説明

頭皮を処置するための化粧学的処置方法

【課題】ヒトの頭皮を処置するための方法並びに装置を提供する。
【解決手段】圧縮ガスにより動作する噴霧デバイスによって、化粧料組成物及び/又はガスを該頭皮に適用することを特徴とする、ヒト頭皮を処置するための、化粧学的処置方法、及び(a) フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止/鎮静性、及び隠蔽組成物から選択される、頭皮を処置するための組成物、及び(b) 前記組成物を含有する貯槽(11)を含むエアブラシ(2)を含むことを特徴とする、ヒト頭皮を処置するための処置装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの頭皮を処置するための方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
組成物をカニューレにより直接頭部に注ぐことによって、頭皮に該組成物を適用することは公知である。一例として、該組成物は、洗浄、鎮静、フケ取り、又は脱毛防止用組成物、又は毛髪の再生を刺激するための組成物であり得る。
該組成物を直接頭皮に注ぐことを可能とするデバイスの使用は、全く満足できるものではない。というのは、注ぎ込むべき該組成物の量を正確に調節することが困難であり、また組成物の損失に導く可能性のある流下及び眼の中への流入の恐れがあるからである。
さらに、該頭皮上での該組成物の分布は、望んだほどに均一ではなく、そのため指で該組成物を分配させる必要性をもたらし、またグローブ着用の必要性をもたらし、またこのことは、擦った際に、該頭皮が摩擦に対して敏感であり、あるいは毛髪が脆弱である場合には、問題となる可能性がある。
【0003】
皮膚にメイクアップ組成物を適用するためにエアブラシを使用することも公知であり、ここで該エアブラシは、微細な液滴の形態で該組成物を噴霧する。
特許出願GB 2,287,480Aは、パーマネントウエーブを形成する場合に、毛髪に中和組成物を適用するための、エアブラシの使用を開示している。
本出願人の知る限りでは、圧縮ガス及び特に圧縮空気によって動作するエアブラシ及び同様な他のデバイスは、化粧組成物を頭皮に適用して頭皮を処置するためには使用されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
頭皮の処置をさらに一層改善することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第一の局面において、本発明は、ヒトの頭皮を処置するための化粧学的処置方法を提供するものであり、該方法において、圧縮ガスにより動作するデバイスによって、化粧料組成物及び/又はガスが該頭皮に適用される。
該組成物は、毛髪を着色するための、又は毛髪を成形するための組成物あるいは毛髪用のケア製品以外のものであることが好ましい。
該組成物は、頭皮用の、フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止又は鎮静、隠蔽、刺激及び保護組成物から選択される、頭皮を処置するための組成物であり得、該組成物は、化粧料又は皮膚用剤であってもよい。
該組成物は、フォーム形態ではなく、液滴の形態で噴霧される。
【0006】
該組成物が脱毛防止用組成物又は毛髪の再生を刺激するための組成物である場合、該処置すべき表面は、禿頭(特に、男性型の禿頭)が最も頻繁に現れる領域、特に頭頂部及び側頭部に局在している。
該組成物は、毛髪のない頭部の領域に噴霧することができる。
該組成物はフォームではないことが好ましい。
好ましくは、該圧縮ガスは圧縮空気である。使用する該圧縮ガスは、従って、非-炎症性のガス、非-フッ素系のガス、非-炭化水素系のガスであり、また容易に入手できるものであり得る。
好ましくは、使用する該圧縮ガスは、液化ガスを由来とするもの以外から得られる。該噴霧デバイスは、従って、液化ガスを含むエーロゾル収納容器とは異なるものであり得る。
【0007】
噴霧用の該組成物は、非-加圧状態で(即ち、大気圧下において)、該デバイス内に保存することができる。
本発明の好ましい一変法において、該噴霧デバイスは、エアブラシである。
上で略述した如きデバイス及び特にエアブラシの使用は、多くの利点を持つ。
単に該組成物を頭皮上に注ぐことによる適用と比較して、該デバイス、特に該エアブラシは、大きな接触面積、マッサージ感覚、及び涼味をもたらす可能性がある。さらに、適用は、流下を伴うことなく、ほんの僅かに湿分を付与するだけであり得る。
該デバイス、特にエアブラシは、グローブの使用を回避することを可能とし、一方頭皮との接触がないことに起因して、満足な衛生状態に基く利点を得る。
【0008】
幾つかの別異の噴霧デバイスと比較して、エアブラシの使用は、その使用中及び必要とされる場合に、得られる効果を変更するために、そのユーザーが、動作パラメータを変更することを容易にし、例えば該ユーザーは、実施すべき処置の関数として、該組成物ジェットの流量を調節することができる。さらに、媒介体として機能するガス(好ましくは空気)の体積は、該デバイス、特にエアブラシが圧縮機と接続されている場合には、制限されない。該空気は、好ましくは酸素に富むものではない。該噴霧用の組成物は、容易に補充することができ、また様々な組成物を、同一のデバイス、特にエアブラシにより、容易に連続して使用することができる。最後に、該デバイス、特にエアブラシが可能とする場合には、該ユーザーは、該媒介ガス(好ましくは空気)又は媒介ガスの混合物及び組成物を選択的に放出することができる。即ち、空気の放出は、処置前及び/又はその後、該処置領域を刺激するために、及び/又は該組成物の乾燥を促進するために有用であり得る。
【0009】
該媒介ガス及び噴霧すべき該組成物は、該デバイス、特に該エアブラシ内部で又はその外部で混合することができる。
様々な態様において、該デバイス、特に該エアブラシは、ユーザーの行為を支援するために、該処置すべき領域を照明することができ、例えば該デバイスは、該組成物を射出すべき軸を示す光のスポットを生成し得る。この支援は、噴霧すべき該組成物が着色されておらず、また毛髪が、例えば湿っている場合に有用となる可能性がある。
該デバイス、特に該エアブラシは、毛髪を梳るのに使用でき、またこの目的のために、例えば該組成物を分配する該端部と対向する端部に位置する、スタイリング用の端板を含むことができ、あるいは好ましくは、特に該エアブラシがピストル型である場合には、該エアブラシを操作するためのハンドルが伸びている。
該噴霧用の化粧料組成物は、多数ある中でも特に頭皮用の、フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、刺激、及び保護組成物から選択することができる。該用語「化粧料組成物」とは、治療作用を持たず、また医学的な指示なしに適用することのできる組成物を意味するものと理解すべきである。
【0010】
適用は、櫛状の端部を除いて、該デバイス、特に該エアブラシが頭皮と接触することなく行うことができるが、該櫛状の端部は、例えば清浄化後に取替えることができるように、あるいは、例えば歯の数又はその配置に関して異なる特性を持つ、複数の櫛状の端板から選択することができるように、着脱自在である。
該組成物は、乾燥又は湿潤状態にある毛髪に適用することができる。適用は、例えばシャンプー処置した後に行うことができる。
上記媒介ガス、特に空気は、可能ならば該デバイス、特に該エアブラシの出口ノズルに達する前に、加熱又は冷却することができる。該媒介ガスの加熱は、該噴霧された組成物の乾燥を促進し、あるいは例えば血液循環を局部的に活性化することにより、活性薬剤の作用を増強することを可能とする。冷却は、追加の涼味感覚を得ることを可能とする。
以下の本明細書の記載全体を通して、数値範囲に言及する場合、該範囲の境界は該範囲に含まれる。
該組成物が噴霧されている間、該デバイス、特に該エアブラシを、頭皮から1センチメートル(cm)〜10cmなる範囲、好ましくは1cm〜5cmなる範囲の距離にて維持することができる。
【0011】
該組成物は、頭髪に分け目を形成した後に、噴霧することができる。このような分け目を形成するために、ユーザーは櫛又は、特に該デバイスが櫛状端板を備えている場合には、該デバイス、特に該エアブラシを用いることができる。
実施に際して、本発明の方法は、頭皮及び/又は毛髪に第一の組成物を適用する工程、及び次に該デバイス、特に該エアブラシによって、該頭皮に第二の組成物を適用する工程を含み、該第二の組成物は該第一の組成物の関数として選択され、あるいは逆も同様である。行うべき処置に依存して、該第二の組成物は、該第一の組成物に先立って適用することができ、あるいは逆も同様である。
該第一の組成物は、該第二の組成物に先立って適用される場合、該第二の組成物の作用を増強する。また適当な場合には、これら2種の組成物を相互に作用し合う。
もう一つの局面において、本発明は、またヒトの頭皮を処置するための、特に上記方法を実施するための処置装置をも提供するものであり、該装置は、
・頭皮用の、フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止又は鎮静、隠蔽、刺激、及び保護用組成物から選択される、頭皮を処置するための組成物、ここで該組成物は、化粧料又は皮膚用剤であってもよく、及び
・圧縮ガスを用い、また該組成物を含有する貯槽を含む噴霧デバイス、を含む。該デバイスは、好ましくはエアブラシであり、また該圧縮ガスは、好ましくは圧縮空気である。
【0012】
該組成物は、以下に列挙する例示組成物の成分、例えば組成物C'及び特に該列挙された組成物のあらゆる活性成分の少なくとも1種を含むことができる。
該用語「貯槽を含むデバイス」とは、該デバイス本体が該貯槽を担持しているか、あるいは可撓性のホースを介して該貯槽と接続されていることを意味するものと理解すべきである。
該デバイス、特に該エアブラシは、0.1ミリメートル(mm)〜1mmなる範囲、例えばより良好には0.2mm〜0.7mmなる範囲の径を持つ出口ノズルを含むことができる。該エアブラシの入口における該空気の相対的な圧力は、約0.02〜0.3MPa(0.2〜3bar)なる範囲、より良好には約0.04〜0.1MPa(0.4〜1bar)なる範囲内の値であり得る。該組成物の噴霧粒子の平均粒子径、即ち平均の体積基準の径D[4,3]は、好ましくは10マイクロメートル(μm)〜35μmなる範囲内にある。該組成物の流量は、10g/分に等しいかあるいはそれ未満であり得る。
該デバイス、特に該エアブラシは、櫛状の端板を含むことができる。該デバイス、特に該エアブラシは、ハンドル、特にピストル型のハンドルを含むことができ、また該櫛状の端板は、該ハンドルから伸びていてもよい。該櫛状の端板は、該デバイス、特に該エアブラシの、特に該ハンドルに着脱自在に固定することができる。
【0013】
上記媒介ガス、特に空気は、これが該デバイス、特に該エアブラシを離れる前に、例えば圧縮機又は調節器の出口において、加熱又は冷却することができる。該デバイス、特に該エアブラシを離れる際の該ガスの温度は、例えば5〜60℃なる範囲内であり得る。
該デバイス、特に該エアブラシによって放出される噴霧液は、円形又は幾つかの他の形状の断面をもつものであり得る。
該デバイス、特に該エアブラシは、該組成物の供給量を調節して、オペレータが該組成物を選択的に噴霧できるように、制御部材を含むことができる。一例として、該制御部材は、ユーザーの指で押される表面を含む。
該デバイス、特に該エアブラシは、頭皮を照明するための光源、例えば赤色のレーザー光光源を含むことができる。該光源は、実質的に該噴霧軸上に光を放出して、処置すべき表面を照明することができ、また該デバイス、特に該エアブラシの方向付けを支援することができる。
該光源には、該デバイス、特に該エアブラシの担持する、少なくとも一つの随意に再充電可能な電池により、動力供給することができる。一変法において、上記の可撓性供給ホースは、電気導電体を含むことができる。該光源は、該組成物が噴霧されているか否かに応じて、作動させることができる。例えば、該組成物を供給すべく開放され、あるいは該媒介ガスの導入を開始する、該制御部材は、また該光源の動作に対しても作用を及ぼすことができる。
【0014】
活性成分:
上述の如く、本発明の噴霧デバイス、特に該エアブラシは、特に頭皮を処置すべく、組成物、特に頭皮用の、フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止又は鎮静、隠蔽、刺激及び保護用組成物から選択される組成物を適用するために使用することができる。ここで、該組成物は、化粧料又は皮膚用剤であってもよい。
該組成物は、以下に列挙する組成物から選択される、1種又はそれ以上の活性薬剤であり得る。
該用語「脂漏防止活性剤」とは、皮脂腺の活性を調節することのできる化合物を意味する。
【0015】
脂漏防止活性剤:
本発明に適した脂漏防止活性剤は、特にレチノイン酸;ベンゾイルパーオキシド;硫黄;ビタミンB6(又はピリドキシン);塩化セレン;欧州産セリ科クリスマム属の草本、シナモン、紅茶、及びオクタノイルグリシン抽出物の混合物、例えば供給元:セピック(Seppic)から入手できるセピコントロール(Sepicontrol) A5 TEATM;特にセピコントロールA5(Sepicontrol A5TM)なる商品名の下に、セピック(SEPPIC)社により市販されている、シナモン、サルコシン、及びオクタノイルグリシンの混合物;亜鉛塩、例えばグルコン酸亜鉛、亜鉛ピロリドンカルボキシレート(又は亜鉛ピドレート(pidolate))、乳酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、亜鉛カルボキシレート、サリチル酸亜鉛、システイン酸亜鉛;銅誘導体及び特に銅ピドレート、例えばソラビア(Solabia)社により市販されているキュイブリドン(CuivridoneTM)等;アルニカモンタナ(Arnica Montana)、シンコーナサクシルブラ(Cinchona succirubra)、ユージェニアカリオフィラータ(Eugenia caryophyllata)、ヒュムラスルプラス(Humulus lupulus)、ハイペリカムパーフォレータム(Hypericum perforatum)、メンタピペリタ(Mentha piperita)、ロスマリヌスオフィシナリス(Rosmarinus officinalis)、サルビアオフィシナリス(Salvia officinalis)、及びサイマスブルガリス(Thymus vulgaris)種植物の抽出物、全て、例えば供給元であるマルゼン(MARUZEN)により市販されている;バラ科シモツケ属[例えばスピラエアウラマリア(Spiraea ulamaria)]植物の抽出物、例えばシラブ(Silab)社によりセボノルミン(SebonormineTM)なる商品名の下に市販されているもの;ラミナリアサッカリーナ(Laminaria saccharina)(ケルプ)の抽出物、例えば供給元であるバイオテックマリン(Biotechmarine)によりフロロジン(Phlorogine TM)なる商品名の下に市販されているもの;ワレモコウ[サンギソルバオフィシナリス/ポテリウムオフィシナール(Sanguisorba officinalis/Poterium officinale)]の根、ジンジャー[ジンジベルオフィシナリス(Zingiber officinalis)]の根茎、及びシナモン[シナモマムカッシア(Cinnamomum cassia)]の樹皮抽出物の混合物、例えば供給元であるソラビア(Solabia)社によりセブストップ(SebustopTM)なる商品名の下に市販されているもの;亜麻仁抽出物、例えば供給元であるルーカスメイヤー(Lucas Meyer)によりリヌミン(LinumineTM)なる商品名の下に市販されているもの;キハダ(Phellodendron)抽出物、例えば供給元であるマルゼンによりキハダ(Phellodendron)抽出物BGなる商品名の下に、又は供給元であるイチマルファルコス(Ichimaru Pharcos)によりオーバク(Oubaku)液Bなる商品名の下に市販されているもの;アルガン(argan)油、セレノアセルラータ(Serenoa serrulata)(ノコギリパルメット)抽出物、及びゴマ抽出物の混合物、例えば供給元であるペンタファーム(Pentapharm)によりレグSEB(Regu SEBTM)なる商品名の下に市販されているもの;アカバナ属植物:テルミナリアチェブラ(Terminalia chebula)の抽出物、キンレンカ及び生体利用性亜鉛[ミクロアルガエ(microalgae)]の混合物、例えば供給元であるグリーンテック(Green tech)によりセボリリス(SeborilysTM)なる商品名の下に市販されているもの;ピジウムアフリアヌム(Pygeum afrianum)の抽出物、例えば供給元であるユーロメド(Euromed)によりピジウムアフリアヌム(Pygeum afrianum)ステロール系脂質抽出物なる商品名の下に市販されているもの;セレノアセルラータ(Serenoa serrulata)の抽出物、例えば供給元であるアクティブズインターナショナル(Actives International)によりビアピュアサバル(Viapure Sabal)なる商品名の下に市販されているもの、又は供給元であるユーロメド(Euromed)により市販されているもの;オオバコ:ベルベリスアキフォリウム(Berberis aquifolium)の抽出物及びサリチル酸ナトリウムの混合物、例えば供給元であるラーン(Rahn)によりセボクリアー(SeboclearTM)なる商品名の下に市販されているもの;クローブ抽出物、例えば供給元であるマルゼンによりクローブ抽出物パウダー(Clove extract Powder)なる商品名の下に市販されているもの;アルガン(argan)油、例えばラボラトワールセロビオロジック(Laboratoires Serobiologiques)によりリポフルクチル(LipofructylTM)なる商品名の下に市販されているもの;乳タンパク質濾過生成物、例えばセデルマ(Sederma)社によりノルマセブ(NormasebTM)なる商品名の下に市販されているもの;アルガラミナリア(alga Laminaria)の抽出物、例えば供給元であるバイオテックマリン(Biotechmarine)によりラミナルガン(LaminarghaneTM)なる商品名の下に市販されているもの;アルガラミナリアディジタータ(alga Laminaria digitata)のオリゴ糖、例えば供給元であるコディフ(Codif)によりフィコサッカライドAC(Phycosaccharide AC)なる商品名の下に市販されているもの;サトウキビの抽出物、例えば供給元であるサビンサ(Sabinsa)によりポリカソノール(PolicasonolTM)なる商品名の下に市販されているもの;スルホネート化片岩(schist)油、例えば供給元であるイクチオール(Ichthyol)によりイクチオールペール(Ichtyol PaleTM)なる商品名の下に市販されているもの;バラ科シモツケ属[例えばスピラエアウルマリア(Spiraea ulmaria)]植物の抽出物、例えば供給元であるリビオール(Libiol)によりサイトビオールウルマリア(CytobiolTM Ulmaire)なる商品名の下に市販されているもの;セバシン酸、特に供給元であるセデルマ(Sederma)によりセボソフト(SebosoftTM) なる商品名の下に、ナトリウムポリアクリレートゲルとして市販されているもの;コンニャクチューバー(konjac tuber)から抽出され、またアルキルスルホネート鎖で変性されたグルコマンナン、例えば供給元であるアーチケミカル(Arch Chemical)によりバイオポールベータ(Biopol Beta)なる商品名の下に市販されているもの;ソフォーラアングスチフォリア(クララ)(Sophora angustifolia)の抽出物、例えば供給元であるバイオランド(Bioland)によりソフォーラパウダ(Sophora powder)又はソフォーラエキストラクト(Sophora extract)なる商品名の下に市販されているもの;キナ[シンコナサクシルブラ(Cinchona succirubra)]樹皮の抽出物、例えば供給元であるアルバンミュラー(Alban Muller)によりレッドバークHS(Red bark HS) なる商品名の下に市販されているもの;キラヤ(Quillaja)の抽出物、例えば供給元であるアルバンミュラーによりパナマウッドHS(Panama wood HS)なる商品名の下に市販されているもの;ウンデシレン酸鎖又はオクタノイル鎖にグラフトされたグリシン、例えば供給元であるセピック(Seppic)によりリパシドUG(Lipacide UG)又はリパシドC8G(Lipacide C8G)なる商品名の下に市販されているもの;オレアノール酸及びノルジヒドログアイアレチン酸混合物、例えば供給元であるセデルマ(Sederma)によりAC.ネット(AC.Net)なる商品名の下に、ゲルとして市販されているもの;フタルイミドパーオキシヘキサン酸;供給元であるサソール(Sasol)によりコスマコールECI(COSMACOLTM ECI)なる商品名の下に市販されている(C12C13)トリアルキルシトレート;供給元であるサソール(Sasol)によりコスマコールECL(COSMACOLTM ECL)なる商品名の下に市販されている(C14-C15)トリアルキルシトレート;10-ヒドロキシデカン酸、及び特に10-ヒドロキシデカン酸、セバシン酸、及び1,10-デカンジオールの混合物、例えば供給元であるビンシエンス(Vincience)によりアクナシドールBG(AcnacidolTM BG)なる商品名の下に市販されているもの;酵母タンパク質水解物、例えば(ビタミンと混合された)コグニス(COGNIS)によるアセビオールLS(ASEBIOL LS)等;及びこれらの混合物から選択することができる。
【0016】
フケ取り性活性薬剤:
該用語「フケ取り性活性薬剤」とは、フケの発生を防止し、その量を減じ、及び/又はフケを完全に消失させることのできる、化合物を意味する。
本発明に適したフケ取り性活性薬剤は、特に以下に列挙するものから選択することができる:
・1-ヒドロキシ-2-ピリドンの誘導体、例えば1-ヒドロキシ-4-メチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-6-メチルピリドン、1-ヒドロキシ-4,6-ジメチル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-シクロヘキシル-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(メチルシクロヘキシル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2-ビシクロ[2,2,1]ヘプチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-メチルフェニル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-[1-[4-ニトロフェノキシ]-ブチル]-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-シアノフェノキシメチル-2-ピリドン)、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(フェニルスルホニルメチル)-2-ピリドン、1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(4-ブロモベンジル)-2-ピリドン及びその塩;ここで、1-ヒドロキシ-2-ピリドンの好ましい誘導体の例としては、オクトピロックス(octopyrox)(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-ピリドンのモノエタノールアミン塩)なる商品名の下にヘキスト(HOECHST)により市販されているものを挙げることができる;
・ピリジンチオン塩、特にカルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、スズ、及びジルコニウム塩。亜鉛ピリジンチオン塩が、特に好ましい。亜鉛ピリジンチオン塩は、特にオリン(OLYN)により亜鉛オマジン(zinc omadine)なる商品名の下に市販されている;
・以下の式で表されるトリハロゲノカルバミド:
【0017】
【化1】

【0018】
ここで、Zはハロゲン原子、例えば塩素、又はC1-C4トリハロゲノアルキル基、例えばCF3基を表す;
・以下の式で表されるトリクロサン:
【0019】
【化2】

【0020】
・アゾール化合物、例えばクリムバゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、エコナゾール、イソコナゾール、及びミコナゾール;
・抗真菌性ポリマー、例えばアンホテリシンB又はナイスタチン;
・硫化セレン、特に式:SxSe8-xで表されるもの(ここで、xは1〜7なる範囲内にある);
・様々な形状にある硫黄、例えば硫化カドミウム、アラントイン、石炭又は木タール、及びこれらの誘導体、特にビャクシン属の常緑針葉樹(セイヨウビャクシン)のタール油、サリチル酸、ウンデシレン酸、フマール酸、アリルアミン、例えばテルビナフィン;
・エラグ酸;及び
・二硫化セレン。
【0021】
ヒトケラチン繊維の生長を促進する化合物及び/又は該繊維の損失を減じる化合物及び/又はその密度の増大を促進する化合物:
これらの追加の化合物は、特に以下に列挙する化合物から選択される:EP 0 648 488に記載されているようなリポキシゲナーゼ阻害剤;特にEP 0 845 700に記載されているようなブラジキニン阻害剤;プロスタグランジン及びその誘導体、特にWO 98/33497、WO 95/11003、JP 97-100091、JP 96-134242に記載されているもの;プロスタグランジン受容体のアゴニスト又はアンタゴニスト;EP 1 175 891及びEP 1 175 890、WO 01/74307、WO 01/74313、WO 01/74314、WO 01/74315、又はWO 01/72268に記載されているような、プロスタグランジンのプロスタン酸類似体;及びこれらの混合物。
本発明の組成物に存在させることのできる、また列挙することのできる、ヒトケラチン繊維の生長を促進する化合物及び/又は該繊維(特に毛髪又は睫毛)の損失を減じる化合物は、以下の通りである:血管拡張薬;抗-アンドロゲン;シクロスポリン及びその類似体;抗菌薬及び抗真菌剤;抗炎症剤;及びレチノイド;これらは、単独で又は混合物として使用される。
【0022】
本発明で使用できる血管拡張薬は、特にミノキシジル及び米国特許第3,382,247号、同第5,756,092号、同第5,772,990号、同第5,760,043号、同第5,466,694号、同第5,438,058号、同第4,973,474号に記載されている化合物を含む、カリウム-チャンネルアゴニスト、クロマカリム、ニコランジル、及びジアキソザイド(diaxozide)であり、これらは単独で又は組合せとして使用される。
特にトコフェリルニコチネート、ベンジルニコチネート、及びC1C6アルキルニコチネート、例えばメチルニコチネート又はヘキシルニコチネートを包含するニコチン酸エステルを、血管拡張薬として使用することができる。
使用可能な抗-アンドロゲンは、特にステロイド系又は非-ステロイド系の5α-レダクターゼ阻害剤、例えばフィナステリド及び米国特許第5,516,779号に記載されている化合物、シプロステロン(cyprosterone)アセテート、アゼライン酸及びその塩及び誘導体、及び米国特許第5,480,913号に記載されている化合物、フルタミド、オキセンドロン、スピロノラクトン、ジエチルスチルベストロール、及び米国特許第5,411,981号、同第5,565,467号、及び同第4,910,226号に記載されている化合物を含む。
前記の抗炎症薬は、ステロイド系の抗炎症薬、例えばグルココルチコイド、コルチコステロイド(例えば、ヒドロコルチゾン);及び非-ステロイド系抗炎症薬、例えばグリシルレチン酸及びα-ビサボロール、ベンジダミン、サリチル酸、及びEP 0 770 399、WO 94/06434、及びFR 2 268 523に記載されている化合物から選択することができる。
レチノイドは、レチノイン酸、イソトレチノイン、アシトレチン、タザロテン(tazarotene)、レチナール、及びアダパレンから選択することができる。
【0023】
ケラチン繊維、例えば毛髪及び睫毛の生長を促進し及び/又はその喪失を制限するための、列挙可能な他の活性化合物は、アミネキシル(aminexil);6-O-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエノイル]ヘキサピラノース;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール;エストラジオール;クロルフェニラミンマレエート;クロロフィリン誘導体;コレステロール;システイン;メチオニン;アルギニン;メントール;ペパーミント油;パントテン酸カルシウム;パンテノール;レゾルシノール;プロテインキナーゼC活性化剤;グリコシダーゼ阻害剤;グリコサミノグリカナーゼ阻害剤;ピログルタミン酸エステル;六糖系又はアシル六糖系の酸;置換アリールエチレン;N-アシルアミノ酸;フラボノイド;アスコマイシン誘導体及び類似体;ヒスタミンアンタゴニスト;サポニン;プロテオグリカナーゼ阻害剤;エストロゲンアゴニスト及びアンタゴニスト;プソイドテリン(pseudoterines);サイトカイン及び成長因子プロモータ;IL-1又はIL-6の阻害剤;IL-10プロモータ;TNF阻害剤;ベンゾフェノン及びヒダントイン;ビタミン類、例えばビタミンD、ビタミンB12類似体、パンテノール、ビタミンB8;トリテルペン、例えばウルソール酸及び米国特許第5,529,769号、同第5,468,888号、同第5,631,282号に記載されている化合物;止痒薬、例えばテナルジン(thenaldine)、トリメプラジン、又はシプロヘプタジン;駆虫薬、特にメトロニダゾール、クロタミトン、又はピレスリノイド(pyrethrinoids);カルシウムアンタゴニスト薬、例えばシンナリジン、ジルチアゼム、ニモジピン、ベラパミル、アルベリン、及びニフェジピン;ホルモン、例えばエストリオール又はその類似体、チロキシン及びその塩、プロゲステロン;FPレセプタ(タイプFプロスタグランジンレセプタ)アンタゴニスト、例えばラタノプロスト、(5E)-7-{(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(3R)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペンチル]シクロペンチル}ヘプト-5-エノイック酸、ビマトプロスト、トラボプロスト、ウノプロストン(unoprostone)、及びブタプロスト;特許出願EP1688128に記載されているような、グルコースによるビタミンFの部分的又は完全なエステル化により得られるO-アシル誘導体;15-ヒドロキシプロスタグランジンデヒドロゲナーゼ阻害剤;及びこれらの混合物である。
【0024】
ケラチン繊維、例えば毛髪及び睫毛の生長を促進し及び/又はその喪失を制限するための、上記式(I)の化合物との組合せで使用でき、また列挙可能なその他の活性化合物は、ピリジンジカルボキシレート誘導体又はその塩、例えば特許出願EP1352629に記載されているものであり、より特定的にはジエチルピリジン-2,4-ジカルボキシレートである。
上記の抗炎症薬以外に、列挙し得る刺激防止/鎮静活性薬剤は、ストロンチウム塩、β-グリシルレチン酸、グリシルリジン酸、アズレン、精油、カミツレ、燕麦、アロエベラ、クマツヅラ科クマツヅラ属植物、シナノキ科植物、及びカンゾウ抽出物である。
本発明は、その非-限定的な態様に関する以下の詳細な説明を読み、また添付図面を検討することにより、より一層よく理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、本発明に従って使用するのに適した、処置装置の一態様を示す図式的かつ部分的な図である。
【図2】図2は、エアブラシの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の処置方法を実施する上で使用するのに適した、処置装置1の一態様を示す。
図示の如く、該処置装置1は、エアブラシ2を備えることができ、該エアブラシは、例えば圧力調節器5及び可撓性ホース15を介して、該エアブラシに公知の方法で接続された空気圧縮機4を含む圧縮ガス源と接続されている。該圧縮ガス源は、同様に有利には圧縮空気を含む交換性の又は再充填性のカプセルであり得る。
該圧縮機4の動作は、可能ならば、足踏み-動作式装置6又は任意の他の制御手段、例えば手動-制御式又は音声-制御式手段により制御することもできる。様々な変法において、該圧縮機の動作は、同様に有利なことに、該エアブラシの移動又はそのスタンドからの取出しを検知することにより、自動的に動作を誘発することも可能である。
該圧縮機4は、好ましくは40デシベル(dB)よりも静かな音を発し、また好ましくは15L/分に等しいか又はそれ以上の流量で空気を供給し、該圧縮機は、場合により、好ましくは熱に対して保護されている給気手段を有し、また好ましくは該接続ホースを該エアブラシに固定するために、クイックカプラーを備えている出口を持つ。
該圧縮機4は、単-ピストン式、複-ピストン式、乾式、又はオイル-バス式圧縮機であり得、また該圧力調節器5は、好ましくは圧力ゲージ18を備えている。
【0027】
公知の方法で、該エアブラシ2は、ハンドル部分を含み、該ハンドル部分は、一例として、該エアブラシが、ペン状の形態を呈する場合には、該エアブラシの本体により画成され、あるいは図2に示すように、該エアブラシがピストル型のものである場合には、ハンドル10によって画成される。
該エアブラシ2は、噴霧すべき該組成物を含む貯槽11を持つことができ、該貯槽は、例えば着脱式のカップ形状にあり、これは可能ならば再充填式であり、また該エアブラシの上部部分に位置していて、該カップ内に収容された該組成物が、重力によって分配チャンネル内に流れ込むことを可能とし、該チャンネル内で、該組成物は媒介ガスと混合された後に噴霧される。
該貯槽11は、ユーザーが使用できる該組成物の量を容易に知ることができるように、目盛りを備えていてもよい。該貯槽11内に収容された該組成物の体積は、例えば1ミリリットル(mL)〜100mLなる範囲内にある。
該エアブラシ2は、組成物の噴霧を誘発するための任意の引金手段、例えば、図2に示すような、該エアブラシを支持しているユーザーの手の指を用いて動作させるのに適した、レバー13等の制御部材の形状にある手段を含むことができる。
【0028】
本発明において使用するのに適したものであり、また列挙することのできるエアブラシの例は、エアブラシA4700と称される、供給元としてのアズテック(Azteck)から入手できるもの、供給元であるイワタ(Iwata)から入手できるカスタムミクロンCM(Kustom micron CM)と称されるエアブラシ、及び供給元であるハーダー&スティーンベック(Harder and Steenbeck)から入手できる、エボリューションインフィニティ2イン1(Evolution infiniti 2 in 1)と称されるエアブラシであり、これらのエアブラシは、ペンのように支持する型のものであり、カップ形状の貯槽を備えている。
イワタから入手できるカスタムエボリューションTR(Kustom Evolution TR)と称されるエアブラシ、又はハーダー&スティーンベックから入手できるコレニ(ColeniTM)と称されるエアブラシも、同様に有利に使用でき、該コレニ(ColeniTM)モデルが、取扱いが容易であることから好ましく、これは、頭皮処置のために特に適しており、これが、図2に示したモデルである。
好ましくは、該エアブラシを該圧縮機、及び特に空気圧調節器5に接続している、該可撓性ホース15は、5メートル(m)に等しいかそれ未満の長さを有し、またその内径は、例えば4mmである。好ましくは、該可撓性ホース15はクイック-カプラ式端板を備えている。
【0029】
該エアブラシ2は、有利には、櫛状の端板20を含むことができ、該端板は、該エアブラシを支持するユーザーが、処置の際に毛髪を邪魔にならない場所に移動させて、頭皮を露出させ、特に毛髪に分け目を生成することを可能とする。一例として、該櫛状端板20は、図2に示したように、該ピストル型のエアブラシの該ハンドル10から伸びている。この端板は、同様に有利に至る所に固定することも可能であり、例えばこれは該エアブラシの後端部、即ち該組成物を射出するためのノズル21とは遠位の端部に位置していてもよく、あるいは図1に図式的に示したように、ハンドルとは別の側に配置することもできる。
該エアブラシ2は、出来れば、該組成物を射出すべき領域を照明するための照明装置23を含むことができる。その例として、該照明装置23は、白色又はある他の色の光を発する、1又はそれ以上の発光ダイオードを含む。適当な場合には、該光源23によって発せられる光ビームの広がり角は、予め決められた作動距離から該組成物を射出した場合に、該組成物と接触する領域と該照明される領域とが、実質的に対応するように選択することができる。
【0030】
該光源23は、同様に適切には、レーザーポインターを含むことができ、該ポインターは、処置すべき領域に光のスポット又は標的を投影することを可能とし、またユーザーが正確な方向に該エアブラシを導くことを可能にする。このことは、該組成物を可能な限り良好に頭皮に導くことを可能とし、毛髪に噴霧することによる該組成物の損失を減じることを可能とする。
適切な場合には、該投影される標的は、該エアブラシが正確な噴霧距離にない場合には、ぼやけたものとなる。
該光源23は、また例えば、毛髪の再生に対して有益な効果を及ぼすように選択された1又はそれ以上の波長にて、特に赤色領域の波長にて発光させることによって、頭皮に対して光-治療の実施を試みることも可能である。
【0031】
該エアブラシ2は、図1に示したように、ユーザーが、複数の追加の貯槽11を利用できるようにすることができ、例えばその各々は、該エアブラシの所定位置にある貯槽内に存在する組成物と同様な組成物を含んでいて、該ユーザーは、十分に満たされている貯槽と空の貯槽とを、迅速に交換することができる。該追加の貯槽は、クイックコネクタを備えており、これは、該貯槽が該エアブラシから取外された際に、自動的に閉じ、また該貯槽が該エアブラシの所定位置に設置された際には、自動的に開く。該貯槽11は、また針等の開放手段によって穿孔される、該エアブラシ上に存在する栓等の閉塞手段を含むことができる。該追加の貯槽は、同様に適切には、異なる処置の実施を目的として、異なる組成物を含むことができ、またユーザーは、該複数の貯槽から、実施すべき処置に対応する組成物を含む貯槽を選択することができる。
噴霧パラメータ、特に上記媒介ガス(好ましくは空気)の流量及び/又は噴霧される組成物の流量については、変更が必要とされる場合あるいは使用中に、該貯槽11を変更した各時点において、該ユーザーが手動で調節することができる。
【0032】
一変法において、該処置装置1は、所定位置にある該貯槽及びそこに含まれている該組成物の関数として、例えば該エアブラシ2等の該処置装置によって、該作動パラメータを自動的に調節するように配置されていて、どの貯槽が使用中であるかを認識する。一例として、異なる組成物を含有する該複数の貯槽は、該処置装置によって認識される識別体を与えることができる。例えば、該異なる貯槽は、電子チップ、光学的コード、又は適当な検出器で検出されるレリーフ状の部分を、例えば該エアブラシ2上に与えられた、プロセッサーと共に含むことができる。該プロセッサーは、少なくとも一つのアクチュエータを制御して、読取られた情報の関数として、動作パラメータの変更を可能とする。
該エアブラシ2の入口における該圧縮空気の圧力は、約0.02〜0.3MPa(0.2〜3bar)なる範囲、例えば約0.06MPa(約0.6bar)であり得る。
好ましくは、該エアブラシ2に設けられた該ノズル21は、噴霧された該組成物の液滴の平均サイズが、10μm〜35μmなる範囲、例えば約23μm(該ノズルの出口から15cmの距離において測定されたサイズ)にある値となるように選択される。
【0033】
該ノズル径の選択は、該噴霧液の粒径及びその広がりに影響を及ぼすことを可能とする。一例として、径0.2mmのノズルを、特にコラニ(Colani)と称されるエアブラシについて使用することができ、これにより正確であり、またユーザーが知覚できるジェットの生成が可能となる。0.2mmというノズル径は、該エアブラシの入口における約0.08MPa(0.8bar)なる圧力と共に使用した場合に、最も適しており、結果として約3.5g/分なる組成物の流量が得られる。上記カスタムミクロンCMと称されるエアブラシについては、該ノズル径は0.5mmであり、また該入口圧は約0.04MPa(0.4bar)であり、その際の組成物の流量は約6g/分である。好ましくは、確実に、10μm未満の粒径を持つ粒子の含有率を20%未満とし、かつ5μm未満の粒径を持つ粒子の含有率を5%未満とするように注意を払うべきである。
上記処置装置1は、他の様々な用途の中でも特に、フケ取り性、脱毛防止性、毛髪再生性、刺激性、脂漏防止性、又は抗炎症性を持つ処置組成物を頭皮に噴霧するために、乾燥した又は湿った頭皮に対して使用できる。
【0034】
本発明の実施に際して、該組成物は、従来の処置の適用との組合せで、該エアブラシを用いて噴霧され、該従来の処置とは、例えば該エアブラシによる処置に先立つシャンプー洗浄、コンディショニング処置、又はヘアケアマスクの適用等を含む。これらすべての従来の処置に引続いて、頭皮-処置組成物、特にフケ取り性、脱毛防止性、毛髪再生性、脂漏防止性、又は抗炎症性組成物を、該乾燥した又は湿った頭皮に噴霧することができる。
本発明の他の実施態様においては、ギト付き防止性を持つ刺激性オイル及び洗浄フォームを、毛髪及び頭皮に適用し、また次いで該頭皮を、該エアブラシによって噴霧される脱毛防止組成物で処置することができ、ここで該脱毛防止組成物は、前に適用された該組成物の特性の関数として選択される。
該エアブラシは、またパーマネントウエーブ処理、緩和処置、漂白、色抜き処置、又は着色処置後に使用することができる。
一例として、パーマネントウエーブ処理、緩和処置、漂白、又は色抜き処置を行う前に、該エアブラシにより、頭皮を保護する組成物、特に刺激防止/鎮静性組成物及び/又は隠蔽剤を適用することができる。
【0035】
該エアブラシにより噴霧するのに適した、組成物処方の幾つかの例を以下に与える。指定された割合は質量基準である。
該エアブラシを使用するが、そのオペレータは、一方の手で該エアブラシを支持し、かつ他方の手で櫛を用いて、処置すべき位置における頭皮を清浄化することができる。
該エアブラシによる該組成物の適用は、該組成物を噴霧する前、又はその後に、マッサージを伴うことができる。一例として、該マッサージは、指であるいは頭皮と接触するマッサージデバイス、例えばバイブレータデバイスを用いて行うことができる。
実施に際して、組成物を、該エアブラシを用いて、あるいはこれを用いずに適用し、次いで該エアブラシによって、該処置領域に高温空気を吹付けて、例えば該組成物中に含まれる脱毛防止性活性薬剤等の活性薬剤を活性化することができる。昇温は、局部的な血液循環を促進し、また該活性薬剤の作用を増強し得る。従って、該エアブラシ出口部における高温空気は、30℃〜60℃なる範囲とすることができる。
好ましくは該エアブラシを使用しつつ、どの様に該組成物を適用しようとも、該ノズル出口は、1cm〜10cmなる範囲、例えば1cm〜5cmなる範囲内の、頭皮からの距離に維持される。
【実施例】
【0036】
単独処置方法
【表1】

【0037】
従来の処置と組み合わせた処置方法
【表2】

【0038】
【表3】

【0039】
【表4】

【0040】
毛髪再生処方物A:
【表5】

【0041】
脱毛防止処方物B及びC:
【表6】

【0042】
脱毛防止処方物C'(処方物B又はCの代わりに使用可能)
【表7】

【0043】
フケ取り処方物D〜I:
【表8】

【0044】
脂漏防止処方物H及びI:
【表9】

【0045】
方法6を実施するための、脱毛防止処方物Cを用いた処置法
【表10】

【0046】
フォーム処方物K
【表11】

【0047】
刺激性オイルJ
【表12】

【0048】
比較例
上記先行実施例の工程6から開始して、乳頭状物を備えたフラスコから、脱毛防止処方物を、直接頭皮に注いだ。
【0049】
【表13】

【0050】
当然のことながら、本発明は、上記実施例に限定されない。
該エアブラシが媒介ガス、特に空気のみを放出する場合、特に、前に適用された組成物を乾燥し、あるいはその作用を促進するために、上記の処置装置を使用することが可能である。
単一の圧縮機を、複数のエアブラシと共に使用することができ、例えば該圧縮機は、ノイズによる迷惑を減じるために、該処置を行う室の外に配置される。
該エアブラシに担持される貯槽は、ダクトを介して該エアブラシに接続された貯槽で置換えることができ、該組成物は、該エアブラシを流動する該媒介ガスによるベンチュリ効果により発生する吸引力によって、該エアブラシ内に吸引される。ポンプも、同様に該エアブラシに噴霧用の組成物をもたらす上で、使用するのに適したものであり得る。
【0051】
好ましくは、該噴霧液は円形で放出されるが、様々なノズルを用いて、平坦形又はある種の他の形状を持つ噴霧体を得ることも可能である。
該圧縮機は、圧縮空気の供給手段、例えばシリンダ内の圧縮空気等で置換えることができる。
エアブラシ以外の噴霧デバイス、例えば以下のようなデバイスを使用することも可能である。即ち、該デバイスは、内部に組込まれた圧縮ガス源を有し、また使用中、該ガス源を操作、調節する。一例として、該デバイスは、公開特許EP 1,355,613 B1又はEP 1,470,867 A2に記載されているようなものであり得る。
上記の表現「含む(comprising a)」とは、そうでないとの特別な記載がない限り、「少なくとも一つを含む(comprising at least one)」なる表現と同義である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト頭皮を処置するための、化粧学的処置方法であって、圧縮ガスにより動作する噴霧デバイスによって、化粧料組成物及び/又はガスを該頭皮に適用することを特徴とする、前記化粧学的処置方法。
【請求項2】
前記圧縮ガスが、圧縮空気である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮ガスが、圧縮機により生成され、あるいは交換可能な又は再充填可能なカプセルから分配され、該圧縮機又は該カプセルが、前記噴霧デバイスと接続されている、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記デバイスが、エアブラシ(2)である、請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記適用を、前記エアブラシ(2)と前記頭皮とを接触させることなしに行う、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記組成物の噴霧された粒子の平均粒径が、10μm〜35μmなる範囲にある、請求項1〜5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
空気が、前記噴霧デバイス、特に前記エアブラシを出る前に加熱される、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記組成物を、10g/分未満の流量で噴霧する、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物が、フォーム以外のものである、請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記化粧料組成物が、特に前記頭皮用の、フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止又は鎮静、隠蔽、刺激及び保護組成物から選択される前記頭皮を処置するための組成物を含み、該組成物が化粧料又は皮膚用剤であってもよい、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
ヒト頭皮を処置するための処置装置であって、
・フケ取り、脱毛防止、毛髪再生、脂漏防止、抗炎症、刺激防止/鎮静、及び隠蔽組成物から選択される、前記頭皮を処置するための組成物、及び
・前記組成物を含有する貯槽(11)を含むエアブラシ(2)
を含むことを特徴とする、前記処置装置。
【請求項12】
前記エアブラシが、0.1mm〜1mmなる範囲、より好ましくは0.2mm〜0.7mmなる範囲の径を持つ、出口ノズル(21)を含む、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記空気の圧力が、約0.02〜約0.3MPa(0.2〜3bar)なる範囲内にある、請求項11又は12記載の装置。
【請求項14】
前記エアブラシが、櫛状端板(20)及び/又は前記頭皮を照明するための光源(23)を含む、請求項11〜13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記空気が、前記エアブラシを離れる前に、加熱又は冷却される、請求項11〜14の何れか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−67621(P2011−67621A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−194865(P2010−194865)
【出願日】平成22年8月13日(2010.8.13)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】