説明

頭髪処理剤塗布具

【課題】頭髪の保持性に優れ、櫛歯間に頭髪を保持しながら該頭髪に対して頭髪処理剤を安定して塗布することができる頭髪処理剤塗布具を提供すること。
【解決手段】本発明の頭髪処理剤塗布具1は、環状に配置された複数の櫛歯22からなる櫛部23を備えており、櫛部23は、櫛歯22どうし間の間隔Pを拡縮可能である。頭髪処理剤塗布具1は、頭部(頭皮S等)に押し付けた後、その押し付けを解除することで、櫛歯22どうし間に頭髪Hを捕捉する機構を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪処理剤塗布具に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の櫛歯からなる櫛部を有する塗布具を用いて頭髪に染毛剤等の頭髪処理剤を塗布する技術が知られている。
例えば、本出願人は、櫛歯が直列した複数の櫛歯列によって両側を挟まれた中央部分から塗布液を吐出させ、該塗布液を、櫛歯列で頭髪を梳きながら頭髪に塗布できるようにした櫛歯付き塗布用具を提案している(特許文献1参照)。この櫛歯付き塗布用具によれば、櫛歯列間に塗布液を吐出させた後、櫛歯列間に塗布液を一旦保持した状態で、塗布用具を頭髪に当てることができる。
【0003】
しかし、特許文献1の図2に示されるように、櫛歯の直径が櫛歯の高さ方向の略全域で等しい場合、例えば、頭頂部付近から首や肩上に亘る長い範囲の髪に連続して塗布液を塗布しようとしても、首上に位置する髪からその毛先に向って塗布する際に、髪が頭皮によって裏側から支持されていないこと、および毛先に向かうに従い髪量が減少することに起因にして、該髪が櫛歯間から抜ける場合があることが予想される。
【0004】
特許文献2には、櫛歯の先端側の側面に、容器内の流体を排出する滴下孔の開口部を設けるともに、該開口部より先端側に該開口部に近接して瘤部を形成した塗布具が記載され、特許文献3には、複数の櫛歯が直線状に配列された櫛部における櫛歯の上端に、下面が櫛歯片の中心軸心に対して直角近傍の角度をなすように形成された突片を設けることが記載されている。
しかし、特許文献2及び3の技術は、櫛歯から剤を排出する技術であり、長い頭髪の頭頂部側から毛先側の長い範囲に剤を安定して塗布することは困難である。
【0005】
特許文献4には、剤吐出口の近傍に、先端側が鈎状に屈曲した一対の突起を設けたものが記載されており、特許文献5には、剤吐出口の周囲に、複数の突起を円錐台状に配列させて設けたものが記載されている。
しかし、特許文献4の技術は、一対の前記突起を意図的に変形可能とする技術ではないため、一対の突起間に、先端側に設けた隙間を介して頭髪が挿入されても、その隙間から頭髪が抜け易い。特許文献5の技術も、突起間に頭髪を安定に保持することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−160240号公報
【特許文献2】実開平1−158729号公報
【特許文献3】特開2001−275752号公報
【特許文献4】US2008087292A
【特許文献5】US2007251537A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、頭髪の保持性に優れ、櫛歯間に頭髪を保持しながら該頭髪に対して頭髪処理剤を安定して塗布することができる頭髪処理剤塗布具に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、環状に配置された複数の櫛歯からなる櫛部を備えた頭髪処理剤塗布具であって、前記櫛部は、櫛歯どうし間の間隔を拡縮可能であり、頭髪処理剤塗布具を頭部に押し付けた後、その押し付けを解除することで、前記櫛歯どうし間に頭髪を捕捉する機構を備えている頭髪処理剤塗布具を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の頭髪処理剤塗布具は、頭髪の保持性に優れ、櫛歯間に頭髪を保持しながら該頭髪に対して頭髪処理剤を安定して塗布することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の頭髪処理剤塗布具の第1実施形態を示す一部破断側面図である。
【図2】図2は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の、櫛部の進退方向に沿う断面図である。
【図4】図4は、図1の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の部分断面斜視図であり、(a)は、前進状態の櫛部を頭部に軽く当接させた状態を示す図、(b)は、櫛部に保持した頭髪に頭髪処理剤を塗布する様子を示す図である。
【図5】図5は、図1の頭髪処理剤塗布具における櫛歯に囲まれた空間内に液状又は泡状の頭髪処理剤を貯留させた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1の頭髪処理剤塗布具に用いたラッチ機構の説明図である。
【図7】図7は、本発明の頭髪処理剤塗布具の第2実施形態を示す一部破断側面図である。
【図8】図8は、図7の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部及びその近傍の拡大斜視図である。
【図9】図9は、図7の頭髪処理剤塗布具における櫛部を形成する部材(櫛部形成部材)を示す断面図である。
【図10】図10は、図7の頭髪処理剤塗布具の剤塗布部の部分断面斜視図であり、(a)は、櫛部を頭部に押し当て第2の櫛歯を外周方向に拡げた状態を示す図、(b)は、頭部に押し当てる力をやや弱めた状態を示す図であり、(c)は、頭部に押し当てる力を更に弱めて、第1の櫛歯と第2の櫛歯との間に、頭髪を捕捉した状態を示す図である。
【図11】本発明の更に他の実施形態を示す図であり、(a)は櫛部形成部材の斜視図、(b)は、櫛部形成部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の第1実施形態である頭髪処理剤塗布具1(以下、頭髪処理剤塗布具1ともいう)は、図2及び図3に示すように、環状に配置された複数の櫛歯22からなる櫛部23を備えている。櫛部23は、図4に示すように、櫛歯22どうし間の間隔Pを拡縮可能であり、頭髪処理剤塗布具1を頭部の頭皮S等に押し付けた後、その押し付けを解除することで、櫛歯22どうし間に頭髪Hを捕捉する機構を備えている。
【0012】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1について、より詳細に説明する。
頭髪処理剤塗布具1は、図1に示すように、複数の櫛歯22からなる櫛部23を有する剤塗布部2と、頭髪処理剤の塗布作業を行う際に手に持つ部分である把持部4とを有している。また、頭髪処理剤塗布具1は、把持部4と剤塗布部2との間に延長部5を有している。延長部5は、把持部4と剤塗布部2との間に間隔を設けて、後頭部等への頭髪処理剤6の塗布作業を容易とするものである。
【0013】
剤塗布部2は、頭髪に接触させる部分であり、頭髪を櫛部23で梳きながら該頭髪に頭髪処理剤6を塗布可能である。
本実施形態における剤塗布部2は、図3及び図4に示すように、平面視円形状の櫛歯台20を備えており、複数本の櫛歯22が、該櫛歯台20の中央部の周囲を囲むように立設されている。これらの櫛歯22によって、櫛歯台20上に、円筒状の櫛部23が形成されている。
櫛部23を構成する櫛歯22は、相隣接する櫛歯どうし間に所定の間隔Pを設けて、平面視略円形の環状に配置されている。櫛歯22及び櫛歯台20は、合成樹脂により一体成形されている。櫛歯22は、嵌合、融着、接着又はこれらの組み合わせ等によって櫛歯台20に固定されていても良い。
【0014】
櫛歯22は、円筒状の櫛部23の外周方向から押圧されて弾性変形し、その弾性変形により円筒状の櫛部23の直径が減少すると共に櫛歯22,22間の間隔Pが減少するように設けられている。また、櫛歯22は、櫛部23の外周方向からの押圧力の消失又は低下により元の状態に戻り、それに伴い櫛歯22,22間の間隔Pが増大する。
櫛歯22を弾性変形可能とする観点から、櫛歯22は、熱可塑性汎用樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリルニトリル/スチレン樹脂、アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル等、および熱可塑性エンジニアリングプラスチックであるポリカーボネイト、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、フッ素樹脂等、又は熱硬化性樹脂のエポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和ポリエステル樹脂等から形成されていることが望ましく、特に機械的強度、耐薬品性、価格の面を考慮してポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂から形成されていることが好ましい。
【0015】
本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、図1に示すように、頭髪処理剤6を収容する容器部40を備えており、前記把持部4は該容器部40の一部からなる。容器部40は、内部に収容した頭髪処理剤6を剤塗布部2に供給可能であり、延長部5を形成する延長部材50には、頭髪処理剤6を容器部40内から剤塗布部2に供給するための剤導出路51が形成されている。櫛歯台20における、櫛歯22に囲まれた中央部分には、頭髪処理剤6が吐出される剤吐出口21が開口している。換言すれば、櫛部23を構成する櫛歯22は、剤吐出口21の周囲を囲むように環状に配置されている。
【0016】
なお、本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、頭髪処理剤6を収容する容器部40を有すると共に剤塗布部2に頭髪処理剤6を吐出させる剤吐出口21を有するものであるが、本発明の頭髪処理剤塗布具は、容器部40や剤吐出口21を有しないものでも良い。剤塗布部2に剤吐出口21を有しない場合であっても、櫛歯22で囲まれた空間25内(以下、筒状の櫛部23内ともいう)に、頭髪処理剤を別の容器等から直接注入等することにより、本実施形態と同様にして頭髪処理剤の塗布を行うことができる。
【0017】
本実施形態の頭髪処理剤塗布具1は、図3及び図4に示すように、櫛部23を進退可能に支持する進退機構3を備えている。
そして、頭髪処理剤塗布具1は、櫛部23を進退させることにより、図3及び図4(a)に示す、櫛歯22,22間の間隔Pが広い状態(以下、開状態ともいう)と、図4(b)に示す、櫛歯22,22間の間隔Pが狭い状態(以下、閉状態ともいう)とを切り替え可能である。
【0018】
より具体的には、本実施形態の頭髪処理剤塗布具1における進退機構3は、ラッチ機構を備えており、櫛部23を、図3及び図4(a)に示す前進状態と図4(b)に示す後退した状態とに、それぞれ保持可能である。そして、櫛部23は、その前進状態においては前記開状態が維持され、その後退状態においては、前記閉状態が維持される。即ち、櫛部23を前進させて前記開状態とした後、外力を加えない状態で放置しても、その状態がそのまま安定に維持され、また、櫛部23を後退させて前記閉状態とした後に、外力を加えない状態で放置しても、その状態がそのまま安定に維持される。
【0019】
本実施形態における進退機構3は、図3及び図4に示すように、一端が櫛歯台20に結合した進退軸31と、該進退軸31を進退可能に支持するケース体35とを有している。以下、櫛部23や進退軸31が進退する方向(図3中X方向)のうち、櫛部23を後退させる際の進退軸31等の移動方向(図3中B方向)を後方、櫛部23を前進させる際の進退軸31等の移動方向(図3中F方向)を前方ともいう。
【0020】
ケース体35は、円筒状(即ち断面略円形の筒状)をなし、その側面において、延長部材50の先端部と結合している。ケース体35は、図3に示すように、櫛部23の進退方向(X方向)における中央部又はその付近に、貫通孔36aを有する軸支持壁36を備えており、進退軸31は、貫通孔36aを貫通した状態で、摺動可能に支持されている。進退軸31は、後方B側の端部近傍に、トレース突起32a,32bを有する回転子32が回転自在に取り付けられている。トレース突起32a,32bは、回転子32の周面に、互いに逆向きに突出するように設けられている。
櫛歯台20と軸支持壁36との間には、進退軸31の周囲を囲むように、コイルバネ33が配されており、コイルバネ33により、進退軸31や、それに結合した櫛歯台20やトレース突起32a等は、櫛部23の前進方向(F方向)に向かって常時付勢されている。
【0021】
ケース体35における軸支持壁36より後方の内面には、ラッチ溝30が周方向に沿って形成されている。回転子32は、その周囲に互いに逆向きに突出するように設けられた2つのトレース突起32a,32bのそれぞれをラッチ溝30に挿入した状態で進退軸31の周囲を回転する。
【0022】
ラッチ溝30は、図6に示すように、前方F側の壁面が前方カム37、後方B側の壁面が後方カム38となっている。
前方カム37は、第1前方谷部37aと、それより後方(図3,6中、B方向)に位置する第2前方谷部37bと、ラッチ溝30の周方向(Y方向)において、それらの間に位置する前方山部37c,37dとを有している。
後方カム38は、第1後方谷部38aと、第2後方谷部38bと、ラッチ溝30の周方向(Y方向)において、それらの間に位置する後方山部38c,38dとを有している。
図6は、ラッチ溝30のケース体周方向の展開図であり、左右のA線は、非展開状態では同位置である。図6に示すように、本実施形態におけるラッチ溝30には、同一形態の溝部分が周方向に2回繰り返し形成されている。
【0023】
櫛部23が、図3及び図4(a)に示すように前進した状態においては、進退軸31に設けられたトレース突起32a,32bは、図6中のP1,P2の位置にあり、それぞれ、コイルバネ33の付勢力(弾性復元力)により、前方カム37の第1前方谷部37aに押し付けられている。これにより、櫛部23の前進状態が安定に維持され、同時に櫛歯22間の間隔Pが広い状態も安定に維持される。
【0024】
次いで、その状態の櫛部23を頭部の頭皮S等に押し付け、該櫛部23に、コイルバネ33の付勢力に抗して進退軸31を後退させる力を与えると、トレース突起32a,32bは、矢印A1,A2に示す経路で、後方カム38に沿って第1後方谷部38aに移動する。そして、その状態で、櫛部23の押圧を解除すると、トレース突起32a,32bは、コイルバネ33の付勢力(弾性復元力)により、矢印A3,A4に示す経路で、前方カム37に沿って第2前方谷部37bに移動する。その状態においては、トレース突起32a,32bは、それぞれ、コイルバネ33の付勢力(弾性復元力)により、第2前方谷部37bに押し付けられている。そのため、櫛部23の後退状態が安定に維持され、同時に櫛歯22間の間隔Pが狭い状態も安定に維持される。
【0025】
櫛部23を、図4(b)に示す後退状態から図3や図4(a)に示す前進状態に戻すためには、櫛部23を頭部の頭皮S等に再び押し付けたり、櫛部23を指等で押したりした後、その押圧を再び解除すれば良い。これにより、トレース突起32a,32bは、矢印A5,A6及びA7に示す経路で、第1前方谷部37b,37aに移動し、コイルバネ33の付勢力(弾性復元力)により、第1前方谷部37b,37aに押し付けられた状態となり、その状態においては、櫛部23の前進状態が安定に維持され、同時に櫛歯22間の間隔Pが広い状態も安定に維持される。なお、図6の各矢印A1〜A7の先端部及び末端部は、各位置でのトレース突起32a,32bの中心を模式的に表している。
【0026】
本実施形態における櫛部23は、図3に示すように、該櫛部23を構成する個々の櫛歯22が湾曲しており、それにより、櫛部23に、先端23bに向かうにつれて外周方向(櫛部23の中心軸Cから離れる方向)に広がる外向き傾斜部分23cと、先端23bに向かうにつれて内周方向(櫛部23の中心軸Cに近づく方向)に縮まる内向き傾斜部分23dとが形成されている。
そして、櫛部23を後退させる際、即ち、櫛部23を、図3や図4(a)に示す前進状態から図4(b)に示す後退状態へと切り替える際に、櫛部23の外周部、より具体的には、外向き傾斜部分23cにおける外周部が、ケース体35の開口周縁部39に当接して押圧され、それにより、複数の櫛歯22が、櫛部23が縮径するように弾性変形し、その弾性変形により櫛歯間の間隔Pが減少する。
【0027】
本実施形態の頭髪処理剤塗布具1においては、図3に示すように、ケース体35の一端に存する開口周縁部39の内面寄り部分が、櫛部23の外周部に当接して、該櫛部23を縮径させる櫛部押圧部39aとなっている。櫛部押圧部39aの内径は、櫛部23の外径との関係で決められている。即ち、図3及び図4(a)に示す櫛部23の前進状態においては、櫛部23の外周面が、櫛部押圧部39aに接触しないか又は櫛部押圧部39aに弱く押圧される程度とする一方、図4(b)に示す櫛部23の後退状態においては、櫛部23の外周面が、櫛部押圧部39aに強く押圧されて櫛部23の外径が縮小し、櫛歯間の間隔Pが減少するようにしてある。櫛部押圧部39aは、本実施形態におけるように環状であることが好ましく、環状の櫛部押圧部39aの内径d1は、櫛部23の基端部(櫛歯台20の表面)における外径d2より大きく、櫛部23の最大径、特に外向き傾斜部分23cの最大径d3よりも小さいことが好ましい。
【0028】
頭髪処理剤塗布具1における前記容器部4は、図1に示すように、スクイズ可能な有底筒状の外容器42と、外容器42内に配置され、口部が外容器42の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋43とを有する容器本体41と、容器本体41の口部に取り付けられる逆止弁44付きの接続キャップ45とからなり、外容器42を片手で把持してその片手でスクイズすることにより、外容器42自体又は外容器42と内袋43との間の空気が、内部の内袋43を押圧し、それにより内袋43内の頭髪処理剤6が押し出され、液導出路51を介して剤塗布部2に供給され、剤塗布部2内の流路26を通って剤吐出口21から吐出される。剤塗布部2内の流路26は、ケース体35内における、櫛歯台20の裏面と軸支持壁36との間の空間34と、進退軸31に形成された横孔34a及び縦孔34bとからなる。横孔34aは、進退軸31の周側面の周方向における一又は複数箇所に形成されている。
【0029】
図1に示す頭髪処理剤塗布具1においては、外容器42の円筒状の口部に、外容器42と内袋43との間の空間と、外容器42の外部とを連通する吸入孔42aが形成されている。そして、押圧されて変形した外容器42が、弾性復元力により元の状態に戻るときに、容器1の外部の空気が、接続キャップ45の下端と外容器42との間に設けた隙間42b及び前記の吸入孔42aを通って、外容器42と内袋43との間に流入する。容器部4は、このような構成を有することで、外周面を押圧して変形させる操作を繰り返すことにより、内容物である頭髪処理剤を徐徐に剤吐出口から吐出させることができる。
【0030】
容器部4に、このような2重構造の容器を用いることにより、内部の頭髪処理剤6の残量が減っても、容器部4がしぼんで把持しにくくなることを防止できる。また、接続キャップ45や、容器部4内の空間と剤吐出口21とを連通する液導出路51等に逆止弁44を設けて、剤の吐出後に空気が液導出路51や容器部4に逆流することを防止することにより、次回の吐出の際に、剤が出にくくなったり剤が飛び散ったりすることを防止することができる。
なお、接続キャップ45の端部からケース体35の外周面までの距離L(図1参照)は、後頭部等への塗布作業の容易等の観点から、40〜200mmであることが好ましく、より好ましくは70〜120mmである。
【0031】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1を用いた頭髪処理剤の塗布方法の好ましい一例について説明する。
先ず、容器部4の容器本体41から接続キャップ45を取り外して、容器部4内に頭髪処理剤6を充填した後、再び接続キャップ45を取り付ける。また、櫛部23を、指などで押して前進状態として、櫛部23の櫛歯22,22どうし間の間隔Pが拡大した状態としておく。頭髪処理剤6は、外部で配合したものを充填しても良いし、容器部4内で攪拌混合して作成しても良い。
そして、把持部4を片手で把持して繰り返しスクイズすることにより、容器部40内の頭髪処理剤6を剤塗布部2に送り、剤吐出口21から頭髪処理剤6を吐出させる。そして、図5に示すように、筒状の櫛部23の内側に所望の量の頭髪処理剤6を溜め、その状態を維持したまま、剤塗布部2を頭部に移動させる。そして、剤塗布部2における、櫛部23の先端側を、頭髪H上から頭皮に軽く押し当てる。この押し当てにより、図4(a)に示すように、櫛歯22,22間の隙間に、頭髪Hがスムーズに入り込む。そして、櫛部23を頭皮に押し付ける力を強めると、櫛部23が後退し、それに伴い、櫛部23の外周部が、櫛部押圧部39aに押圧されて該櫛部23が縮径し、同時に櫛部23の櫛歯22,22どうし間の間隔Pが減少する。これにより、櫛歯22,22どうし間の間隔Pが、頭皮に押し付ける前の間隔に対して大きく減少するか又は好ましくはゼロとなる。これにより、櫛歯22,22どうし間の隙間に頭髪Hが捕捉される。間隔Pがゼロとは、櫛歯22どうしが部分的に接触した状態である。
【0032】
第1実施形態の頭髪処理剤塗布具1によれば、このようにして、櫛歯22,22どうし間の隙間に頭髪Hを効率良く捕捉することができる。そして、その状態で、剤塗布部2を、櫛部23で頭髪を梳くようにして、頭髪Hの毛先方向に向けて移動させれば、櫛歯22間に保持した頭髪に対して頭髪処理剤6を安定して塗布することができる。
そのため、例えば、人の首や肩上に延びた頭髪等、裏側から頭皮によって支持されていない部分の頭髪に対して頭髪処理剤を塗布する場合や、髪の太さや髪の本数が減る毛先寄りの部位に頭髪処理剤を塗布する場合においても、その部分の頭髪に対して頭髪処理剤を安定的に塗布することができる。
また、頭頂部付近から首や肩上に亘る長い範囲の頭髪に対して頭髪処理剤を塗布することも容易である。また、櫛部23に、筋状にヘアカラーを塗布して筋状に部分染色を施すことも容易であり、その仕上がりも綺麗である。
【0033】
櫛歯間への頭髪の取り込み性及び櫛歯間に頭髪を保持する頭髪保持性の向上の観点から、櫛歯間の間隔Pは、間隔最大時時の間隔(本実施形態では櫛部の前進状態の間隔)が、0.2〜10mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜3mmであり、間隔最小時の間隔(本実施形態では櫛部の後退状態の間隔)が0.2mm以下であることが好ましく、より好ましくはゼロである。
ここで、櫛歯間の間隔Pは、筒状の櫛部23の周方向において隣り合う櫛歯間の、櫛歯先端側に存する最接近部の直線距離である。第1実施形態における櫛歯22は、湾曲した棒状部の先端に球状部22aを有しており、櫛歯間の間隔Pは、球状部どうし間の最短距離である。
また、櫛歯間の間隔Pが最大の状態(櫛部23の前進状態)において、櫛部23の高さ(本実施形態ではケース体35から突出する部分の長さ)は、5〜40mmであることが好ましく、より好ましくは10〜25mmである。
【0034】
櫛部23及び頭髪処理剤6は、図5に示すように、櫛部23を上方に向けて、頭髪処理剤6を吐出させたとき、あるいは櫛部23を上方に向けて、櫛部23の内側の空間内に頭髪処理剤6を注入したときに、筒状の櫛部23の内側の空間内に、頭髪処理剤6を所定量貯留可能であることが好ましい。
頭髪処理剤6としては、ヘアカラー等の染毛剤、ブリーチ剤、整髪剤、育毛剤、ヘアケア剤等の各種公知の頭髪処理剤を用いることができ、そのそれぞれの組成も特に制限されない。しかし、頭部から離れた位置において、筒状の櫛部23内に、頭髪処理剤6を吐出させたり、頭髪処理剤6を別の容器等から注入したりした後に、その剤を筒状の櫛部23内からこぼれないようにしながら頭部まで運べるようにする観点からは、頭髪処理剤6は、ある程度の粘度を有する液状(クリーム状のものや固形分や気体分を含む液状のものを含む)のもの又は泡状のものであることが好ましい。剤吐出口21から泡状に吐出する頭髪処理剤は、容器部4に充填する時点で泡状のもの、容器部4内で泡状に変化したもの、容器部4と剤吐出口21との間等で泡状に変化したもの等の何れであってもよい。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2実施形態である頭髪処理剤塗布具1Aを示す図であり、図8は、頭髪処理剤塗布具1Aの剤塗布部及びその近傍を示す斜視図である。
第2実施形態の頭髪処理剤塗布具1Aは、剤塗布部2A以外は、第1実施形態と同様の構成を有している。従って、第2実施形態については、主として第1実施形態と異なる点について説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。第2実施形態について、特に説明しない点については、第1実施形態について上述した説明(より好ましい構成の説明等も含む)が適宜適用される。
【0036】
第2実施形態における剤塗布部2Aは、図7、図8に示すように、剤吐出口21を有する櫛歯台20と、環状に配置された複数の櫛歯220からなる櫛部23Aを有している。第2実施形態における櫛部23Aは、櫛部23Aを構成する櫛歯220として、図8及び図9に示すように、第1の櫛歯221、及び第1の櫛歯221より高さが高い第2の櫛歯222を有しており、第2の櫛歯222は、図10に示すように、頭髪処理剤塗布具1Aを頭部に押し付けたときに、その先端側が櫛部23Aの外周方向(櫛部23Aの中心軸Cから離れる方向)に移動するように変形して、第1の櫛歯221との間の間隔Pが拡大するように設けられている。
【0037】
第1の櫛歯221及び第2の櫛歯222は、櫛歯台20の中央部の周囲(本実施形態では剤吐出口21の周囲)を囲むように立設されており、これらの櫛歯221,222によって、櫛歯台20上に、円筒状の櫛部23Aが形成されている。第1の櫛歯221と第の櫛歯222は、筒状の櫛部23Aの周方向に交互に配置されている。
【0038】
第1の櫛歯221の高さT1(図9参照)は、3〜30mmであることが好ましく、より好ましくは5〜20mmである。第2の櫛歯222の高さT2(図9参照)は、第1の櫛歯221の高さT1に比べて、1〜10mm高いことが好ましく、2〜5mm高いことがより好ましい。
また、第2の櫛歯222は、弾性変形可能とする観点から、第1実施形態の櫛歯22と同様の材料から形成されていることが好ましい。第1の櫛歯221の形成材料は、第2の櫛歯222の形成材料と同一でも異なっていても良い。また、第1の櫛歯221は、第2の櫛歯222よりも曲げ剛性が高いことが好ましい。
【0039】
図9に示すように、第1の櫛歯221は、櫛部23Aの中心軸Cと略平行に形成されている。他方、第2の櫛歯222は、櫛歯台20の表面から第1の櫛歯221の先端の高さ位置P4までの部分である本体部22aと、第1及び第2の櫛歯221,222の突出方向において、第1の櫛歯221の先端の高さ位置P4よりも更に延出した変形促進部22bを有する。変形促進部22bは、第2の櫛歯222の先端に向かうにつれて中心軸Cから離れるように傾斜している。
【0040】
本実施形態における第2の櫛歯222の本体部22aは、櫛部23Aの中心軸Cと略平行に形成され、換言すれば、第1の櫛歯221と略平行に形成されている。他方、第2の櫛歯222の変形促進部22bは、図9に示すように、本体部22a側から櫛歯222の先端に向かうにつれて櫛部23Aの外周方向に向かうように湾曲しており、櫛部23Aを、櫛歯222の先端側から頭部の頭皮S等に押し付けるときに、第1の櫛歯221に先立ち頭皮Sに当接して、第2の櫛歯222を、第1の櫛歯221との間の間隔Pが拡大するように変形させる。なお、本実施形態における第1の櫛歯221は、高さ方向中央部付近から先端付近までが、先端に向かうにつれて直径及び/又は櫛部周方向の幅が漸増するテーパー部となっているが、全長に亘って直径及び前記幅が一定であっても良いし、先端に向かうにつれて直径及び/又は櫛部周方向の幅が減少する先細の形状であっても良い。又、第1の櫛歯221は本体部の上に球状等の突起を有する形状であっても良い。
【0041】
本実施形態における第2の櫛歯222は、図8及び図9に示すように、その先端側に、櫛歯222の高さ方向と交差する方向に突出する側部突起22cを備えている。側部突起22cは、第1の櫛歯221の先端の高さ位置P4と略同じ位置に、互いに逆向きに突出するように一対設けられている。側部突起22cそれぞれが突出する長さは、櫛部間の隙間への頭髪の取り込み性の向上等の観点から、隣の側部突起とぶつからない範囲でできるだけ大きく取ることが好ましい。本実施形態における、第1の櫛部221と第2の櫛部222との間の間隔Pは、側部突起22cと第1の櫛部221とが最も接近する部分における両櫛部221,222間の間隔である。
【0042】
第2実施形態の頭髪処理剤塗布具1Aを用いた頭髪処理剤の塗布方法の好ましい一例について説明する。
先ず、容器部4の容器本体41から接続キャップ45を取り外して、容器部4内に頭髪処理剤6を充填した後、再び接続キャップ45を取り付ける。
そして、把持部4を片手で把持して繰り返しスクイズすることにより、容器部40内の頭髪処理剤6を剤塗布部2に送り、剤吐出口21から頭髪処理剤6を吐出させる。そして、筒状の櫛部23Aの内側に所望の量の頭髪処理剤6を溜め、その状態を維持したまま、剤塗布部2を頭部に移動させる。そして、剤塗布部2Aにおける、櫛部23Aの先端側を、図10(a)に示すように、頭髪H上から頭皮Sに押し当てる。この押し当てにより、第2の櫛歯222が、櫛部23Aの外周方向に広がる。その一方、第1の櫛歯221は、殆ど変形せず、それによって、第2の櫛歯222と第1の櫛歯221との間の間隔Pが拡大し、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の隙間に、頭髪Hがスムーズに入り込む。頭髪処理剤6は、外部で配合したものを充填しても良いし、容器部4内で攪拌混合して作成しても良い。
【0043】
次いで、櫛部22を頭皮Sから離したり、櫛部23を頭皮Sに押し付ける力を弱めると、図10(b)に示すように、第2の櫛歯222が弾性復元力により変形前の状態に近づくように移動し、それに伴い、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の間隔Pも減少する。そして、図10(c)に示すように、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の間隔Pが、頭皮に押し付ける前の間隔に対して大きく減少するか又はゼロとなる。第2実施形態においては、このようにして、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の隙間に頭髪Hが捕捉される。
【0044】
第2実施形態の頭髪処理剤塗布具1Aによれば、このようにして、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の隙間に頭髪Hを効率良く捕捉することができる。そして、その状態で、剤塗布部2Aを、櫛部23Aで頭髪を梳くようにして、頭髪Hの毛先方向に向けて移動させれば、櫛歯22間に保持した頭髪に対して頭髪処理剤6を安定して塗布することができる。そのため、第2実施形態の頭髪処理剤塗布具1Aによっても、第1実施形態と同様な効率的な頭髪処理剤の塗布を行うことができる。
しかも、第2実施形態においては、図10(b)及び図10(c)に示すように、第2の櫛歯222が、櫛部23Aの外周方向に広がった状態から元の状態に戻る過程で、側部突起22が、頭髪Hを、頭皮S上から引き離して、櫛歯どうし間に積極的に取り込む機能を果たす。そのため、頭髪Hが、一層スムーズに、第1の櫛歯221と第2の櫛歯222との間の隙間に捕捉される。
【0045】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。
【0046】
例えば、第1及び第2実施形態における櫛歯22は、一つの円形ライン上に配列していたが、図11に示す実施形態のように、一の櫛歯221と他の櫛歯222とで、それぞれが配列する円形ラインが異なっていても良い。図9に示す実施形態における第2の櫛歯222は、櫛歯台20に隣接する位置P3(櫛歯222の基端)、及び第1の櫛歯221の先端と高さ位置P4の何れにおいても、櫛部23の中心軸Cから櫛歯までの距離が、第1の櫛歯221と略等しい。これに対して、図11に示す実施形態においては、第2の櫛歯222は、櫛歯台20に隣接する位置P3においては、第1の櫛歯221より内側(櫛部23の中心軸Cに近い側)に位置しており、第1の櫛歯221の先端の高さ位置P4においては、第1の櫛歯221よりやや内側(櫛部23の中心軸Cに近い側)に位置している。即ち、第2の櫛歯222の本体部22aは、櫛部23Aの中心軸Cに対して傾斜している。第2の櫛歯222が、第1の櫛歯221よりも内側(櫛部23の中心軸Cに近い側)に位置する部分を有することにより、頭髪の保持安定性が一層向上する。
【0047】
また、第2の櫛歯222の先端側に、湾曲した変形促進部22bに代えて、本体部22aに対して所定の角度をなす直線状の変形促進部を設けてもよい。また、第2実施形態の第2の櫛歯222に代えて、基端から先端までの全体が、湾曲した櫛歯や、基端から先端までの全体が、櫛部23Aの中心軸Cに対して傾斜した櫛歯等を設けても良い。
また、第1実施形態の頭髪処理剤塗布具のラッチ機構に代えて、ノック式のボールペン等に使用されている各種公知のラッチ機構を用いることもできる。
【0048】
また、櫛歯は、円形ライン上に配列しているのに代えて、楕円形状のライン上に配列していても良いし、六角形等の多角形状のライン上に配列していても良い。
また、容器部は、2重構造を有しないものであっても良いし、また、押し潰したり、巻き上げたりして内容物を押し出し可能なチューブ容器であっても良い。また、接続キャップは逆止弁を有しないものであっても良い。また、容器部として、エアゾール容器を用いても良い。
また、前述したように、本発明の頭髪処理剤塗布具は、頭髪処理剤の収容部や剤吐出口を有しないものであっても良く、例えば、延長部5や把持部4が、中実な合成樹脂、木材、金属等から形成されているものであっても良い。また、櫛部は、他の機構によって、櫛歯間の間隔を拡縮したり、頭髪を櫛歯間の隙間に捕捉・保持したりするものであっても良い。
【0049】
また、第2実施形態の頭髪処理剤塗布具は、第2の櫛歯222が大きく変形する可動櫛歯である一方、第1の櫛歯221は殆ど変形しない固定櫛歯であったが、第1の櫛歯221及び第2の櫛歯222の両者が変形するが、その変形の程度が明確に異なることによって、第2の櫛歯222と第1の櫛歯221との間の間隔Pを拡縮させるものであっても良い。
【符号の説明】
【0050】
1,1A 頭髪処理剤塗布具
2,2A 剤塗布部
20 櫛歯台
21 剤吐出口
22 櫛歯
221 第1の櫛歯
222 第2の櫛歯
23,23A 櫛部
3 進退機構
31 進退軸
32a,32b トレース突起
32 回転子
35 ケース体
36 軸支持壁
4 把持部
40 容器部
5 延長部
6 頭髪処理剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状に配置された複数の櫛歯からなる櫛部を備えた頭髪処理剤塗布具であって、
前記櫛部は、櫛歯どうし間の間隔を拡縮可能であり、
頭髪処理剤塗布具を頭部に押し付けた後、その押し付けを解除することで、前記櫛歯どうし間に頭髪を捕捉する機構を備えている頭髪処理剤塗布具。
【請求項2】
前記櫛部を進退させることにより、前記櫛歯間の間隔が広い状態と前記櫛歯間の間隔が狭い状態とを切り替え可能であると共に、前記櫛部を、前記の両状態にそれぞれ保持可能である、請求項1記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項3】
前記櫛部を進退可能に支持し、該櫛部を前進状態及び後退状態にそれぞれに保持可能な進退機構と、該櫛部を後退させる際に、該櫛部の外周方向から押圧されて弾性変形し、その弾性変形により前記櫛歯間の間隔を減少させる櫛歯を備えている、請求項1又は2記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項4】
前記櫛部は、その先端側に向かうにつれて外周方向に広がる傾斜部分を有しており、該櫛部を後退させる際に、該傾斜部分が櫛部の外周方向から押圧され該櫛部が縮径することにより、前記櫛歯間の間隔が減少する請求項3記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項5】
前記櫛部は、第1の櫛歯、及び第1の櫛歯より高さが高い第2の櫛歯を有しており、第2の櫛歯は、頭髪処理剤塗布具を頭部に押し付けたときに、その先端側が前記櫛部の外周方向に移動するように変形して、第1の櫛歯との間の間隔が拡大するように設けられている、請求項1記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項6】
第2の櫛歯は、その先端側に、該櫛歯の高さ方向と交差する方向に突出する側部突起を備えている、請求項5記載の頭髪処理剤塗布具。
【請求項7】
頭髪処理剤の収容部及び複数の櫛歯で囲まれた空間内に該頭髪処理剤を吐出する剤吐出口を備えている、請求項1〜6の何れか1項記載の頭髪処理剤塗布具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図10】
image rotate

【図9】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−85584(P2013−85584A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−226323(P2011−226323)
【出願日】平成23年10月14日(2011.10.14)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】