説明

音響減衰コーティング用組成物

少なくとも1つの分散ポリマーと少なくとも1つの無機充填剤を含む水性コーティング組成物中の膨張性微小球の存在が、基板表面への塗布後に水性コーティング組成物を加熱することによって得られるコーティングの外観および/または音減衰特性を改善するのに役立つ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板、特に金属薄板のような比較的薄い剛性材料上に音響および振動減衰コーティングを形成するのに有用な水性組成物に関する。特に、本発明は、水と、1つ以上のポリマーの分散粒子と、1つ以上の粒子状無機充填剤と、膨張性微小球とを含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、機械、船舶、建築材および部材、器具等の製造において採用されるような一定の基板の振動によってしばしば生じる騒音を抑制するために、各種の水性振動減衰コーティングが開発されている。このようなコーティングは、一般に、有害、揮発性または可燃性の有機溶媒を多量には含んでいないため、取り扱いおよび塗布が簡単かつ比較的安全であるという利点を有すると認められている。しかしながら、基板表面に塗布し、乾燥または硬化させた際のこのようなコーティングの外観は完全に満足できるものとはいえないことが多い。コーティング表面がでこぼこで、むらのあることが非常によくある。さらに、水性コーティングの減衰特性は、騒音および振動を所望の程度まで抑制するには比較的厚いコーティングが必要であるというようなものである。比較的厚いコーティングを用いるのは、経済性が低いうえに、このようなコーティングによって典型的に生じる外観の問題をさらに悪化させがちである。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
少なくとも1つの分散状ポリマーと、少なくとも1つの粒子状無機充填剤と、膨張性微小球とを含む水性組成物を用いることにより、外観および/または騒音抑制特性が改善された音響減衰コーティングを提供することができることがわかった。膨張性微小球は、水性組成物の層で被覆された基板を加熱して水性組成物を乾燥させる際に体積が増加し、これにより、膨張性微小球がない場合に得られるコーティング表面よりも滑らかな最終コーティング表面を提供する。膨張性微小球の存在によって、乾燥後のコーティングの音響透過特性も高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0004】
本発明の水性コーティング組成物は、組成物を加熱および乾燥することによって形成されるコーティングの外観を改善し、かつ/またはコーティングの音もしくは振動減衰特性を改善するのに有効な量の膨張性微小球を含む。膨張性微小球は、当業者にとって周知であり、一般に、軽質炭化水素(例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、イソペンタン、n−ペンタン、ネオペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル)およびハロカーボン(例えば、塩化メチル、塩化メチレン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン)のような1つ以上の揮発性物質を内包する直径の小さいポリマー外殻すなわちポリマー気泡を含む。外殻は、外殻内に閉じ込められた物質の揮発による、加熱時の膨張性微小球の軟化および膨張を可能にするために、通常は熱可塑性である。外殻に用いられるポリマーは、線状、分岐または架橋ポリマーであってよく、アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル)、スチレン樹脂(例えば、アクリル変性ポリスチレン、スチレン/メタアクリル酸メチルコポリマー)、ポリ塩化ビニリデン、ニトリルポリマーまたはコポリマー(例えば、アクリロニトリル/塩化ビニリデン/メタアクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル/メタクリロニトリル/メタアクリル酸メチルコポリマー)等からなるものであってもよい。膨張性微小球は、例えば米国特許第3,615,972号に記載の手順のような当該技術分野において公知の方法を用いて調製し得る。適切な膨張性微小球は、キャスコ・ノーベル社(Casco Nobel AB)またはアクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)によって「EXPANCEL」の商標名で販売されている製品のように、市販もされている。微小球の平均粒径および微小球の膨張開始温度は、特に重要であるとは考えられない。しかしながら、一般に、微小球は、約5〜約50ミクロンの範囲の重量平均粒径および約70℃〜約140℃の範囲の膨張開始温度(熱機械的分析によって測定されるもの)を有する。異なる平均粒径および/または異なる膨張特性を有する異なる膨張性微小球の混合物を用いてもよい。
【0005】
本発明において用いるのに適したポリマーは、分散(乳化)状であり、基板表面上に振動および/または減衰コーティングを形成することが可能な水性組成物において従来から用いられるいかなるポリマー材料から選択されたものであってもよい。好ましいポリマーとしては、1,3−ブタジエン、シクロブタジエンおよび/またはイソプレンのようなジオレフィンのホモポリマーまたはコポリマーの分散液がある。コモノマーは、スチレンまたはアルファ−メチルスチレン、アクリロニトリル等のようなビニル芳香族化合物およびその他のエチレン性不飽和モノマーから選択されたものであるのが好ましい。アクリレートポリマーおよびコポリマー(当該技術分野においてアクリル樹脂と呼ばれる場合もある)、例えば、アクリル酸n−ブチルのような(メタ)アクリル酸低級アルキルとスチレンおよび/またはアクリロニトリルのようなコモノマーとのコポリマー等も好ましく用いられる。本発明の水性組成物は、ポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデン等のようないかなる塩素含有ポリマーをも含有しないのが好ましい。1つの好適な実施形態においては、水性コーティング組成物のポリマー成分の少なくとも一部がポリウレタン分散液である。上記のポリマーの混合物を用いてもよく、それらは最終的な硬化コーティングにおいて所望の特性の組み合わせを得るために好ましいことがある。例えば、異なるガラス転移温度特性を有する異なるポリマーを組み合わせて用いてもよい。一般に、本発明において用いるポリマーは、約0℃〜約90℃の範囲のガラス転移温度を典型的に有する。しかしながら、本発明の1つの実施形態では、1つのポリマーが0℃を超えるTg(例えば、15〜35℃)を有し、別のポリマーがエラストマーでありかつ0℃未満のTg(例えば、−10〜−30℃)を有するポリマーの組み合わせを用いる。この実施形態において、高いTgのポリマーと低いTgのポリマーとの重量比は約3:1〜約10:1である。2つのポリマーは、例えば、いずれも、所望のTg特性が得られるように選択された異なるモノマー組成を有するアクリル樹脂であってもよい。
【0006】
1つ以上の粒子状無機充填剤は、乾燥後のコーティングにかさを与え、乾燥後のコーティングの硬度を調節し、乾燥後のコーティングの音または振動減衰特性を改善し、乾燥後のコーティングの膨れを制御し、かつ/または乾燥後のコーティングの燃焼性を調整する等の目的のために本発明の水性組成物中に混合される。(1つまたは複数の)無機充填剤は、粉末状、繊維状、針状、鱗状、球状、板状等の当該技術分野において公知の形状のようないかなる適切な形態であってもよく、水に不溶性である。用いるのに適した無機充填剤としては、限定されるわけではないが、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、カオリン、粘土、タルク、雲母、ケイ藻土、ガラス粉末または繊維、水酸化アルミニウム、パーライト、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、カルシウム二水和物、岩綿、石綿、珪灰石、沸石、ガラスまたはセラミック微小球、黒鉛等およびこれらの混合物が挙げられる。ポリマー繊維、加硫または架橋ゴム粒子等のような有機充填剤を用いてもよい。
【0007】
1つ以上の有機溶媒(好ましくは、水混和性有機溶媒)が水性コーティング組成物中に付加的に含まれていてもよい。このような溶媒としては、例えば、アルコール、アミン、ケトンおよびエステル等がある。しかしながら、大気圧での沸点が100℃未満である溶媒や大気圧での沸点が100℃未満である水との共沸混合物を形成する溶媒等の比較的揮発性の有機溶媒は、いかなるものであっても使用を避けることが一般に好ましい。このため、本発明の水性組成物はこのような揮発性有機溶媒を含まないことが好ましい。しかしながら、グリコールおよびプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のようなグリコールオリゴマーならびにグリコールおよびグリコールオリゴマーのモノエーテル(例えば、アルキル基がC1−C6アルキル基であるアルキルモノエーテル)のような比較的高沸点の水混和性溶媒は、基板表面への塗布後の水性コーティング組成物の乾燥速度を制御する目的で本発明のある実施形態において有利に利用される。
【0008】
水性コーティング組成物は、(湿潤剤として機能し得る)界面活性剤または界面活性剤の混合物を含んでいてもよい。適切な界面活性剤としては、酸化エチレンおよび酸化プロピレンのブロックコポリマー等のような非イオン界面活性剤がある。
水平でない基板表面からの水性コーティング組成物の流出または垂れを防止し、所望の厚さの湿潤状態のコーティングの形成を可能にするように水性コーティング組成物の粘性つまりレオロジー特性を調整するために、1つ以上の増粘剤(当該技術分野においてレオロジー調整剤と呼ばれる場合もある)を使用してもよい。水性コーティング技術においてこの目的のために公知であるいかなる標準増粘剤を利用してもよく、これらとしては、例えばカルボキシメチルセルロース(その塩を含む)等の多糖類誘導体および有機変性粘土がある。
【0009】
水性コーティング組成物は、カーボンブラック、二酸化チタン等のような1つ以上の着色剤を必要に応じて含んでいてもよい。
【0010】
本発明の水性組成物のさらなる任意成分としては、限定されるわけではないが、分散剤(無機および有機)、粘性向上剤/調整剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、pH調整剤(例えば、酸、塩基、緩衝剤)、腐食抑制剤、殺菌剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等がある。
水性組成物は、pHが約7.5〜約9.0の範囲であるのが好ましく、室温(すなわち、約20〜25℃)での粘度が単独で約10〜約300ポアズの範囲であるのが好ましい。
本発明の水性組成物を構成し得る異なる成分の好ましい量は以下のとおりである。
【0011】
成分 好ましい重量% より好ましい重量%
総ポリマー 10−30 12−25
ポリウレタン 0−5 0.2−3
水 8−30 12−25
充填剤 30−65 40−60
膨張性微小球 0.5−5 0.8−3
界面活性剤 0−1 0.1−0.6
グリコール/グリコールエーテル 0−25 5−20
消泡剤 0−1 0.1−0.5
増粘剤 0−1 0.1−0.8
【0012】
水性コーティング組成物を塗布し得る基板は、特に限定されないが、金属薄板、めっき金属薄板、化成被覆金属薄板、本明細書中に記載のコーティング以外のコーティングによって被覆済みの金属薄板等が含まれる(これらに限定されるわけではない)。金属は、例えば、鋼、鉄、アルミニウムおよび/または亜鉛を含んでいてもよい。あるいは、基板は、熱可塑性物質または熱硬化性物質のようなポリマー物質からなるものであってもよい。
【0013】
水性コーティング組成物の塗布は、ブラシ塗工、スプレー塗工(エアレススプレー塗工を含む)、浸漬およびローラ塗工のようなコーティング技術分野において公知のいかなる従来の方法または技術によって実施してもよい。塗布されたコーティングの厚さは重要ではないと考えられるが、通常は、最終的な乾燥後のコーティングが騒音および振動の伝達を所望の程度まで抑制するのに有効となるように調節される。典型的に、乾燥後のコーティングの厚さは少なくとも約1000ミクロンであり、一般に約2000〜約5000ミクロンの範囲の厚さで十分である。水性コーティング組成物は、基板表面への塗布後、まず周囲温度またはわずかな昇温状態で部分的に乾燥させてもよく、その後、被覆された基板の加熱を行う。コーティングの乾燥は、膨張性微小球の膨張を開始させるのに有効な温度に湿潤状態のコーティングが曝されるのであれば、炉乾燥または誘導加熱のようないかなる適切な方法によっても行うことができる。この最低乾燥温度は、使用のために選択される特定の膨張性微小球の特性に応じて変化することは言うまでもないが、膨張性微小球の膨張開始温度値を参照することによって容易に決定し得る。しかしながら、典型的には、乾燥温度は約70℃〜約200℃の範囲となる。
【実施例】
【0014】
以下の実施例は本発明の水性コーティング組成物の様々な実施形態を示すものであるが、本発明はこれらに限定されない。各組成物の成分について記載した量の単位は重量パーセントである。
【0015】
実施例1
ポリマー分散液A1 30.9
ポリマー分散液B2 7.4
ポリマー分散液C3 2.1
界面活性剤4 0.3
充填剤A5 21.4
充填剤B6 10.8
充填剤C7 10.9
膨張性微小球8 0.4
消泡剤9 0.3
増粘剤10 0.4
グリコール11 15.0
【0016】
1ACRONAL 296D スチレン/アクリル酸ブチルコポリマーの水性分散液、固形分49〜51%、Tg22℃、バスフ社(BASF)より入手
2ACRONAL S760 スチレン/ブタジエンコポリマーの水性分散液、固形分49〜51%、Tg22℃、バスフ社(BASF)より入手
3INCOREZ W830/404 ポリウレタンの水分散液、インダストリアル・コポリマーズ社(Industrial Copolymers, Ltd)より入手
4PLURONIC F87 ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、7700 MW、バスフ社(BASF)より入手
5HUBERCARB Q325 粉砕石灰石、ヒューバー社(Huber)より入手
6MP1225 タルク(ケイ酸マグネシウム水和物)、ミネラル・テクノロジーズ社(Mineral Technologies)より入手
7GP 076 黒鉛
8EXPANCEL DU 551 膨張性微小球、平均粒径10〜16ミクロン、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)より入手
9FOAMASTER NXZ コグニス・コーポレーション社(Cognis Corporation)より入手
10AKUCELL AF 0305 カルボキシメチルセルロースナトリウム、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)より入手
11トリプロピレングリコール
【0017】
実施例2 実施例3
ポリマー分散液A1 30.9 33.0
ポリマー分散液B2 7.4 7.9
ポリマー分散液C3 2.1 2.3
グリコール4 15.0 7.5
界面活性剤5 0.3 0.4
充填剤A6 32.2 −
充填剤B7 10.8 3.5
着色剤8 0.2 0.2
膨張性微小球9 1.0 2.0
消泡剤10 0.3 0.3
増粘剤11 0.4 0.4
充填剤C12 − 14.5
充填剤D13 − 20.0
【0018】
1ACRONAL 296D スチレン/アクリル酸ブチルコポリマーの水性分散液、バスフ社(BASF)より入手
2ACRONAL S760 スチレン/ブタジエンコポリマーの水性分散液、バスフ社(BASF)より入手
3INCOREZ W830/404 水性ポリウレタン分散液、インダストリアル・コポリマーズ社(Industrial Copolymers, Inc.)より入手
4トリプロピレングリコール
5PLURONIC F87 ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、バスフ社(BASF)より入手
6MP1225 タルク(ケイ酸マグネシウム水和物)、ミネラル・テクノロジーズ社(Mineral Technologies)より入手
7CD2200 湿式粉砕雲母(含水ケイ酸アルミニウムカリウム)、クラフト・ケミカル社(Kraft Chemical Co.)より入手
8RAVEN H2O カーボンブラック、コロンビア・ケミカルズ社(Columbian Chemicals Co.)より入手
9EXPANCEL DU 551 膨張性微小球、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)より入手
10FOAMASTER NXZ コグニス・コーポレーション社(Cognis Corporation)より入手
11カルボキシメチルセルロース
12GP 076 天然黒鉛、アスベリー・グラファイト・ミルズ社(Asbury Graphite Mills, Inc.)より入手
13CD-2200 湿式粉砕雲母、クラフト・ケミカル社(Kraft Chemical Co.)より入手
【0019】
実施例4
ポリマー分散液A1 2.3
ポリマー分散液B2 35.9
界面活性剤3 0.4
グリコール4 7.5
着色剤5 0.2
膨張性微小球6 2.1
充填剤A7 14.5
充填剤B8 25.0
充填剤C9 8.1
充填剤D10 3.5
消泡剤11 0.3
増粘剤12 0.4
【0020】
1INCOREZ W830/404 ポリウレタン分散液、インダストリアル・コポリマーズ社(Industrial Copolymers Ltd.)より入手
2ACRONAL S504 アクリル酸n−ブチル/アクリロニトリル/スチレンコポリマー分散液(固形分約50重量%)、Tg4C、バスフ社(BASF)より入手
3PLURONIC F87 ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンブロックコポリマー、バスフ社(BASF)より入手
4トリプロピレングリコール
5RAVEN H2O カーボンブラック、コロンビア・ケミカルズ社(Columbian Chemicals Co.)より入手
6EXPANCEL DU 551 膨張性微小球、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)より入手
7TALCRON MP 44-26 タルク、バレッツ・ミネラルズ社(Barretts Minerals Inc.)より入手
8HUBERBRITE 硫酸バリウム(バライト)、ヒューバー・エンジニアド・マテリアルズ社(Huber Engineered Materials)より入手
9GP 076 天然黒鉛、アスベリー・グラファイト・ミルズ社(Asbury Graphite Mills, Inc.)より入手
10CD-2200 湿式粉砕雲母、クラフト・ケミカル社(Kraft Chemical Co.)より入手
11カルボキシメチルセルロース
【0021】
実施例5
ポリマー分散液A1 26.54
ポリマー分散液B2 5.05
界面活性剤3 0.78
ジプロピレングリコール 3.90
カーボンブラック4 0.27
ドロマイト5 53.45
膨張性微小球6 2.00
雲母7 5.05
防腐剤8 0.15
消泡剤9 0.41
プロピレングリコールモノメチルエーテル 0.21
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 1.21
アンモニア(26%) 0.21
レオロジー添加剤10 0.79
【0022】
1JONCRYL R5859 アクリルエマルジョン(固形分40重量%;Tg=26℃)、ジョンソン・ポリマーズ社(Johnson Polymers)より入手
2JONCRYL R5888 エラストマーアクリルエマルジョン(固形分50重量%;Tg=−21℃)、ジョンソン・ポリマーズ社(Johnson Polymers)より入手
3DISPERBYK 181 湿潤添加剤(不揮発分65%;供給業者により陰イオン/非イオン性を有する多機能性ポリマーのアルキルアンモニウム塩の溶液として説明されている)、ビックケミー社(Byk Chemie)より入手
4RAVEN H2O カーボンブラック、コロンビア・ケミカルズ社(Columbian Chemicals Co.)より入手
5DOLFL 50/90 ドロマイト、カナダ・タルク社(Canada Talc)より入手
6EXPANCEL DU 551 膨張性微小球、アクゾ・ノーベル社(Akzo Nobel)より入手
7CD 2200 雲母、クラフト・ケミカル・カンパニー社(Kraft Chemical Company)より入手
8DOWACIL 75 防腐剤、ダウ・ケミカル・カンパニー社(The Dow Chemical Company)より入手
9FOAMASTER NXZ 消泡剤、コグニス・コーポレーション社(Cognis Corporation)より入手
10BENAQUA 4000 レオロジー添加剤(粉末状有機変性粘土(ヘクトライト))、エレメンティス・スペシャルティーズ社(Elementis Specialties)より入手





【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板表面上に音響または振動減衰コーティングを形成するのに有用な組成物であって、(a)水と、(b)少なくとも1つの分散状ポリマーと、(c)少なくとも1つの粒子状無機充填剤と、(d)膨張性微小球とを含む組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのポリマーが、アクリレートポリマーおよびコポリマー、ジエンポリマーおよびコポリマーならびにポリウレタンからなる群から選択されたものである請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの増粘剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
グリコール、グリコールオリゴマー、グリコールのモノアルキルエーテル、グリコールオリゴマーのモノアルキルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択された少なくとも1つの水溶性溶媒をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの界面活性剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの消泡剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの着色剤をさらに含む請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記少なくとも1つの粒子状無機充填剤が、雲母、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、硫酸バリウム、ドロマイトおよび石灰石からなる群から選択されたものである請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記膨張性微小球が約4〜約50ミクロンの重量平均粒径を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記膨張性微小球が約70〜約140℃の膨張開始温度を有する請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記膨張性微小球を約0.5〜約5重量%含む請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記少なくとも1つのポリマーがポリウレタンである請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つのポリマーが、スチレンおよび1,3−ブタジエンのコポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つのポリマーが、スチレン、アクリル酸n−ブチルおよび必要に応じてアクリロニトリルのコポリマーである請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記膨張性微小球が前記組成物の約0.8〜約3重量%を構成する請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記少なくとも1つのポリマーが、約0℃〜約40℃のTgを有するアクリル樹脂である請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
基板表面上に音響または振動減衰コーティングを形成する方法であって、(a)前記基板表面上に請求項1に記載の組成物の層を形成することと、(b)前記層を、前記層を乾燥させ、前記膨張性微小球の体積を増加させるのに有効な時間および温度で加熱することとを含む方法。
【請求項18】
基板上に音響または振動減衰コーティングを形成するのに有用な組成物であって、(a)約10〜約30重量%の、アクリレートポリマーおよびコポリマー、ジエンポリマーおよびコポリマー、ポリウレタンならびにこれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の分散状ポリマーと、(b)約8〜約30重量%の水と、(c)約30〜約65重量%の、雲母、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、硫酸バリウム、ドロマイト、石灰石およびこれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の粒子状無機充填剤と、約0.5〜約5重量%の膨張性微小球とを含む組成物。
【請求項19】
薄い剛性基板表面上に音響または振動減衰コーティングを形成する方法であって、(a)前記基板表面上に請求項18に記載の組成物の層を形成することと、(b)前記層を、前記層を乾燥させ、前記膨張性微小球の体積を増加させるのに有効な時間および温度で加熱することとを含む方法。
【請求項20】
基板表面上に音響または振動減衰コーティングを形成するのに有用な組成物であって、(a)約12〜約25重量%の、アクリル樹脂、スチレン/ブタジエンコポリマー、ポリウレタンおよびこれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の分散状ポリマーと、(b)約12〜約25重量%の水と、(c)約40〜約60重量%の、雲母、タルク、炭酸カルシウム、黒鉛、硫酸バリウム、ドロマイト、石灰石およびこれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の粒子状無機充填剤と、(d)約0.8〜約3重量%の、約70〜約140℃の膨張開始温度を有する膨張性微小球と、(e)約0.1〜約0.6重量%の1つ以上の界面活性剤と、(f)約5〜約20重量%の、グリコール、グリコールオリゴマー、グリコールのモノアルキルエーテル、グリコールオリゴマーのモノアルキルエーテルおよびこれらの混合物からなる群から選択された1つ以上の水混和性溶媒と、(g)約0.1〜約0.5重量%の1つ以上の消泡剤と、(h)約0.1〜約0.8重量%の1つ以上の増粘剤とを含む組成物。
【請求項21】
金属基板表面上に音響または振動減衰コーティングを形成する方法であって、(a)前記金属基板表面上に請求項18の組成物の層を形成することと、(b)前記層を、前記層を乾燥させ、前記膨張性微小球の体積を増加させるのに有効な時間および温度で加熱することとを含み、前記層は、乾燥膨張時に約1000〜約5000ミクロンの厚みを形成するのに十分である方法。





【公表番号】特表2006−526689(P2006−526689A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510039(P2006−510039)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011523
【国際公開番号】WO2004/098230
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(500233681)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (6)
【Fターム(参考)】