説明

頭髪化粧料

【課題】 べとつきが少なく、透明感のあるつややかな(ツヤ感のある)仕上がりで、フレーキングがなく、しかも、ごわつきのないしなやかでセット力とその持続姓に優れる頭髪化粧料の提供。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B);
(A)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体
(B)揮発性油剤
を配合する頭髪化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油溶性のシクロアルキル基を有するアクリル系共重合体を配合する頭髪化粧料に関するものであり、更に詳しくは、多価アルコール等による可塑効果を受けにくく、べとつきが少なく、ツヤ感のある仕上がりで、しなやかで高いセット力を有し、その持続性にも優れ、フレーキングすることもない頭髪化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、整髪性のある頭髪化粧料としては、ヘアワックス、ヘアミルク、ヘアジェル、ヘアスプレー、ヘアムース、ブローローション、ポマード等が使用されてきた。これらの剤型において整髪性を持たせる成分としては、ワックス等の油性成分や皮膜形成性の合成高分子が用いられてきた。(非特許文献1)
例えば、ワックスと水溶性高分子の組合せ(特許文献1)、ワックスとイソパラフィン、揮発性油剤の組合せ(特許文献2)、ワックスと水溶性高分子と揮発性油剤の組合せ(特許文献3)、アクリル系樹脂とポリビニルアルコールの組合せ(特許文献4)などが検討されてきた。
【非特許文献1】日本化粧品技術社会編 「化粧品の有用性 評価技術の進歩と将来展望」薬事日報社、2001年3月31日、第374頁−383頁
【特許文献1】特開平10−45546号公報(第1頁−第8頁)
【特許文献2】特開2007−015935号公報(第1頁−第9頁)
【特許文献3】特開2007−001887号公報(第1頁−第15頁)
【特許文献4】特開平11−199453号公報(第1頁−第5頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらも十分な効果を得ることは難しく、ワックスなどを用いたものは、整髪力は高いものの原料特有のべたつきが増大し、整髪保持力が弱かったり、仕上がりが重く硬くなるといった難点があった。また、皮膜形成性の合成高分子を用いたものは整髪保持力は高いものの、仕上がりにごわつきを感じたり、皮膜形成成分が剥離してフケ状のもの(フレーキング)がみられる場合や、また多価アルコール等の他の原料との組合せにより可塑効果を受け、べたつき、十分なセット力を得られない、毛髪につややかさが感じられないなどの難点があった。
このため、べとつきが少なく、つややかな仕上がりで、ごわつきのないしなやかで高いセット力を有し、そのセット力が持続し、フレーキングもしない頭髪化粧料の開発が望まれてきた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体を用いることで、多価アルコール等による可塑効果を受けにくく、べとつきが少なく、透明感のあるつややかな(ツヤ感のある)仕上がりで、ごわつきのないしなやかなセット力を有し、それが長時間持続する特性に優れる頭髪化粧料が得られることを見出した。また、該アクリル系共重合体はアクリル系共重合体特有の高い透明性を有しながらフレーキングしないことを見出した。そこで、これら知見に基づき、該アクリル系共重合体と揮発性油剤とを配合する頭髪化粧料が上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させた。
【0005】
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B);

(A)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体
(B)揮発性油剤
を配合することを特徴とする頭髪化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の頭髪化粧料は、多価アルコール等による可塑効果を受けにくいため、べとつきが少なく、透明感のあるつややな仕上がりで、しなやかで高いセット力を有し、フレーキングすることがなく、セット力の持続性にも優れるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の成分(A)であるシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体を構成するモノマーのうち、成分(a1)のシクロアルキル基含有アクリレート及び/又はメタクリレートは、親油性の重合性モノマーで、耐水性のある透明で硬い皮膜形成能を有する骨格を成すものである。具体例としては、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、トリシクロデシルアクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタクリレート等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。とりわけシクロヘキシルメタクリレートはラジカル重合性が良好で収率が高く、硬い皮膜を形成するための好適なガラス転移点を有し、特に好ましい。
【0008】
本発明の成分(A)を構成するモノマーのうち、成分(a2)の炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレートは、親油性の重合性モノマーで、皮膜に柔軟性や付着性を付与し、軽質イソパラフィンへの溶解性を高める。具体例としては、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルアクリレート、イソノニルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができるが、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレートが好ましく、中でも2−エチルヘキシルメタクリレートが特に好ましい。
【0009】
本発明の成分(A)を構成するモノマーのうち、成分(a3)の片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマーは、アクリル酸もしくはメタクリル酸に二価の炭化水素基を介してオルガノポリシロキサンを連結したエステル化合物が挙げられる。成分(a3)の片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマーは皮膜に耐水性を付与し、軽質イソパラフィンへの溶解性を高める。具体的には、下記一般式(1)に示されるジメチルポリシロキサンマクロモノマーが挙げられ、ジメチルポリシロキサン基の繰り返し単位を示す重合度nは0〜200が好ましく、さらに好ましくは5〜150である。これらのうち、一種又は二種以上用いることができる。この範囲であれば充分な耐水性が得られ、さらに透明で均一な皮膜を得られ好ましい。
【0010】
【化2】


(ここでnは0〜200の整数、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
【0011】
本発明の成分(A)の共重合体は、成分(A)を構成するモノマーである上記成分(a1)と、成分(a2)及び/又は成分(a3)とを重合させて得ることができる。即ち、成分(a1)と成分(a2)、若しくは、成分(a1)と成分(a3)、若しくは、成分(a1)と成分(a2)と成分(a3)を重合させて得ることができる。
【0012】
本発明の成分(A)の共重合体を得るには、成分(a1)のシクロアルキル基含有アクリレート及び/又はメタクリレートを、50〜90質量%(以下、単に「%」とする)用いて重合させることが好ましく、さらに好ましくは50〜80%である。この範囲であれば、軽質イソパラフィンへの溶解性が良好で充分な硬さの皮膜が形成される。
【0013】
同様に、本発明の成分(A)の共重合体を得るには、上記成分(a2)は、10〜50%用いて重合させることが好ましく、さらに好ましくは15〜45%である。この範囲であれば、軽質イソパラフィンへの溶解性が良好で、充分な硬さの均一でしなやかな皮膜を得ることができ、べとつきもなく好ましい。
【0014】
そしてまた、上記成分(a3)は、10〜50%用いて重合させることが好ましく、さらに好ましくは15〜45%である。この範囲であれば、軽質イソパラフィンへの溶解性が良好で、べとつきがなく、均一で硬い皮膜が形成され、良好なセット力を発揮し好ましい。
また、更に、上記成分(a2)と成分(a3)を併用した場合は、その合計が、10〜50%であることが好ましく、さらに好ましくは15〜45%である。この範囲であれば、軽質イソパラフィンへの溶解性が良好で、べとつきのない均一で硬い皮膜が形成され、良好なセット力を発揮し好ましい。
【0015】
また、本発明の成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記成分(a1)〜(a3)以外の重合性モノマーを構成モノマーとして添加して重合することができる。その添加量としては概ね20%以下の範囲で0.01〜10%程度が好ましい。成分(a1)〜(a3)以外の重合性モノマーとしては、特に限定はされないが、スチレン、置換スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、前記以外のアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、無水マレイン酸、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、アクリロニトリル、フッ化オレフィン、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルアセトアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、2−アクリルアミド−2−ジメチルプロパンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0016】
本発明の成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の重量平均分子量は、限定的ではないが、1.0×10〜2.0×10の範囲であるものが好ましい。重量平均分子量は、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、直鎖ポリスチレン標準品で作成した校正曲線及び屈折率検出器を使用する液体ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される。この範囲であれば、軽質イソパラフィンへの溶解性中での溶解粘度が適度で、均一で良好な皮膜が形成され、しなやかなセット力に優れたものとなり、好ましい。
【0017】
本発明の成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体は、上記成分(a1)〜(a3)の構成モノマーを用い、公知の重合方法で重合することができる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物、α、α´―アゾビスイソブチロニトリル、2、2´―アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2、2´―アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ系化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤等の、ラジカル重合開始剤の存在下で重合を行えばよく、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、沈殿重合法などを用いることができる。これらのうち、特に溶液重合法は、得られるアクリル系共重合体の分子量を最適範囲に調整することが容易であるため好ましい。
【0018】
本発明の成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の重合時に用いる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、などの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、イソプロパノール、エチルアルコール、メタノールなどのアルコール類が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。また、軽質イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカンなどのパラフィン系溶剤中で重合することもできる。
【0019】
本発明の成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の重合反応温度は、通常のラジカル重合開始剤の使用可能な温度範囲であれば特に制限はされないが、通常40〜120℃の範囲で実施される。反応温度は使用するラジカル重合開始剤、モノマーの種類、反応温度により異なるが、通常2〜24時間実施される。この範囲であれば残存モノマー量が低く、高い収率で得られるのでより好ましい。このようにして得られた成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体は、25℃において、軽質イソパラフィンに少なくとも30%溶解するものである。溶解性が30%以上であると、べとつきがなく、均一で適度な硬さの皮膜が形成され、しなやかで良好なセット力を発揮し好ましい。
【0020】
成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体は、反応させたときの揮発性油剤中に溶解させたまま、または必要に応じて他の炭化水素やエステル、トリグリセライドなどの油剤で希釈を行ったり、他の油剤へ溶媒置換を行うこともできる。また、溶液の溶媒を除去して成分(A)を固体として取り出すことができ、さらに得られたアクリル系共重合体ポリマーを軽質イソパラフィン等の揮発性油剤中に溶解することによりアクリル系共重合体溶液として使用することもできる。成分(A)のアクリル系共重合体及びその溶液は二種以上混合して使用しても構わない。
【0021】
本発明の頭髪化粧料への成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の配合量は、特に限定はないが、0.1〜5%が好ましく、更に好ましくは1〜3%である。この範囲であれば、他の樹脂や高分子のような仕上がり時のべとつきがなく、透明感のあるつややかな皮膜が形成され、ごわつくことなくしなやかにセットでき、フレーキングもなく、また、セット力の持続性に優れるものが得られる。
【0022】
本発明の頭髪化粧料に用いられる成分(B)の揮発性油剤は、成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の溶媒として働き、系への配合を容易にし、仕上がりのべたつきをおさえ、セット力の持続性を向上させる。
【0023】
本発明の頭髪化粧料に用いられる成分(B)の揮発性油剤としては、軽質イソパラフィン、環状シリコーン、揮発性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。特に軽質イソパラフィンからなる炭化水素の混合物が好ましく、具体的には側鎖を有する炭素数9〜12の飽和炭化水素で、JIS−K2254の蒸留試験で95容量%留出温度が200℃以下のものが挙げられる。市販品としてはIPソルベント1620(出光興産社製)などが挙げられる。
【0024】
本発明の頭髪化粧料への成分(B)の揮発性油剤の配合量は特に限定されないが、1〜90%が好ましく、更に好ましくは1〜60%である。この範囲であれば、仕上がりのべたつきをおさえ、セット力の持続性の良好なものが得られる。
【0025】
本発明の頭髪化粧料においては、更に、成分(C)として水及び/または低級アルコールを配合することができる。成分(C)を配合することにより、より仕上がりのべとつきを抑えられ、髪にのばし易く使用性の良好なものが得られる。成分(C)の水としては、精製水の他、ミネラルウォーター、深層水、温泉水、或いはラベンダー、バラ等の植物の水蒸気蒸留水を用いることができる。また、低級アルコールとしては、例えばエチルアルコール、プロパノールのようなアルコール類が挙げられる。成分(C)はこれらを一種または二種以上を用いることができる。
【0026】
本発明の頭髪化粧料への成分(C)の配合量は、特に限定されないが、1〜95%が好ましく、更に好ましくは20〜80%である。この範囲であれば、仕上がりのべとつきを抑え、髪にのばしやすく、良好な使用性のものが得られる。
【0027】
また、本発明の頭髪化粧料においては、成分(D)として多価アルコールを配合することもできる。成分(D)の多価アルコールを配合することにより、よりごわつきのないしなやかな仕上がりになる。
【0028】
成分(D)の多価アルコールとしては、通常化粧料として配合されるものならば特に限定されず、具体的には1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンチレングリコール、1,2−ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、1,2−オクチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられ、これらは一種または二種以上を適宜選択して組み合わせて使用することができる。
【0029】
本発明の頭髪化粧料への成分(D)の多価アルコールの配合量は、特に限定されないが、1〜30%が好ましく、更に好ましくは1〜15%である。この範囲であれば、ごわつきのないしなやかな仕上がりの良好なものが得られる。
【0030】
本発明の頭髪化粧料には、上記必須成分(A)〜(D)以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、通常、化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、すなわち成分(B)以外の油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、成分(A)以外の樹脂、包接化合物、保湿剤、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、植物抽出物、ビタミン類、アミノ酸類、ペプタイド類、その他ヘアケア用の美容成分等を配合できる。
【0031】
油剤としては、前述の成分(B)の揮発性油以外の高級アルコール、炭化水素油、エステル油、脂肪酸類、油脂、シリコーンなどの油性成分を使用できる。例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、シトステロール、ラノステロール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等の高級アルコール類、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等の炭化水素類、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油類、ミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ等のロウ類、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、硬化油、タートル油、豚脂、馬脂、ミンク油、肝油、卵黄油等の動物油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル等のラノリン誘導体、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体、アルコキシ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、架橋型オルガノポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、グリセリン変性ポリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコンゴム、シリコーンレジン等が挙げられる。
【0032】
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンフィトスタノールエーテル、ポリオキシエチレンフィトステロールエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ポリオキシプロレンヤシ油脂肪酸モノイソパノールアミド、アルカノールアミド、糖エーテル、糖アミド等が挙げられる。アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム等の高級脂肪酸塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウム、テトラデセンスルホン酸カリウム等のα−オレフィンスルホン酸塩;ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム等のヒドロキシエーテルカルボン酸塩;スルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸等が挙げられる。カチオン性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等が挙げられる。両性界面活性剤としては、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジオレイルジメチルアンモニウム、メチル硫酸セチルベヘニルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム等の第4級アンモニウム塩、ステアロイルリジンブチルエステル・塩酸塩、N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸塩、ラウロイル−オルニチンプロピルエステル・酢酸塩等のモノ−N−長鎖アシル塩基性アミノ酸低級アルキルエステル塩、デシルグアニジン酢酸塩、2−グアニジノエチルラウリルアミド塩酸塩、2−グアニジノブチルステアロアミド・DL−ピロリドンカルボン酸塩等のグアニジン誘導体等が挙げられる。
【0033】
金属セッケンとしては、イソステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等が挙げられる。
【0034】
ゲル化剤としては、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0035】
粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状、等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば、無機粉体としては、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、合成雲母、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、モンモリロナイト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタン、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、テトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、ラウロイルリジン等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した複合粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる粉体で、これらの粉体を複合化したり、油剤やシリコーン、又はフッ素化合物で表面処理を行なった粉体でも良い。
【0036】
水溶性高分子としては、通常の化粧料で用いられるものであれば特に限定されず、具体的には、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デンプン、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンジペリニウム等のカチオン性高分子、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー、(オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体等の両性高分子、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムチン、デルマタン硫酸、ヘパリン及びケラタン硫酸から選ばれるムコ多糖類及びその塩、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム、ガラクトマンナン等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト等の無機系水溶性高分子等がある。また、この中には、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も含まれる。
【0037】
抗菌剤としては、安息香酸、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、ビス(2−ピリジルチオ−1−オキシド)亜鉛、フェノキシエタノール、イソプロピルメチルフェノール、ポリアミノプロピルビグアニド等が挙げられる。
【0038】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等、清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0039】
ビタミン類としては、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、リノレン酸及びその誘導体等のビタミンF類;フィトナジオン、メナキノン、メナジオン、メナジオール等のビタミンK類;エリオシトリン、ヘスペリジン等のビタミンP類;その他、ビオチン、カルチニン、フェルラ酸等が挙げられる。
【0040】
アミノ酸類としては、例えばグリシン、アラニン、バリン、イソロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、シスチン、システイン、アセチルシステイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、オルチニン、シトルリン、テアニン、クレアチン、クレアチニン等が挙げられる。アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)、N−アシルグルタミン酸リジン縮合物等が挙げられる。ペプタイド類としては、動物、魚、貝、植物由来のいずれでもよく具体的には、コラーゲン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、エラスチン及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ケラチン及びその誘導体又はそれらの分解物、コムギタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物、ダイズタンパク及びその誘導体又はそれらの加水分解物等が挙げられる。糖類としては、ソルビトール、エリスリトール、マルトース、マルチトール、キシリトール、キシロース、トレハロース、イノシトール、グルコース、マンニトール、ペンタエリスリトール、果糖、蔗糖およびそのエステル、デキストリン及びその誘導体、ハチミツ、黒砂糖抽出物等が挙げられる。その他、セラミド及びその誘導体、18−メチルエイコサン酸等の毛髪脂質成分、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質及びこれらの類似物あるいはこれらのものを含有する組成物、すなわち大豆レシチン、卵黄レシチン、あるいはそれらの水素添加物、更には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンの単独重合体または、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体等のリン脂質及びその誘導体等、毛髪の保湿や補修等ヘアケアに有用な美容成分等が挙げられる。これらは、一種又は二種以上を適宜選択又は組み合わせて配合することができる。
【0041】
本発明の頭髪化粧料は、剤型としては、水性、可溶化型、O/W乳化型、W/O乳化型、油性等いずれでもよく、また液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、固形状等、性状もいずれでも構わない。また、噴射剤を配合してエアゾールフォーム又はポンプフォーム容器を使用してフォーム状タイプとしての実施も可能であり、ヘアミルク、ヘアクリーム、ヘアジェル、ヘアワックス、ヘアムース、ヘアスプレー、ポマード、ヘアローション、ヘアカラー、シャンプー、コンディショナー、ヘアパック、ヘアオイル、ヘアコロン、ヘアエッセンス、縮毛矯正剤、パーマ剤等として使用することができる。
【実施例】
【0042】
次に実施例をもって本発明をより詳細に説明する。本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0043】
製造例1:シクロアルキル基含有アクリル系共重合体1の合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにシクロヘキシルメタクリレート22.5g、2−エチルヘキシルメタクリレート7.5g及びトルエン70gを加え、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、100℃まで加温し、AIBNを0.15g加えて3時間還流し重合させた。得られた反応物にメタノールを注入してアクリル系共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してシクロアルキル基含有アクリル系共重合体固形分27.4gを得た。ポリスチレン換算による重量平均分子量は3.8×10であった。また、これを30質量部に軽質イソパラフィン(IPソルベント1620(出光興産社製))70質量部を加えて混合したものは、25℃において良好に溶解し透明になるものであった。
【0044】
製造例2:シクロアルキル基含有アクリル系共重合体2の合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにシクロヘキシルメタクリレート22.5g、下記一般式(2)のジメチルポリシロキサンマクロモノマー7.5g及びトルエン70gを加え、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、100℃まで加温し、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNとする)を0.15g加えて8時間還流し重合させた。得られた反応物をエバポレーションにてトルエンを留去後、真空乾燥してシクロアルキル基含有アクリル系共重合体固形分26.6gを得た。ポリスチレン換算による重量平均分子量は6.7×10であった。また、製造例1同様、これを30質量部に軽質イソパラフィン(IPソルベント1620(出光興産社製))70質量部を加えて混合したものは、25℃において良好に溶解し透明になるものであった。
【0045】
【化3】

【0046】
製造例3:シクロアルキル基含有アクリル系共重合体3の合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにシクロヘキシルメタクリレート15g、2−エチルヘキシルメタクリレート15g及びトルエン70gを加え、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、100℃まで加温し、AIBNを0.15g加えて3時間還流し重合させた。得られた反応物にメタノールを注入してアクリル系共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してシクロアルキル基含有アクリル系共重合体固形分25.5gを得た。ポリスチレン換算による重量平均分子量は3.7×10であった。また、製造例1同様、これを30質量部に軽質イソパラフィン(IPソルベント1620(出光興産社製))70質量部を加えて混合したものは、25℃において良好に溶解し透明になるものであった。
【0047】
製造例4:シクロアルキル基含有アクリル系共重合体4の合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコにシクロヘキシルメタクリレート21g、2−エチルヘキシルメタクリレート4.5g、上記一般式(2)のジメチルポリシロキサンマクロモノマー4.5g及びトルエン70gを加え、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、AIBNを0.15g加えて5時間還流し重合させた。得られた反応物にメタノールを注入してアクリル系共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥してシクロアルキル基含有アクリル系共重合体固形分20.5gを得た。ポリスチレン換算による重量平均分子量は6.2×10であった。また、製造例1同様、これを30質量部に軽質イソパラフィン(IPソルベント1620(出光興産社製))70質量部を加えて混合したものは、25℃において良好に溶解し透明になるものであった。
【0048】
実施例1:本発明品1〜4及び比較品1〜4:整髪料
表1に示す整髪料を下記製造方法により調製し、仕上がりの「べとつきのなさ」、「ツヤ感(透明感のあるつややかさ)」、「しなやかなセット力」、「セット力の持続性」「フレーキングのなさ」について、以下に示す評価方法方法および判定基準により判定し、結果を併せて表1に示した。
【0049】
【表1】

【0050】
(製造方法)
A:1〜8、11を加熱(70℃)混合して均一溶解する。
B:12〜16を加熱(70℃)混合して均一に溶解する。
C:BにCを添加して乳化する。
D:Cを冷却後、9、10を添加する。
【0051】
〔評価方法〕
化粧品評価専門パネル20名に、本発明品及び比較品の整髪料を使用してもらい、仕上がり時の「べとつきのなさ」、「ツヤ感」、「しなやかなセット力」を評価してもらい、その後3時間通常の生活をした後「セット力の持続性」、「フレーキングのなさ」について、各自に評価してもらった。
「べとつきのなさ」、「ツヤ感」、「しなやかなセット力」、「セット力の持続性」については、以下の評価基準1に従って評価し、更に、各項目、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準1に従って判定した。
「フレーキングのなさ」については、以下の評価基準2に従って評価し、更に、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準2に従って判定した。
【0052】
評価基準1:「べとつきのなさ」、「ツヤ感(透明感のあるつややかさ)」、「しなやかなセット力」、「セット力の持続性」の評価
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準1:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
【0053】
評価基準2:「フレーキングのなさ」の評価
[評価結果] :[評 点]
問題なし : 4点
ごく僅かにフレーキングが見られる : 3点
少しフレーキングが見られる : 2点
フレーキングが毛髪全体に見られる : 1点
判定基準2:
[評点の平均点] :[判 定]
3.5以上 : ◎
3.0以上〜3.5未満 : ○
2.0以上〜3.0未満 : △
2.0未満 : ×
【0054】
製造例1または2のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体を配合した本発明品1〜4の整髪料は、いずれも仕上がりのべとつきのなさ、ツヤ感、しなやかなセット力、及びセット力の持続性、フレーキングのなさの全てにおいて優れた整髪料となった。特に本発明品1及び2はシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の効果が充分に発揮されるもので、ごわつきのないしなやかな仕上がりの非常に優れたものであった。
一方、整髪料に(A)の共重合体を配合しない比較品1は仕上がりのツヤ感や、しなやかなセット力、セット力の持続性が得られず整髪料として満足できるものではなかった。また(A)の共重合体の代わりに他の共重合体として(ビニルピロリドン/酢酸ビニル)共重合体を配合した比較品2では、多価アルコール等の可塑効果をうけてべとついてしまい、ツヤ感やセット力にも欠け、フレーキングも生じ、全ての面で満足のいくものではなかった。同様に、(A)の共重合体の代わりに他のアクリレートシリコ−ンを配合した比較品3では、仕上がりにべとつきを感じてしまい、ごわついてしなやかなセット力も得られず満足できるものではなかった。さらに(B)の揮発性油剤の代わりに不揮発性の流動パラフィンを配合した比較品4は成分(A)が溶解せず不均一な系のものであり、強制的に髪に塗布してみても、仕上がり時にべとつき、ツヤ感、セット力に劣るもので、満足いくものではなかった。
【0055】
実施例2: ヘアワックス
下記に示す組成および製法にてへアワックスを調製した。
【0056】
(組成)
(成 分) (%)
(1)ステアリン酸 2
(2)パラフィン 8
(3)セトステアリルアルコール 3
(4)流動パラフィン 2
(5)トリエチルヘキサノイン 2
(6)トリフェニルメチルポリシロキサン 1
(7)軽質イソパラフィン *1 5
(8)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体 *3 2
(9)精製水 残量
(10)1,3−ブチレングリコール 10
(11)ポリエチレングリコール 1
(12)2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン
/メタクリル酸共重合体 1
(13)1,2−ペンチレングリコール 1
(14)トリエタノールアミン 1
(15)アミノ変性シリコーンエマルション *5 3
*5:SM8904 COSMETIC EMULSION(東レ・ダウコーニング社製)
【0057】
(製造方法)
A:1〜8を加熱(70℃)混合して均一溶解する。
B:9〜14を加熱(70℃)混合して均一に溶解する。
C:BにCを添加して乳化する。
D:Cを冷却後、15を添加する。
【0058】
以上のようにして得られた実施例2のヘアワックスは、仕上がりのツヤ感、仕上がりのべとつきのなさ、しなやかなセット力、セット力の持続性、フレーキングのなさ、全てにおいて優れたヘアワックスとなった。特にこれに用いたシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体は、耐水性に優れており、雨の日等湿度の高い環境下においても、べとつきのなさ、セット力の持続性において優れた効果を発揮するものであった。
【0059】
実施例3: ヘアオイル
下記に示す組成および製造方法にてヘアオイルを調製した。
【0060】
(組成)
(成 分) (%)
(1)軽質イソパラフィン *1 残量
(2)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体 *6 2
(3)ジメチルポリシロキサン 40
(4)ジメチコノール 10
(5)フェニルグリコール 0.5
(6)ホホバ油 1
(7)フィトステロール 0.1
*6:製造例3のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体
【0061】
(製造方法)
A:1、2を混合して均一溶解する。
B:3〜7を均一溶解し、そこへAを添加して均一にする。
【0062】
以上のようにして得られた実施例3のヘアオイルは、仕上がりのツヤ感、仕上がりのべとつきのなさ、しなやかなセット力、セット力の持続性、フレーキングのなさ、全てにおいて優れたヘアオイルとなった。
【0063】
実施例4:
下記に示す組成および製造方法にてへアスプレーを調製した。
【0064】
(組成)
(成 分) (%)
(1)エチルアルコール 残量
(2)パラオキシ安息香酸メチル 0.3
(3)パルミチン酸オクチル 25
(4)ミリスチン酸イソプロピル 15
(5)軽質イソパラフィン *1 10
(6)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体 *7 3
(7)ベヘニルアルコール 1
(8)ジカプリン酸プロピレングリコール 0.5
(9)パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル 0.1
(10)香料 適量
*7:製造例4のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体
【0065】
(製造方法)
A:1、2を混合して均一溶解する。
B:3〜10を均一溶解し、そこへAを添加して均一にし原液とする。
C:Bの原液60%に対し、噴射剤(ジメチルエーテル)を40%エアゾール缶に充填し、ヘアスプレーとする。
【0066】
以上のようにして得られた実施例4のヘアスプレーは、仕上がりのべとつきのなさ、ツヤ感、しなやかなセット力、セット力の持続性、フレーキングのなさの全てにおいて優れたヘアスプレーであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)及び(B);
(A)シクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体
(B)揮発性油剤
を配合することを特徴とする頭髪化粧料。
【請求項2】
成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体が、次の成分(a1)、(a2);
(a1)シクロアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレート
(a2)炭素数8〜12の直鎖若しくは分岐のアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレート
から構成されるアクリル系共重合体であって、成分(a1)を50〜90質量%、成分(a2)を10〜50質量%重合させて得られるアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の頭髪化粧料。
【請求項3】
成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体が、次の成分(a1)、(a3)
(a1)シクロアルキル基を有するアクリレート及び/又はメタクリレート
(a3)片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマー
から構成されるアクリル系共重合体であって、成分(a1)を50〜90質量%、成分(a3)を10〜50質量%重合させて得られるアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の頭髪化粧料。
【請求項4】
成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体が、次の成分(a1)、(a2)、(a3)
(a1)シクロアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレート
(a2)炭素数8〜12の直鎖又は分岐のアルキル基を含有するアクリレート及び/又はメタクリレート
(a3)片末端にラジカル重合性基を含有するオルガノポリシロキサンマクロモノマー
から構成されるアクリル系共重合体であって、成分(a1)を50〜90質量%、成分(a2)、成分(a3)を重合させて得られるアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1記載の頭髪化粧料。
【請求項5】
成分(A)の成分(a3)が、一般式(1)で示されるジメチルポリシロキサンマクロモノマー
【化1】

(ここでnは0〜200の整数、Rは水素又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜5のアルキル基を示す。)
であるアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項3又は4記載の頭髪化粧料。
【請求項6】
成分(A)の成分(a1)がシクロヘキシルメタクリレートであるアクリル系共重合体であることを特徴とする請求項2乃至5の何れかの項記載の頭髪化粧料。
【請求項7】
成分(A)のシクロアルキル基を含有するアクリル系共重合体の液体ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算による重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの項記載の頭髪化粧料。
【請求項8】
成分(B)が揮発性油剤がイソパラフィン系の炭化水素油であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかの項記載の頭髪化粧料。
【請求項9】
更に、成分(C)として水及び/または低級アルコールを配合することを特徴とする請求項1乃至8の何れかの項記載の頭髪化粧料。
【請求項10】
更に、成分(D)として多価アルコールを配合することを特徴とする請求項1乃至9の何れかの項記載の頭髪化粧料。
【請求項11】
整髪料であることを特徴とする請求項1乃至10の何れかの項記載の頭髪化粧料。

【公開番号】特開2009−242256(P2009−242256A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−88385(P2008−88385)
【出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】