説明

頭部装着型表示装置

【課題】安価で消費電力が小さく小型で安全性の高い頭部装着型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の頭部装着型表示装置1は、観察者の頭部に装着されて画像表示を行う頭部装着型表示装置であって、複数の有機EL素子を基板上に整列配置してなり、表示画像の1ライン分の帯状の光学像を内包する帯状光束Iを1ラインずつ時分割的に順次生成する帯状光束生成素子100と、帯状光束生成素子100によって時分割的に順次生成された複数ライン分の帯状光束Iの光路を帯状光束Iの幅方向に順次ずらして観察者の網膜上に結像させる光路変換素子200と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、観察者の頭部に装着されて観察者の視野領域に虚像を表示する頭部装着型表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)と呼ばれる頭部装着型の表示装置が開発されている。この頭部装着型表示装置では、観察者の眼前に設置した小型の光変調素子によって光学像を形成し、これを観察者の目に結像させることによって、画像表示を行う。光変調素子によって形成された光学像を、観察者の眼前に設置したハーフミラーで反射させ、外景と画像の双方を表示するタイプの頭部装着型表示装置も開発されている。
【0003】
光変調素子としては液晶パネルが広く用いられており、その解像度、色域については人間の視覚特性にほぼ匹敵する性能が実現されつつある。しかしながら、光変調素子が高精細化するに従って光変調素子のサイズも大きくなり、光変調素子を含めた画像生成光学系の小型化の妨げとなっていた。
【0004】
光源を小型化した頭部装着型表示装置としては、特許文献1に開示されている技術がある。この頭部装着型表示装置は、光束を2次元方向に走査する走査ユニットと、光源からの光束を走査ユニットに導く第1の光学系と、走査ユニットからの光束を収束させる第2の光学系と、第2の光学系からの収束光束が入射する回折光学素子と、回折光学素子からの光束を観察者の眼に導く接眼光学系とを有する構成である。光源としては、レーザー光源が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−46217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の頭部装着型表示装置では、レーザー光を直接観察者の眼(網膜)に導くので、安全性に課題がある。また、レーザー光は単色光であるため、光源としては3原色に対応した3つの光源が必要となる。そのため、製造コストが高くなり、3つのレーザー光を同期して駆動するための回路も複雑なものとなる。さらに、レーザー光源を駆動するための電力が大きいので、低消費電力が求められる携帯型の利用形態には向かないという問題もある。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、安価で消費電力が小さく小型で安全性の高い頭部装着型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の頭部装着型表示装置は、観察者の頭部に装着されて画像表示を行う頭部装着型表示装置であって、複数の有機EL素子を基板上に整列配置してなり、表示画像の1ライン分の帯状の光学像を内包する帯状光束を1ラインずつ時分割的に順次生成する帯状光束生成素子と、前記帯状光束生成素子によって時分割的に順次生成された複数ライン分の帯状光束の光路を前記帯状光束の幅方向に順次ずらして前記観察者の網膜上に結像させる光路変換素子と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、表示したい画像の1ライン分の解像度(画素数)を有する帯状光束生成素子を用意し、この帯状光束生成素子によって1ラインずつ時分割で生成された複数ライン分の光学像を光路変換素子によってその幅方向にずらしながら観察者の網膜上に結像させ、1画面分の画像を表示している。そのため、画像を生成するための光学素子(本発明の場合は帯状光束生成素子)の大きさを従来のものと比較して小さくすることができ、装置全体の小型化に寄与することができる。
【0010】
また、帯状光束生成素子として複数の有機EL素子を備えた有機ELパネルを用いているため、レーザー光源を用いる特許文献1の構成に比べて安全性が高く、コストも低減することができる。さらに、駆動電力がレーザー光源に比べて小さいので、電池の持ちが良く、携帯用途を想定した場合に非常に有利である。
【0011】
本発明の頭部装着型表示装置においては、前記帯状光束生成素子は、表示画像の第1方向と第2方向とのうち、相対的に解像度の低い前記第1方向の1ライン分の光学像を内包する帯状光束を1ラインずつ時分割的に順次生成し、前記光路変換素子は、前記帯状光束生成素子によって時分割的に順次生成された複数ライン分の帯状光束の光路を相対的に解像度の高い前記第2方向に順次ずらして前記観察者の網膜上に結像させることが望ましい。
【0012】
この構成によれば、少ない画素数の帯状光束生成素子で効率よく大画面の表示画像を形成することができる。そのため、頭部装着型表示装置のように画像光学系の設置面積が限られたデバイスにおいては、特に有効である。
【0013】
本発明の頭部装着型表示装置においては、前記光路変換素子が、前記帯状光束と平行な回転軸を有し、前記回転軸を中心として回転することにより前記帯状光束の光路の位置を前記回転軸と直交する方向に変化させる回転プリズムであることが望ましい。
【0014】
この構成によれば、簡単な構成で容易に帯状光束の光路を変換することができる。回転プリズムは表示画像の切り替えタイミングに合わせて回転駆動され、例えば、1フレーム期間内に1回転するように構成される。回転プリズムを用いた光路変換素子では、光路をシフトさせる速さは、回転プリズムの回転速度により容易に制御され、光路を変換する際の帯状光束の光のロスも少ない。また、反射板を左右に振って光路を変換する場合に比べて均一な照度分布を得ることができる。したがって、高画質で低消費電力な頭部装着型表示装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の頭部装着型表示装置の概略構成図である。
【図2】帯状光束生成素子の概略平面図である。
【図3】帯状光束生成素子の等価回路図である。
【図4】複数の帯状光束によって1画面分の画像が形成される様子を示す図である。
【図5】第2実施形態の頭部装着型表示装置の概略構成図である。
【図6】回転プリズムによる光路変換原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の頭部装着型表示装置の第1実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の頭部装着型表示装置1は、表示画像の垂直方向1ライン分(1画素列分)の帯状の光学像を内包する帯状光束Iを1ラインずつ時分割的で生成する帯状光束生成素子100と、帯状光束生成素子100によって時分割的に生成される複数ライン分の帯状光束Iの光路を前記帯状光束Iの幅方向(帯状光束の延在方向と直交する方向)に順次ずらして観察者の網膜上に結像させる光路変換素子200と、を備えている。
【0017】
帯状光束生成素子100は、表示したい画像(表示画像)の垂直方向1ライン分の画素を有する帯状の有機ELパネルである。帯状光束生成素子100には、赤色光学像を内包する赤色帯状光束Ir、緑色光学像を内包する緑色帯状光束Ig、青色光学像を内包する青色帯状光束Ibをそれぞれ形成するための赤色サブ画素列、緑色サブ画素列、青色サブ画素列(図示略)が設けられており、これら3原色の帯状光束Ir,Ig,Ibによって1ライン分(1画素列分)の帯状光束Iが形成されるようになっている。
【0018】
図2は帯状光束生成素子100の概略平面図である。帯状光束生成素子100は、各々が赤、緑、青の3つのサブ画素170R,170G,170Bを含む複数の画素171が一方向に整列配置されてなる有機ELパネルである。赤色サブ画素170R、緑色サブ画素170G、青色サブ画素170Bは、それぞれ一列ずつ設けられており、この3つのサブ画素列(赤色サブ画素列180R、緑色サブ画素列180G、青色サブ画素列180B)によって、図1に示した1ライン分の帯状光束I(赤色帯状光束Ir、緑色帯状光束Ig、青色帯状光束Ib)が形成されるようになっている。
【0019】
各サブ画素170R,170G,170Bには、陽極となる第1電極と有機発光層と陰極となる第2電極とが順次積層されてなる有機EL素子が形成されている。帯状光束生成素子100には、各サブ画素170R,170G,170Bに対応した複数の有機EL素子が帯状光束生成素子100を構成する図示略の基板上に一体に形成されている。
【0020】
図3は帯状光束生成素子100の等価回路図である。帯状光束生成素子100は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFT)を用いたアクティブマトリクス方式の有機ELパネルである。
【0021】
帯状光束生成素子100は、複数の走査線141と、各走査線141に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線142と、各信号線142に並列に延びる複数の電源線143とからなる配線構造を有する。走査線141と信号線142との各交点付近には、サブ画素170R,170G,170Bが形成されている。
【0022】
信号線142には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路120が接続されている。走査線141には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路130が接続されている。
【0023】
サブ画素170R,170G,170Bの各々には、走査線141を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT114と、スイッチング用TFT114を介して信号線142から供給される画像信号を保持する保持容量116と、該保持容量116によって保持された画像信号がゲート電極に供給される駆動用TFT115と、この駆動用TFT115を介して電源線143に電気的に接続したときに該電源線143から駆動電流が流れ込む第1電極(画素電極)111と、該第1電極111と第2電極112との間に挟み込まれた有機発光層113と、が設けられている。
【0024】
帯状光束生成素子100では、走査線141が駆動されてスイッチング用TFT114がオン状態になると、そのときの信号線142の電位が保持容量116に保持され、該保持容量116の状態に応じて、駆動用TFT115のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT115のチャネルを介して、電源線143から第1電極111に電流が流れ、さらに有機発光層113を介して第2電極112に電流が流れる。有機発光層113は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0025】
帯状光束生成素子100には、複数の赤色サブ画素170Rからなる赤色サブ画素列180Rと、複数の緑色サブ画素170Gからなる緑色サブ画素列180Gと、複数の青色サブ画素170Bからなる青色サブ画素列180Bと、が走査線141の延在方向に沿って1列ずつ設けられている。そして、これら3つのサブ画素列180R,180G,180Bによって垂直方向1ライン分の光学像を内包する帯状光束が生成されるようになっている。このような帯状光束は1フレーム期間内に1ラインずつ時分割的に生成される。
【0026】
図1に戻って、光路変換素子200は、その主面と平行な方向に延在する回動軸200Cを中心として回動可能に構成された反射板からなる。反射板200は、帯状光束生成素子100による帯状光束Iの生成タイミングに合わせて回動するように構成されている。帯状光束生成素子100によって次々と生成される複数ライン分の帯状光束Iの光路は反射板200によって帯状光束Iの幅方向に順次ずらして観察者の網膜上に結像される。これにより、観察者の網膜上に複数ライン分の帯状の光学像からなる1画面分の表示画像が表示されるようになっている。
【0027】
次に、図1及び図4を参照しながら、頭部装着型表示装置1の動作を説明する。図4は、帯状光束生成素子100によって時分割的に生成された光学像I(IB1〜IB1280)によって、観察者の網膜上に1画面分の画像が形成される様子を示す図である。図4では、WXGA(水平方向1280画素、垂直方向768画素)の解像度を有する画像を表示する場合を例に挙げて説明する。
【0028】
図1において、帯状光束生成素子100は、表示画像の垂直方向1ライン分に相当する光学像を内包する帯状光束I(IB1〜IB1280:図4参照)を1ラインずつ時分割的に生成する。この帯状光束Iは集光レンズ300によって光路変換素子である反射板200上に集光され、回動する反射板200によってその光路を順次ずらして出射される。
【0029】
反射板200で反射された複数ライン分の帯状光束Iは、平行化レンズ400及び導光体500を介して観察者の網膜上に順次結像される。反射板200では、帯状光束生成素子200から次々と生成された複数ライン分の帯状光束Iが、観察者の網膜上で互いに隣接して結像されるように、その回動角度と回動タイミングが制御される。
【0030】
例えば、図4に示すように、観察者の網膜上にWXGAの解像度を有する表示画像Iを表示する場合、帯状光束生成素子100で生成される帯状光束IB1〜IB1280は、それぞれ垂直方向768画素、水平方向1画素の帯状の光学像を内包する垂直方向に細長い光束である。
【0031】
反射板200では、1ライン目の帯状光束IB1を観察者の網膜上の所定の位置に結像させたら、2ライン目の帯状光束IB2を1ライン目の帯状光束IB1が結像された位置と隣接する位置に結像させる。同様に、3ライン目以降の帯状光束IB3〜IB1280についても、直近の帯状光束が網膜上で結像された位置と隣接する位置に結像させるように、反射板200の回動角度及び回動タイミングが制御される。
【0032】
こうすることで、観察者の網膜上には、1フレーム期間内に、1280ライン分の帯状光束IB1〜IB1280が水平方向に1画素ずつ順次ずれた状態で結像される。その結果、垂直方向768画素、水平方向1280画素の解像度を有する1画面分の画像が観察者に認識されることとなる。
【0033】
以上のように、本実施形態の頭部装着型表示装置1では、表示したい画像の垂直方向1ライン分の解像度(画素数)を有する帯状光束生成素子100を用意し、この帯状光束生成素子100によって1ラインずつ時分割で生成された複数ライン分の光学像を光路変換素子200によって水平方向にずらしながら観察者の網膜上に結像させ、1画面分の画像を表示している。そのため、画像を生成するための光学素子(本実施形態の場合は帯状光束生成素子)の大きさを従来のものと比較して小さくすることができ、装置全体の小型化に寄与することができる。
【0034】
また、帯状光束生成素子100として有機ELパネルを用いているため、レーザー光源を用いる特許文献1の構成に比べて安全性が高く、コストも低減することができる。さらに、駆動電力がレーザー光源に比べて小さいので、電池の持ちが良く、携帯用途を想定した場合に非常に有利である。
【0035】
なお、本実施形態では、帯状光束生成素子100で垂直方向1ライン分の光学像を含む帯状光束を時分割的に順次生成し、それを水平方向に順次ずらして網膜上に結像させることにより、1画面分の画像を表示したが、これとは逆に、帯状光束生成素子100で水平方向1ライン分の光学像を含む帯状光束を時分割的に順次生成し、それを水平方向に順次ずらして網膜上に結像させることにより、1画面分の画像を表示しても良い。
【0036】
しかし、映画やテレビ等で表示する画像では、通常、垂直方向が水平方向に比べて解像度(画素数)が低いので、垂直方向1ライン分の帯状光束を生成してそれを水平方向に順次ずらして結像させるほうが、帯状光束生成素子の大きさを小さくすることができるので好適である。
【0037】
[第2の実施の形態]
図5は、本発明の頭部装着型表示装置の第2実施形態を示す概略構成図である。本実施形態の頭部装着型表示装置2において第1実施形態の頭部装着型表示装置1と共通する構成については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0038】
本実施形態において第1実施形態と異なる点は、第1実施形態では光路変換素子200として反射板を用いたのに対し、本実施形態では光路変換素子600として回転プリズムを用いた点である。
【0039】
回転プリズム600は、帯状光束Iと平行な回転軸600Cを有し、回転軸600Cを中心として回転することにより帯状光束Iの光路の位置を回転軸600Cと直交する方向に変化させる。回転プリズム600は、表示画像の切り替えタイミングに合わせて回転され、例えば、1フレーム期間内に1回転するように回転駆動されるようになっている。回転プリズム600と反射板200の光路変換原理は、前者が屈折であるのに対し後者が反射である点で異なるが、光路変換素子としての機能は同じである。
【0040】
図6は、回転プリズム600による光路変換原理を示す図である。図6(a)に示すように、回転プリズム600の回転位相が、帯状光束Iが入射する面と光軸Lとが垂直となる位相の場合、図中左側から回転プリズム600に入射した帯状光束Iは屈折せずに直進して図中右側へ射出される。
【0041】
図6(b)は、回転プリズム600が、回転軸600Cを中心として、図6(a)に示す回転位相から図中の矢印の方向に回転するときの途中の一状態を示している。この場合は、図中左側から回転プリズム600に入射する帯状光束Iは回転プリズムの構成材料(透光性材料)と空気との界面で屈折し、図中下側に略平行に光路をシフトして図中右側へ射出される。
【0042】
図6(c)は、回転プリズム600が図6(b)に示す回転位相から更に所定角度だけ回転したときの一状態を示している。この場合は、帯状光束Iは、図6(b)とは逆方向に略平行に光路をシフトし、図中右側へ射出される。
【0043】
図6(d)は、回転プリズム600が図6(c)に示す回転位相から更に所定角度だけ回転し、図6(a)と同じ回転位相に戻った状態を示している。この場合は、図6(a)の場合と同様に、図中左側から回転プリズム600に入射する帯状光束Iは屈折されずに直進し、図中右側へ射出される。
【0044】
以上のように、帯状光束Iは回転プリズム600の回転に伴って、その光路を光軸Lに対して略平行な状態で、光軸Lと直交する方向に連続的にシフトさせながら射出される。なお、図6における帯状光束Iの光軸Lからのシフト量(光軸Lと直交する方向への変位量)は、プリズムを形成する透光性材料の屈折率と寸法、及びプリズムの回転角などに依存する。
【0045】
以上のように、回転プリズム600を用いた構成でも、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。回転プリズム600の場合、反射板200を回転する場合と比較して、光路をシフトさせる速さは、回転プリズム600の回転速度により容易に制御され、光路を変換する際の帯状光束Iの光のロスも少ない。また、反射板200を左右に振って光路を変換する場合に比べて均一な照度分布を得ることができる。したがって、高画質で低消費電力な頭部装着型表示装置2が提供できる。
【符号の説明】
【0046】
1,2…頭部装着型表示装置、100…帯状光束生成素子、200…反射板(光路変換素子)、600…回転プリズム(光路変換素子)、I…帯状光束、I…表示画像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察者の頭部に装着されて画像表示を行う頭部装着型表示装置であって、
複数の有機EL素子を基板上に整列配置してなり、表示画像の1ライン分の帯状の光学像を内包する帯状光束を1ラインずつ時分割的に順次生成する帯状光束生成素子と、
前記帯状光束生成素子によって時分割的に順次生成された複数ライン分の帯状光束の光路を前記帯状光束の幅方向に順次ずらして前記観察者の網膜上に結像させる光路変換素子と、を備えていることを特徴とする頭部装着型表示装置。
【請求項2】
前記帯状光束生成素子は、表示画像の第1方向と第2方向とのうち、相対的に解像度の低い前記第1方向の1ライン分の光学像を内包する帯状光束を1ラインずつ時分割的に順次生成し、
前記光路変換素子は、前記帯状光束生成素子によって時分割的に順次生成された複数ライン分の帯状光束の光路を相対的に解像度の高い前記第2方向に順次ずらして前記観察者の網膜上に結像させることを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項3】
前記光路変換素子が、前記帯状光束と平行な回転軸を有し、前記回転軸を中心として回転することにより前記帯状光束の光路の位置を前記回転軸と直交する方向に変化させる回転プリズムであることを特徴とする請求項1又は2に記載の頭部装着型表示装置。
【請求項4】
前記回転プリズムは、表示画像の切り替えタイミングに合わせて回転駆動されることを特徴とする請求項3に記載の頭部装着型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−243691(P2010−243691A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90801(P2009−90801)
【出願日】平成21年4月3日(2009.4.3)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】