説明

頭皮ケア装置

【課題】無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる頭皮ケア装置を提供する。
【解決手段】頭皮ケア装置1は、突起基部材21から突起22が突出した施術子11を駆動源12の駆動力にて駆動させ、突起22を頭皮に接触させて頭皮をケアする。突起22に設けた挿入部22aと突起基部材21に設けた被挿入部21aとで突起22が突起基部材21に対して着脱可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、頭皮の活性化や育毛を図るための頭皮ケア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮ケア装置としては、突起基部材(基部)から複数の突起が突出した施術子(ブラシ部)を駆動源の駆動力にて駆動(振動)させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするものがある(例えば、特許文献1参照)。この頭皮ケア装置では、施術子(突起基部材と複数の突起)が可撓性を有する合成樹脂等によって一体形成されている。そして、この施術子は、駆動源が収容保持される本体から着脱可能に設けられ、汚れや破損や劣化(消耗)した場合に、使用者が容易に交換可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4235160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような頭皮ケア装置では、例えば、突起が1つ破損した場合でも、突起基部材を含む施術子(ブラシ部)全体を交換する必要があった。これは、多くの無駄を発生させることになり、ひいてはランニングコストを増大させる原因となる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる頭皮ケア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、突起基部材から突起が突出した施術子を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、前記突起に設けた突起側着脱部と前記突起基部材に設けた基部材側着脱部とで前記突起が前記突起基部材に対して着脱可能に設けられたこと要旨とする。
【0007】
同構成によれば、突起に設けた突起側着脱部と突起基部材に設けた基部材側着脱部とで突起が突起基部材に対して着脱可能に設けられるため、例えば、突起が汚れたり破損したり劣化(消耗)した場合に、突起のみを使用者が容易に交換することができる。よって、従来(全ての突起と突起基部材を含む施術子を交換する)のように多くの無駄を発生させることがなく、即ち無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の頭皮ケア装置において、前記突起側着脱部は、前記突起から膨出した挿入部であり、前記基部材側着脱部は、前記挿入部が着脱可能に挿入される被挿入部であることを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記突起側着脱部は突起から膨出した挿入部であり、前記基部材側着脱部は挿入部が着脱可能に挿入される被挿入部であるため、突起の突起基部材から突出する部分を小さくすることが可能となる。即ち、逆に、基部材側着脱部を挿入部とし、突起側着脱部を被挿入部とすると、突起の突起基部材から突出する部分の内部に被挿入部の空間を設ける必要があることにより、突起の突起基部材から突出する部分を小さくすることができなくなるが、これを回避して、突起の突起基部材から突出する部分を小さくすることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記挿入部には、前記被挿入部に挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部が形成されたことを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、前記挿入部には、前記被挿入部に挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部が形成されるため、簡単な構成で突起を突起基部材に対して着脱可能とすることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の頭皮ケア装置において、前記挿入部には雄ねじが形成され、前記被挿入部には前記挿入部の雄ねじが螺合可能な雌ねじが形成されたことを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、前記挿入部には雄ねじが形成され、前記被挿入部には前記挿入部の雄ねじが螺合可能な雌ねじが形成されるため、簡単な構成で突起を突起基部材に対して着脱可能とすることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記基部材側着脱部は、前記突起より数が多く設けられたことを要旨とする。
同構成によれば、前記基部材側着脱部は、前記突起より数が多く設けられるため、例えば、突起の取り付け位置を変更することで、使用者の好みの頭皮のケアが可能となる。
【0015】
請求項6に記載の発明では、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、前記基部材側着脱部は、複数種類の前記突起が着脱可能に形成されたことを要旨とする。
【0016】
同構成によれば、前記基部材側着脱部は、複数種類の前記突起が着脱可能に形成されるため、例えば、突起の種類を変更することで、使用者の好みの頭皮のケアが可能となる。
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の頭皮ケア装置において、複数種類の前記突起を備えたことを要旨とする。
【0017】
同構成によれば、複数種類の突起を備えるため、複数種類の突起によって同時に異なる刺激を頭皮に与えることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる頭皮ケア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(a)本実施形態における頭皮ケア装置の模式斜視図。(b)本実施形態における頭皮ケア装置の模式分解斜視図。
【図2】本実施の形態における頭皮ケア装置の部分拡大断面図。
【図3】別例における頭皮ケア装置の部分拡大断面図。
【図4】(a)別例における頭皮ケア装置の模式斜視図。(b)別例における頭皮ケア装置の模式分解斜視図。
【図5】(a)〜(e)他の種類の突起を説明するための説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図1及び図2に従って説明する。
図1(a),(b)に示すように、頭皮ケア装置1は、施術子11と、施術子11に連結される駆動源12とを備える。駆動源12は、例えば、図示しないハウジング内に収容保持され、ハウジングに設けられた図示しないスイッチの操作に基づいて駆動するものであって、本実施の形態では、回転駆動モータとされている。そして、駆動源12(回転駆動モータ)が駆動されると、施術子11が回転駆動されるように駆動源12と施術子11とが駆動連結されている。
【0021】
施術子11は、樹脂材よりなる略円盤状の突起基部材21と、突起基部材21の上面(駆動源12が連結される側の反対側の面)から突出する複数の突起22とを備える。尚、本実施の形態では、突起22の数は4つであって、突起22は突起基部材21の同一半径上に等角度(90°)間隔で配置されている。
【0022】
そして、各突起22は、図1(b)に示すように、自身に設けられた突起側着脱部としての挿入部22aと突起基部材21に(各突起22と対応して4つ)設けられた基部材側着脱部としての被挿入部21aとで突起基部材21に対して着脱可能に設けられている。
【0023】
詳しくは、本実施の形態の突起22は、図1及び図2に示すように、エラストマー等の弾性体よりなる一体成形品であって、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円錐形状であってその先端(上端)に球面状の凹部22bを有するとともに、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。そして、この挿入部22aには、図2に示すように、被挿入部21aに挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部22cが形成されている。具体的には、挿入部22aの下端側(先端側)には、下方(先端方向)に向かうほど径が小さくなる先細形状部22dが形成され、これにより下端の被挿入部21aへの挿入が容易とされ、逆に先細形状部22dの上部が上方に向かうほど径が大きくなる返し部22cとされている。尚、本実施の形態の被挿入部21aは、前記返し部22cが引っ掛かるように底側が開口部21bより大径の大径凹部21cとされている。
【0024】
このように構成された頭皮ケア装置1では、図示しないスイッチが使用者によってオン操作されると、駆動源12(回転駆動モータ)が駆動され、それにより施術子11が回転駆動される。そして、施術子11の先端(突起22)を頭皮に接触させると、突起22の先端が球面状の凹部22bであること等から頭皮に密着して、施術子11の先端(突起22)の動きに合わせて使用者の頭皮が動かされることになり、頭皮がケア(マッサージ)されることになる。又、例えば、突起22が汚れたり破損したり劣化(消耗)した場合には、使用者が突起22を(返し部22cを変形させる程度の力で)引き抜くことで取り外すことができ、新たな突起22の挿入部22aを被挿入部21aに(返し部22cを変形させる程度の力で)ねじ込むことで取り付ける(交換する)ことができる。
【0025】
次に、上記実施の形態の特徴的な作用効果を以下に記載する。
(1)突起22に設けた突起側着脱部(挿入部22a)と突起基部材21に設けた基部材側着脱部(被挿入部21a)とで突起22が突起基部材21に対して着脱可能に設けられる。よって、例えば、突起22が汚れたり破損したり劣化(消耗)した場合に、突起22のみを使用者が容易に交換することができる。よって、従来(全ての突起と突起基部材を含む施術子を交換する)のように多くの無駄を発生させることがなく、即ち無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる。
【0026】
(2)突起側着脱部を突起22から膨出した挿入部22aとし、基部材側着脱部を挿入部22aが着脱可能に挿入される被挿入部21aとしたため、突起22の突起基部材21から突出する部分を小さくすることが可能となる。即ち、逆に、基部材側着脱部を挿入部とし、突起側着脱部を被挿入部とすると、突起の突起基部材から突出する部分の内部に被挿入部の空間を設ける必要があることにより、突起の突起基部材から突出する部分を小さくすることができなくなるが、これを回避して、突起22の突起基部材21から突出する部分を小さくすることが可能となる。
【0027】
(3)挿入部22aには、被挿入部21aに挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部22cが形成されるため、簡単な構成で突起22を突起基部材21に対して着脱可能とすることができる。
【0028】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、突起22に挿入部22a(突起側着脱部)を設け、突起基部材21に被挿入部21a(基部材側着脱部)を設け、挿入部22aには、被挿入部21aに挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部22cが形成されるとしたが、他の構成で着脱可能としてもよい。尚、着脱可能とは、使用者が工具を使わずに取り付け及び取り外しが可能であることを言う。
【0029】
例えば、図3に示すように、突起31に挿入部31a(突起側着脱部)を設け、突起基部材32に被挿入部32a(基部材側着脱部)を設け、挿入部31aに雄ねじ31bを形成し、被挿入部32aに挿入部31aの雄ねじ31bが螺合可能な雌ねじ32bを形成することで、着脱可能としてもよい。このようにしても、使用者が突起31を回転させる(螺合を解除する)ことで取り外すことができ、新たな突起22の雄ねじ31bを被挿入部32aの雌ねじ32bに螺合させることで取り付ける(交換する)ことができる。
【0030】
又、例えば、弾性体よりなる突起に、突起基部材に形成された被挿入部の内径より若干外径の大きい挿入部を設けて着脱可能としてもよい。即ち、この例では、突起の挿入部を被挿入部に(外径が小さくなる程度の力で)ねじ込むことで取り付け可能とし、突起を(摩擦に抗して)引き抜くことで取り外し可能とする。このようにしても、無駄を少なくしながら消耗品を容易に交換することができる。
【0031】
又、例えば、上記した構成とは逆に、突起基部材の基部材側着脱部を挿入部とし、突起の突起側着脱部を被挿入部としてもよい。
・上記実施の形態では、被挿入部21a(基部材側着脱部)が突起22と同数設けられた構成としたが、これに限定されず、例えば、図4(a),(b)に示すように、基部材側着脱部としての被挿入部21aの数を、突起22の数より多く設けてもよい。詳しくは、この例(図4(a),(b))における突起基部材41は、突起22の数が4つであるのに対し、被挿入部21aを8つ有している。又、この例では、8つの被挿入部21aの内の4つが、突起基部材41の同一半径上に等角度(90°)間隔に形成され、更に他の4つが、その外側において同一半径(内側より大きな半径)上に等角度(90°)間隔に形成されている。このようにすると、突起22の取り付け位置を(例えば、全部外側や、全部内側や、外側と内側の両方等に)変更することで、使用者の好みの(又は頭の形状等に適した)頭皮のケアが可能となる。尚、勿論、基部材側着脱部(被挿入部21a)の数は他の数に変更してもよいし、それらの位置は他の位置に変更してもよい。
【0032】
・上記実施の形態では、4つの突起22が全て同じ種類のもの(球面状の凹部22bを有するもの)としたが、被挿入部21a(基部材側着脱部)は、複数種類の突起が着脱可能に形成されている。そして、他の種類の突起としては、例えば、図5(a)〜(e)に示すものがある。即ち、図5(a)に示す突起61は、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円錐形状であってその先端(上端)に球面状の凸部61aを有するとともに、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。又、図5(b)に示す突起62は、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円錐形状であってその先端(上端)が平らな平面62aとされ、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。又、図5(c)に示す突起63は、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円錐形状であってその先端(上端)に十文字(プラス)形状の凸部63aを有するとともに、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。又、図5(d)に示す突起64は、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円柱形状であってその先端(上端)に球面状の凹部64aを有するとともに、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。又、図5(e)に示す突起65は、突起基部材21から突出する(本体)部分が略円錐形状であってその先端(上端)に更に複数(3つ)の小突起部65aを有するとともに、その基端(下端)側に膨出した挿入部22aを有する。そして、例えば、これら他の種類の突起61〜65を頭皮ケア装置1の付属品として同封したり、別売とすることで、使用者がこれらに変更してもよく、このようにすると使用者の好みの(又は頭の形状等に適した)頭皮のケアが可能となる。又、複数種類の突起22,61〜65を単一の突起基部材21(41)に同時に取り付けて備えた頭皮ケア装置1としてもよい。
【0033】
・上記実施の形態及び別例では、各突起を弾性体よりなる一体成形品であるとしたが、これに限定されず、剛性を有する樹脂等、他の材質のものに変更してもよい。尚、剛性を有する樹脂等に変更した場合、変形量が小さくなるため、前記返し部22cを例えば、上記別例の雄ねじ31bに変更するとともに被挿入部には雌ねじ32bを形成する等、突起側着脱部及び基部材側着脱部を他の構成に変更することが望ましい。
【0034】
・上記実施の形態では、駆動源12は回転駆動モータであって、施術子11を回転駆動させる頭皮ケア装置1としたが、これに限定されず、施術子を駆動源の駆動力にて駆動させるものであればよく、例えば、駆動源の駆動力によって施術子を振動させる頭皮ケア装置に具体化してもよい。
【符号の説明】
【0035】
11…施術子、12…駆動源、21,32,41…突起基部材、21a,32a…被挿入部(基部材側着脱部)、22,31,61〜65…突起、22a,31a…挿入部(突起側着脱部)、22c…返し部、31b…雄ねじ、32b…雌ねじ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起基部材から突起が突出した施術子を駆動源の駆動力にて駆動させ、前記突起を頭皮に接触させて頭皮をケアするための頭皮ケア装置であって、
前記突起に設けた突起側着脱部と前記突起基部材に設けた基部材側着脱部とで前記突起が前記突起基部材に対して着脱可能に設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項2】
請求項1に記載の頭皮ケア装置において、
前記突起側着脱部は、前記突起から膨出した挿入部であり、
前記基部材側着脱部は、前記挿入部が着脱可能に挿入される被挿入部であることを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項3】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記挿入部には、前記被挿入部に挿入した状態で反挿入方向に引っ掛かる返し部が形成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項4】
請求項2に記載の頭皮ケア装置において、
前記挿入部には雄ねじが形成され、前記被挿入部には前記挿入部の雄ねじが螺合可能な雌ねじが形成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記基部材側着脱部は、前記突起より数が多く設けられたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の頭皮ケア装置において、
前記基部材側着脱部は、複数種類の前記突起が着脱可能に形成されたことを特徴とする頭皮ケア装置。
【請求項7】
請求項6に記載の頭皮ケア装置において、
複数種類の前記突起を備えたことを特徴とする頭皮ケア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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