説明

頭皮脱毛治療剤

【課題】新規かつ有用な頭皮脱毛治療剤を提供する。
【解決手段】6,8−ジメルカプトオクタン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ヒスチジンナトリウム・亜鉛キレート化合物などのリポ酸またはリポ酸誘導体、およびそれらの薬理学的に許容できる塩を含有する頭皮脱毛治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リポ酸またはリポ酸誘導体を含有してなる新規かつ有用な頭皮脱毛治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
リポ酸(α−リポ酸)はミトコンドリア中に存在する補酵素であり、その還元体は酸化型のグルタチオンやビタミンCを還元型に再生させる作用がある。しかし、空気中では非常に不安定で酸化されてリポ酸に戻る。
【0003】
本発明者はリポ酸またはリポ酸誘導体の還元体に金属でキレート化させて安定化させた化合物、すなわち、6,8−ジメルカプトオクタン酸金属キレート化合物またはその誘導体に抗酸化作用、フリーラジカル抑制作用、並びにメラニン産生抑制作用など、更にしみ、そばかす、黒子など治療除去作用を発明し特許出願中である。
【0004】
本発明者は研究を重ねた結果、リポ酸またはリポ酸誘導体およびそれらの薬理学的に許容できる塩に頭皮の脱毛を阻害する効果を見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、頭皮の脱毛は男性ホルモン(テストステロン)が毛乳頭や皮脂腺に存在する5α−リダクターゼという酵素の還元作用で5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に変化し、この5α−DHTが毛母細胞の細胞分裂を抑制するというメカニズムが知られている。また、頭皮は皮脂分泌の過剰が脱毛を促進している学説つまり、頭皮上の皮脂は空気や光で酸化され、過酸化脂質や脂肪酸並びに細菌汚染も絡み、頭皮や毛根が炎症を起こし、この炎症で毛母が細胞分裂できなくなる脂漏性脱毛症が考えられ、両理論が同時に起きる可能性も充分考えられ相乗作用によって脱毛の進行を早めていると考えられている。
【0006】
【特許文献1】 発明の名称「新規α−リポ酸誘導体およびその用途」、国際出願番号 PCT/JP02/02577
【0007】
上記文献には、新規、N−(6,8−ジメルカプトオクノイル)アミノ酸金属キレート化合物に抗酸化作用、フリーラジカル抑制作用、メラニン産生抑制作用、エラスターゼ抑制作用が記載されている。
【0008】
【特許文献2】 発明の名称「メラニン消去剤」、国際出願番号 PCT/JP03/11676
【0009】
上記文献には、6,8−ジメルカプトオクタン酸金属キレート化合物またはその誘導体にしみ、そばかす、黒子などのメラニン消去作用が記載されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、リポ酸またはリポ酸誘導体およびそれらの薬理学的に許容できる塩を含有してなる頭皮脱毛治療剤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、次の式(1)(式中、RはOH基、O−アルキル基あるいはN−結合のアミン類、アミノ酸またはペプタイドを示し、Mは金属を示す)で表わされるリポ酸またはリポ酸誘導体、およびそれらの薬理学的に許容できる塩を含有する頭皮脱毛治療剤。
【0012】
【化2】

【0013】
(2)リポ酸またはリポ酸誘導体がその低級アルキルエステルまたはその金属キレートからなる群から選ばれるものである、上記(1)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0014】
(3)リポ酸誘導体がN−リポイルアミン類またはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(1)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0015】
(4)リポ酸誘導体がN−リポイルアミノ酸またはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(1)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0016】
(5)リポ酸誘導体がN−リポイルジペプタイドまたはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(1)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0017】
(6)リポイルアミン類がリポ酸アミド、N−リポイル−2−アミノエタノール、N−リポイルイソプロピルアミン、N−リポイルメラトニンまたはN−リポイル−2−アミノピリジンからなる群から選ばれるものである、上記(3)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0018】
(7)N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミン類金属キレート化合物が6,8−ジメルカプトオクタン酸アミド金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタノール金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)イソプロピルアミン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メラトニン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノピリジン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(3)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0019】
(8)リポイルアミノ酸がα−アミノ酸、ω−アミノ酸、特殊アミノ酸からなる群から選ばれるものである、上記(4)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0020】
(9)N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミノ酸金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−α−アミノ酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−ω−アミノ酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)特殊アミノ酸金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(4)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0021】
(10)リポイル−α−アミノ酸がN−リポイルグリシン、N−リポイルアラニン、N−リポイルスレオニン、N−リポイルセリン、N−リポイルアスパラギン酸、N−リポイルグルタミン酸、N−リポイルフェニルアラニン、N−リポイルメチオニン、N−リポイルノルロイシン、N−リポイルロイシン、N−リポイルシステイン、N−リポイルプロリン、N−リポイルハイドロキシプロリン、N−リポイルヒスチジン、N−リポイルハイドロキシトリプトファン、N−リポイルペニシラミンおよびN−リポイルリジンからなる群から選ばれるものである、上記(8)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0022】
(11)N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−α−アミノ酸金属キレートがN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グリシン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アラニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スレオニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)セリン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラギン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グルタミン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)フェニルアラニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メチオニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ノルロイシン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)システイン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ハイドロキシプロリン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ヒスチジン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−5−ハイドロキシトリプトファン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ペニシラミン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)リジン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(9)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0023】
(12)ω−アミノ酸および特殊アミノ酸がN−リポイル−3−アミノプロピオン酸、N−リポイル−4−アミノ酪酸、N−リポイル−6−アミノヘキサン酸、N−リポイル−4−トランスアミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、N−リポイル−2−アミノエタンスルホン酸、N−リポイルスルファニル酸およびN−リポイルアントラニル酸からなる群から選ばれるものである、上記(8)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0024】
(13)N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−ω−アミノ酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)特殊アミノ酸金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−3−アミノプロピオン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−アミノ酪酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−6−アミノヘキサン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−トランスアミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタンスルホン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スルファニル酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アントラニル酸金属キレートからなる群から選ばれるものである、上記(9)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0025】
(14)ジペプタイドがN−リポイルアスパラチイルグリシンおよびN−リポイルスレオニルグリシンからなる群から選ばれるものである、上記(5)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0026】
(15)N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ジペプタイド金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラチイルグリシン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スレオニルグリシン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、上記(5)記載の頭皮脱毛治療剤。
【0027】
(16)金属が亜鉛である上記(1)〜(15)記載のいずれかに記載の頭皮脱毛治療剤。
【0028】
(17)皮膚外用剤である上記(1)〜(16)のいずれかに記載の頭皮脱毛治療剤。
【0029】
(18)化粧料である上記(17)記載の頭皮脱毛治療剤に関する。
【0030】
頭皮の脱毛は男性ホルモン(テストステロン)が毛乳頭や皮脂腺に存在する5α−リダクターゼという酵素の還元作用で5α−ジヒドロテストステロン(5α−DHT)に変化し、この5α−DHTが毛母細胞の細胞分裂を抑制するというメカニズムから頭皮の脱毛につながると云われている。また、頭皮は皮脂分泌の過剰が脱毛を促進している学説もあり、頭皮の皮脂は空気中の酸素や光酸化を受けて、過酸化脂質や脂肪酸並びに細菌汚染も絡み、頭皮や毛根が炎症を起こし、毛母細胞が細胞分裂できなくなる脂漏性脱毛症も考えられている。
【0031】
先ず、発毛を促進させるためには脱毛の流れを食い止めることが発毛に繋がると考えられる。
【0032】
そこで、本発明者らは研究を進めた結果、頭皮の脱毛を防止する効果を突き止めた。
【0033】
すなわち、本発明はリポ酸またはリポ酸誘導体に頭髪の脱毛を防止するテストステロン5α−リダクターゼを阻害することも含めて、本発明を完成するに至った。
【0034】
近年、発毛促進剤として、降圧剤のミノキジルが知られているが、低血圧の人には要注意の欠点がある。
【0035】
しかし、本発明は簡単で顕著である。すなわちリポ酸またはリポ酸誘導体、例えば整髪料に混ぜて塗布すればよい。治癒効果を観察すると、今まで洗髪などで脱毛していた頭皮の脱毛が本化合物、約0.3%水溶液を1ヶ月間ほど塗布することにより、脱毛が止まり、極端的に云えば、塗布した付近の頭髪を軽く引っ張っても脱毛が見られなく毛根が長くしっかりし、治癒効果が見られた。
【0036】
本化合物の効果、例えば、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−L−ヒスチジンナトリウム・亜鉛キレートまたは6,8−ジメルカプトオクタン酸モノエタノールアミン・亜鉛キレート化合物0.3(w/v)%含有のトニックで、1日、1〜2回の塗布で、1ヶ月間塗布すれば脱毛は極端に少なくなり満足すべき効果が得られ、頭髪も白髪に変わるような現象は見られなかった。
【0037】
このようなことから、本化合物は頭皮脱毛治癒効果があることがわかった。
【0038】
本発明の頭皮脱毛治療剤に含有されるリポ酸の他、リポ酸誘導体の合成法を次に掲げる。
【0039】
【化3】

【0040】
(式中、Rは前記と同義である。)
【0041】
本発明者らはリポ酸誘導体として、リポ酸またはリポ酸アミドを各々、亜鉛と酢酸(または塩酸)で還元して、6,8−ジメルカプトオクタン酸亜鉛キレートおよび6,8−ジメルカプトオクタン酸アミド亜鉛キレート化合物を合成した。また、6,8−ジメルカプトオクタン酸エチルエステル亜鉛キレートは、リポ酸エチルエステルを同様に還元して得た。さらに、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミン類亜鉛キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミノ酸亜鉛キレートまたはN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ペプタイド亜鉛キレートは、まず、リポ酸をクロロホルムまたはアセトニトリルに溶かし、トリエチルアミン存在下、クロル炭酸エチルを用いて混合酸無水物法によりアミン類、アミノ酸またはペプタイドを各々、カップリングさせ、N−リポイルアミン類、N−リポイルアミノ酸またはN−リポイルペプタイドを得た。また、これらを亜鉛と酢酸(または塩酸)で還元して、各々の亜鉛キレート化合物を得、さらにアルカリ塩に導く場合は、その遊離酸を水に溶解または懸濁して置き、水酸化アルカリで中和して溶かした後、濃縮し、アルコールを加えて析出する結晶を濾取すれば高収率で各々の亜鉛キレート化合物のアルカリ塩を得ることが出来る。
【0042】
本願の金属キレート化合物の金属としては、亜鉛、コバルト、鉄、ゲルマニウムが掲げられるが、このうち、亜鉛が好ましい。
【0043】
本化合物の薬理学的に許容できる塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩およびカルシウム塩やマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩が挙げられるが、これら以外の塩であっても薬理学的に許容できる塩であればいずれのものであっても本発明の目的のため適宜に用いることが出来る。
【0044】
リポ酸またはリポ酸誘導体の還元体、すなわち、6,8−ジメルカプトオクタン酸またはその誘導体は空気中で非常に不安定であるが、金属、例えば亜鉛でこれをキレート化させると六員環となり結晶性の良い安定な化合物となる。更に、還元作用並びにラジカル抑制作用も強く、また安全性面に問題ない優れた化合物である。
【0045】
本化合物、例えば、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−L−ヒスチジンナトリウム亜鉛キレート化合物の動物による安全性試験では、経口急性毒性2g/kg以上、および10%水溶液の皮膚投与などによる医薬部外品申請用項目について実施した結果、全く問題なかった。
【0046】
本化合物の使用用途は整髪剤、洗髪剤にも適用される。
【0047】
本化合物の使用濃度は例えば、水性トニック、水性スプレーの場合、通常0.001〜5(w/v)%で、好ましくは0.01〜1.0(w/v)%であり、頭髪用ゲル化剤の場合は通常0.001〜5(w/w)%で、好ましくは0.01〜1.0(w/w)%であり、また、シャンプ−、リンスなど、好ましくは0.001〜0.5(w/v)%である。
【0048】
また、通常、養毛剤、育毛剤、発毛剤に用いられる成分、並びに賦形剤、顔料、香料、紫外線吸収剤、ゲル化剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定化剤、防腐剤など適宜配合してもよい。
【0049】
本発明の頭皮脱毛治療剤には、目的と必要に応じて、本化合物の1種または2種以上を適宜組み合わせて含有させることも出来る。
【実施例】
【0050】
次に、参考例、試験例および実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明の範囲に限定されない。
【0051】
参考例1 6,8−ジメルカプトオクタン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0052】
DL−α−リポ酸6.2gをメタノール70mLに溶かし、亜鉛末3.0gおよび1N−塩酸40mLを加えて50℃、1時間攪拌する。つぎに、末反応の亜鉛を濾別し、濾液を減圧下で濃縮させ、これに水を加えて析出した白色結晶を濾取する。これを水150mLに懸濁して置き、2N−水酸化ナトリウムで約pH9として溶かし、不溶物を濾別し、濾液を濃縮させ、これにエタノールを加えて析出する白色結晶を濾取し、水/エタノールから再結晶させると、mp.300℃以上、6.0gを得た。TLC,Rf=0.88(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。また、水酸化ナトリウムの代わりに、モノエタノールアミンを用いて、6,8−ジメルカプトオクタン酸・亜鉛キレート.モノエタノールアミン塩mp.137〜139℃、8.5gを得た。
【0053】
参考例2 6,8−ジメルカプトオクタン酸エチル・亜鉛キレート化合物
【0054】
DL−α−リポ酸エチル3.5gをテトラハイドロフラン60mLに溶かし、これに亜鉛末2.0gおよび70%酢酸水溶液40mLを加えて、50℃で2時間攪拌した後、末反応の亜鉛を濾別し、濾液を濃縮させ、これに水を加えて析出した白色結晶を濾取し、酢酸/水から再結晶させると、mp.290℃付近から徐々に分解、目的化合物3.6gを得た。TLC,Rf=0.88(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)
【0055】
参考例3 6,8−ジメルカプトオクタン酸アミド・亜鉛キレート化合物
【0056】
DL−α−リポ酸アミド4.2gをテトラハイドロフラン70mLに溶かし、これに亜鉛末2.5gおよび50%酢酸水溶液30mLを加えて50℃、2時間攪拌させ、溶媒を留去させた後、析出した亜鉛混じりの結晶を濾取し、水およびエタノールで洗い、酢酸/水から再結晶させると、mp.257〜259℃、白色結晶、4.5gを得た。TLC,Rf=0.80(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)
【0057】
参考例4 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グリシンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0058】
DL−α−リポ酸4.2gおよびグリシン1.9gを用いて、N−α−リポイルグリシンナトリウム(mp.218〜220℃)を経て、目的化合物、mp.297℃付近から分解の白色結晶3.9gを得た。TLC,Rf=0.64(クロロホルム:メタノール:水=5:4:1)。
【0059】
参考例5 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラギン酸モノナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0060】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−アスパラギン酸2.9gを用いて、N−α−リポイルアスパラギン酸ナトリウム(mp.300℃以上)を経て、目的化合物、mp.295℃付近から分解の白色結晶4.2gを得た。TLC,Rf=0.53(クロロホルム:メタノール:水=5:4:1)。
【0061】
参考例6 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メチオニンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0062】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−メチオニン3.5gを用いて、N−α−リポイルメチオニン(mp.108〜109℃)を経て、目的化合物、mp.260℃付近から分解の白色結晶2.8gを得た。TLC,Rf=0.82(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0063】
参考例7 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)システイン・亜鉛キレート化合物
【0064】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−システイン2.6gを用いて、N−α−リポイルシステインナトリウム(mp.150℃付近から分解)を経て、目的化合物、mp.280℃付近から分解の白色結晶4.1gを得た。TLC,Rf=0.71(クロロホルム:メタノール:水=5:4:1)。
【0065】
参考例8 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)フェニルアラニンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0066】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−フェニルアラニン3.5gを用いて、N−α−リポイルフェニルアラニン(mp.154〜156℃)を経て、目的化合物、mp.270℃付近から分解の白色結晶3.9gを得た。TLC,Rf=0.82(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0067】
参考例9 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−アミノ酪酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0068】
DL−α−リポ酸4.2gおよび4−アミノ酪酸2.3gを用いて、N−α−リポイル−4−アミノ酪酸(mp.235℃付近から分解)を経て、目的化合物、mp.297℃付近から分解の白色結晶5.2gを得た。TLC,Rf=0.70(クロロホルム:メタノール:水=5:4:1)。
【0069】
参考例10 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−6−アミノヘキサン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0070】
DL−α−リポ酸4.2gおよび6−アミノヘキサン酸3.0gを用いて、N−α−リポイル−6−アミノヘキサン酸ナトリウム(mp.200〜202℃)を経て、目的化合物、mp.295℃付近から分解の白色結晶2.0gを得た。TLC,Rf=0.84(クロロホルム:メタノール:水=5:4:1)。
【0071】
参考例11 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アントラニル酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0072】
DL−α−リポ酸4.2gおよびアントラニル酸2.9gを用いて、N−α−リポイルアントラニル酸ナトリウム(mp.300℃以上)を経て、目的化合物、mp.290℃付近から分解の白色結晶2.1gを得た。TLC,Rf=0.88(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0073】
参考例12 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタンスルホン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0074】
DL−α−リポ酸6.2gおよび2−アミノエタンスルホン酸4.5gを用いて、N−α−リポイルアミノエタンスルホン酸ナトリウム(mp.235〜237℃)を経て、目的化合物、mp.293℃付近から分解の白色結晶4.5gを得た。TLC,Rf=0.51(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0075】
参考例13 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ハイドロキシプロリンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0076】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−4−ハイドロキシプロリン2.8gから目的化合物、mp.300℃以上、白色結晶4.9gを得た。TLC,Rf=0.66(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0077】
参考例14 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ヒスチジンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0078】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−ヒスチジン3.4gから目的化合物、mp.300℃以上、白色結晶5.8gを得た。TLC,Rf=0.39(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0079】
参考例15 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グルタミン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0080】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−グルタミン酸3.5gから目的化合物、mp.300℃以上、白色結晶5.7gを得た。TLC,Rf=0.74(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0081】
参考例16 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スレオニンナトリウム亜鉛・キレート化合物
【0082】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−スレオニン2.6gから目的化合物、mp.300℃以上、白色結晶5.5gを得た。TLC,Rf=0.73(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0083】
参考例17 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アラニンナトリウム亜鉛・キレート化合物
【0084】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−アラニン2.1gから目的化合物、mp.290℃付近から分解、白色結晶5.4gを得た。TLC,Rf=0.78(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0085】
参考例18 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)セリンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0086】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−セリン2.4gから目的化合物、mp.285℃付近から徐々に分解、白色結晶5.0gを得た。TLC,Rf=0.64(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0087】
参考例19 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ノルロイシンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0088】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−ノルロイシン3.0gからN−α−リポイルノルロイシン(mp.120〜121℃)を得て、目的化合物、mp.295℃付近から徐々に分解、白色結晶5.1gを得た。TLC,Rf=0.90(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0089】
参考例20 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−5−ハイドロキシトリプトファンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0090】
DL−α−リポ酸4.2gおよびL−5−ハイドロキシトリプトファン5.0gから目的化合物、mp.290℃付近から分解、灰白色結晶6.5gを得た。TLC,Rf=0.81(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0091】
参考例21 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ペニシラミンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0092】
DL−α−リポ酸4.2gおよびD−ペニシラミン3.5gから目的化合物、mp.280℃付近から徐々に分解の白色結晶6.0gを得た。TLC,Rf=0.80(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0093】
参考例22 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−3−アミノプロピオン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0094】
DL−α−リポ酸4.2gおよびβ−アラニン2.0gから目的化合物、mp.295℃付近から徐々に分解の白色結晶5.8gを得た。TLC,Rf=0.83(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0095】
参考例23 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−トランスアミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0096】
DL−α−リポ酸4.2gおよび4−トランスアミノメチルシクロヘキサンカルボン酸3.5gから目的化合物、mp.297℃付近から徐々に分解、白色結晶5.8gを得た。TLC,Rf=0.81(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0097】
参考例24 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スルファニル酸ナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0098】
DL−α−リポ酸4.2gおよびスルファニル酸3.8gから目的化合物、mp.300℃以上、白色結晶5.4gを得た。TLC,Rf=0.57(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0099】
参考例25 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)イソプロピルアミン・亜鉛キレート化合物
【0100】
DL−α−リポ酸4.2gおよびトリエチルアミン2.4gをアセトニトリル50mLに溶かして攪拌下−5℃に冷却し、これにクロル炭酸エチル2.4gを徐々に滴下させ、滴下終了20分後、さらに、イソプロピルアミン1.5gをアセトニトリル30mLに溶かしたものを速やかに加えて30分間、さらに、室温に戻して1時間攪拌させる。これを減圧下で溶媒を留去させ、残さに水を加えて冷却させ、析出した淡黄色結晶を濾取、これをテトラハイドロフラン(THF)60mLに溶かし、50%酢酸水溶液20mLおよび亜鉛末2.0gを加えて、50℃、2時間攪拌させた後、末反応の亜鉛を濾別し、濾液を濃縮させる。残さに水を加えて析出した白色結晶を濾取し、THF/酢酸/水から再結晶させると、mp.271〜273℃、目的化合物5.0gを得た。TLC,Rf=0.89(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0101】
参考例26 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタノール・亜鉛キレート化合物
【0102】
DL−α−リポ酸4.2gおよびモノエタノールアミン1.5gを用いて目的化合物、mp.298℃付近から徐々に分解の白色結晶4.2gを得た。TLC,Rf=0.77(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)
【0103】
参考例27 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メラトニン・亜鉛キレート化合物
【0104】
DL−α−リポ酸4.2gおよびメラトニン4.0を用いて、目的化合物、mp.210〜212℃、白色結晶6.5gを得た。TLC,Rf=0.84(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0105】
参考例28 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノピリジン・亜鉛キレート化合物
【0106】
DL−α−リポ酸4.2gおよび2−アミノピリジン2.2gを用いて目的化合物、mp.243〜245℃、白色結晶5.3gを得た。TLC,Rf=0.87(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0107】
参考例29 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アントラニル酸エチル・亜鉛キレート化合物
【0108】
DL−α−リポ酸4.2gおよびアントラニル酸エチル3.6gを用いて白色結晶(THF−酢酸−水から再結晶)、mp.290℃付近から徐々に分解の目的化合物4.6gを得た。TLC,Rf=0.88(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0109】
参考例30 Nε−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)リジン・亜鉛キレート化合物
【0110】
DL−α−リポ酸4.2g、トリエチルアミン2.4gおよびクロル炭酸エチル2.4gをアセトニトリル50mL中、冷却下で混合酸無水物とし、これにL−リジン3.1g、硫酸銅(5水和物)5.5gおよび水酸化ナトリウム2.0gを水60mLに溶かしたものを加えて反応させ、析出したNε−(α−リポイル)リジンの銅塩を濾取し、水およびメタノールで洗った後、これを70%の酢酸水溶液にサスペンドして置き、硫化水素で銅を硫化銅として濾別し、濾液を濃縮し、残さにメタノールを加えて析出した淡黄色の結晶を濾取、mp.254〜255℃、3.5gを得た。
【0111】
つぎに、これを60%酢酸水溶液に溶かし、亜鉛末2.0gを加えて、50℃、3時間攪拌し、亜鉛を濾別した後、濃縮し、これにメタノールを加えて析出した白色結晶を濾取、mp.295℃付近から徐々に分解の目的化合物3.4gを得た。TLC,Rf=0.47(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0112】
参考例31 N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラチイルグリシンジナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0113】
DL−α−リポ酸2.1gおよびL−アスパラチイルグリシン2.1gを用いて、同様にして、N−(α−リポイル)アスパラチイルグリシンナトリウムを径由して、目的化合物、mp.270℃付近から徐々に分解、白色結晶3.1gを得た。TLC,Rf=0.54(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0114】
参考例32 N−(ジメルカプトオクタノイル)スレオニルグリシンナトリウム・亜鉛キレート化合物
【0115】
DL−α−リポ酸2.1gおよびL−スレオニルグリシン2.1gを用いて、目的化合物、mp.260℃付近から徐々に分解、淡黄白色結晶2.6gを得た。TLC,Rf=0.60(n−ブタノール:酢酸:水=4:1:2)。
【0116】
実施例1 テストステロン5α−リダクターゼ活性阻害作用の評価
【被験化合物】
【0117】
1.リポ酸
2.参考例12の化合物(N−α−リポイルアミノエタンスルホン酸Na)
3.参考例1の化合物(N−6,8−ジメルカプトオクタン酸亜鉛
モノエタノールアミン塩)
4.参考例14の化合物(N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)
−L−ヒスチジン亜鉛Na)
【試験方法】
【0118】
蓋付V底試験管にて、プロピレングリコールで調製した4.2mg/mLテストステロン20μL、1mg/mL NADPH含有5mmol/LTris−HCl緩衝液(pH7.13)825μLを混合した。これに、エタノール、50%エタノールもしくは精製水で調製した被験試料80μLおよびS−975μLを加え再び混合し、37℃にて30分反応させた後、塩化メチレン 1mLを加え反応を停止した。これを遠心(1600×g、10分)し、塩化メチレン層をガスクロマトグラフィー分析した。
【試験結果】
【0119】
被験試料濃度400(μg/mL)に於けるテストステロン5α−リダクターゼ 活性阻害率(%)
【0120】
1.リポ酸 78.7
2.参考例12の化合物
(N−α−リポイルアミノエタンスルホン酸Na) 92.0
3.参考例1の化合物
(N−6,8−ジメルカプトオクタン酸亜鉛
モノエタノールアミン塩) 100.0
4.参考例14の化合物
(N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)
−L−ヒスチジン亜鉛Na) 42.0
【0121】
上記の試験結果から、リポ酸およびリポ酸誘導体はテストステロン5α−リダクターゼ活性を強く阻害した。
【0122】
使用試験例1 男性40〜60才、5名について製剤実施例1を1日、1回洗髪後トニックし、1ヶ月後評価した。
1.使用前に比べて、洗髪時に脱毛がかなり減少した 2名
2.使用前に比べて、洗髪時に脱毛が減少した 2名
3.使用前に比べて、洗髪時に脱毛が変化なし 1名
4.使用前に比べて、洗髪時に脱毛が多く感じられた 0名
【0123】
上記の使用試験例から、リポ酸およびリポ酸誘導体には頭皮脱毛の治療効果があると考えられる。
【0124】
製剤実施例1 ヘアートニック
【0125】
参考例14の化合物 0.3g
カルボキシビニルポリマー 0.1g
グリセリン 3.5g
エタノール 5mL
p−オキシ安息香酸メチル 0.02g
p−オキシ安息香酸プロピル 0.01g
モノエタノールアミン 適量を加えてpH8.5に調整
滅菌精製水 全量 100mL
【0126】
製剤実施例2 ヘアートニック
【0127】
参考例1の化合物 0.3g
β−グリチルレチン酸アンモニウム 0.1g
パントテニルアルコール 0.2g
ニコチン酸アミド 0.2g
カルボキシビニルポリマーナトリウム 0.1g
プロピレングリコール 3.0g
l−メントール 0.05g
p−オキシ安息香酸メチル 0.02g
p−オキシ安息香酸プロピル 0.01g
滅菌精製水 全量 100mL
【0128】
製剤実施例3 ヘアートニック
【0129】
参考例14の化合物 0.3g
トコフェロール、アスコルビン酸リン酸
ジエステルカリウム 0.05g
アラントイン 0.2g
塩酸ピリドキシン 0.3g
ヒノキチオール 0.05g
プロピレングリコール 3.0g
ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.5g
カルボキシビニルポリマーナトリウム 0.05g
p−オキシ安息香酸メチル 0.05g
p−オキシ安息香酸プロピル 0.02g
エタノール 5mL
滅菌精製水 全量 100mL
【発明の効果】
【0130】
よって、リポ酸またはリポ酸誘導体ならびにその還元体の6,8−ジメルカプトオクタン酸亜鉛キレート化合物およびその誘導体は頭皮脱毛に対して優れた治療効果を示し、頭皮脱毛治療に極めて有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の式(1)
【化1】

(式中、RはOH基、O−アルキル基あるいはN−結合のアミン類、アミノ酸またはペプタイドを示し、Mは金属を示す)で表わされるリポ酸またはリポ酸誘導体、およびそれらの薬理学的に許容できる塩を含有する頭皮脱毛治療剤。
【請求項2】
リポ酸またはリポ酸誘導体がその低級アルキルエステルまたはその金属キレートからなる群から選ばれるものである、請求項1記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項3】
リポ酸誘導体がN−リポイルアミン類またはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項1記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項4】
リポ酸誘導体がN−リポイルアミノ酸またはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項1記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項5】
リポ酸誘導体がN−リポイルジペプタイドまたはその金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項1記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項6】
リポイルアミン類がリポ酸アミド、N−リポイル−2−アミノエタノール、N−リポイルイソプロピルアミン、N−リポイルメラトニンまたはN−リポイル−2−アミノピリジンからなる群から選ばれるものである、請求項3記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項7】
N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミン類金属キレート化合物が6,8−ジメルカプトオクタン酸アミド金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタノール金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)イソプロピルアミン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メラトニン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノピリジン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項3記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項8】
リポイルアミノ酸がα−アミノ酸、ω−アミノ酸、特殊アミノ酸からなる群から選ばれるものである、請求項4記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項9】
N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アミノ酸金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−α−アミノ酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−ω−アミノ酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)特殊アミノ酸金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項4記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項10】
リポイル−α−アミノ酸がN−リポイルグリシン、N−リポイルアラニン、N−リポイルスレオニン、N−リポイルセリン、N−リポイルアスパラギン酸、N−リポイルグルタミン酸、N−リポイルフェニルアラニン、N−リポイルメチオニン、N−リポイルノルロイシン、N−リポイルロイシン、N−リポイルシステイン、N−リポイルプロリン、N−リポイルハイドロキシプロリン、N−リポイルヒスチジン、N−リポイルハイドロキシトリプトファン、N−リポイルペニシラミンおよびN−リポイルリジンからなる群から選ばれるものである、請求項8記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項11】
N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−α−アミノ酸金属キレートがN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グリシン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アラニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スレオニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)セリン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラギン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)グルタミン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)フェニルアラニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)メチオニン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ノルロイシン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)システイン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ハイドロキシプロリン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ヒスチジン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−5−ハイドロキシトリプトファン金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ペニシラミン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)リジン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項9記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項12】
ω−アミノ酸および特殊アミノ酸がN−リポイル−3−アミノプロピオン酸、N−リポイル−4−アミノ酪酸、N−リポイル−6−アミノヘキサン酸、N−リポイル−4−トランスアミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸、N−リポイル−2−アミノエタンスルホン酸、N−リポイルスルファニル酸およびN−リポイルアントラニル酸からなる群から選ばれるものである、請求項8記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項13】
N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−ω−アミノ酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)特殊アミノ酸金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−3−アミノプロピオン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−アミノ酪酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−6−アミノヘキサン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−4−トランスアミノメチル−1−シクロヘキサンカルボン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)−2−アミノエタンスルホン酸金属キレート、N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スルファニル酸金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アントラニル酸金属キレートからなる群から選ばれるものである、請求項9記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項14】
ジペプタイドがN−リポイルアスパラチイルグリシンおよびN−リポイルスレオニルグリシンからなる群から選ばれるものである、請求項5記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項15】
N−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)ジペプタイド金属キレート化合物がN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)アスパラチイルグリシン金属キレートおよびN−(6,8−ジメルカプトオクタノイル)スレオニルグリシン金属キレート化合物からなる群から選ばれるものである、請求項5記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項16】
金属が亜鉛である請求項1〜15記載のいずれかに記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項17】
皮膚外用剤である請求項1〜16のいずれかに記載の頭皮脱毛治療剤。
【請求項18】
化粧料である請求項17記載の頭皮脱毛治療剤。

【公開番号】特開2008−174453(P2008−174453A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−160423(P2005−160423)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(500032796)イワキ株式会社 (2)
【出願人】(502384060)有限会社オガ リサーチ (14)
【Fターム(参考)】