説明

頭皮頭髪化粧料

【課題】頭皮の赤み及びフケを飛躍的に改善でき、更に頭皮のかゆみを改善し、かつ頭皮のかゆみ改善効果が長期間に亘って持続可能な頭皮頭髪化粧料の提供。
【解決手段】(A)マルトオリゴ糖と、(B)ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硝酸ミコナゾール及び硫黄から選択される少なくとも1種の抗菌剤を含有し、前記(A)成分の含有量と前記(B)の含有量の質量比(A/B)が0.01〜100である頭皮頭髪化粧料とする。更に(C)清涼化剤を含有する態様、更に(D)カチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーを含有する態様、などが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭皮の赤み及びフケを飛躍的に改善でき、更に頭皮のかゆみを改善し、かつ頭皮のかゆみ改善効果が長期間に亘って持続可能な頭皮頭髪化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、頭皮のフケ及びかゆみの原因の一つとしてマラセチア菌が知られている。このため、抗菌剤又は殺菌剤を配合したシャンプー、コンディショナー等の化粧料が提案されており、マラセチア菌の繁殖を抑えることで頭皮のフケ及びかゆみを軽減する効果が期待されている。
例えば特許文献1では、(A)抗炎症剤と、(B)殺菌剤と、(C)ポリエチレングリコールとを含有するフケ防止用の頭皮頭髪用組成物が提案されている。この提案では、(B)の殺菌剤として、イソプロピルメチルフェノール及びピロクトンオラミンの少なくともいずれかが用いられている。
また、特許文献2では、(A)ユーカリエキス、(B)多価アルコール、(C)(c1)抗菌剤及び(c2)清涼剤から選ばれる1種以上を含有する頭皮頭髪化粧料が提案されている。前記(c1)成分の抗菌剤としては、ピロクトンオラミン、イソプロピルメチルエーテル、ヒノキチオール、ジンクピリチオン、クリンバゾール、塩化ベンザルコニウム、感光色素101、感光色素201、クロルヘキシジン、サリチル酸、フェノール、ケトコナゾール、ミコナゾールなどが記載されている。前記(c2)の清涼剤としては、メントール、カンファー、ミント抽出物、メンチルラクテート、メントキシプロパンジオール、メンチルヒドロキシブチレート、メントキシフラン、メンチルグルコシドなどが記載されている。
【0003】
しかし、これらの先行技術文献では、乾燥、皮脂過多といったマラセチア菌が繁殖しやすい頭皮環境の改善にまでは至っておらず、抗菌剤により一時的には頭皮のフケ及びかゆみの症状が軽減するものの、時間の経過とともに再び症状が引き起こされることが問題となっており、その解決が望まれているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−176446号公報
【特許文献2】特開2005−206538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、頭皮の赤み及びフケを飛躍的に改善でき、更に頭皮のかゆみを改善し、かつ頭皮のかゆみ改善効果が長期間に亘って持続可能な頭皮頭髪化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、(A)マルトオリゴ糖と、(B)ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硝酸ミコナゾール及び硫黄から選択される少なくとも1種の抗菌剤とを含有し、かつ前記(A)成分の含有量と前記(B)の含有量の質量比(A/B)を一定の範囲内とすることで、頭皮の赤み及びフケを飛躍的に改善でき、更に頭皮のかゆみを改善し、かつ頭皮のかゆみ改善効果が長期間に亘って持続可能な頭皮頭髪化粧料が得られることを知見した。
【0007】
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> (A)マルトオリゴ糖と、(B)ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硝酸ミコナゾール及び硫黄から選択される少なくとも1種の抗菌剤とを含有し、
前記(A)成分の含有量と前記(B)の含有量の質量比(A/B)が0.01〜100であることを特徴とする頭皮頭髪化粧料である。
<2> (A)成分が2糖〜9糖のマルトオリゴ糖から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の頭皮頭髪化粧料である。
<3> 更に(C)清涼化剤を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<4> 更に(D)カチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーを含有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<5> (A)成分のマルトオリゴ糖が、マルトテトラオースである前記<1>から<4>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<6> (B)成分の抗菌剤が、ピロクトンオラミンである前記<1>から<5>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<7> (C)成分の清涼化剤が、L−メントール及びL−メンチルグリセリルエーテルのいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
<8> (D)成分のカチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーが、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルセルロースのいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、従来における諸問題を解決することができ、頭皮の赤み及びフケを飛躍的に改善でき、更に頭皮のかゆみを改善し、かつ頭皮のかゆみ改善効果が長期間に亘って持続可能な頭皮頭髪化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、(A)マルトオリゴ糖と、(B)抗菌剤とを、特定の質量比で含有し、好ましくは(C)清涼化剤と、(D)カチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0010】
−(A)マルトオリゴ糖−
前記(A)成分のマルトオリゴ糖は、頭皮の赤みやフケの改善の点から、2糖〜9糖が好ましく、3糖〜5糖がより好ましく、4糖が特に好ましい。
前記(A)成分のマルトオリゴ糖としては、例えばマルトース、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオース、マルトオクタオース、マルトノナオースなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、頭皮の赤みやフケの改善の点から、マルトテトラオースが特に好ましい。
【0011】
前記(A)成分のマルトオリゴ糖としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばマルトテトラオース(商品名:テトラップ−H、マルトテトラオース74%以上含有品、株式会社林原商事)、マルトペンタオース(商品名:ペントラップ、マルトペンタオース74%以上含有品、株式会社林原商事)、などが挙げられる。
【0012】
前記(A)成分のマルトオリゴ糖の含有量は、前記頭皮頭髪化粧料全体に対し0.0005質量%〜5質量%が好ましく、頭皮の赤みやフケの改善の点から、0.005質量%〜2.5質量%がより好ましい。前記含有量が、0.0005質量%未満であると、頭皮の赤みの改善効果が低下することがあり、5質量%を超えると、頭皮の赤みの改善効果が低下することがある。
【0013】
−(B)抗菌剤−
前記(B)成分の抗菌剤としては、ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硝酸ミコナゾール、硫黄が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、頭皮の赤みやフケ改善の点から、ピロクトンオラミンが特に好ましい。
前記ピロクトンオラミンは、別名1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2(1H)−ピリドン モノエタノールアミン塩と呼ばれる分子量298.4の化合物(商品名:オクトピロックス、クラリアントジャパン社製)である。
前記ジンクピリチオンは、別名ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛と呼ばれる分子量317.7の化合物(商品名:トミサイドZPT−50、中央化成株式会社製)である。
前記硫黄は、天然硫黄鉱、地下硫黄、石油脱硫、天然ガス脱硫、その他硫化水素から回収することによって得られ、例えばイオウ(株式会社松本交商)が挙げられる。
【0014】
前記(B)成分の抗菌剤の含有量は、前記頭皮頭髪化粧料全体に対し0.01質量%〜2.5質量%が好ましく、頭皮の赤みやフケ改善の点から0.05質量%〜2質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、頭皮の赤みやフケ改善が低下することがあり、2.5質量%を超えると、頭皮の赤み改善効果が低下し、刺激や臭いも劣化する場合があり、不経済となることがある。
前記(A)成分の含有量と前記(B)成分の含有量の質量比(A/B)は、0.01〜100であり、頭皮の赤みやフケの改善の点から、0.1〜50が好ましい。前記質量比(A/B)が、0.01未満であると、頭皮の赤みの改善が劣ることがあり、100を超えると、頭皮の赤みの改善が劣ることがある。
【0015】
−(C)清涼化剤−
前記(C)成分の清涼化剤は、肌へ清涼感を付与し、頭皮のかゆみの改善効果の役割を果たすものである。
前記(C)成分の清涼化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばL−メントール、L−メンチルグリセリルエーテル、L−メンチルグリセリルエーテル、L−イソプレゴール、ハッカ油、p−メンタン−3,8−ジオール、n−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド、メンチルラクテートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、頭皮のかゆみの改善効果の点から、L−メントール、L−メンチルグリセリルエーテルが特に好ましい。
前記(C)成分の清涼化剤としては、市販品を用いることができ、該市販品としては、例えばL−メントールとして商品名:L−メントール、高砂香料工業株式会社製、L−メンチルグリセリルエーテルとして商品名:COOLING AGENT−10、高砂香料工業株式会社製などが好適に用いられる。
前記(C)成分の清涼化剤の含有量は、前記頭皮頭髪化粧料全体に対し0.2質量%〜1質量%が好ましく、頭皮のかゆみの改善の点から0.4質量%〜0.6質量%がより好ましい。前記含有量が、0.2質量%未満であると、頭皮のかゆみの改善効果が劣ることがあり、1質量%を超えると、頭皮のかゆみの改善効果が劣ることがある。
【0016】
−(D)カチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマー−
前記(D)成分のカチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーは、頭皮への皮膜形成によって、発汗などによる有効成分が洗い流されることを防止し、頭皮のかゆみの改善の持続効果の役割を果たすものと推察される。
前記(D)成分のカチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、キサンタンガムなどが挙げられる。これらの中でも、頭皮のかゆみの改善の持続効果の点から、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが特に好ましい。
【0017】
前記ヒアルロン酸ナトリウムの重量平均分子量は、100万〜270万が好ましく、160万〜270万がより好ましい。前記重量平均分子量が、100万未満であると、頭皮及び皮膚への浸透や滞留効果に乏しいため、頭皮のかゆみの改善の持続効果が劣ることがあり、270万を超えると、べたつきが生じるようになり、頭皮のかゆみの改善の持続効果が劣ることがある。
ここで、前記ヒアルロン酸ナトリウムの重量平均分子量は、例えば以下の方法で測定することができる(Laurent,T.C.et al,Biophys Acta,42,476(1960)参照)。
試料0.04gを精密に量り、0.2mol/Lの塩化ナトリウム試液を加え溶解し、100mLとし試料溶液とする。この液8mLを正確にウベローデ粘度計(動粘度範囲1mm/s〜5mm/s)に取り、25℃±0.1℃で流下時間を測定する。更に0.2mol/L塩化ナトリウム試液2mLを正確に加え、混合した後、流下時間を測定する。更にこの操作を2回繰り返し、4濃度の試料溶液を測定する。下記数式により各濃度に対する比粘度及び還元粘度を算出する。次に、還元粘度を縦軸に、対応する乾燥物に換算した濃度(g/L)を横軸にとってグラフをかき、各点を結ぶ直線の延長と縦軸の交点から極限粘度を求める。求めた極限粘度から、下記のLaurentの式を用いて重量平均分子量を算出する。
<Laurentの式>
「極限粘度」×100=0.036×M0.78(ただし、Mは、重量平均分子量を表す。)
【数1】

【数2】

【0018】
前記ヒアルロン酸ナトリウムとしては、特に制限はなく、醗酵品でも鶏のトサカから抽出し、精製した天然品であってもよい。
前記ヒアルロン酸ナトリウムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばヒアルロン酸FCH−200(重量平均分子量180万〜220万)、FCH−150(重量平均分子量140万〜180万)、FCH−120(重量平均分子量100万〜140万)(いずれも、株式会社紀文フードケミファ製)、ヒアルロンサンHA−LQH(重量平均分子量120万〜220万)(キューピー株式会社製)、バイオヒアルロン酸ナトリウムHA20(重量平均分子量190万〜270万)、バイオヒアルロン酸ナトリウムHA12(重量平均分子量110万〜160万)(いずれも、株式会社資生堂製)が好ましい。これらの中でも、頭皮のかゆみ改善効果の持続効果の点から、ヒアルロン酸FCH−200(重量平均分子量180万〜220万)、FCH−150(重量平均分子量140万〜180万)が特に好ましい。
【0019】
前記ヒドロキシエチルセルロースとしては、例えば商品名フジケミHEC SZ−25(共進産業株式会社製、1%水溶液粘度3,000〜5,000mPa・s/25℃)などが挙げられる。
前記ヒドロキシプロピルセルロースとしては、例えば商品名セルニーH(日本曹達株式会社製、2%水溶液粘度1,000〜4,000mPa・s/20℃)、セルニーM(日本曹達株式会社製、2%水溶液粘度150〜400mPa・s/20℃)などが挙げられる。
ここで、前記粘度は、例えばB型粘度計で、20℃又は25℃の条件下、ローターNo.4を12rpm、1分間で測定することができる。
前記(D)成分のカチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーの含有量は、前記頭皮頭髪化粧料全体に対し0.1質量%〜2質量%が好ましく、頭皮のかゆみの改善効果の持続効果の点から、0.2質量%〜1質量%がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、頭皮のかゆみの改善効果の持続効果が劣ることがあり、2質量%を超えると、頭皮のかゆみの改善効果の持続効果が劣り、べたつき、不経済である。
【0020】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、前記(A)及び(B)成分、好ましくは(C)成分及び(D)成分の少なくともいずれか以外にも、本発明の効果を損なわない範囲内で、その他の成分を含有することができる。
前記その他の成分としては、頭皮頭髪化粧料に通常配合され得るものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば有効成分、水、エタノール、界面活性剤(非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、半極性界面活性剤)、植物油、エステル類、紫外線吸収剤、アミノ酸類、ホルモン類、多価アルコール、増粘剤、色剤、香料、微粒子粉末、有機酸、防腐剤、pH調整剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0021】
前記頭皮頭髪化粧料が育毛剤組成物である場合には、有効成分として育毛有効成分を含有することが好ましい。
前記育毛有効成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば6−ベンジルアミノプリン、β−グリチルレチン酸、セファランチン、センブリエキス、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、ビオチン、塩酸ピリドキシン、dL−α−トコフェロール、酢酸dL−α−トコフェロール、trans−3,4’−ジメチル−3−ヒドロキシフラバノン、アデノシン、ミノキシジル、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、D−パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カルプロニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、感光素301、カンフル、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、モノニトログアアヤコール、γ−アミノ酪酸、アロエ抽出物、イチョウ抽出物、オウゴン抽出物、オーキシン、オトギリソウ抽出物、海藻抽出物、カンタリスチンキ、クララエキス、ウシヘマチン、デュークエキス、トウキンセンカ抽出物、冬虫夏草抽出物、10−ヒドロキシ−Δ2−デサン酸、ヒドロコルチゾン、プラセンタ抽出物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、β−グリチルレチン酸、ニコチン酸アミド、D−パントテニルアルコール、6−ベンジルアミノプリンが特に好ましい。
前記育毛有効成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記頭皮頭髪化粧料全体に対し0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.02質量%〜3質量%がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、所望の程度の育毛効果が得られないことがあり、10質量%を超えると、低温で析出してしまうなど頭皮頭髪化粧料の安定性が悪くなることがある。前記含有量が好ましい範囲内であると、育毛効果に優れ、かつ頭皮頭髪化粧料の安定性にも優れる点で有利である。
【0022】
前記水としては、例えば精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水、海洋深層水などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノ又はイソステアレート、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(モノミリスチン酸デカグリセリン、モノミリスチン酸ペンタグリセリン)などが挙げられる。
前記エステル類としては、例えば多価アルコール脂肪酸エステル(トリ−2エチルヘキサン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン酸等の多価アルコール脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸アルキルエステル(オレイン酸エチル、リノール酸イソプロピル等)、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられる。
前記植物油としては、例えばサフラワー油、月見草油、ホホバ油などが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えばメトキシケイ皮酸オクチル(ネオヘリオパンAV)、オキシベンゾン、ウロカニン酸などが挙げられる。
前記アミノ酸類としては、例えばグルタミン酸、メチオニン、セリン、グリシン、シスチン、スレオニンなどが挙げられる。
【0023】
<製造>
本発明の頭皮頭髪化粧料の製造方法としては、特に制限はなく、各種剤型の常法に従って製造することができる。
なお、前記頭皮頭髪化粧料を製造するにあたり、前記各成分は、単独で使用してもよいし、2種以上の成分を含む混合物を使用してもよい。また、前記各成分は、適宜希釈して使用してもよい。
【0024】
本発明の頭皮頭髪化粧料のpHは、精製水で10倍に薄めた前記頭皮頭髪化粧料において3〜8が、液外観の点から好ましい。
前記pHは、精製水で10倍に薄めた前記頭皮頭髪化粧料をpHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、HM−30G)を用いて測定することができる。
前記頭皮頭髪化粧料のpHは、例えば所望のpH調整剤を用いて調整することができる。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えばクエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミンなどが挙げられる。
【0025】
本発明の頭皮頭髪化粧料は、常法に従って、均一溶液、ローション、ジェル、クリーム、エアゾール等の形態(剤型)で使用することができる。
【0026】
−用途−
本発明の頭皮頭髪化粧料は、例えばローション、コンディショナー、ヘアトニック、ヘアクリーム、ヘアリキッド、シャンプー、ポマード、リンスなどに好適に用いられる。また、本発明の頭皮頭髪化粧料は、育毛効果を有する外用剤として使用することもできる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。表中の各成分の量は純分換算した量である。
【0028】
(実施例1〜59及び比較例1〜14)
−頭皮頭髪化粧料の調製−
下記表1〜表3に示す組成(単位は質量%)に従い、実施例1〜59及び比較例1〜14の頭皮頭髪化粧料としての育毛ローションを常法により調製した。得られた各育毛ローションは、精製水で10倍に薄め25℃で測定したpHが7.5になるようにクエン酸又はクエン酸ナトリウムで調整をした。pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、HM−30G)を用いた。
得られた各育毛ローションについて、以下のようにして、諸性能を評価した。結果を表1〜表3に示す。
【0029】
<頭皮の赤みの改善>
頭皮に赤みが生じている20名のパネラーが、各育毛ローション2mLを頭皮全体に1日1回塗布し、30日間経過後、下記評価基準で頭皮の赤みの改善効果を評価した。
〔評価基準〕
◎ :20名中18名以上に頭皮の赤みの改善を認めた
◎〜○:20名中14名〜17名に頭皮の赤みの改善を認めた
○ :20名中10名〜13名に頭皮の赤みの改善を認めた
△ :20名中の5名〜9名に頭皮の赤みの改善を認めた
× :20名中の0名〜4名に頭皮の赤みの改善を認めた
【0030】
<頭皮のフケの改善>
頭皮にフケが生じている20名のパネラーが、各育毛ローション2mLを頭皮全体に1日1回塗布し、30日間経過後、下記評価基準で頭皮のフケの改善効果を評価した。
〔評価基準〕
◎ :20名中18名以上に頭皮のフケの改善を認めた
◎〜○:20名中14名〜17名に頭皮のフケの改善を認めた
○ :20名中10名〜13名に頭皮のフケの改善を認めた
△ :20名中の5名〜9名に頭皮のフケの改善を認めた
× :20名中の0名〜4名に頭皮のフケの改善を認めた
【0031】
<頭皮のかゆみの改善>
頭皮にかゆみが生じている20名のパネラーが、各育毛ローション2mLを頭皮全体に1日1回塗布し、30日間経過後、下記評価基準で頭皮のかゆみの改善効果を評価した。
〔評価基準〕
◎ :20名中18名以上に頭皮のかゆみの改善を認めた
◎〜○:20名中14名〜17名に頭皮のかゆみの改善を認めた
○ :20名中10名〜13名に頭皮のかゆみの改善を認めた
△ :20名中の5名〜9名に頭皮のかゆみの改善を認めた
× :20名中の0名〜4名に頭皮のかゆみの改善を認めた
【0032】
<頭皮のかゆみの改善の持続性>
頭皮にかゆみが生じている20名のパネラーが、各育毛ローション2mLを頭皮全体に1日1回塗布し、30日間経過後、下記評価基準で頭皮のかゆみの改善効果の持続性を評価した。
〔評価基準〕
◎ :3ヶ月間かゆみが改善された人が20名中18名以上である
◎〜○:3ヶ月間かゆみが改善された人が20名中14名〜17名である
○ :3ヶ月間かゆみが改善された人が20名中10名〜13名である
△ :3ヶ月間かゆみが改善された人が20名中の5名〜9名である
× :3ヶ月間かゆみが改善された人が20名中の0名〜4名である
【0033】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【0034】
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0035】
【表3−1】

【表3−2】

【表3−3】

【表3−4】

【0036】
(実施例60)
<シャンプーの調製>
下記表4に示す組成に従い、本発明の頭皮頭髪化粧料としてのシャンプーNo.1〜5を常法により調製した。
【表4】

【0037】
(実施例61)
<コンディショナーの調製>
下記表5に示す組成に従い、本発明の頭皮頭髪化粧料としてのコンディショナーNo.1〜5を常法により調製した。
【表5】

【0038】
ここで、実施例1〜61及び比較例1〜14で用いた成分の具体的な内容は、以下に示すとおりである。
−(A)成分−
*マルトース(サンマルト、マルトース89±2%含有品、株式会社林原商事)
*マルトトリオース(和光純薬工業株式会社製)
*マルトテトラオース(テトラップ−H、マルトテトラオース74%以上含有品、株式会社林原商事)
*マルトペンタオース(ペントラップ、マルトペンタオース74%以上含有品、株式会社林原商事)
*マルトヘキサオース(SIGMA株式会社製)
−(B)成分−
*ピロクトンオラミン(商品名:オクトピロックス、クラリアントジャパン社製)
*ジンクピリチオン(商品名:トミサイドZPT−50、中央化成株式会社製)
*硝酸ミコナゾール(和光純薬工業株式会社製)
*硫黄(イオウ、松本交商株式会社)
−(C)成分−
*L−メントール(商品名:L−メントール、高砂香料工業株式会社製)
*L−メンチルグリセリルエーテル(商品名:COOLING AGENT−10、高砂香料工業株式会社製)
*L−イソプレゴール(高砂香料工業株式会社製)
*ハッカ油(商品名:ハッカ油、小城製薬株式会社製)
−(D)成分−
*ヒアルロン酸FCH−200(重量平均分子量210万、株式会社紀文フードケミファ製)
*ヒアルロン酸FCH−150(重量平均分子量160万、株式会社紀文フードケミファ製)
*ヒアルロン酸FCH−120(重量平均分子量130万、株式会社紀文フードケミファ製)
*ヒドロキシエチルセルロース(商品名:フジケミHEC SZ−25、共進産業株式会社製、1%水溶液粘度4400mPa・s/25℃)
*ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:セルニーH、日本曹達株式会社製、2%水溶液粘度2000mPa・s/20℃)
*ヒドロキシプロピルセルロース(商品名:セルニーM、日本曹達株式会社製、2%水溶液粘度300mPa・s/20℃)
−任意成分−
*β−グリチルレチン酸(グリチルレチン酸、丸善製薬株式会社製)
*ニコチン酸アミド(ニコチン酸アミド、DSMニュートリションジャパン株式会社製)
*D−パントテニルアルコール(パントノール、第一化成株式会社製)
*ポリエチレングリコール(PEG#300K、ライオン化学株式会社製)
*エタノール(95度合成アルコール、日本アルコール販売株式会社製)
*ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウム(シノリンSPE−1250、新日本理化株式会社製)
*ラウリン酸アミドプロピルベタイン(エナジコールL−30B、一方社油脂工業株式会社製)
*ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(ブラウノンCW−20−90、青木油脂工業株式会社製)
*グアーガムヒドロキシトリメチルアンモニウムクロリド(ラボールガムCG−M6L、大日本製薬株式会社製)
*1,3−ブチレングリコール(商品名:1,3−ブチレングリコール、ダイセル化学工業株式会社製)
*ソルビトール(70%ソルビット液、日研化成株式会社製)
*香料A(高砂香料工業株式会社製)
*塩化アルキルトリメチルアンモニウム(アーカード22−80、ライオンアクゾ株式会社製)
*ステアリルアルコール(コノール30SS、ライオン オレオケミカル株式会社製)
*ベヘニルアルコール(ラネッテ22、コグニスジャパン株式会社製)
*モノステアリン酸ポリエチレングリコール(EMALEX6300M−ST、日本エマルジョン株式会社製)
*アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体エマルジョン(商品名:SM8904C、東レ・ダウコーニング株式会社製)
*プロピレングリコール(商品名:プロピレングリコール、ダウ・ケミカル株式会社製)
*香料B(高砂香料工業株式会社製)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)マルトオリゴ糖と、(B)ピロクトンオラミン、ジンクピリチオン、硝酸ミコナゾール及び硫黄から選択される少なくとも1種の抗菌剤を含有し、
前記(A)成分の含有量と前記(B)の含有量の質量比(A/B)が0.01〜100であることを特徴とする頭皮頭髪化粧料。
【請求項2】
(A)成分が2糖〜9糖のマルトオリゴ糖から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項3】
更に(C)清涼化剤を含有する請求項1から2のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料。
【請求項4】
更に(D)カチオン性ポリマー以外の水溶性ポリマーを含有する請求項1から3のいずれかに記載の頭皮頭髪化粧料。

【公開番号】特開2011−148773(P2011−148773A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282427(P2010−282427)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】