、側面反射板3を下端が舞台に着座する前に固定ワイヤたるワイヤW8,W9で側面反射板3を吊持した状態でワイヤW6,W7の送り出しを中止する。
【0098】
これによって、側面反射板3は、下端が舞台に着座する直前に横移動して舞台の中央部寄りに立設されることになり、このとき、正面反射板1および天井反射板2に隣設することで、正面反射板1および天井反射板2と共に音響空間を創成することになる。
【0099】
以上のように、この発明による音響反射板装置にあっては、舞台の奥側の上方に吊持されている正面反射板1を舞台に立設させるために吊り下ろすとき、長さを可変にする牽引部材たる昇降索で吊持されるが、この昇降索が舞台の奥行方向に二本で一組とされるから、正面反射板1を傾斜させることなく、舞台に吊り下ろせる。
【0100】
そして、正面反射板1が舞台に立設されるとき、長さを可変にする二本の昇降索に代えて、長さを一定にする二本の牽引部材たる固定索で吊持されるから、正面反射板1が傾斜されずして、舞台に立設される。
【0101】
また、舞台に立設された正面反射板1に対して天井反射板2を展開するときに重心位置が異なるとしても、正面反射板1が長さを一定にする二本の固定索で吊持されているから、正面反射板1の傾斜を危惧しなくて済む。
【0102】
そしてまた、昇降ワイヤたるワイヤW6,W7の送り出しで側面反射板3を吊り下ろすと共に、側面反射板3の下端が舞台の袖で着座する前に側面反射板3を固定ワイヤたるワイヤW8,W9で吊持することで、この側面反射板3を横移動させて正面反射板1および天井反射板2に隣設させることが可能になり、正面反射板1および天井反射板2と共に音響空間を創成する作業が簡素化されることになる。
【0103】
一方、以上のようにして使用状態におかれた音響反射板装置を、不使用時の格納状態にするには、基本的には、上記したところと逆の手順を辿れば良いが、簡単に説明すると、たとえば、図1に示す状態から、先ずは、側面反射板3を舞台の袖の上方に吊持して垂下させるようにする。
【0104】
そのために、昇降ワイヤたるワイヤW6,W7の基端側をウインチで巻き取るようにしてワイヤW6,W7を短くして側面反射板3を舞台の袖の上方に吊り上げる。
【0105】
このとき、固定ワイヤW8,W9は、側面反射板3の横方向への移動および上昇を妨げないから、側面反射板3の下端側を、たとえば、作業員が抑えるようにするなどの作業を要することなく、舞台の袖の上方に吊り上げられて垂下されることになる。
【0106】
次に、天井反射板2を吊り下げる牽引部材たるワイヤW5をいわゆる弛めて、天井反射板2の先端側を下降させて正面反射板1に沿うように縦方向に垂下させる。
【0107】
もっとも、補助バトン4を介してであるが正面反射板1を吊り上げるときに、ワイヤW5が緊張されない限りにおいて、天井反射板2は、言わば自然に先端側を下降させて、正面反射板1に沿って垂下された状態になる。
【0108】
そして、垂下する天井反射板2が沿うようにされた正面反射板1を補助バトン4ごと昇降索たるワイヤW1,W2で吊り上げるが、このとき、固定索たるワイヤW3,W4については、再度正面反射板1を舞台上に設置して使用する場合のことを考慮して、他端側をウインチで巻き取らないようにする。
【0109】
このとき、天井反射板2の先端側を吊り下げるワイヤW5については、他端側が天井側に配設のウインチに巻き取られるとしても良いが、天井反射板2を可能な限り舞台の奥の上方に垂下させることからすれば、ワイヤW5をいたずらに緊張させない方が良く、また、再度天井反射板2を利用する場合のことを考慮すると、ウインチで巻き取らない方が良い。
【0110】
さらに、不使用時の格納に際して正面反射板1を吊り上げるときには、長さを一定にする二本の固定索に代えて、長さを可変にする昇降索で吊持されるが、この昇降索が上記したように舞台の奥行方向に二本で一組とされるから、正面反射板1を傾斜させることなく、舞台の奥側の上方に吊り下げて垂下できる。
【0111】
その結果、この発明による音響反射板装置にあっては、設置および格納の際に正面反射板1が傾斜されないから、正面反射板1の傾斜を防ぐために、たとえば、多数の作業員の力を利用したり、正面反射板1の下端側を舞台に固定的に連結する作業を要したりしないことになり、設置および格納の各作業を簡素化し得ることになる。
【0112】
そして、正面反射板1および天井反射板2を吊り下ろして舞台の所定位置に位置決める際に、特に、言わば重量物となる正面反射板1を傾斜させないことが可能になり、正面反射板1における傾斜を矯正する作業を、たとえば、多数となる作業員によって実践ことを不要にし得る上で有利となる。
【0113】
なお、この発明による音響反射板装置にあっては、不使用時たる格納時に、正面反射板1および天井反射板2が舞台の奥側の上方に縦状態に垂下されるから、舞台の奥側にデッドスペースを出現させずして、舞台の奥側の有効利用を可能にするのはもちろんのこと、たとえば、天井反射板2が舞台の前側の上方に垂下されないから、この舞台の前側の上方への他の舞台装置たる、たとえば、昇降プロセニアムの垂下を妨げない。
【0114】
前記したところでは、正面反射板1および天井反射板2がいわゆる一枚仕様とされてなるが、この発明が意図するところからすると、この発明の効果が達成される限りにおいて、正面反射板1および天井反射板2が折り畳み可能に形成されたり、いわゆる本体部を変態可能にする補助反射板などを有したりしても良いことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0115】
多機能ホールなどの舞台に吊り下げ式の可動型に設定される音響反射板装置にあって、音響反射板を舞台に立設する際に、その傾斜を危惧させずして、設置および格納の各作業を簡素化するのに向く。
【符号の説明】
【0116】
1 正面反射板
2 天井反射板
3 側面反射板
3a 本体部
3b,3c 補助部
4,5 補助バトン
6,7,51 滑車
41,42 腕
61,71 揺動ブラケット
C 東西幕
G 客席エリア
G1 客席天井
M1 ウインチ
T 簀の子
W 垂れ壁
W1,W2 牽引部材たるワイヤ(昇降索)
W3,W4 牽引部材たるワイヤ(固定索)
W5 牽引部材たるワイヤ
W6,W7 牽引部材たるワイヤ(昇降ワイヤ)
W8,W9 牽引部材たるワイヤ(固定ワイヤ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不使用時に舞台の奥側の上方に吊持されると共に使用時に舞台の奥側寄りに立設されて軸線方向が舞台の間口方向となる正面反射板を有してなる音響反射板装置において、正面反射板が舞台の間口方向に延在されて舞台の上方から昇降可能に垂下される補助バトンに吊持され、この補助バトンが舞台の間口方向の両端部にあって、舞台の奥行方向に舞台の上方から垂下されて長さを一定にする二本で一組となる牽引部材たる固定索に吊持されると共に、同じく舞台の奥行方向に上記の二本で一組となる固定索より舞台の奥側にあって舞台の上方から垂下されて長さを可変にする二本の牽引部材たる昇降索に吊持されてなることを特徴とする音響反射板装置。
【請求項2】
二本の固定索が補助バトンを吊持するときに正面反射板の下端が舞台に着座されてなる請求項1に記載の音響反射板装置。
【請求項3】
舞台の奥行方向に舞台の上方から垂下される二本で一組となる昇降索および固定索が補助バトンの間口方向の両端部に一端を連結させてなる請求項1および請求項2に記載の音響反射板装置。
【請求項4】
使用時に舞台の客席側となる前側の上方に水平状態に維持される天井反射板が正面反射板を吊持する補助バトンに併せて吊持されてなる請求項1,請求項2または請求項3に記載の音響反射板装置。
【請求項5】
天井反射板が客席側に位置決められる先端側に舞台の間口方向に延在されて舞台の上方から昇降可能に垂下される補助バトンを連結させてなる請求項4に記載の音響反射板装置。
【請求項6】
使用時に正面反射板の両端に近隣する側面反射板が不使用時に舞台の袖の上方に吊持されてなる請求項1,請求項2,請求項3または請求項4に記載の音響反射板装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−90800(P2012−90800A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241057(P2010−241057)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(304039065)カヤバ システム マシナリー株式会社 (185)