説明

頭皮の美容器

【課題】本願発明は、頭皮の毛根を損傷することなく、指先と同様な感覚でマッサージが可能であり、且つ確実にツボを押圧し、頭皮の血行の改善をはかることができる頭皮の美容器を提供する。
【解決手段】本願頭皮の美容器1は、ゲルマニウムからなる球体10、この球体を取付ける筒体20、この筒体を固定するための基台30、及び把持部40からなる。この球体は全方向に回転自在であり、頭皮との摩擦であらゆる方向に回転できる。また、この球体はバネの力で上下動可能であり、多彩な人の頭の表面の凹凸に追随してもれなく頭皮全体をマッサージして頭部に存在する多くのツボを逃さない。この球体は人の指による押圧マッサージと同様な感覚を与えるように適度な間隔に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は頭皮の美容器に関する。詳しくは、把持部を備えた基台と、基台表面に固着された複数の筒体と、上記筒体の端部に筒体から突出して取付けられた回転自在の球体からなる頭皮の美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
人間の肌は加齢とともに衰える。これと同様に頭皮も年々衰える。特に紫外線、風、寒気、暑気、乾気等の厳しい外気により常にダメージを受けている。顔の肌の衰えは被服で覆われた肌と比較して著しい。この衰えに対して、多くの人は、日焼け止めクリーム等の化粧品を使用してこの衰えを防止している。この衰えの防止を心がける人と防止を怠る人の差異は著しい。
【0003】
頭皮も顔の肌と同様に、紫外線、風、寒気、暑気、乾気等の厳しい外気により常にダメージを受けている。このため、頭皮も顔の肌と同様に衰えが激しい。頭皮は衰えるとともに血行が悪くなり、頭皮は硬くなり、毛根は死滅する。特に頭皮が脂肪質で覆われてくると脂肪質が毛根を閉塞して毛根の死滅速度が大きくなり頭部の毛髪は少なくなる。
【0004】
また、頭皮の衰えは、頭皮の脂肪分を著しく減少させることもある。この場合、頭皮は乾燥しやすく、頭皮の新陳代謝が悪くなり、毛根の機能が衰える。毛根の機能が衰えると白髪の発生が促進される。現代人は特にパソコン、携帯電話によるメール、テレビゲーム等に費やす時間が多く、目の疲れ、肩・首の凝りが生じやすく、このため、頭への血流が阻害され、頭皮の血行が悪くなる。
【0005】
この頭皮の衰えは外観年齢を左右する。これを防止するためには頭皮の血行をよくする必要がある。血行をよくすることにより、頭皮が脂肪質で覆われることを防止し、また、頭皮の過度の乾燥を防止することは自明である。この頭皮の血行をよくするためにはマッサージが有効であることには異論はない。効果的に頭皮をマッサージすることにより頭皮の血行を良好にして若々しい頭髪を保つことができる。また、頭皮が衰えると頭皮の張りが失われ、顔の皮膚が弛む。それが原因で顔にほうれい線、めじりのしわ、二重あご等が表れる。従って、外観年齢を若く、保つためには、頭皮のマッサージが欠かせない。
【0006】
頭皮のマッサージは日常継続して行わなければならない。日常継続してマッサージをするためには、自分自身で手軽にマッサージができる必要がある。しかし、頭皮の血行をよくする有効なマッサージを行うのは容易ではない。下記特許文献には、自分自身で行える頭皮の美容器が開示されている。これらの頭皮の美容器は優れたものであるが、尚、改善の余地がある。特許文献1及び特許文献2に開示された頭皮の美容器は髪の毛を梳くように使用するため、髪の毛が引っ張られることにより、過度のマッサージとなり毛根を痛めるおそれがある。また、特許文献3に開示された頭皮の美容器は頭皮全体をマッサージするのには必ずしも好適とはいえない。
【0007】
人の全身には種々の機能をつかさどる神経が集中するツボがある。頭部にも育毛を促進する多数のツボがあり、このツボを継続的に刺激することにより、頭皮の衰えを防止することができる。このツボは人の指で行う如く柔らかく、且つ的確に押圧しなければならない。出願人は、永年にわたり頭皮のマッサージに関して研究を行い、頭皮全体をもれなく効率よくマッサージできるとともに頭部のツボを的確に押圧することにより、頭皮の血行が改善し、毛髪を若々しく保つことができる頭皮の美容器を発明した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実用新案登録第3150874号公報
【特許文献2】特開2000-60640号公報
【特許文献3】実用新案登録第3065615号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明は、頭皮の毛根を損傷することなく、指先で行うマッサージと同様な感覚で、且つ確実にツボを押圧し、頭皮の血行の改善をはかることができる頭皮の美容器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明は、把持部を備えた基台に複数の筒体を配設し、この筒体の上端部に球体を設け、この球体が筒体の上端部から一部突出して、この球体は全方向に回転が自在である。この球体は頭皮との摩擦力で頭皮の美容器の移動方向に沿って回転する。このため、毛髪を引っ張ることが無いため、毛根を傷めることがない。
【0011】
この頭皮の美容器の使用者が頭皮の特定部位の押圧マッサージを可能とするため、上述の把持部の側面側に把持部から一部突出した球体を設ける。この球体も全方向に回転自在である。
また、人の頭部の表面は、凹凸があってその差は万別である。本願発明は各自異なる頭の凹凸に対応するために球体を備えた筒体が基台に対してバネを介して上下動して、頭部のツボをもれなくマッサージする。また、球体の上下動は、筒体に対して上下動させることもできる。
【0012】
頭皮のマッサージに加えて、頭皮の乾燥を防止して、頭皮を最適状態に維持するために、頭皮に頭皮美容液を補充する必要がある人もある。上述の基台に液体貯留部を設け、この液体貯留部から溝、管等を設けて、筒体にこの頭皮の美容液を導き、球体の回転に沿って、頭皮に頭皮美容液を送り込み、マッサージ効果とともに、頭皮のケアを行うことができる。
【0013】
頭皮の血行を更に確実にするために、上述の球体を従来から使用されているゲルマニウム、トルマリン又は磁性体を使用する。特に好ましくはゲルマニウムを使用することでマッサージ効果を高める。
【0014】
頭皮に接触する球体を、樹脂、ゴム及びエラストマーから選ばれる少なくとも1種により被覆し、球体表面を滑らかな、且つ適度な硬度として、人に心地よい感じを与えるとともに、球体の美的外観も向上させる。
【0015】
他の本願発明の頭皮の美容器(請求項9の発明)は、上述の美容器と比較して筒体を設けないで、基台に直接球体を取付ける。この頭皮の美容器は上述の頭皮の美容器に比較して、構造を簡単にして、製作コストを小さくするとともに携帯を容易としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本願頭皮の美容器は、構造が簡単で、誰でも気のむいたときに手軽に使用できるとともに、ソフトなタッチで頭皮と接触し、頭部全体をもれなく、そしてツボを的確にマッサージできる。この頭皮の美容器は、使用により人に快い感覚を与える。また、頭皮と直接接触する球体が全方向に回転できるため、髪を引っ張ることが無く毛根を傷めることがない。
【0017】
上述の球体が把持部の側面に配設されている場合は、この球体を用いて頭の特定部位を重点的にマッサージができる。
【0018】
球体を備えた筒体を、基台に対してバネを介して上下動可能の場合は、人の頭部の形状にかかわらず常に頭皮をもれなく、且つ多くのツボを的確にマッサージできる。この上下動は、球体と筒部の関係においても上下動させることができ、頭皮の美容器のデザインにより、その選択が可能である。
【0019】
基台に液体貯蔵部を設け、その液体を溝又は管を用いて流路を形成して筒体にその液体を供給可能とする場合は、上述の球体の回転に沿って、球面から液体を頭皮に供給できる。頭皮のマッサージと同時に頭皮美容液を施すことができる。
【0020】
上述の球体の素材として、ゲルマニウム、トルマリン、磁性体を用いた本願頭皮の美容器を使用した場合は、頭皮の血行がさらによくなる。特にゲルマニウムを使用した場合は頭皮の血行がよくなり、マッサージ効果が大きくなる。
【0021】
球体を樹脂、ゴム又はエラストマーで被覆した場合は、球体表面を滑らかな、且つ適度な硬度にして、人に心地よい感じを与えるとともに、球体の美的外観も向上させる。
【0022】
請求項9に係る発明である頭皮の美容器は、筒体を設けないため作製が容易であり、作製コストが小さい。また、ハンドバッグ等に収納が容易で携帯が便利である。マッサージ効果は上述の頭皮の美容器と変わるところは無い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本願頭皮の美容器の斜視図である。
【図2】本願頭皮の美容器を多方向から見た図である。
【図3】他の態様の本願頭皮の美容器を多方向から見た図である。
【図4】更なる他の態様の本願頭皮の美容器の断面図である。
【図5】球体回転機構を説明する図面である。
【図6】球体が筒体に対して上下動する場合の例を示す模式断面図である。
【図7】筒体が基台に対して上下動する場合の例を示す断面模式図である。
【図8】液体貯留部及び流路の説明するための断面図である。
【図9】球体が筒体に対して上下動する場合及び筒体が基台に対して上下動する場合の液体貯留部及び流路の説明するための模式断面図である。
【図10】把持部及び基台側面に球体を備えた本願頭皮の美容器を多方向から見た図である。
【図11】他の本願発明である頭皮の美容器の斜視図である。
【図12】他の本願発明の頭皮の美容器の球体が基台に対して上下動する場合の例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本願発明を実施するための形態を図に基づいて詳細に説明する。これらの図中の記号(または番号)は、共通する部材の場合は省略している。また、図中において部材が明瞭である場合も省略している。これらの図は本願発明を説明するために模式的に描かれたものであり、本願発明がこれらの図に拘束されるものではない。
【0025】
図1は本願頭皮の美容器の斜視図の一例である。図2は図1に係る本願頭皮の美容器を多方向から見た図である。図2(a)は正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は右側面図、図2(d)は左側面図である。本願頭皮の美容器1は把持部40を備えた基台30に複数の筒体20が配設されている。この筒体20の先端には球体10が取付けられている。この球体10が直接頭皮に触れてマッサージを行う。
【0026】
図3は他の態様の本願頭皮の美容器を多方向から見た図である。図3(a)は正面図、図3(b)は平面図、図3(c)は右側面図、図3(d)は左側面図である。この図3の示すように、基台30の形状、把持部40の形状、筒体20の配置は、限定されること無く自由に選択できる。
【0027】
[球体]
この球体10は、筒体20の端部から一部突出して取付けられる。筒体20に設けられた球体回転室21の中で全方向自在に回転する。球体10は真球でなくとも良い。頭皮との摩擦で、滑らかに回転する程度のものでよい。この球体10の素材は特に限定されない。石、金属、樹脂、ゴム、エラストマー及び木等が例として挙げられる。
【0028】
石の具体例は、大理石、花崗岩等の球体の成形が容易であり、且つ外観の美しいものが挙げられる。また、これらの石が、皮膚に接触したときに血行を良くする鉱石を使用することが好ましい。これらの石の例としては、半導体を含有する鉱石、トルマリン、磁性を有する鉄鉱石が挙げられる。
【0029】
金属の具体例としては、鉄又はこれにメッキを施した鉄、ステンレス、真鍮、アルミニウム及び銅等が挙げられる。
また、樹脂の具体例としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−12等のポリアミド系樹脂、及びポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。
【0030】
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン−ウレア樹脂、ウレア樹脂及びケイ素樹脂等を挙げることができる。これらのうちの1種又は2種以上が用いられる。
【0031】
また、エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等のスチレン系エラストマー、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン系エラストマー、1,2−ブタジエン等のポリジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが挙げられる。これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
【0032】
ゴムとしては、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、アクリルゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。これらのうちの1種または2種以上が用いられる。
【0033】
木の具体例としては、黄楊、樫、紫檀、黒檀などの硬くて美しいものが挙げられる。
【0034】
この球体10の素材のうちで、ゲルマニウム、トルマリン、磁性体が好ましく用いられる。ゲルマニウムとはゲルマニウム鉱石及びゲルマニウム鉱石の含有物をいう。トルマリンとは圧電効果、焦電効果を有する鉱石の含有物の総称であり、これらの鉱石及びこれらの含有物をいう。磁性体とは、上述の天然フェライトを含む磁鉄鉱の鉱石及びこの鉱石の含有物、人工のフェライトを含有する鋼も含む。ゲルマニウム、トルマリン、磁性体は、頭皮と接触したときに血行を良くする性質を有するためである。
【0035】
これらのゲルマニウム、トルマリン、磁性体は単独で使用することもできるし、組合わせて使用することもできる。組合わせて使用するとは、各筒体20にそれぞれ異なる素材を取付けること、及び、これらの素材を混合して球体10に成形して各筒体20に取付けることもいう。
【0036】
これらの石は、そのまま球体10に成形することもできるし、粉末にした後、粘土等の焼結材と混合した後、転動造粒機等を用いて球体に成形し、次いで焼結して使用することもできる。
【0037】
更に、上述の石は、粉砕した後、次いで、樹脂、エラストマー、ゴム等と混合し、その後球体10に成形することもできる。上記、樹脂、エラストマー、ゴム等は上述のものがそのまま適用できる。
【0038】
更に、成形された球体に樹脂、エラストマー、ゴム等を被覆することができる。球体10の硬度を調節し、色彩を施して美的外観を高めるためである。また、単に色彩を施すこともできるし、種々のメッキを施すこともできる。
【0039】
この球体10のサイズに限定は無いが、直径が5mm〜15mmが好ましく、より好ましくは7mm〜13mm、特に好ましくは8mm〜12mmである。マッサージは通常指の押圧で行うものであり、この球体のサイズは指のサイズに近似したときが、最もマッサージの効果が高まるためである。球体10が5mm未満であると、指の感覚を得られずマッサージ効果が少ない。また、15mmを越える場合も指の感覚が得られずツボを的確に押圧できないおそれがある。この球体は頭皮上を回転し、髪が引っ張られることが無いため、毛根の損傷がない。
【0040】
[筒体]
筒体20は球体10を取付けるためのものである。筒体20の断面形状は円形のみならず、多角形でも良い。図1の斜視図においては、断面円形の筒体20が描かれているが、この形状に限定されない。例えば、断面形状が四角形、五角形、六角形でも良い。長さは少なくとも球体10を取付ける寸法が必要である。本願頭皮の美容器1の機能及び使いやすさを考慮すると10mm〜30mmが好ましい。10mm未満であると球体10の取付けが困難となり、30mmを超えると把持部を手に持ってマッサージしにくくなるためである。
【0041】
この筒体20の材質は、特に限定されない。例えば、木、金属、樹脂等が挙げられる。また、この筒体20の数は複数である。複数であれば特に限定はされないが、5〜10が好ましい。数が5未満であるとマッサージのときにツボを捕らえにくい。また、10を超える数は不必要であり、作製コストが大きくなる。図1の斜視図においては筒体20の数が8であるがこの数に限定されるものではない。
【0042】
この筒体20は上述のように複数設ける。頭皮全体を漏れなくマッサージするためである。この筒体20の平面視での配置間隔X(筒体中心と直近の隣接筒体の中心点との距離)は特に限定されないが好ましくは5mm〜20mmである。5mm未満であると指でマッサージするときの感覚と異なるためである。また、20mmを超えると指でマッサージするときの感覚と異なるためである。
【0043】
この筒体20には、球体回転室21を設け、球体10をこの球体回転室21に収納する。図5は、球体回転室21の断面図である。この図5に示すように、この球体10を収納したときに球体10の一部が筒体20から突出する大きさとする。この球体回転室21に収納された球体10は、頭皮との摩擦により全方向に回転自在とする。この球体10の球体回転室21における球体10の回転機構は球体10の表面の摩擦係数により異なる。
【0044】
球体回転室21の壁22と球体10の摩擦力が球体10と頭皮の摩擦力より小さい場合は図5(a)に示すように、球体10は壁と接触して収納するだけの単純な球体回転機構にすることができる。(b)は球体回転室21の壁22と球体10の摩擦力が球体10と頭皮の摩擦力より大きい場合は球体回転室21に硬合金、超硬合金、人工ルビー等の球体接触部材23を設けることにより回転自在とする。また、図示しないが球体回転室21の壁22と球体10の摩擦力が球体10と頭皮の摩擦力の関係で球体10の回転にベアリングを使用することもできる。
【0045】
球体10は筒体に対して、上下動自在であることが好ましい。人の頭の表面は、各自固有の凹凸があり、的確にツボをマッサージすることができるためである。図6は球体10が筒体20に対して上下動する場合の例を示す模式断面図である。この図6が示すように球体10の球体回転室21の内部にバネ受け部材24を配設し、このバネ受け部材24の下面にバネ25を設ける。必要に応じて球体10と接触する部分に球体接触部材23を設ける。
【0046】
また、筒体20は、基台30に対して上下動自在とすることもできる。図7は筒体20が基台30に対して上下動する場合の例を示す断面模式図である。この図に示すように基台30と筒体20の間にバネ25を配設して基台30には、筒体20の下端部が上下動可能とする凹部34を設ける。
【0047】
[基台]
基台30は複数の筒体20を配設・固着するためのものである。固着方法は特に限定は無く、例えば雌雄螺合螺子にすることもでき、溶接、接着等で行うこともできる。また、この筒体20は基台30とともに一体成形とすることもできる。この基台30の材質は特に限定は無いが、木、樹脂、エラストマー、ゴム、金属等が上げられる。この基台の形状も複数の筒体20を一定の間隔で配設できれば特に限定はない(図1及び図3参照)。
【0048】
図4は更なる他の態様の本願頭皮の美容器1の断面図である。この図に示すように基台30の断面形状は、内側に湾曲させることもできる。頭の形状に合わせて、頭皮全体のマッサージを容易にするためであり、多数の頭のツボを漏れなくマッサージするためである。
【0049】
基台30は内部に液体を貯留する液体貯留部31を備え、この液体貯留部31から上記複数の筒体20の各々に液体を供給するための流路32が設けられ、上記液体は上記流路32を介して上記球体10の回転時に球面に沿って、外部にこの液体が流出可能であることが好ましい。図8は、液体貯留部31と流路32を説明するための断面図である。この液体は蓋33で封入される。
【0050】
この液体貯留部31に封入される液体の例としては、頭皮の美容液、クリーム、育毛剤、化粧水等が挙げられる。これらの機能を総合して有するいわゆる頭皮のオールインワン化粧品が好ましく使用される。
【0051】
液体貯留部31に封入された上述の頭皮の美容液等は筒体20に設けられた流路32を通って、球体10と筒体20との間隙から、球体の回転に伴って球面に沿って頭皮に塗布される。球体10と筒体20の間隙は小さいため、球体10が回転しない場合(頭皮の美容器1を使用しない場合)は、表面張力の作用により頭皮の美容液等が流れ出すことはない。
【0052】
図9は、球体10が筒体20に対して上下動する場合、及び筒体20が基台30に対して上下動
する場合の液体貯留部31及び流路32の説明をするための模式断面図である。
図9(a)は球体10が筒体20に対して上下動する場合の液体の流路を示す。図に示すようにバネ受け部材24に貫通孔34等を設けて、液体の流路を確保する。液体の頭皮への流量はこの貫通孔34の径により調節を図ることができる。また、図9(b)は筒体20が基台30に対して上下動する場合の液体の流路を示す。
【0053】
[把持部]
頭皮の美容器1を使用するときに把持部40を手に持って行う。把持部40の形状は特に制限されない。図1の斜視図においてはヘアーブラシに用いられる形状の把持部になっているが、把持部40の形状は特に制限されない。例えば、棒状、湾曲したものでも良い。また、把持部40の材質も特に制限されない。木、樹脂、金属等が挙げられる。把持部40と基台30は、雌雄螺合螺子にすることもでき、溶接、接着等で行うことができる。また、把持部40と基台30は一体成形とすることもできる。
【0054】
この把持部40の端部側面に球体11を取付けることが好ましい。この球体11により、頭部の所望のツボを重点的に押圧マッサージするためである。この球体11の素材、成形等は、上述の球体10において説明した記載事項がそのまま適用される。この球体11は前述の球体10と同様にバネを用いて突出部が把持部に対して上下動自在の構造にすることが好ましい。図10は、球体11を備えた本願頭皮の美容器1を多方向から見た場合の説明図である。この図に示すように、更に球体12を基台30の側面に設けることもできる。図10(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図を表す。
【0055】
他の本願発明である頭皮の美容器100は、把持部140を備えた基台130と、複数の球体110と、からなり、複数の球体110は、上記基台130の表面から突出して取付られ、
これらの球体110は全方向に回転自在である。
図11はこの頭皮の美容器100の斜視図である。この頭皮の美容器100は上述の頭皮の美容器1と比較して、上述の筒体20が省略されている。このため、作製が容易で作製コストが小さくなる。また、携帯が容易で持ち歩きに便利である。マッサージ効果は上述の頭皮の美容器1とかわらない。上述の頭皮の美容器1で説明した筒体20以外の記載は全てこの頭皮の美容器100にそのまま適用される。
【0056】
この頭皮の美容器100に用いる球体110は、図11に示すように基台の表面から一部突出して基台130に取付けられる。この球体110は全方向に回転自在である。この回転機構は上述の頭皮の美容器1で詳述した筒体20における記載事項がそのまま適用される。
【0057】
この頭皮の美容器100に用いる球体110の素材、成形の方法及びサイズは上述の頭皮の美容器1の記載がそのまま適用できる。また、この球体110の配置間隔は上述の頭皮の美容器1で詳述した筒体20の配置間隔がそのまま適用される。
【0058】
更に、この球体110は基台130の備える把持部140の端部側面にこの把持部140から突出して設けられることが好ましい。この把持部140の端部側面とは例えば図10(a)の41をいう。
【0059】
この球体110は、バネ125を介して上記基台130に対して上下動が自在であることが好ましい。
図12はこのバネ125の取付けの具体例を示したものであり、この図に限定されるものではない。
【0060】
上記基台130は内部に液体貯留部(図示しない)を備え、この液体貯留部から複数の球体の各々に液体を供給するための流路(図示しない)が設けられ、この液体は流路を介して球体110の球面に沿って頭皮に流出可能であることが好ましい。この液体貯留部及び流路は上述の頭皮の美容器1で詳述したものがそのまま適用できる。
【0061】
上記球体は、ゲルマニウム、トルマリン及び磁性体のうちから選ばれる少なくとも1種からなることが好ましく、これらのうちでゲルマニウムが特に好ましい。また、この球体110は
樹脂、ゴム及びエラストマーから選ばれる少なくとも1種により被覆されたものであることが好ましい。ゲルマニウム、トルマリン及び磁性体は上述の頭皮の美容器1で詳述したものがそのまま適用される。
【符号の説明】
【0062】
1 本願頭皮の美容器
10 球体
11 球体
12 球体
20 筒体
21 球体回転室
22 壁面
23 球体接触部材
24 バネ受け部材
25 バネ
30 基台
31 液体貯留部
32 流路
33 蓋
34 凹部
40 把持部
41 把持部の端部側面
100 他の本願発明である頭皮の美容器
110 球体
130 基台
140 把持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭皮の美容器であって、上記頭皮の美容器は把持部を備えた基台と、複数の筒体と、上記複数の筒体に取付けた球体と、からなり、
上記複数の筒体の各々の一端は上記基台に固着され、
上記複数の筒体の各々の他の一端は上記筒体から突出して上記球体が取付けられ、
上記球体は全方向に回転自在であることを特徴とする頭皮の美容器。
【請求項2】
更に、上記基台の備える上記把持部の端部側面に上記把持部から突出して設けられた回転自在の球体を備える請求項1に記載の頭皮の美容器。
【請求項3】
上記筒体は、上記基台に対してバネを介して、上下動が自在である請求項1又は請求項2に記載の頭皮の美容器
【請求項4】
上記球体は、上記筒体に対してバネを介して、上下動が自在である請求項1又は請求項2に記載の頭皮の美容器
【請求項5】
上記基台は内部に液体貯留部を備え、上記液体貯留部から上記複数の筒体の各々に液体を供給するための流路が設けられ、上記液体は上記流路を介して上記球体の球面に沿って頭皮に流出可能な請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。
【請求項6】
上記球体は、ゲルマニウム、トルマリン及び磁性体のうちから選ばれる少なくとも1種からなる請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。
【請求項7】
上記球体は、上記ゲルマニウムからなる請求項6に記載の頭皮の美容器。
【請求項8】
上記球体は、樹脂、ゴム及びエラストマーから選ばれる少なくとも1種により被覆されたものである請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。
【請求項9】
頭皮の美容器であって、上記頭皮の美容器は把持部を備えた基台と、複数の球体と、からなり、
上記複数の球体は、上記基台の表面から突出して取付けられ、
上記複数の球体の各々は、全方向に回転自在であることを特徴とする頭皮の美容器。
【請求項10】
更に、上記基台の備える上記把持部の端部側面に上記把持部から突出して設けられた回転自在の球体を備える請求項9に記載の頭皮の美容器。
【請求項11】
上記球体は、バネを介して上記基台に対して上下動が自在である請求項9又は請求項10に記載の頭皮の美容器
【請求項12】
上記基台は内部に液体貯留部を備え、上記液体貯留部から上記複数の球体の各々に液体を供給するための流路が設けられ、上記液体は上記流路を介して上記球体の球面に沿って頭皮に流出可能な請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。
【請求項13】
上記球体は、ゲルマニウム、トルマリン及び磁性体のうちから選ばれる少なくとも1種からなる請求項9乃至請求項12のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。
【請求項14】
上記球体は、ゲルマニウムからなる請求項13に記載の頭皮の美容器。
【請求項15】
上記球体は、樹脂、ゴム及びエラストマーから選ばれる少なくとも1種により被覆されたものである請求項9乃至請求項14のいずれか1項に記載の頭皮の美容器。


































【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−111218(P2013−111218A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−259805(P2011−259805)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(510139335)
【Fターム(参考)】