項目検索装置
【課題】 使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能な項目検索装置を提供する。
【解決手段】 繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、検索条件に基づいて繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、を有することを特徴とする項目検索装置として提供可能である。
【解決手段】 繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、検索条件に基づいて繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、を有することを特徴とする項目検索装置として提供可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両を目的地まで経路誘導する車両用ナビゲーション装置に備えられる、使用者が望む地名あるいは施設を検索する項目検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車両用ナビゲーション装置は、一般に、車両の現在位置をその周辺の道路地図とともに表示するという基本的な機能の他、地名または都道府県ごとに分類された施設を検索できる機能を有する。この検索機能は、一般に、目的地、経由地または登録地をユーザが設定する際に利用される。すなわち、使用者は、目的地などを設定する場合に、検索機能を利用して地名または施設を検索し、当該検索された地名または施設を目的地などとして設定する。しかし、この検索機能では、特定の駐車場のような操作者が所望する施設を検索することはできるが、駐車場が集中している地区のような特定の施設が多数存在する領域を検索することができなかった。
【0004】
そこで、地図情報に基づいて特定の施設のある領域を検索するとともに、特定施設集中度を表示させることによって、周辺施設の周囲の領域の特定施設集中度を把握して、渋滞が予想される地域を避けて経路検索を行なうことができるようにする車両用ナビゲーション装置が提案されている。(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−109146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の例は、周囲の特定施設を検索し、周辺施設の周囲の特定施設集中度を把握するものである。したがって、繁華街のように特定の施設が多数存在する領域を検索することはできない。
【0007】
このように、従来の技術では、様々な店が集まっている繁華街を検索できないという問題が生じている。さらに、近年、使用者がちょっと繁華街まで行ってたくさんの店を見て歩きたい、繁華街にどんな店があるのか知りたい、といった要望があるが従来技術では解決するのは困難である。
【0008】
上記問題を背景として、本発明の課題は、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能な項目検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための項目検索装置を提供するものである。即ち、請求項1によれば、繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、検索条件に基づいて繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、を有することを特徴とする項目検索装置として構成される。
【0010】
本発明は、特定の店や特定の施設へ行くといった明確な目的地がない場合、様々な店が集まっている繁華街にとりあえず行きたい場合、あるいは、その繁華街にどんな店やレストランなどがあるか知りたい場合に、使用者に該繁華街に関する有用な情報を提供するものである。上記構成によって、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能となる。
【0011】
請求項2によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は所定の範囲内に所定の数の店舗あるいは施設の存在する領域として定義されるものであり、電子地図データが記憶された地図データ記憶手段を有し、繁華街情報は地図データ記憶手段に記憶され、繁華街情報取得手段は地図データ記憶手段から繁華街情報を取得する構成をとることができる。本構成によって、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能となる。
【0012】
請求項3によれば、本発明の項目検索装置は、繁華街情報に含まれる所定の範囲、および店舗あるいは施設の所定の数を設定する繁華街情報設定手段と、設定された繁華街情報を記憶する繁華街情報記憶手段を有し、繁華街情報取得手段は繁華街情報記憶手段から繁華街情報を取得する構成をとることができる。本構成によって、使用者は自らが繁華街の規模を例えば大中小の3段階に分類し設定することができる。また、繁華街が異なる繁華街と隣接(例えば、100m以内に繁華街Aと繁華街Bが隣接する)する場合、一つの繁華街として見なすかどうかも設定することができる。
【0013】
請求項4によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の規模を含み、検索条件設定手段は繁華街の規模を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の規模を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、比較的少量の買い物をしたいときは小規模の繁華街のみを検索したり、比較的大量の買い物をしたいときは大規模の繁華街のみを検索することができる。
【0014】
請求項5によれば、本発明の項目検索装置は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、車両の現在位置と繁華街との距離を演算する距離演算手段を有し、検索条件設定手段は演算された距離を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は演算された距離を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、繁華街を使用者からの距離の範囲で検索できるため、遠距離から周辺の繁華街まで広範囲に検索することができる。
【0015】
請求項6によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街が成立してからの期間を含み、検索条件設定手段は繁華街が成立してからの期間を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街が成立してからの期間を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、古い佇まいを楽しみたい場合、とにかく出来て新しいところへ行きたい場合でも、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0016】
請求項7によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の種別を含み、検索条件設定手段は繁華街の種別を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の種別についての情報を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。繁華街の種別は娯楽施設,商業地区,温泉街等が挙げられる。本構成によって、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0017】
請求項8によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の知名度を含み、検索条件設定手段は繁華街の知名度を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の知名度についての情報を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、有名な繁華街に行きたい場合でも、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0018】
請求項9によれば、本発明の項目検索装置は車両の進行方向を検出する進行方向検出手段を有し、検索条件設定手段は車両の進行方向を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は車両の進行方向を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0019】
どの繁華街へ行くかは決まっていないが、車両の進行方向を基準にして行ってみたい方向を決めたい場合もある。上記構成によって、使用者は所望の繁華街を短時間で見つけることが可能となる。
【0020】
請求項10によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの案内経路を検索する案内経路検索手段を有し、検索条件設定手段は案内経路を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は案内経路を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0021】
繁華街の立地条件は様々で、繁華街までの案内経路も、幹線道路のみの案内経路,住宅密集地や幅員の狭い道路を通る案内経路,ほぼ一直線な案内経路,右左折の回数の多い案内経路など様々である。使用者あるいは運転者によっては幅員の狭い道路や右左折の回数の多い案内経路は通りたくない場合もある。上記構成によって、使用者あるいは運転者が通行したい案内経路となる繁華街を選択することが可能となる。
【0022】
請求項11によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの通行料金を予測する通行料金予測手段を有し、検索条件設定手段は通行料金を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は通行料金を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0023】
使用者によっては通行料金を払ってでも繁華街へ行きたいと思う場合と、その逆の場合がある。上記構成によって使用者の要求に応じて木目細かく繁華街を検索することが可能となる。
【0024】
請求項12によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの到達予想時間を算出する到達予想時間算出手段を有し、検索条件設定手段は到達予想時間を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は到達予想時間を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0025】
繁華街までの距離が短くても、道路事情によって到達するための時間は必ずしも短いとは限らない。また、何処でもよいから一刻も早く繁華街に行きたいという使用者もいる。上記構成によって、使用者は所望の繁華街を短時間で見つけ、かつ短時間で所望の繁華街に到達することが可能となる。
【0026】
請求項13によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両の現在位置から演算された距離の範囲の領域を所定の大きさのメッシュ領域に細分化し、そのメッシュ領域について繁華街を検索する構成をとることができる。
【0027】
一つの大きな領域全体で繁華街を検索するよりも、細分化されたメッシュ領域で繁華街を検索する方が、効率よく繁華街を検索することができる。上記構成によって、短時間で繁華街を検索することが可能となる。
【0028】
請求項14によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両とメッシュ領域との距離に基づいてメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0029】
上記構成によって、車両に近いメッシュ領域から検索したり、逆に車両から遠いメッシュ領域から検索するなど、状況に応じて効率よく繁華街を検索することが可能となる。
【0030】
請求項15によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両の進行方向に基づいてメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0031】
どの繁華街へ行くかは決まっていないが、行ってみたい方向のみだけ決まっている場合もある。上記構成によって、使用者の行きたい方向あるメッシュ領域のみを検索するので、短時間に所望の繁華街を検索することが可能となる。
【0032】
請求項16によれば、本発明の項目検索装置はメッシュ領域の検索対象を設定する検索対象設定手段を有し、繁華街検索手段は設定された検索対象となるメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0033】
上記構成によって、車両との距離あるいは車両の進行方向以外の条件で検索したいメッシュ領域を選択することが可能となり、短時間に所望の繁華街を検索することが可能となる。
【0034】
請求項17によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は店舗あるいは施設のジャンルに関する情報を含み、検索された繁華街に含まれる店舗あるいは施設をジャンル分けするジャンル分け手段と、ジャンル分けされた店舗あるいは施設のうちから、所望の店舗あるいは施設を検索する絞り込み検索手段と、を有する構成をとることができる。本構成によって、繁華街を検索した後に、該繁華街に行きたいジャンル(遊ぶ、食べる、泊まる等)の店舗あるいは施設の有無を検索することができるため、所望の繁華街および店舗あるいは施設を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0035】
請求項18によれば、本発明の項目検索装置は、繁華街の検索結果あるいは絞り込み検索結果を表示する表示手段を有する構成をとることができる。本構成によって、検索された繁華街に関する情報を閲覧・確認することが可能となる。
【0036】
請求項19によれば、本発明の項目検索装置は、検索された繁華街あるいは絞り込み検索された繁華街までの経路を案内する経路案内手段を有する構成をとることができる。本構成によって、所望の繁華街まで確実に到達することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能な項目検索装置を提供するという目的を、繁華街情報を取得し該繁華街情報から所望の繁華街を検索する構成をとる項目検索装置により実現した。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の項目検索装置を車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)に適用した例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の項目検索装置の適用の範囲を車両用ナビゲーション装置に限定するものではなく、例えばパーソナルコンピュータ上で本発明の機能を実現する項目検索装置として構成してもよい。
【0039】
図1は車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行なうスピーカ15,外部メモリ9,表示装置10,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12(本発明の検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)を備えている。
【0040】
位置検出器1(本発明の現在位置検出手段)は、周知の地磁気センサ2,ジャイロスコープ3,距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0041】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体20から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVD,ハードディスクドライブ(以降、HDDと称する)を用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【0042】
また、記憶媒体20(本発明の地図データ記憶手段)には繁華街に関する繁華街情報も記憶されている。繁華街情報には、繁華街の名称,所在位置,規模,繁華街を構成する店舗・施設の古さ(あるいは新しさ),繁華街を構成する店舗・施設のジャンル,知名度,対象となる年齢層(家族向け,若者向け等),営業時間帯,自然環境(山や海に近い等),予算(高級志向か庶民的か)等の情報が含まれている。
【0043】
地図データには、表示用となる所定の地図画像情報が記憶されると共に、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報が記憶される。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。
【0044】
操作スイッチ群7(本発明の検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)は、例えば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、例えば表示装置10の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。また、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。これら操作スイッチ群7およびリモコン端末12によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0045】
操作スイッチ群7およびリモコン端末12の他に、音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、音声認識ユニット30に接続されるマイク31から音声を入力することによって、その音声信号を周知の音声認識技術により音声認識処理して、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。
【0046】
表示装置10(本発明の表示手段)はカラー液晶表示器により構成されており、表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。また、表示器として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0047】
スピーカ15は制御回路8のI/O34に接続される周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム82pの指令によって不揮発メモリ9あるいはHDDに記憶されるデジタル音声データを音声合成回路24においてアナログ音声に変換したものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式、音声波形を分析してパラメータに変換された形で蓄積し、それを繋ぎ合せて音声合成回路を駆動し音声を作り出すパラメータ編集方式、文字列あるいは音素記号列から、音声学的・言語学的規則に基づいて、音声を作り出す規則合成方式などがある。
【0048】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。また、車両速度と走行時間から、車両の走行距離を算出することもできる。
【0049】
送受信装置13は、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14との通信を行なうための装置である。この送受信装置13を介して外部から受け取った情報は、制御回路8において処理する。
【0050】
また、通信ユニット19に携帯電話機17あるいは自動車電話機等の移動体通信機器を接続することによっても、外部ネットワークとの接続が可能で、インターネット等に接続することができる。さらに、ETC(自動料金収受システム,ETC:Electronic Toll Collection)車載器16と通信することにより、ETC車載器16がETC路上器から受信した、料金情報などを本ナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器16によって外部ネットワークと接続することも可能である。これら携帯電話機17あるいはETC車載器16を介して情報センタ14との通信を行なう構成を採ってもよい。
【0051】
制御回路8(本発明の繁華街情報取得手段,検索条件設定手段,繁華街検索手段,繁華街情報設定手段,距離演算手段,ジャンル分け手段,絞り込み検索手段,経路案内手段,進行方向検出手段,到達予想時間算出手段,通行料金予測手段,案内経路検索手段)は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM82は、プログラム格納領域82aとデータ記憶領域82bとが含まれている。プログラム格納領域82aにはナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)82pが格納される。データ記憶領域82bにはナビプログラム82pの動作に必要なデータが格納されている。また、ナビプログラム82pは、RAM83上にてナビプログラム用ワークメモリ83wを作業領域とする形で作動する。なお、地図データ入力器6にHDDを用いる場合は、ROM82およびRAM83の機能をHDDによって実施してもよい。
【0052】
また、ナビゲーション装置100の構成にHDDを含む場合には、ナビプログラム82pおよびナビプログラム82pの動作に必要なデータをHDDに記憶してもよい。この場合、HDDに対するデータの読み書きはI/O84によって制御される。
【0053】
さらに、外部メモリ9(本発明の繁華街情報記憶手段)は、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリによって構成され、前述の繁華街情報を含むナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、外部メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(即ち、ナビゲーション装置100がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。また、ナビゲーション装置100の構成にHDDを含む場合には、外部メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDDに記憶してもよい。
【0054】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム82pが起動されると、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。即ち、運転者が表示装置10上の地図に基づいて目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在位置が求められ、現在位置から目的地までの最適な経路を求める処理が行われる。表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両の現在位置マークと、記憶媒体20から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。
【0055】
最適な案内経路が求められると、制御回路8は案内経路の右左折する交差点あるいは案内の目印となる建物等の案内対象点を設定する。そして、設定された案内対象点に対し、車両がある一定距離まで近づいたときに音声により案内すべきポイントとして、案内実施点を決定する。案内実施点は、例えば、案内対象点が交差点の場合、一般道では700m手前,300m手前,100m手前、高速道路では2km手前,1km手前,500m手前といったように複数設定することができる。そして、車両が案内実施点に到達すると、スピーカ15から案内メッセージを送出する。表示装置10の画面表示により案内を実施してもよい。
【0056】
また、経路案内の他にも、表示装置10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの表示あるいは送出を行なう。
【0057】
(繁華街情報設定処理)
図2,図3,図5,図6,および図10を用いて、繁華街情報設定処理について説明する。なお、本繁華街情報設定処理はナビプログラム82pに含まれ他の処理とともに繰り返し実行される。図2のフロー図において、使用者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図5のようなナビメニューを表示させる(S1)。なお、図5のメニューボタンでボタン部分が空白のものは、本繁華街情報設定処理に関係のないものであるため名称を省略したものである。
【0058】
図5のナビメニューで「環境設定」ボタンを押された場合(S4:Yes)、表示装置10上に図6のような環境設定メニューを表示させて環境設定処理に移行する(S5)。
【0059】
図3のフロー図を用いて、繁華街情報設定処理の詳細について説明する。図6の環境設定メニューが表示されたら(S11)、「繁華街」ボタンを押して(S12:Yes)、表示装置10上に図10のような繁華街設定メニュー表示画面を表示させる(S13)。繁華街設定メニュー表示画面が表示された状態で「戻る」ボタンが押された場合(S14:Yes)は、本繁華街情報設定処理を終了して図6の環境設定メニュー表示状態(S11)に戻る。
【0060】
繁華街設定メニュー表示画面が表示された状態で「初期状態」ボタンが押された場合(S15:Yes)は、予めROM82あるいは外部メモリ9に記憶された値がデフォルト値として、繁華街の規模を判定する基準範囲R,大規模繁華街と判定するための閾値X1,中規模繁華街と判定するための閾値X2,小規模繁華街と判定するための閾値X3,隣接する繁華街を一つの繁華街と見なす閾値Yが設定され、外部メモリ9の所定の領域に記憶され(S16)、図10の繁華街設定メニュー表示画面(S13)に戻る。
【0061】
R,X1,X2,X3,Yに値を入力する際(S15:No)は、値を入力したい箇所を押し、押された箇所の数値が反転表示されて数値が入力可能な状態となってから数値を入力する。このとき、入力された数値の関係に、X1>X2>X3の条件を満たさない場合は、画面でのメッセージ表示あるいはスピーカ15による音声メッセージ送出により入力値が不適切である旨を報知し、再入力を促すようにしてもよい。
【0062】
繁華街の規模は所定の範囲(図10ではRm四方の領域)に含まれる商業施設あるいは娯楽施設等が何店存在しているかによって判定する。
【0063】
R,X1,X2,X3,Yに任意の値が入力され、「完了」ボタンが押された場合(S17:Yes)は、入力された値が外部メモリ9の所定の領域に記憶され(S18)、図10の繁華街設定メニュー表示画面(S13)に戻る。
【0064】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の進行方向との位置関係を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両の進行方向との位置関係を用いるかどうかの設定画面が表示される。車両の進行方向との位置関係としては、車両の進行方向に対して、前方,左前方,右前方,左方,右方,後方,左後方,右後方があり、図13のようにプルダウンメニュー方式で一方向を設定できる。また、二つ以上の方向を組み合わせて設定できるようにしてもよい。例えば、図13において、右前方に設定すると、車両の進行方向に対して右45度の方向を中心線として、その中心線の左右22.5度の範囲で繁華街を検索する。さらに、車両の進行方向を0度として、時計回りに角度で指定してもよい。例えば、「左前方」は「315度」となる。なお、車両の進行方向は、車両の現在位置を所定のタイミングでRAM83等に記憶し、その現在位置の推移から求めることができる。また、進行方向を条件に含めたくない場合は、例えばプルダウンメニューに「全方向」といったような選択肢を含めておけばよい。
【0065】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の繁華街までの到達時間を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両の繁華街までの到達時間の設定画面が表示される。例えば図13のように、「60分以内」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路の距離を測定して、車両の平均速度を用いてその繁華街までの到達予想時間を求め、到達予想時間が60分以内の繁華街のみが検索結果として表示される。なお、車両の平均速度は、例えば車両の所定の時間の走行距離から求めることができる。また、一般道は40km/h,有料道路は80km/hといったように一律に定められる値を用いてもよい。また、VICSセンタ14から取得する道路交通情報を用いて到達予想時間を求めてもよい。また、到達時間を条件に含めたくない場合は、例えば「999分」と入力すればよい。
【0066】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両が繁華街に到達するために要する道路の通行料金を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両が繁華街に到達するために要する道路の通行料金の設定画面が表示される。例えば、図13のように、「1000円以内」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路を走行した場合に要する道路の通行料金が1000円以内の繁華街のみが検索結果として表示される。また、通行料金を条件に含めたくない場合は、例えば「99999円」と入力すればよい。
【0067】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の繁華街までの案内のしやすさを含めてもよい。表示装置10の画面には、案内のしやすさを用いるかどうかの設定画面が表示される。案内のしやすさのパラメータとしては、「右左折の回数が少ない」,「幹線道路沿いにある」,「繁華街への流入/流出が容易」等が含まれ、予め外部メモリ9などに記憶されている。使用者によりパラメータを追加してもよい。例えば、図13のように、案内のしやすさを「使用する」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路が上記パラメータの内容を満たす繁華街のみが検索結果として表示される。
【0068】
上述の進行方向,到達時間,料金,案内のしやすさについての設定は、図10の設定画面と同一画面上あるいは別画面に表示される。別画面に表示される場合には、図10の設定画面の例えば右下に「次頁」ボタンが表示され、「次頁」ボタンを押すと、図13のような進行方向,到達時間,料金,案内のしやすさについての設定画面に遷移する。
【0069】
(繁華街検索処理)
次に、図2,図4,図5から図8を用いて、繁華街検索処理について説明する。なお、本繁華街検索処理はナビプログラム82pに含まれ他の処理とともに繰り返し実行される。図2のフロー図において、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図5のようなナビメニューを表示させる(S1)。
【0070】
図5のナビメニューで「目的地設定」ボタンを押された場合(S2:Yes)、表示装置10上に図6のような目的地設定メニューを表示させて目的地設定処理に移行する(S3)。なお、図6のメニューボタンでボタン部分が空白のものは、本繁華街検索処理に関係のないものであるため名称を省略したものである。
【0071】
図4のフロー図を用いて、繁華街検索処理の詳細について説明する。図6の目的地設定メニューが表示されたら(S21)、「繁華街」ボタンを押して(S22:Yes)、表示装置10上に図7のような繁華街検索条件設定画面を表示させる(S23)。繁華街検索条件設定画面が表示された状態で「戻る」ボタンが押された場合は、本繁華街検索処理を終了して図6の目的地設定メニュー表示状態に戻る。
【0072】
図7の例は、繁華街検索条件として、繁華街の車両の現在位置からの距離と、繁華街の規模を用いており、繁華街の車両の現在位置からの距離が20km以内で繁華街の規模に制限を設けず検索をするように設定されている。また、車両の現在位置からの距離ではなく、自宅あるいは所定の施設等の使用者が指定する基準地点との距離を繁華街検索条件として用いてもよい。
【0073】
繁華街検索条件が入力されると(S24:Yes)、該条件に従って繁華街を検索して、その結果を表示装置10に表示する(S25)。図8は、図7の検索条件によって検索された結果を表示したものである。繁華街の規模,店舗数,車両の現在位置からの方向,および距離が表示される。銀座等の著名な繁華街については、繁華街名も表示してもよい。
【0074】
繁華街検索方法の一例を図11を用いて説明する。図7の例では車両の現在位置Pから20km以内の繁華街を検索する条件となっているので、図11のように、車両の現在位置Pを中心に半径D(20km)の円の領域について繁華街を検索する。図11の例では、半径Dの円に内接する正方形を設定し、その正方形を一辺がRmとなる正方形でメッシュ状に区切り、車両の現在位置Pに近い順に該メッシュ領域の範囲内に店舗・施設がどれだけ存在するかを調べ、外部メモリ9に記憶された繁華街情報(図10参照)を参照して繁華街の規模を決定する。繁華街と判定された場合は、該メッシュ領域の中心を繁華街の中心としてもよい。
【0075】
なお、繁華街を検索する領域を半径Dの円に外接する正方形としてもよいし、半径Dの円の領域を一部でも含むメッシュ領域を検索の対象としてもよい。また、メッシュ領域の形状は正方形以外の多角形あるいは円形でもよい。
【0076】
図11の例では車両の現在位置Pに最も近いメッシュ領域1から反時計回りにメッシュ領域2,メッシュ領域3,...,メッシュ領域36の順に、メッシュ領域毎に外部メモリ9に記憶された繁華街情報(図10参照)を参照して繁華街の規模を決定する。隣接するメッシュ領域が繁華街と判定された場合、双方のメッシュ領域に含まれる店舗・施設の最短距離を測定し、該最短距離がYmを上回る場合は別の繁華街と見なし、該最短距離がYmを下回る場合は同一の繁華街と見なす。同一の繁華街と見なされた場合は、繁華街の規模を再決定する。
【0077】
図12を用いて繁華街検索の詳細を説明する。メッシュ領域1を検索した結果、メッシュ領域1には中規模の繁華街A1が含まれると判定される。そして、メッシュ領域1が繁華街A1を含むという情報が外部メモリ9あるいはRAM83に記憶される(以下も同様)。次に、メッシュ領域2を検索した結果、メッシュ領域2には中規模の繁華街A2が含まれると判定される。ここで、繁華街A2の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域2に近い店舗との距離L12を算出する。距離L12は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A2と繁華街A1とは別の繁華街と見なす。
【0078】
次に、メッシュ領域3を検索した結果、メッシュ領域3には小規模の繁華街A3が含まれると判定される。同様に、繁華街A3の最もメッシュ領域2に近い店舗と、繁華街A2の最もメッシュ領域3に近い店舗との距離L23を算出する。距離L23は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A3と繁華街A2とは別の繁華街と見なす。
【0079】
ここで、繁華街A3の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域3に近い店舗との距離を算出し、同一の繁華街と見なせるかを調べてもよい。
【0080】
次に、メッシュ領域4を検索した結果、メッシュ領域4には大規模の繁華街A4が含まれると判定される。同様に、繁華街A4の最もメッシュ領域3に近い店舗と、繁華街A3の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離L34を算出する。距離L34は図10の画面で設定したYmを下回るので、繁華街A4と繁華街A3とは同一の繁華街と見なし、繁華街A4と繁華街A3とを合わせたものを繁華街A4とする。そして、メッシュ領域3とメッシュ領域4が繁華街A4を含むという情報が外部メモリ9あるいはRAM83に記憶される。
【0081】
さらに、繁華街A4の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離L41を算出する。距離L41は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A4と繁華街A1とは別の繁華街と見なす。
【0082】
ここで、繁華街A4の最もメッシュ領域2に近い店舗と、繁華街A2の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離を算出し、同一の繁華街と見なせるかを調べてもよい。
【0083】
図11の例では車両の現在位置Pに最も近いメッシュ領域1から反時計回りに各メッシュ領域について繁華街の規模を調べて決定したが、無論時計回りに調べてもよい。また、メッシュ領域34からのように車両の現在位置Pに最も遠いメッシュ領域から繁華街の規模を調べてもよい。
【0084】
また、図11において、車両の走行方向にあるメッシュ領域から繁華街の規模を調べてもよい。つまり、メッシュ領域1,メッシュ2領域,メッシュ領域5,...,メッシュ領域10,メッシュ領域17,...,メッシュ領域26の順に車両の走行方向にあるメッシュ領域について繁華街の規模を調べ、次に同様の方法で車両の走行方向の反対側にあるメッシュ領域ついて繁華街の規模を調べる。なお、車両の走行方向は車両の現在位置Pの推移から求めることができる。
【0085】
また、図11において、繁華街の規模を調べる領域を使用者が設定可能としてもよい。設定は表示装置10の表示画面上に車両の現在位置Pおよびその現在位置を中心とした半径Dの円を示し、繁華街の規模を調べる領域を操作スイッチ群7,リモコン端末12,マイク31からの音声入力によって行なう。メッシュ領域単位で設定することも可能である。
【0086】
上記の繁華街検索において、車両の現在位置Pと検索された繁華街との距離を求め、車両の現在位置Pから近い順に所定の数の繁華街が検索されたら検索を終了してもよい。所定の数としては、図8の例では4箇所であるように、表示画面の一画面に納まる数を用いてもよい。使用者が画面をスクロールする手間を省くことが可能となる。
【0087】
図14のように、車両の現在位置Pを中心として、それぞれ円周の間隔がRとなる同心円を形成し、これら隣り合う同心円で囲まれた領域をメッシュ領域に分割し、そのメッシュ領域を例えば車両の現在位置Pに近い順に反時計回り、すなわち図14の番号順に繁華街を検索する方法を用いてもよい。なお、同心円のうち最も外側の円の半径がDあるいはDに近い値となる。また、同心円の代わりに中心が車両の現在位置Pとなる多角形を用いてもよい。
【0088】
上述の繁華街検索方法では検索の範囲を車両の現在位置を基準地点に設定していたが、車両の現在位置以外の地点あるいは施設を基準地点としてもよい。この場合、図10の繁華街設定処理表示画面において、基準地点を設定する項目が表示され、選択肢として例えば車両の現在位置あるいは指定地点が表示される。車両の現在位置が選択された場合には、位置検出器1で検出された車両の現在位置が基準地点に設定される。また、指定地点が選択された場合には、ナビゲーション装置における通常の目的地を検索するのと同様の方法で、地点あるいは施設を検索して基準地点として設定する。設定内容は外部メモリ9に記憶される。基準地点を設定する際に、以前に設定した内容を表示して、その中から基準地点を設定してもよい。
【0089】
上記の検索方法と合わせて、設定された繁華街検索条件に基づいて記憶媒体20に記憶されている繁華街情報を検索する方法を用いてもよい。検索方法はこれら二つ方法のうちの少なくとも一方を用いる。これら二つの方法を用いて検索を行った結果、繁華街の位置が重複する場合、記憶媒体20に記憶されている繁華街情報の検索結果を表示する。検索方法および検索結果表示の選択については使用者が設定可能な構成とし、操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図6のような環境設定メニューを表示させ、検索設定ボタン(図示せず)を押して該当項目の設定を行なう。設定された結果は外部メモリ9の所定の領域に記憶される。
【0090】
繁華街検索条件は上記の他に、繁華街を構成する店舗・施設の古さ(あるいは新しさ),知名度,対象となる年齢層(家族向け,若者向け等),営業時間帯,自然環境(山や海に近い等),予算などを用いることができる。無論、繁華街検索条件は前述のうちのいずれか一つあるいは二つ以上の組み合わせを用いる。これら検索に必要なデータは外部メモリ9あるいは記憶媒体20に記憶されている。
【0091】
図8において、表示された繁華街一覧から所望の繁華街を選択する(表示画面上の所望の繁華街の行を押す)(S26:Yes)と、図9のようなジャンル選択画面が表示される(S27)。所望のジャンルのボタンを押すと(S28:Yes)、選択された繁華街に含まれる所望のジャンルの店舗・施設が表示される。そして、表示された店舗・施設のうちから所望のものを選択すれば、該店舗・施設までの案内経路が検索され、該案内経路によって経路案内が行なわれる。
【0092】
図9の表示画面において、「店すべて」ボタンを押した場合は、選択された繁華街の中心あるいは核となる施設までの案内経路が検索され、該案内経路によって経路案内が行なわれる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】各設定処理を説明するためのフロー図。
【図3】繁華街設定処理を説明するためのフロー図。
【図4】繁華街検索処理を説明するためのフロー図。
【図5】ナビメニュー表示画面の一例を示す図。
【図6】繁華街設定時あるいは繁華街検索時の表示画面の一例を示す図。
【図7】繁華街検索条件表示画面の一例を示す図。
【図8】繁華街検索結果表示画面の一例を示す図。
【図9】ジャンル選択表示画面の一例を示す図。
【図10】繁華街設定処理表示画面の一例を示す図。
【図11】繁華街検索方法の一例を示す図。
【図12】図11に続く繁華街検索方法の詳細を示す図。
【図13】図10に続く繁華街設定処理表示画面の一例を示す図。
【図14】繁華街検索方法の別の例を示す図。
【符号の説明】
【0095】
1 位置検出器(現在位置検出手段)
7 操作スイッチ群(検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)
8 制御回路(繁華街情報取得手段,検索条件設定手段,繁華街検索手段,繁華街情報設定手段,距離演算手段,ジャンル分け手段,絞り込み検索手段,経路案内手段,進行方向検出手段,到達予想時間算出手段,通行料金予測手段,案内経路検索手段)
9 外部メモリ(繁華街情報記憶手段)
10 表示装置(表示手段)
12 リモコン端末(検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)
15 スピーカ
20 記憶媒体(地図データ記憶手段)
30 音声認識ユニット
31 マイク
100 ナビゲーション装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両を目的地まで経路誘導する車両用ナビゲーション装置に備えられる、使用者が望む地名あるいは施設を検索する項目検索装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車両用ナビゲーション装置は、一般に、車両の現在位置をその周辺の道路地図とともに表示するという基本的な機能の他、地名または都道府県ごとに分類された施設を検索できる機能を有する。この検索機能は、一般に、目的地、経由地または登録地をユーザが設定する際に利用される。すなわち、使用者は、目的地などを設定する場合に、検索機能を利用して地名または施設を検索し、当該検索された地名または施設を目的地などとして設定する。しかし、この検索機能では、特定の駐車場のような操作者が所望する施設を検索することはできるが、駐車場が集中している地区のような特定の施設が多数存在する領域を検索することができなかった。
【0004】
そこで、地図情報に基づいて特定の施設のある領域を検索するとともに、特定施設集中度を表示させることによって、周辺施設の周囲の領域の特定施設集中度を把握して、渋滞が予想される地域を避けて経路検索を行なうことができるようにする車両用ナビゲーション装置が提案されている。(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−109146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の例は、周囲の特定施設を検索し、周辺施設の周囲の特定施設集中度を把握するものである。したがって、繁華街のように特定の施設が多数存在する領域を検索することはできない。
【0007】
このように、従来の技術では、様々な店が集まっている繁華街を検索できないという問題が生じている。さらに、近年、使用者がちょっと繁華街まで行ってたくさんの店を見て歩きたい、繁華街にどんな店があるのか知りたい、といった要望があるが従来技術では解決するのは困難である。
【0008】
上記問題を背景として、本発明の課題は、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能な項目検索装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するための項目検索装置を提供するものである。即ち、請求項1によれば、繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、検索条件に基づいて繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、を有することを特徴とする項目検索装置として構成される。
【0010】
本発明は、特定の店や特定の施設へ行くといった明確な目的地がない場合、様々な店が集まっている繁華街にとりあえず行きたい場合、あるいは、その繁華街にどんな店やレストランなどがあるか知りたい場合に、使用者に該繁華街に関する有用な情報を提供するものである。上記構成によって、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能となる。
【0011】
請求項2によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は所定の範囲内に所定の数の店舗あるいは施設の存在する領域として定義されるものであり、電子地図データが記憶された地図データ記憶手段を有し、繁華街情報は地図データ記憶手段に記憶され、繁華街情報取得手段は地図データ記憶手段から繁華街情報を取得する構成をとることができる。本構成によって、使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能となる。
【0012】
請求項3によれば、本発明の項目検索装置は、繁華街情報に含まれる所定の範囲、および店舗あるいは施設の所定の数を設定する繁華街情報設定手段と、設定された繁華街情報を記憶する繁華街情報記憶手段を有し、繁華街情報取得手段は繁華街情報記憶手段から繁華街情報を取得する構成をとることができる。本構成によって、使用者は自らが繁華街の規模を例えば大中小の3段階に分類し設定することができる。また、繁華街が異なる繁華街と隣接(例えば、100m以内に繁華街Aと繁華街Bが隣接する)する場合、一つの繁華街として見なすかどうかも設定することができる。
【0013】
請求項4によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の規模を含み、検索条件設定手段は繁華街の規模を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の規模を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、比較的少量の買い物をしたいときは小規模の繁華街のみを検索したり、比較的大量の買い物をしたいときは大規模の繁華街のみを検索することができる。
【0014】
請求項5によれば、本発明の項目検索装置は、車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、車両の現在位置と繁華街との距離を演算する距離演算手段を有し、検索条件設定手段は演算された距離を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は演算された距離を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、繁華街を使用者からの距離の範囲で検索できるため、遠距離から周辺の繁華街まで広範囲に検索することができる。
【0015】
請求項6によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街が成立してからの期間を含み、検索条件設定手段は繁華街が成立してからの期間を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街が成立してからの期間を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、古い佇まいを楽しみたい場合、とにかく出来て新しいところへ行きたい場合でも、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0016】
請求項7によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の種別を含み、検索条件設定手段は繁華街の種別を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の種別についての情報を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。繁華街の種別は娯楽施設,商業地区,温泉街等が挙げられる。本構成によって、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0017】
請求項8によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は繁華街の知名度を含み、検索条件設定手段は繁華街の知名度を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は繁華街の知名度についての情報を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。本構成によって、有名な繁華街に行きたい場合でも、所望の繁華街を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0018】
請求項9によれば、本発明の項目検索装置は車両の進行方向を検出する進行方向検出手段を有し、検索条件設定手段は車両の進行方向を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は車両の進行方向を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0019】
どの繁華街へ行くかは決まっていないが、車両の進行方向を基準にして行ってみたい方向を決めたい場合もある。上記構成によって、使用者は所望の繁華街を短時間で見つけることが可能となる。
【0020】
請求項10によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの案内経路を検索する案内経路検索手段を有し、検索条件設定手段は案内経路を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は案内経路を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0021】
繁華街の立地条件は様々で、繁華街までの案内経路も、幹線道路のみの案内経路,住宅密集地や幅員の狭い道路を通る案内経路,ほぼ一直線な案内経路,右左折の回数の多い案内経路など様々である。使用者あるいは運転者によっては幅員の狭い道路や右左折の回数の多い案内経路は通りたくない場合もある。上記構成によって、使用者あるいは運転者が通行したい案内経路となる繁華街を選択することが可能となる。
【0022】
請求項11によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの通行料金を予測する通行料金予測手段を有し、検索条件設定手段は通行料金を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は通行料金を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0023】
使用者によっては通行料金を払ってでも繁華街へ行きたいと思う場合と、その逆の場合がある。上記構成によって使用者の要求に応じて木目細かく繁華街を検索することが可能となる。
【0024】
請求項12によれば、本発明の項目検索装置は繁華街までの到達予想時間を算出する到達予想時間算出手段を有し、検索条件設定手段は到達予想時間を検索条件として設定するものであり、繁華街検索手段は到達予想時間を検索条件として検索を行なう構成をとることができる。
【0025】
繁華街までの距離が短くても、道路事情によって到達するための時間は必ずしも短いとは限らない。また、何処でもよいから一刻も早く繁華街に行きたいという使用者もいる。上記構成によって、使用者は所望の繁華街を短時間で見つけ、かつ短時間で所望の繁華街に到達することが可能となる。
【0026】
請求項13によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両の現在位置から演算された距離の範囲の領域を所定の大きさのメッシュ領域に細分化し、そのメッシュ領域について繁華街を検索する構成をとることができる。
【0027】
一つの大きな領域全体で繁華街を検索するよりも、細分化されたメッシュ領域で繁華街を検索する方が、効率よく繁華街を検索することができる。上記構成によって、短時間で繁華街を検索することが可能となる。
【0028】
請求項14によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両とメッシュ領域との距離に基づいてメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0029】
上記構成によって、車両に近いメッシュ領域から検索したり、逆に車両から遠いメッシュ領域から検索するなど、状況に応じて効率よく繁華街を検索することが可能となる。
【0030】
請求項15によれば、本発明の項目検索装置における繁華街検索手段は車両の進行方向に基づいてメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0031】
どの繁華街へ行くかは決まっていないが、行ってみたい方向のみだけ決まっている場合もある。上記構成によって、使用者の行きたい方向あるメッシュ領域のみを検索するので、短時間に所望の繁華街を検索することが可能となる。
【0032】
請求項16によれば、本発明の項目検索装置はメッシュ領域の検索対象を設定する検索対象設定手段を有し、繁華街検索手段は設定された検索対象となるメッシュ領域を検索する構成をとることができる。
【0033】
上記構成によって、車両との距離あるいは車両の進行方向以外の条件で検索したいメッシュ領域を選択することが可能となり、短時間に所望の繁華街を検索することが可能となる。
【0034】
請求項17によれば、本発明の項目検索装置における繁華街情報は店舗あるいは施設のジャンルに関する情報を含み、検索された繁華街に含まれる店舗あるいは施設をジャンル分けするジャンル分け手段と、ジャンル分けされた店舗あるいは施設のうちから、所望の店舗あるいは施設を検索する絞り込み検索手段と、を有する構成をとることができる。本構成によって、繁華街を検索した後に、該繁華街に行きたいジャンル(遊ぶ、食べる、泊まる等)の店舗あるいは施設の有無を検索することができるため、所望の繁華街および店舗あるいは施設を適確に効率よく探すことが可能となる。
【0035】
請求項18によれば、本発明の項目検索装置は、繁華街の検索結果あるいは絞り込み検索結果を表示する表示手段を有する構成をとることができる。本構成によって、検索された繁華街に関する情報を閲覧・確認することが可能となる。
【0036】
請求項19によれば、本発明の項目検索装置は、検索された繁華街あるいは絞り込み検索された繁華街までの経路を案内する経路案内手段を有する構成をとることができる。本構成によって、所望の繁華街まで確実に到達することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
使用者の所望する繁華街を適確に効率よく検索することが可能な項目検索装置を提供するという目的を、繁華街情報を取得し該繁華街情報から所望の繁華街を検索する構成をとる項目検索装置により実現した。
【実施例】
【0038】
以下、本発明の項目検索装置を車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)に適用した例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明の項目検索装置の適用の範囲を車両用ナビゲーション装置に限定するものではなく、例えばパーソナルコンピュータ上で本発明の機能を実現する項目検索装置として構成してもよい。
【0039】
図1は車両用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)の全体構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行なうスピーカ15,外部メモリ9,表示装置10,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12(本発明の検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)を備えている。
【0040】
位置検出器1(本発明の現在位置検出手段)は、周知の地磁気センサ2,ジャイロスコープ3,距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出するGPSのためのGPS受信機5を有している。これらのセンサ等2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
【0041】
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む各種データを記憶媒体20から入力するための装置である。記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMやDVD,ハードディスクドライブ(以降、HDDと称する)を用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。
【0042】
また、記憶媒体20(本発明の地図データ記憶手段)には繁華街に関する繁華街情報も記憶されている。繁華街情報には、繁華街の名称,所在位置,規模,繁華街を構成する店舗・施設の古さ(あるいは新しさ),繁華街を構成する店舗・施設のジャンル,知名度,対象となる年齢層(家族向け,若者向け等),営業時間帯,自然環境(山や海に近い等),予算(高級志向か庶民的か)等の情報が含まれている。
【0043】
地図データには、表示用となる所定の地図画像情報が記憶されると共に、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報が記憶される。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、道幅、車線数、制限速度等から構成される。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。
【0044】
操作スイッチ群7(本発明の検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)は、例えば表示装置10と一体になったタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、例えば表示装置10の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。また、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。これら操作スイッチ群7およびリモコン端末12によって、種々の指示を入力することが可能である。
【0045】
操作スイッチ群7およびリモコン端末12の他に、音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、音声認識ユニット30に接続されるマイク31から音声を入力することによって、その音声信号を周知の音声認識技術により音声認識処理して、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。
【0046】
表示装置10(本発明の表示手段)はカラー液晶表示器により構成されており、表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両現在位置マークと、地図データ入力器6から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。また、表示器として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。
【0047】
スピーカ15は制御回路8のI/O34に接続される周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム82pの指令によって不揮発メモリ9あるいはHDDに記憶されるデジタル音声データを音声合成回路24においてアナログ音声に変換したものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき、必要に応じて繋ぎあわせる録音編集方式、音声波形を分析してパラメータに変換された形で蓄積し、それを繋ぎ合せて音声合成回路を駆動し音声を作り出すパラメータ編集方式、文字列あるいは音素記号列から、音声学的・言語学的規則に基づいて、音声を作り出す規則合成方式などがある。
【0048】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両の速度に換算して、車両の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両の走行区間毎の平均車速を算出する。また、車両速度と走行時間から、車両の走行距離を算出することもできる。
【0049】
送受信装置13は、例えばVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)センタ14との通信を行なうための装置である。この送受信装置13を介して外部から受け取った情報は、制御回路8において処理する。
【0050】
また、通信ユニット19に携帯電話機17あるいは自動車電話機等の移動体通信機器を接続することによっても、外部ネットワークとの接続が可能で、インターネット等に接続することができる。さらに、ETC(自動料金収受システム,ETC:Electronic Toll Collection)車載器16と通信することにより、ETC車載器16がETC路上器から受信した、料金情報などを本ナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器16によって外部ネットワークと接続することも可能である。これら携帯電話機17あるいはETC車載器16を介して情報センタ14との通信を行なう構成を採ってもよい。
【0051】
制御回路8(本発明の繁華街情報取得手段,検索条件設定手段,繁華街検索手段,繁華街情報設定手段,距離演算手段,ジャンル分け手段,絞り込み検索手段,経路案内手段,進行方向検出手段,到達予想時間算出手段,通行料金予測手段,案内経路検索手段)は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM82は、プログラム格納領域82aとデータ記憶領域82bとが含まれている。プログラム格納領域82aにはナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)82pが格納される。データ記憶領域82bにはナビプログラム82pの動作に必要なデータが格納されている。また、ナビプログラム82pは、RAM83上にてナビプログラム用ワークメモリ83wを作業領域とする形で作動する。なお、地図データ入力器6にHDDを用いる場合は、ROM82およびRAM83の機能をHDDによって実施してもよい。
【0052】
また、ナビゲーション装置100の構成にHDDを含む場合には、ナビプログラム82pおよびナビプログラム82pの動作に必要なデータをHDDに記憶してもよい。この場合、HDDに対するデータの読み書きはI/O84によって制御される。
【0053】
さらに、外部メモリ9(本発明の繁華街情報記憶手段)は、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能な半導体メモリによって構成され、前述の繁華街情報を含むナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、外部メモリ9は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(即ち、ナビゲーション装置100がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。また、ナビゲーション装置100の構成にHDDを含む場合には、外部メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDDに記憶してもよい。
【0054】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム82pが起動されると、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に表示されるメニューから目的地経路を表示装置10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。即ち、運転者が表示装置10上の地図に基づいて目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在位置が求められ、現在位置から目的地までの最適な経路を求める処理が行われる。表示装置10の画面には位置検出器1から入力された車両の現在位置マークと、記憶媒体20から入力された地図データと、更に地図上に表示する誘導経路等付加データとを重ね合わせて表示すると共に、本画面に経路案内の設定および経路誘導中の案内や画面の切り換え操作を行なうためのメニューボタンが表示される。このような自動的に最適な経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。
【0055】
最適な案内経路が求められると、制御回路8は案内経路の右左折する交差点あるいは案内の目印となる建物等の案内対象点を設定する。そして、設定された案内対象点に対し、車両がある一定距離まで近づいたときに音声により案内すべきポイントとして、案内実施点を決定する。案内実施点は、例えば、案内対象点が交差点の場合、一般道では700m手前,300m手前,100m手前、高速道路では2km手前,1km手前,500m手前といったように複数設定することができる。そして、車両が案内実施点に到達すると、スピーカ15から案内メッセージを送出する。表示装置10の画面表示により案内を実施してもよい。
【0056】
また、経路案内の他にも、表示装置10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの表示あるいは送出を行なう。
【0057】
(繁華街情報設定処理)
図2,図3,図5,図6,および図10を用いて、繁華街情報設定処理について説明する。なお、本繁華街情報設定処理はナビプログラム82pに含まれ他の処理とともに繰り返し実行される。図2のフロー図において、使用者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図5のようなナビメニューを表示させる(S1)。なお、図5のメニューボタンでボタン部分が空白のものは、本繁華街情報設定処理に関係のないものであるため名称を省略したものである。
【0058】
図5のナビメニューで「環境設定」ボタンを押された場合(S4:Yes)、表示装置10上に図6のような環境設定メニューを表示させて環境設定処理に移行する(S5)。
【0059】
図3のフロー図を用いて、繁華街情報設定処理の詳細について説明する。図6の環境設定メニューが表示されたら(S11)、「繁華街」ボタンを押して(S12:Yes)、表示装置10上に図10のような繁華街設定メニュー表示画面を表示させる(S13)。繁華街設定メニュー表示画面が表示された状態で「戻る」ボタンが押された場合(S14:Yes)は、本繁華街情報設定処理を終了して図6の環境設定メニュー表示状態(S11)に戻る。
【0060】
繁華街設定メニュー表示画面が表示された状態で「初期状態」ボタンが押された場合(S15:Yes)は、予めROM82あるいは外部メモリ9に記憶された値がデフォルト値として、繁華街の規模を判定する基準範囲R,大規模繁華街と判定するための閾値X1,中規模繁華街と判定するための閾値X2,小規模繁華街と判定するための閾値X3,隣接する繁華街を一つの繁華街と見なす閾値Yが設定され、外部メモリ9の所定の領域に記憶され(S16)、図10の繁華街設定メニュー表示画面(S13)に戻る。
【0061】
R,X1,X2,X3,Yに値を入力する際(S15:No)は、値を入力したい箇所を押し、押された箇所の数値が反転表示されて数値が入力可能な状態となってから数値を入力する。このとき、入力された数値の関係に、X1>X2>X3の条件を満たさない場合は、画面でのメッセージ表示あるいはスピーカ15による音声メッセージ送出により入力値が不適切である旨を報知し、再入力を促すようにしてもよい。
【0062】
繁華街の規模は所定の範囲(図10ではRm四方の領域)に含まれる商業施設あるいは娯楽施設等が何店存在しているかによって判定する。
【0063】
R,X1,X2,X3,Yに任意の値が入力され、「完了」ボタンが押された場合(S17:Yes)は、入力された値が外部メモリ9の所定の領域に記憶され(S18)、図10の繁華街設定メニュー表示画面(S13)に戻る。
【0064】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の進行方向との位置関係を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両の進行方向との位置関係を用いるかどうかの設定画面が表示される。車両の進行方向との位置関係としては、車両の進行方向に対して、前方,左前方,右前方,左方,右方,後方,左後方,右後方があり、図13のようにプルダウンメニュー方式で一方向を設定できる。また、二つ以上の方向を組み合わせて設定できるようにしてもよい。例えば、図13において、右前方に設定すると、車両の進行方向に対して右45度の方向を中心線として、その中心線の左右22.5度の範囲で繁華街を検索する。さらに、車両の進行方向を0度として、時計回りに角度で指定してもよい。例えば、「左前方」は「315度」となる。なお、車両の進行方向は、車両の現在位置を所定のタイミングでRAM83等に記憶し、その現在位置の推移から求めることができる。また、進行方向を条件に含めたくない場合は、例えばプルダウンメニューに「全方向」といったような選択肢を含めておけばよい。
【0065】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の繁華街までの到達時間を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両の繁華街までの到達時間の設定画面が表示される。例えば図13のように、「60分以内」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路の距離を測定して、車両の平均速度を用いてその繁華街までの到達予想時間を求め、到達予想時間が60分以内の繁華街のみが検索結果として表示される。なお、車両の平均速度は、例えば車両の所定の時間の走行距離から求めることができる。また、一般道は40km/h,有料道路は80km/hといったように一律に定められる値を用いてもよい。また、VICSセンタ14から取得する道路交通情報を用いて到達予想時間を求めてもよい。また、到達時間を条件に含めたくない場合は、例えば「999分」と入力すればよい。
【0066】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両が繁華街に到達するために要する道路の通行料金を含めてもよい。表示装置10の画面には、車両が繁華街に到達するために要する道路の通行料金の設定画面が表示される。例えば、図13のように、「1000円以内」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路を走行した場合に要する道路の通行料金が1000円以内の繁華街のみが検索結果として表示される。また、通行料金を条件に含めたくない場合は、例えば「99999円」と入力すればよい。
【0067】
上記の繁華街情報設定画面において、設定する項目に車両の繁華街までの案内のしやすさを含めてもよい。表示装置10の画面には、案内のしやすさを用いるかどうかの設定画面が表示される。案内のしやすさのパラメータとしては、「右左折の回数が少ない」,「幹線道路沿いにある」,「繁華街への流入/流出が容易」等が含まれ、予め外部メモリ9などに記憶されている。使用者によりパラメータを追加してもよい。例えば、図13のように、案内のしやすさを「使用する」と設定されると、検索された繁華街と車両の現在位置との案内経路を検索し、その案内経路が上記パラメータの内容を満たす繁華街のみが検索結果として表示される。
【0068】
上述の進行方向,到達時間,料金,案内のしやすさについての設定は、図10の設定画面と同一画面上あるいは別画面に表示される。別画面に表示される場合には、図10の設定画面の例えば右下に「次頁」ボタンが表示され、「次頁」ボタンを押すと、図13のような進行方向,到達時間,料金,案内のしやすさについての設定画面に遷移する。
【0069】
(繁華街検索処理)
次に、図2,図4,図5から図8を用いて、繁華街検索処理について説明する。なお、本繁華街検索処理はナビプログラム82pに含まれ他の処理とともに繰り返し実行される。図2のフロー図において、運転者が操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図5のようなナビメニューを表示させる(S1)。
【0070】
図5のナビメニューで「目的地設定」ボタンを押された場合(S2:Yes)、表示装置10上に図6のような目的地設定メニューを表示させて目的地設定処理に移行する(S3)。なお、図6のメニューボタンでボタン部分が空白のものは、本繁華街検索処理に関係のないものであるため名称を省略したものである。
【0071】
図4のフロー図を用いて、繁華街検索処理の詳細について説明する。図6の目的地設定メニューが表示されたら(S21)、「繁華街」ボタンを押して(S22:Yes)、表示装置10上に図7のような繁華街検索条件設定画面を表示させる(S23)。繁華街検索条件設定画面が表示された状態で「戻る」ボタンが押された場合は、本繁華街検索処理を終了して図6の目的地設定メニュー表示状態に戻る。
【0072】
図7の例は、繁華街検索条件として、繁華街の車両の現在位置からの距離と、繁華街の規模を用いており、繁華街の車両の現在位置からの距離が20km以内で繁華街の規模に制限を設けず検索をするように設定されている。また、車両の現在位置からの距離ではなく、自宅あるいは所定の施設等の使用者が指定する基準地点との距離を繁華街検索条件として用いてもよい。
【0073】
繁華街検索条件が入力されると(S24:Yes)、該条件に従って繁華街を検索して、その結果を表示装置10に表示する(S25)。図8は、図7の検索条件によって検索された結果を表示したものである。繁華街の規模,店舗数,車両の現在位置からの方向,および距離が表示される。銀座等の著名な繁華街については、繁華街名も表示してもよい。
【0074】
繁華街検索方法の一例を図11を用いて説明する。図7の例では車両の現在位置Pから20km以内の繁華街を検索する条件となっているので、図11のように、車両の現在位置Pを中心に半径D(20km)の円の領域について繁華街を検索する。図11の例では、半径Dの円に内接する正方形を設定し、その正方形を一辺がRmとなる正方形でメッシュ状に区切り、車両の現在位置Pに近い順に該メッシュ領域の範囲内に店舗・施設がどれだけ存在するかを調べ、外部メモリ9に記憶された繁華街情報(図10参照)を参照して繁華街の規模を決定する。繁華街と判定された場合は、該メッシュ領域の中心を繁華街の中心としてもよい。
【0075】
なお、繁華街を検索する領域を半径Dの円に外接する正方形としてもよいし、半径Dの円の領域を一部でも含むメッシュ領域を検索の対象としてもよい。また、メッシュ領域の形状は正方形以外の多角形あるいは円形でもよい。
【0076】
図11の例では車両の現在位置Pに最も近いメッシュ領域1から反時計回りにメッシュ領域2,メッシュ領域3,...,メッシュ領域36の順に、メッシュ領域毎に外部メモリ9に記憶された繁華街情報(図10参照)を参照して繁華街の規模を決定する。隣接するメッシュ領域が繁華街と判定された場合、双方のメッシュ領域に含まれる店舗・施設の最短距離を測定し、該最短距離がYmを上回る場合は別の繁華街と見なし、該最短距離がYmを下回る場合は同一の繁華街と見なす。同一の繁華街と見なされた場合は、繁華街の規模を再決定する。
【0077】
図12を用いて繁華街検索の詳細を説明する。メッシュ領域1を検索した結果、メッシュ領域1には中規模の繁華街A1が含まれると判定される。そして、メッシュ領域1が繁華街A1を含むという情報が外部メモリ9あるいはRAM83に記憶される(以下も同様)。次に、メッシュ領域2を検索した結果、メッシュ領域2には中規模の繁華街A2が含まれると判定される。ここで、繁華街A2の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域2に近い店舗との距離L12を算出する。距離L12は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A2と繁華街A1とは別の繁華街と見なす。
【0078】
次に、メッシュ領域3を検索した結果、メッシュ領域3には小規模の繁華街A3が含まれると判定される。同様に、繁華街A3の最もメッシュ領域2に近い店舗と、繁華街A2の最もメッシュ領域3に近い店舗との距離L23を算出する。距離L23は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A3と繁華街A2とは別の繁華街と見なす。
【0079】
ここで、繁華街A3の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域3に近い店舗との距離を算出し、同一の繁華街と見なせるかを調べてもよい。
【0080】
次に、メッシュ領域4を検索した結果、メッシュ領域4には大規模の繁華街A4が含まれると判定される。同様に、繁華街A4の最もメッシュ領域3に近い店舗と、繁華街A3の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離L34を算出する。距離L34は図10の画面で設定したYmを下回るので、繁華街A4と繁華街A3とは同一の繁華街と見なし、繁華街A4と繁華街A3とを合わせたものを繁華街A4とする。そして、メッシュ領域3とメッシュ領域4が繁華街A4を含むという情報が外部メモリ9あるいはRAM83に記憶される。
【0081】
さらに、繁華街A4の最もメッシュ領域1に近い店舗と、繁華街A1の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離L41を算出する。距離L41は図10の画面で設定したYmを上回るので、繁華街A4と繁華街A1とは別の繁華街と見なす。
【0082】
ここで、繁華街A4の最もメッシュ領域2に近い店舗と、繁華街A2の最もメッシュ領域4に近い店舗との距離を算出し、同一の繁華街と見なせるかを調べてもよい。
【0083】
図11の例では車両の現在位置Pに最も近いメッシュ領域1から反時計回りに各メッシュ領域について繁華街の規模を調べて決定したが、無論時計回りに調べてもよい。また、メッシュ領域34からのように車両の現在位置Pに最も遠いメッシュ領域から繁華街の規模を調べてもよい。
【0084】
また、図11において、車両の走行方向にあるメッシュ領域から繁華街の規模を調べてもよい。つまり、メッシュ領域1,メッシュ2領域,メッシュ領域5,...,メッシュ領域10,メッシュ領域17,...,メッシュ領域26の順に車両の走行方向にあるメッシュ領域について繁華街の規模を調べ、次に同様の方法で車両の走行方向の反対側にあるメッシュ領域ついて繁華街の規模を調べる。なお、車両の走行方向は車両の現在位置Pの推移から求めることができる。
【0085】
また、図11において、繁華街の規模を調べる領域を使用者が設定可能としてもよい。設定は表示装置10の表示画面上に車両の現在位置Pおよびその現在位置を中心とした半径Dの円を示し、繁華街の規模を調べる領域を操作スイッチ群7,リモコン端末12,マイク31からの音声入力によって行なう。メッシュ領域単位で設定することも可能である。
【0086】
上記の繁華街検索において、車両の現在位置Pと検索された繁華街との距離を求め、車両の現在位置Pから近い順に所定の数の繁華街が検索されたら検索を終了してもよい。所定の数としては、図8の例では4箇所であるように、表示画面の一画面に納まる数を用いてもよい。使用者が画面をスクロールする手間を省くことが可能となる。
【0087】
図14のように、車両の現在位置Pを中心として、それぞれ円周の間隔がRとなる同心円を形成し、これら隣り合う同心円で囲まれた領域をメッシュ領域に分割し、そのメッシュ領域を例えば車両の現在位置Pに近い順に反時計回り、すなわち図14の番号順に繁華街を検索する方法を用いてもよい。なお、同心円のうち最も外側の円の半径がDあるいはDに近い値となる。また、同心円の代わりに中心が車両の現在位置Pとなる多角形を用いてもよい。
【0088】
上述の繁華街検索方法では検索の範囲を車両の現在位置を基準地点に設定していたが、車両の現在位置以外の地点あるいは施設を基準地点としてもよい。この場合、図10の繁華街設定処理表示画面において、基準地点を設定する項目が表示され、選択肢として例えば車両の現在位置あるいは指定地点が表示される。車両の現在位置が選択された場合には、位置検出器1で検出された車両の現在位置が基準地点に設定される。また、指定地点が選択された場合には、ナビゲーション装置における通常の目的地を検索するのと同様の方法で、地点あるいは施設を検索して基準地点として設定する。設定内容は外部メモリ9に記憶される。基準地点を設定する際に、以前に設定した内容を表示して、その中から基準地点を設定してもよい。
【0089】
上記の検索方法と合わせて、設定された繁華街検索条件に基づいて記憶媒体20に記憶されている繁華街情報を検索する方法を用いてもよい。検索方法はこれら二つ方法のうちの少なくとも一方を用いる。これら二つの方法を用いて検索を行った結果、繁華街の位置が重複する場合、記憶媒体20に記憶されている繁華街情報の検索結果を表示する。検索方法および検索結果表示の選択については使用者が設定可能な構成とし、操作スイッチ群7あるいはリモコン端末12の操作、あるいはマイク31からの音声入力によって、表示装置10上に図6のような環境設定メニューを表示させ、検索設定ボタン(図示せず)を押して該当項目の設定を行なう。設定された結果は外部メモリ9の所定の領域に記憶される。
【0090】
繁華街検索条件は上記の他に、繁華街を構成する店舗・施設の古さ(あるいは新しさ),知名度,対象となる年齢層(家族向け,若者向け等),営業時間帯,自然環境(山や海に近い等),予算などを用いることができる。無論、繁華街検索条件は前述のうちのいずれか一つあるいは二つ以上の組み合わせを用いる。これら検索に必要なデータは外部メモリ9あるいは記憶媒体20に記憶されている。
【0091】
図8において、表示された繁華街一覧から所望の繁華街を選択する(表示画面上の所望の繁華街の行を押す)(S26:Yes)と、図9のようなジャンル選択画面が表示される(S27)。所望のジャンルのボタンを押すと(S28:Yes)、選択された繁華街に含まれる所望のジャンルの店舗・施設が表示される。そして、表示された店舗・施設のうちから所望のものを選択すれば、該店舗・施設までの案内経路が検索され、該案内経路によって経路案内が行なわれる。
【0092】
図9の表示画面において、「店すべて」ボタンを押した場合は、選択された繁華街の中心あるいは核となる施設までの案内経路が検索され、該案内経路によって経路案内が行なわれる。
【0093】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づく種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】ナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図。
【図2】各設定処理を説明するためのフロー図。
【図3】繁華街設定処理を説明するためのフロー図。
【図4】繁華街検索処理を説明するためのフロー図。
【図5】ナビメニュー表示画面の一例を示す図。
【図6】繁華街設定時あるいは繁華街検索時の表示画面の一例を示す図。
【図7】繁華街検索条件表示画面の一例を示す図。
【図8】繁華街検索結果表示画面の一例を示す図。
【図9】ジャンル選択表示画面の一例を示す図。
【図10】繁華街設定処理表示画面の一例を示す図。
【図11】繁華街検索方法の一例を示す図。
【図12】図11に続く繁華街検索方法の詳細を示す図。
【図13】図10に続く繁華街設定処理表示画面の一例を示す図。
【図14】繁華街検索方法の別の例を示す図。
【符号の説明】
【0095】
1 位置検出器(現在位置検出手段)
7 操作スイッチ群(検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)
8 制御回路(繁華街情報取得手段,検索条件設定手段,繁華街検索手段,繁華街情報設定手段,距離演算手段,ジャンル分け手段,絞り込み検索手段,経路案内手段,進行方向検出手段,到達予想時間算出手段,通行料金予測手段,案内経路検索手段)
9 外部メモリ(繁華街情報記憶手段)
10 表示装置(表示手段)
12 リモコン端末(検索条件設定手段,繁華街情報設定手段,検索対象設定手段)
15 スピーカ
20 記憶媒体(地図データ記憶手段)
30 音声認識ユニット
31 マイク
100 ナビゲーション装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、
前記繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、
前記検索条件に基づいて前記繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、
を有することを特徴とする項目検索装置。
【請求項2】
前記繁華街情報は所定の範囲内に所定の数の店舗あるいは施設の存在する領域として定義されるものであり、
電子地図データが記憶された地図データ記憶手段を有し、
前記繁華街情報は前記地図データ記憶手段に記憶され、
前記繁華街情報取得手段は前記地図データ記憶手段から前記繁華街情報を取得するものである請求項1に記載の項目検索装置。
【請求項3】
前記繁華街情報に含まれる所定の範囲、および店舗あるいは施設の所定の数を設定する繁華街情報設定手段と、
前記設定された繁華街情報を記憶する繁華街情報記憶手段を有し、
前記繁華街情報取得手段は前記繁華街情報記憶手段から前記繁華街情報を取得するものである請求項1または2に記載の項目検索装置。
【請求項4】
前記繁華街情報は前記繁華街の規模を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の規模を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の規模を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項5】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
車両の現在位置と繁華街との距離を演算する距離演算手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記演算された距離を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記演算された距離を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項6】
前記繁華街情報は前記繁華街が成立してからの期間を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街が成立してからの期間を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街が成立してからの期間を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項7】
前記繁華街情報は前記繁華街の種別を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の種別を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の種別についての情報を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項8】
前記繁華街情報は前記繁華街の知名度を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の知名度を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の知名度についての情報を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項9】
前記車両の進行方向を検出する進行方向検出手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記車両の進行方向を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記車両の進行方向を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし8のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項10】
前記繁華街までの案内経路を検索する案内経路検索手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記案内経路を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記案内経路を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし9のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項11】
前記繁華街までの通行料金を予測する通行料金予測手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記通行料金を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記通行料金を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし10のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項12】
前記繁華街までの到達予想時間を算出する到達予想時間算出手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記到達予想時間を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記到達予想時間を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし11のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項13】
前記繁華街検索手段は前記車両の現在位置から前記演算された距離の範囲の領域を所定の大きさのメッシュ領域に細分化し、そのメッシュ領域について前記繁華街を検索するものである請求項5ないし12のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項14】
前記繁華街検索手段は前記車両と前記メッシュ領域との距離に基づいて前記メッシュ領域を検索するものである請求項13に記載の項目検索装置。
【請求項15】
前記繁華街検索手段は前記車両の進行方向に基づいて前記メッシュ領域を検索するものである請求項13または14に記載の項目検索装置。
【請求項16】
前記メッシュ領域の検索対象を設定する検索対象設定手段を有し、
前記繁華街検索手段は前記設定された検索対象となるメッシュ領域を検索するものである請求項13ないし15のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項17】
前記繁華街情報は店舗あるいは施設のジャンルに関する情報を含み、
前記検索された繁華街に含まれる店舗あるいは施設をジャンル分けするジャンル分け手段と、
前記ジャンル分けされた店舗あるいは施設のうちから、所望の店舗あるいは施設を検索する絞り込み検索手段と、
を有するものである請求項1ないし16のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項18】
前記繁華街の検索結果あるいは前記絞り込み検索結果を表示する表示手段を有するものである請求項1ないし17のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項19】
前記検索された繁華街あるいは絞り込み検索された繁華街までの経路を案内する経路案内手段を有するものである請求項1ないし18に記載の項目検索装置。
【請求項1】
繁華街に関する繁華街情報を取得する繁華街情報取得手段と、
前記繁華街の検索条件を設定する検索条件設定手段と、
前記検索条件に基づいて前記繁華街情報のうちから所望の繁華街を検索する繁華街検索手段と、
を有することを特徴とする項目検索装置。
【請求項2】
前記繁華街情報は所定の範囲内に所定の数の店舗あるいは施設の存在する領域として定義されるものであり、
電子地図データが記憶された地図データ記憶手段を有し、
前記繁華街情報は前記地図データ記憶手段に記憶され、
前記繁華街情報取得手段は前記地図データ記憶手段から前記繁華街情報を取得するものである請求項1に記載の項目検索装置。
【請求項3】
前記繁華街情報に含まれる所定の範囲、および店舗あるいは施設の所定の数を設定する繁華街情報設定手段と、
前記設定された繁華街情報を記憶する繁華街情報記憶手段を有し、
前記繁華街情報取得手段は前記繁華街情報記憶手段から前記繁華街情報を取得するものである請求項1または2に記載の項目検索装置。
【請求項4】
前記繁華街情報は前記繁華街の規模を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の規模を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の規模を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項5】
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
車両の現在位置と繁華街との距離を演算する距離演算手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記演算された距離を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記演算された距離を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項6】
前記繁華街情報は前記繁華街が成立してからの期間を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街が成立してからの期間を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街が成立してからの期間を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項7】
前記繁華街情報は前記繁華街の種別を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の種別を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の種別についての情報を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項8】
前記繁華街情報は前記繁華街の知名度を含み、
前記検索条件設定手段は前記繁華街の知名度を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記繁華街の知名度についての情報を前記検索条件として検索を行なうものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項9】
前記車両の進行方向を検出する進行方向検出手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記車両の進行方向を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記車両の進行方向を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし8のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項10】
前記繁華街までの案内経路を検索する案内経路検索手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記案内経路を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記案内経路を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし9のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項11】
前記繁華街までの通行料金を予測する通行料金予測手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記通行料金を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記通行料金を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし10のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項12】
前記繁華街までの到達予想時間を算出する到達予想時間算出手段を有し、
前記検索条件設定手段は前記到達予想時間を前記検索条件として設定するものであり、
前記繁華街検索手段は前記到達予想時間を前記検索条件として検索を行なうものである請求項5ないし11のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項13】
前記繁華街検索手段は前記車両の現在位置から前記演算された距離の範囲の領域を所定の大きさのメッシュ領域に細分化し、そのメッシュ領域について前記繁華街を検索するものである請求項5ないし12のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項14】
前記繁華街検索手段は前記車両と前記メッシュ領域との距離に基づいて前記メッシュ領域を検索するものである請求項13に記載の項目検索装置。
【請求項15】
前記繁華街検索手段は前記車両の進行方向に基づいて前記メッシュ領域を検索するものである請求項13または14に記載の項目検索装置。
【請求項16】
前記メッシュ領域の検索対象を設定する検索対象設定手段を有し、
前記繁華街検索手段は前記設定された検索対象となるメッシュ領域を検索するものである請求項13ないし15のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項17】
前記繁華街情報は店舗あるいは施設のジャンルに関する情報を含み、
前記検索された繁華街に含まれる店舗あるいは施設をジャンル分けするジャンル分け手段と、
前記ジャンル分けされた店舗あるいは施設のうちから、所望の店舗あるいは施設を検索する絞り込み検索手段と、
を有するものである請求項1ないし16のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項18】
前記繁華街の検索結果あるいは前記絞り込み検索結果を表示する表示手段を有するものである請求項1ないし17のいずれか1項に記載の項目検索装置。
【請求項19】
前記検索された繁華街あるいは絞り込み検索された繁華街までの経路を案内する経路案内手段を有するものである請求項1ないし18に記載の項目検索装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−92513(P2006−92513A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−170558(P2005−170558)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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